JPH10158712A - 精製反応器中でニッケル合金化鉄浴を製造する方法 - Google Patents

精製反応器中でニッケル合金化鉄浴を製造する方法

Info

Publication number
JPH10158712A
JPH10158712A JP9331934A JP33193497A JPH10158712A JP H10158712 A JPH10158712 A JP H10158712A JP 9331934 A JP9331934 A JP 9331934A JP 33193497 A JP33193497 A JP 33193497A JP H10158712 A JPH10158712 A JP H10158712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
bath
oxygen
iron
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9331934A
Other languages
English (en)
Inventor
David M Kundrat
デイヴィッド・エム・カンドラット
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Armco Inc
Original Assignee
Armco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Armco Inc filed Critical Armco Inc
Publication of JPH10158712A publication Critical patent/JPH10158712A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/0006Adding metallic additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/005Manufacture of stainless steel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/04Removing impurities by adding a treating agent
    • C21C7/076Use of slags or fluxes as treating agents
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニッケル合金化スチールおよびニッケル合金
化ステンレススチールの製造において、Niラテライト
や硫黄含有Ni選鉱物から直接安価なNiユニットを得
ること。 【解決手段】 精製反応器内に溶解したメタロイド及び
炭素を含有する鉄/スラグ浴混合物を用意し;Niラテ
ライト鉱石を浴混合物に供給し;酸素含有ガスを浴混合
物に射出してメタロイド及び炭素を酸化し、そしてNi
ラテライト鉱石を熔融しそれによりニッケル合金化鉄浴
が形成されるまで浴混合物を撹拌し;鉄浴からスラグを
排出し;酸化含有ガスを、必要ならば、鉄浴が最終炭素
規格に脱炭されるまで射出することにより、精製反応器
中でニッケル合金化鉄浴を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は精製反応器において
ニッケル合金化(nickel-alloyed)鉄浴を製造する方法
に関する。特に、溶解したメタロイド還元体及び炭素還
元体を含有する鉄/スラグ浴混合物へNiラテライト鉱
石を加えることにより、ニッケル合金化鉄浴中のNiユ
ニットの少なくとも一部が得られる。この方法は、浴混
合物をメタロイド還元体により維持される還元条件下で
激しく撹拌した場合に、熔融ニッケルラテライト鉱石か
らNiユニットの回収においてコスト効果を上げること
ができる。
【0002】
【従来の技術】スクラップに含有されるNiユニットは
フェロニッケル中のNiユニットの約80%の価額であ
る。Niユニットの2つのソースはニッケル合金化ステ
ンレススチールを製造するための最も高価な材料であ
る。フェロニッケル中のNiユニット又はNiショット
は、一般に3重量%未満のNiを含有する鉱石からニッ
ケルを遊離させる高い製造コストために、高価である。
Ni鉱石は2つの一般的タイプ、硫化物及びラテライト
がある。硫黄含有鉱石においては、ニッケルは主に鉱物
ペントランダイト、即ちニッケル−鉄硫化物として存在
し、これはピロタイト及びチャルコピライトを含むこと
もできる。硫黄含有鉱石は典型的には、1〜3重量%の
Niおよび変量のCu及びCoを含有する。破砕、粉砕
及び前浮遊選鉱(forth flotation)は価値ある材料の
選鉱に用いられ、できるだけ多くの脈鉱として廃棄され
る。この後、選択的浮遊選鉱及び磁気分離は、高温冶金
法でさらに処理するために、選鉱物(concentrate)を
ニッケル、銅及び鉄に富んだ画分に分けるために用いら
れる。さらにニッケルの選鉱は、鉄を酸化させながら硫
黄を半分まで除去するために、選鉱物を焙焼することに
より得ることができる。選鉱物は1200℃で熔融さ
れ、Ni、Fe、Cu及びSからなるマッテ(Matte)
が得られ、スラグが排出される。マッテはコンバーター
に入れられ、さらに鉄及び硫黄を酸化するために空気が
吹き込まれる。マッテの冷却において、Ni−Fe硫化
物及び銅硫化物の明白な結晶は、Fe−Cu−Ni−S
相ダイヤグラムの指令により、別々に沈殿する。破砕及
び粉砕の後、2つの結晶を有する硫化物画分は、前浮遊
選鉱により銅硫化物及びNi−Fe硫化物の選鉱物に分
けられる。Ni−Fe硫化物の選鉱物はフェロニッケル
及びNiショットを製造するルートで幾つかのエネルギ
ー増大段階に付される。Ni−Fe硫化物は、Niカソ
ードが電解により製造される流動床中で、粒状のNi−
Fe酸化物焼結物に転換させることができる。代わり
に、ニッケル及び鉄粉末へ分解するための塩素化法にお
いてNi−Fe選鉱物はNi及びFeカルボニルへの転
換が行われる。
【0003】Niラテライト鉱石はニッケル鉄岩のウェ
ザリング(weathering)により形成される。ウェザリン
グにおいて、該岩からのニッケル及び鉄は降水だけで溶
解され、低部領域に再析出される。この方法により有意
にニッケルに富んだ領域はNi鉱石として採掘される。
これらの鉱石は化学的に結合した及び遊離の30%程度
の水を含有する。ニッケル及び鉄は水と化学的に結合し
ており、平均0.8〜1.5%のNiのニッケル鉄ゴエ
タイト(Fe、NiOOH)として、又は1.8〜3.
5%のNi含量を有する水和ニッケル−マグネシウムシ
リケート(ガルニーライト)として生じることができ
る。これらの鉱石は水によりNi及びFeと共に吸着さ
れた0.2%までのCuを含有することができる。
【0004】部分的に乾燥したニッケル含有ラテライト
鉱石を頂部酸素吹込みランス及び撹拌ガス吹込み用底部
羽口を有する精製容器へ供給することによるステンレス
スチールの製造は公知である。このような鉱石は、多く
とも3%のNi、80%重量%以上の乾燥鉱石のスラグ
へ転換する。米国特許第5,047,082号明細書は、必要な
Niユニットを得るためにフェロニッケルに代えて低硫
黄ニッケル含有鉱石を用いて酸素コンバーター中でステ
ンレススチールを製造することを開示している。Ni鉱
石はスラグ中に存在する黒炭及び熔融鉄中に溶解した炭
素により還元さる。米国特許第5,039,480号明細書は、
ニッケル含有鉱石、次いでクロム鉱の一連の溶融及び還
元によりコンバーター中でステンレススチールを製造す
ることを開示している。鉱石は鉄浴中に溶解した炭素に
より還元される。Ni鉱石が熔融及び還元された後、ク
ロム鉱を鉄浴に加える前に鉄浴の脱隣及び脱硫のため
に、スラグがコンバーターから除去される。
【0005】ラテライト鉱石は殆ど硫黄を含有しないか
ら、ステンレススチールを製造するためのNiユニット
のバルクは鉱石のこのタイプから生じさせることができ
る。しかしながら、Niユニットを伴う多量のスラグ
は、精製工程に加えて、別のエネルギー増大熔融工程、
精製時間の増加及び多分、分離反応器を必要とする。
【0006】浴の硫黄含量の調節は鉄の精製中の最古の
且つ最広の関心事の一つである。鉄は初期の溶鉱炉中で
製錬されていたから、熔融鉄と接するスラグが燃料とし
て使用されたコークから生ずるいくらかの硫黄を除去す
る手段を提供することは知られていた。ごく最近、精製
中に硫黄を除去するために同定された鍵要因は、スラグ
のガス状酸素の分圧及びスラグの温度の機能として、ス
ラグの塩基度の調節がある。
【0007】ここに参考として合体される米国特許第5,
575,829号明細書は、精製中の還元期間続いて、硫黄含
有Ni選鉱物を鉄浴に加えることによりニッケル合金化
鋼用のNiユニットを得る技術を教示している。与えら
れたスラグ硫黄溶解度及び合金硫黄の規格については、
この手法で得ることができるNiユニットの数がスラグ
当たり許されるスラグ重量及び次のスラグの数に依存す
る。
【0008】アーク炉中の固体供給材料の熔融から生ず
る精製容器中の全硫黄量が小さいので、ニッケルで合金
化されたステンレススチールの決まりきった精製中に、
スラグ硫黄溶解度の限界に通常は到達しない。従って、
精製溶融中のスラグ脱硫能力が十分に利用されない。ス
ラグ重量が増加すると、浴中の残存還元体の存在及びス
