JPH1015975A - インサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents

インサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体及びその製造方法

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JPH1015975A
JPH1015975A JP8170300A JP17030096A JPH1015975A JP H1015975 A JPH1015975 A JP H1015975A JP 8170300 A JP8170300 A JP 8170300A JP 17030096 A JP17030096 A JP 17030096A JP H1015975 A JPH1015975 A JP H1015975A
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JP
Japan
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polyolefin
resin
insert member
foam
mold
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JP8170300A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Matsuki
清 松木
Yoriteru Kakimoto
頼輝 柿本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型内発泡によりポリオレフィン系樹脂型内発
泡成形体に形成されるポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ
とインサート部材を強固に融着可能で生産効率が良く、
しかも燃焼時には有害ガスの発生がないと共に、リサイ
クルも容易なインサート材付きポリオレフィン系樹脂型
内発泡成形体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2
と、該ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2に融着一
体化されたプロピレンを主成分とするポリオレフィン系
共重合体インサート部材とからなる。ポリオレフィン系
樹脂型内発泡成形体2と、該ポリオレフィン系樹脂型内
発泡成形体2に融着一体化されたハードセグメントとソ
フトセグメントを混合してなるTPOインサート部材3
とからなる。前記ポリオレフィン系共重合体インサート
部材又はTPOインサート部材3の前記ポリオレフィン
系樹脂型内発泡成形体2が融着していない部分に、取付
・補強用インサート部材13を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車用
内装材等に使用されるインサート材付きポリオレフィン
系樹脂型内発泡成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のインサート材付きポリオ
レフィン系樹脂型内発泡成形体としては、例えば、ポリ
オレフィン系樹脂型内発泡成形体と、該ポリオレフィン
系樹脂型内発泡成形体に融着一体化されたインサート部
材とからなるものが知られている。
【0003】このインサート材付きポリオレフィン系樹
脂型内発泡成形体の製造方法としては、例えば、成形型
にインサート部材を配置して型締め後、この成形型内に
ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを充填し、蒸気加熱に
よりこれらポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを発泡させ
て互いに融着させると共に、これらポリオレフィン系樹
脂発泡ビーズと前記インサート部材を融着一体化させ
る、いわゆる同時一体成形が知られている。
【0004】この同時一体成形においては、前記インサ
ート部材として、金属、木材、FRPや、あるいはポリ
エチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹
脂、あるいはフェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂等
の熱硬化性樹脂等からなるものが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記イ
ンサート部材がポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる
場合でも、前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の
組成と異なることが多く、このような場合には、融点も
離れているため、このインサート部材が金属等からなる
場合と同様、融着性が悪いという問題点がある。
【0006】そのため、前記インサート部材のポリオレ
フィン系樹脂発泡ビーズと接触する表面に接着剤をあら
かじめ塗布する等して、接着性を向上させるようにして
いるが、前記接着剤の塗布工程等が余分に必要であるの
で、製造工程が煩雑で生産効率が良くないという問題点
がある。
【0007】更に、前記インサート部材が上記のような
材質からなるので、燃焼時に有害ガスが発生することが
あると共に、リサイクルも難しいという問題点がある。
【0008】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、型内発泡によりポリオレフィン系
樹脂型内発泡成形体に形成されるポリオレフィン系樹脂
発泡ビーズとインサート部材を強固に融着可能で生産効
率が良く、しかも燃焼時には有害ガスの発生がないと共
に、リサイクルも容易なインサート材付きポリオレフィ
ン系樹脂型内発泡成形体及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1のインサート材付きポリオレフィン系樹脂
型内発泡成形体の手段とするところは、ポリオレフィン
系樹脂型内発泡成形体と、該ポリオレフィン系樹脂型内
発泡成形体に融着一体化されたインサート部材とからな
るインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形
体において、前記インサート部材が、プロピレンを主成
分とするポリオレフィン系共重合体インサート部材であ
ることにある。
【0010】請求項2の手段とするところは、ポリオレ
