JPH10158783A - プレス成形性及び耐肌荒れ性に優れた冷延鋼板及びその製造方法 - Google Patents
プレス成形性及び耐肌荒れ性に優れた冷延鋼板及びその製造方法Info
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- JPH10158783A JPH10158783A JP32682896A JP32682896A JPH10158783A JP H10158783 A JPH10158783 A JP H10158783A JP 32682896 A JP32682896 A JP 32682896A JP 32682896 A JP32682896 A JP 32682896A JP H10158783 A JPH10158783 A JP H10158783A
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Abstract
成形性という2つの特性を両立し、さらに化成処理性が
優れた冷延鋼板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】本発明の鋼板は、重量%で、C:0.00
5%以下と、Si:0.1%以下と、Mn:0.5%以
下と、P:0.1%以下と、S:0.003%〜0.0
2%と、Sol.Al:0.02〜0.1%と、N:
0.01%以下と、Ti:0.03〜0.08%と、
B:0.0001〜0.0015%とを含有し、鋼板表
面から板厚10%以内のフェライトの平均結晶粒径が、
鋼板表面から板厚10%以内を除いた板厚中心部分のフ
ェライトの平均結晶粒径の90%以下で、かつ前記板厚
中心部分のフェライトの平均結晶粒径が10〜30μm
であることを特徴とするプレス成形性及び耐肌荒れ性に
優れた冷延鋼板である。
Description
外板パネル材として好適な、プレス成形後の表面性状の
優れた即ち、耐肌荒れ性及び化成処理性に優れた冷延鋼
板及びその製造方法に関する。
性およびプレス成形後に良好な表面性状を有することに
加えて、塗装の前工程として良好な化成処理性が求めら
れる。炭素、窒素の含有量を低減した極低炭素鋼にTi
などの炭窒化物生成元素を添加した、Intersti
tial Free鋼(以下IF鋼と称する)はプレス
成形性に優れ、非時効性であるので自動車のパネル材な
どの深絞り成形用途に広く用いられている。しかしなが
ら、IF鋼は焼鈍時の結晶粒の粒成長性が良好なために
異常粒成長をおこしやすく、その結果プレス成形後の肌
荒れ欠陥につながることがある。一方、一般的に鋼板に
Tiを添加すると表面にチタン酸化物が生成し化成処理
性が悪くなることが知られている。上記の特性を改善す
るためにこれまでも幾つかの研究が行われている。
抑える方法としては、添加元素によって析出物を生成さ
せ粒成長を抑制する方法が用いられている。しかし添加
元素を必須とする方法はコスト上昇を招き、また添加元
素がその他の特性にも影響を及ぼすため好ましくない。
一方、必須な添加元素を用いず製造方法により結晶粒を
微細化する方法として特開平5-117759号公報に、Ac3
以上で圧延後冷却し、Ar3 (望ましくはAr1 )以下
で30%以上圧延した後、Ac3 以上に昇温し50%以
下の圧延を行いまたは行わず冷却し、さらに冷延、焼鈍
する方法が開示されている。
特公平4-61063 号公報にはTiの他に、Ti濃度によっ
て規定される微量のNbを添加した極低炭素鋼板が開示
されている。また、特公平4-40412 号公報においては、
極低炭素鋼を、露点が−25℃以下の雰囲気中において
連続焼鈍する方法が開示されている。
術において示すところの添加元素または製造条件により
結晶粒を微細化する方法によれば、耐肌荒れ性を向上さ
せることは可能であるが、一方結晶粒が細かくなると良
好な集合組織の発達が抑制されr値が低くなるという問
題がある。ゆえに、単に組織を均一に微細化するだけで
は本発明が解決しようとするところのプレス成形性と耐
肌荒れ性の両立は困難である。また特公平4-61063 号公
報に開示された方法はNbという高価な添加元素が必須
でコストの上昇、製造性の低下を招く。特公平4-40412
号公報に開示されている化成処理性を向上させる方法
は、連続焼鈍での雰囲気の管理が難しく、安定操業が困
難で、製造時の制約がある。
る耐肌荒れ性とプレス成形性という2つの特性を両立
し、さらに化成処理性が優れた冷延鋼板及びその製造方
法を提供することにある。
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の鋼板は、重量%で、C:0.005%以
下と、Si:0.1%以下と、Mn:0.5%以下と、
P:0.1%以下と、S:0.003%〜0.02%
と、Sol.Al:0.02〜0.1%と、N:0.0
1%以下と、Ti:0.03〜0.08%と、B:0.
