JPH10156077A - 偏平縫いミシンの上送り装置 - Google Patents

偏平縫いミシンの上送り装置

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JPH10156077A
JPH10156077A JP8320517A JP32051796A JPH10156077A JP H10156077 A JPH10156077 A JP H10156077A JP 8320517 A JP8320517 A JP 8320517A JP 32051796 A JP32051796 A JP 32051796A JP H10156077 A JPH10156077 A JP H10156077A
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JP
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sewing machine
rod
arm
support
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Application number
JP8320517A
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English (en)
Inventor
Toshirou Mitsutsuji
登四郎 三辻
Kunihiko Komatsu
邦彦 小松
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
Original Assignee
Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送り棒の支持構造を簡素化して加工工数の低
減を図ると共に、縫製生地の厚さの相違に拘わらず、上
送り歯の送り量を一定に保ち、確実な送り動作を行わせ
ることができるようにする。 【解決手段】 ミシンアームAの下面に連設された支持
ハウジングH内に、支持アーム10の基端を略水平な支軸
11により枢支する。この支持アーム10の先端に送り棒1
の中途部を、支軸11と平行をなす枢支ピン12により枢支
する。これにより送り棒1の上下動を、支軸11を中心と
する支持アーム10の揺動により許容し、送り棒1の前後
揺動を、枢支ピン12を枢軸として行わせ、これらの組み
合わせにより、送り棒1の下端に取り付けた上送り歯1a
に送り動作を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンベッド内部の送
り歯(下送り歯)に同期した送り動作をなす送り歯(上
送り歯)をミシンベッドの上部に備え、両送り歯により
縫製生地の上下に送り力を加えて針落ち位置に送り込む
ようになした偏平縫いミシンの上送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ミシンによる縫製は、ミシンベッド上に
供給される縫製生地をミシンアームから垂下された押え
金により針落ち位置の前後に亘って挾持し、一般的に
は、ミシンベッドに内蔵された送り歯により、前記縫製
生地に送りを加えて行われる。前記送り歯は、ミシンベ
ッド内部の主軸に公知の送り機構を介して連結され、ミ
シン各部の動作に連動して送り方向に沿う略鉛直な面内
での長円運動を行い、この運動軌跡の上部においてミシ
ンベッド上に突出し、この突出時に前記押え金の下面と
の間に縫製生地を挾圧して送り力を付与する構成となっ
ている。
【0003】ところがこの構成においては、縫製生地
に、その下側からのみ送り力が加えられるため、例え
ば、滑り易い素材からなる縫製生地を複数枚重ねて縫製
する場合等、送り力が加わる下側の生地と押え金に沿っ
て滑動する上側の生地との間にずれが生じ易いという問
題があり、縫いずれのない良好な縫製品を得るために
は、針落ち位置の前側において作業者の手加減による微
妙な送り調節を要し、生産性の向上を阻害する一因とな
っている。
【0004】そこで各種の工業用ミシンにおいては、ミ
シンベッド内部の本来の送り歯(下送り歯)と同期した
送り動作をなす送り歯(上送り歯)を、針落ち位置前の
ミシンベッド上に配し、ミシンベッド上に供給される縫
製生地を上下の送り歯間に挾持して、縫製生地の上下両
側に送り力を付与する上送り装置が装備されることがあ
