JP2023151091A - 押え装置、ミシン、及び押え装置の装着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも簡単な構成で、押え足が被縫製物に加える押圧力を変更できる押え装置、ミシン、及び押え装置の装着方法を提供すること。【解決手段】押え装置9は、第一部材7、第二部材6、及び案内部67を備える。第一部材7は、ミシンの押え棒に装着される装着部を有し、下方に付勢された押え棒と共に上下方向に移動する。第一部材7は、ベッド部に載置された被縫製物を下方に押圧する押え足5を支持する。第二部材6は、押圧部80と当接する当接部65、68を有し、第一部材7が押え棒に装着され、且つ、第二部材6が押え足5を支持した場合に、第一位置と第二位置との間を移動できる。第一位置は、当接部65、68が押圧部80と当接する位置である。第二位置は、当接部65、68が押圧部80から離隔する位置である。案内部67は、第一部材7に対する第二部材6の移動を案内する。【選択図】図6
Description
本発明は、押え装置、ミシン、及び押え装置の装着方法に関する。
従来のミシンの押え装置は、連結部材、移動部材、及び弾性部材を備える(例えば、特許文献1参照)。連結部材は、ミシン主軸に連結され、揺動する。移動部材は、連結部材の揺動に伴い上下動する。弾性部材は、移動部材と押え棒との間に配置され、移動部材の移動により押え棒に付与する弾性力を変化させる。押え装置は、送り歯が針板より下面に位置する時よりも、送り歯が針板より上昇している時に、弾性部材の付勢力が大きくなるように、移動部材を移動させることで、ミシン主軸に連動して、押え棒の下端に設けた押え足に加える付勢力を変化させる。
従来のミシンの押え装置では、押え足が被縫製物に加える押圧力を変更するための構成が複雑である。
本発明の目的は、従来よりも簡単な構成で、押え足が被縫製物に加える押圧力を変更できる押え装置、ミシン、及び押え装置の装着方法を提供することである。
本発明の第一態様に係る押え装置は、ミシンの押え棒に装着される装着部を有し、下方に付勢された前記押え棒と共に上下方向に移動する第一部材と、前記ミシンのベッド部に載置された被縫製物を前記下方に押圧する押え足を支持する第二部材であって、前記第一部材の少なくとも一部又は前記押え棒の少なくとも一部である押圧部と当接可能な当接部を有し、前記第一部材が前記ミシンの前記押え棒に装着され、且つ、前記第二部材が前記押え足を支持した場合に、前記当接部が前記押圧部と当接する第一位置と、前記当接部が前記押圧部から離隔した第二位置との間を移動可能な前記第二部材と、前記第一部材に対する前記第二部材の移動を案内する案内部とを備える。第一態様の押え装置は、押え棒の上下方向の位置に応じて、第一部材に対する第二部材の位置を変更できる。押え装置は、ミシンにリンク機構等の連結部材といった複雑な機構を要せず、従来のよりも簡単な構成で、押え足が被縫製物に加える押圧力を変更できる。
本発明の第二態様に係るミシンは、ミシンモータと、下端に縫針を装着可能であり、前記ミシンモータの駆動に応じて上下方向に移動する針棒と、前記縫針を挿通する針穴が形成された針板と、前記ミシンモータの駆動に同期して、前記上下方向に移動する押え棒と、前記押え棒の下端部に装着される、第一態様の押え装置とを備える。第二態様のミシンは、押え棒の上下方向の位置に応じて、第一部材に対する第二部材の位置を変更できる。ミシンは、リンク機構等の連結部材といった複雑な機構を要せず、従来のよりも簡単な構成で、押え足が被縫製物に加える押圧力を変更できる。
本発明の第三態様に係る押え装置の装着方法は、第一態様の押え装置の装着方法であって、前記第二部材を前記第一位置に配置した状態で、前記押え装置のユーザが、前記第一部材の前記装着部を、前記ミシンの前記押え棒に装着する装着工程を備える。第三態様に係る押え装置の装着方法に従って押え棒に装着された第一態様の押え装置は、押え装置が押え棒に装着される際の第二部材の位置を第一位置に調整できる。
本発明の第四態様に係る押え装置の装着方法は、第一態様の押え装置の装着方法であって、前記第二部材を、前記第二部材の内の前記押圧部と当接する当接部が、前記押圧部から前記上下方向に最も離隔した離隔位置よりも前記第一位置側に配置した状態で、前記押え装置のユーザが、前記第一部材の前記装着部を、前記ミシンの前記押え棒に装着する装着工程を備える。第四態様に係る押え装置の装着方法に従って押え棒に装着された第一態様の押え装置は、押え装置が押え棒に装着される際の第二部材の位置を離隔位置よりも第一位置側の位置に調整できる。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1を参照して、押え装置9が装着されたミシン1の物理的構成を説明する。図1の上下方向、右下方、左上方、左下方、右上方が、各々、押え装置9が装着されたミシン1の上下方向、右方、左方、前方、及び後方である。ベッド部11及びアーム部13の長手方向がミシン1の左右方向である。脚柱部12が配置されている側が右側である。脚柱部12の伸長方向がミシン1の上下方向である。
図1に示すように、ミシン1は、ベッド部11、脚柱部12、アーム部13、及び頭部14を備える。ベッド部11は、左右方向に延びるミシン1の土台部であり上面に針板3を備える。ベッド部11は針板3の下方に、釜機構20及び送り機構23を備える。釜機構20は、下軸21及び水平釜22を備える。水平釜22は、下軸21の回動に応じて回動し、針板3の下方において上糸(図示略)を下糸(図示略)に絡ませる。送り機構23は、ミシンモータ2の駆動に応じて、送り歯19(図8(A)参照)を駆動することで被縫製物C(図8(A)参照)を後方又は前方に搬送する。脚柱部12は、ベッド部11の右端部から上方へ立設される。脚柱部12の上部内部には、ミシンモータ2が設けられる。脚柱部12の前面には、LCD15が設けられる。LCD15の前面にはタッチスクリーン16が設けられる。脚柱部12の右面には、プーリ28が設けられている。
アーム部13は、ベッド部11に対向して脚柱部12の上端から左方へ延びる。頭部14は、アーム部13の左先端部に連結する部位である。頭部14には、針棒31、針棒機構30、及び押え棒8等が設けられる。針棒31の下端には、針抱き36が固定されている。針抱き36は、縫針35を取り外し可能に固定する。針棒31は、針抱き36を介して、下端に縫針35を装着可能である。針棒機構30は、ミシンモータ2、主軸27、リンク機構33、及び針棒抱き32を備える。主軸27は、ミシンモータ2の駆動に応じて回転し、ミシンモータ2の動力を、図2に示すリンク機構33及び針棒抱き32を介して針棒31に伝達する。針棒抱き32は、針棒31に固定される。針棒機構30は、ミシンモータ2の駆動に応じて針棒31を上下方向に移動する。主軸27は、ユーザによりプーリ28が回動された場合にも回動する。
図2に示すように、押え棒8は、針棒31の後方において上下方向に延び、ミシンモータ2の駆動に同期して、上下方向に移動する。押え棒8には、押えバネ81、押え棒抱き82、及びレバー90が設けられる。押えバネ81は、押え棒8を下方に付勢する。押えバネ81は、押え棒8に外挿されたコイルバネである。押え棒抱き82は、押え棒8に固定され、押えバネ81の下端と接触して押えバネ81の下端位置を規定する。
レバー90は、押え棒8の上下方向の位置を手動で切り替える。レバー90は、軸部91、凸部92、93、当接部95、及び操作部94を備える。軸部91は、頭部14の内部に設けられる。凸部92、93は、軸部91の近傍において、軸部91から離れる側に突出した部分である。当接部95は凸部92の左方、且つ、軸部91の周囲に設けられた、軸部91から離れる側に突出する凸部である。