0001〜0.0015%とを含有し、鋼板表面から板
厚10%以内のフェライトの平均結晶粒径が、鋼板表面
から板厚10%以内を除いた板厚中心部分(以下、この
部分を板厚中心部分と称する。)のフェライトの平均結
晶粒径の90%以下で、かつ板厚中心部分のフェライト
の平均結晶粒径が10〜30μmであることを特徴とす
るプレス成形性及び耐肌荒れ性に優れた冷延鋼板であ
る。
(1)に記載の鋼板を製造する方法において、鋼スラブ
をAc3 以上の温度に加熱する工程と、加熱された鋼ス
ラブに対して、スラブ中心温度がAr3 以上でかつ表面
温度がAr3 以上の時に圧延率30%以上、スラブ中心
温度がAr3 以上でかつ表面温度がAr3 未満の時に圧
延率30%以上で、両圧延率の総和が70%以上の熱間
粗圧延を行う工程と、粗圧延された鋼スラブを加熱速度
5℃/s以上で鋼全体をAc3 +50℃以上の温度まで
加熱した後、Ar3 以上の温度で圧延率51%以上の仕
上げ圧延を行う工程と、仕上げ圧延された熱延鋼板を冷
間圧延し、650℃以上の温度で再結晶焼鈍を行う工程
と、を備えたことを特徴とするプレス成形性及び耐肌荒
れ性に優れた冷延鋼板の製造方法である。
(1)に記載の鋼板を製造する方法において、鋼スラブ
をAc3 以上、1150℃以下の温度に加熱する工程
と、加熱された鋼スラブに対して、スラブ中心温度がA
r3 以上でかつ表面温度がAr3 以上の時に圧延率30
%以上、スラブ中心温度がAr3 以上でかつ表面温度が
Ar3 未満の時に圧延率30%以上で、両圧延率の総和
が70%以上の熱間粗圧延を行う工程と、粗圧延された
鋼スラブを加熱速度5℃/s以上で鋼全体をAc3 +5
0℃以上の温度まで加熱した後、Ar3 以上の温度で圧
延率51%以上の仕上げ圧延を行う工程と、仕上げ圧延
された熱延鋼板を冷間圧延し、650℃以上の温度で再
結晶焼鈍を行う工程と、を備えたことを特徴とするプレ
ス成形性及び耐肌荒れ性に優れた冷延鋼板の製造方法で
ある。
求される耐肌荒れ性とプレス成形性という2つの特性を
両立し、さらに化成処理性が優れた冷延鋼板を得るた
め、冷延鋼板の金属組織、すなわちフェライトの平均結
晶粒径と耐肌荒れ性及びプレス成形性との関係につい
て、鋭意研究を重ね、さらに、冷延鋼板の金属組織と製
造条件について詳細に検討した。
フェライトの平均結晶粒径を板厚中心部分の平均粒径の
90%以下に微細化し、さらに板厚中心部分の結晶粒径
を10〜30μmという限られた範囲に制御することに
より高いr値を確保しつつ良好な耐肌荒れ性が得られる
という知見を得た。さらに上記金属組織を有するTi−
B添加IF鋼はNbを必須に添加したり、特殊な焼鈍方
法を必要とせずに化成処理性が非常に優れるという知見
も得た。
成、熱延条件及び冷延後の焼鈍条件を調整し、冷延鋼板
の金属組織を上記範囲に制御するようにして、耐肌荒れ
性とプレス成形性という2つの特性を両立し、さらに化
成処理性に優れた本発明の冷延鋼板及びその製造方法を
見出し、本発明を完成した。
び製造条件を下記範囲に限定することにより、耐肌荒れ
性とプレス成形性という2つの特性を両立し、さらに化
成処理性に優れた冷延鋼板を得ることができる。以下
に、本発明の成分添加理由、成分限定理由、金属組織の
限定理由及び製造条件の限定理由について説明する。
るため、その含有量は少ない方が望ましい。特に0.0
05%を超えると極めて延性が低下するのでCは0.0
05%以下である。
れ固溶強化により強度を上昇させるが、成形性を著しく
劣化させる。従って、必要に応じて添加してもよいがそ
れぞれ0.1、0.5、0.1%以下であることが必要
である。
れる。その含有量はsol.Alで0.02%未満では
前記効果が十分に得られず、0.1%を超えるとその効
果が飽和して不経済となるため、sol.Alは0.0
2〜0.1%である。
ケール剥離性が低下する。また0.02%を超えるとプ
レス成形性が著しく劣化するので、Sは0.003%〜
0.02%である。
ャーストレインマークを発生させるので、できるだけ低
減するのが望ましい。0.01%以下ではその影響はほ
とんどなくなるので、Nは0.01%以下である。
物を形成し、成形性を向上させる。その添加量は0.0
3%未満では効果が十分でなく、0.08%を超えて添
加すると効果が飽和し、不経済となることからTiは
0.03〜0.08%である必要がある。
次加工脆性を抑制する効果がある。また窒化物を形成し
異常粒成長を抑制し、耐肌荒れ性向上の効果がある。
0.0001%未満ではその効果が十分でなく、0.0