フィン系樹脂型内発泡成形体と、該ポリオレフィン系樹
脂型内発泡成形体に融着一体化されたインサート部材と
からなるインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発
泡成形体において、前記インサート部材が、ハードセグ
メントとソフトセグメントを混合してなるTPOインサ
ート部材であることにある。
【0011】請求項3の手段とするところは、型内発泡
により前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体に形成
されるポリオレフィン系樹脂発泡ビーズが、ポリエチレ
ン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂からなることにあ
る。
【0012】請求項4の手段とするところは、前記TP
Oインサート部材のハードセグメントが、プロピレンを
主成分とするポリオレフィン系共重合体からなることに
ある。
【0013】請求項5の手段とするところは、前記ポリ
オレフィン系共重合体が、ランダム共重合体又はブロッ
ク共重合体であることにある。
【0014】請求項6の手段とするところは、前記プロ
ピレン以外の他の共重合成分の炭素数が、2、4、又は
5であることにある。
【0015】請求項7の手段とするところは、前記イン
サート部材の前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
が融着していない部分に、取付・補強用インサート部材
を設けてなることにある。
【0016】請求項8のインサート材付きポリオレフィ
ン系樹脂型内発泡成形体の製造方法の手段とするところ
は、成形型に、プロピレンを主成分とするポリオレフィ
ン系共重合体インサート部材を配置して型締め後、この
成形型内にポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを充填し、
蒸気加熱によりこれらポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ
を発泡させて互いに融着させると共に、これらポリオレ
フィン系樹脂発泡ビーズと前記ポリオレフィン系共重合
体インサート部材を融着一体化させることにある。
【0017】請求項9の手段とするところは、成形型
に、ハードセグメントとソフトセグメントを混合してな
るTPOインサート部材を配置して型締め後、この成形
型内にポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを充填し、蒸気
加熱によりこれらポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを発
泡させて互いに融着させると共に、これらポリオレフィ
ン系樹脂発泡ビーズと前記TPOインサート部材を融着
一体化させることにある。
【0018】請求項10の手段とするところは、前記ポ
リオレフィン系樹脂発泡ビーズが、ポリエチレン系樹脂
又はポリプロピレン系樹脂からなることにある。
【0019】請求項11の手段とするところは、前記T
POインサート部材のハードセグメントが、プロピレン
を主成分とするポリオレフィン系共重合体からなること
にある。
【0020】請求項12の手段とするところは、前記ポ
リオレフィン系共重合体が、ランダム共重合体又はブロ
ック共重合体であることにある。
【0021】請求項13の手段とするところは、前記プ
ロピレン以外の他の共重合成分の炭素数が、2、4、又
は5であることにある。
【0022】請求項14の手段とするところは、前記成
形型にポリオレフィン系共重合体インサート部材又はT
POインサート部材を配置する前に、該ポリオレフィン
系共重合体インサート部材又はTPOインサート部材の
前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズが接触しない部分
に、取付・補強用インサート部材をあらかじめ設けてお
くことにある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、下記の第1及び第2実施形
態においては、インサート部材として、TPO(ポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマー)インサート部材を用
いる場合について説明する。
【0024】図1に示すように、第1実施形態に係るイ
ンサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体1
は、例えば横断面がコ字状に形成されたポリオレフィン
系樹脂型内発泡成形体2と、必要に応じて該ポリオレフ
ィン系樹脂型内発泡成形体2の表面2aに融着一体化さ
れた熱可塑性表皮材2eと、例えば取付部3aと融着固
定部3bとから横断面がT字状に形成され、前記ポリオ
レフィン系樹脂型内発泡成形体2の裏面2b側から例え
ば前記取付部3aの一部を突出するように融着一体化さ
れたTPOインサート部材(インサート部材)3とから
なる。
【0025】前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
2は、ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを型内発泡させ
て成形したものである。前記ポリオレフィン系樹脂とし
ては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレンホモポリマ
ー、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン
−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン
−ブテンランダム3元共重合体、プロピレン−塩化ビニ
ル共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリ(ブテン−1)等のポ
リエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等が挙げら
れ、これらを単独で又は2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0026】このポリオレフィン系樹脂は、無架橋の状
態のものが好ましいが、パーオキサイドや放射線等によ
り架橋させたものであってもよい。
【0027】また、このポリオレフィン系樹脂に、他の
熱可塑性樹脂を混合したものも使用できる。このような
熱可塑性樹脂としては、前記ポリプロピレン系樹脂と混
