JPH10159758A - 容量制御スクロール圧縮機 - Google Patents

容量制御スクロール圧縮機

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Publication number
JPH10159758A
JPH10159758A JP31983696A JP31983696A JPH10159758A JP H10159758 A JPH10159758 A JP H10159758A JP 31983696 A JP31983696 A JP 31983696A JP 31983696 A JP31983696 A JP 31983696A JP H10159758 A JPH10159758 A JP H10159758A
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JP
Japan
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pressure
control
shuttle valve
valve
scroll
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Pending
Application number
JP31983696A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Ito
大輔 伊藤
Tatsuhisa Taguchi
辰久 田口
Masahiko Makino
雅彦 牧野
Akihiko Shimizu
昭彦 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP31983696A priority Critical patent/JPH10159758A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用空調装置に使用される容量制御スク
ロール圧縮機において、液圧縮を含む起動時の急激な入
力の増加と部材への衝撃力の増加を防止する。 【解決手段】 吐出圧力Pdと流体ポケット内の圧力P
cの差がある一定値Pを上回らない時に、バネ81が働
いてシャトル弁60へ制御弁70からの制御圧力Pmが
伝達されないようにし、逆にPを上回る時にはPmが伝
達される機構80を設ける。流体ポケット内に液体が入
って前記Pcが大きくなると、Pdとの差が小さくな
り、それがP以下ならばPmがシャトル弁60に作用し
ないので、シャトル弁60の位置が最下方にならず、シ
ャトル弁60の往復運動領域内で凹所60a、60bに
臨む位置に設けられた開口端がすべて閉鎖されることは
ないので、各流体ポケット内からシリンダ61まで液体
をバイパスすることが可能になり、流体ポケット内で液
圧縮が生じることを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用空調装置
等に使用される容量制御スクロール圧縮機に関し、詳し
くは、容量制御スクロール圧縮機の容量制御機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、バイパス孔を開閉するバルブ機構
を備えた容量制御型スクロール圧縮機として、例えば特
開平4−179886号公報に開示されているように、
固定スクロールの端板にバイパス孔を貫設し、このバイ
パス孔をハウジング内に形成された吸入室に連通するバ
イパス通路とこの通路を開閉するバルブ機構とを内蔵す
る容量制御ブロックを固定スクロールとは別体に構成し
たものがある。また他の例として、特開平5−2804
76号公報に開示されているように、固定スクロール部
材にシリンダを設け、このシリンダと圧縮機を連通させ
るバイパス孔群を順次閉塞することができるプランジャ
をシリンダ内に挿入したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、起動時に流体ポケット内に液体が入って
いると、流体ポケット内の圧力が吸入圧力よりも大きく