操作部94は、軸部91から最も離れた部位である。ユーザは、操作部94を指等の操作体で操作することで、レバー90を、軸部91を中心に平面視時計回り又は反時計回りに回動し、押え棒8を上昇位置と、下降位置とに切り替えることができる。図2は、操作部94が軸部91に対し下方に配置され、押え棒8が下降位置にある状態を示す。押え棒8が下降位置にある時、当接部95は軸部91の上方に位置する。図2の状態から操作部94が正面視反時計回りに回動され、軸部91に対し操作部94が右下方に配置された場合、レバー90の凸部92は押え棒抱き82の下面83に当接して、押え棒8を上昇位置に移動させる。押え棒8が上昇位置にある時、レバー90は、凸部92と凸部93の間で、押え棒抱き82の下面83と当接する。ユーザは、押え棒8を上昇位置に配置した状態で、被縫製物Cを配置する作業、又は回収する作業を行う。
ミシン1は、押え棒8の下端に、図2に示す従来の押え装置99、又は図3に示す本例の押え装置9を取り外し可能に装着できる。押え装置99、9は何れも、押え足5を取り外し可能に装着する。図2に示すように、押え棒8に従来の押え装置99が装着され、押え足5が下降位置にある場合、押え棒抱き82はレバー90と上下方向に離隔する。押え棒8に従来の押え装置99が装着され、押え棒8が下降位置にある場合、押え足5は針板3に載置された被縫製物Cと接触し、被縫製物Cを下方に押圧する。従来の押え装置99が押え棒8に装着された場合、ミシン1の針棒31が上下方向に一往復する間に、ミシン1の押え棒8と連結された押え棒抱き82がミシン1のレバー90と当接することはない。つまり、従来の押え装置99が押え棒8に装着され、押え棒8が下降位置に配置された場合、ミシン1の針棒31が上下方向に一往復する間、押え棒抱き82はレバー90と離隔し、押え足5には、常に押えバネ81からの付勢力が伝達される。
図4及び図5に示すように、押え足5は、平面視前後方向に長い矩形板状である。押え足5の前端部と後端部とは各々上方に湾曲している。押え足5の前部には、切欠き部59が形成される。押え足5の後部には、切欠き部56が形成される。切欠き部59は、押え足5の左右方向の中心Mにおいて、押え足5の前端から後方に向かって平面視R字状に形成される。押え足5を支持する押え装置9又は押え装置99が押え棒8の下端に装着され、ミシン1が駆動された場合、切欠き部59の後端部には、縫針35が挿通される。切欠き部56は、押え足5の左右方向の中心Mにおいて、押え足5の後端から前方に向かって平面視矩形状に形成される。押え足5は一対の軸支持部51、及び左右方向に延びる軸53を備える。一対の軸支持部51は、切欠き部59の後方、且つ切欠き部56の前方において、押え足5の上面から上方に突出する部分である。一対の軸支持部51は、互いに左右方向に離隔して、前後方向に延びる。一対の軸支持部51には各々左右方向に貫通する孔52が形成され、軸53は孔52に挿通された状態で、一対の軸支持部51によって保持される。
本例の押え装置9は、第一部材7、第二部材6、案内部67、及び第一付勢部材4を備える。第一部材7は、ミシン1の押え棒8に装着される装着部73を有し、押え棒8に押え装置9が装着された場合に、下方に付勢された押え棒8と共に上下方向に移動する。第一部材7は、本体部75、前部71、案内部72、押圧部80を備える。本体部75は、本体部75の右面から左方に凹む装着部73が形成された平面視C状の部分である。本体部75の左面には、左右方向に貫通し、装着部73と連通する長孔74が形成されている。長孔74は上下方向に長い楕円状である。本体部75は、装着部73の後方に上下方向に貫通する挿通部76が形成されている。前部71は、本体部75の前面下部から前方に突出した部分である。案内部72は、前部71の下面から下方に突出する円柱状の部分である。押圧部80は、第一部材7の少なくとも一部又は押え棒8の少なくとも一部である。本例の押圧部80は、第一部材7の一部であり、より具体的には、押え装置9の前部71及び本体部75の下面である。
第二部材6は、ミシン1のベッド部11に載置された被縫製物Cを下方に押圧する押え足5を支持する。第二部材6は、平面視矩形板状である。第二部材6は、本体部64、凹部63、69、案内部67、三つの当接部65、二つの当接部68、及び前部60を備える。本体部64は前後方向に長い板状である。第二部材6の本体部64の上下方向の長さは、第一部材7の上下方向の長さよりも短い。凹部63、69は、本体部64の前後方向の中心部において、下方に凹んだ部分である。凹部69は、凹部63の右方に設けられ、凹部69の上面の上下位置は、凹部63の上面の上下位置よりも下方にある。
案内部67は、凹部63、69の後方において、本体部64の上面から上方に円柱状に突出する。案内部67の上下方向の長さは、第一部材7の本体部75の上下方向の長さよりも長い。案内部67は、第一付勢部材4が外挿された状態で、第一部材7の挿通部76に挿通される。第一付勢部材4は、コイルバネである。挿通部76に挿通された案内部67は、第一部材7を上下方向に貫通し、案内部67の上端には止め輪78が装着される。止め輪78は、第二部材6に対する第一部材7の上下方向の移動範囲を規定する。第一付勢部材4の上端は、挿通部76に設けられた当接部79に当接し、第一付勢部材4の下端は第二部材6の本体部64の上面に当接する。第一付勢部材4は、第一部材7がミシン1の押え棒8に装着された状態において、第二部材6を下方に、押え棒8からの押圧力よりも小さい付勢力で付勢する。案内部67は、第一部材7に対する第二部材6の移動を案内する。案内部67は第二部材6に固定された軸状である。第一部材7の挿通部76は、案内部67を挿通することで、第二部材6の下方に交差する方向の移動を制限する。
図5に示すように、三つの当接部65は、凹部63、69の後方において、案内部67を囲うように配置される。三つの当接部65は各々、本体部64の上面から上方に突出した凸部である。三つの当接部65は、案内部67の右前部、左前部、及び後部に設けられる。本体部64は、凹部63、69の後方に、本体部64を上下方向に貫通する挿通部62が形成される。挿通部62には、第一部材7の案内部72が上側から挿通される。挿通部62に挿通された案内部72は第二部材6を貫通しない。案内部72と案内部67とは、第一部材7がミシン1の押え棒8に装着された場合に、交差する前後方向において、装着部73を間にして、配置される。案内部72は、第一部材7に固定され、案内部67は、第二部材6に固定される。
二つの当接部68の内の一方は、凹部63、69の前方、且つ、挿通部62の右部に設けられ、他方は、挿通部62の左部に設けられる。二つの当接部68は各々、本体部64の上面から上方に突出した凸部である。三つの当接部65及び二つの当接部68の上端は各々略同じ上下位置にある。前部60は、本体部64の前面から前方に突出した部分である。前部60は、左右方向に貫通する孔61が形成される。第二部材6に押え足5が装着される場合、第二部材6は、左右方向において、押え足5の一対の軸支持部51の間に配置され、孔61には軸53が挿通される。押え足5は、第二部材6によって、軸53周りに揺動可能に支持される。
第二部材6は、第一部材7がミシン1の押え棒8に装着され、且つ、第二部材6が押え足5を支持した場合に図6(A)に示す第一位置と、図6(B)に示す第二位置との間を移動可能である。図6(A)に示すように、第一位置は、第二部材6の三つの当接部65及び二つの当接部68が押圧部80と当接する位置である。図6(B)に示すように、第二位置は、第二部材6の三つの当接部65及び二つの当接部68が押圧部80から離隔した位置である。図6(B)の第二位置は、第二部材6の内の三つの当接部65及び二つの当接部68が、押圧部80から上下方向に最も離隔した離隔位置である。三つの当接部65及び二つの当接部68と、押圧部80との間の距離は、離隔位置で最大になる。
