JPH10156283A - 塗膜の形成方法 - Google Patents

塗膜の形成方法

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JPH10156283A
JPH10156283A JP8320255A JP32025596A JPH10156283A JP H10156283 A JPH10156283 A JP H10156283A JP 8320255 A JP8320255 A JP 8320255A JP 32025596 A JP32025596 A JP 32025596A JP H10156283 A JPH10156283 A JP H10156283A
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ether
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JP8320255A
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Junichi Hirose
淳一 廣瀬
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイパネル等の製造に有用
な方法であって、有効成分の分散性、成膜性に優れ、燃
焼後のバインダー残渣が少ない塗膜の形成方法を提供す
る。 【解決手段】 無水グルコース単位1個あたりの硝酸エ
ステル基置換度が0.2〜2.95、カルボキシアルキ
ルエーテル基置換度が0.05〜2.8であるカルボキ
シアルキルセルロースの硝酸エステル類をバインダーと
して含有する印刷用ペーストを基材上に塗工した後、バ
インダーを燃焼して除去し、印刷用ペーストに含有され
ている有効成分の塗膜を基材上に形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプラズマデ
ィスプレイパネル等を製造する際に有用な方法であっ
て、有効成分の分散性に優れた印刷用ペーストを基材上
に塗工した後、燃焼によって塗膜形成を行う方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フルカラーまたは多色のマトリックス表
示のプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略
す)の構造は、ガラス基板からなる表面基板と背面基板
とを張り合わせて構成されている。表面基板に蛍光体層
を形成するものを透過型、背面板に形成するものを反射
型という。例えば、透過型において、表面基板には表面
電極群とその上にAC駆動の為の誘電体層、保護層が形
成されている。
【0003】背面基板は背面電極群と、放電の広がりを
防止するためにアドレス電極間を仕切る低融点ガラスか
らなる隔壁と、この隔壁間の溝面を被覆する形でストラ
イプ状に各色を発光する発光層から形成されている。こ
れら、誘電体層、隔壁、蛍光体層はそれぞれ誘電体、低
融点ガラスフリット、蛍光体などの有効成分をバインダ
ーで分散させて印刷用ペーストを作製し、各種の方法で
基材上へ塗工した後、高温で焼成してバインダー分を揮
発させ、上記成分のみを基材上に成膜させる方法で形成
されている。
【0004】これらの形成方法に関して、エチルセルロ
ース、アクリル樹脂をバインダーとして使用することが
提案されているが、誘電体、低融点ガラスフリット、蛍
光体などの分散性が不十分となり、PDPの表示特性を
損なう事になる。また、これらのバインダーは、燃焼温
度が高いためにPDPの生産性が悪化したり、あるい
は、より軟化点の低い有効成分が使用できずに材料選択
性が制限されてしまうという問題点がある(例えば、特
開平6−267421号公報、特開平7−161298
号公報)。
【0005】低温燃焼性のバインダーとしては、ニトロ
セルロースが広く知られているが、有機溶剤の使用が必
須であり、有機溶剤の使用による臭気や毒性などの作業
環境衛生上または火災の危険などの問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な問題点がない方法であって、各工程で使用される有効
成分の分散性、成膜性に優れ、燃焼後のバインダーの残
渣が少なく、かつ作業環境に配慮した塗膜の形成方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決のためには、カルボキシアルキルセルロースの硝酸
エステル類が有効成分の分散性に優れ、かつ低温燃焼性
であるバインダーとして有用であることを見出し本発明
を完成するに至った。即ち、本発明は、無水グルコース
単位1個あたりの硝酸エステル基置換度が0.2〜2.