る。
【0005】この種の上送り装置を備える偏平縫いミシ
ンは、例えば、特開平7-328258号公報に開示されてい
る。図4は、この上送り装置の構成を示すミシンアーム
の先端部の側断面図である。図中Aはミシンアームであ
り、該ミシンアームAには、その下端に押え金2aが取り
付けられた押え棒2が、また、該押え棒2の前側(図の
右側)に位置して送り棒1が、更に、該送り棒1の背面
側に隠れて、その下端に針3が取り付けられた針棒が、
下方に対向する図示しないミシンベッドに向けて夫々垂
下支持されている。
【0006】上送り歯1aは、送り棒1の下端に、針3の
降下位置(針落ち位置)の直前に位置して取り付けられ
ており、送り棒1の後述する動作により、図示しない下
送り歯と同様に、縫製生地の送り方向(図の右側から左
側に向かう方向)を含む面内にて長円運動を行うように
なしてある。
【0007】ミシンアームAは、送り棒1が貫通する前
側のあご部に、縫製生地の送り方向と直交する水平方向
に円孔を備えた軸受け支持台30を内蔵しており、該支持
台30の前記円孔には、円柱形をなす軸受け駒31が回動可
能に嵌合保持させてある。前記送り棒1は、前記軸受け
駒31の略中心位置に、これの回動軸と直交する向きに形
成された挿通孔に挿通されて、ミシンアームAの内部に
延長されており、軸受け駒31の挿通孔に沿う摺動により
上下動可能であり、また、軸受け支持台30に対する軸受
け駒31の回動により前後に揺動可能となっている。
【0008】ミシンアームAの内部には、その後側上部
に上下送り軸32が、また後側に連設された室内に前後送
り軸33が配してあり、これらは、ミシンアームAに内蔵
された図示しない上軸に連繋され、該上軸の回転に応じ
て所定の角度範囲にて揺動するようになしてある。前後
送り軸33には、その先端を上向きとしてレバー34が固定
され、また上下送り軸32には、その先端を下向きとして
レバー36が固定されており、レバー34の上端は、ミシン
アームAの内部への前記送り棒1の上端に連設された湾
曲棒37の上端にリンク35を介して連結され、またレバー
36の下端は、送り棒1の中途部にその下端を係合させた
伸縮ロッド39の上端にリンク38を介して連結されてお
り、リンク38と伸縮ロッド39の連結部は、ミシンアーム
A内に設定された支点40にリンク41を介して連結されて
いる。
【0009】以上の構成により、送り棒1は、レバー34
及びリンク35を介して湾曲棒37の上端に伝達される前後
送り軸33の揺動に応じて軸受け駒31を枢軸として揺動
し、この揺動に伴い送り棒1の下端に取り付けた上送り
歯1aが、所定のストロークにて前後動する一方、上下送
り軸32の揺動は、レバー36及びリンク38を介して伸縮ロ
ッド39に伝達され、該伸縮ロッド39の上端が支点40を中
心としリンク41の長さを半径とする円弧運動を行い、こ
の運動が下端の係合部を介して送り棒1に伝達され、該
送り棒1が軸受け駒31の挿通孔に沿って摺動し、下端に
取り付けた上送り歯1aが上下動することとなり、この上
下動と前記前後動との組み合わせにより、前述した長円
運動が達成される。
【0010】送り棒1の中途に係合する伸縮ロッド39に
はコイルばね42が外嵌してあり、該コイルばね42のばね
力により上送り歯1aは、下位置での後動に際して押え金
2により押え付けられた縫製生地の上面に弾接し、該縫
製生地の厚さの相違を許容しつつ送りを付与する構成と
なっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の如く
構成された従来の上送り装置において、上送り歯1aに良
好な動作を行わせるためには、送り軸1を支持すべくミ
シンアームAのあご部に設けた軸受け支持台30と軸受け
駒31との嵌合部の加工、軸受け駒31に形成された送り軸
1の挿通孔の内周加工、及び送り軸1の対応部分の外周
加工高い精度が要求され、多大の工数を要するという問
題があった。
【0012】また、上送り歯1aの上下動が送り軸1の前
後揺動の支点となる軸受け駒31に対する送り軸1の摺動
を伴って行われるため、揺動支点としての軸受け駒31と
送り軸1の下端に取り付けた上送り歯1aとの間の距離L
1 と、前後揺動のための力点となる湾曲棒37の先端と軸
受け駒31との間の距離L2 とが、上送り歯1aの上下に応
じて互いに逆向きに変化する一方、前述の如く上送り歯
1aは、縫製生地の厚さに追随して上下する結果、上送り