図7を参照して、押え装置9の装着方法について説明する。押え装置9の装着方法では、送り歯19の上端が針板3の上面よりも上方にある期間に、押え棒抱き82がレバー90の当接部95と当接している期間と、押え棒抱き82がレバー90の当接部95と離隔している期間とができるように、押え装置9を押え棒8に装着する。具体的には、ユーザは、レバー90を操作して、レバー90の凸部92により押え棒抱き82を持ち上げ、押え棒8を上昇位置に配置する。ユーザは、プーリ28を操作して、針棒31を針棒31の上下方向の揺動範囲の上端である上端位置付近に配置する(S1)。針棒31が上端位置付近にある時、縫針35は針板3の上方に位置する。ユーザは、針板3の上面と、縫針35との間に、被縫製物Cを配置する(S2)。ユーザは、レバー90を操作して、押え棒8を下降位置に配置し、押え足5を装着した押え装置9を押え棒8に対して仮配置する(S3)。具体的には、ユーザは、第一部材7の装着部73に押え棒8の下端部を配置し、第一部材7の長孔74と、押え棒8のネジ孔84(図8(A)参照)とにネジ41(図8(A)参照)を挿通して、押え棒8の下端部に押え装置9を仮止めする。第二部材6には凹部69が形成されているので、ユーザは、押え棒8の下端部の位置を、第二部材6の下端より下方になる位置、且つ、押え棒8の下端が第二部材6に当接しない位置に調節できる。
ユーザは、送り歯19の上端を所定位置に調整する(S4)。S4の位置は、押え装置9の装着条件を考慮して設定されればよい。本例の装着方法では、ユーザは、第二部材6を第一付勢部材4の付勢力に抗して第一位置又は第一位置に近づけた位置に配置した状態で、押え装置9を押え棒8に装着する。第一位置に近づけた位置は、第二部材6が離隔位置よりも第一位置側、つまり上方に配置される位置である。三つの当接部65及び二つの当接部68と、押圧部80との間の距離は、第一位置に近づけた位置での距離の方が、離隔位置での距離よりも小さい。このため、S4の位置は、送り歯19の移動可能範囲の上端位置を除く位置が設定される。本例S4の位置は、期間P2の何れかの位置、又は期間P1及びP2の境界の位置が設定される。つまりS4の位置では、押え棒抱き82と、レバー90の当接部95とは上下方向に当接する。ユーザは、S4で、プーリ28を操作して送り歯19の位置を調整してもよいし、タッチスクリーン16を操作して、送り歯19を所定位置に移動させる指示を入力し、ミシン1は指示に基づきミシンモータ2を駆動し、自動で送り歯19の位置を変更してもよい。ミシン1が、針棒31の移動とは独立して、送り歯19のみを針板3の下方に移動させる、送り歯ドロップ機能を備える場合、ユーザはタッチスクリーン16を操作して、送り歯ドロップ機能により送り歯19を所定位置に移動する指示を入力し、ミシン1は指示に基づき送り歯ドロップ機能の動力を制御して送り歯ドロップ機能により送り歯19の位置を変更してもよい。ユーザは、押え足5が被縫製物Cと当接する状態を維持しつつ、第一付勢部材4の付勢力に抗して第一部材7を第二部材6側に移動させて、押圧部80を第二部材6の三つの当接部65及び二つの当接部68と当接させる位置、又は押圧部80と、第二部材6の三つの当接部65及び二つの当接部68とが僅かに離隔する位置に配置する(S5)。ユーザは、S5の位置で、押え棒8のネジ孔84にネジ41を締結し、押え棒8の下端に押え装置9の第一部材7を装着する(S6)。以上の操作により、ユーザは、押え装置9を押え棒8の下端部に装着する作業を終了する。
押え棒抱き82及び押え棒8の上下位置は、送り歯19の上下位置に応じて変更される。上記の装着方法に従って、本例の押え装置9は、ミシン1の針棒31が上下方向に一往復する間に、押え棒抱き82の下面83がレバー90の当接部95に当接して、レバー90により押え棒8の移動範囲の下端が規定される上下方向の位置に取り付けられる。つまり、上記押え装置9の装着方法に従って装着された押え装置9では、送り歯19の上端の位置に応じて、押え棒抱き82がレバー90の当接部95と当接するか、押え棒抱き82がレバー90の当接部95と離隔するかが切り替えられる。この時、図8(A)に示すように、縫針35の下端が針板3の上方にある所定時、第二部材6は第一位置にある。所定時は、送り歯19の上端が針板3よりも上側に配置されることで、押え足5及び押え装置9を介して押え棒8が送り歯19により上側に持ち上げられ、押え棒抱き82がレバー90の当接部95と離隔する期間である。図9に示すように、本例の所定時は、期間P1で示す期間である。第一位置にある第二部材6は、押圧部80を介して受けた押え棒8からの下方に向かう押圧力を押え足5に伝達する。
一方、図8(B)に示すように、縫針35の下端が針板3の下方にある時、第二部材6は第二位置にある。第二位置にある第二部材6は、押え棒8からの押圧力を押え足5に伝達しない。縫針35の下端が針板3の下方にある時、送り歯19の上端は針板3の上面よりも下側に配置されるので、押え棒8が送り歯19により持ち上げられることはない。このため、押え棒8は、S3の位置、即ち、押え棒抱き82の下面83がレバー90の当接部95に当接する位置にあり、針棒31の上下位置によらずそれ以上下降しない。この状態では、図9に示すように、押えバネ81の付勢力は、レバー90に付与され、押え装置9を介して押え足5に付与されることはない。図9では、期間P1において押え足5に加えられる押圧力を100として、期間P2において押え足5に加えられる押圧力を表している。期間P2において押え足5に加えられる押圧力は、期間P1において押え足5に加えられる押圧力に比べ小さい。第二部材6は、押え棒抱き82の下面83がレバー90の当接部95に当接する時の送り歯19の位置から送り歯19の上端が針板3の下方に位置する迄の間、第一付勢部材4の付勢力により押え足5が被縫製物Cに当接する位置迄下降する。これにより、第一部材7の押圧部80と、第二部材6の三つの当接部65及び二つの当接部68とが上下方向に離隔する。第一部材7がミシン1の押え棒8に装着され、且つ、第二部材6が第二位置にある状態において、第二部材6は、押え足5に第一付勢部材4による付勢力を伝達する。このように、第一部材7がミシン1の押え棒8に装着され、且つ、第二部材6が押え足5を支持した場合に、押え棒抱き82がレバー90の当接部95と当接している期間では、第二部材6は第二位置に配置され、押え棒抱き82がレバー90の当接部95と離隔している期間では、第二部材6は第一位置に配置される。つまり、第二部材6の位置は、送り歯19の上端の上下位置に応じて切り替えられる。
図10を参照して、本例の押え装置9を用いた場合と、従来の押え装置99を用いた場合とについて行った、縫製中の被縫製物Cの針板3に対する向きの変更しやすさに関する評価試験結果について説明する。本例の押え装置9を用いた場合と、従来の押え装置99を用いた場合との各々について、三人の評価者に、図10の写真Fで例示するように、可能な限り小さい円Kを、平面視反時計回りに縫製してもらった。縫製された円Kの中心Uを通り、円Kを八等分する四本の直径を表す線分L1からL4の長さの平均値を各評価者から得た円Kの直径とした。各評価者の直径から平均値を求め、評価値とした。ミシン1は、ブラザー社製NextF7.4を用い、縫製速度は、70rpm、420rpm、及び850rpmの三種類を設定した。押えバネ81の押圧力は、約15.7Nとし、第一付勢部材4の付勢力は、約4.9Nとした。押え装置99を用いた場合、縫製途中で、押え棒抱き82がレバー90の当接部95に当接することはなく、押え足5から被縫製物Cに加えられる圧力はほぼ一定であった。押え装置9を用いた場合、縫製途中で、押え棒抱き82がレバー90の当接部95に当接し、図9の期間P2では押え足5から被縫製物Cに加えられる押圧力が期間P1に比べ低減した。