合する場合には、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、ビニル芳香族系ポリマー、ポリブテ
ン、アイオノマー等が挙げられる。そして、前記ポリエ
チレン系樹脂と混合する場合には、例えばビニル芳香族
系ポリマー、ポリブテン、アイオノマー等が挙げられ
る。なお、これらの場合の熱可塑性樹脂の配合量として
は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して20重
量部以下、より好ましくは、5乃至10重量部とするの
が望ましい。
【0028】前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズは、
例えば、上記のようなポリオレフィン系樹脂をあらかじ
め粒子状に成形加工しておき、耐圧容器中でこのポリオ
レフィン系樹脂粒子に揮発性発泡剤を含有させ、攪拌し
ながら水中に分散させ、加圧下で所定の発泡温度まで加
熱した後、この水分散物を低圧域に放出する方法等によ
って、予備発泡させた状態で製造しておけばよい。
【0029】このポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを型
内発泡させる際の発泡倍率としては、3倍より小さい場
合には、得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
2の緩衝性等が低下する傾向があり、60倍より大きい
場合には、前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2
の収縮が大きくなると共に、柔らかくなり過ぎて強度等
が低下する傾向があるので、3乃至60倍、好ましくは
5乃至50倍、より好ましくは8乃至45倍、特に好ま
しくは10乃至35倍が望ましい。このようなポリオレ
フィン系樹脂発泡ビーズとしては、例えば、エペランP
P(商品名,鐘淵化学工業社製,発泡倍率15倍)等を
好適に使用できる。
【0030】前記TPOインサート部材3は、ハードセ
グメントとソフトセグメントを所定の割合で混合してな
るポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(Thermoplas
ticpolyolefine elastomer ,TPO)で構成されてい
る。なお、ここで言うところのハードセグメントとは、
前記TPOインサート部材3の硬質相を形成する樹脂分
をいい、ソフトセグメントとは、TPOインサート部材
3の軟質相を形成するゴム分をいう。
【0031】前記ハードセグメントとしては、プロピレ
ンを主成分とするポリオレフィン系共重合体を用いるの
が望ましく、このようなポリオレフィン系共重合体とし
ては、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン
−プロピレン−ブテンランダム3元共重合体、プロピレ
ン−塩化ビニル共重合体、プロピレン−ブテン共重合
体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体等のプロピレ
ン含有量が50重量%以上の2元又は3元共重合体が挙
げられる。
【0032】前記ソフトセグメントとしては、例えば、
エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブ
テンランダム3元共重合体等のポリオレフィン系共重合
体ゴム等が挙げられる。このソフトセグメントは、無架
橋の状態のものでもよいし、あるいはパーオキサイドや
放射線等により架橋させたものでもよく、また、必要に
応じて軟化剤等を配合しておいてもよい。
【0033】前記ハードセグメントとソフトセグメント
を混合するには、例えば、非開放型バンバリーミキサー
や二軸押出機等を用いて混練すればよく、これらハード
セグメント、ソフトセグメント、必要に応じて無機充填
剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、着色顔料等を所
定の割合で混練してあらかじめ粒子状に成形加工してお
き、次いで射出成形機等を用いる方法等によって、所定
形状のTPOインサート部材3に成形加工すればよい。
【0034】このように、前記インサート部材として、
上記のような組成のTPOインサート部材3を用いれ
ば、安価で成形性が良いと共に、前記ハードセグメント
とソフトセグメントを混合してなるので、これらハード
セグメントとソフトセグメントの組成や混合割合等を適
宜に調整すれば、このTPOインサート部材3と前記ポ
リオレフィン系樹脂型内発泡成形体2の組成や融点を簡
単に近く又は略同一にすることができる。そのため、こ
れらTPOインサート部材3とポリオレフィン系樹脂型
内発泡成形体2を強固に融着できるという利点がある。
従って、従来のような接着剤等が不要であると共に、上
記のように、前記ハードセグメントとソフトセグメント
を混練して射出成形等を行えば簡単に所定形状のTPO
インサート部材3を製造できるので、生産効率が良いと
いう利点もある。
【0035】前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
2に必要に応じて融着一体化される前記熱可塑性表皮材
2eとしては、例えば、熱可塑性シート等が挙げられ
る。このような熱可塑性シートとして、ポリオレフィン
系の樹脂又はエラストマーからなるものを用いれば、前
記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2との融着性が
良いと共に、得られるインサート材付きポリオレフィン
系樹脂型内発泡成形体1は、すべてポリオレフィン系の
樹脂又はエラストマーからなるので、燃焼時においても
有害ガスが発生することはなく、しかもリサイクルが容
易であるという利点がある。
【0036】なお、既述したように、前記ポリオレフィ
ン系樹脂発泡ビーズが、ポリエチレン系樹脂又はポリプ
ロピレン系樹脂からなる場合には、加工性等が良いと共
に、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2とTPOイ
ンサート部材3の組成や融点をより簡単に近く又は略同
一にできるので、これらをより強固に融着できるという
利点がある。
【0037】また、前記ソフトセグメントと比較して前
記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2の組成により
近いために、このポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
