JPH07294588A - ケーブル絶縁不良区間の活線下識別方法 - Google Patents

ケーブル絶縁不良区間の活線下識別方法

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JPH07294588A
JPH07294588A JP6084946A JP8494694A JPH07294588A JP H07294588 A JPH07294588 A JP H07294588A JP 6084946 A JP6084946 A JP 6084946A JP 8494694 A JP8494694 A JP 8494694A JP H07294588 A JPH07294588 A JP H07294588A
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JP
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voltage
cable
section
measurement
frequency
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JP6084946A
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Tadaharu Nakayama
忠晴 中山
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/50Systems or methods supporting the power network operation or management, involving a certain degree of interaction with the load-side end user applications
    • Y04S10/52Outage or fault management, e.g. fault detection or location

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ケーブルの部分取替区間を正確に
限定できるケーブル絶縁不良区間の活線下識別方法を提
供することを目的とする。 【構成】 本発明は、活線運転中の対象電力ケーブルの
属する高圧系統に連なる他のケーブルの1条を測定用信
号電圧注入用として、該他のケーブルのしゃへいと大地
間に商用周波数と異なる低周波数の交流単相電源を接続
するステップと、前記他のケーブルの絶縁層静電容量を
通じて高圧母線に送り込まれた前記周波数の交流電圧を
測定用電源とし、前記対象電力ケーブルのしゃへいを所
望の区間に縁切りをして、区間毎にしゃへいと大地間に
挿入した低抵抗の両端に発生する商用周波数成分を排除
した交流電圧を測定するステップと、該測定された単位
長あたりの測定電圧の大小から絶縁不良区間を識別する
ステップとを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水トリーに基づく絶縁不
良を発生している高電圧電力ケーブルの絶縁不良区間
を、そのケーブルの活線運転下で識別する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】活線下でケーブルの絶縁劣化状況を監視
する技術は種々の方法が提案され、実用化されているも
のもある。しかしながら絶縁不良の発見されたケーブル
の、どの区間が絶縁不良であって取替に値し、どの区間
が絶縁良好であって取替に値しないかを、活線下で識別
する技術はまだ一般的でない。ここでは発明者自身が従
来用いていた方法を次に説明する。
【0003】図5において、1は絶縁不良区間を識別す
べき対象高圧電力ケーブル6が属する高圧母線、2はそ
の母線の接地用機器で一例としてGTR(接地用変圧
器)で示す。3は2の中性点と大地間に接続された低抵
抗、4は測定用直流電流で、開閉器5を閉じれば測定用
信号電圧として通常プラス極性の50Vが2の接地用機
器巻線を通じて高圧母線1に送り出され、対象高圧電力
ケーブル6の高圧導体に達する。
【0004】対象高圧電力ケーブル6は、そのしゃへい
を各所で縁切りをして複数の区間に分離する。図では
a,bの2ケ所で縁切りをして、A,B,Cの3区間に
分離している。区間Bに絶縁不良抵抗7があり、他の
A,C区間は絶縁良好区間である。
【0005】今、a点で測定を行っているものとして説