図10に示すように、縫製速度が70rpm、420rpm、及び850rpmの何れの場合も、凡例E1で示す本例の押え装置9を用いた場合の方が、凡例E2で示す従来の押え装置99を用いた場合よりも、直径が小さい円を縫製できていたことが確認された。本例の押え装置9を用い、縫針35の下端が針板3の下方にある時に、第二部材6が第二位置されることで、縫針35が被縫製物Cに刺さっている時に被縫製物Cに加わる圧力を、被縫製物Cが送り歯19により搬送されている時に比べて小さくできた。これにより、本例の押え装置9を用いた場合には、従来の押え装置99を用いた場合に比べ、縫針35の下端が針板3の下方にある時に、針板3に対する被縫製物Cの向きを変更しやすかったと考えられる。一方、押え装置9を用いた場合と、従来の押え装置99とで、被縫製物Cに形成された各縫目の長さは変わらなかった。以上から、本例の押え装置9は、被縫製物Cが送り歯19により搬送されている時は、従来と同様に被縫製物Cに押えバネ81の押圧力を押え足5に伝達しつつ、縫針35が被縫製物Cに刺さっている期間P2の押え足5に加わる力を従来の押え装置99よりも小さくすることで、従来の押え装置99よりも、縫製中の被縫製物Cの針板3に対する向きを変更しやすくできることが確認された。
図11から図16を参照して変形例1の押え足50及び押え装置10を説明する。図11から図16において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付与している。図11及び図12に示すように、変形例1の押え足50は、一対の軸支持部51に替えて、一対の軸支持部57を備える点で、上記実施形態の押え足5と互いに異なり、その他の構成は、実施形態の押え足5と互いに同じである。一対の軸支持部57は、一対の軸支持部51に比べ、前後方向の延設範囲が短い。一対の軸支持部57には各々、左右方向に貫通する孔58が形成され、軸53は孔58に挿通された状態で、一対の軸支持部57によって保持される。
変形例1の押え装置10は、第三部材108、第一部材107、第二部材106、案内部165、第一付勢部材44、及び第二付勢部材43を備える。第三部材108は、本体部183、及び前部181を備える。本体部183は、本体部183の右面から左方に凹む装着部184が形成された平面視C状の部分である。本体部183の左面には、左右方向に貫通し、装着部184と連通する、右側面視円状の孔部185が形成されている。本体部183は、装着部184の後方に上下方向に貫通する第二挿通部187が形成されている。本体部183の後下部には、上下方向に長い切欠き186が形成されている。前部181は、本体部183の前面下部から前方に突出した部分である。前部181には、上下方向に貫通する、平面視円状の挿通部182が形成されている。
第一部材107は、本体部176、前部171、及び押圧部190を備える。本体部176は、本体部176の右面から左方に凹む装着部174が形成された部分である。第一部材107の装着部174には、第一部材107を押え棒8の下端部にネジ41(図8(A)参照)で固定するための上下方向に長い長孔175が形成される。長孔175は、左右方向に貫通し、装着部174と連通する。長孔175の上下方向の延設範囲は、第三部材108の孔部185の上下方向の延設範囲よりも長い。本体部176は、装着部174の後方に上下方向に貫通する第一挿通部177が形成されている。前部171は、本体部176の前面下部から前方に板状に突出した部分である。前部171には、上下方向に貫通する平面視円状の挿通部172が形成されている。本体部176の下面には、挿通部172の後方且つ、長孔175の右方となる位置に、上下方向に貫通する孔173が形成されている。押圧部190は、第一部材107及び押え棒8の少なくとも一部である。変形例1の押圧部190は、前部171及び本体部176の下面である。
第二部材106は、ミシン1のベッド部11に載置された被縫製物Cを下方に押圧する押え足50を支持する。第二部材106は、平面視矩形板状であり、第二部材106は、本体部160、凹部164、案内部162、165、前部167、及び当接部163、166、169を備える。本体部160は前後方向に長い板状である。本体部160の上下方向の長さは、第一部材107の上下方向の長さよりも短い。凹部164は、本体部160の前後方向の中心右部において、下方に凹んだ部分である。
案内部162、165は各々、第二部材6に固定された軸状である。案内部162、165は、第一部材107に対する第二部材106の移動を案内する。案内部162は、凹部164の前方において、本体部160の上面から上方に円柱状に突出する。案内部162は、第一部材107の挿通部172と、第三部材108の挿通部182とに挿通される。図11に示すように、案内部162は、第一部材107の前部171と、第三部材108の前部181とを上下方向に貫通し、案内部162の上端には止め輪191が装着される。案内部162が、第一部材107の挿通部172と、第三部材108の挿通部182とに挿通された場合、第一部材107の前部171の上方に、第三部材108の前部181が配置され、第一部材107の前部171の下方に、第二部材106の前部167が配置される。第一部材107の装着部174に、第三部材108の装着部184が上下方向に重ね合わされ、長孔175の右方に孔部185が配置され、第一挿通部177の上方に第二挿通部187が配置される。平面視において、装着部184に対応する位置には、第一部材107の孔173、及び第二部材106の凹部164が配置される。
図12に示すように、案内部165は、凹部164の後方において、本体部160の上面から上方に円柱状に突出する。案内部165の上下方向の長さは、第一部材107の本体部176の上下方向の長さよりも長い。案内部165は、第一付勢部材44が外挿された状態で、第一部材107の第一挿通部177に挿通される。第一付勢部材44はコイルバネである。案内部165は、第一部材107を上下方向に貫通する。図13に示すように、第一付勢部材44の上端は、第一挿通部177に設けられた当接部179に当接し、第一付勢部材44の下端は第二部材106の当接部166の上面に当接する。第一付勢部材44は、第一部材107がミシン1の押え棒8に装着された状態において、第二部材106を下方に、押え棒8からの押圧力よりも小さい付勢力で付勢する。第一部材107の第一挿通部177は、案内部165を挿通することで、第二部材6の下方に交差する方向の移動を制限する。
案内部165は、更に第二付勢部材43が外挿された状態で、第三部材108の第二挿通部187に挿通される。第二付勢部材43はコイルバネである。案内部165は、第三部材108を上下方向に貫通し、案内部165の上端には止め輪192が装着される。止め輪191、192は、第二部材106に対する第一部材107、第三部材108の上下方向の移動範囲を規定する。第二付勢部材43の上端は、第二挿通部187に設けられた当接部188に当接し、第二付勢部材43の下端は第一部材107の第一挿通部177に設けられた当接部178に当接する。第二付勢部材43は、第一部材107を第一付勢部材44による付勢力よりも大きい力で第一部材107を下方に押圧する。第三部材108は、第二付勢部材43の上端に当接し、第一部材107と共にミシン1の押え棒8に装着される。第一部材107の第一挿通部177は、案内部165を挿通することで、第一部材107の下方に交差する方向の移動を制限する。第三部材108の第二挿通部187は、案内部165を挿通することで、第三部材108の下方に交差する方向の移動を制限する。