ラグ組成の操作は全てこの利用されない度合を増加させ
る。多くのスラグの添加は合金製造のためのサイクル時
間を延ばすが、これは、特に精製状態が鋼製造プラント
における生産性にある場合は、反対に製造コストに影響
を与える。
【0009】従って、一連のスラグ又は大きな資本支出
が不必要な、Ni鉱石及び選鉱物から直接付加的にNi
ユニットを得るための必要性が長く残されており、それ
によってさらに低炭素鋼、フェライトステンレススチー
ル、二層ステンレススチール及びオーステナイトステン
レススチールのようなニッケル合金化鉄又はニッケル合
金化鋼の製造に用いられるNi合金化ユニット(Ni all
oying unit)のコストをさらに低下させる。さらに、N
i鉱石及び選鉱物から直接Niユニットを得ることによ
りニッケル合金鉄及びニッケル合金化鋼を製造する場
合、精製容器の脱硫能力をうまく利用する必要性も残さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、ニッケル合金化鉄、ニッケル合金化鋼およびニッケ
ル合金化ステンレススチールの製造においてNiラテラ
イトから直接安価なNiユニットを提供することにあ
る。本発明の他の目的は、ニッケル合金化鉄、ニッケル
合金化鋼およびニッケル合金化ステンレススチールの製
造において硫黄含有Ni選鉱物から直接安価なNiユニ
ットを提供することにある。本発明の他の目的は、ニッ
ケル合金化鉄、ニッケル合金化鋼およびニッケル合金化
ステンレススチールの製造において硫黄含有Ni選鉱物
の直接添加によりNiラテライト鉱石の熔融中に形成さ
れるスラグの脱硫能の不利用を利用することにある。本
発明の他の目的は、Niラテライト鉱石および硫黄含有
Ni選鉱物から直接低硫黄含有ニッケル合金化鋼及びニ
ッケル合金化ステンレススチールを安価に製造する方法
を提供することにある。本発明の目的は、Niラテライ
トから直接ニッケル合金化ステンレススチールを安価に
製造する方法であって、その際クロムのスラグへの酸化
ロスを最小にすることにある。本発明の他の目的は、N
iラテライト及び硫黄含有Ni選鉱物から直接低硫黄含
有ニッケル合金化ステンレススチールを安価に製造する
方法であって、その際クロムのスラグへの酸化ロスを最
小にすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、精製反応器中
で、溶解したメタロイド還元体及び炭素還元体を含有す
る鉄/スラグ浴混合物中のNiラテライトを熔融するこ
とにより、鉄浴のNi合金ユニットの少なくともいくら
かを得ることによりニッケル合金化鉄を製造する方法に
関する。この方法は、浴混合物が激しく撹拌され、射出
される酸素によるメタロイド及び炭素還元体の酸化によ
って熱が一部供給されたときにNiラテライト鉱石が熔
融した場合、Niユニットを経済的に回収するこができ
る。好ましい態様においては、この酸化工程についで還
元工程があり、この工程で硫黄含有Ni選鉱物がスラグ
に移動した硫黄を有する鉄浴に加えられる。精製後のN
iラテライトをニッケル合金化鉄浴中で熔融する場合よ
り又は硫黄含有Ni選鉱物単独の添加、つづく精製中の
還元工程によるよりも実質的に多くのNiユニットがス
ラグ当たり製造される。
【0012】本発明は溶解したメタロイド還元体及び炭
素還元体を有する鉄/スラグ浴混合物を含有する精製反
応器中においてニッケル合金化鉄浴を製造する方法であ
る。この方法の工程は、Niラテライト鉱石を浴混合物
へ供給し、酸素含有ガスを反応器に射出してメタロイド
及び炭素を酸化し、Niラテライト鉱石が熔融するまで
浴混合物を激しく撹拌し、それによりニッケル合金鉄浴
を形成させることを包含する。熱は酸素の射出によるメ
タロイド及び炭素還元体の酸化から一部は供給される。
スラグを鉄浴から排出した後、必要ならば、鉄浴が最終
炭素規格へ脱炭されるまで酸素含有ガスの射出を続ける
ことができる。
【0013】本発明の他の特徴は、Niラテライト鉱石
を反応器に供給する前に10重量%以下の化学的に結合
した水を含有させるために、該鉱石を乾燥する付加工程
を包含することである。本発明の他の特徴は、Niラテ
ライト鉱石を予熱する付加工程を包含することである。
本発明の他の特徴は、浴混合物を撹拌する手段を有する
反応器にある。本発明の他の特徴は、酸素の頂部吹き込
み手段、及び吹き込み手段を介して酸素ガスを反応器へ
通し、その際酸素の一部は浴混合物の上に又は中に排出
させてCO及びH2の後燃焼を行わせ、残りの酸素ガス
を浴混合物中に射出して炭素のCOへの及びメタロイド
の酸化物への酸化を行わせることからなる付加工程を包
含する前記反応器にある。本発明の他の特徴は、合計ガ
スの30〜100%を撹拌手段を介して前記反応器に流
すことにある。本発明の他の特徴は、酸素ガスの全ての
特定の流れを吹き込み手段を介して流し且つ撹拌手段を
介して流す酸素含有ガスが0.5〜4NM3/分/MT
であることである。本発明の他の特徴は、CO及びH2
の後燃焼の程度が50%未満であることである。本発明
の他の特徴は、吹き込み手段を介して流れる酸素ガスが
本質的に純粋な酸素であり、撹拌手段を介して射出され
るガスが4以下の酸素ガス:不活性ガスモル比を有する
ことである。本発明の他の特徴は、撹拌ガス中の酸素と
不活性ガスのモル比がNiラテライトが熔融した後にゼ
ロに低下されることである。本発明の他の特徴は、0〜
20重量%のCr、0.5重量%から炭素飽和までのC
及び3重量%までのメタロイドを含有するための前記浴
混合物にある。本発明の他の特徴は、1.0〜3.0に
維持されるべきスラグの塩基度にある。本発明の他の特
徴は、400kg/MTを越えない浴混合物中のスラグ
重量にある。本発明の他の特徴は、硫黄含有Ni選鉱物
及び他のメタロイドを鉄浴に加える付加工程を包含する
ことにある。本発明の他の特徴は、不活性ガスが前記撹
拌手段を介して流され、硫黄含有Ni選鉱物が完全に熔
融し且つ鉄浴に加えられた付加メタロイドにより受ける
還元条件により酸素がスラグへ移動するまで、浴混合物
を激しく混合することを包含することにある。本発明の
他の特徴は、前記硫黄含有Ni選鉱物を予熱し、同時に
Niラテライト鉱石を供給することを包含することにあ
る。本発明の他の特徴は、5〜25重量%のS及び10
〜35重量%のNiを含有する前記記硫黄含有Ni選鉱
物を包含することにある。本発明の他の特徴は、ニッケ
ル合金鉄浴中の少なくとも10%のNiユニットがNi
ラテライト鉱石及び硫黄含有Ni選鉱物から導かれるも
のであることを包含することにある。本発明の他の特徴
は、前記ニッケル合金浴が、≦2.0重量%のAl;≦
2.0重量%のSi;≦0.03重量%のS;≦26重
量%のCr;及び≦10重量%のNiを含有するステン
レススチールであることを包含することにある。
【0014】本発明の利点は、ニッケル合金化鉄、ニッ
ケル合金化鋼及びニッケル合金化ステンレススチールの
製造において安価にニッケル合金ユニットを得る方法を
提供することにある。本発明の他の利点は、スラグ鉄浴
からの硫黄の除去が最小となるようにメタロイド還元体
により受ける還元条件下で鉄浴を激しく混合した場合
に、硫黄含有Ni選鉱物の熔融から硫黄を保持するため
のリザーバーとして働くためのNiラテライト鉱石の熔
融からの大容量のスラグにある。本発明の他の利点は、
Niラテライト鉱石から直接ニッケル合金化ステンレス
スチールを製造し、その際鉄/スラグ混合物のスラグへ
の脱硫中のクロムの酸化ロスを最小にすることを提供す
ることにある。本発明の他の利点は、鉄浴中の硫黄含有
ニッケル選鉱物及びNiラテライトを熔融することによ
り製造された鋼を有するニッケル合金化低硫黄ステンレ
ススチールを提供することにある。本発明の他の利点
は、Niラテライト鉱石及び硫黄含有ニッケル選鉱物か
ら直接低硫黄含有ニッケル合金化ステンレススチールを
製造し、その際クロムのスラグへの酸素ロスを最小にす
ることを提供することにある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、精製反応器において
鉄、鋼又はステンレススチールを製造する場合に、ニッ
ケル合金化鉄浴を規格品に製造するためのニッケルの安
価なソースの使用に関する。本発明はニッケル合金化鉄
浴を製造する方法であり、その際Ni合金ユニットの少
なくとも一部はNiラテライト鉱石及び硫黄含有Ni選
鉱物から導かれ、そして該鉱石及び選鉱物は鉄/スラグ
混合浴に別々に又は同時に添加することができる。より
好ましい態様においては、本発明はニッケル合金化鉄浴
の複数工程プロセスであり、その際Ni合金ユニットの
少なくとも一部は鉄/スラグ混合浴に最初に添加された
Niラテライト鉱石から導かれ、ついで硫黄含有Niを
ニッケル合金化鉄浴に添加される方法である。
【0016】Niラテライトのニッケル含量及び同伴す
るスラグ成分の組成はその原料に依存する。粗Niラテ
ライトは通常3重量%未満のNi含量、0.5重量%を
越えるCr含量、多くのFe含量、および30重量%ま
でのH2Oを有する。Niラテライト選鉱物は3重量%
を越えるNi含量であることができる。本発明のNiラ
テライト鉱石とは、Niラテライト鉱石から製造される
粗Niラテライト鉱石および選鉱物を包含するものと理
解すべきである。本発明のNiラテライト鉱石及び鉱石
選鉱物少なくとも1重量%のNi、バランスのFe
23、Fe(OH)2、SiO2、MgO及びAl23