なるため、制御圧力が高くなり、シャトル弁の位置が最
下方になるので、シャトル弁の往復運動領域内で凹所に
臨む位置に設けられた開口端がすべて閉鎖されて、各流
体ポケット内からシリンダまでバイパスすることができ
なくなり、前記流体ポケット内で液圧縮が生じて、スク
ロール圧縮機を破壊させる可能性があるという問題点が
あった。本発明は、このような従来の課題を解決するも
のであり、起動時に流体ポケット内に液体が入っていて
も、流体ポケットから液体をバイパスさせて液圧縮を回
避する容量制御スクロール圧縮機を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及びその作用】上記課題を
解決するために本発明は、以下のように構成している。
本発明の第1態様にかかる容量制御スクロール圧縮機
は、圧縮機ハウジングの内部に、固定鏡板及びこの固定
鏡板に直立した渦巻状のラップを有する固定スクロール
と、旋回鏡板及びこの旋回鏡板に直立した渦巻状のラッ
プを有し、ラップを互いに内側にして前記固定スクロー
ルと噛み合って配置させた旋回スクロールと、前記旋回
スクロールの渦巻状のラップと反対側の旋回鏡板背面に
形成した旋回機構部と、前記旋回スクロールにかかるス
ラスト力を軸方向に支える平板状のスラスト軸受と、前
記圧縮機ハウジングに主軸受を介して回転可能に支持さ
れ軸封装置と副軸受を貫通して該圧縮機ハウジングの外
側へ主軸部分を延出した駆動軸と、前記駆動軸からの駆
動力を前記旋回機構部に伝達する駆動伝達機構と、前記
旋回スクロールの自転を拘束して旋回させる自転拘束部
品と、前記自転拘束部品に近接して該自転拘束部品を前
記駆動軸に直角な一方向に運動を拘束する回転拘束部品
と、前記旋回スクロールの旋回運動によって両ラップ間
で形成された流体ポケットに連通し該流体ポケットに関
して対称な位置に貫設された少なくとも一対の流体バイ
パス孔と、前記固定鏡板内に前記バイパス孔を介して前
記流体ポケットと連通するように形成された一本のシリ
ンダと、前記シリンダ内で往復運動可能な一本のシャト
ル弁と、前記流体ポケット内の圧力と吸入圧力とを入力
値として得られる制御圧力により前記シャトル弁の動き
を制御する制御弁と、前記シャトル弁の外周面の凹所
と、前記バイパス孔及び吐出孔に連通する流体ポケット
に設けられたバイパス孔の少なくとも一ケ所を前記凹所
を介して前記シリンダと前記圧縮機ハウジングの低圧室
とを連通させる連通孔と、前記シャトル弁の往復運動領
域内で前記凹所に臨む位置に設けられた前記連通孔の前
記シリンダ側の開口端とを具備し、両ラップの外周から
中心に向かって圧縮作用を行い、前記シャトル弁によっ
て前記バイパス孔を順次開閉することにより吐出容量を
連続的に変化させる容量制御スクロール圧縮機におい
て、前記流体ポケット内の圧力と吐出圧力を入力値と
し、前記制御弁からの制御圧力が前記シャトル弁に作用
させるか否かを制御する開閉弁機構を設けることを特徴
とする。
【0005】本発明の第2態様は、前記第1態様におい
て、前記流体ポケット内の圧力と吐出圧力を入力値と
し、前記制御弁からの制御圧力が前記シャトル弁に作用
させるか否かを制御する前記開閉弁機構を、前記流体ポ
ケット内の圧力と吐出圧力の差が、ある設定値を上回ら
なければ前記制御弁からの制御圧力が前記シャトル弁に
作用しない機構とするように構成することもできる。本
発明の第3態様は、前記第2態様において、前記制御弁
からの制御圧力が前記シャトル弁に作用するか否かを制
御する開閉弁機構として、制御圧力が前記シャトル弁に
作用する通路を開閉するピストンと、該ピストンに付勢
力を作用させるバネとを備え、前記バネの付勢力は前記
設定値に相当する力とし、前記流体ポケット内の圧力と
吐出圧力の差が、前記ある設定値である前記バネの付勢
力を上回るときのみ、前記バネにより前記ピストンが前
記通路を開けて前記制御弁からの制御圧力が前記シャト
ル弁に作用するように構成することもできる。前記構成
によれば、流体ポケット内の圧力と吐出圧力の差がある
設定値Pを上回らなければ制御弁からの制御圧力がシャ
トル弁に作用しない機構を設けることにより、流体ポケ
ット内に液体が入って流体ポケット内の圧力が大きくな
