JPH10157006A - 化粧シート貼着アルミニウム材及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート貼着アルミニウム材及びその製造方法

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JPH10157006A
JPH10157006A JP33137896A JP33137896A JPH10157006A JP H10157006 A JPH10157006 A JP H10157006A JP 33137896 A JP33137896 A JP 33137896A JP 33137896 A JP33137896 A JP 33137896A JP H10157006 A JPH10157006 A JP H10157006A
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decorative sheet
film
adhesive
hot melt
aluminum
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JP33137896A
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Takayuki Sumikawa
隆行 隅川
Makoto Minatoya
誠 湊屋
Masaki Tsuboi
正毅 坪井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧シート貼着アルミニウム材の製造におい
て、人体及び環境に対して悪影響を及ぼさず、また、化
粧シートのラミネート後速やかに接着力が発現し、艶消
し陽極酸化塗装複合皮膜上及び着色陽極酸化塗装複合皮
膜上にも充分な接着強さで化粧シートをラミネートす
る。 【解決手段】 化粧シートの片面に反応性ホットメルト
接着剤、好ましくはウレタン系反応性ホットメルト接着
剤を塗工し、この接着剤塗工面を、アルミニウム又はア
ルミニウム合金の押出材又はその上に形成された陽極酸
化皮膜もしくは陽極酸化皮膜とその上の塗装皮膜とから
なる複合皮膜上にラミネートする。この方法により、化
粧シートが強い接着力でラミネートされ、長期間の使用
によっても化粧シートが剥離することがなく、意匠的効
果を長く保持できる化粧シート貼着アルミニウム材を生
産性良く製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用形材等のア
ルミニウム又はアルミニウム合金の押出材(以下、アル
ミニウム材という)又はその上に形成された陽極酸化皮
膜もしくは陽極酸化皮膜とその上の塗装皮膜とからなる
複合皮膜(以下、陽極酸化塗装複合皮膜と略称すること
もある)上に化粧シートをラミネートした化粧シート貼
着アルミニウム材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に建材用等のアルミニウム形材は、
美観及び耐食性の付与を目的として陽極酸化皮膜又は陽
極酸化塗装複合皮膜を施した状態で使用されることが多
い。さらに意匠的効果を向上させるために、木目模様又
は幾何学模様或いはその他の模様を印刷した樹脂製化粧
シートを上記陽極酸化皮膜上又は陽極酸化塗装複合皮膜
上にラミネートしたものが実用化されており、例えば特
開昭59−123656号、特開昭61−19337
号、及び特公平3−41345号の各公報には、アルミ
ニウム材に合成樹脂製化粧シートをラミネートする種々
の方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
公報に記載の合成樹脂製化粧シートのラミネート方法
は、いずれも溶剤型接着剤を使用したものであるため、
有機溶剤雰囲気中での製造作業を強いられ、火災や爆発
の危険性があるだけでなく、人体に対して有害であり、
環境に対しても汚染が生じるという問題がある。また、
接着剤塗工後の溶剤乾燥工程が不可欠であるため、生産
スピードが制限されるなどの不都合があった。さらにラ
ミネート後も接着力の発現まで長時間の養生が必要とさ
れ、生産性向上の枷となっている。また、現在、建築用
アルミニウム材分野の市場で要求されている艶消し陽極
酸化塗装複合皮膜上又は着色陽極酸化塗装複合皮膜上に
化粧シートをラミネートした製品を製造するには、現在
市販されている溶剤型接着剤では接着強さの確保という
観点から困難であった。
【0004】本発明は、前記従来技術に鑑みてなされた
ものであり、有機溶剤を使用せず、従って、火災等の危
険性が無く、人体及び環境に対して悪影響を及ぼさず、
また、化粧シートをラミネート後速やかに接着力が発現
し、しかも艶消し陽極酸化塗装複合皮膜上又は着色陽極
酸化塗装複合皮膜上にも充分な接着強さで化粧シートを