明する。a点ではA,B区間のそれぞれのしゃへい端末
と大地間にコンデンサ8A,8Bが挿入され、A,B区
間のしゃへいの交流低インピーダンス接地が図られてい
る。C区間のしゃへいはb点又は端末で接地されてい
る。コンデンサ8A,8Bにそれぞれ並列接続されてい
る9A,9Bは直流微少電圧測定器10の入力抵抗とし
て用いられているもので数KΩの中位抵抗である。一端
を大地に落とした直流微少電圧測定器10の他端をそれ
ぞれのしゃへい端末に交互に接続して、或は直流微少電
圧測定器10が2ペン型の記録電圧計であれば同時に、
しゃへい端末対大地間の直流電圧を測定すれば、絶縁不
良抵抗7を通じる漏洩電流の存在するB区間の方が、A
区間より大きい電圧を示すので、絶縁不良区間はB区間
らしいと判る。同様の測定作業をb点でも行うと、絶縁
不良区間がB区間であることを確定できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高圧電力ケーブルの水
トリーに基く絶縁不良は、その絶縁層を貫通する水トリ
ーパスが存在しなければ絶縁抵抗の低下がなく、水トリ
ーが存在してサージ性の電圧に対する耐圧性能は低下し
ていながら絶縁不良として認識し得ないという問題があ
る。
【0007】そこで前述の如き従来技術により絶縁良好
区間と認定した区間に水トリーが発生していないかとい
うと、実はそうではないことが多々ある。従って、絶縁
不良と認識した区間のケーブルだけを取替えても、時を
経ずして又絶縁不良の存在が残存区間で顕現化するとい
う事態を招く事があった。したがって、貫通水トリーが
存在しない、或は存在してもその絶縁抵抗値があまりに
高くて従来技術では検出不可能な区間でも、水トリーが
存在すれば認識したいという課題があった。
【0008】本発明はこの点を改良するもので、ケーブ
ルの部分取替区間を正確に限定する目的にもっとも沿っ
たケーブル絶縁不良区間の識別方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、絶縁不良
を発生している高圧電力ケーブルの絶縁不良区間を該ケ
ーブルの活線運転下で識別するケーブル絶縁不良区間の
活線下識別方法において、活線運転中の対象電力ケーブ
ルの属する高圧系統に連なる他のケーブルの1条を測定
用信号電圧注入用として、該他のケーブルのしゃへいと
大地間に商用周波数と異なる低周波数の交流単相電源を
接続するステップと、前記他のケーブルの絶縁層静電容
量を通じて高圧母線に送り込まれた前記周波数の交流電
圧を測定用電源とし、前記対象電力ケーブルのしゃへい
を所望の区間に縁切りをして、区間毎にしゃへいと大地
間に挿入した低抵抗の両端に発生する商用周波数成分を
排除した交流電圧を測定するステップと、該測定された
単位長あたりの測定電圧の大小から絶縁不良区間を識別
するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0010】第2発明は、絶縁不良を発生している高圧
電力ケーブルの絶縁不良区間を該ケーブルの活線運転下
で識別するケーブル絶縁不良区間の活線下識別方法にお
いて、対象ケーブルが単心ケーブルの場合に、測定用電
源として商用周波数の高圧系統電圧を利用し、前記対象
電力ケーブルのしゃへいを所望の区間に縁切りをして、
区間毎にしゃへいと大地間に挿入した低抵抗の両端に発
生する商用周波数成分を排除した交流電圧を測定するス
テップと、該測定された単位長あたりの測定電圧の大小
から絶縁不良区間を識別するステップとを備えたことを
特徴とする。
【0011】
【作用】従って、高圧系統の商用周波数高電界下で水ト
リーを有するケーブルが形成している広い周波数にわた
る雑音電界環境を、単相電圧によりトレースして得られ
た、しゃへい分離各区間毎のしゃへい対大地間挿入抵抗
での商用周波数成分を排除した電圧降下の単位長あたり
の大小で、各区間の絶縁不良度を比較できる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0013】(原理)まず、本発明の原理を説明する。
【0014】本発明では、前述の課題を解決するための
手段として、ケーブルのしゃへいを各所で縁切りをして
複数区間に分離し、各区間毎に測定作業を行って絶縁不
良区間を認識するという手法は踏襲したうえで、測定用
電源として商用周波数と異なる低周波数の交流単相電源
を用い、対象ケーブルの属する高圧系統に連なる他のケ
ーブルの1条のしゃへいと大地間に前記電源を接続し