含むことが好ましい。表Iに、非選鉱鉱石分析の6つの
例を示す。
【0017】
【表1】
【0018】本発明の利点は、比較的高価なニッケル含
有フェロニッケル及びステンレススクラップについてそ
の一部を置き換えた高価でないNi鉱石及び選鉱物を使
用して、精製反応器中でステンレススチールを製造する
ための経済的な方法を提供することにある。より特別に
は、部分的に乾燥し、予熱したNiラテライト鉱石をメ
タロイド還元体及び炭素還元体を含有する鉄/スラグ浴
混合物中で熔融し、好ましくはついで硫黄含有Ni選鉱
物を供給して鉄浴の脱硫を行い、ついで同じ反応器中で
直接ステンレススチールが精製される。本発明の方法
は、アルゴン−酸素脱炭(AOD)、真空−酸素脱炭
(VOD)又はCreusot-Loire-Uddeholm(CLD)コン
バーターのような精製反応器を有する実在のステンレス
スチール熔融ショップ中で経済的に実行されるような方
法である。該反応器はQ−BOD、VOD、CLU中の
ガスを含有する酸素を頂部から吹き込むためのランスの
ような手段で改造し、又は一般的な頂−底−吹き込み精
製反応器(TBRR)[KlocknerMaxhutte Stahlerzeugens
verfahren(KMS−S)底部吹き込みステンレススチ
ールコンバーター、又はKlockner Oxygen Boden or Br
otzmann Maxhutte底部吹き込みステンレススチールコン
バーターを含む]を設置することもできる。このタイプ
の精製反応器にかかわらず、脱硫段階中に精製反応器内
に含有される浴混合物へ不活性ガスを流すための底部羽
口、多孔性プラグ、同心パイプなど(以下これらを羽口
という)のような手段が装備されるであろう。本発明の
不活性撹拌ガスはAr,N2又はそれらの混合物を包含
し、Arが好ましい。
【0019】Niラテライトを熔融する場合に形成され
る大量存在するスラグを利用するために、鉄/スラグ浴
混合物がそれに溶解したメタロイド還元体により受ける
還元条件下で激しく混合される場合に浴硫黄を移動及び
保持するためのリザーバーとして、大量のスラグ容積を
利用するために、硫黄含有Ni選鉱物を熔融することが
有利である。例えば、還元条件下で不活性ガスで鉄/ス
ラグ浴混合物及び硫黄含有Ni選鉱物が激しく混合され
た場合に硫黄を受け取り且つ保持するためにスラグ容積
を利用するために、硫黄含有Ni選鉱物を熔融すること
が有利である。その場合、さらに、スラグが反応器から
排出される前に、スラグを金属学的に利用することが有
利である。このような硫黄含有Ni選鉱物は、粗硫黄含
有Ni鉱石からのフェロニッケル及びNiの製造中にエ
ネルギー増大製錬から、又は湿式冶金からの中間生成物
として導かれる。選鉱物のニッケル含量は使用される鉱
石のタイプ及びプロセスに依存する。製錬マッテからの
Ni−Fe硫化物の沈殿物から生成される本発明の選鉱
物は16〜28重量%のNi;35〜40重量%のF
e;30重量%のS;<1重量%のCu;及び<1重量
%のCoであると分析された。有利な方法により製造さ
れる本発明の選鉱物は、9重量%のNi;40重量%の
Fe;30重量%のS;1重量%のCu;及びバランス
のSiO2、Al23、CaO及びMgOであると分析
された。本発明の好ましい硫黄含有Ni選鉱物は、主な
ニッケル種として(Fe,Ni)98を有するNiペン
タランダイト鉱石から、5〜35重量%のS及び5〜3
5重量%のNiを含有する選鉱物と共に形成される。
【0020】鉱石又は選鉱物から入手されるNi合金ユ
ニットは三段階の精製反応器中で回収することが好まし
い。初期の段階では、Niラテライトは、加熱キルン中
で予熱することにより、化学的に結合された水を10%
以下の含量にするように部分的に乾燥することが好まし
い。その後、Niラテライトは鉄/スラグ浴混合物へ熱
く供給され、その際浴に酸素含有ガスを、好ましくは羽
口のような反応器の底部に設けられた手段を介して射出
して、鉄/スラグ浴混合物を激しく撹拌することにより
該鉱石が完全に熔融される。酸素含有ガスとは空気、純
酸素、スチーム、Ar、N2及びそれらの混合物の少な
くとも一種を意味する。NiOとしてのスラグ中のNi
の溶解度は特にゼロであるので、ラテライト鉱石中に含
まれるNiが容易にその金属相に還元される。Niの回
収は鉄浴混合物中で明らかに容易に且つ迅速に起こる。
撹拌は浴混合物に供給されたスラッジング剤及びNi鉱
石を吸収し且つ熔融することを助け、浴混合物中のメタ
ロイド還元体及び炭素還元体の酸化のための酸素を提供
し、供給材料の温度に依存する段階Iにおいて必要であ
る付加的な熱を供給する。また、酸素ガスは頂部ランス
を通して反応器へ射出させることができる。付加的な熱
は鉄/スラグ浴混合物内又は上でCOオフガスの後燃焼
により発生させることができる。一般に供給後分の単位
での、Niユニットの鉄浴への回収及びNiランス鉱石
の熔融においては、段階Iが完了し、酸素ガスの全ての
射出が止められる。
【0021】ついで、段階IIは不活性撹拌ガスの射出及
び硫黄含有Ni選鉱物の導入により始まる。追加のメタ
ロイド還元体、例えば、アルミニウム、珪素又はそれら
の組み合わせは不活性ガスの射出後直ちに浴に加えるこ
とができる。撹拌ガスは、硫黄含有Ni選鉱物の浴への
吸収(entrain)及び熔融を助けると共に、酸素分圧の
広がりを低下させる重要な役割を補助する。これは低酸
素純度レベルの撹拌ガス自身によりもたらされるが、よ
り重要なことは、浴の緊密な混合物上で、平衡が酸素分
圧の広がりを低下させるメタロイド/酸素平衡を促進さ
せることによりもたらされる。同時に、広がる酸素分圧
においてスラグと鉄浴の間の平衡又は準平衡に達する。
準平衡とは、熔融鉄−スラグ界面運動がスラグ−ニッケ
ル合金化鉄浴間の動的バランスとなるのに十分であり、
その結果、化学的平衡状態がスラグ−金属相間に非常に
近づくことを意味する。広がる酸素分圧の低下及びこの
手法でのスラグ/金属硫黄平衡においては、硫黄のスラ
グ硫黄溶解度限界までの最大移動は確保される。鉄/ス
ラグ浴混合物の最大範囲への脱硫及び完全な熔融におい
ては、一般には分の単位で、及び脱スラッジングにおい
ては、段階IIが完了する。
【0022】段階IIIにおいて、脱スラッジされてい
る、形成されたニッケル合金化鉄浴は、ついで脱炭さ
れ、そして精製され合金規格に合致させる。鉄浴は、必
要ならば、撹拌手段により酸素含有ガスを通すことによ
り脱炭される。最終合金規格に合致させるために、フェ
ロニッケル、Niショット、フェロクロム又は他のトリ
ム合金金属の添加によるような、付加的なNi及び/又
はCrユニットを浴に添加することができる。
【0023】脱硫中及び本発明の段階IIにおけるニッケ
ル合金化鉄浴の精製中は、撹拌手段は重要な役割を有す
る。還元期間中は、スラグへの硫黄移動を最大にするた
めに広がる酸素分圧を低下させ、同時にもし浴中に元か
ら存在するならば価値あるCr単位を回収するために、
メタロイド還元体を鉄浴に加えることが好ましい。スラ
グと溶融鉄との緊密な混合のための撹拌手段による不活
性ガスの射出は、クロムスラグ/金属平衡の命令により
Crの回収を促進する。
【0024】段階I、II及びIIIは全てEAFのような熔
融炉及び精製反応器が設けられた熔融ショップ中で行う
ことができる。反応器中の撹拌手段は、浴混合物内で熱
交換プロセスを助長させることにより供給材料の熔融を
促進し、且つ熔融鉄及びスラグの緊密な接触を助長させ
ることにより化学平衡への到達を促進する。
【0025】鉱石中のNiユニット当たり比較的多量の
スラグ成分のためのみならず、スラグ組成及び流動度を
維持するために必要なラテライト鉱と混合されたスラッ
ジング剤のために、Niラテライトを鉄/スラグ浴混合
物に供給した場合、熱不足を招く。鉄浴中に溶解したメ
タロイド及び炭素の酸化と共に、この熱不足は浴内で又
は浴上でCOの後燃焼及び/又は予熱供給材料の予備燃
焼の一つ又は組み合わせにより応じることができる。鍵
となる熱源としての後燃焼による炭素についてのプロセ
スに基づくものは、より経済的なルートであるようであ
るが、主に、与えられた特定のガス流速での酸化による
熱の発生に必要な熔融時間を短縮することにより、アル
ミニウム及び/又は珪素メタロイドの酸化についてのプ
ロセスに基づくことも同様に経済的である。浴中にアル
ミニウム及び/又は珪素メタロイドが存在する場合、時
間単位及び酸素単位当たりの後燃焼のCOを殆ど発生さ
せずに、これらのメタロイドの酸化が一般に炭素の損失
において起こる。結果として、頂部ランスのための余分
な資本投資を正当化することができないので、後燃焼の
選択は製造コストに有意な影響を与えず且つ採用され得
ない。熱源としての後燃焼の最適な役割は、あるとして
も、長くなる熔融時間の製造コスト、頂部ランスの投資
コスト、及びフェロニッケル及びスクラップ中のNiユ
ニットのコストに対するメタロイドのコストに依存す
る。アルミニウム及び珪素と共に、炭化カルシウムを同
様にメタロイド還元体として使用することができる。
【0026】硫黄含有Ni選鉱物の供給における段階II
中で、より小さい熱不足を招く。これは選鉱物ユニット
当たり材料がより少量であるためである。また、CaS
の形成と共に起こる脱硫反応は穏やかな発熱反応であ
る。段階IIの正味の結果は段階IIIに入る際にニッケル
合金化鉄浴の温度の少ないロスである。
【0027】以下により詳しく説明するように、ニッケ