歯1aの前後動ストロークが縫製生地の厚さに応じてわず
かながら変化し、正確な送り量の設定が難しいという問
題があった。
【0013】更に、前後揺動の支点となる軸受け駒31
が、上送り歯1aの作用位置となるミシンベッドの上面か
ら大きく離れて位置することから、前記送り動作に伴っ
て上送り歯1aに作用する反力による送り棒1の撓みが大
きく、確実な送り動作がなされなくなる虞れがあり、特
に、縫製速度の高速化を図るためには、軸受け駒31から
上送り歯1aに至る間の部位に高い剛性が要求されるとい
う難点があった。
【0014】前記撓みの低減には、軸受け駒31の位置を
ミシンベッドに近付け、該軸受け駒31と上送り歯1aとの
間の距離L1 を短くすることが有効であるが、このよう
にした場合、軸受け駒31と前後揺動のための力点との間
の距離L2 に対する相対比率の変化により、縫製生地の
厚さに応じた上送り歯1aの前後動ストロークの変化量が
顕著となり、正確な送り量の設定が更に難しくなるとい
う不都合がある。
【0015】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、送り棒の支持構造を簡素化し、加工工数の低減
に寄与し得ると共に、縫製生地の厚さの相違に拘わらず
一定の送り量を確保しつつ確実な送り動作を行わせるこ
とができる偏平縫いミシンの上送り装置を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る偏平縫いミ
シンの上送り装置は、ミシンアームの先端部にその中途
を支持された送り棒の上端をミシンアームに内蔵された
送り機構に連繋し、該送り機構からの伝動により前記送
り棒をその支持部を中心として前後に揺動させつつ上下
動させて、ミシンアームの下面を貫通する前記送り棒の
垂下端に取り付けた上送り歯の動作により、針落ち位置
に送り込まれる縫製生地の上面に送りを付与する構成と
した偏平縫いミシンの上送り装置において、前記ミシン
アームの下面に、前記送り棒の貫通部を含んで連設され
た支持ハウジングと、該支持ハウジングの内部にその基
端を、前記送り棒の中途部にその先端を夫々枢支された
支持アームとを備え、該支持アームの前記支持ハウジン
グに対する揺動により前記送り棒の上下動を許容する構
成としてあることを特徴とする。
【0017】この発明においては、ミシンアームの下面
に連設された支持ハウジング内に、略水平な軸回りに揺
動自在に支持アームの基端を枢支し、この支持アームの
先端を送り棒の中途に略水平な軸回りに揺動自在に枢支
して、送り棒の上下動を支持アームの揺動により許容し
つつ、支持アームの先端の枢軸を中心として送り棒の前
後揺動を行わせる。この構成により、送り棒の揺動支点
と上送り歯との距離は常に一定となり、縫製生地の厚さ
の相違に拘わらず所望の送り量を正確に実現する。また
送り棒の支持位置を、送り量に影響を及ぼすことなくミ
シンアームの下面よりも下の支持ハウジング内に設定
し、送り棒自体の剛性を高めることなく上送り歯の支持
剛性を高め、確実な送りを可能とする。
【0018】更に加えて、前記送り棒と前記支持アーム
との枢支部を、上下及び前後への移動可能に支えるガイ
ド部材を備えることを特徴とする。
【0019】この発明においては、前記支持アームによ
り支持されて上下動、及び前後の揺動をなす送り棒を、
支持アームの枢支部においてガイド部材により支え、上
下動及び揺動に伴う横ぶれを阻止し、上送り歯の動作を
より確実に行わせる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る上送
り装置を備えた偏平縫いミシンのミシンアーム先端部の
側断面図である。図中Aはミシンアームであり、該ミシ
ンアームAには、図4に示す従来の偏平縫いミシンにお
けると同様に、その下端に押え金2aが取り付けられた押
え棒2が、また、該押え棒2の前側(図の右側)に位置
して送り棒1が、更に、該送り棒1の背面側に隠れて、
その下端に針3が取り付けられた針棒が、下方に対向す
る図示しないミシンベッドに向けて夫々垂下支持されて
いる。
【0021】上送り歯1aは、針3の降下位置(針落ち位
置)の直前にその作用部を位置決めして送り棒1の下端
に取り付けられており、送り棒1の後述する動作によ
り、縫製生地の送り方向(図の右側から左側に向かう方
向)を含む面内にて長円運動を行い、運動軌跡の下半部
での後動時に、押え金2a下に供給される図示しない縫製