95、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05
〜2.8であるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エ
ステル類をバインダーとして含有する印刷用ペーストを
基材上に塗工した後、バインダーを燃焼して除去し、印
刷用ペーストに含有されている有効成分の塗膜を基材上
に形成させることを特徴とする塗膜の形成方法に関する
ものである。
【0008】PDPの製造における各工程の形成方法の
一例を以下に挙げる。カルボキシアルキルセルロースの
硝酸エステル類と有機溶剤、または水を含む有機溶剤を
攪拌機付きの容器中で攪拌してカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類を溶解しバインダー液を得る。
ここに各工程に必要な有効成分を加え、ニーダー、アト
ライター、サンドミルなどの分散機で分散し、各工程に
使用する印刷用ペーストを調製する。次に、印刷用ペー
ストを基材上に塗工、乾燥した後、焼成してバインダー
成分を揮発させ、有効成分のみからなる塗膜を形成す
る。
【0009】本発明において、バインダーとは、有効成
分を均一に分散させ、あるいは、有効成分を基材上に一
時的に固定し、かつ燃焼後は揮発して、有効成分同士ま
たは有効成分と基材を結合させうるものである。また
は、PDPの製造工程において、一時的に成膜し印刷工
程の補助的役割をした後、最終的には燃焼して揮散する
ものをいう。
【0010】本発明において、印刷用ペーストとは、上
記バインダーと低融点ガラスフリット、蛍光体、誘電体
などの有効成分からなる組成物のことをいう。本発明に
用いる基材としては、ガラス板などが挙げられるが、特
に限定されるものではない。本発明で使用するカルボキ
シアルキルセルロースの硝酸エステル類とは、カルボキ
シアルキルセルロース中に含まれる硝酸エステル基置換
度が0.2〜2.95、カルボキシアルキルエーテル基
置換度が0.05〜2.8であり、詳しくは特開平5−
39301号公報、特開平5−39302号公報に示さ
れた水性セルロース誘導体を言う。硝酸エステル基置換
度が、0.2未満では必ずしも低温燃焼性が十分である
とはいえず、2.95を越えると慣用の硝化方法では調
製が困難となる。また、カルボキシアルキルエーテル基
置換度が、0.05未満では水または水と有機溶剤の混
合物への溶解性が十分とは言えず、2.8を越えると必
ずしも低温燃焼性が十分であるとはいえない。
【0011】本発明において、カルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類の硝酸エステル基置換度の好ま
しい範囲は0.2〜2.2であり、カルボキシアルキル
エーテル基置換度の好ましい範囲は0.05〜1.5で
ある。本発明で使用するカルボキシアルキルセルロース
の硝酸エステル類は、有機溶剤はもちろんのこと、水ま
たは水を含む有機溶剤に溶解させることができる。それ
らの溶剤への溶解性を上げるためにカルボキシアルキル
セルロースの硝酸エステル類に含まれるカルボキシル基
の一部、あるいは全部が中和されていてもかまわない。
【0012】中和のためには、アルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アミ
ン等の陽イオンの1種または2種以上を用いることが出
来る。燃焼後の残渣が少ないという点で、アンモニウム
イオンや有機アミンなどが好ましい。また、中和の程度
は目的とする溶液の水、有機溶剤等の組成や、目的とす
る印刷用ペーストの粘度に応じて任意に決定される。
【0013】本発明で使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類の溶解に使用できる有機溶剤と
しては、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコ
ール類の誘導体、ケトン類、エステル類、カーボネート
類等の中から選ばれる1種または2種以上の組み合わせ
からなる溶剤が挙げられる。アルコール類としては、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプ
タノール、n−オクタノール、n−ノニルアルコール、
n−デカノール、n−ウンデカノールまたは、これらの
異性体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、α
−テルピネオール等が挙げられる。
【0014】多価アルコール類としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0015】多価アルコールの誘導体類としては、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸セ
ロソルブ等、または有機合成化学協会編の溶剤ポケット
ブック(p479〜p574;1990年9月20日、
オーム社発行)に記載された多価アルコールとその誘導
体類が挙げられる。
【0016】ケトン類としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エ
ステル、酪酸エステル、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、及び、εーカプロラクトン、εーカプロ
ラクタム等の環状エステル類が挙げられる。
【0017】エーテル類としては、ジエチルエーテル、
イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン
等が挙げられる。カーボネート類としては、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカー
ボネート、エチレンカーボネート等が挙げられる。
【0018】芳香族としては、トルエン、キシレンなど
が挙げられる。本発明で使用するカルボキシアルキルセ
ルロースの硝酸エステル類に、燃焼温度などを調整する
目的で高分子化合物を混合しても良い。高分子化合物と
しては、天然高分子、合成高分子、半合成高分子のいず