て、そのケーブルの絶縁層静電容量を通じて高圧母線に
測定用信号電圧を注入し、区間毎にしゃへいと大地間に
挿入した低抵抗の両端に発生する商用周波数成分を排除
した交流電圧を測定し、位長あたりの測定電圧の大小比
較により絶縁不良区間を認識する。
【0015】対象ケーブルが単心ケーブルの場合(トリ
プレックスケーブルを含む)は、上述の手段により3心
一括の場合及び1相毎の測定が可能ではあるが、単心ケ
ーブルであることを利して次の簡便手段を用いる。
【0016】測定用電源として商用周波数の高圧系統の
1相電圧自身を用い、区間毎にしゃへいと大地間に挿入
した低抵抗の両端に発生する商用周波数成分を排除した
交流電圧を測定し、単位長あたりの測定電圧の大小比較
により絶縁不良区間を認識する。
【0017】商用周波数と異なる低周波数の交流単相電
源としてはCVCFを用いることになるが、周波数とし
て商用周波数よりあまりに高い周波数、例えば100H
z以上、はケーブル充電電流が増加して必要電源容量が
大きくなり、かつ対象電力ケーブルのしゃへい対大地間
交流インピーダンスが低下して測定感度の低下を招くの
で好ましくない、又商用周波数より著しく低い周波数例
えば0.1〜5Hzの採用は、発生電圧変成用変圧器を
含む電源の重量容積の増大と、唸り周波数が商用周波数
に近付くことから高圧系統保護システムの誤動作を招く
おそれがあり、これも好ましくない。よって商用周波数
の1/2程度の周波数が適当である。
【0018】次に発生電圧として、被注入ケーブルの防
食層にその電圧が印加されるので当該ケーブルの防食層
に絶縁不良の無いことが必要であるとともに、あまり高
い電圧も採用できない。よって最高電圧は500Vま
で、最低電圧は20V程度の範囲でえらぶのが妥当であ
る。
【0019】CVCFの負荷が被注入ケーブルのしゃへ
い対大地間(防食層)静電容量が大半ということでは高
力率を好むCVCFの性質上好ましくないので、負荷の
大半はCVCFの出力に挿入した抵抗により消費させる
こととして、次のような負荷配分と、高圧母線残留電圧
となる。
【0020】 使用高圧系:50Hz、11KV 被注入ケーブル:1km長 絶縁層静電容量1.5μF(3相分) 防食層静電容量5μF 高圧系静電容量:18.5μF(上記被注入ケーブル分は除く) CVCF出力挿入抵抗:400Ω(400VA) 被注入ケーブル防食層負荷電力:2×π×25×5×10-6×400×400 =j125.7VA 高圧系負荷電力:2×π×25×1.3875×10-6×400×400=j 34.9VA(注1.3875μFは1.5μFと18.5μFの直列静電容量 ) CVCF全負荷:431VA 力率=0.93 高圧母線残留電圧:400×1.5/(1.5+18.5)=30V 上記例の場合、30Vの電圧が測定用電源となり、これ
により対象ケーブル各区間長の絶縁層を通じて流れる電
流及び、しゃへいと大地間に挿入した低抵抗(50Ωと
する)での電圧降下を予測すると次の如くである。
【0021】 ここで、しゃへいと大地間に挿入する電圧降下測定用抵
抗としては、技術規準に定められる第3種接地抵抗以下
でなければならぬから、最大でも100Ω以下、最小値
は測定感度の関係で10Ω程度ということになり、20
〜50Ω程度が妥当な値である。
【0022】なお、電圧降下検出用インピーダンスとし
て抵抗の代わりにコンデンサを用いると、高周波分に対
するインピーダンスが減少すること、高周波分に対して
示すコンデンサの実効インピーダンスがコンデンサの絶
縁体の性能やその劣化によって変化し安定性がないこと
から好ましくなく、特に直流迷走電流しゃ断の目的があ
る時以外はコンデンサ使用の必然性が無いので抵抗とし
たものである。
【0023】上記抵抗の電圧降下に商用周波数高圧系統
電圧による電流分の電圧降下は理論的には含まれていな
い。しかし、実際問題としては対象ケーブル各相の静電
容量の不平衡、高圧系統の残留地絡電圧の存在、電磁誘
導電圧の存在等のため、商用周波数成分電圧降下が存在
する。これは誤差要因であるから、商用周波数成分電圧
を選択的に排除するフィルタを電圧降下測定回路に必須
要素として付随させる。なお電流容量の充分なフィルタ
であれば、ケーブルしゃへい端と抵抗との間に挿入する
こともできる。
【0024】上記の如く商用周波数成分を排除して測定
した各区間の電圧降下値が、区間長に正比例した値で得
られた場合、即ち単位長あたりの測定電圧が同じであれ
ば、どの区間も絶縁が良好、或は同じ程度に不良という
ことになって、絶縁不良区間の識別の仕様がない。しか