生地の上面に当接し、ミシンベッド内部の図示しない下
送り歯との共働により前記縫製生地に送りを加える構成
となっている。
【0022】送り棒1の上部は、ミシンアームAの前部
内側に進入させてあり、該当位置においてミシンアーム
Aの下面に、下方に張り出す態様に連設された支持ハウ
ジングHの内部に支持されている。支持ハウジングHの
内部には、送り棒1の貫通位置の後側に短寸の支持アー
ム10は、前後方向と略直交する略水平な支軸11によりそ
の基端を支えて、該支軸11を枢軸として揺動可能に取り
付けてある。該支持アーム10の先端は、前方に延設され
ており、前記支軸11と略平行をなす枢支ピン12により送
り棒1の中途部に連結されている。
【0023】以上の構成により送り棒1は、支軸11を枢
軸とする支持アーム10の揺動に応じて上下動可能であ
り、また、支持アーム10先端の枢支ピン12を支点として
前後に揺動可能である。
【0024】図2は、図1のII−II線による拡大断面図
であり、支持アーム10の先端と送り棒1との連結部の構
成が示されている。本図に示す如く支持アーム10の先端
は、二股状に分岐させてあり、またこれとの連結部とな
る送り棒1の中途部は、矩形断面を有しており、両者の
連結は、支持アーム10先端の二股を送り棒1に、これの
両側面を挾持する態様に嵌め込み、これらを、重なり方
向と直交する方向に打設した枢支ピン12により連結して
なされている。
【0025】この連結部を臨む支持ハウジングHの前部
内面には、上下方向に適宜の長さを有し、コの字形断面
をなすガイド部材13が固設されており、このガイド部材
13は、図2に示す如く、支持アーム10先端の二股部に、
これの外側を挾持する態様に嵌め合わせてある。このよ
うに配したガイド部材13は、支持アーム10の先端部とこ
れに連結された送り棒1とを、前述の如く生じる上下動
及び前後の揺動の方向に、その長さ範囲内において案内
すると共に、これらの動作に伴って生じる横ぶれを阻止
する作用をなす。従って、送り棒1の上下動及び前後の
揺動は、横ぶれを伴うことなく安定して行われる。
【0026】ミシンアームAの内側に進入する送り棒1
の上端には、前後送りロッド14が連結してある。該前後
送りロッド14は、略水平を保って後方に延設され、後側
に配された上下送りブロック15に軸長方向への摺動自在
に嵌挿されている。上下送りブロック15は、その後側下
部をミシンアームA内部の該当位置に、略水平をなして
設定された支軸16に支持させ、該支軸16を中心として上
下に所定の角度範囲にて揺動可能となっている。
【0027】前記支軸16は、ミシンアームAの後側下部
に設定された固定支軸17にリンク18を介して連結されて
おり、上下送りブロック15及びこれに保持された前後送
りロッド14は、固定支軸17を中心とするリンク18の揺動
により、一括して引上げられるようになしてある。この
引上げは、縫製生地のセットのための前記押え金2の引
上げ(押え上げ)に際し、これと共に上送り歯1aを引上
げるために行われるものであり、縫製中において前記リ
ンク18は図示の状態に位置決めされており、該リンク18
の先端の支軸16は、固定支軸として機能するようになし
てある。
【0028】一方、ミシンアームAの内部には、その後
側上部に上下送り軸20が、これの下位置に前後送り軸21
が夫々配してあり、これらは、ミシンアームAに内蔵さ
れた図示しない上軸に各別のエキセンを介して連繋さ
れ、該上軸の回転に応じて所定の角度範囲にて反復回動
するようになしてある。上下送り軸20には、上下送りレ
バー22が、また前後送り軸21には、前後送りレバー23
が、夫々の先端を下向きとして固定されており、上下送
りレバー22の先端は、前記上下送りブロック15の後側に
上向きに突設された連結アーム 15aの先端にリンク24を
介して連結され、また前後送りレバー23の先端は、上下
送りブロック15の後側に突出する前後送りロッド14の後
端にリンク25を介して連結されている。
【0029】上下送りブロック15の前側上部には、前記
支軸16を中心とする揺動軌跡に略直交する方向に平坦化
して押さえ面 15bが形成されており、該押さえ面 15bに
は、ミシンアームAの天面から内部に向けて延設された
押さえロッド26の下端が、前記揺動軌跡の法線に沿う方
向から当接させてある。
【0030】押さえロッド26は、その上部をミシンアー
ムAの上面に形成されたねじ孔に螺合させると共に、ミ
