JPH10156123A - 排煙分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】排煙から煙や臭いの分散粒子を効率良く分離す
ることができ、小形化が可能な排煙分離装置を提供す
る。 【解決手段】この排煙分離装置は、ケーシング１の下部
に設けられた水槽部２が設けられ、ケーシング１内に設
けられ底部を開口した吸気室４と、吸気室４に接続され
排煙を吸入する排煙ダクト１１と、吸気室４の両側方か
ら上方にかけてのケーシング１内に縦に形成された分離
通路５と、吸気室４の両側壁の下端と水槽部２内の水面
との間に形成され吸気室４と分離通路５内を連通させる
狭窄通気路６と、を備え、分離通路内に空気流を蛇行さ
せるように位置をずらして複数の当て板５ａを設け、ケ
ーシング１の上部に分離通路内の空気を吸引するブロワ
３を設けて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、厨房や焼肉料理店
などから出る排煙から、煙や臭い等の分散粒子を分離し
て回収する排煙分離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、厨房や焼肉料理店などから出る排
煙は、通常、そのまま大気中に放出されるため、煙、臭
い、気化油などの分散粒子を付近に放出してしまう問題
があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで、空気中の分散
粒子を分離して回収する集塵機或は粒子分離装置を使用
して、煙、臭い、気化油などの分散粒子を分離・回収す
ることが検討されたが、フィルターを用いた分離装置で
は、保守・点検が煩雑であり、また、スプレークリーニ
ング等を用いる粒子分離装置では、装置が大形化し、料
理店などでは設置が難しいという問題があった。

【０００４】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、排煙から煙や臭いの分散粒子を効率良く分離するこ
とができ、小形化が可能な排煙分離装置を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の排煙分離装置は、ケーシングと、ケーシン
グの下部に設けられた水槽部と、ケーシング内に設けら
れ底部を開口した吸気室と、吸気室に接続され排煙を吸
入する排煙ダクトと、吸気室の両側方から上方にかけて
のケーシング内に縦に形成された分離通路と、吸気室の
両側壁の下端と水槽部内の水面との間に形成され吸気室
と分離通路内を連通させる狭窄通気路と、分離通路内の
空気流を蛇行させるように位置をずらして設けられた複
数の当て板と、ケーシングの上部に取付けられ分離通路
内の空気を吸引するブロワと、を板えて構成される。

【０００６】

【作用・効果】このような構成の排煙分離装置では、ブ
ロワが運転されると、ブロワの吸引力により排煙ダクト
を通して排煙を含む空気が吸気室内に強力に吸引され、
吸気室から両側の狭窄通気路を通過して分離通路に空気
が流れ、水槽部の水面上の狭窄通気路に高速空気流が発
生する。そして、水面上の狭窄通気路を流れる高速空気
流によって、水槽部内の水が剥ぎ取られるように巻き上
げられ、霧状となった水を含む空気流がガイド板を通
り、分離通路内に入る。

【０００７】分離通路内では、蛇行通路を形成する当て
板によって、気流が巻くように上昇し、各所に渦巻が発
生する。空気流に含まれる煙、臭い等の分散粒子は霧状
の水の粒子に付着し、その霧状の水は渦巻による遠心力
により当て板に当り、そこで空気から分離した水が当て
板に残り滴下する。分散粒子を含んだ水は、当て板から
水槽部内に滴下して戻り、煙、臭い等の分散粒子を殆ど
除去された後の清浄な空気は、ブロワを通り大気中に排
気される。

【０００８】このように、ブロワの吸引力によって吸気
室内に吸引された排煙は、両側に設けた狭窄通気路を通
過して、両側の分離通路を上昇する間、霧状の水にその
分散粒子が付着して分離・回収されるため、煙や臭いを
効率良く分離・回収することができる。また、両側に分
離通路があるため、装置も比較的小形化することができ
る。

【０００９】さらに、狭窄通気路の外側で分離通路の真
下に断面円弧形の凹状に曲折したガイド板を設ければ、
狭窄通気路の外側に良好な渦巻を形成して水槽内の水を
効率良く巻上げることができる。また、分離通路の真下
に滴下した水を受ける水受板を設けて受けた水を狭窄通
気路と反対側に戻すようにすれば、水槽内の水を良好に
循環させることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１１】図１は排煙分離装置の正面図を示し、この
装置は、箱形のケーシング１内の底部に水槽部２を形成
し、ケーシング１の上部にブロワ３を取付け、ケーシン
グ１内の略中央に吸気室４を設け、ケーシング１内の吸
気室４の両側から上方に分離通路５を設けて構成され
る。

【００１２】ブロワ３はその吸気口をケーシング１の上
部に接続して取付けられ、ブロワ３の吐出口には排気ダ
クト１０が接続される。直方体箱形の吸気室４は、ケー
シング１内の略中央に左右側方と上方に空間を設け、そ
の下部を水槽部２側に開口して形成される。吸気室４の
背面側つまりケーシング１の背面側に排煙を吸入するた
めの排煙吸入口４ａが開口・形成され、排煙吸入口４ａ
に排煙ダクト１１が接続される（図２）。吸気室４の正
面側には点検扉４ｂが設けられる。