し、水トリーが絶縁層内に発生しておれば、水トリーを
含む区間の単位長当たり電圧降下は著しく増大する現象
がある。水トリーの発生状況がケーブル全長を通じて同
じということも先ず有り得ない。この現象は従来の方法
でも絶縁不良を認識できる区間であればなお著しく発現
されるが、従来の方法では絶縁不良を検知できない区間
でもかなりの程度、完全絶縁良好区間より増大した値を
測定できる、その一例を次にあげる。
【0025】試料1及2 何れも10KV1×500m
CVケーブル、製造後29年経過後撤去ケーブル有
効長各4m 実験方法 単相50Hz、6350Vトランスに可変周
波333V電源を直列接続して測定用電源とし、しゃへ
い端と大地間に80μFコンデンサを接続し、その電圧
降下をトランスジューサ経由直流記録電圧計で測定。実
験回路であるから地絡電圧発生の心配が無いので、重畳
周波数はビート周波数として0.5Hz〜2Hzを発生
し得る周波数即ち49.5Hz〜48Hzを使用し、電
圧降下検出用インピーダンスとして低周波数になるほど
インピーダンスの増加するコンデンサ80μFを使用し
た。
【0026】実験結果 電圧測定記録チャートを試料1
については図1に、試料2については図2にそれぞれ示
す。ピーク−ピーク電圧値と、直流絶縁抵抗測定値とを
対比させて次表に示す。
【0027】
【表1】 ちなみに試料1はもちろん、試料2にも目視で確認でき
る水トリーがあった。しかしながら、試料2の絶縁抵抗
値2百万MΩは測定限界値であり、もちろん絶縁良好と
して扱われる値である。両試料はもともと相隣接してい
たケーブルである。この様な現象の発生する理由はまだ
物理的に明確化されていないが、水トリーが発生してい
るケーブルの場合、貫通水トリーの有無に拘わらず、商
用周波数高電界の存在下で水トリーの発生量にほぼ比例
するような形で広い周波数にわたる雑音電界が形成され
ており、通常はこれが三相雑音電界であるため認識が難
しいところへ零相電圧である単相低周波電圧を印加した
結果、その雑音電界の強弱をトレースできるような場が
構成されたものと考えることが出来る。
【0028】次に対象ケーブルが単心ケーブルの場合
は、別に零相低周波測定電源を用いなくても、各相の高
圧系統電圧自体を電源として、各相毎に雑音電界をトレ
ースできる状況になっている。例えば図1および図2に
示した例では、低周波測定電源を印加する前の、50H
z、6350V単独印加時の電圧降下が次の如く測定さ
れている。
【0029】
【表2】 試料2でさえも、計算静電容量からの予測電圧値にくら
べて著しく大きいことが判る。ただし本実験は短長試料
で試験用電源を使用してのものであるので、実系統では
存在し得る商用周波数成分(場合によっては第3調波、
第5調波分等も含む)雑音電圧の影響をできるだけ排除
するため、商用周波数成分電圧を選択的に排除するフィ
ルタを電圧降下測定回路に必須要素として付随させる。
それによって各区間の測定値比率を増巾させることが期
待できる。
【0030】(第1実施例)本発明の第1実施例を図に
基づいて説明する。
【0031】図3は本発明第1実施例の要部回路構成図
を示す。
【0032】図3で図5と同一のものは、図5とそれぞ
れ同一のものを示す。
【0033】即ち図3において、1は絶縁不良区間を識
別すべき対象高圧電力ケーブル6及び低周波電圧注入用
ケーブル11が接続されている高圧母線、16はその高
圧系の3相分対地全静電容量から低周波電圧注入用ケー
ブル11の静電容量15を除いた静電容量を示してお
り、対象ケーブル6の静電容量は含まれている。また、
図3において、低周波電圧注入用ケーブル11のしゃへ
い端と大地間には低周波交流電源12が、その出力力率
調整用抵抗13を介して挿入されている。更に、図3に
おいて、14は11のしゃへいと大地間の防食層静電容
量、15は11の高圧導体としゃへい間の絶縁層静電容
量をそれぞれ示す。
【0034】なお、低周波電圧注入用ケーブル11は3
芯ケーブルであり、防食層静電容量14及び絶縁層静電
容量15は3相分を示す。対象高圧電力ケーブル6は3
芯、単芯を問わない。単芯の場合は3相分を一括して扱
ってもよいし、1相だけを対象としてもよい。そのしゃ
へいを各所で縁切りをして複数の区間に、例えば、図3
ではa,bの2ケ所でしゃへいを縁切りをしてA,B,
Cの3区間に分離する場合を示している。
【0035】今、a点で測定を行っているものとして説
明する。a点でA,B区間のそれぞれのしゃへい端末と
大地間には100Ω以下の低抵抗19A,19Bが接続