れであっても良いが、例えば、石灰処理ゼラチン、酸処
理ゼラチン、酵素処理ゼラチンなどのゼラチン誘導体、
フタール酸、マレイン酸、フマール酸などの二塩基酸の
無水物と反応したゼラチン等の各種ゼラチン、酸化でん
ぷん、エーテル化でんぷんなどのでんぷん類、エチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースな
どのセルロース誘導体、結晶セルロース、ポリアルキレ
ンオキサイドおよびそれらの誘導体、ポリアクリル酸、
ポリメタアクリル酸またはそのエステル、塩類及びそれ
らの共重合体、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート
及びその共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
ピリジウムハライド、各種鹸化度のポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変性、両性のポリビニルアルコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リビニルエーテル、アルキルビニルエーテル・無水マレ
イン酸共重合体、スチレン・無水マレイ酸共重合体、及
びそれらの塩、ポリエチレンイミンなどの合成ポリマ
ー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタアクリ
レート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合
体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・マレイン
酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸エステル
共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビ
ニル共重合体ラテックス、アクリル酸エステル重合体、
メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル共重合
体などのアクリル系重合体または共重合体のラテック
ス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックスあるいはこれ
らの各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量
体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、
尿素樹脂などの熱硬化性合成樹脂、ポリメチルメタクリ
レート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマー、ポリビニルブチ
ラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂を挙げることが
できる。これらは単独あるいは併用して使用しても問題
ない。
【0019】本発明で使用する有効成分の一例を次に示
す。蛍光体としては、ハロリン酸カルシウム・錫・マン
ガン化合物、有機蛍光染料、硫化亜鉛・銀化合物、タン
グステン酸カルシウムなどがあり、具体的には赤色とし
てY23:Eu、Y2SiO5:Eu、Y2Al612:E
u、Zn3(PO4):Mn、YBO3:Eu、(Y、G
d)BO3:Eu、ScBO3:Eu、LuBO3:Eu
等、青色としてY2SiO5:Ce、CaWO4:Pb、
BaMgAl1423:Eu等、緑色としてZn2Si
4:Mn、BaMgAl1423等が挙げられる。また
は、無機化学ハンドブック編集委員会編の無機化学ハン
ドブック(p1082〜p1099;1986年8月2
5日、技報堂出版株式会社発行)に記載された蛍光体が
挙げられる。
【0020】誘電体としては、ロッシェル塩、チタン酸
バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、酸化
鉛、金、銀、銅等が挙げられる。フリットガラスとして
は、ホウケイ酸ガラス、ケイ酸ガラス、鉛ガラスなどが
挙げられる。詳しくは、化学大辞典No.2,p516
〜p518(共立出版刊行;昭和56年)に記載されて
いるガラス類が挙げられる。
【0021】また、以上の各有効成分を必要に応じて混
合して使用する事もできる。本発明において、印刷用ペ
ーストの有効成分(A)とバインダー(B)の比率は、
使用する有効成分の種類に応じて任意に選択されるもの
であるが、重量比でA/B=100/0.01〜100
/100重量%が好ましく用いられる。バインダー量が
0.01重量%よりも少ないと有効成分の分散性が必ず
しも十分ではなく、100重量%を越えると、有効成分
の含有量が少なくなり、基材への塗工量が増加し、生産
性が必ずしも満足できるものとはならない。
【0022】本発明で使用する印刷用ペーストには、本
発明の特性を損なわない範囲で公知の添加剤が使用でき
る。例えば、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、耐光性向上剤、保存性向上剤、酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
鉄、酸化コバルトなどの顔料等が挙げられる。本発明に
おいて、印刷方法は、エアドクタコーター、ロッドコー
ター、ナイフコーター、リバースロールコーター、トラ
ンスファロールコーター、キスコーター、キャストコー
ティング、スプレイコーター、スロットオリフィスコー
ター、カレンダコーター、ブレードコーター、グラビア
コーター、カーテンコーター、ロールコーター、スクリ
ーン印刷などの公知の方法を適用することができる。
【0023】本発明においては、カルボキシアルキルセ
ルロースの硝酸エステル類をバインダーとして用いるこ
とによって、低融点ガラスフリット、蛍光体、誘電体、
導電体等の分散性、バインダーを燃焼した後の有効成分
の成膜性に優れ、バインダーを燃焼した後の残渣が少な
い塗膜形成方法を提供することができる。また、必要に
応じて、有機溶剤量を低減することが可能で、作業環境