2との融着性により寄与すると考えられる前記ハードセ
グメントが、プロピレンを主成分とするポリオレフィン
系共重合体からなる場合には、通常よく用いられるポリ
オレフィン系樹脂型内発泡成形体2の組成により近くな
り、そのため、これらTPOインサート部材3とポリオ
レフィン系樹脂型内発泡成形体2をより強固に融着でき
るという利点がある。
【0038】更に、前記ポリオレフィン系共重合体がラ
ンダム共重合体又はブロック共重合体である場合には、
適宜なソフトセグメントを混合すれば、適度な硬さや融
点を有するTPOインサート部材3を製造できるという
利点がある。
【0039】加えて、前記ポリオレフィン系共重合体に
おいて、プロピレン以外の他の共重合成分の炭素数が、
2、4、又は5である場合には、適宜なソフトセグメン
トを混合すれば、前記TPOインサート部材3の硬さと
加工性のバランスをより良くできるという利点がある。
前記他の共重合成分としては、既述のように、例えばエ
チレン、塩化ビニル、無水マレイン酸、1−ブテン、1
−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられ、こ
れらのうちの少なくとも1種と前記プロピレンとを用い
て、2元又は3元共重合体とすればよい。
【0040】次に、上記のインサート材付きポリオレフ
ィン系樹脂型内発泡成形体1の製造方法について説明す
る。図2乃至図7に示すように、この実施形態に係るイ
ンサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体1
の製造方法は、成形型4を構成する2つの金型5,6の
一方の金型5に熱可塑性表皮材2eを配置し、他方の金
型6にTPOインサート部材3を配置して型締め後、こ
の成形型内7にポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8を充
填し、蒸気加熱によりこれらポリオレフィン系樹脂発泡
ビーズ8を発泡させて互いに融着させると共に、これら
ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8と前記TPOインサ
ート部材3を融着一体化させるものである。
【0041】即ち、図2に示すように、まず、前記一方
の金型5に熱可塑性表皮材2eを配置すると共に、前記
他方の金型6にTPOインサート部材3を配置して型締
めする。
【0042】ここで、前記成形型4は、例えば水平方向
に型締め及び型開き可能な2つの金型5,6で構成され
ている。
【0043】これら2つの金型5,6のうちの前記一方
の金型5は、例えば、横断面が凹状で且つ内部にチャン
バー5bが形成され、その表面5a側には、前記チャン
バー5bと連通する複数の減圧孔5cが形成されてい
る。そして、前記チャンバー5bには、蒸気弁A1、減
圧弁B1、ドレイン弁C1がそれぞれ接続されている。
【0044】他方の金型6は、例えば、横断面が凸状で
且つ内部にチャンバー6bが形成され、その表面6a側
には、前記TPOインサート部材3を配置するための凹
部6dが形成されていると共に、前記チャンバー6bと
連通する複数の蒸気孔6cが形成されている。そして、
前記チャンバー6bには、蒸気弁A2、減圧弁B2、ド
レイン弁C2がそれぞれ接続されており、前記成形型内
7へポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8を充填するため
のフィーダー10が設けられている。
【0045】前記熱可塑性表皮材2eを一方の金型5の
表面5aに配置するには、前記熱可塑性表皮材2eをあ
らかじめ真空成形等により前記一方の金型5の表面5a
形状に適合するように成形したものを配置してもよい
し、あるいは、可撓性を有する場合には、この成形型内
7に挿入して真空成形等を行うことによって配置しても
よい。
【0046】次に、図3に示すように、前記フィーダー
10から成形型内7へポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ
8を充填する。
【0047】この際、前記一方の金型5の表面5aには
熱可塑性表皮材2eが配置されていて、型締めした状態
では、前記他方の金型6の蒸気孔6cからしか成形型内
7の空気が逃げないので、前記ポリオレフィン系樹脂発
泡ビーズ8を充填し易くするために、充填時にこれらポ
リオレフィン系樹脂発泡ビーズ8が落下しない程度に少
し型開きし、その隙間から前記空気を逃がすようにして
もよい。
【0048】なお、前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビー
ズ8は、あらかじめ内部に加圧ガスを浸透させて内圧を
付与した状態で前記成形型内7へ充填してもよいし、ま
た、加圧ガスを用いて圧縮した状態で充填してもよい
し、あるいは、内圧の付与や圧縮を行うことなく、その
ままの状態で充填してもよい。
【0049】その後、図4に示すように、前記他方の金
型6のチャンバー6bに接続した蒸気弁A2を開いて水
蒸気Sを前記蒸気孔6cから成形型内7へ供給し、前記
ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8を加熱発泡させる。
【0050】この際、前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビ
ーズ8が互いに融着する温度以上の温度でこれらポリオ
レフィン系樹脂発泡ビーズ8を本加熱する前に、互いに
融着する温度より低い温度でこれらポリオレフィン系樹
脂発泡ビーズ8をあらかじめ予備加熱しておけば、ポリ
オレフィン系樹脂発泡ビーズ8が互いに融着することな
く充分に加熱された状態とすることができる。
【0051】なお、前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビー
ズ8が互いに融着する温度とは、深さが50mm程度の
成形型内7へポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8を充填
し、所定温度(所定圧力)の水蒸気Sを10乃至20秒
間この成形型内7へ供給した時に、前記ポリオレフィン
系樹脂発泡ビーズ8が互いに融着してポリオレフィン系
樹脂型内発泡成形体2の形状を保持可能な状態となる最
低温度をいう。
【0052】このポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8が
互いに融着する温度は、使用されるポリオレフィン系樹
脂の種類等によって異なるので、あらかじめこの温度を
調べてから、前記予備加熱の際の水蒸気Sの温度を設定
