JPH10156726A - 切断砥石車 - Google Patents

切断砥石車

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JPH10156726A
JPH10156726A JP33907796A JP33907796A JPH10156726A JP H10156726 A JPH10156726 A JP H10156726A JP 33907796 A JP33907796 A JP 33907796A JP 33907796 A JP33907796 A JP 33907796A JP H10156726 A JPH10156726 A JP H10156726A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削速度が大で目詰まりせず、長寿命で且つ
歪のない切断砥石車を提供する。 【構成】 砥粒を結合剤等と配合してなる砥粒配合物を
円板状に圧縮成型し、焼成してなる切断砥石車におい
て、該切断砥石車の片面又は両面に凹凸を設けると共
に、該切断砥石車の内部の砥粒密度を略均一に形成した
ことを特徴とする切断砥石車。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は切断砥石車に関し、
更に詳しくは、側面に凹凸を有し、目詰まりのない、長
寿命の砥石車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の切断砥石や平砥石等の砥石車は、
炭化珪素、金剛砂等よりなる砥粒を結合剤と共に円盤状
に圧縮成型したのち、熱処理して結合剤を硬化して製造
されている。砥石車の用途に応じて、各種粒度の砥粒を
適宜配合して、これに液状又は粉状のフェノール樹脂等
よりなる結合剤を配合する。円筒の底に円板状の下型を
嵌めて、その上に砥粒を均一に均して入れ、円板状の上
型を嵌合し、油圧プレス等により加圧して全体が均一な
円盤状になるように成型したのち、焼成を行っている。
この成型の際、円盤の両面又は中間層にガラス繊維等よ
りなる補強布を挟んで、プレスをする。
【0003】上記従来の砥石車は、金属等の切断又は切
削の際、しばしば目詰まりを起こし、切れ味が悪化し、
又摩擦熱により砥石及び切削物が高温となり、砥石の寿
命が低下するという問題があった。特にアルミニウム、
真鍮等の軟質金属を研削するときには、目詰まりが甚だ
しく、しばしば目直しをする必要があり、またステンレ
ス鋼を切削する場合は、切削物が高温になり変色する虞
がある。
【0004】そこで特開昭49−132688号には孔
容量(多孔度)が小さく比較的硬質の扇形研削部材と、
孔容量(多孔度)が大きく比較的軟質の扇形研削部材を
交互に配設して砥石車を構成することにより、砥石車の
目詰まりを防止し、研削効率を高めることが提案されて
いる。この多孔度が小さく比較的硬質の扇形研削部材
と、多孔度が大きく比較的軟質の扇形研削部材を交互に
配設した砥石車は、その軟質と硬質の扇形研削部材をそ
れぞれ別個に、砥粒を成型、焼成してセグメントとして
製作した後、これらを交互に配列して互いに接着等によ
り円盤状に組立てたものであって、その製造工程が極め
て複雑であり、扇形のセグメント同志の接着強度が弱
く、研削作業中にその砥石車のセグメントの接着部分か
ら欠けたり割れたりする虞があった。
【0005】そこで、本発明者は特公平3−67834
号に示すように金型で砥石車を成型する際、圧縮成形前
の砥粒層の上面に放射状の扇形の凹凸を形成した後、平
坦な下面を有する円板状の上型で全体を均一な厚みにプ
レスすると、凹凸形状を形成した状態では、砥粒層の凸
部は砥粒層の厚みが大きく、凹部は厚みが小さいため、
砥粒層の凸部であった部分は圧縮率が大で砥粒密度が大
きくなり、砥粒層の凹部であった部分は圧縮率が小で砥
粒密度が小さくなり、砥粒密度の大なる扇形部分と小な
る扇形部分が交互に並んだ砥石車を同時に成型すること
ができることを示した。
【0006】更に本発明者は特願平7−119390号
において、円板状切断砥石車を製造する際に、円筒状金
型内に上面に凹凸を有する下型を置き、その上に比較的
流動性の小さい配合砥粒を均一に均し、その砥粒層の上
に下面に凹凸形状を有する押し型を押し付けて、その押
し型をそのままプレス用上型としてプレスすると、プレ
