JP2929047B2 - 電力ケーブルの絶縁劣化診断法 - Google Patents

電力ケーブルの絶縁劣化診断法

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JP2929047B2
JP2929047B2 JP4101869A JP10186992A JP2929047B2 JP 2929047 B2 JP2929047 B2 JP 2929047B2 JP 4101869 A JP4101869 A JP 4101869A JP 10186992 A JP10186992 A JP 10186992A JP 2929047 B2 JP2929047 B2 JP 2929047B2
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中 坂本
雅善 中川
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力ケーブルの絶縁劣
化診断法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CVケーブル等のゴム・プラスチック絶
縁ケーブルを水分のある環境下で長期間使用している
と、水トリー劣化による絶縁体の絶縁破壊強度の低下が
起こり、これが著しい場合には、ケーブル使用中の絶縁
破壊事故の原因になることが知られている。電力の安定
供給を行うためには、このような劣化を事故の未然に検
出し、その劣化状態を的確に診断することが極めて重要
な課題となっている。
【0003】水トリー劣化診断手法としては、従来から
種々の方法が提案されているが、その一つとして、絶縁
体に流れる交流電流の中から直流成分を測定する方法が
ある。
【0004】この方法は、電極間を橋絡するような水ト
リーが発生すると、その部分に流れる交流電流中に微少
な直流成分が発生する現象を利用したもので、ローパス
フィルタと直流増幅器の組合せによって容易に実現可能
であることから、交流電圧が課電された状態でのケーブ
ルの活線絶縁劣化診断に適用されている。
【0005】しかしながら、この方法を実際のケーブル
線路に適用する場合には、電流検出のためのインピーダ
ンス素子をケーブルの遮蔽層と大地間に挿入する必要が
あり、これを行うと、ケーブルの遮蔽層と大地間に微少
な直流電位差が発生している場合の直流迷送電流と劣化
信号電流との区別が困難になるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、交流課
電下での直流成分の測定による水トリー劣化診断には、
絶縁劣化と無関係な直流迷送電流との区別が難しいとい
う問題がある。
【0007】この問題は、劣化信号と雑音信号が直流と
いう同じ周波数の電流であることに原因しており、直流
迷送電流を除去できない限り、信頼性のある劣化診断は
行えない。
【0008】一方、交流課電下の水トリー劣化絶縁体に
流れる交流電流中の直流成分を詳細に測定したところ、
この直流成分はランダムに変動する非常に不安定な電流
であり、直流成分の平均的な値が大きいケーブル程その
変動も大きくなることが確認された。
【0009】従って、測定された直流成分の中からこの
変動成分のみを抽出できれば、この変動成分の大きさを
絶縁体の劣化状態を表す信号として利用することがで
き、また、劣化と無関係な直流迷送電流との区別が可能
になる。
【0010】直流成分が不安定に変動する原因を考察す
ると、交流課電によって絶縁体に流れる電流は直流成分
を含まない交流成分のみの電流となるはずであるが、こ
れに微少な直流成分が含まれる現象は、正負の交流電界
下での絶縁体の電流−電圧特性が異なると云う電圧に対
する電流の非線形応答の結果として考えることができ
る。
【0011】もしも、この電流−電圧特性の非線形性が
時間に対して変動しなければ、観測される直流成分は変
動成分を全く含まない安定した一定の値となるはずであ
る。
【0012】しかしながら、実際には劣化の著しいケー
ブル絶縁体ほどこの電流の変動成分も大きくなるので、
直流成分を発生するような著しい劣化状態の絶縁体の電
流−電圧の非線形特性は、時間に対して不安定に変動し
ていると考えることができる。
【0013】ここで、直流成分を発生させるような電極
間を橋絡した水トリー劣化状態について述べると、この
劣化部の交流破壊強度はケーブルの使用電界に近い値ま
で低下しており、また、この部分には直流成分よりもは
るかに大きな交流損失電流が流れている。
【0014】従って、このような劣化状態は長時間安定
して存在できないので、劣化部の中の電界集中部での電
気トリー等の部分的な破壊が併発し、時間の経過ととも
に徐々に部分的な破壊が進展して、最終的には電極間を