すればよい。この水蒸気Sの温度としては、低すぎる場
合には、予備加熱による効果が充分に発揮されなくなる
傾向があるので、このポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ
8が互いに融着する温度をT(℃)とした場合、(T−
35)乃至T(℃)、好ましくは(T−30)乃至(T
−3)(℃)、より好ましくは(T−25)乃至(T−
5)(℃)の範囲とするのが望ましい。また、前記水蒸
気Sの圧力は、上記の温度範囲となるように適宜調整す
ればよい。
【0053】また、上記のようにして予備加熱した後、
その状態で所定時間保持して前記ポリオレフィン系樹脂
発泡ビーズ8を水蒸気Sで蒸らせば、前記ポリオレフィ
ン系樹脂発泡ビーズ8間に供給された水蒸気Sの潜熱を
有効に利用できるので、特に厚さが大きいポリオレフィ
ン系樹脂型内発泡成形体2を成形する場合等、前記ポリ
オレフィン系樹脂発泡ビーズ8をより均一に加熱できる
という利点がある。
【0054】なお、予備加熱した後は、水蒸気Sの供給
を続けた状態で蒸らしてもよいし、あるいは水蒸気Sの
供給を停止し、更に必要に応じてドレイン弁C2を開け
た状態で蒸らしてもよい。この蒸らしの際の保持時間
は、前記成形型内7におけるポリオレフィン系樹脂発泡
ビーズ8層の厚さ、ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8
の大きさ、形状、発泡倍率等によって異なるが、例え
ば、ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8層の厚さが50
mm程度のものでは、約3秒間以上、好ましくは約5秒
間以上、より好ましくは約10秒間以上とすることが望
ましい。
【0055】前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8を
水蒸気Sで蒸らした後は、前記ポリオレフィン系樹脂発
泡ビーズ8間にドレイン(水分)が存在し、その状態で
本加熱すればポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8相互の
融着不良が生じることがあるため、前記ドレインを除去
することが望ましい。
【0056】このドレインを除去する方法としては、例
えば、図5に示すように、前記他方の金型6のチャンバ
ー6bに接続した減圧弁B2を開いて前記蒸気孔6cか
ら成形型内7を真空引きする方法や、あるいは、成形型
4を少し型開きして2つの金型5,6間に隙間を設け、
前記蒸気孔6cからポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8
が互いに融着しない程度の高温で且つ乾燥した空気を通
気させて前記隙間からドレインを除去する方法等が挙げ
られる。
【0057】次に、前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビー
ズ8が互いに融着する温度以上の温度で本加熱する。こ
の本加熱は、図6に示すように、前記蒸気弁A2を開い
て水蒸気Sを前記蒸気孔6cから成形型内7へ供給する
ことにより行われる。この際、上記のように、水蒸気S
による蒸らしを行った後、ドレインを除去するために前
記成形型内7を真空引きしていた場合には、前記本加熱
のための水蒸気Sをよりスムーズに成形型内7へ供給す
ることができる。
【0058】また、この際の水蒸気Sの温度は、前記ポ
リオレフィン系樹脂発泡ビーズ8が互いに融着する温度
以上であればよいが、高すぎる場合には、得られるポリ
オレフィン系樹脂型内発泡成形体2の収縮が大きくなり
過ぎる傾向があるので、前記ポリオレフィン系樹脂発泡
ビーズ8が互いに融着する温度より30℃高い温度、好
ましくは25℃高い温度を超えないようにするのが望ま
しい。
【0059】上記のようにして本加熱した後は、前記ポ
リオレフィン系樹脂発泡ビーズ8に、水蒸気Sによる熱
を充分に伝達させるために、その状態を保持することが
望ましい。この際の保持に要する時間は、例えば、ポリ
オレフィン系樹脂発泡ビーズ8層の厚さが50mm程度
のものに対しては約2秒間以上、好ましくは約5秒間以
上であることが望ましいが、その時間が長すぎる場合に
は、得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2に
収縮が生じるので、このような収縮が生じない範囲内で
適宜設定すればよい。
【0060】次いで、前記成形型4を型開きすれば、図
7に示すように、耳部2fを有するインサート材付きポ
リオレフィン系樹脂型内発泡成形体1aが得られる。
【0061】なお、型開きする前に、前記成形型4はあ
らかじめ冷却しておいてもよい。また、得られたインサ
ート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体1a
は、成形型4から脱型した後、例えば常圧下、50乃至
80℃で3乃至24時間程度、養生、乾燥することが望
ましい。また、この実施形態のように、前記熱可塑性表
皮材2eの端部が余って前記耳部2fが形成される場合
には、脱型後、上記のように養生、乾燥してから前記耳
部2fを切断すれば、図1に示すインサート材付きポリ
オレフィン系樹脂型内発泡成形体1を得ることができ
る。
【0062】以上のように、前記ポリオレフィン系樹脂
発泡ビーズ8を予備加熱をし、水蒸気Sにより蒸らした
後、本加熱すれば、ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8
からポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2を製造する
のと同時に、該ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2
と前記TPOインサート部材3等を強固に融着一体化で
き、しかも、前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
2にはポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ8の融着不良の
発生がないインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内
発泡成形体1を製造することができる。
【0063】なお、この実施形態においては、前記TP
Oインサート部材3の取付部3aの一部がポリオレフィ
ン系樹脂型内発泡成形体2の裏面2b側から突出するよ
うに融着一体化されているが、これに限定されるもので
はなく、図8のように、前記取付部3aの全部と融着固