スする際、砥粒は水平方向に移動せず、そのまま垂直方
向に圧縮されるため、最終的に成型された砥石車の厚み
の薄い部分は砥粒の圧縮率が大で砥粒密度が大きく、砥
石車の厚みの厚い部分は砥粒の圧縮率が小で砥粒密度が
小さくなり、砥粒密度の大なる部分と小なる部分を明確
に区画して形成することができること、そのようにして
製造された切断砥石車は極めて目詰まりを起こし難く、
切削速度が優れていることを開示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の切断砥石車は軟
質金属である真鍮やアルミニウム等を切断する際には目
詰まりを起こし易く、またステンレス鋼等を切断する際
には切断速度が遅く、切断速度を上げるために切断の際
の荷重を掛け過ぎると、砥石車の破損や摩擦熱による摩
耗が激しく、作業者にとって非常に危険であった。又上
記特願平7−119390号に開示した方法により、切
断砥石車に砥粒密度の大きい部分と小さい部分をを形成
しようとすると、円板状切断砥石車の砥粒密度が小さい
部分と砥粒密度の大きい部分の厚みの差は必然的にかな
り大きくせざるを得ず、成形された切断砥石車の部分的
な厚みの差と砥粒密度の差により、切断砥石車に歪が生
じるおそれがある。従って本発明は回転円板砥石の円周
面を工作物に接触させて能率よく切断を行う、切れ味が
優れ、寿命が長い切断砥石車であって、歪の少ない切断
砥石車を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、切断砥石車の切削効
率を上げ、長寿命化のためには、必ずしも切断砥石車の
部分的な砥粒密度差が必要ではなく、切断砥石車全体の
砥粒密度が略均一であっても、切断砥石車の切断時の円
周に沿って、切断砥石車の厚みに僅かな差を設け、僅か
に厚みの厚い部分と薄い部分を形成すると、これが交互
に被切断材に接触することにより、丁度鋸の「あさり」
のごとき作用をなし、切削屑や脱落砥粒の排出、切断砥
石車の冷却に効果があり、その結果従来の均一な厚みの
切断砥石車に比べ極めて切れ味が優れ切削能率がよく、
目詰まりが起きず、大幅に切断速度が向上し、切断砥石
車の摩耗が小さくその寿命が大きく伸びること、切断砥
石車に部分的な僅かな厚みの差を設けても、全体が略均
一な砥粒密度とすれば、従来の平板状の切断砥石車より
も却って切断砥石車の歪が生じなくなり、回転時の振れ
の全くない切断砥石車が得られることを見出し本発明を
完成するに到った。
【0009】即ち、本発明は砥粒を結合剤等と配合して
なる砥粒配合物を円板状に圧縮成型し、焼成してなる切
断砥石車において、該切断砥石車の片面又は両面に凹凸
を設けると共に、該切断砥石車の内部の砥粒密度を略均
一に形成したことを特徴とする切断砥石車を要旨とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の内容を図面により詳
細に説明する。図1は本発明の砥石車の一例の切断砥石
車平面図、図2は同正面図、図3は同円A−A断面図、
図4は円弧B−Bに沿う断面図である。1は切断砥石車
であり、その側面2に放射状に延びる細長い扇形の凸部
3及び凹部4を交互に設ける。凸部3と凹部4は切断砥
石車1の両面に面対称形に設けるのが好ましいが、必ず
しも対称形である必要はなく、切断砥石車1の片面にの
み凹凸を設けてもよいし、切断砥石車1の両面の凹凸形
状を異なる形状、異なる配置としてもよい。
【0011】切断砥石車1の側面2の凹部4と凸部3の
形状は及び配置は勿論図1に示すものに限定されるもの
ではなく、種々の形状配置が可能であるが、その形状及
び配置に必要な条件は、切断砥石車1の回転軸心を中心
とする同心円のうち、切削に用いられる範囲内のあらゆ
る同心円上において、凸部3と凹部4が適当な割合で交
互に配置される必要がある。ある特定の同心円上におい
て、凸部3のみ或いは凹部4のみがその同心円全周にわ
たって配置されるのは好ましくない。何となれば、その
同心円まで切断砥石車1が摩耗したときには、凸部3又
は凹部4のみによって切削され、一定幅の切断砥石車1
の周縁により切断が行われることになり、通常の従来の
切断砥石車1による切断と変りない状態となるからであ
る。
【0012】凹部4、凸部3の形状及び配置の他の例を
例えば図5、図6に示す。図5では側面2の凹部4の中
に多数の凸部3が島状に存在する。図5において、凹部