ル含有スクラップ及びフェロニッケルから慣例的に供給
される品質に必要なNiの選鉱物からNiの最大置換を
確保するために、穏当な変化がニッケル合金化鉄又は鋼
の製造中に使用される熔融及び/又は精製粒子に必要で
ある。本発明の方法は、鉄浴中に溶解したアルミニウ
ム、珪素又は炭化カルシウムのようなメタロイド及び炭
素の存在下に、非常な還元条件下での撹拌手段による不
活性ガスよって激しく混合された場合、硫黄を除去及び
保持しうるスラグにより、Niラテライト鉱石の熔融及
び溶解からの不利用のスラグの存在を利用するものであ
る。本発明の方法は、オーステナイトステンレススチー
ルのようなニッケル−クロム合金化鉄金属の製造のため
のNiユニットのコストをさらに下げるための手段とし
て、この潜在的脱硫能力を利用するものである。EAF
中の熔融スクラップから生ずる精製反応器中の全硫黄量
が典型的には少ないので、ステンレススチールの決まり
の精製中に、スラグ硫黄の溶解度限界に到達することが
できない。スラグ重量の増加、残りの浴アルミニウム、
珪素及び炭素のレベルの増加、及びスラグ組成の調節に
より、この不利用の程度を高めることができる。
【0028】鉄/スラグ浴混合物は、鉄酸化物を含む固
体の鉄含有物質から液状の鉄を与え得るブラスト炉又は
他の鉄製錬炉中に形成され得る。代わりに、鉄浴は固体
の鉄含有スクラップなどを熔融することにより、精製反
応器内に、又は好ましくは、EAFのような熔融炉内の
反応器の上流内に、形成され得る。鉄/スラグ浴混合物
の形成のための適当な固体の鉄含有スクラップとして
は、炭素鋼スクラップ、ニッケル合金化鋼スクラップ、
炭化鉄、直接還元鉄(DRI)又は熱練炭鉄(HBI)
がある。鉄/スラグ浴混合物がEAF中でスクラップの
熔融により製造される場合、反応器に移動される前に、
鉄浴がまだEAF中にある間に、炭素系還元体及びスラ
ッジング剤は一部又は全部鉄浴に溶解又は熔融される。
使用された鉄含有材料のタイプ及び炉に基づいて、初期
の鉄/スラグ浴混合物は0〜20重量%のCr、0.5
重量%から炭素飽和までのC及び段階Iで必要とする3
重量%までのメタロイドを含有することができる。本発
明の3つの段階のすべてを以下に詳しく記載する。
【0029】段階I 本発明の方法の段階I中で、メタロイド還元体及び炭素
還元体を含有する鉄/スラグ浴混合物が、好ましくは少
なくとも1500℃の温度で精製反応器内に与えられ
る。Niラテライト鉱石は好ましくは、少なくとも部分
的に乾燥され、室温から予熱キルン及び熱供給システム
の温度制限(約1000〜1200℃)までの温度で精
製反応器へ導入される。主としてCaO又はCaCO2
からなるスラッジング剤は、Niラテライト鉱石と共に
予熱することもできる。同様に、硫黄含有Ni選鉱物
も、Niラテライト鉱石と混合し、予熱し、又単に後で
段階II中で精製反応器に供給することができる。撹拌手
段と共に、補助酸素射出のため及び後燃焼能力のための
頂部ランスを使用しない場合は、O2と撹拌手段による
不活性ガス流の割合は好ましくは、2から4の間であ
り、全ガス流速は0.5から1.5NM3/分/MTの
間である。後燃焼能を有する頂部ランスを使用する場合
は、頂部ランス及び撹拌手段による全ガスの流速は好ま
しくは0.5から4NM3/分/MT、より好ましくは
少なくとも2NM3/分/MT、最も好ましくは少なく
とも2.5NM3/分/MTである。
【0030】撹拌手段による反応器への全ガス流のパー
センテージは30〜100%である。反応器がCLUコ
ンバーターであるならば、鉄浴混合物に溶解した炭素と
の反応において、H20から形成されたH2はCOの分圧
を下げ、撹拌ガスのArのモルごとで置き換えられ得る
ので、酸素含有ガスはスチームを包含する。VODであ
る場合は、反応器がAODのように運転され、そこで酸
素が頂部ランスを通して及び不活性ガスが混合される底
部羽口を通して吹き込まれる。酸素をランスに通すこと
は、2つの機能を勤める;浴からのCO及びH2の第二
次又は後燃焼でのメタロイド及び炭素還元体の酸化のた
めの酸化の提供である。両燃焼反応は、消費された酸素
ユニット当たり脱炭の2倍以上の熱の発生と共に、鉄浴
に熱を供給する。後燃焼度は反応器を出るガスについ
て、下式により定義される: 100×(%CO2+%H2O)/(%CO+%CO2
%H2+%H2O)
【0031】PCDを熱源として使用する場合は、PC
Dは50未満が好ましく、より好ましくは20〜30%
である。鉄浴に供給される酸素ガスの総量は純O2とし
て、熱及びマスバランスに基づいて計算される。ランス
のノズルは、特に後燃焼が行われるワイドジェットを介
して浴の中及び上に酸素ガスの一部が、残りの酸素ガス
部分はメタロイド及び炭素還元体の酸化用のコンパクト
ジェットを介して浴に、同時に直接導入されるように設
計される。望ましい廃ガスのPCDは、主にワイドジェ
ットの角度に影響を与えるノズルの形を調節することに
より得られる。
【0032】与えられたPCDにおいて後燃焼により発
生した熱の一部は、実際に浴を占めるか又は浴に移動す
るが、反応器のフリボード又は展開ガスからのロスを除
き、その熱交換効率(HTF)と言う。殆ど有意でない
熱は、ランスが浸された場合よりも浴を占めるか又は浴
に移動することが可能である。結果として、ランスが浸
されない場合は、HTEは50%以下であろう。これ
は、ランスが浸されない場合に80〜90%程度に達す
るHTEと対照的である。ランスの浸漬は、クロムが存
在する場合にスラグから損失するニッケル合金化鉄浴か
らのCrの有意な再酸化を防ぐため及びスラグ形成を防
ぐために、固体炭素の十二分の存在を必要とする。段階
Iは、即ち、酸素含有撹拌ガスを底部射出により伴われ
る酸素ガスをランスを介して流し、Niラテライト鉱石
及びスラッジング剤が溶融され且つ好ましくは1500
〜1750℃の温度にニッケル合金化鉄浴が維持される
まで続けられる。この時点で、頂部ランス及び撹拌手段
を通して射出された全ての酸素は止められる。
【0033】本発明の他の重要な特徴は、スラグ塩基度
の組成及びCaO/SiO2、CaO/Al23及びM
gO/Al23の比の調節である。スラグ塩基度は(%
CaO+%MgO)/%SiO2の重量割合として定義
される。段階Iでのこのスラグ塩基度は好ましくは少な
くとも1.0、より好ましくは少なくとも1.5、最も
好ましくは少なくとも2.0である。一方、より高いス
ラグ塩基度は、精製反応器の多くの耐火ライニングとよ
り適合することが知られている。また、より高いスラグ
塩基度は、段階IIにおいて望ましい、脱硫を促進する。
一方、スラグ塩基度はニッケル合金化鉄浴のMT当たり
で発生する与えられた量のSiO2のMT当たりのスラ
グ容量を増加させる。しかしながら、スラグ中の合金の
液滴を捕まえ得る液体温度の上昇により、CaO及びM
gOの高濃度においてスラグが粘稠になり過ぎるので、
スラグ塩基度は約3.0を越えるべきではない。スラグ
中のAl23の存在は10〜25重量%の範囲であるべ
きである。同様に、MgOは10〜20重量%の範囲で
あるべきである。段階IIでの硫黄のスラグへの移動を最
大にするには、CaO/SiO2、CaO/Al23
びMgO/Al23の比は、段階Iで生ずるスラグ中
で、それぞれ少なくとも1.0、0.5及び0.2であ
るべきである。
【0034】本発明の他の重要な特徴は、特定のスラグ
重量(スラグkg/金属MT)の調節である。スラグ重
量が過剰になると、スラグの効果的な混合が非常に困難
となり、スロッピングのために反応器内にスラグを保持
することが容易でない。スラグ重量は、好ましくは40
0kg/MT、より好ましくは300kg/MT、最も好
ましくは250kg/MTを越えるべきでない。一般
に、スラグは底部羽口を通して撹拌ガスを射出する激し
い混合作用中に、浴へ吸収される。スラグ重量が250
kg/MT(ニッケル合金化鉄浴)以上に増加したとき
は、スラグの有意の部分を、スラグ層(該層中で混合し
ないと、脱硫動力学を抑制し、段階IIでのNiユニット
含有合金の金属液滴を捕獲することができる)中へ合体
することができる。結果として、スラグ重量は段階Iで
供給されたNiラテライト鉱石の量を制限することがで
きる。本発明の他の重要な考慮事項は、段階IIで供給さ
れたが初期の鉄供給物に既に存在するCo及びCuユニ
ットを除いた後の最終合金規格中の含量より過剰で、ニ
ッケル合金化鉄浴のMT当たりCo及びCuを導入すべ
きであると共に、硫黄含有Ni選鉱物Niラテライト鉱
石のコバルト及び銅の含量を制限することである。
【0035】段階II 硫黄含有Ni選鉱物の添加からの硫黄のスラグ脱硫は段
階IIでの鍵となる特徴である。開始時において、撹拌手
段を介して射出された不活性ガスだけで、追加のメタロ
イドは浴に供給され、メタロイド/酸素浴平衡により浴
中に広がる酸素分圧を低下させる。メタロイドがアルミ
ニウムである場合は、アルミニウム源は、飲料容器スク
ラップのような、より高価なアルミニウムショットより
少ない量でよい。この段階の熔融時間は比較的短く、分
の単位であり、スラグ硫黄の溶解度限界までに脱硫を達
成するために必要な時間にセットされる。スラグによる
脱硫のプロセスは速度制限工程として撹拌速度強さを含
み得る動的現象である。ある程度、撹拌速度の強さは脱
硫に必要な時間に影響する。平衡スラグ/金属硫黄分配
比及び平衡スラグ硫黄溶解度は、よく混合された精製反
応器中の与えられたスラグ重量及び与えられた浴硫黄の