の改善にも適している。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に説明する。なお、評価方法は下記の通りである。 [ペーストの評価方法]有効成分をバインダーで分散した
後の、溶液の状態を目視判定する。 ○:経時的に安定、△:24時間後に分離・硬化、×:
混合直後に分離・硬化 [分散性]ガラス基板上に一時的に成膜した後の、塗膜表
面の小さな固まり(ブツ)を目視判定する。
【0025】○:塗膜にブツ無し、△:24時間後に分
離・硬化、×:混合直後に分離・硬化 [成膜性]バインダーを燃焼除去した後の、塗膜のワレ等
の成膜状態を目視判定する。 ○:良好、△:多少ワレあり、×:ワレ有り
【0026】
【製造例1】カルボキシメチルセルロース(セロゲンP
L−15;第一工業製薬(株)製;カルボキシメチルエ
ーテル基置換度=0.5)100gと、硫酸/硝酸/水
=63/25/12重量%からなる酸混合物5000g
を5リットルの反応容器中に入れ、5〜10℃で60分
間撹拌を継続しながら硝化反応を行う。反応生成物を遠
心分離機で除酸し、直ちに多量の水で洗浄する。更に、
反応生成物をオートクレーブ中で10%スラリーとし、
140℃で30分間処理した後、ブフナー漏斗で分離し
て反応生成物を回収した。
【0027】反応生成物を80℃で2時間乾燥して、1
20gのカルボキシメチルセルロースの硝酸エステルを
得た。この硝酸エステルの無水グルコース単位1個あた
りの硝酸エステル基置換度は、カルボキシメチルセルロ
ースのカルボキシメチルエーテル基置換度(0.5)
と、CHNコーダーによる窒素含有量の測定より2.0
であるとわかった。
【0028】次に、ここで得られた無水グルコース単位
1個あたりの硝酸エステル基置換度が2.0、カルボキ
シメチルエーテル基置換度が0.5のカルボキシメチル
セルロースの硝酸エステル100gと、イオン交換水7
0.6g、ブチルセロソルブ790gを密閉型混合機に
入れ、撹拌を行った。さらに中和剤として10%アンモ
ニア水を39.4g添加した。加温しながら完全に溶解
させ、固形分10%の溶液を得た(これをバインダー液
Aとする)。
【0029】
【製造例2】製造例1で得られた無水グルコース単位1
個あたりの硝酸エステル基置換度が2.0、カルボキシ
メチルエーテル基置換度が0.5のカルボキシメチルセ
ルロースの硝酸エステル100gと、イオン交換水50
g、ブチルセロソルブ850gを密閉型混合機に入れ撹
拌を行った。加温しながら完全に溶解させて、固形分1
0%の溶液を得た(これをバインダー液Bとする)。
【0030】
【実施例1】ガラスフリット(比表面積:1310cm
2/g、平均粒径:6.4μm、密度:7.19g/c
3、転移点:289℃、屈伏点:314℃、軟化点3
61℃)100重量部に対してバインダー液Aを固形分
換算で1重量部添加し、均一になるまでニーダーで混練
して印刷用ペーストを得た。これをアプリケーター(1
0mil)でガラス板上に塗工し、80℃、15分間乾
燥する。その後、バインダーを燃焼して除去し、ガラス
フリットによる塗膜を得た。
【0031】
【実施例2】バインダー液Aをバインダー液Bに変更し
た以外は、実施例1と同様にして塗膜を得た。
【0032】
【比較例1】カルボキシメチルセルロース(カルボキシ
メチルエーテル基置換度=0.7)50g、イオン交換
水850g、イソプロピルアルコール100gを混合機
に入れ、完全に溶解するまで撹拌を行い、固形分5%の
溶液を得た(これをバインダー液Cとする)。
【0033】次に、バインダー液Aをバインダー液Cに
変更した以外は、実施例1と同様にして塗膜を得た。
【0034】
【比較例2】エチルセルロース100g、酢酸ブチル9
00gを混合機に入れ、完全に溶解するまで撹拌を行
い、固形分10%の溶液を得た(これをバインダー液D
とする)。次に、バインダー液Aをバインダー液Dに変
更した以外は、実施例1と同様にして塗膜を得た。
【0035】以上の実施例、比較例の結果を表1に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の方法は、無水グルコース単位1
個あたりの硝酸エステル基置換度が0.2〜2.95、
カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05〜2.
8であるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル
類をバインダーとして使用する事によって、有効成分の
分散性が良好な印刷用ペースト得ることができ、バイン
ダー燃焼後の残渣が少なく、成膜性が優れるという特徴
を有する塗膜の形成方法である。
【0038】このため、PDPだけでなく、カラーブラ
ウン管、発光ダイオード、カラーフィルターや配向膜や
偏光板などの各種液晶材料、エレクトロルミネッセン
ス、蛍光表示管、蛍光灯などのように、顔料分散や、燃
焼による脱バインダー工程を必要とするあらゆる分野に
応用できる。また、必要に応じて有機溶剤含有量の少な
い溶剤を使用することも可能であるために、作業環境の
改善も可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 101/26 C09D 101/26 G09F 9/30 G09F 9/30 C H01J 17/49 H01J 17/49 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水グルコース単位1個あたりの硝酸エ
    ステル基置換度が0.2〜2.95、カルボキシアルキ
    ルエーテル基置換度が0.05〜2.8であるカルボキ
    シアルキルセルロースの硝酸エステル類をバインダーと
    して含有する印刷用ペーストを基材上に塗工した後、バ
    インダーを燃焼して除去し、印刷用ペーストに含有され
    ている有効成分の塗膜を基材上に形成させることを特徴
    とする塗膜の形成方法。
JP8320255A 1996-11-29 1996-11-29 塗膜の形成方法 Withdrawn JPH10156283A (ja)

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