4が凸部3に、凸部3が凹部4になり、凸部3と凹部4
が図5と逆の配置であってもよい。図6は同心円と放射
状に延びる線で区画された各部に放射碁盤目状に凹部4
と凸部3を配置したものである(図6には凹部4及び凸
部3の一部のみを表示する。)。
【0013】切断砥石車5の側面9の凹凸の断面形状の
波16は図4に示す矩形波状に限定されるものではな
く、図7に示す鋸歯状波、図8に示す三角波状、図9に
示す台形波状、図10に示す略正弦波状等の何れの形状
も可能である。
【0014】図1に示すような放射状に凹部4と凸部3
を設ける場合には、上記同心円の断面における波16の
数は特に制限はないが、砥石車の直径やその使用目的に
応じて、3〜200の波数が用いられ、更に好ましくは
10〜100の波数が用いられる。例えば直径100mm
の切断砥石車1に対しては、15〜50の波数が好まし
く用いられる。凸部3と凹部4の部分の切断砥石車1の
厚みは特に制限はないが、例えば砥石車の両面に対称に
凹凸を設ける場合に、凹部4の部分の砥石車の厚み(砥
石車の最大厚み)Dを1.0〜4.0mm、凹部8の砥石
車の厚みdを0.5〜3.6mm、その比d/Dを0.5
〜0.95、更に好ましくは0.7〜0.9とすること
ができる。波16の波高hは0.1〜1mm、好ましくは
0.1〜0.5mm、更に好ましくは0.1〜0.25mm
で且つ切断砥石車1の凸部3の厚みDの2〜25%が好
ましく、3〜15%がより好ましく、5〜10%が更に
好ましい。この波高hがDの2%より小さいと、目詰ま
り防止、切削速度向上の効果が小さくなる。波高hがD
の25%より大きいと、砥石車のプレス成型の際、凹部
と凸部3の砥粒密度を略一定になるように成形するのが
困難となり、成形し焼成した切断砥石車1に歪が生じ易
くなり、砥石車全体の強度が低下する。波高hが小さい
程砥粒密度を略一定になるように成形するのが容易とな
る。又凹部4と凸部3の面積比は特に制限はないが、例
えば0.2〜1.0が選ばれ、0.4〜0.7が好まし
く用いられる。
【0015】波高hは全ての波で一定である必要はな
く、波により波高hを変化させることができる。波高h
の大、中、小の波をその順序に繰り返し循環的に配列す
る事もできる。
【0016】本発明の砥石車を製造するには、例えば図
1〜4に示す切断砥石車1の場合には、図11に示すよ
うに円筒5と下型6及び上型7よりなる金型8を用い
る。上型7及び下型6の中央にはそれぞれピン9を挿通
する中心孔10を有し、上型7の下面及び下型6の上面
に、放射状に矩形波状の波を形成するための波型11を
有する。
【0017】この金型8の円筒5の底部に下型6を嵌
め、その上に薄く後述の砥粒配合物12を入れ、全体を
一定の深さにならす。その上にガラス繊維等よりなる補
強布13を載置し、更に砥粒配合物12を一定の深さに
入れてその上を上型7で押さえ、上型7を若干回転又は
振動させることにより、砥粒配合物12の密度を略均一
に均し、油圧プレス装置で加圧する。必要に応じてガラ
ス繊維等よりなる補強布13を砥粒層の中間にもう一枚
挟んでプレスしてもよい。補強布13は砥粒配合物12
下両面に配してもよい。
【0018】本発明の砥石車の製造に用いられる砥粒は
炭化珪素、アルミナ、ジルコニヤ、金剛砂等公知の砥石
車用砥粒を用いることができる。又部分的にダイヤモン
ド砥粒を混合して用いることもできる。砥粒に結合剤と
してレゾール型或いはベンジリックエーテル型等の液状
フェノール樹脂及び粉状フェノール樹脂を配合して砥粒
配合物12とする。その配合割合は砥粒100重量部に
対し結合剤の量は15〜35重量部が適当であり、15
〜25重量部が更に好ましい。液状フェノール樹脂と粉
状フェノール樹脂の割合、及び配合量を調節して、砥粒
配合物の流動性を適宜調節することができる。本発明の
方法により砥石車を製造するためには、砥粒配合物の流
動性をさらさらと流動する適当な流動性に調節すること
が必要である。砥粒配合物12が流動性の小さい状態で
は、下面に波型11を有する上型7で砥粒層を押さえた
とき、波型11の凸部の下に当たる部分の砥粒3が水平
方向に容易に移動せず、その部分の砥粒密度が大きくな
ってしまい、成形された切断砥石車1の凹部4の砥粒密
度が凸部3の砥粒密度よりかなり大きくなり、切断砥石
車1全体の砥粒密度を略均一に保つことができなくな
る。又流動性が悪いと、プレス圧力が砥石車の内部まで