規格についての系中に最大許容硫黄量を決定する。スラ
グ組成、スラグ/金属酸素電位及び温度の操作により、
スラグの脱硫能力は与えられたスラグ重量について最大
にすることができる。平衡スラグ/金属硫黄分配比及び
スラグ硫黄溶解度の認識により、与えられた硫黄含量の
ために浴混合物に供給し得る硫黄含有Ni選鉱物の最大
量を計算することができる。
【0036】スラグ硫黄能力、即ち、CSはスラグ酸化
物の光学塩基度を用いて概算され、次式により定義され
る: log CS=[(22690−54640Λ)/T]Λ+4
3.6Λ−25.2 式中、スラグ光学塩基度Λは、各々の酸化物の光学塩基
度Λiのモル平均から計算される。i=酸化物A,B・・
・・; Λ=XAΛA+XBΛB・・・・・
【0037】
【数1】
【0038】ステンレススチールスラグ中の最大原子価
酸化物はCaO、SiO2、Al23及びMgOであ
る。上記式から決定されるこれらの光学塩基度Λiは ΛCaO=1.0; ΛSiO2=0.48; ΛAl2O3=0.6
1; ΛMgO=0.78 これらの等式は、精製反応器中のスラグ−鋼間の硫黄の
平衡分布を計算するために、硫黄/金属平衡及び金属組
成の効果を表すための標準熱力学的等式と組み合わせる
ことができる。平衡スラグ/金属硫黄分布比は下記のよ
うに定義される:
【0039】
【数2】
【0040】(%S)はスラグ中の硫黄の重量%、%
は金属浴中の硫黄の重量%である。この比はスラグ/金
属硫黄平衡;
【0041】
【数3】
【0042】から計算することができる。KSは平衡;1
/2S2(g) = ΔG゜= 32,280 + 5.6
T; についての平衡定数である。fsは以下で計算される浴
混合物に溶解した硫黄の活性係数である(それぞれ、無
限に希釈、1重量%参照及び標準)。 logfS =−0.0280%S+0.11%C+0.063%Si−0.01
1%Cr+0%Ni−0.26%Mn−0.0084%Cu+0.01
%N+0.0027%Mo+0.13%B; CSはスラグ硫黄能;PO2は酸素分圧(atm)である。ス
ラグ/金属系は一般にArガスのPO2と平衡ではない。
その代わり、PO2は酸化物、即ちCO又はAl23、の
一つによりコントロールされるようである。溶解した炭
素−酸素平衡は次式で表されるものと思われる:
【0043】
【数4】
【0044】logfC =0.14%C−0.024Cr+0.08%S
i+0.046%Si+0.012%Ni−0.12%Mn+0.11%N
+0.016%Cu−0.0083%Mo+0.24%B; %は浴混合物中のCの重量%;PCOは精製反応器中の
CO分圧(全圧1気圧と思われる)であり、撹拌手段の
不活性ガスのO2/Ar不純物割合:
【0045】
【数5】
【0046】から計算することができる。広がるPO2
溶解したAlのレベルにより調節される場合は、
【0047】
【数6】
【0048】平衡スラグ/金属硫黄分配比及び平衡スラ
グ硫黄溶解度は平衡、即ち段階II及びスラグ重量につい
ての与えられた最終浴硫黄規格についてのスラグ/金属
系中の最大許容全硫黄量をセットする。このレベルを越
えて硫黄量が増加すると、スラグ相外にCaSが沈降さ
れ、浴硫黄レベルが増加する。下記反応によるCaSの
沈降は、十分な量が沈降した場合は、スラグの流動度が
脱走スラグ操作の妥協を可能にする点に低下するであろ
う: 3 + 3CaO(l) + 2Al = 3CaS(s) + A
23(l) 2 + 2CaO(l) + Si = 2CaS(s) + S
iO2(l)
【0049】スラグ/金属硫黄分配比は上記の等式を使
用して計算することができるのに、スラグ硫黄溶解度は
いまは計算できないが、実験室又はパイロットテストに
おける経験的観察により決定される。硫黄含有Ni選鉱
物の硫黄含量及び鉄浴の初期の硫黄含量が与えられれ
ば、全許容硫黄量は、この硫黄含有Ni選鉱物からの及
び段階IIの浴硫黄規格に合致するNiユニットの最大数
を決定する。これは下記の硫黄マスバランスにより説明
される(ベース:1MT合金):
【0050】
【数7】
【0051】変数Xは、炉の雰囲気への硫黄のロスが実
質的にないと思われるS kg/ニッケル合金化鉄浴 ト
ンのユニット中の硫黄含有Ni選鉱物添加からの硫黄量
を表す。2.0より大きなスラグ塩基度及び少なくとも
0.02重量%の溶解した浴アルミニウムについては、
200より大きなLSが計算される。
【0052】kg/MTニッケル合金化鉄浴のユニット
中の硫黄含有Ni選鉱物の量は、Xを選鉱物における%
Sで割った値であり、選鉱物から導かれるkg/MTの
ユニット中の最大Niユニットは、そのNi含量×選鉱
物のg/MTである、即ち:
【0053】
【数8】
【0054】本発明の重要な特徴は、スラグの組成、即
ち段階IIの塩基度の調節にある。スラグの塩基度は(%
CaO+%MgO)/(%SiO2)の重量比により定
義される。このスラグ塩基度は少なくとも1.0、好ま
しくは少なくとも1.5、より好ましくは少なくとも
2.0であるべきである。スラグ塩基度はCsによるLs
において大きな効果を有する。1.0より小さいスラグ
塩基度はスラグへの硫黄の吸収を最大にすることにより
決定される。スラグ塩基度は、液相線温度の上昇により
CaO及びMgOの高い濃度において粘稠になり過ぎる
ので、3.0を越えるべきではない。良好な 脱硫のた
めには、同様にスラグ%Al23は低くあるべきであ
り、CaO/Al23比は少なくとも0.5、好ましく
は3.0、最も好ましくは3.5であるべきである。
【0055】本発明の他の重要な面は、1種又はそれ以
上のCaO、MgO、Al23、SiO2及びフルオス
パー(CaF2)のようなスラッジング剤を含ませるた
めのNiラテライト鉱石の添加である。鍵となるスラグ
組成比を調節するためにスラッジング剤を使用する必要
があり得る。この目的のためのスラッジング剤はCaO
である。また、スラッジング剤としてMgOを使用する
ことが非常に望ましい。これは段階Iで供給されたNi
ラテライト鉱石のMgO含量に依存する。精製反応器の
耐火性ライニング中のMgOと適合すべきスラグに対し
ては、少なくとも10重量%のMgOが好ましい。スラ
グ中のMgOは、より高いMgOレベルによる液相線温
度の上昇がスラグを粘稠にするようであるので、20重
量%を越えるべきではない。また、CaF2は、石灰及
び硫黄の溶解を助けるスラグの流動度を増加させるの
で、10重量%までの量で添加することが望ましい。ス
ラグ中にAl23が存在する場合は、これがCSにマイ
ナスに影響するので、約25重量%を越えるべきではな
い。最終スラグは、スラグ流動度を促進するために、少
なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%
のAl23を含有することが望ましい。
【0056】本発明の使用における他の組成も同様に調
節することができる。還元期間中に本発明で使用され得
る、鉄浴混合物を撹拌及び洗浄するための底部羽口を通
して流される不活性ガスとしては、Ar、N2又はそれ
らの混合物がある。特に、N2がArよりも安価である
場合、その純度レベルが少なくと99.997%に調節
されている場合及び段階IIの後に脱硫が行われ、段階II
IでAr撹拌が行われる場合は、N2が好ましい。この純
度である理由は、窒素により導入される0.0005容
量%程度の酸素が鉄浴中に溶解したアルミニウム及び炭
素の平衡、即ちAl/Al23又はC/CO、から精製反
応器中で生ずるよりも高いPO2を示すからである。ま
た、選鉱物のコバルト及び銅の含量はNiライニング鉱
石により導入されるCo及びCuユニットと共に、初期
浴混合物にあるこれらのユニットを除いた後の最終規格
に必要な量より過剰の浴MT当たりのCu及びCoユニ
ットを導入しないように調節すべきである。
【0057】本発明の段階IIIの他の重要な特徴は、ス
ラグkg/ニッケル合金化鉄浴MTとしての特定のスラ
グ重量の調節を継続することである。硫黄量を最大に
し、よって段階I及びIIで得られるNiユニットの最大
量にするために特定のスラグ重量は出来るだけ大きいこ
とが好ましいが、スラグ重量は400kg/MT、好ま
しくは300kg/MT、最も好ましくは250kg/M
Tを越えるべきではない。規格スラグ重量は、スラグ塩
基度を回復させるために必要な付加的スラッジング剤及
び硫黄含有Ni選鉱物中のスラグ成分から、および脱硫
及び脱酸素工程で生成するAl23及び/又はSiO2
から段階IIにおいてわずかに増加することに注目すべき
である。一般に、スラグは撹拌手段の激しい混合作用中
に鉄浴に吸収される。スラグ重量がニッケル合金化鉄浴
中デ250kg/MT以上に増加したときは、スラグの
有意量をスラグ相へ合体することができる。このような
スラグ相中では、撹拌手段の混合効果は低下し、それに
より脱硫プロセス及び化学平衡への到達を抑制する。ま
た、浴からの液滴はスラグ相に捕獲することができ、N
i及びCrの収量を減少させる。脱スラグは段階IIの終
了を告げる。
【0058】段階III 段階IIの終了により、硫黄含有スラグの大部分は反応器
から移動している。保留された少量のスラグは、残留硫
黄を含有する鉄浴及び還元体と共に、反応器中のニッケ
ル合金化され且つ多分クロム合金化された鉄浴に残る。
CaO及び他のスラッジング剤の新たな添加によリ、浴
は最終合金規格への決まった精製のために適している。
この操作は段階IIIで行われ、そこで浴は、まず、炭素