され、A,B区間のしゃへい交流低インピーダンス接地
が図られている。C区間のしゃへいはb点又は端末で接
地されている。17は交流電圧測定器で、広い周波数領
域にまたがっていわゆる真の実効値電圧を測定し得るも
のである。18は商用周波数成分電圧を選択的に排除す
る機能を有するフィルタで、フィルタの挿入位置は図示
の例にとどまらず、その直列要素及び並列要素を種々の
形に配置できる。
【0036】交流電圧測定器17の一端は大地に、他端
はA,B区間のそれぞれのしゃへい端末に直接或はフィ
ルタの直列要素を経由して、交互に接続して電圧を測定
する。
【0037】なお、抵抗19A及び19Bはそれぞれ別
のものであっても良いし、1ケの抵抗を順次切り替えて
接続してもよい。その場合抵抗を接続しない区間のしゃ
へいは必ず直接接地する。
【0038】この様な構成において、低周波交流電源1
2を稼動しない時の抵抗19A或は19Bの電圧降下を
交流電圧測定器17により参考的に読取っておいたうえ
で、低周波交流電源12を稼動させる。低周波交流電源
12の出力は力率調整用抵抗13に大部分の実効電流を
供給しながら虚数分勢力を低周波電圧注入用ケーブル1
1の防食層静電容量14を通じて大地経由で還流する回
路と、11の絶縁層静電容量15を経由し、高圧系統の
3相分対地全静電容量16を経て還流する回路とに供給
する。このとき高圧母線1に残留する電圧は、12の出
力電圧e×15の静電容量/(15の静電容量+16の
静電容量)となる。この電圧が高圧系統の接地用機器に
とっては零相電圧として受取られるので、印加周波数或
は印加周波数と商用周波数とのビート周波数が商用周波
数に近い時は、いわゆるVとしてこの電圧が検出され
ることがあるので注意を要する。
【0039】高圧母線1に残留する低周波電圧を測定電
源として、A区間或はB区間の絶縁層を通じて流れる電
流により抵抗19A或は19Bで生じた電圧降下は交流
電圧測定器17で読みとれるが、その値は注入低周波数
成分電圧だけでなしに、商用周波数成分電圧は選択的に
排除しているが、広い周波数成分電圧を含むもので、商
用周波数高電界下で形成され、各区間毎に異る雑音電界
の強弱をトレースしているものである。従って直流電圧
印加による漏洩電流試験では検知できない程度の水トリ
ーが発生している区間でも、相対的に良好な他区間と比
較して単位長あたりの測定電圧が大きいので、水トリー
の発生が識別し得る。
【0040】なお、区間長は感度と手間が許す限り短い
方がより精細に各区間の差を識別し得るが、実用的には
50m長位が妥当であろう。
【0041】a点での測定が終わればb点に移り、B区
間、C区間の測定電圧を得て単位長あたりの電圧比較を
行ない、絶縁不良区間(単数又は複数)の決定を行う。
【0042】(第2実施例)本発明の第2実施例を図4
に基づいて説明する。
【0043】図4において、図3と同一のものは図3と
同一のものをそれぞれ示す。
【0044】本第2実施例は、測定電源として商用周波
数高圧系統の1相電圧自体を用いる、単芯ケーブルが対
象ケーブルの場合の実施例である。
【0045】図4において、1は高圧母線を示し、この
高圧母線1には絶縁不良区間を識別すべき対象高圧電力
ケーブル20が接続されていて、その各相毎の電圧が測
定電源として用いられる。対象ケーブル20は単芯ケー
ブルでそのしゃへいを各所で縁切りをして複数の区間
に、例えば、図4ではa,bの2ケ所でしゃへいを縁切
りをしてA,B,Cの3区間に分離している場合を示し
ている。
【0046】今、a点で測定を行ってるものとして説明
する。a点でA,B区間のそれぞれのしゃへい端末と大
地間には100Ω以下の低抵抗19A、19Bが接続さ
れ、A,B区間のしゃへいの交流低インピーダンス接地
が図られている。C区間のしゃへいはb点又は端末で接
地されている。17は交流電圧測定器で広い周波数領域
にまたがっていわゆる真の実効値電圧を測定し得るもの
である。18は商用周波数成分電圧を選択的に排除する
機能を有するフィルタで、フィルタの挿入位置は図示の
例にとどまらず、その直列要素及び並列要素を種々の形
に配置できる。
【0047】交流電圧測定器17の一端は大地に他端は
A,B区間のそれぞれのしゃへい端末に直接、或はフィ
ルタ18の直列要素を経由して、交互に接続して電圧を
測定する。
【0048】なお、抵抗19A及び19Bはそれぞれ別
のものであってもよいし、1ケの抵抗を順次つなぎかえ
てもよい。その場合抵抗を接続しない区間のしゃへいは
必ず直接接地する。