前部167は本体部160の前面から前方に突出した部分である。前部167は、左右方向に貫通する孔168が形成される。第二部材106に押え足50が装着される場合、第二部材106の前部167は、左右方向において、押え足50の一対の軸支持部57の間に配置され、前部167の孔168には軸53が挿通される。押え足50は、第二部材106によって、軸53周りに揺動可能に支持される。当接部163は、前部167の上面である。当接部163の上下位置は、本体部160の上面よりも上方に位置する。当接部166は、案内部165の下端部を囲うリング状である。当接部166の上端は、本体部160の上面よりも上方に位置する。当接部166は、第一付勢部材44の下端と当接し、第一挿通部177に挿入される。三つの当接部169は、凹部164の後方において、当接部166を囲うように配置される。三つの当接部169は各々、本体部160の上面から上方に突出した凸部である。三つの当接部169は、案内部165の右前部、左前部、及び後部に設けられる。当接部163と三つの当接部169とは、第二部材106が第一位置にある時に押圧部190と当接する。
図14を参照して、変形例1の押え装置10の装着方法について説明する。図7に示す押え装置9の装着方法と同様の手順には同じステップ番号を付与している。図14に示すように、変形例1の押え装置10の装着方法は、S3、S4に替えてS7、S8を行い、S5、S6に替えて、S9を実行する点で、上記実施形態の装着方法と異なり、他の工程は上記実施形態の装着方法と互いに同じである。上記実施形態の装着方法と同じ工程については説明を省略し、以下、S7からS9の説明をする。
S7では、ユーザは、レバー90を操作して、押え棒8を下降位置に配置し、押え足50を装着した押え装置10を押え棒8に対して仮配置する(S7)。具体的には、ユーザは、装着部174、184に押え棒8の下端部を配置し、第三部材108の孔部185と、第一部材107の長孔175と、押え棒8のネジ孔84とにネジ41を挿通して、押え棒8の下端部に押え装置10を仮止めする。ユーザは、送り歯19の上端を所定位置に調整する(S8)。S8の位置は、S4の位置とは互いに異なる。S8の位置は、期間P1及びP2の境界の位置である。
第二付勢部材43の付勢力は、押えバネ81の付勢力よりも小さく、且つ、第一付勢部材44の付勢力よりも十分に大きいので、図15(A)に示す基準位置において、第一部材107の押圧部190は第二部材106と当接している。基準位置は、ユーザが第三部材108を操作していない位置である。図15(B)は、ユーザが第三部材108を基準位置から1mm下方に移動した場合を示し、図15(C)は、ユーザが第三部材108を基準位置から2mm下方に移動した場合を示し、図15(D)は、ユーザが第三部材108を基準位置から3mm下方に移動した場合を示す。図15(A)の第三部材108の切欠き186の上端と、第一部材107の本体部176の上端との間の距離D1は、3mmであり、図15(B)の第三部材108の切欠き186の上端と、第一部材107の本体部176の上端との間の距離D2は、2mmであり、図15(C)の第三部材108の切欠き186の上端と、第一部材107の本体部176の上端との間の距離D3は、1mmである。図15(D)では、第三部材108の切欠き186の上端と、第一部材107の本体部176の上端との距離D4は1mm未満であり、第三部材108の切欠き186の上端と、第一部材107の本体部176の上端とは上下方向に僅かに離隔している。被縫製物Cの厚みに応じて、第三部材108及び押え棒8に対する第一部材107の上下位置が決定される。ユーザは、S8で調整した位置で、押え棒8のネジ孔84にネジ41を締結し、押え棒8の下端部に押え装置9の第一部材107及び第三部材108を装着する(S9)。第一部材107及び第三部材108が押え棒8の下端にネジ41で固定されることで、第二付勢部材43の付勢力は第一付勢部材44の付勢力に影響を及ばさない。以上の操作により、ユーザは押え装置10を押え棒8の下端部に装着する作業を終了する。
1mmの厚さの被縫製物Cを用い、基準位置から第三部材108が2mm下方に配置された位置で押え棒8に固定された場合、被縫製物Cの1mmの厚さの部分を縫製時には、図16(A)に示すように、期間P2における被縫製物Cに縫針35が刺さる位置では、押え棒抱き82は、レバー90の当接部95に当接するので、第二部材106は、第一付勢部材44の付勢力により、第二部材106に上面が押圧部190と当接する第一位置から下方に移動した第二位置に配置される。被縫製物Cの0.1mmの厚さの部分を縫製時には、図16(B)に示すように、被縫製物Cに縫針35が刺さる位置では、図16(A)に示す位置に比べ、第二部材106が更に下方に移動した位置に配置される。つまり、変形例1の押え装置10では、押え装置10を装着する際の、第三部材108及び押え棒8に対する第一部材107の上下位置を調整することで、被縫製物Cの厚みが縫製途中で変更された場合の期間P2で被縫製物Cに加える圧力を調整できる。
図17を参照して、変形例2の押え装置109と、変形例2のミシン1のレバー機構130について説明する。図17において、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付与している。変形例2の押え装置109は、第一部材7に替えて第一部材207を備える点で上記実施形態の押え装置9と互いに異なり、その他の構成については、上記実施形態と互いに同じである。図示しないが、変形例2の押え装置109は、第一部材7の本体部75の長孔74に替えて、右側面視円状の丸孔が形成されている点で上記実施形態の押え装置9と互いに異なり、その他の構成については、上記実施形態と互いに同じである。つまり、変形例2の押え装置109では、ユーザは押え棒8に対する第一部材207の上下方向の装着位置を調節不能である。
変形例2のミシン1は、レバー90に替えてレバー機構130を備える点で、上記実施形態のミシン1と互いに異なり、他の構成は互いに同じである。図17に示すように、レバー機構130は、ギヤ131、レバー132、及びモータ137を備える。レバー132は、扇状ギヤ133、軸部136、カム部135、及び操作部134を備える。ギヤ131はモータ137の出力軸に固定され、モータ137の動力で回動する。モータ137は例えば、パルスモータである。扇状ギヤ133は、軸部136によって回動可能に固定され、ギヤ131と噛み合う。カム部135は、軸部136に対して、扇状ギヤ133が設けられていない側に固定される。
操作部134は、扇状ギヤ133と、カム部135との間に設けられ、軸部136から右下に延びる棒状である。操作部134は、軸部136を中心に正面視時計回り又は反時計回りに回動することで、押え棒8を上昇位置と、下降位置とに切り替えることができる。操作部134は軸部136を中心に正面視時計回り又は反時計回りに回動することで、押え棒8が下降位置にある場合の、押え棒抱き82と、レバー機構130とが当接する上下位置を調整できる。変形例2のミシン1は、モータ137の動力によりギヤ131を回転させることで、軸部136を中心に正面視時計回り又は反時計回りに回動させ、押え棒8を上昇位置と、下降位置とに切り替えることもできる。変形例2のミシン1は、モータ137の動力によりギヤ131が回転することで、押え棒8が下降位置にある場合の、押え棒抱き82と、レバー機構130とが当接する上下位置を調整できる。