定部3bの一部がポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
2の裏面2b側から露出するようにしたり、あるいは、
図9のように、前記融着固定部3bがポリオレフィン系
樹脂型内発泡成形体2の裏面2bに融着されて、この融
着固定部3bと取付部3aの全部が露出するように融着
一体化してもよい。このような場合には、前記TPOイ
ンサート部材3を配置するための前記他方の金型6の凹
部6dを、適宜の形状や深さに形成しておけばよい。
【0064】図8に示すように、第2実施形態に係るイ
ンサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体1
1は、上記第1実施形態において、前記TPOインサー
ト部材3の前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2
が融着していない部分に、取付・補強用インサート部材
13をあらかじめ設けたものである。
【0065】前記取付・補強用インサート部材13は、
前記TPOインサート部材3に例えば螺着等してあらか
じめ設けておけばよい。また、その材質としては、熱可
塑性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは金属や木材等、種々
のものを使用でき、そのうち、前記TPOインサート部
材3より高強度のものを使用すれば、このTPOインサ
ート部材3の部分が前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡
成形体2に強固に融着一体化された状態で、強度をより
必要とする用途に使用できるという利点がある。この場
合、当該インサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発
泡成形体11のリサイクル性等を考慮すれば、前記熱可
塑性表皮材2eの場合と同様、この取付・補強用インサ
ート部材13には、ポリオレフィン系の樹脂等を使用す
るのが望ましい。
【0066】なお、この実施形態においては、前記取付
・補強用インサート部材13を前記ポリオレフィン系樹
脂型内発泡成形体2の裏面2bから突出するように設け
ているが、これに限定されるものではなく、インサート
部材が前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2の補
強用の芯材としてその内部に全体的に埋設されるように
融着一体化される場合には、前記ポリオレフィン系樹脂
型内発泡成形体2と融着する表面層をTPOインサート
部材3で構成し、このTPOインサート部材3の内部に
コア材として前記取付・補強用インサート部材13を埋
設しておいてもよい。この場合も上記と同様、前記ポリ
オレフィン系樹脂型内発泡成形体2にTPOインサート
部材3が強固に融着されると共に、その内部の取付・補
強用インサート部材13に高強度な材質のものを使用す
れば、前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2を効
果的に補強できるという利点がある。
【0067】以上、第1及び第2実施形態においては、
インサート部材として、TPOインサート部材3を用い
る場合について説明したが、これに限定されるものでは
なく、既述のようなプロピレンを主成分とするポリオレ
フィン系共重合体からなるものを用いてもよい。
【0068】このポリオレフィン系共重合体インサート
部材を用いる場合には、前記TPOインサート部材3よ
りも硬くできるので、強度をより必要とする用途に使用
できるという利点がある。また、前記ポリオレフィン系
樹脂型内発泡成形体2の組成と略同一の組成にすること
もできるので、前記TPOインサート部材3を用いる場
合と比較して、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体2
とより強固に融着できるという利点もある。従って、前
記TPOインサート部材3と同様、従来のような接着剤
等が不要で生産効率が良いと共に、得られるインサート
材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体1,11
は、すべてポリオレフィン系の樹脂からなるので、燃焼
時の有害ガスの発生がなく、しかもリサイクルが容易で
あるという利点がある。
【0069】また、前記熱可塑性表皮材2eは必要に応
じて使用すればよく、この熱可塑性表皮材2eを使用し
ない場合には、前記成形型内7に所定形状のTPOイン
サート部材3及び/又はポリオレフィン系共重合体イン
サート部材のみを配置すればよい。更に、前記一方の金
型5が、横断面が凹状に形成された凹型(雌型)である
場合について説明したが、これに限定されるものではな
く、前記一方の金型5が凸型(雄型)で、且つ、他方の
金型6が凹型(雌型)であってもよい。
【0070】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び8の発明に
よれば、前記インサート部材が、プロピレンを主成分と
するポリオレフィン系共重合体インサート部材であるの
で、安価で成形性が良いと共に、該ポリオレフィン系共
重合体インサート部材の組成を前記ポリオレフィン系樹
脂型内発泡成形体の組成と略同一にすることができ、そ
のため、このポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体と強
固に融着できるという利点がある。従って、従来のよう
な接着剤等が不要であると共に、射出成形等を行えば簡
単にポリオレフィン系共重合体インサート部材を製造で
きるので、生産効率が良いという利点もある。また、得
られたインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡
成形体は、すべてポリオレフィン系の樹脂からなるの
で、燃焼時においても有害ガスが発生することはなく、
しかもリサイクルが容易であるという利点がある。
【0071】請求項2及び9の発明によれば、前記イン
サート部材がTPOインサート部材であるので、安価で
成形性が良いと共に、ハードセグメントとソフトセグメ
ントを混合してなるので、これらハードセグメントとソ
フトセグメントの組成や混合割合等を適宜に調整すれ
ば、このTPOインサート部材と前記ポリオレフィン系
樹脂型内発泡成形体の組成や融点を簡単に近く又は略同
一にすることができる。そのため、これらTPOインサ
ート部材とポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体を強固