015%を超えると効果が飽和するので、Bは0.00
01〜0.0015%である。
し、成形性を向上させるので必要に応じて添加しても本
発明の効果は変わらない。 (2)金属組織 本発明の金属組織は、板厚中心部分のフェライトの平均
結晶粒径が10〜30μmで、かつ鋼板表面から板厚1
0%以内のフェライトの平均結晶粒径が板厚中心部分の
フェライトの平均結晶粒径の90%以下である。
従来材のごとく耐肌荒れ性とr値の両立ができない。ま
た化成処理性も優れない。さらに、板厚中心部分の平均
結晶粒径が10μm未満では良好な集合組織の成長が不
十分で高いr値は得られない。また30μmを超えると
肌荒れが発生しやすくなる。
処理性が向上する理由については不明であるが、概ね次
のように考えられる。化成処理性には鋼板表面における
Feの溶出反応が重要であり、これを促進させるために
は鋼板表面に局部電池を形成させることが有効である。
結晶粒界は溶質原子が濃化し、電気的に不均一となるの
で、結晶粒径が微細なほど化成処理性が向上する傾向が
ある。
径に差をつけることによって直接化成皮膜形成に寄与し
ない板厚中心部の結晶粒界を少なくすれば、表面層の粒
界およびその周辺への溶質原子の濃化が促進され、化成
処理性が良好になると考えられる。併せて、表面と板厚
中心部分の結晶粒径に差があることにより耐肌荒れ性が
さらに向上する。これは表面層が粒界強化され、板厚中
心部よりも高強度であるためにプレス成形後のスプリン
グバック量が表面の方が大きく、表面に引張残留応力が
残り、表面が平滑化されるためと考えられる。さらに望
ましくはこの比を80%以下にすれば、その効果はさら
に大きい。
ることにより、耐肌荒れ性とプレス成形性という2つの
特性を両立し、さらに化成処理性に優れた鋼板を得るこ
とが可能となる。
造することができる。 (3)鋼板製造工程 上記の成分組成範囲に調整した鋼を転炉にて溶製した
後、連続鋳造によりスラブにし、Ac3 以上の温度に加
熱する。
圧延が行えず、良好なプレス成形性が得られない。ま
た、加熱温度を1150℃以下にすることにより本発明
の特徴である板表面結晶粒径と板厚中心の結晶粒径の差
が大きくなり、耐肌荒れ性およびr値がさらに向上す
る。
でかつ表面温度がAr3 以上の時に30%以上、スラブ
中心温度がAr3 以上でかつ表面温度がAr3 未満の時
に30%以上の圧延率で、両圧延率の総和が70%以上
になるように行う。
ってγ相に歪みが導入されγ/α変態時にα結晶粒を微
細化する。圧延率30%未満では歪みの導入が不十分で
効果が少ない。また表面層をAr3 未満で30%以上の
圧延を行うことによりα相に歪みを導入し、この後の昇
温時のα/γ逆変態において表面層のγ相の結晶粒を微
細化させる。圧延率30%未満では歪みの導入が不十分
で効果が少ない。またスラブ中心がAr3 未満になると
表面と板厚中心の結晶粒の差がなくなり、従来材のごと
くr値と耐肌荒れ性が両立しない。
3 +50℃以上の温度まで加熱する。この加熱によるα
/γ逆変態により微細なγ相組織となる。加熱速度が5
℃/s未満または加熱到達温度がAc3 +50℃未満で
は変態核が少なくなり、微細化の効果が得られない。
上の仕上げ圧延を行なう。圧延率が51%未満または仕
上がり温度がAr3 未満では組織が粗大、不均一となり
耐肌荒れ性が劣化する。
圧延し、650℃以上の温度で再結晶焼鈍を行う。再結
晶焼鈍は連続焼鈍、バッチ焼鈍のいずれでもよい。65
0℃未満の温度では結晶粒が細かく肌荒れ性は問題ない
が、良好な集合組織が発達せず、r値が低くなり成形性
が悪くなる。
ーなどで10%未満の加工を行ってもよい。また、本発
明により製造された冷延鋼板は溶融亜鉛めっき、電気亜
鉛めっきなどの表面処理鋼板の素材としても最適であ
る。以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を立証
する。
性、化成処理性及び深絞り成形性の指標であるr値との
関係を調査した結果を示す。50kg真空溶解炉で表1
の本発明の試料No.1成分を有する鋼塊を溶解鋳造
し、種々の熱延、冷延、焼鈍プロセスを組み合わせて、
様々な結晶粒径及び板厚内の粒径の分布を有する0.7
mmの冷延鋼板を作製した。これらを供試材として表面
と板厚中心部分の平均結晶粒径を測定した結果、また耐
肌荒れ性、化成処理性及び引張特性を評価した結果を表
2(本発明例:記号a〜g、比較例:記号h〜s)にあ
わせて示す。
イトの平均結晶粒径(Ds)を板厚中心部分のフェライ
トの平均結晶粒径(Dc)で割ったものを粒径比(Ds