図17を参照して、押え装置109の装着方法について説明する。図17(A)に示すように、押え装置109では、ユーザは押え棒8に対する第一部材207の上下方向の装着位置を調節しないので、押え装置109を押え棒8に装着する場合、押え棒8の上下方向の位置は、上昇位置及び下降位置のどちらでもよい。図17(B)に示すように、押え装置109を押え棒8に装着後、送り歯19の上端が針板3の上端よりも下方となる位置に送り歯19を配置し、押え棒8を下降位置に配置する。図17(B)は送り歯ドロップ機能を用い、針棒31を針板3の上方に位置させたまま、送り歯19の上端を針板3の上面よりも下方に移動した状態を示す。この条件で、ユーザは、モータ137を駆動する、又は操作部134を操作して、カム部135と押え棒抱き82とを接触させ、第二部材6を第二位置に配置させる。モータ137を駆動することで、カム部135と押え棒抱き82とを接触させる場合、モータ137の制御をユーザが行ってもよいし、押え棒抱き82の高さを検出するセンサを設け、押え棒抱き82の高さの検出結果に基づき、ミシン1の制御部が自動でモータ137を制御してもよい。
上記の装着方法で押え装置109が押え棒8に装着された場合、送り歯19の上端が針板3の上端よりも上方に移動した時、図17(C)に示すように、押え棒8は、送り歯19の上昇量に応じて、押え足5及び押え装置109を介して、送り歯19により上方に持ち上げられる。これにより、第二部材6は第一位置に移動し、カム部135と押え棒抱き82とが上下方向に離隔し、押えバネ81の付勢力が押え足5に伝達される。モータ137が励磁されている期間に、ユーザが操作部134を操作すると、レバー132を操作しにくいので、図17(D)に示すように、ミシン1は、押え棒8が上昇位置に位置し、縫製が実行されていないタイミングでは、モータ137の励磁を切っておくことが好ましい。
上記実施形態、変形例1、及び変形例2において、ミシン1、ミシンモータ2、針板3、押え棒8、ベッド部11、針棒31、及び縫針35、押えバネ81、押え棒抱き82は各々、本発明のミシン、ミシンモータ、針板、押え棒、ベッド部、針棒、及び縫針、押えバネ、押え棒抱きの一例である。押え装置9、10、109は、本発明の押え装置の一例である。第一付勢部材4、44は、本発明の第一付勢部材の一例である。押え足5、50は本発明の押え足の一例である。第一部材7、107、207は各々、本発明の第一部材の一例である。第二部材6、106は本発明の第二部材の一例である。第三部材108、第二付勢部材43、長孔175、孔部185は各々、本発明の第三部材、第二付勢部材、長孔175、孔部の一例である。装着部73、174は、本発明の装着部の一例である。ネジ41は、本発明の固定部材の一例である。案内部67、72は、本発明の一対の案内部の一例である。案内部67、72、165は、本発明の案内部の一例である。挿通部76は、本発明の挿通部の一例である。押圧部80、190は、本発明の押圧部の一例である。レバー90、132は、本発明のレバーの一例である。カム部135は、本発明のカム部の一例である。第一挿通部177及び第二挿通部187は各々、本発明の一挿通部、第二挿通部の一例である。S6、S9は、本発明の装着工程の一例である。
上記実施形態のミシン1は、ミシンモータ2、針棒31、針板3、押え棒8、及び押え装置9を備える。針棒31は、下端に縫針35を装着可能であり、ミシンモータ2の駆動に応じて上下方向に移動する。針板3は、縫針35を挿通する針穴が形成される。押え棒8は、ミシンモータ2の駆動に同期して、上下方向に移動する。押え装置9は、押え棒8の下端部に装着される。押え装置9は、第一部材7、第二部材6、及び案内部67を備える。第一部材7は、ミシン1の押え棒8に装着される装着部73を有し、下方に付勢された押え棒8と共に上下方向に移動する。第一部材7は、ミシン1のベッド部11に載置された被縫製物Cを下方に押圧する押え足5を支持する。第二部材6は、押圧部80と当接可能な三つの当接部65及び二つの当接部68を有し、第一部材7がミシン1の押え棒8に装着され、且つ、第二部材6が押え足5を支持した場合に、第一位置と第二位置との間を移動可能である。第一位置は、三つの当接部65及び二つの当接部68が押圧部80と当接する位置である。第二位置は、第二部材6の三つの当接部65及び二つの当接部68が押圧部80から離隔する位置である。案内部67は、第一部材7に対する第二部材6の移動を案内する。押え装置9を備えたミシン1は、第一部材7に対する第二部材6の位置を変更できる。押え装置9は、ミシン1にリンク機構等の連結部材といった複雑な機構を要せず、従来のよりも簡単な構成で、押え足5が被縫製物Cに加える押圧力を変更できる。
押え装置9は、ミシン1の針棒31が上下方向に一往復する間に、ミシン1の押え棒8と連結された押え棒抱き82がミシン1のレバー90に当接して、レバー90により押え棒8の移動範囲の下端が規定される上下方向の位置に取り付けられた場合に、第一位置にある第二部材6は、押圧部80を介して受けた押え棒8からの下方に向かう押圧力を押え足5に伝達し、第二位置にある第二部材6は、押圧力を押え足5に伝達しない。押え装置9は、第一部材7に対する第二部材6の位置を変更することで、押え棒8からの下方に向かう押圧力を第二部材6が支持する押え足5に伝達するかを切り替えることができる。
押え装置9は、第一部材7がミシン1の押え棒8に装着された状態において、第二部材6を下方に、押圧力よりも小さい付勢力で付勢する第一付勢部材4を備える。第一部材7がミシン1の押え棒8に装着され、且つ、第二部材6が第二位置にある状態において、第二部材6は、押え足5に第一付勢部材4による付勢力を伝達する。押え装置9の第一付勢部材4は、第一部材7に対して第二部材6が第二位置にある状態にも、押え足5を介して被縫製物Cを下方に押圧できる。押え装置9の第一付勢部材4は、第一部材7に対して第二部材6が第二位置にある場合、第一部材7に対して第二部材6が第一位置にある場合よりも小さな力で被縫製物Cを下方に押圧できるので、評価試験により確認されたように、針棒31に対する被縫製物Cの向きの変更が容易である。
案内部67は、第二部材6に固定された軸状である。第一部材7は、案内部67を挿通することで、第二部材6の下方に交差する方向の移動を制限する挿通部76を備える。押え装置9は、案内部67の構成を比較的簡単にでき、第一部材7に対し第二部材6を安定して上下方向に移動できる。
案内部67は第二部材6に固定された軸状又は筒状である。第一部材7は、案内部67を挿通することで、第二部材6の下方に交差する方向の移動を制限する挿通部76を備える。第一付勢部材4は、コイルバネ状であり、案内部67に外挿又は内挿される。押え装置9は、案内部67及び第一付勢部材4の構成を比較的簡単にでき、第一部材7に対し第二部材6を安定して上下方向に移動できる。
押え装置9は、第一部材7がミシン1の押え棒8に装着された場合に、交差する方向において、装着部73を間にして、配置され案内部67、72を備える。案内部72は、第一部材7に固定され、案内部67は、第二部材6に固定される。押え装置9の案内部67、72は、一つの案内部67を備える押え装置9に比べ、第一部材7に対して、第二部材6が上下方向にスムーズに移動しやすい。押え装置9の案内部67、72は、一つの案内部67を備える押え装置9に比べ、第一部材7に対して、案内部67を中心に第二部材6が回転することを抑制できる。
変形例1の押え装置10は、第一部材107、第二部材106、案内部162、165、第一付勢部材44、第二付勢部材43、及び第三部材108を備える。第二付勢部材43は、第一部材107を第一付勢部材44による付勢力よりも大きい力で下方に押圧する。
第三部材108は、第二付勢部材43の上端と当接し、第一部材107と共にミシン1の押え棒8に装着される。変形例1の押え装置10の第三部材108は、ユーザが第一部材107を押え棒8に装着する時に、第一部材107に対する第二部材106の位置をより簡単に調整することに貢献する。