に融着できるという利点がある。従って、従来のような
接着剤等が不要であると共に、前記ハードセグメントと
ソフトセグメントを混練してシート成形加工等を行えば
簡単にTPOインサート部材を製造できるので、生産効
率が良いという利点もある。また、得られたインサート
材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体は、すべて
ポリオレフィン系の樹脂又はエラストマーからなるの
で、燃焼時においても有害ガスが発生することはなく、
しかもリサイクルが容易であるという利点がある。
【0072】請求項3及び10の発明によれば、型内発
泡により前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体に形
成されるポリオレフィン系樹脂発泡ビーズが、ポリエチ
レン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂からなるので、加
工性等が良いと共に、このポリオレフィン系樹脂型内発
泡成形体と、TPOインサート部材又はポリオレフィン
系共重合体インサート部材の組成や融点をより簡単に近
く又は略同一にできるので、これらをより強固に融着で
きるという利点がある。
【0073】請求項4及び11の発明によれば、前記ソ
フトセグメントと比較してポリオレフィン系樹脂型内発
泡成形体の組成により近いために、このポリオレフィン
系樹脂型内発泡成形体との融着性により寄与すると考え
られる前記TPOインサート部材のハードセグメント
が、プロピレンを主成分とするポリオレフィン系共重合
体からなるので、通常よく用いられるポリオレフィン系
樹脂型内発泡成形体の組成により近くなり、そのため、
これらTPOインサート部材とポリオレフィン系樹脂型
内発泡成形体をより強固に融着できるという利点があ
る。
【0074】請求項5及び12の発明によれば、前記ポ
リオレフィン系共重合体がランダム共重合体又はブロッ
ク共重合体であるので、適度な硬さや融点を有するポリ
オレフィン系共重合体インサート部材を製造できる。ま
た、適宜なソフトセグメントを混合すれば、適度な硬さ
や融点を有するTPOインサート部材を製造できるとい
う利点もある。
【0075】請求項6及び13の発明によれば、前記プ
ロピレン以外の他の共重合成分の炭素数が、2、4、又
は5であるので、前記ポリオレフィン系共重合体インサ
ート部材の硬さと加工性のバランスをより良くできる。
また、適宜なソフトセグメントを混合すれば、前記TP
Oインサート部材の硬さと加工性のバランスをより良く
できるという利点もある。
【0076】請求項7及び14の発明によれば、前記イ
ンサート部材の前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形
体が融着していない部分に、取付・補強用インサート部
材をあらかじめ設けているので、この取付・補強用イン
サート部材に高強度のものを使用すれば、前記ポリオレ
フィン系共重合体インサート部材又はTPOインサート
部材の部分が前記ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
に強固に融着一体化された状態で、強度をより必要とす
る用途に使用できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るインサート材付きポリオレ
フィン系樹脂型内発泡成形体の側断面図。
【図2】図1のインサート材付きポリオレフィン系樹脂
型内発泡成形体の製造方法において、一方の金型に熱可
塑性表皮材を配置し、他方の金型にTPOインサート部
材を配置して型締めした状態を示す側断面説明図。
【図3】成形型内へポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを
充填する様子を示す側断面説明図。
【図4】ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズを充填した
後、成形型内へ水蒸気を供給する様子を示す側断面説明
図。
【図5】成形型内を真空引きする様子を示す側断面説明
図。
【図6】成形型内へ水蒸気を供給してポリオレフィン系
樹脂発泡ビーズを型内発泡させた状態を示す側断面説明
図。
【図7】成形型内から脱型された耳部を有するインサー
ト材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の側断面
図。
【図8】TPOインサート部材の取付部の全部と融着固
定部の一部が、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の
裏面側から露出するように融着一体化された状態を示す
側断面図。
【図9】TPOインサート部材の融着固定部がポリオレ
フィン系樹脂型内発泡成形体の裏面に融着一体化され
て、この融着固定部と取付部の全部が露出するように融
着一体化された状態を示す側断面図。
【図10】第2実施形態に係るインサート材付きポリオ
レフィン系樹脂型内発泡成形体の側断面図。
【符号の説明】
1,11 インサート材付きポリオレフィン系樹脂型内
発泡成形体 2 ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体 3 TPOインサート部材(インサート部材) 4 成形型 5 一方の金型 6 他方の金型 7 成形型内 8 ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ 13 取付・補強用インサート部材

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
    と、該ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体に融着一体
    化されたインサート部材とからなるインサート材付きポ
    リオレフィン系樹脂型内発泡成形体において、 前記インサート部材が、プロピレンを主成分とするポリ
    オレフィン系共重合体インサート部材であることを特徴
    とするインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡
    成形体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
    と、該ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体に融着一体
    化されたインサート部材とからなるインサート材付きポ