ると、吐出圧力との差が小さくなり、それが設定値P以
下ならば制御弁からの制御圧力がシャトル弁に作用しな
いので、シャトル弁の位置が最下方にならず、シャトル
弁の往復運動領域内で凹所に臨む位置に設けられた開口
端がすべて閉鎖されることはないので、各流体ポケット
内からシリンダまでバイパスすることが可能になり、前
記流体ポケット内で液圧縮が生じることを防止でき、ス
クロール圧縮機を破壊させることを防止することができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる実施形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明の
第1実施形態にかかる容量制御スクロール圧縮機の基本
構造について図1を参照して説明する。図1において、
圧縮機ハウジング3は、フロントハウジング31とリア
プレート35に分割されて構成されている。このハウジ
ング3の内部には、固定鏡板1aと該固定鏡板1aに直
立した渦巻状のラップ1bを有する固定スクロール1
と、旋回鏡板2aと該旋回鏡板2aに直立した渦巻状の
ラップ2bを有し、両ラップ1b、2bを互いに内側に
して固定スクロール1と噛み合った旋回スクロール2が
配置されている。旋回機構部として、旋回スクロール2
の渦巻状のラップ2bと反対側の旋回鏡板2aの背面に
円筒状のボス部2cを形成し、そのボス部2cに旋回軸
受7を設けている。駆動軸9は、フロントハウジング3
1に取り付けられた主軸受15を介して回転可能に支持
され、副軸受16と軸封装置17を貫通してフロントハ
ウジング31の外側へ主軸部分9aを延出している。こ
の駆動軸9の旋回スクロール2側の端部の駆動ピン9b
は、旋回軸受7に挿入された駆動伝達機構の一例として
の旋回ブッシュ8と連結していて、駆動軸9からの駆動
力を伝達させることにより旋回スクロール2に旋回運動
を与えている。旋回鏡板2aとフロントハウジング31
との間には、旋回鏡板2aと平行して旋回スクロール2
にかかるスラスト力を軸方向に支える平板状のスラスト
軸受4と、旋回スクロール2の自転を拘束して旋回のみ
をさせる自転拘束部品の一例としての機能を有するオル
ダムリング5を駆動軸9に直角な一方向のみに運動を拘
束する回転拘束部品6が配置されている。
【0007】固定スクロール1の固定鏡板1aの外周部
分1eのシール溝1fに圧縮機ハウジング3内部を高圧
室11と低圧室12とに仕切るシール部材としてOリン
グ18が挿入されている。この固定スクロール1は固定
鏡板1aの背面に備えられた締結脚1dと吐出孔14を
有するリアプレート35とをボルト19で締結されるこ
とにより高圧室11を形成している。そして、吸入孔1
3を有するフロントハウジング31内の前面端部32に
回転拘束部品6を固定させ、スラスト力によって旋回ス
クロール2をスラスト軸受4を介して回転拘束部品6に
押し当てている。そして、このフロントハウジング31
は固定スクロール1の固定鏡板1aの外周近傍で、スラ
スト隙間の調整用シム20を介在させてリアプレート3
5によって閉塞されている。旋回スクロール2の旋回運
動によって、冷媒は圧縮機ハウジング3の外部よりフロ
ントハウジング31の吸入孔13を通り、内部の低圧室
12に取り込まれ、固定スクロール1と旋回スクロール
2の両ラップ1b、2bの外周付近に導かれる。そし
て、旋回スクロール2の旋回運動によって両ラップ1
b、2bの間で閉塞された流体ポケット10に吸入さ
れ、両ラップ1b、2bの外周から中心に向かって容積
を縮小させながら圧縮され、固定鏡板1aの吐出ガス孔
1cを通して高圧室11に吐き出される。吐出ガス孔1
cには、高圧室11側からリード弁21が取り付けら
れ、吐出ガスの逆流を防止している。
【0008】次に、容積制御機構の構造について図2、
図3、図7を参照して説明する。固定鏡板1aには、同
一圧縮過程にある一対の流体ポケット50及び51(領
域を明瞭にするため斜めハッチングで示されているが、
実際には空間である)に連通する一対のバイパス孔50
a、50b及び51a、51bが貫設され、さらに圧縮
過程が進んでこれらの一対の流体ポケット50,51が