シンアームAの内部に固定されたロッド受け27によりそ
の下端部の近傍を支持させ、前記当接姿勢を保ってい
る。押さえロッド26の前記押さえ面 15bへの当接端は、
自身に内蔵された図示しない押さえばねにより突出方向
に付勢され、上下送りブロック15を下向きに押圧する作
用をなしており、この押圧力は、ミシンアームAの上部
への押さえロッド26の突出端に設けた押さえ調節ねじ28
の操作により、強弱に変更できるようになしてある。
【0031】以上の構成により、上軸の回転に応じて上
下送り軸20が反復回動した場合、これに基端を固定され
た上下送りレバー22が揺動し、この揺動がリンク24及び
連結アーム 15aを介して上下送りブロック15に伝達さ
れ、該上下送りブロック15が、押さえロッド26の押し付
け力に抗して支軸16を中心として上下に揺動し、この揺
動が、上下送りブロック15に保持された前後送りロッド
14を介して送り棒1の上端に伝えられ、該送り棒1が、
上端の引上げ及び押し下げにより、前述の如く、支持ア
ーム10の揺動を伴って上下動し、該送り棒1の下端に取
り付けた上送り歯1aが上下動する。
【0032】また一方、上軸の回転に応じて前後送り軸
21が反復回動した場合、これに基端を固定された前後送
りレバー23が揺動し、この揺動がリンク25を介して前後
送りロッド14に伝達され、該前後送りロッド14が上下送
りブロック15を案内として軸長方向に摺動し、これの前
端に連結された送り棒1の上端に前後方向の押し引き力
が加わり、該送り棒1は、前記枢支ピン12を揺動中心と
して前後に揺動し、この揺動に伴い、送り棒1の下端に
取り付けた上送り歯1aが所定のストロークにて前後動す
る。
【0033】上下送り軸20の回動と前後送り軸21の回動
とは、ミシンアームAに内蔵された上軸からの伝動によ
り一括して生じ、上送り歯1aにおいては、前述した上下
動と前後動とが組み合わされて生じ、前述した長円運動
が達成される。
【0034】本発明に係る上送り装置においては、以上
の動作をなす送り棒1が支持アーム10により支持され、
支軸11を中心とする支持アーム10の揺動を伴って上下動
するようになしてあり、また送り棒1の前後揺動が、支
持アーム10の先端の枢支ピン12を支点として生じるか
ら、この揺動支点と送り軸1の下端に取り付けた上送り
歯1aとの間の距離L1 と、同じく前後揺動のための力点
となる上送り軸1の上端との間の距離L2 とは、上送り
歯1aの上下位置に拘わらず不変であり、常に一定の前後
動ストロークを確保でき、正確な送り量の設定が可能と
なる。
【0035】送り棒1を支持する支持アーム10は、その
基端を支持ハウジングHの内部に支軸11により枢支し、
また、その先端を送り棒1の中途部と枢支ピン12により
枢支した構成となっており、この支持構造を実現するに
は、支持アーム10の当該位置に、支軸11及び枢支ピン12
に適宜の嵌合隙間を有して嵌入する円孔を形成し、また
送り棒1の該当位置に、枢支ピン12に適宜の嵌合隙間を
有して嵌入する円孔を形成する加工を必要とするが、こ
の種の円孔加工は、汎用の工作機械を用いて高精度に実
施でき、図4に示す如く、軸受け支持台30と軸受け駒31
とにより送り棒1を支持する従来の支持構造と比較した
場合、加工工数を大幅に削減することができる。
【0036】また、以上の如く送り棒1を支持する支持
アーム10を、送り量に影響を及ぼすことなく、ミシンア
ームAの下面に連設された支持ハウジングHの内部、即
ち、上送り歯1aに近付けて配設することができ、送り棒
1の長さ、特に、支持位置から上送り歯1aに至る下部長
さを短縮でき、送り棒1の撓み変形による動作不良の発
生を抑え、確実な送りが可能となる。
【0037】更に、送り棒1の枢支位置にガイド部材13
を設けたことにより、送り棒1の上下動及び前後揺動に
伴う横ぶれを有効に阻止でき、上送り歯1aの送り動作を
より確実に行わせることが可能となり、これらにより、
縫製速度の高速化への対応が容易となる。
【0038】ガイド部材13は、送り棒1の上下動及び前
後揺動を許容しつつ、これに伴う横ぶれを阻止するもの
であり、前述の如く、送り棒1への揺動支点となる支持
アーム10の枢支部に配するのが望ましいが、送り棒1の
軸長方向の他の位置に配することも可能である。図3
は、ガイド部材13の他の配設態様の一例を示すものであ
り、この図においてガイド部材13は、ミシンアームAの
内部に固定され、支持アーム10による支持位置の上側に