レベルを最終炭素規格近くまで低下させるために撹拌手
段中のO2/Arの比を段階的に減少させながら脱炭を受
ける。この段階における脱炭中にスラグに酸化された価
値あるCrユニットを回収するためにCrユニットを上
流に加える場合は、これに還元期間がつづく。段階III
で精製スラグが形成されるから、さらなる脱硫炭が可能
である。段階IIからの、ニッケル合金化鉄浴中の最大ス
ラグレベルは、段階IIから保留されたスラグ中の残留硫
黄を集めた後に、新たな精製スラグの正味脱硫能力によ
りセットされる。精製反応器の出口で、典型的には、ほ
ぼ15〜20スラグkg/金属MTが脱スラグ後に残
る。段階IIIと思われる4重量%のスラグ硫黄レベルに
ついては、段階IIからの熱い金属中の硫黄と共に、段階
IIIにおいて除去されるべき保留されたスラグは約1k
g S/MTまで寄与する。精製中に反応器へ添加される
アルミニウム及び/又は珪素メタロイドは、浴に広がる
酸素分圧を押さえ、それにより精製スラグのスラグ/金
属硫黄分配比Lを最大にすることにより、このい期間中
に脱硫を助けるであろう。必要で且つコスト効果的であ
るならば、段階IIIは幾つかの脱スラグを包含すること
ができる。
【0059】本発明は≦0.11重量%のC;≦2.0
重量%のAl;≦2.0重量%のSi;≦9重量%M
n;≦0.03重量%のS;≦26重量%のCr;及び
≦20重量%のNiを含有するオーステナイトステンレ
ススチールの製造用のNi合金ユニットを供給するため
に望ましいものである。この方法は、特にオーステナイ
トAISI 301−306、12 SR及び18 SR
ステンレススチールの製造に望ましいものである。AI
SI 301−306グレードの最終アルミニウム浴レ
ベルは、スチールの溶接性におけるAlの有害作用のた
めに、0.02重量%を越えるべきではない。ニッケル
はステンレススチール中のオーステナイトの形成に寄与
する重要な合金金属である。これらのスチールは少なく
とも2重量%、好ましくは少なくとも4重量%のNiを
含有する。表IIはAISI301−306グレードの重
量%基準の化学規格を示すものである。
【0060】
【表2】
【0061】本発明のパイロット試験 浴混合物を撹拌し且つメタロイド及び炭素還元体を酸化
して熱を発生させるために、Ar及び酸素を流す市販の
プラグを備えた1/2トンの、予熱されたパイロット反
応器に、溶融した鉄を供給した。鉄を500kg容量の
空気誘導炉中で熔融し、反応器中にタンデイシュを通し
て反応器中にタップ(出湯)した。供給材料の大きな感
受性熱要求及び小さな熱量により比較的高い熱ロスを克
服するために、出来るだけ熱く、好ましくは1700〜
1750℃でタップした。パイロット反応器中のD−キ
ャストワーキングライニング及びアルミナバックアップ
ライニングにより、壁及び開口頂部を通しての熱ロスは
9℃/分だけであった。パイロット試験に用いられた反
応器の能力は底部撹拌手段だけに制限され、よって頂部
ランスからの酸素吹き込みの後燃焼及び脱炭の選択を認
めなかった。
【0062】部分的に乾燥したNiラテライト鉱石及び
スラジング剤を、熔融鉄混合物を含有する反応器に供給
した。表IIIはNiラテライト鉱石の重量組成を示すも
のである。
【0063】
【表3】
【0064】Niラテライト鉱石を加えた後、段階Iの
期間中3〜5分ごとに、鉄/スラグ浴混合物をサンプリ
ングし且つ温度を測定した。Niラテライト鉱石は非常
に速く熔融されるので、熔融時間は鉱石を熔融する動力
学によるよりはむしろ、一定速度で底部撹拌手段を介し
て酸素を射出することにより浴の温度を上げるまたは維
持するのに必要な時間により、かわりに決定された。許
容しうる浴温度に到達後、酸素流を直ちに止め、Ar流
を増加した。一般には、ついで鉄浴へのアルミニウムの
添加を行い、次に表IVに示した重量%組成の硫黄含有N
i選鉱物を定期的に添加した。
【0065】
【表4】
【0066】3〜5分ごとに、鉄浴及びスラグをサンプ
リングし且つ温度を取り、CaSの沈降に寄与する、ス
ラグが粘稠に又は塊になる時点で、スラグがスラグの最
大硫黄含量を取り戻したと判断されるまで、硫黄含有N
i選鉱物の添加を続けた。一般に、脱硫プロセスは非常
に速く起こることがわかった。全熔融時間はスラグが完
全な脱硫可能に到達するのに必要な硫黄含有Ni選鉱物
の添加数により決定された。表Vは本発明の鍵となる条
件及び6回の試験の結果を与えている。硫黄含有Ni選
鉱物よりむしろ硫化鉄(FeS2)を幾つかの試験で実
際に添加した。選鉱物は実際に、本質的にニッケル及び
鉄の硫化物からなるので、試験中に両ソースから生ずる
硫黄挙動には殆ど差異はない。
【0067】これらの試験は条件を変えた段階Iにおい
て優れたNi収率を示している。スラグ重量が(約20
0kg/MT試験I,他の試験が50〜100kg/M
Tであるのに比べて)多い場合でも、多分、供給の際の
粉塵ロスよりむしろスラグ中の金属液滴の取り込みによ
る減少があり、83%のNi収率が達成された。
【0068】段階IIに関しては、試験結果は選鉱物から
のNiユニットの高い収率(試験I及びII)を示してい
る。一般に、スラグ硫黄のレベルはCaO/SiO2
及びCaO/Al23比の増加と共に増加することがわ
かった。スラグ硫黄と熱い金属硫黄の割合もCaO/S
iO2比及びCaO/Al23比並びに浴のC%と共に
増加した。
【0069】
【表5】
【0070】本発明のコマーシャル操作の例 本発明は種々のステンレススチールの製造に使用するこ
とができ、Niユニットの範囲、好ましくは少なくとも
10重量%スチールのNiユニットがNiラテライト及
び硫黄含有Ni選鉱物から直接得ることができる。Ni
ユニットのバランスは、ニッケル含有スチールスクラッ
プが熔融された流及び段階III中での多分フェロニッケ
ルが添加された上流及び下流から得ることができる。鉱
石及び選鉱物から直接導かれるNiユニットの数は本発
明で選択されたプロセス条件に依存する。
【0071】本発明により提案されるコマーシャル適用
例を説明するために8つの例を示す。表VIは本発明の段
階I及びIIの操作条件及び結果を与えている。本発明の
適用は表VI中で選択されたパラメーターの範囲に限られ
ない。例えば、鉄/スラグ混合物の初期温度は、表VIに
与えられている全ての例では一定であるが、変えること
ができる。単にNi鉱石及び選鉱物からニッケル合金化
鉄浴中に高いニッケル含量を得るために、本発明を用い
ることができるが、混合条件に依存して、より高いスラ
グ重量を伴い、実際に熔融時間が増加し、Ni収率及び
脱硫効率が低下するであろう。より商業的である代替法
は、本発明により置き換えられたNiユニット当たりの
製造コストの節約に依存するが、複数脱スラグである。
本発明の段階Iと段階IIにおいて製造されるNi含量の
差異および最終合金規格の要求は、フェロニッケル及び
/又はNi含有スクラップ添加により上流又は下流を調
整する。
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
【実施例】
実施例I及びII 実施例Iを基本例として採用し、これと他の例を比較す
る。実施例IIにおいて、問題となるパラメーターはより
低い予熱温度である。実施例I及びIIにおいて、Niラ
テライト鉱石は、500〜600℃の予熱温度の場合に
遊離された殆ど全ての化学結合水による湿分は完全にな
い。実施例IIは、この手法でNi鉱石が完全に乾燥され
ているが、熱い状態で供給できないために、室温で供給
される例に相当する。化学結合水を約7重量%含有する
部分乾燥鉱石の供給は、全ヒートバランスにいくらか影
響を与えることに注目すべきである。これらの実施例に
おいては、段階IのNi収率はパイロット試験結果基準
で、90%と思われる。また、これら全てケースにおい
て、アルミニウムは鍵となるメタロイド還元体である。
アルミニウムスクラップがフェロシリコン中の珪素とほ
ぼ同じコストである場合は、3つの直接的利益、即ち、
Niラテライト及び硫黄含有Ni選鉱物中にAl23
相対的に欠如しているためにスラグ中にAl23の必要
性;珪素よりも高い酸化熱;及び付加的にスラグ重量が
増加するであろうスラグ塩基度の維持のためのCaOの
ようなスラッジング剤の不必要性;のために珪素よりも
アルミニウムが選ばれる。事実、これらの理由によるア
ルミニウムの使用は有意なコスト節約となる、本発明に
おける鍵となる相乗効果を例証する。
【0075】1000℃から25℃への予熱温度の低下
は、平衡スラグ重量についてNiラテライトからのNi
ユニットの穏当な減少をもたらすであろう。スラグ重量
が両ケース同じであるから、段階IIにおける選鉱物から
のNiユニットの量は同じである。従って、段階I及びI
Iからの最終全Ni含量はほぼ同じである。しかしなが
ら、予熱温度が下げられて、より多くのアルミニウム及
びニッケルは使用されると、Niユニット当たりの製造
コスト節約に影響を与える。
【0076】実施例III、IV及びV 実施例IVではスラグ硫黄パーセントをパラメーターとし
て検討したが、実施例IIIではスラグSとHM Sの割合
を検討したが、その両方が段階IIだけに影響する。段階
Iは基本ケースである実施例Iと全く同じ条件である。実
施例IIIにおいて、スラグ硫黄パーセントを維持する
と、Lsの減少が最終浴S%を減少させる。実施例IVに
おいては、与えられたスラグ重量についてスラグ硫黄パ