/Dc)と定義する。
ンプルを打ち抜きにより作製し、60φの円頭ポンチで
絞り抜き、壁部の表面粗さをJIS B 0601に準
拠して測定し、Raが1μm以下のものを合格、1μm
を超えるものは肌荒れが発生しているため不合格と判定
した。
片を浸漬、水洗、乾燥後、付着量およびP比を測定し化
成処理性を評価した。ここでP比とは燐酸亜鉛処理で付
着する燐酸亜鉛結晶(Hopeite)と燐酸鉄結晶
(Phosphophylite)のうち燐酸鉄結晶
(Phosphophylite)の組成化で定義さ
れ、測定はX線回折法により行った。一般にP比が高い
化成処理皮膜の方が特性が良好である。
れたJIS5号試験片を用い、試験は同2241記載の
方法に基づいて実施した。r値の測定は同様にJIS5
号試験片を圧延方向、圧延方向に対して45度方向、9
0度方向それぞれのr値、r0 、r45、r90を15%の
予歪みを加えて測定した後に、平均r値をr=(r0+
2×r45+r90)/4とした。
性、r値に及ぼす板厚中心の結晶粒径(Dc)および粒
径比(Ds/Dc)の関係を図示する。横軸は粒径比
(Ds/Dc)、マークは板厚中心部分のフェライトの
結晶粒径(Dc)によって10μm未満、10〜30μ
m、30μm超と区別して示した。本発明が規定する板
表面から板厚10%以内のフェライトの平均結晶粒径
が、板厚中心部分のフェライトの平均粒径の90%以下
でかつ板厚中心部分のフェライトの平均結晶粒径が10
〜30μmのミクロ組織を有する供試材は耐肌荒れ性は
良好でかつ、化成処理性は付着量2g/m2 以上でP比
85%以上であり、さらにr値が2以上と高く、すべて
の特性において良好であることがわかる。これに対して
板厚中心部分の結晶粒径10μm未満では耐肌荒れ性は
良好であり、また粒径比0.9以下では化成処理性も良
好である。しかしr値は粒径比に関わらず低く、深絞り
成形性が劣る。板厚中心部分の結晶粒径30μm超では
r値は良好であるが、粒径比に関わらず耐肌荒れ性、化
成処理性ともに不良である。
示す化学組成の鋼塊を溶解鋳造した後、表3に示す条件
で熱延を行い、次に圧延率は76%の冷間圧延を行い、
表3に示す条件で焼鈍を行った。ここで記号A〜Iは本
発明例の製造条件、記号J〜Sは比較例の製造条件であ
る。こうして作製した厚さ0.7mmの冷延鋼板のミク
ロ組織及び引張特性を調査した結果を表4に示す。
試料(記号A〜I)はいずれも板表面から板厚10%以
内のフェライト平均結晶粒径が、板厚中心部分のフェラ
イト平均結晶粒径の90%以下で前記板厚中心部分のフ
ェライト平均結晶粒径が10〜30μmであり、このよ
うな材料はr値が1.8以上で伸びが48%以上と高
く、また成形後に肌荒れがなく表面性状が良好であり、
また化成処理性は、燐酸亜鉛付着量が2g/m2 以上、
P比が85%以上と良好である。さらに粗圧延の加熱温
度が1150℃以下である試験C〜Iはさらにr値、伸
び、表面性状及び化成処理性が良好であることがわか
る。
本発明の範囲外であるため耐肌荒れ性、化成処理性が不
良またはr値、伸びが不足し成形性が十分でないことが
わかる。試験Mは粗圧延をAr3 以上で行ったため表面
組織の微細化が行われず、耐肌荒れ性、化成処理性が良
くないことがわかる。試験Nは加熱温度が低く、γ域で
の表面の圧延率が十分でないので表面組織の微細化が行
われず、耐肌荒れ性、化成処理性がよくない。試験Oは
粗圧延の加熱温度が低くγ域での圧延を行えないため、
良好な集合組織が生成せず、r値が低い。また表面層の
結晶粒の微細化も行われないため耐肌荒れ性、化成処理
性も優れない。試験Pは粗圧延後の再加熱の加熱速度が
低いため異常粒成長を起こし、耐肌荒れ性、化成処理性
が良くないことがわかる。試験Qは仕上圧延の圧延率が
低いため粒径が粗く、耐肌荒れ性、化成処理性がよくな
いことがわかる。試験Rは仕上圧延の仕上がり温度がA
r3 以下であるため表面で異常粒成長を生じ、耐肌荒れ
性、化成処理性が悪いことがわかる。試験Sは再結晶焼
鈍温度が650℃未満であるため、結晶粒径が微細にな
る。そのため耐肌荒れ性は良好であるが、r値が低く成
形性が劣ることがわかる。
を特定することにより、良好な化成処理性と耐肌荒れ性
を両立した、特に深絞りなどのプレス成形に好適な冷延
鋼板が提供できる。
耐肌荒れ性、化成処理性及びr値との関係を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下と、S
i:0.1%以下と、Mn:0.5%以下と、P:0.