    リオレフィン系樹脂型内発泡成形体において、 前記インサート部材が、ハードセグメントとソフトセグ
    メントを混合してなるポリオレフィン系熱可塑性エラス
    トマー(以下「TPO」という。)インサート部材であ
    ることを特徴とするインサート材付きポリオレフィン系
    樹脂型内発泡成形体。
  3. 【請求項3】 型内発泡により前記ポリオレフィン系樹
    脂型内発泡成形体に形成されるポリオレフィン系樹脂発
    泡ビーズが、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系
    樹脂からなる請求項1又は2記載のインサート材付きポ
    リオレフィン系樹脂型内発泡成形体。
  4. 【請求項4】 前記TPOインサート部材のハードセグ
    メントが、プロピレンを主成分とするポリオレフィン系
    共重合体からなる請求項2又は3記載のインサート材付
    きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体。
  5. 【請求項5】 前記ポリオレフィン系共重合体が、ラン
    ダム共重合体又はブロック共重合体である請求項1又は
    4記載のインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発
    泡成形体。
  6. 【請求項6】 前記プロピレン以外の他の共重合成分の
    炭素数が、2、4、又は5である請求項1、4、又は5
    記載のインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡
    成形体。
  7. 【請求項7】 前記インサート部材の前記ポリオレフィ
    ン系樹脂型内発泡成形体が融着していない部分に、取付
    ・補強用インサート部材を設けてなる請求項1乃至6の
    いずれか記載のインサート材付きポリオレフィン系樹脂
    型内発泡成形体。
  8. 【請求項8】 成形型に、プロピレンを主成分とするポ
    リオレフィン系共重合体インサート部材を配置して型締
    め後、この成形型内にポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ
    を充填し、蒸気加熱によりこれらポリオレフィン系樹脂
    発泡ビーズを発泡させて互いに融着させると共に、これ
    らポリオレフィン系樹脂発泡ビーズと前記ポリオレフィ
    ン系共重合体インサート部材を融着一体化させることを
    特徴とするインサート材付きポリオレフィン系樹脂型内
    発泡成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 成形型に、ハードセグメントとソフトセ
    グメントを混合してなるTPOインサート部材を配置し
    て型締め後、この成形型内にポリオレフィン系樹脂発泡
    ビーズを充填し、蒸気加熱によりこれらポリオレフィン
    系樹脂発泡ビーズを発泡させて互いに融着させると共
    に、これらポリオレフィン系樹脂発泡ビーズと前記TP
    Oインサート部材を融着一体化させることを特徴とする
    インサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリオレフィン系樹脂発泡ビーズ
    が、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂から
    なる請求項8又は9記載のインサート材付きポリオレフ
    ィン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記TPOインサート部材のハードセ
    グメントが、プロピレンを主成分とするポリオレフィン
    系共重合体からなる請求項9又は10記載のインサート
    材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記ポリオレフィン系共重合体が、ラ
    ンダム共重合体又はブロック共重合体である請求項8又
    は11記載のインサート材付きポリオレフィン系樹脂型
    内発泡成形体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記プロピレン以外の他の共重合成分
    の炭素数が、2、4、又は5である請求項8、11、又
    は12記載のインサート材付きポリオレフィン系樹脂型
    内発泡成形体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記成形型にポリオレフィン系共重合
    体インサート部材又はTPOインサート部材を配置する
    前に、該ポリオレフィン系共重合体インサート部材又は
    TPOインサート部材の前記ポリオレフィン系樹脂発泡
    ビーズが接触しない部分に、取付・補強用インサート部
    材をあらかじめ設けておくことを特徴とする請求項8乃
    至13のいずれか記載のインサート材付きポリオレフィ
    ン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
JP8170300A 1996-06-28 1996-06-28 インサート材付きポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体及びその製造方法 Pending JPH1015975A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4781853A (en) * 1986-12-01 1988-11-01 Harris Corp. Method of enhancing silicon etching capability of alkali hydroxide through the addition of positive valence impurity ions

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4781853A (en) * 1986-12-01 1988-11-01 Harris Corp. Method of enhancing silicon etching capability of alkali hydroxide through the addition of positive valence impurity ions

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