合わさって一つの流体ポケット52となる領域(領域を
明瞭にするためクロスハッチングで示されているが、実
際には空間である)に連通するバイパス孔52a、52
bが貫設されている。これらのバイパス孔50a、50
b、51a、51b、52a、52bを順次閉塞するシ
ャトル弁60が固定鏡板1a内に設けられたシリンダ6
1に往復運動が可能なように挿入されている。シリンダ
61の一端は固定鏡板1aの外周部分1eに形成された
切り欠き部1gに開口しており、低圧室12と連通して
いる。シャトル弁60はスプリング62によって先端方
向に押し付けられており、スプリング62の一端はホル
ダー63と止め輪64によって固定鏡板1a内に保持さ
れている。シャトル弁60にはその外周面に2ケ所の凹
部60a、60bが設けられている。一方の凹部60a
は、シャトル弁60が先端方向に押し付けられた状態の
時に、バイパス孔51a、51bと連通している位置に
設けられ、同様に他方の凹部60bはバイパス孔52
a、52bと連通している位置に設けられている。さら
に、凹部60aは、シャトル弁60の内部の貫通路60
gを通して低圧室12に連通させるため、該貫通路60
gと連通する連通孔66aがシャトル弁60に穿孔され
ている。さらに、もう一方の凹部60bは、固定鏡板1
aに貫設された通路67と外周部分1eに形成された切
り欠き部1hを介して低圧室12と連通している。シリ
ンダ61の先端には、スプリング62の押し付け力に打
ち勝ってシャトル弁60を作動可能にするための制御圧
力Pmを導入するための導入孔68が穿孔されている。
【0009】一方、固定鏡板1a内には制御圧力Pmを
コントロールする制御弁70が制御圧室71に組み込ま
れ、ホルダー78と止め輪79によって保持されてい
る。制御圧室71には、制御圧力Pmを発生させるため
の中間圧力Pcを取り込む流入孔72と流出孔73が穿
孔されており、流出孔73は固定鏡板1aの外周部分1
eに形成された切り欠き部1iを介して低圧室12と連
通している。この流出孔73は低圧信号としての吸入圧
力Psを取り込む通路も兼ねている。また、ベース信号
としての大気圧Paを取り込む連通孔74が固定鏡板1
aの背面に穿孔されており、Oリング75とリアプレー
ト35に設けられた孔36を介して大気に開口してい
る。制御弁70は、中間圧力Pcと吸入圧力Psの変化
に応じて適正な制御圧力Pmを発生させる。この制御圧
力Pmは、固定鏡板1aの背面に形成された通路76と
前記導入孔68を通してシリンダ61内に作用される。
通路76はリアプレート35とOリング77でシールさ
れている。
【0010】次に、容量制御機構の作動について図4、
図5を参照して説明する。シャトル弁60が最も上方
(シリンダ先端方向)に位置しているときは、全てのバ
イパス孔51a,51b,52a,52b,50a,5
0bは全開状態にあり、最小容量運転となる。反対に、
シャトル弁60が最も下方(ホルダー側)に位置してい
るときは、全てのバイパス孔51a,51b,52a,
52b,50a,50bは全閉状態にあり、最大容量運
転となる。図4に示すように、バイパス孔51a、51
bは最大圧縮容積Vmaxの100%〜約60%の領域
までの流体ポケットに連通しており、同様にバイパス孔
50a、50bは100%〜約50%、バイパス孔52
a,52bは約60%〜7%の領域に連通している。こ
れらのバイパス孔51a,51b,50a,50bをシ
ャトル弁60によって開度を調節することにより、図5
に示す制御容量Vcとシャトル弁ストロークLsとの関
係が得られる。図5において、Ls=0(mm)はシャ
トル弁60が最下方に位置している状態である。Ls=
0(mm)からLs=7(mm)までは、バイパス孔5
0a、51a、50b、51bが順次開口して、約50
%まで容量制御範囲をカバーする。Ls=5(mm)以
降は、バイパス孔52a,52bが順次開口し、シャト
ル弁60が最上方(Ls=13(mm))に達したとき
に0%容量運転となる。バイパス孔52a,52bは、
前述したように、バイパス通路が独立しており、バイパ
スされたガスが下流側のバイパス孔50a、51a、5