おいて送り軸1の中途部を挾持する構成としてある。
【0039】なお、以上の実施の形態において、送り棒
1に上下動及び前後揺動を行わせるべくミシンアームA
の内部に配された送り機構の構成が、図4に示す従来の
構成と大きく相違しており、本発明においては、上下送
りのために揺動する上下送りブロック15に前後送りロッ
ド14を保持させ、送り棒1の上下動は、これの上端に連
結された前後送りロッド14を上下送りブロック15と共に
揺動させて実現し、送り棒1の前後揺動は、上下送りブ
ロック15のガイドにより前後送りロッド14を軸長方向に
摺動せしめて実現しており、これらの動作、特に、送り
棒1の前後揺動が、上下送りブロック15による強固な支
持により安定して行われることから、高速動作の実現が
容易であり、送り棒1の支持構成の改良と合わせて、縫
製速度の高速化への対応が可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る偏平縫い
ミシンの上送り装置においては、ミシンアームの下面に
連設された支持ハウジング内に支持アームを枢支し、こ
の支持アームの先端を送り棒の中途に略水平な軸回りに
揺動自在に枢支して、送り棒の上下動を支持アームの揺
動により許容しつつ、支持アームの先端の枢軸を中心と
して送り棒の前後揺動を行わせ、該送り棒の下端に取り
付けた上送り歯に送り動作を行わせる構成としたから、
送り棒の揺動支点と上送り歯との距離が、上送り歯の上
下動位置の如何に拘わらず常に一定となり、縫製生地の
厚さの相違に拘わらず正確な送り量を確保でき、また送
り棒の支持位置を送り量に影響を及ぼすことなくミシン
アームの下面よりも下に設定でき、上送り歯の支持剛性
が高められ、確実な送り動作が可能となり、更に、送り
棒の支持構造が簡素化されて加工工数の低減が図れる。
【0041】更には、送り棒と支持アームとの枢支部
を、上下及び前後への移動可能にガイド部材により支え
たから、上下動及び揺動に伴う送り棒の横ぶれを有効に
阻止でき、上送り歯の送り動作をより確実に行わせるこ
とが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上送り装置を備えた偏平縫いミシ
ンのミシンアーム先端部の側断面図である。
【図2】図1のII−II線による拡大断面図である。
【図3】本発明に係る上送り装置を備えた偏平縫いミシ
ンの他の実施の形態を示すミシンアーム先端部の側断面
図である。
【図4】従来の上送り装置を備えた偏平縫いミシンのミ
シンアーム先端部の側断面図である。
【符号の説明】
1 送り棒 1a 上送り歯 2 押え棒 2a 押え金 3 針 10 支持アーム 13 ガイド部材 14 前後送りロッド 15 上下送りブロック 20 上下送り軸 21 前後送り軸 22 上下送りレバー 23 前後送りレバー A ミシンアーム H 支持ハウジング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンアームの先端部にその中途を支持
    された送り棒の上端をミシンアームに内蔵された送り機
    構に連繋し、該送り機構からの伝動により前記送り棒を
    その支持部を中心として前後に揺動させつつ上下動させ
    て、ミシンアームの下面を貫通する前記送り棒の垂下端
    に取り付けた上送り歯の動作により、針落ち位置に送り
    込まれる縫製生地の上面に送りを付与する構成とした偏
    平縫いミシンの上送り装置において、前記ミシンアーム
    の下面に、前記送り棒の貫通部を含んで連設された支持
    ハウジングと、該支持ハウジングの内部にその基端を、
    前記送り棒の中途部にその先端を夫々枢支された支持ア
    ームとを備え、該支持アームの前記支持ハウジングに対
    する揺動により前記送り棒の上下動を許容する構成とし
    てあることを特徴とする偏平縫いミシンの上送り装置。
  2. 【請求項2】 前記送り棒と前記支持アームとの枢支部
    を、上下及び前後への移動可能に支えるガイド部材を備
    える請求項1記載の偏平縫いミシンの上送り装置。
JP8320517A 1996-11-29 1996-11-29 偏平縫いミシンの上送り装置 Pending JPH10156077A (ja)

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