均等に伝達されず、表面に垂直な方向に均等なプレスが
困難となり、成形、焼成後の歪の発生の原因となる。
【0019】砥粒配合物12には更に有機溶媒その他の
液状の流動性調整剤を添加することができる。又、氷晶
石、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン等の粉状充填
剤、着色料等通常の砥石車の製造の際砥粒に配合する添
加物を適宜配合することができる。
【0020】金型8により砥粒配合物12をプレスする
圧力は特に制限はないが、通常100〜150kgf/cm 2
が用いられる。プレス温度は80〜100℃の通常のプ
レス温度が用いられる。
【0021】このようにして円板状に成型された砥粒成
型体は170〜180℃で約24時間かけて焼成され
る。最初の14時間で常温から170℃付近まで徐々に
昇温し、その後170〜180℃で約10時間保った
後、徐冷する。
【0022】本発明の砥石車のプレス成型物を焼成する
際に多数枚を積層して同時に成型する際には、焼成中に
砥石車が歪曲しないように、プレス成型物と厚み1〜2
mmの薄い鉄板を交互に重ねて積層し、50〜100枚プ
レス成型物を積層して、全体に荷重を加えつつ加熱焼成
すれば焼成中に、砥石車が歪曲することなく焼成するこ
とができる。
【0023】次に本発明の方法により砥石車を製造する
方法の一例について更に詳細に説明する。60メッシュ
の緑色炭化珪素粉末100重量部、液状フェノール樹脂
18重量部、氷晶石粉末充填剤650重量部、着色料少
量を混合し、砥粒配合物Aとする。一方60メッシュの
緑色炭化珪素粉末100重量部、液状フェノール樹脂3
重量部、粉状フェノール樹脂20重量部、氷晶石粉末5
重量部、着色料少量を混合し、砥粒配合物Bとする。砥
粒配合物AとBを適宜混合して用いる。砥粒配合物Aと
Bを3:7〜2:8の混合比で混合して、予め約70℃
に加熱した図7に示す金型8内の下型6の上に下部砥粒
層14aとして、約2mmの厚さに均一にならして敷き、
その上にフェノール樹脂液を含浸したガラス繊維よりな
る補強布13を敷く。更にその上に下部砥粒層14aと
同一の配合の砥粒配合物を上部砥粒層14bとして均一
な厚みに均して2mmの厚みに充填する。最後に金属製補
強リング15を砥粒層14の中央部の一番上に置く。こ
の砥粒層14の上に、放射状に凹凸が延びる矩形波状波
型11を下面に有する上型7を被せ、100t油圧プレ
スで80kgf/cm2 まで加圧して図1〜4に示す形状に成
型し、直径105mmの円板状のプレス成型物を得た。プ
レス温度は90℃である。このプレス成型物50枚をそ
れぞれ0.7mm圧の鉄板と交互に積層して焼成炉に入
れ、14時間かかって所定温度まで昇温し、その後10
時間その温度に保ったのち、そのまま放冷する。得られ
た切断砥石車1は歪が全くなく、完全な平板状の切断砥
石車1が得られた。
【0024】この切断砥石車1を用いて鉄板、真鍮板、
アルミニウム板の表面を切断したところ、砥石車の目詰
まりが全くなく、従来の通常の切断砥石車に比較して数
倍の速度で切断可能であり、また砥石車の寿命が長く、
使用中、砥石車のひび割れ、欠損等は全くなく、極めて
安全に作業することができる。
【0025】〔実施例〕上記の方法で直径105mm、上
面に放射状に矩形波状の波型11を有する下型6の上に
上部及び下部砥粒層の砥粒配合物AとBの配合比を3:
7とし、放射状に矩形波状の波型11を有する上型7で
プレスして(図11)、焼成し、凸部3の数18本、波
高h0.15mm、凸部3の厚み2.0mm、凹部4の厚み
1.7mm、の切断砥石車1を作製した。その切断砥石車
1により、3000及び4300rpm 、3kgf の荷重
で、直径16mmの鋼棒(SS11)よりなる加工物を切
断して試験した。その試験結果を表1に示す。切断速度
は波型のない上型7及び下型6を用いて全く同様に製作
した従来の切断砥石車を比較例として、比較例の切削速
度を1として、比較値で示す。
【表1】
【0026】
【作用】本発明の砥石車によれば、砥石車の表面に凹凸
があり、その凹部4と凸部3の内部の砥粒密度が略等し
く、切断砥石車1全体が歪のない均一な平板状切断砥石
車として成形される。この砥石車を回転して金属等を切
断すると、従来の通常の切断砥石車で切断する場合より
も、驚異的に切削速度が向上する。これは砥石車の凸部