0b、51bに逆流することがなく、制御効率を低下さ
せずに容量制御することが可能である。
【0011】次に、シャトル弁60の作動について下記
の記号を用いて説明する。 スプリング62のバネ定数 : k スプリング62の初期たわみ : X シャトル弁60の最大ストローク量 : Xi(=13(mm)) シリンダ61の内径 : Sv とすると、シャトル弁60に作用する力として下記の関
係が得られる。制御圧力Pmによってシャトル弁60を
下方に移動させる力Fpは、 Fp=(Pm−Ps)×Sv スプリング62によってシャトル弁60を上方に移動さ
せる力Fsは、 Fs=k×(X+Xi−Ls) 上式より、シャトル弁60が最下方にあるとき、シャト
ル弁60に作用しているバネ力Fsは、 Fs=k×(X+Xi) シャトル弁60が最上方にあるとき、シャトル弁60に
作用しているバネ力Fsは、 Fs=k×X となる。したがって、最大容量運転時においては、Fp
≧Fsでシャトル弁60は最下方に位置しており、最
小容量運転時においては、Fp≦Fsでシャトル弁6
0は最上方に位置している。また、容量制御運転時にお
いては、Fp=Fsでシャトル弁60は中間位置でバラ
ンスしている。
【0012】本発明の第1実施形態である圧縮機におけ
る制御弁70の圧力特性(Pm〜Ps特性)は、例えば
中間圧力Pcが15(kgf/cm)のとき、図6に
示されるように設定されている。また、スプリング62
の荷重特性は、 Fs/Sv=3.0(kgf/cm) Fs/Sv=0.5(kgf/cm) となるように設定されている。冷房負荷が高いときには
吸入圧力Psが上昇し、それに伴って制御圧力Pmも上
昇する。図6において、Ps≧1.8(kgf/c
)になると、 Pm−Ps≧3(kgf/cm)(=Fs/Sv) すなわち、Fp≧Fsとなり、シャトル弁60は最下
方まで押し下げられ最大容量運転となって冷房能力が増
大する。逆に冷房負荷が低いときには吸入圧力Psが下
降し、それに伴って制御圧力Pmも下降する。Ps≦
1.3(kgf/cm)になると、Fp<Fsとな
り、シャトル弁60は最下方まで押し下げられ最小容量
運転となって、冷房能力が低下する。1.3(kgf/
cm)<Ps<1.8(kgf/cm)では、制御
運転域(制御域)となって、吸入圧力Psを冷房負荷に
応じた最適値に安定させるように制御機構が働く。
【0013】次に、起動時の液圧縮を防止する機構につ
いて図7,8を参照しながら説明する。開閉弁機構80
は、バネ81と、該バネ81により付勢されかつ制御圧
力が作用する流入孔72とシャトル弁側への通路76と
の間を開閉するピストン80aとを備えている。そし
て、この機構80では、図7に示すように、吐出圧力P
dと流体ポケット内の圧力Pcの差がある一定圧力(一
定値)Pを上回らない(Pd−Pc<P)ときには、バ
ネ81の付勢力が働いてピストン80aにより流入孔7
2と通路76とをそれぞれ閉鎖してシャトル弁60へ制
御弁70からの流入孔72を介しての制御圧力Pmが伝
達されないようにする。一方、逆に、図8に示すよう
に、吐出圧力Pdと流体ポケット内の圧力Pcの差があ
る一定圧力Pを上回る(Pd−Pc≧P)ときには、吐
出圧力Pdがバネ81の付勢力に打ち勝ってピストン8
0aが図8において押し下げられ、流入孔72と通路7
6とを開いて流入孔72から通路76へ制御圧力Pmが
作用可能となり、シャトル弁60へ制御圧力Pmが伝達
されるようになっている。従って、流体ポケット内に液
体が入って該流体ポケット内の前記圧力Pcが大きくな
ると、前記吐出圧力Pdとの差が小さくなり、その差が
前記一定圧力P以下ならば前記制御圧力Pmがシャトル
弁60に作用しないので、前記シャトル弁60の位置が
最下方(ホルダー側)にならず、前記シャトル弁60の
往復運動領域内で凹所60a、60bに臨む位置に設け
られた開口端がすべて閉鎖されることはない。よって、
各流体ポケット内からシャトル弁60のシリンダ61ま
で液体をバイパスすることが可能となり、前記流体ポケ
ット内で液圧縮が生じることを防止することができる。
なお、バネ81によりピストン80aが付勢されて流入
孔72と通路76とが閉鎖された位置では、図7におい