ーセントが供給された選鉱物の量を直接コントロールす
るので、段階IIで製造されるNiユニットの数はスラグ
硫黄パーセントに直接比例する。硫黄はスラグ中に殆ど
吸収されないので、最終浴温度は僅かに低下する。より
多くのNiラテライト鉱石の供給の結果として、実施例
Vの段階Iでのスラグ重量の増加は、平衡スラグ硫黄パー
セント及び割合Lsについて両段階I及びIIで得られる、
合金化浴MT当たりのNiユニットの数を直接増加させ
る。段階Iでの熔融時間は一定に保たれるので、炭素よ
り多くのアルミニウム(又は珪素)の燃焼によりスラグ
重量の増加によるより、大きな熱低下をなされるべきで
ある。アルミニウムの消費は、実施例Iよりも約20%
まで増加し、Niユニットの総数も0.94重量%から
1.12重量%まで約20%増加する。Alは平衡重量
当たり、Niよりも安いので、スラグ重量の増加のため
の経済的誘因は強い。
【0077】実施例VIII スラグCaO/SiO2比を実施例Iの1.5から実施例
VIIIでは2.0に増加させる。これはNiラテライト鉱
石により、より多くのCaOを供給することにより行わ
れる。予熱温度から熔融温度の付加CaOを加熱するた
めに加えられた熱要求のために、この供給はネガティブ
な影響を与える。結果として、少しのNiユニットが段
階Iで製造される。しかしながら、特定のスラグ重量が
等しいので、段階IIで実施例Iと同数のNiユニットが
製造される。
【0078】実施例I〜VIIIにおける段階IIの完了時に
おいて、ニッケル合金化鉄浴は酸素含有ガスにより段階
IIIで最終規格に脱炭され得る。ついで、酸素含有ガス
を止めて還元段階を行い、メタロイドを鉄浴に加え、A
rを撹拌手段により射出し残留硫黄を鉄浴中の0.03
重量%以上の硫黄を出すスラグへ移動させる。
【0079】本発明の精神及び範囲から逸脱することな
く、種々の改変が本発明でなし得るものと理解すべきで
ある。従って、本発明の限定は特許請求の範囲から決定
されるべきである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製反応器においてニッケル合金化鉄浴
    を製造する方法であって、 該反応器内に溶解したメタロイド及び炭素を含有する鉄
    /スラグ浴混合物を用意し;Niラテライト鉱石を浴混
    合物に供給し;酸素含有ガスを浴混合物に射出してメタ
    ロイド及び炭素を酸化し、そしてNiラテライト鉱石を
    熔融しそれによりニッケル合金化鉄浴が形成されるまで
    浴混合物を撹拌し;鉄浴からスラグを排出し;そして酸
    化含有ガスを、必要ならば、鉄浴が最終炭素規格に脱炭
    されるまで、射出する:ことを包含する方法。
  2. 【請求項2】 Niラテライトと共に、10〜35重量
    %の硫黄含有Ni選鉱物を浴混合物に供給する付加工程
    を包含する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記メタロイドがアルミニウム、珪素及
    び炭化カルシウムからなる群から選ばれる請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 酸素含有ガスの射出を止め、不活性ガス
    を鉄浴に射出し、そして他のメタロイドを供給して鉄浴
    を脱硫する付加工程を包含する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記反応器が底部撹拌用手段を有し、且
    つ該撹拌手段を介して酸素含有ガスを流す付加工程を包
    含する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記反応器が底部撹拌用手段を有し、且
    つ撹拌手段による酸素含有ガスの射出を止めた後、撹拌
    手段を介して不活性ガスを流して、硫黄含有Ni選鉱物
    が熔融され且つ硫黄がスラグへ移動するまで浴混合物の
    混合をつづける付加工程を包含する請求項5記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記反応器が酸素の頂部吹き込み用手段
    及び底部の浴混合物撹拌用手段を有し、且つ酸素ガスを
    吹き込み手段を介して浴混合物に射出し、その際酸素ガ
    スの一部は浴混合物の上又は中へ排出させてCO及びH
    2の後燃焼を行わせ且つ残りの酸素は浴混合物に射出し
    て炭素のCOへの及びメタロイドの酸化物への酸化を行
    わせる付加工程を包含する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 吹き込み手段を介して流れる酸素ガス及
    び撹拌手段を介して流れる酸素含有ガスの全ての流れが
    少なくとも0.4NM3/分/MTである請求項7記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 吹き込み手段を介して流れる酸素ガス及
    び撹拌手段を介して流れる酸素含有ガスの全ての流れが
    少なくとも0.5〜4NM3/分/MTである請求項7
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 浴混合物への全てのガス流の少なくと
    も30%が撹拌手段によるものである請求項7記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 吹き込み手段を介して流れる酸素ガス
    が本質的に純粋な酸素であり、且つ撹拌手段を介して射
    出される酸素含有ガスが4以下の酸素と不活性ガスのモ
    ル比を有する請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 CO及びH2の後燃焼の程度が20〜
    50%である請求項7記載の方法。
  13. 【請求項13】 撹拌ガス中の酸素と不活性ガスの初期
    モル比が4以下であり、Niラテライト鉱石の熔融後に
    ゼロに低下される請求項7記載の方法。
  14. 【請求項14】 浴混合物のスラグ重量が400kg/
    MTを越えない請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記鉄浴が≦2.0重量%のAl;≦
    2.0重量%のSi;≦0.03重量%のS;≦26重
    量%のCr;および≦10重量%Niを含有するステン
    レススチールである請求項1記載の方法。
JP9331934A 1996-12-04 1997-12-02 精製反応器中でニッケル合金化鉄浴を製造する方法 Pending JPH10158712A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/760,363 US5749939A (en) 1996-12-04 1996-12-04 Melting of NI laterite in making NI alloyed iron or steel
US08/760363 1996-12-04

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10158712A true JPH10158712A (ja) 1998-06-16

Family

ID=25058877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9331934A Pending JPH10158712A (ja) 1996-12-04 1997-12-02 精製反応器中でニッケル合金化鉄浴を製造する方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US5749939A (ja)
EP (1) EP0846778B1 (ja)
JP (1) JPH10158712A (ja)
KR (1) KR19980063738A (ja)
CN (1) CN1190133A (ja)
AT (1) ATE196170T1 (ja)
AU (1) AU717368B2 (ja)
CA (1) CA2221644A1 (ja)
DE (1) DE69703020T2 (ja)
ES (1) ES2150730T3 (ja)
ZA (1) ZA9710138B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522824A (ja) * 2007-03-29 2010-07-08 エム.カー.エヌ.テクノロジース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 金属溶融物の製造のための溶融冶金法及びそれに用いる遷移金属含有添加材料

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6245289B1 (en) 1996-04-24 2001-06-12 J & L Fiber Services, Inc. Stainless steel alloy for pulp refiner plate
AU3334601A (en) * 1999-12-22 2001-07-03 Mintek Iron-nickel alloy production