貫通する全路破壊に至ることが推定される。
【0015】この部分破壊あるいはそれに近い状態での
絶縁体の電流−電圧特性は極めて不安定であり、例え
ば、電気トリーに関する研究によれば、一定の電界下に
於いても電流は不安定に変動し、又、交流電圧の場合に
は、電流に極性差が生じる場合があること等が広く知ら
れている。
【0016】実際に直流成分ならびにその変動が観測さ
れたケーブル絶縁体を解体調査すると、水トリー部の電
極近傍側に電気トリーを併発している場合が多数認めら
れ、上述の不安定に変動する超低周波電流成分の発生は
ほぼ間違いないと思われる。
【0017】この超低周波電流による劣化診断の一つの
方法としては、この電流成分の中から或る特定の周波数
成分のみを選択的に抽出する方法が考えられる。
【0018】しかしながら、劣化によって生じる超低周
波電流は時間に対してランダムに変化する偶発的な要因
に支配されるものであって、必ずしも或る特定の超低周
波数成分のみが強調されるものではない。むしろ、この
電流は多数の異なる周波数成分が合成された結果として
現れるものと考えられ、従って、検出すべき電流の周波
数を特定な値に限ってしまうと、その電流の値は超低周
波での電流変動として検出される全体の劣化信号よりも
はるかに小さな値となり、感度の良い劣化診断には不適
当になる。
【0019】上述の観点からは、検出すべき劣化信号電
流としては、超低周波領域での多数の周波数成分が合成
された変動電流そのものを検出する必要がある。
【0020】本発明の目的は、交流課電下の絶縁体に流
れる直流に近い超低周波領域の電流成分を利用した、簡
便かつ信頼性のある電力ケーブルの活線絶縁劣化診断法
を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明に係る電力ケーブルの絶縁劣化診断法は、交
流電源に接続される試験ケーブルの遮蔽導体と大地との
間に接続した電流検出用のインピーダンス素子により、
前記ケーブル絶縁体に流れる直流に近い超低周波領域の
電流成分を検出して交流課電下にあるケーブル絶縁体の
劣化状態を診断する電力ケーブルの絶縁劣化診断法であ
って、前記電流検出インピーダンス素子にて検出した電
流を、遮断周波数を1Hz程度としたローパスフィルタ
に入力して検出電流中における電源の周波数成分および
不明確な雑音電流成分を除去すると共に、遮断周波数を
0.01Hz以下程度としたローパスフィルタに入力し
て検出電流中における直流以外の全ての周波数成分を除
去し、次いでこれら二つのローパスフィルタを通過した
電流を差動増幅器に入力して二つのローパスフィルタの
遮断周波数の差に相当する帯域の、直流に近い超低周波
の電流成分のみを抽出し、この電流を直流増幅器を介し
て直流電圧計にて計測し、この計測でもって得られる超
低周波でランダムに変動する電流の大きさから劣化判定
を行うことを特徴とする。
【0022】
【作用】上述の構成を有する電力ケーブルの絶縁劣化診
断法は、電気的な部分破壊を伴うような劣化絶縁体に流
れる交流電流には超低周波で変動する微少な電流成分が
含まれる現象を利用したもので、検出された絶縁体の交
流電流をバンドパスフィルタを通過させることによって
検出電流中の交流成分と直流成分を除去し、同時に、検
出電流中に含まれる劣化信号と無関係な直流迷送電流を
除去し、この時に得られた直流に近い超低周波でランダ
ムに変動する電流成分の大きさから劣化判定を行う。
【0023】
【実施例】本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明
する。図1は絶縁劣化診断に用いる測定回路を示したも
ので、試験ケーブル2は、導体2aを交流電源1の高圧
側に接続し、遮蔽導体2bは電流検出用のインピーダン
ス素子3を介して大地に接地されることによって交流電
源1の低圧側に接続される。
【0024】電流検出用インピーダンス素子3として
は、静電容量あるいは抵抗を用いる。この電流検出用の
インピーダンス素子3と並列にアレスタ4を接続し、過
電圧入力に対する測定回路の保護を行う。
【0025】電流検出インピーダンス3には、試験ケー
ブル2の絶縁体に流れる交流電流Isに重畳して、ケー
ブルの遮蔽導体と大地間に発生する直流電位差5aによ
る直流迷送電流Inがケーブル遮蔽電極と大地間の抵抗
5bを介して流入する。
【0026】この電流検出インピーダンス3によって検
出された電流はバンドパスフィルタ6に入力される。こ
のバンドパスフィルタ6は遮断周波数の異なる二つのロ
ーパスフィルタ6a,6bと差動増幅器6cから構成さ
れている。
【0027】ローパスフィルタ6aは、電流検出インピ
ーダンス3によって検出された電流中の電源1の周波数