てピストン80aの上端が開閉弁機構80の上端に固定
されたストッパ80bに突き当たり、ピストン80aが
それ以上上昇してさらに流入孔72と通路76とを開く
ことがないように規制している。
【0014】
【発明の効果】上記実施形態から明らかなように、本発
明は、流体ポケット内の圧力と吐出圧力を入力値とし、
制御弁からの制御圧力をシャトル弁に作用させるか否か
を制御する開閉弁機構を設けたため、起動時に流体ポケ
ット内に液体が入って高圧になっても、液体がバイパス
されて液圧縮を回避することができ、液圧縮を含む起動
時の急激な入力の増加と部材への衝撃力の増加を防止で
きて、スクロール圧縮機を破壊することを防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す容量制御スクロ
ール圧縮機の断面図である。
【図2】 同第1実施形態の流体ポケット部分の断面図
(一部透視図)である。
【図3】 同第1実施形態の圧縮室の横断面図である。
【図4】 同第1実施形態の旋回角度と閉込容積の関係
を示す特性を示す特性線図である。
【図5】 同第1実施形態のシャトル弁ストロークと制
御容量の関係を示す特性線図である。
【図6】 同第1実施形態の制御弁の圧力特性線図であ
る。
【図7】 第1実施形態の圧縮機の起動時液圧縮を防止
する機構において起動時の液圧縮を防止する状態での断
面図(一部透視図)である。
【図8】 第1実施形態の圧縮機の起動時液圧縮を防止
する機構において通常の作動状態での断面図(一部透視
図)である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 1a 固定
鏡板 1b 固定スクロールの渦巻状のラップ 1c 吐出ガス孔 1d 締結
孔 1e 固定鏡板外周部 1f シー
ル溝 1g 固定鏡板外周切り欠き溝 1h 固定
鏡板外周切り欠き溝 1i 固定鏡板外周切り欠き溝 2 旋回
スクロール 2a 旋回鏡板 2d 旋回スクロールの渦巻状のラップ 2c ボス部 3 圧縮機
ハウジング 4 スラスト軸受 5 オルダ
ムリング 6 回転拘束部品 7 旋回軸
受 8 旋回ブッシュ 9 駆動軸 9a 主軸部分 9b 駆動ピ
ン 10 流体ポケット 11 高圧
室 12 低圧室 13 吸入
孔 14 吐出孔 15 主軸
受 16 副軸受 17 軸封
装置 18 Oリング 19 ボル
ト 20 シム 21 吐出
弁 31 フロントハウジング 32 前面
端部 35 リアプレート 36 孔 50 流体ポケット 50a バイ
パス孔 50b バイパス孔 51 流体
ポケット 51a バイパス孔 51b バイ
パス孔 52 流体ポケット 52a バイ
パス孔 52b バイパス孔 60 シャ
トル弁 60a 凹所 60b 凹所 61 シリンダ 62 スプ
リング 63 ホルダー 64 止め
輪 66 連通孔 67 通路 68 導入孔 70 圧力
制御弁 71 制御圧室 72 流入
孔 73 流出孔 74 連通
孔 75 Oリング 76 通路 77 Oリング 78 ホル
ダー 79 止め輪 80 開閉
弁機構 80a ピストン 81 バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機ハウジング(3)の内部に、固定
    鏡板(1a)及びこの固定鏡板に直立した渦巻状のラッ
    プ(1b)を有する固定スクロール(1)と、旋回鏡板
    (2a)及びこの旋回鏡板に直立した渦巻状のラップ
    (2b)を有し、ラップを互いに内側にして前記固定ス
    クロールと噛み合って配置させた旋回スクロール(2)
    と、前記旋回スクロールの渦巻状のラップと反対側の旋
    回鏡板背面に形成した旋回機構部(2c,7)と、前記
    旋回スクロールにかかるスラスト力を軸方向に支える平
    板状のスラスト軸受(4)と、前記圧縮機ハウジングに
    主軸受(15)を介して回転可能に支持され軸封装置
    (17)と副軸受(16)を貫通して該圧縮機ハウジン
    グの外側へ主軸部分を延出した駆動軸(9)と、前記駆
    動軸からの駆動力を前記旋回機構部に伝達する駆動伝達