ラミネートできる化粧シート貼着アルミニウム材の製造
方法を提供することを目的とするものである。さらに本
発明の目的は、化粧シートが強い接着力でラミネートさ
れ、長期間の使用によっても化粧シートが剥離すること
がなく、意匠的効果を長く保持できる化粧シート貼着ア
ルミニウム材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、アルミニウム材又はその上に形成
された陽極酸化皮膜もしくは陽極酸化皮膜とその上の塗
装皮膜とからなる複合皮膜上に、反応性ホットメルト接
着剤を介して化粧シートがラミネートされてなることを
特徴とする化粧シート貼着アルミニウム材が提供され
る。さらに本発明によれば、このような化粧シート貼着
アルミニウム材の製造方法も提供され、その方法は、化
粧シートの片面に反応性ホットメルト接着剤を塗工し、
この接着剤塗工面を、アルミニウム材又はその上に形成
された陽極酸化皮膜もしくは陽極酸化皮膜とその上の塗
装皮膜とからなる複合皮膜上にラミネートすることを特
徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明による化粧シート貼着アル
ミニウム材の製造方法は、アルミニウム材上又はその表
面に形成された陽極酸化皮膜上もしくは陽極酸化とその
上の塗装皮膜とからなる複合皮膜(以下、これらを総称
してアルミニウム基材という)上に、その表面に何ら特
別な処理を施すことなく、反応性ホットメルト接着剤を
媒介として化粧シートをラミネートすることを特徴とし
ている。本発明で使用される反応性ホットメルト接着剤
は、無溶剤型接着剤であるため、溶剤乾燥工程が不要で
あり、該工程によって生産スピードを制限されることは
なく、しかも、化粧シートをラミネート後、速やかに接
着強さが発現するために、化粧シート貼着アルミニウム
材の生産性が向上する。また、有機溶剤雰囲気中での作
業がなくなったため、従来の溶剤型接着剤の使用に伴う
火災や爆発の危険性が無く、人体及び環境に及ぼす悪影
響等の問題が無い。
【0007】さらに、反応性ホットメルト接着剤は、当
初加熱されることによって熱可塑性を呈する性質(ホッ
トメルト性)を有するため塗工性に優れ、良好な作業性
が確保できると共に、アルミニウム基材との密着性が良
好であり、しかも反応性も有するため、ラミネート後、
架橋性反応基又は架橋反応性を有する化合物の反応、例
えばイソシアネートによる湿気硬化反応を生起し、アル
ミニウム基材と化粧シートとをより強力に接着させ、反
応終了後は優れた耐熱性が付与される。従って、このよ
うな反応性ホットメルト接着剤を用いることにより、従
来の溶剤型接着剤の使用では困難であった陽極酸化皮膜
上の艶消しクリヤー塗装皮膜や着色塗装皮膜等の複合皮
膜上にも充分な接着力でラミネートすることが可能にな
り、市場のニーズに応える製品を生産することができ
る。
【0008】本発明に用いられる反応性ホットメルト接
着剤の代表例としては、例えばベースポリマーに架橋反
応性を有する化合物を添加した反応性ホットメルト接着
剤(A)、反応性基を有するベースポリマーからなる反
応性ホットメルト接着剤(B)、反応性基を有しないベ
ースポリマーに架橋性反応基を導入した反応性ホットメ
ルト接着剤(C)等が挙げられる。
【0009】前記反応性ホットメルト接着剤(A)に用
いられるベースポリマーの具体例としては、例えばエチ
レン−酢酸ビニル系共重合体;低密度ポリエチレン、ア
タクチックポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体等のブロック共重合体;
ブチルゴム;ポリウレタン;ナイロン、ダイマー酸を主
成分としたポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエス
テル系樹脂などが挙げられるが、本発明は係る例示のみ
に限定されるものではない。
【0010】前記反応性ホットメルト接着剤(A)に用
いられる架橋反応性を有する化合物としては、例えば水
分によって架橋するウレタンプレポリマーをはじめ、例
えばホットメルト性を有するベースポリマーであるスチ
レン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体に加水
分解性シラン基を導入した化合物等の加水分解性有機シ
ラン化合物、紫外線や電子線により硬化する両末端にア
クリル性の二重結合を有するポリエステル、ポリウレタ
ン、エポキシ化合物等が挙げられるが、本発明は係る例
示のみに限定されるものではない。上記水分によって架
橋するウレタンプレポリマーの具体例としては、例えば
メチレンジイソシアネート、水素添加メチレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネー
トと、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンア
ジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオ
ールなどのポリオールとの反応生成物であるウレタンプ
レポリマー、分子中に一般式:−Si(OR)(式中、
Rはアルキル基を示す)で表わされる基を有するポリマ
ーなどが挙げられる。また、上記紫外線や電子線により
硬化する両末端にアクリル性二重結合を有するポリエス
テルとしては、例えばアクリル酸エステル系モノマーな
どが挙げられる。
【0011】前記反応性ホットメルト接着剤(B)に用
いられる反応性基を有するベースポリマーの具体例とし
ては、例えば前記したようなイソシアネートとポリオー
ルとを反応させることによって得られたイソシアネート
などの反応性基を有するポリウレタンプレポリマー、ポ
リプロピレングリコールとアルコキシシランとを反応さ
せることによって得られたポリプロピレングリコールの
末端にアルコキシシランを導入したポリマーなどが挙げ
られるが、本発明は係る例示のみに限定されるものでは
ない。
【0012】前記反応性基を有しないベースポリマーに
架橋性反応基を導入した反応性ホットメルト接着剤
(C)としては、前記反応性ホットメルト接着剤(A)
に用いられるベースポリマーに架橋性反応基として例え
ばアルコキシシラン等を導入したものが挙げられ、該ア
ルコキシシランを導入する方法としては、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−エチレン−ブタジ
エン−スチレン共重合体等の共重合体に例えばビニルエ
トキシシラン等のアルコキシシランをグラフト重合させ
る方法などが挙げられる。
【0013】前記反応性ホットメルト接着剤には、例え
ばタッキファイヤー、ワックス、可塑剤、フィラー、老
化防止剤などの通常ホットメルト接着剤に用いられてい
るその他の成分を必要に応じて配合することができる。
また、本発明に用いられる前記反応性ホットメルト接着
剤は、接着の際に室温で固化後、反応硬化する性質が損
なわれない限り、2種類以上を混合して用いてもよく、
また複数層を積層して接着しても構わない。2種類以上
の接着剤を用いる場合には、前記反応性ホットメルト接
着剤(A),(B)及び(C)のいずれか少なくとも1
種類を主成分として含有すれば、その他の接着剤を本発
明の目的を阻害しない範囲内で用いることができる。
【0014】前記反応性ホットメルト接着剤の中でも、
本発明においては、ウレタンプレポリマーを含有したウ
レタン系反応性ホットメルト接着剤が、様々な表面処理
を施されたアルミニウム基材に対して高い接着性を有す
るという点から好適に用いられる。このようなウレタン
系反応性ホットメルト接着剤の市販されている代表例と
しては、例えば日立化成ポリマー(株)製「ハイボン」
シリーズ、ノーテープ工業(株)製「No.5900」
「No.5677」等が挙げられる。
【0015】また、本発明のように押出形材等のアルミ
ニウム基材への化粧シートのラミネートに用いる反応性
ホットメルト接着剤としては、反応後の樹脂に若干の柔
軟性を持たせたもの、すなわち結晶タイプのものよりむ
しろ若干非結晶性を持たせたものの方が、広範な表面処
理仕様のアルミニウム基材に対して優れた接着性を示す
という観点から好ましい。一般に反応性ホットメルト接
着剤は、接着後数分〜数10分で接着系(基材+接着剤
+化粧シート)が雰囲気温度によって冷却され、接着剤
樹脂が冷え固まることにより一次接着力が発生し、その
後、数時間のタイムラグ後に、例えばウレタン系反応性
ホットメルト接着剤の場合、空気中及び基材表面の水分
と接着剤が反応して二次接着力が発生する。ここで、反
応性ホットメルト接着剤の樹脂が結晶タイプの場合、樹
脂と基材表面との相性がよいときには前述の二次接着力
は強大なものになるが、相性が合わないときには接着し
にくいという特徴がある。一方、非結晶タイプの場合、
樹脂と基材表面との相性の良否(ばらつき)に関する影
響を受けにくく、あらゆる基材表面との接着性を有する
が、二次接着力は比較的低くなる傾向にある。従って、
押出形材等のアルミニウム基材への化粧シートのラミネ
ートに用いる反応性ホットメルト接着剤としては、二次
接着力の確保と同時に広範な表面処理仕様のアルミニウ
ム基材に対しても接着性を付与することのできる、結晶
タイプに若干非結晶性を持たせたものの方が好ましい。
【0016】本発明に用いられる反応性ホットメルト接
着剤は、一般に、およそ50℃程度で溶融点に達するた
め、50℃以下に冷却すると固化するが、固化直後は加
熱すれば再び軟化する程度にしか架橋反応が起こらず、
室温でおよそ4時間後には架橋反応が進んで充分な接着
力を示すようになり、さらにおよそ24〜48時間後に
は架橋反応がさらに進んで、もはや加熱しても軟化しな
い耐熱性を示すような性質を有している。
【0017】前記したような反応性ホットメルト接着剤