1%以下と、S:0.003%〜0.02%と、So
l.Al:0.02〜0.1%と、N:0.01%以下
と、Ti:0.03〜0.08%と、B:0.0001
〜0.0015%とを含有し、鋼板表面から板厚10%
以内のフェライトの平均結晶粒径が、鋼板表面から板厚
10%以内を除いた板厚中心部分のフェライトの平均結
晶粒径の90%以下で、かつ前記板厚中心部分のフェラ
イトの平均結晶粒径が10〜30μmであることを特徴
とするプレス成形性及び耐肌荒れ性に優れた冷延鋼板。 - 【請求項2】 請求項1に記載の鋼板を製造する方法に
おいて、 鋼スラブをAc3 以上の温度に加熱する工程と、 加熱された鋼スラブに対して、スラブ中心温度がAr3
以上でかつ表面温度がAr3 以上の時に圧延率30%以
上、スラブ中心温度がAr3 以上でかつ表面温度がAr
3 未満の時に圧延率30%以上で、両圧延率の総和が7
0%以上の熱間粗圧延を行う工程と、 粗圧延された鋼スラブを加熱速度5℃/s以上で鋼全体
をAc3 +50℃以上の温度まで加熱した後、Ar3 以
上の温度で圧延率51%以上の仕上げ圧延を行う工程
と、 仕上げ圧延された熱延鋼板を冷間圧延し、650℃以上
の温度で再結晶焼鈍を行う工程と、 を備えたことを特徴とするプレス成形性及び耐肌荒れ性
に優れた冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の鋼板を製造する方法に
おいて、 鋼スラブをAc3 以上、1150℃以下の温度に加熱す
る工程と、 加熱された鋼スラブに対して、スラブ中心温度がAr3
以上でかつ表面温度がAr3 以上の時に圧延率30%以
上、スラブ中心温度がAr3 以上でかつ表面温度がAr
3 未満の時に圧延率30%以上で、両圧延率の総和が7
0%以上の熱間粗圧延を行う工程と、 粗圧延された鋼スラブを加熱速度5℃/s以上で鋼全体
をAc3 +50℃以上の温度まで加熱した後、Ar3 以
上の温度で圧延率51%以上の仕上げ圧延を行う工程
と、 仕上げ圧延された熱延鋼板を冷間圧延し、650℃以上
の温度で再結晶焼鈍を行う工程と、 を備えたことを特徴とするプレス成形性及び耐肌荒れ性
に優れた冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32682896A JP3755218B2 (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | プレス成形性及び耐肌荒れ性に優れた冷延鋼板の製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10158783A true JPH10158783A (ja) | 1998-06-16 |
JP3755218B2 JP3755218B2 (ja) | 2006-03-15 |
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JP (1) | JP3755218B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10168544A (ja) * | 1996-12-10 | 1998-06-23 | Nkk Corp | 打ち抜き性に優れる冷延鋼板及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102605250B (zh) * | 2012-03-27 | 2014-01-15 | 首钢总公司 | 一种汽车用钢板及其生产方法 |
-
1996
- 1996-12-06 JP JP32682896A patent/JP3755218B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10168544A (ja) * | 1996-12-10 | 1998-06-23 | Nkk Corp | 打ち抜き性に優れる冷延鋼板及びその製造方法 |
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JP3755218B2 (ja) | 2006-03-15 |
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