【００１３】分離通路５はケーシング１内の吸気室４の
両側から上部にかけて形成され、分離通路５の上端はブ
ロワ３の吸気口に連通される。吸気室４の両側の側壁の
下端と水槽部２内の水面との間に、狭窄された（例えば
高さ２０〜３０mm）の狭窄通気路６が両側に吸気室４の
側面幅だけ形成される。

【００１４】また、その狭窄通気路６の外側に、断面円
弧状で凹状曲面を有するガイド板７が両側に設けられ
る。このガイド板７によって狭窄通気路６近傍で発生し
た高速空気流に渦巻流を生じさせる。ガイド板７の上側
部に、分離回収した粒子を含む汚水を受ける水受板８が
両側の分離通路５の真下に配設される。この水受板８
は、滴下した汚水を受けて狭窄通気路６とは反対側に落
すように傾斜して設けられる。ガイド板７の下半分は水
槽部２内に位置し、ガイド板７の中間位置付近に水槽内
の水面が位置する。

【００１５】両側の分離通路５内には、各所に当て板５
ａが交互に突出して配置され、霧状に舞上ったが水に排
煙中の分散粒子を付着させ、その分散粒子を付着させた
霧を当て板５ａに当てて水分を滴下させる。

【００１６】水槽部２の両側はケーシング１から少し両
側に突き出し、その突出部分に水槽内の汚れを点検・回
収するための蓋２ａが設けられる。また、水槽部２内の
水位を常時自動的に保つために、水槽部２内に給水する
給水管にボールタップが設けられる。

【００１７】このような構成の排煙分離装置は、例え
ば、厨房や焼肉料理店に設置され、煙が発生する場所に
開口した排煙ダクト１１の末端が本装置の背面側に接続
される。そして、水槽部２内には所定の水位まで水が入
れられ、その水面の高さは所定の高さ（２０〜３０mm）
の狭窄通気路６が得られる位置に設定され、その水位は
給水管のボールタップにより自動的に保持される。

【００１８】ブロワ３が運転されると、ブロワ３の吸引
力により排煙ダクト１１を通して排煙を含む空気が吸気
室４内に強力に吸引され、吸気室４から両側の狭窄通気
路６を通過して分離通路５に空気が流れ、特に、水槽部
２の水面上の狭窄通気路６に高速空気流が発生する。水
面上の狭窄通気路６を流れる高速空気流によって、水槽
部２内の水が剥ぎ取られるように巻き上げられ、霧状と
なった水を含む空気流がガイド板７を通り、分離通路５
内に入る。

【００１９】分離通路５内では、両側から交互に突出し
た当て板５ａによって、気流が巻くように上昇し、各所
に渦巻が発生する。空気流に含まれる煙、臭い等の分散
粒子は霧状の水の粒子に付着し、その霧状の水は渦巻に
よる遠心力により当て板５ａに当り、そこで空気から分
離した水が当て板５ａに残り滴下する。分散粒子を含ん
だ水は、当て板５ａから水受板８上に滴下し、水受板８
上から狭窄通気路６と反対側の水槽部２内に戻る。煙、
臭い等の分散粒子を殆ど除去された後の清浄な空気は、
ブロワ３、排気ダクト１０を通り大気中に排気される。

【００２０】このように、ブロワ３の吸引力によって吸
気室４内に吸引された排煙は、両側に設けた狭窄通気路
６を通過して、両側の分離通路５を上昇する間、霧状の
水にその分散粒子が付着して分離・回収されるため、煙
や臭いを効率良く分離・回収することができ、また、両
側に分離通路５があるため、装置も比較的小形化するこ
とができる。

【００２１】なお、煙や臭いの粒子は水槽部２内の水に
回収されるため、使用により水槽内の水の汚れが進む
が、そのような場合には、水槽部２の蓋２ａを明けて水
と共に汚れを除去する。また、水の汚れにより、そこか
ら臭いが発生する場合には、水の中に有効微生物（バク
テリア）を含む消臭剤を適量投入すれば、臭いの発生や
腐敗菌の増殖を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す排煙分離装置の正面図
である。

【図２】同装置の平面図である。

【図３】図１の III− III断面図である。

【図４】図１に対応した部分断面付き正面図である。

【符号の説明】

１−ケーシング ２−水槽部 ３−ブロワ ４−吸気室 ５−分離通路 ５ａ−当て板 ６−狭窄通気路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングと、該ケーシングの下部に設
   けられた水槽部と、該ケーシング内に設けられ底部を開
   口した吸気室と、該吸気室に接続され排煙を吸入する排
   煙ダクトと、該吸気室の両側方から上方にかけての該ケ
   ーシング内に縦に形成された分離通路と、該吸気室の両
   側壁の下端と該水槽部内の水面との間に形成され該吸気
   室と該分離通路内を連通させる狭窄通気路と、該分離通
   路内の空気流を蛇行させるように位置をずらして設けら
   れた複数の当て板と、該ケーシングの上部に取付けられ
   該分離通路内の空気を吸引するブロワと、 を備えたことを特徴とする排煙分離装置。
2. 【請求項２】 前記狭窄通気路の外側で前記分離通路の
   真下に断面円弧形の凹状に曲折したガイド板が設けられ
   たことを特徴とする請求項１記載の排煙分離装置。
3. 【請求項３】 前記分離通路の真下に滴下した水を受け
   る水受板が設けられたことを特徴とする請求項１記載の
   排煙分離装置。