を用いてアルミニウム基材に化粧シートをラミネートす
る方法について述べると、通常、化粧シートに反応性ホ
ットメルト接着剤を塗工する。塗工方法としては、加熱
溶融状態の反応性ホットメルト接着剤を所定の厚さで塗
工できる方法であれば特に限定されず、例えばダイコー
ター法、ロールコーター法、スプレーコーティング法な
どを採用できる。反応性ホットメルト接着剤を塗工した
化粧シートは、オープンタイム時間内に該化粧シートの
接着剤塗工面をアルミニウム基材上にラミネートする。
オープンタイムを過ぎても、前記したように固化直後は
加熱すれば再び軟化する程度にしか架橋反応が起こらな
いため、赤外線ヒーター等によりプレヒートを行い、再
溶融させた後にラミネートを行うこともできる。アルミ
ニウム基材に化粧シートをラミネートする手段は特に限
定されず、例えば、従来使用されている圧着ロールを使
用したプロフィルラミネーターなどを用いることができ
る。尚、アルミニウム基材に化粧シートをラミネートし
た後、40〜60℃程度の温度に加熱して反応性ホット
メルト接着剤の架橋反応を促進させ、硬化時間を短縮さ
せることもできる。
【0018】以上のようにして、アルミニウム基材に化
粧シートが強い接着力でラミネートされた化粧シート貼
着アルミニウム材が得られる。化粧シートをラミネート
する被貼着面は、アルミニウム押出形材やその上に形成
された陽極酸化皮膜だけでなく、該陽極酸化皮膜上に形
成された艶有りクリヤー塗装皮膜、艶消しクリヤー塗装
皮膜及び着色塗装皮膜に対しても強い接着力で化粧シー
トをラミネートできる。尚、陽極酸化皮膜としては、通
常の硫酸、シュウ酸等の酸性電解液中で陽極酸化して得
られる皮膜の他、着色陽極酸化皮膜、例えば電解着色
法、自然発色法、電解発色法、染色法等により着色され
た酸化皮膜も含まれ、特定のものに限定されるものでは
ない。また、化粧シートは用途に応じて合成樹脂製、紙
製など種々の材質のものを用いることが可能であるが、
合成樹脂製化粧シートが耐久性、意匠性等の点で好まし
い。合成樹脂製化粧シートの合成樹脂基材としては、塩
化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ナイロン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、フッ素系樹脂など種々のものを採用で
き、これらの合成樹脂シートもしくはフィルムに木目模
様その他種々の模様、色彩等を印刷した化粧シート、透
明なシート又は艶消しもしくは意匠効果付与のためにエ
ンボス加工を施したシートなど、種々の化粧シートを用
いることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明についてさら
に具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定され
ないことはもとよりである。
【0020】実施例1 ウレタン系反応性ホットメルト接着剤(日立化成ポリマ
ー(株)製「ハイボン4820」)を120℃で加熱溶
融し、これを塩化ビニル樹脂からなる化粧シートの片面
にナイフコーターで50g/m2 塗工した。その後オー
プンタイム時間内に、アルミニウム押出材表面に化粧シ
ートの接着剤塗工面をラミネートし、化粧シート貼着ア
ルミニウム材を得た。得られた化粧シート貼着アルミニ
ウム材を20mm幅にカットし、剥離試験機を用いて5
0mm/minの剥離速度でJIS K6854に準拠
した180°剥離試験を行い、化粧シートとアルミニウ
ム押出材の180°剥離強さを室温で測定した。
【0021】実施例2〜5 実施例1で用いたアルミニウム押出材に代えて、アルミ
ニウム押出材にそれぞれ形成した陽極酸化皮膜(膜厚:
9μm−実施例2)、艶有り陽極酸化塗装複合皮膜(陽
極酸化皮膜厚:9μm、艶有り塗装皮膜厚:7μm−実
施例3)、艶消し陽極酸化塗装複合皮膜(陽極酸化皮膜
厚:9μm、艶消し塗装皮膜:7μm−実施例4)、ホ
ワイト着色陽極酸化塗装複合皮膜(陽極酸化皮膜厚:6
μm、ホワイト着色塗装皮膜:15μm−実施例5)を
用いた以外、実施例1と同様にして化粧シート貼着アル
ミニウム材を作製し、その180°剥離強さを実施例1
と同様に測定した。
【0022】上記実施例1〜5について下記表1に示さ
れる測定値を得た。
【表1】 表1から明らかなように、いずれの実施例においても、
7kg/20mm前後の非常に大きな剥離強度を示し
た。
【0023】実施例3で得られた化粧シート貼着アルミ
ニウム材について、ラミネート後の経過時間と前記18
0°剥離強さとの関係を測定した。その結果を図1に示
す。図1から明らかなように、ラミネート後、急激に剥
離強さが上昇し、10分程度で約3kg/20mmに達
している。その後徐々に剥離強さは上昇し、約1,00
0分(約16時間)で最終強度に近い7kg/20mm
となっている。実用的な剥離強さである3〜4kg/2