第三部材108は、第二付勢部材43の上端と当接し、第一部材107と共にミシン1の押え棒8に装着される。変形例1の押え装置10の第三部材108は、ユーザが第一部材107を押え棒8に装着する時に、第一部材107に対する第二部材106の位置をより簡単に調整することに貢献する。
変形例1の押え装置10の第一部材107の装着部174には、第一部材107を押え棒8の下端部にネジ41で固定するための上下方向に長い長孔175が形成される。第三部材108には、長孔175よりも上下方向の延設範囲が小さく、ネジ41を挿通する孔部185が形成される。第三部材108は、第一部材107に対して下方に移動することで、押え棒8に対する押え装置10の装着位置を決める。変形例1の押え装置10の第三部材108は、第一部材107のみで押え装置10を押え棒8に固定する作業を行う場合に比べ、第一部材107に対する第二部材106の位置をより簡単に調整することに貢献する。
変形例1の押え装置10の案内部165は第二部材106に固定された軸状である。第一部材107は、案内部165を挿通することで、第二部材106の下方に交差する方向の移動を制限する、上下方向に貫通する第一挿通部177を備える。第二付勢部材43は、第一部材7を第一付勢部材4による付勢力よりも大きい力で下方に押圧する。第三部材108は、案内部165を挿通することで、第三部材108の下方に交差する方向の移動を制限する、上下方向に貫通する第二挿通部187を有する。変形例1の押え装置10の第三部材108は、ユーザが第一部材107を押え棒8に装着する時に、第一部材107に対する第二部材106の位置をより簡単に調整することに貢献する。押え装置10の第一挿通部177、第二挿通部187は、比較的簡単な構成により、第一部材107に対して、第三部材108、第二部材106が上下方向にスムーズに移動することに貢献する。
ミシン1は、レバー90、押えバネ81、及び押え棒抱き82を備える。レバー90は、押え棒8の上下方向の位置を手動で切り替える。押えバネ81は、押え棒8を下方に付勢する。押え棒抱き82は、押え棒8に固定され、押えバネ81の下端位置を規定する。縫針35の下端が針板3の下方にある時、押え棒抱き82は、レバー90と当接して、押えバネ81の付勢力を押え装置9(特に第二部材6)に伝達しない。縫針35の下端が針板3の上方にある所定時、押え棒抱き82は、レバー90と離隔して、押えバネ81の付勢力を押え装置9(特に第二部材6)に伝達する。ミシン1は、押えバネ81の付勢力を押え装置9(特に第二部材6)に伝達するか否かを切り替えることができる。ミシン1のレバー90及び押え棒抱き82は、縫針35の下端が針板3の下方にあり、送り歯19の上端が針板3の上面よりも下方にある時に、ユーザが針棒31に対して被縫製物Cの向きを調整する操作をしやすくすることに貢献する。
ミシン1では、縫針35の下端が針板3の下方にある時、第二部材6は第二位置にあり、縫針35の下端が針板3の上方にある所定時、第二部材6は第一位置にある。ミシン1は、縫針35の下端が針板3の下方にある時と、縫針35の下端が針板3の上方にある所定時とで、押え装置9による押圧力を変更できる。ミシン1は、縫針35の下端が針板3の下方にある時にも、押え足5に押え装置9からの押圧力を付与できる。
変形例2のミシン1のレバー132は、押え棒抱き82と当接する上下位置を変更可能なカム部135を備える。変形例2のミシン1は、被縫製物Cの厚み等の条件に応じて、押え棒抱き82とレバー132とが当接する部分の上下位置を変更できる。ミシン1は、押え足5に押えバネ81の付勢力を伝達するかを切り替えるタイミングを、レバー132により調整できる。
上記実施形態の押え装置9は、第二部材6を第一位置に配置した状態で、押え装置9のユーザが、第一部材7の装着部73を、ミシン1の押え棒8に装着する(S6)。押え装置9の装着方法に従って押え棒8に装着された押え装置9は、押え装置9が押え棒8に装着される際の第二部材6の位置を第一位置に調整できる。変形例の押え装置10も同様の効果を奏する。押え装置9は、第二部材6を、第二部材6の内の押圧部80と当接する三つの当接部65及び二つの当接部68が、押圧部80から上下方向に最も離隔した離隔位置よりも第一位置側に配置した状態で、押え装置9のユーザが、第一部材7の装着部73を、ミシン1の押え棒8に装着する(S6)。押え装置9の装着方法に従って押え棒8に装着された押え装置9は、押え装置9が押え棒8に装着される際の第二部材6の位置を離隔位置よりも第一位置側の位置に調整できる。
ミシン1の押え棒8と連結された押え棒抱き82がミシン1のレバー90に当接して、レバー90により押え棒8の移動範囲の下端が規定され、且つ、押え装置9に装着された押え足5が、ミシン1の針板3又はミシン1の針板3に載置された被縫製物Cに当接し、且つ、第二部材6を第一位置に配置した状態で、ユーザが、第一部材7の装着部73を、ミシン1の押え棒8に装着する(S6)。押え装置9の装着方法に従って押え棒8に装着された押え装置9は、押え棒8の上下位置が送り歯19により上方に押し上げられる所定時に、第二部材6は第一位置に配置され、第二部材6は押圧部80を介して受けた押え棒8からの下方に向かう押圧力を押え足5に伝達する。押え棒抱き82がミシン1のレバー90に当接した時に、第二部材6は第二位置に配置され、押え棒8からの押圧力を受けず、当該押圧力を押え足5に伝達しない。つまり、押え装置9の装着方法に従って押え棒8に装着された押え装置9は、押え棒8からの押圧力の押え足5に伝達するかを切り替え、押え足5が被縫製物Cに加える押圧力を切り替えることができる。変形例の押え装置10も同様の効果を奏する。
本発明の押え装置、ミシン、及び押え装置の装着方法は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
ミシン1及び押え装置9、10、109の構成は適宜変更してよい。ミシン1は、工業用ミシンであってもよい。ミシン1の針棒31が上下方向に一往復する間に押え棒抱き82が当接する部材は、レバー90以外の部材であってもよい。押え棒抱き82は、ミシン1の針棒31が上下方向に一往復する間に、レバー90等の他の部材と当接しなくてもよい。押え装置9を押え棒8に固定する固定部材は、適宜変更されてよく、ネジ41の他、ボルト及びナット等でもよい。
押え装置9の押圧部80は、第一部材7の少なくとも一部又は押え棒8の少なくとも一部であり、且つ、押え棒8からの押圧力を第二部材6に伝達可能な部位であればよい。押圧部80は、押え棒8の下端であってもよいし、押圧部80は、押え棒8の下端及び第一部材7の下面の両方であってもよい。押え足5を支持する構成は適宜変更されてよく、軸53を挿通する孔61が形成された前部60の他、軸53と係合可能なフック状の切欠き部であってもよい。押え装置9は第一付勢部材4を省略してもよい。この場合、第二部材6が第二位置に在る時、押え足5は、第二部材6と押え足5との自重で、被縫製物Cを下方に押圧してもよい。第一付勢部材4、44、第二付勢部材43は、板バネ等のコイルバネ以外の部材であってもよい。第一付勢部材4、44、第二付勢部材43の少なくとも何れかは、押え棒8よりも前方に配置されてもよい。