【0049】この様な構成で、フィルタ18を意識的に
挿入しない時の抵抗19A或は19Bの電圧降下を交流
電圧測定器17により参考的に読取っておいたうえで、
フィルタ18を挿入して交流電圧測定器17の読みをA
区間、B区間の各々につき得て単位長あたりの電圧比較
を行なう。相対的に他区間より単位長あたりの電圧の大
きい区間がより絶縁不良度(水トリーの発生度)が高い
といえる。
【0050】a点での測定が終わればb点に移り、B区
間、C区間の測定電圧を得て、単位長あたりの電圧の大
小比較を行い絶縁不良区間(単数又は複数)の決定を行
う。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
るケーブル絶縁不良区間の識別方法は高圧系統の商用周
波数高電界下で水トリーを有するケーブルが形成してい
る広い周波数にわたる雑音電界環境を、単相電圧により
トレースして得られた、しゃへい分離各区間毎のしゃへ
い対大地間挿入抵抗での商用周波数成分を排除した電圧
降下の単位長あたりの大小で、各区間の絶縁不良度を比
較するものであるから、活線運転下で実施でき、貫
通状態に至らない水トリーの発生している、或は貫通し
ていても測定限界以上の高絶縁抵抗値を示すケーブル
(区間)にも適用でき、各相毎の静電容量の不平衡、
高圧系統に残留地絡電圧が存在、電磁誘導の存在率によ
る測定誤差が排除され、高圧系統の接地用機器に接近
して測定電源を接続する必要が無く、測定のために高
圧系統を停電させる必要なく手軽に実施でき、しかも得
られる結果は従来の活線下での方法或いは停電しての直
流漏洩電流法では実現できなかった初期の水トリー不良
まで認識し得る等の効果があり、ケーブルの部分取替区
間を正確に限定する目的にもっとも沿ったケーブル絶縁
不良区間の識別法を提供できるものである。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】試料1に対する実験結果を示す図。
【0054】
【図2】試料2に対する実験結果を示す図。
【0055】
【図3】本発明第1実施例の構成図。
【0056】
【図4】本発明第2実施例の構成図。
【0057】
【図5】従来技術の説明図。
【0058】
【符号の説明】
1 高圧母線 2 接地用機器 3,9A,9B,19A,19B 低抵抗 5 開閉器 6,20 対象高圧電力ケーブル 17 交流電圧測定器 18 フィルタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁不良を発生している高圧電力ケーブ
    ルの絶縁不良区間を該ケーブルの活線運転下で識別する
    ケーブル絶縁不良区間の活線下識別方法において、 活線運転中の対象電力ケーブルの属する高圧系統に連な
    る他のケーブルの1条を測定用信号電圧注入用として、
    該他のケーブルのしゃへいと大地間に商用周波数と異な
    る低周波数の交流単相電源を接続するステップと、 前記他のケーブルの絶縁層静電容量を通じて高圧母線に
    送り込まれた前記周波数の交流電圧を測定用電源とし、
    前記対象電力ケーブルのしゃへいを所望の区間に縁切り
    をして、区間毎にしゃへいと大地間に挿入した低抵抗の
    両端に発生する商用周波数成分を排除した交流電圧を測
    定するステップと、 該測定された単位長あたりの測定電圧の大小から絶縁不
    良区間を識別するステップと、 を備えたことを特徴とするケーブル絶縁不良区間の活線
    下識別方法。
  2. 【請求項2】絶縁不良を発生している高圧電力ケーブル
    の絶縁不良区間を該ケーブルの活線運転下で識別するケ
    ーブル絶縁不良区間の活線下識別方法において、 対象ケーブルが単心ケーブルの場合に、測定用電源とし
    て商用周波数の高圧系統電圧を利用し、前記対象電力ケ
    ーブルのしゃへいを所望の区間に縁切りをして、区間毎
    にしゃへいと大地間に挿入した低抵抗の両端に発生する
    商用周波数成分を排除した交流電圧を測定するステップ
    と、 該測定された単位長あたりの測定電圧の大小から絶縁不
    良区間を識別するステップと、 を備えたことを特徴とするケーブル絶縁不良区間の活線
    下識別方法。
JP6084946A 1994-04-22 1994-04-22 ケーブル絶縁不良区間の活線下識別方法 Pending JPH07294588A (ja)

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