3の角部から砥粒が脱落して、これがその隣の凹部4と
切削中の金属表面の間に入り、金属切削すると同時に、
砥石の表面を更新して、砥粒の隙間に詰まり易い金属微
粒を排除すると共に、脱落した砥粒及び切削された金属
粉が、切断砥石車1の凹部4と切断金属の間より、回転
する切断砥石車1の遠心力により速やかに外側に排出さ
れるためであると推定される。
【0027】本発明の切断砥石車1の表面の凹凸の波型
は、砥石車の回転中、砥石車と切削中の金属の摺動を中
断させることにより、砥石車及び切削金属を冷却し、砥
石車の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0028】本発明の切断砥石車5はダイヤモンド砥粒
を用いるダイヤモンド切断砥石車にも適用できる。その
際には高価なダイヤモンド砥粒は、通常の砥粒と混合し
て砥石車の周縁部のみに配することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の砥石車によれば、従来の通常の
切断砥石車に比較して、切断速度が大幅に向上し、軟質
金属を切断する場合でも砥石の目詰まりが全く生じな
い。砥石車の寿命が大幅に延び、砥石車の回転数を落と
しても高い切断速度が得られ、切断中の砥石車の破損の
虞もない。超硬特殊鋼は従来の切断砥石車では殆ど切断
不能であったが、本発明の切断砥石車では容易に切断可
能である。更に従来の通常の切断砥石車により金属材料
を切断した場合には、材料の最終切断部に必ず「切削ば
り」が発生し、このばりを回転砥石車等により研削除去
する必要があったが、本発明の切断砥石車1により切断
した場合には、最終切断部に切削ばりは全く発生せず、
ばりの研削除去の必要が全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の砥石車の一例の平面図である。
【図2】本発明の砥石車の一例の正面図である。
【図3】本発明の砥石車の一例のA−A断面図である。
【図4】本発明の砥石車の一例の円弧B−Bに沿う断面
図である。
【図5】本発明の砥石車の一例の平面図である。
【図6】本発明の砥石車の一例の平面図である。
【図7】本発明の砥石車の一例の平面図である。
【図8】本発明の砥石車の一例の平面図である。
【図9】本発明の砥石車の一例の平面図である。
【図10】本発明の砥石車の一例の平面図である。
【図11】本発明の砥石車の製造法を説明する断面図で
ある。
【符号の説明】
1 切断砥石車 2 側面 3 凸部 4 凹部 5 円筒 6 下型 7 上型 8 金型 9 ピン 10 中心孔 11 波型 12 砥粒配合物 13 補強布 14 砥粒層 15 金属製補強リング 16 波

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒を結合剤等と配合してなる砥粒配合物
    を円板状に圧縮成型し、焼成してなる切断砥石車におい
    て、該切断砥石車の片面又は両面に凹凸を設けると共
    に、該切断砥石車の内部の砥粒密度を略均一に形成した
    ことを特徴とする切断砥石車。
  2. 【請求項2】該凹凸が該切断砥石車の回転軸心を中心と
    する同心円のうち該切断砥石車の切断に使用される範囲
    内にある各同心円に沿った円弧状断面において、該凹部
    と該凸部が交互に配設された請求項1記載の切断砥石
    車。
  3. 【請求項3】該凹凸が該切断砥石車の中心部から外周部
    に向って略放射状方向に延びる凹部と凸部よりなり、且
    つ該切断砥石車の中心と同心の同心円に沿った断面にお
    ける該切断砥石車の表面の形状が矩形波状、鋸歯状波
    状、三角波状、台形波状、略正弦波状等の波状をなす波
    型である請求項1記載の切断砥石車。
  4. 【請求項4】該切断砥石車の中心と同心の同心円に沿っ
    た断面における該切断砥石車の表面の形状が矩形波状で
    ある請求項3記載の切断砥石車。
  5. 【請求項5】該波型の波高が0.1mm以上で且つ該切断
    砥石車の最大厚みの2〜25%である請求項1乃至4記
    載の砥石車。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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