押え装置9は、案内部67、72の一方のみを備えてもよい。案内部67、72は、軸状でなくてもよい。案内部67、72の各々が、第一部材7に固定されていてもよいし、第二部材6に固定されていてもよい。押え装置9は、案内部67、72以外に軸状の部材を備えてもよい。案内部67、72は、第一部材7に対する第二部材6の移動を案内する構成を有すればよく、例えば、第一部材7及び第二部材6の一方に固定され、第一部材7及び第二部材6の他方と係合するレール状であってもよい。挿通部76、第一挿通部177及び第二挿通部187は、上下方向に貫通する孔である他、上下方向に形成された切欠き等であってもよい。案内部67は第二部材6に固定された筒状であってもよく、第一付勢部材4は、コイルバネ状であり、案内部67に内挿されてもよい。第三部材108の孔部185の側面形状は、第一部材107の長孔175よりも上下方向の延設範囲が小さい任意の形状でもよいし、第一部材107の長孔175と上下方向の延設範囲が互いに同じであってもよい。第三部材108は、第一部材107に対して移動不能であってもよい。
1:ミシン、2:ミシンモータ、3:針板、4、44:第一付勢部材、5、50:押え足、6、106:第二部材、7、107、207:第一部材、8:押え棒、9、10、109:押え装置、11:ベッド部、31:針棒、35:縫針、41:ネジ、43:第二付勢部材、67、72、162、165:案内部、73、174:装着部、76:挿通部、80、190:押圧部、81:押えバネ、90、132:レバー、108:第三部材、135:カム部、175:長孔、177:第一挿通部、187:第二挿通部
Claims (16)
- ミシンの押え棒に装着される装着部を有し、下方に付勢された前記押え棒と共に上下方向に移動する第一部材と、
前記ミシンのベッド部に載置された被縫製物を前記下方に押圧する押え足を支持する第二部材であって、前記第一部材の少なくとも一部又は前記押え棒の少なくとも一部である押圧部と当接可能な当接部を有し、前記第一部材が前記ミシンの前記押え棒に装着され、且つ、前記第二部材が前記押え足を支持した場合に、
前記当接部が前記押圧部と当接する第一位置と、
前記当接部が前記押圧部から離隔した第二位置との間を移動可能な前記第二部材と、
前記第一部材に対する前記第二部材の移動を案内する案内部と
を備えることを特徴とする押え装置。 - 前記押え装置は、前記ミシンの針棒が前記上下方向に一往復する間に、前記ミシンの前記押え棒と連結された押え棒抱きが前記ミシンの他の部材に当接して、前記他の部材により前記押え棒の移動範囲の下端が規定される前記上下方向の位置に取り付けられた場合に、
前記第一位置にある前記第二部材は、前記押圧部を介して受けた前記押え棒からの前記下方に向かう押圧力を前記押え足に伝達し、
前記第二位置にある前記第二部材は、前記押圧力を前記押え足に伝達しないことを特徴とする請求項1に記載の押え装置。 - 前記第一部材が前記ミシンの前記押え棒に装着された状態において、前記第二部材を前記下方に、前記押圧力よりも小さい付勢力で付勢する第一付勢部材を更に備え、
前記第一部材が前記ミシンの前記押え棒に装着され、且つ、前記第二部材が前記第二位置にある状態において、前記第二部材は、前記押え足に前記第一付勢部材による前記付勢力を伝達することを特徴とする請求項2に記載の押え装置。 - 前記案内部は前記第二部材に固定された軸状であり、
前記第一部材は、前記案内部を挿通することで、前記第二部材の前記上下方向に交差する方向の移動を制限する挿通部を備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の押え装置。 - 前記案内部は前記第二部材に固定された軸状又は筒状であり、
前記第一部材は、前記案内部を挿通することで、前記第二部材の前記上下方向に交差する方向の移動を制限する挿通部を備え、
前記第一付勢部材は、コイルバネ状であり、前記案内部に外挿又は内挿されることを特徴とする請求項3に記載の押え装置。 - 前記第一部材を前記第一付勢部材による前記付勢力よりも大きい力で前記下方に押圧する第二付勢部材と、
前記第二付勢部材の上端と当接し、前記第一部材と共に前記ミシンの前記押え棒に装着される第三部材と
を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の押え装置。 - 前記第一部材の前記装着部には、前記第一部材を前記押え棒の下端部に固定部材で固定するための前記上下方向に長い長孔が形成され、
前記第三部材には、前記長孔よりも前記上下方向の延設範囲が小さく、前記固定部材を挿通する孔部が形成され、前記第三部材は、前記第一部材に対して前記下方に移動することで、前記押え棒に対する前記押え装置の装着位置を決めることを特徴とする請求項6に記載の押え装置。 - 前記案内部は前記第二部材に固定された軸状であり、
前記第一部材は、前記案内部を挿通することで、前記第二部材の前記上下方向に交差する方向の移動を制限する、前記上下方向に貫通する第一挿通部を備え、
前記第三部材は、前記案内部を挿通することで、前記第二部材の前記交差する方向の移動を制限する、前記上下方向に貫通する第二挿通部を有することを特徴とする請求項7に記載の押え装置。 - 前記第一部材が前記ミシンの前記押え棒に装着された場合に、前記交差する方向において、前記装着部を間にして、配置される一対の前記案内部を備え、
前記一対の案内部の内の一方は、前記第一部材に固定され、前記一対の案内部の内の他方は、前記第二部材に固定されることを特徴とする請求項4、5、及び8の何れかに記載の押え装置。 - ミシンモータと、
下端に縫針を装着可能であり、前記ミシンモータの駆動に応じて前記上下方向に移動する針棒と、
前記縫針を挿通する針穴が形成された針板と、
前記ミシンモータの駆動に同期して、前記上下方向に移動する押え棒と、
前記押え棒の下端部に装着される、請求項1から9の何れかの押え装置と
を備えることを特徴とするミシン。 - 前記押え棒の前記上下方向の位置を手動で切り替えるレバーと、
前記押え棒を前記下方に付勢する押えバネと、
前記押え棒に固定され、前記押えバネの下端位置を規定する押え棒抱きと
を更に備え、
前記縫針の前記下端が前記針板の前記下方にある時、前記押え棒抱きは、前記レバーと当接して、前記押えバネの付勢力を前記第二部材に伝達せず、前記縫針の前記下端が前記針板の上方にある所定時、前記押え棒抱きは、前記レバーと離隔して、前記押えバネの前記付勢力を前記第二部材に伝達することを特徴とする請求項10に記載のミシン。 - 前記縫針の前記下端が前記針板の前記下方にある時、前記第二部材は前記第二位置にあり、前記縫針の前記下端が前記針板の上方にある前記所定時、前記第二部材は前記第一位置にあることを特徴とする請求項11に記載のミシン。
- 前記レバーは、前記押え棒抱きと当接する上下位置を変更可能なカム部を更に備えることを特徴とする請求項11又は12に記載のミシン。
- 請求項1から9の何れかの押え装置の装着方法であって、
前記第二部材を前記第一位置に配置した状態で、前記押え装置のユーザが、前記第一部材の前記装着部を、前記ミシンの前記押え棒に装着する装着工程を備えることを特徴とする押え装置の装着方法。 - 前記装着工程は、前記ミシンの前記押え棒と連結された押え棒抱きが前記ミシンの他の部材に当接して、前記他の部材により前記押え棒の移動範囲の下端が規定され、且つ、前記押え装置に装着された前記押え足が、前記ミシンの針板又は前記ミシンの前記針板に載置された前記被縫製物に当接し、且つ、前記第二部材を前記第一位置に配置した状態で、前記ユーザが、前記第一部材の前記装着部を、前記ミシンの前記押え棒に装着することを特徴とする請求項14に記載の押え装置の装着方法。
- 請求項1から5の何れかの押え装置の装着方法であって、
前記第二部材を、前記当接部が、前記押圧部から前記上下方向に最も離隔した離隔位置よりも前記第一位置側に配置した状態で、前記押え装置のユーザが、前記第一部材の前記装着部を、前記ミシンの前記押え棒に装着する装着工程を備えることを特徴とする押え装置の装着方法。
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