成分ならびに不明確な雑音電流を除去するための目的の
もので、その遮断周波数としては、例えば1Hz程度を
選択する。
【0028】ローパスフィルタ6bは、電流検出インピ
ーダンス3によって検出された電流中の直流以外の全て
の周波数成分を除去する目的のもので、その遮断周波数
としては、例えば0.01Hz以下程度の直流に極めて
近い値を選択する。差動増幅器6cによって、これらの
ローパスフィルタ6a、6b通過後の電流の差動を取る
と、電流検出インピーダンス3によって検出された電流
から直流成分と交流電源1の周波数の電流成分が除去さ
れて、二つのローパスフィルタ6a、6bの遮断周波数
の差に相当する帯域の、直流に近い超低周波の電流成分
のみが抽出され、この電流を直流増幅器7を介して直流
電圧計8にて計測する。
【0029】図2は、試料として電極間を橋絡する水ト
リーが発生したCVケーブルを用いた場合の、本発明に
よる超低周波電流測定の実施例である。図2の電流IB
は従来の直流成分法による直流成分測定結果を示したも
のであり、この電流には約25nAの直流電流成分に重
畳した変動分が認められる。電流IAは本発明の回路に
よって検出した超低周波電流の測定結果を示したもので
あり、この電流の大きさは直流成分法による直流電流成
分IBの変動成分にほぼ対応しており、また、直流成分
は除去されている。尚、本発明による超低周波電流IA
と直流成分法による直流分IBの変動成分の電流波形が
一致していない最大の原因は、これらの測定が別の時刻
に行われたことによる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る電
力ケーブルの絶縁劣化診断法は、直流成分を除去した超
低周波電流の測定により、直流迷送電流等の劣化と無関
係な雑音電流の影響を除去した信頼性の高い活線絶縁劣
化診断が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定のための回路構成図である。
【図2】超低周波電流の測定結果例である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 試験ケーブル 2a 試験ケーブルの導体 2b 試験ケーブルの遮蔽導体 3 電流検出用インピーダンス素子 4 アレスタ 5a ケーブルの遮蔽導体と大地間に発生する直流電位
差 5b ケーブル遮蔽電極と大地間の抵抗 6 バンドパスフィルタ 6a、6b ローパスフィルタ 6c 差動増幅器 7 直流増幅器 8 直流電圧計 Is 絶縁体に流れる交流電流 In 直流迷送電流 IB 直流成分法による直流成分測定結果 IA 本発明による超低周波電流測定結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 31/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源に接続される試験ケーブルの遮蔽
    導体と大地との間に接続した電流検出用のインピーダン
    ス素子により、前記ケーブル絶縁体に流れる直流に近い
    超低周波領域の電流成分を検出して交流課電下にあるケ
    ーブル絶縁体の劣化状態を診断する電力ケーブルの絶縁
    劣化診断法であって、 前記電流検出インピーダンス素子にて検出した電流を、
    遮断周波数を1Hz程度としたローパスフィルタに入力
    して検出電流中における電源の周波数成分および不明確
    な雑音電流成分を除去すると共に、遮断周波数を0.0
    1Hz以下程度としたローパスフィルタに入力して検出
    電流中における直流以外の全ての周波数成分を除去し、
    次いで、これら二つのローパスフィルタを通過した電流
    を差動増幅器に入力して二つのローパスフィルタの遮断
    周波数の差に相当する帯域の、直流に近い超低周波の電
    流成分のみを抽出し、この電流を直流増幅器を介して直
    流電圧計にて計測し、この計測でもって得られる超低周
    波でランダムに変動する電流の大きさから劣化判定を行
    うことを特徴とする電力ケーブルの絶縁劣化診断法。
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CN108627747A (zh) * 2018-08-23 2018-10-09 武汉脉源电气有限公司 一种基于pdc法的xlpe电缆绝缘水树老化的诊断模型及其诊断方法
CN113466551B (zh) * 2021-05-20 2024-03-19 河北大唐国际王滩发电有限责任公司 一种基于截止频率测量的锅炉管老化程度快速评估方法

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