0mmは、ラミネート後10分程度で実現されており、
従来の溶剤型ウレタン系接着剤を用いた場合に比べて1
/20程度に短縮された。
【0024】比較例1〜5 前記実施例1〜5において、接着剤としてウレタン系反
応性ホットメルト接着剤に代えて溶剤型ウレタン系接着
剤(日立化成ポリマー(株)製AU468−10、架橋
剤35)を用いた以外、実施例1〜5と同様にしてそれ
ぞれ比較例1〜5の化粧シート貼着アルミニウム材を得
た。得られた各化粧シート貼着アルミニウム材の180
°剥離強さを実施例1〜5と同様にして測定したとこ
ろ、下記表2に示される測定値を得た。
【表2】 表2に示されるように、化粧シートをラミネートする基
材表面によって剥離強さに非常にばらつきがあり、実用
レベルの剥離強さを示しているのは比較例2及び3のみ
である。
【0025】実施例6〜10 前記実施例1〜5において、接着剤としてウレタン系反
応性ホットメルト接着剤(日立化成ポリマー(株)製ハ
イボン4820)に代えて他のウレタン系反応性ホット
メルト接着剤(ノーテープ工業(株)製No.590
0)を用いた以外、実施例1〜5と同様にしてそれぞれ
実施例6〜10の化粧シート貼着アルミニウム材を得
た。得られた各化粧シート貼着アルミニウム材について
180°剥離強さ試験を実施例1〜5と同様にして行っ
たところ、下記表3に示される結果が得られた。
【表3】 表3に示されるように、実施例1〜5と比較すると若干
ばらつきが多いが、いずれも実用レベルの剥離強さを充
分に実現している。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の化粧シート貼着
アルミニウム材の製造方法は、接着媒体として無溶剤型
の反応性ホットメルト接着剤を用いるので、化粧シート
のラミネート後、速やかに接着強さが発現し、しかも従
来の溶剤型接着剤の使用では困難であった艶消し陽極酸
化塗装複合皮膜上及び着色陽極酸化塗装複合皮膜上にも
充分な接着強さで化粧シートをラミネートすることがで
きる。また、溶剤型接着剤を用いる従来法と比較して有
機溶剤雰囲気中での作業がなくなり、火災や爆発の危険
性が無く、人体に対して無害であり、環境に対しても汚
染を生じるという問題がない。さらに、本発明で用いる
反応性ホットメルト接着剤は無溶剤型接着剤であるため
溶剤乾燥工程が不要であり、該工程によって生産スピー
ドを制限されることも無い。従って、種々のアルミニウ
ム基材表面に化粧シートが強い接着力でラミネートさ
れ、長期間の使用によっても化粧シートが剥離すること
がなく、意匠的効果を長く保持できる化粧シート貼着ア
ルミニウム材を生産性良く製造でき、市場のニーズに充
分に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で作製した化粧シート貼着アルミニウ
ム材のラミネート後の経過時間と180°剥離強さとの
関係を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金の押
    出材又はその上に形成された陽極酸化皮膜もしくは陽極
    酸化皮膜とその上の塗装皮膜とからなる複合皮膜上に、
    反応性ホットメルト接着剤を介して化粧シートがラミネ
    ートされてなることを特徴とする化粧シート貼着アルミ
    ニウム材。
  2. 【請求項2】 前記反応性ホットメルト接着剤が、イソ
    シアネートによる湿気硬化反応性を有するウレタン系反
    応性ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項
    1に記載の化粧シート貼着アルミニウム材。
  3. 【請求項3】 前記複合皮膜の塗装皮膜が、艶有りクリ
    ヤー塗装皮膜、艶消しクリヤー塗装皮膜又は着色塗装皮
    膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧
    シート貼着アルミニウム材。
  4. 【請求項4】 化粧シートの片面に反応性ホットメルト
    接着剤を塗工し、この接着剤塗工面を、アルミニウム又
    はアルミニウム合金の押出材又はその上に形成された陽
    極酸化皮膜もしくは陽極酸化皮膜とその上の塗装皮膜と
    からなる複合皮膜上にラミネートすることを特徴とする
    化粧シート貼着アルミニウム材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記反応性ホットメルト接着剤が、イソ
    シアネートによる湿気硬化反応性を有し、かつ反応後の
    接着剤樹脂が結晶タイプに若干の非結晶性を持たせたウ
    レタン系反応性ホットメルト接着剤であることを特徴と
    する請求項4に記載の方法。
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