JP4167101B2 (ja) * 2003-03-20 2008-10-15 株式会社神戸製鋼所 粒状金属鉄の製法
US7056400B1 (en) * 2003-04-22 2006-06-06 R. J. Lee Group, Inc. Method of separating superalloy metal powder from admixed contaminants
US7153377B2 (en) * 2004-02-02 2006-12-26 R. J. Lee Group, Inc. Method of separating admixed contaminants from superalloy metal powder
CN100560767C (zh) * 2007-03-27 2009-11-18 宝山钢铁股份有限公司 一种电弧炉冶炼不锈钢实现镍直接合金化的方法
CN100478477C (zh) * 2007-07-09 2009-04-15 贵研铂业股份有限公司 一种从红土矿中提取镍铁合金的方法
FI123241B (fi) * 2011-06-13 2013-01-15 Outokumpu Oy Menetelmä pelkistymisasteen parantamiseksi ferroseosta sulatettaessa
CN102719582B (zh) * 2012-07-03 2014-10-29 刘光火 一种冶炼低品位复合矿的工艺
DE102014011231A1 (de) * 2014-07-23 2016-01-28 Sms Group Gmbh Verfahren zur Nickel Pig Iron (NPI)- Entkohlung im AOD -Konverter
ES2901444T3 (es) * 2017-10-27 2022-03-22 Umicore Nv Proceso para la recuperación de metales a partir de materiales portadores de cobalto
KR102408309B1 (ko) * 2019-12-20 2022-06-14 주식회사 포스코 저품위 니켈 철 합금으로부터 니켈 매트를 제조하는 방법
CN111635997B (zh) * 2020-06-12 2021-08-03 中南大学 氢气直接还原熔炼红土镍矿冶炼镍铁合金的方法
CN113249540B (zh) * 2021-05-14 2022-08-23 山西太钢不锈钢股份有限公司 使用aod炉以氢氧化镍为原料冶炼镍系不锈钢的生产方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR1463020A (fr) * 1965-08-25 1966-06-03 Procédé pour l'élaboration d'alliage de ferro-nickel par fusion simultanée de minerai de fer nickélifère avec un taux élevé de récupération de nickel
JPS5335892B2 (ja) * 1972-05-29 1978-09-29
US4001012A (en) * 1973-11-28 1977-01-04 United States Steel Corporation Method of producing stainless steel
JPH02221336A (ja) * 1989-02-21 1990-09-04 Nkk Corp Ni鉱石の溶融還元法
US5039480A (en) * 1989-02-21 1991-08-13 Nkk Corporation Method for manufacturing molten metal containing Ni and Cr
JPH0791600B2 (ja) * 1989-03-09 1995-10-04 日本鋼管株式会社 Ni鉱石の溶融還元法
ZW9893A1 (en) * 1992-08-11 1993-09-15 Mintek The production of stainless steel
US5575829A (en) * 1995-06-06 1996-11-19 Armco Inc. Direct use of sulfur-bearing nickel concentrate in making Ni alloyed stainless steel

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522824A (ja) * 2007-03-29 2010-07-08 エム.カー.エヌ.テクノロジース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 金属溶融物の製造のための溶融冶金法及びそれに用いる遷移金属含有添加材料

Also Published As

Publication number Publication date
DE69703020T2 (de) 2001-01-11
DE69703020D1 (de) 2000-10-12
CA2221644A1 (en) 1998-06-04
AU717368B2 (en) 2000-03-23
ATE196170T1 (de) 2000-09-15
ZA9710138B (en) 1998-06-08
AU4684497A (en) 1998-06-11
US5749939A (en) 1998-05-12
KR19980063738A (ko) 1998-10-07
MX9709082A (es) 1998-06-30
EP0846778A1 (en) 1998-06-10
ES2150730T3 (es) 2000-12-01
EP0846778B1 (en) 2000-09-06
CN1190133A (zh) 1998-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU706170B2 (en) Process for the production of hydraulic binders and/or alloys, such as, e.g., ferrochromium or ferrovanadium
KR101176658B1 (ko) 합금된 용융 금속을 제조하기 위한 방법 및 이와 관련된제조 설비
CN109022644B (zh) 一种全三脱工艺中炉渣脱硫脱磷协同铁素回收的方法
JPH10158712A (ja) 精製反応器中でニッケル合金化鉄浴を製造する方法
KR20000068375A (ko) 용융금속을 생산하는 설비 및 방법
CN101838718A (zh) 中频电炉炉内脱磷脱硫的冶炼工艺
AU755341B2 (en) Refining method of molten iron and reduction smelting method for producing the molten iron
WO1997020954A1 (en) Simplified duplex processing of nickel ores and/or concentrates for the production of ferronickels, nickel irons and stainless steels
KR101189182B1 (ko) 바나듐 함유 용탕으로부터 바나듐을 선별하는 방법
US5575829A (en) Direct use of sulfur-bearing nickel concentrate in making Ni alloyed stainless steel
JP2527914B2 (ja) 非鉄硫化物の製錬
AU606420B2 (en) Non-ferrous metal recovery
KR101189183B1 (ko) 석유탈황 폐촉매 중 유가금속 회수방법
JP3511808B2 (ja) ステンレス鋼の溶製方法
US5725631A (en) Composite charge for metallurgical processing
CA2310044A1 (en) Method for reprocessing steel slags and ferriferous materials
JPH0297611A (ja) 冷鉄源溶解方法
EDSTRÖM Optimized steelmaking from high phosphorus ores
MXPA97009082A (en) Fusion of nickel laterite in the manufacture of iron or alloy steel with niq
Upadhya An examination of submerged injection processes
SU1105511A1 (ru) Способ непрерывной переработки фосфористого чугуна
SU881122A1 (ru) Способ обработки железосодержащих шлаков
Szekely et al. Overview of Injection Technology
Bailey et al. Metal Winning: Iron-and Steel-Making
JPS5839205B2 (ja) 電気炉製鋼方法