    機構(8,9b)と、前記旋回スクロールの自転を拘束
    して旋回させる自転拘束部品(5)と、前記自転拘束部
    品に近接して該自転拘束部品を前記駆動軸に直角な一方
    向に運動を拘束する回転拘束部品(6)と、前記旋回ス
    クロールの旋回運動によって両ラップ間で形成された流
    体ポケット(52)に連通し該流体ポケットに関して対
    称な位置に貫設された少なくとも一対の流体バイパス孔
    (52a,52b)と、前記固定鏡板内に前記バイパス
    孔を介して前記流体ポケットと連通するように形成され
    た一本のシリンダ(61)と、前記シリンダ内で往復運
    動可能な一本のシャトル弁(60)と、前記流体ポケッ
    ト内の圧力(Pc)と吸入圧力(Ps)とを入力値とし
    て得られる制御圧力(Pm)により前記シャトル弁の動
    きを制御する制御弁(70)と、前記シャトル弁の外周
    面の凹所(60b)と、前記バイパス孔及び吐出孔(1
    4)に連通する流体ポケットに設けられたバイパス孔の
    少なくとも一ケ所を前記凹所を介して前記シリンダと前
    記圧縮機ハウジングの低圧室(12)とを連通させる連
    通孔(67)と、前記シャトル弁の往復運動領域内で前
    記凹所に臨む位置に設けられた前記連通孔の前記シリン
    ダ側の開口端とを具備し、両ラップの外周から中心に向
    かって圧縮作用を行い、前記シャトル弁によって前記バ
    イパス孔を順次開閉することにより吐出容量を連続的に
    変化させる容量制御スクロール圧縮機において、 前記流体ポケット内の圧力(Pc)と吐出圧力(Pd)
    を入力値とし、前記制御弁(70)からの制御圧力(P
    m)が前記シャトル弁(60)に作用させるか否かを制
    御する開閉弁機構(80,81)を設けることを特徴と
    する容量制御スクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記流体ポケット内の圧力(Pc)と吐
    出圧力(Pd)を入力値とし、前記制御弁(70)から
    の制御圧力(Pm)が前記シャトル弁(60)に作用さ
    せるか否かを制御する前記開閉弁機構を、前記流体ポケ
    ット内の圧力(Pc)と吐出圧力(Pd)の差が、ある
    設定値(P)を上回らなければ前記制御弁(70)から
    の制御圧力(Pm)が前記シャトル弁(60)に作用し
    ない機構とするようにした請求項1に記載の容量制御ス
    クロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記制御弁(70)からの制御圧力(P
    m)が前記シャトル弁(60)に作用するか否かを制御
    する開閉弁機構として、制御圧力(Pm)が前記シャト
    ル弁(60)に作用する通路(76)を開閉するピスト
    ン(80a)と、該ピストンに付勢力を作用させるバネ
    (81)とを備え、前記バネの付勢力は前記設定値
    (P)に相当する力とし、前記流体ポケット内の圧力
    (Pc)と吐出圧力(Pd)の差が、前記ある設定値
    (P)である前記バネの付勢力を上回るときのみ、前記
    バネ(81)により前記ピストン(80a)が前記通路
    (76)を開けて前記制御弁(70)からの制御圧力
    (Pm)が前記シャトル弁(60)に作用するようにし
    た請求項2に記載の容量制御スクロール圧縮機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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BE1018417A3 (fr) * 2003-06-26 2010-11-09 Scroll Tech Compresseur a volutes auto-modulateur a deux etages.

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