JPH10155473A - 香り高い清酒の製造法 - Google Patents

香り高い清酒の製造法

Info

Publication number
JPH10155473A
JPH10155473A JP31965096A JP31965096A JPH10155473A JP H10155473 A JPH10155473 A JP H10155473A JP 31965096 A JP31965096 A JP 31965096A JP 31965096 A JP31965096 A JP 31965096A JP H10155473 A JPH10155473 A JP H10155473A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sake
liquid
fragrant
distillation
purified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31965096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3565673B2 (ja
Inventor
Nobumitsu Morishita
順光 森下
Tsuneaki Irie
経明 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31965096A priority Critical patent/JP3565673B2/ja
Publication of JPH10155473A publication Critical patent/JPH10155473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3565673B2 publication Critical patent/JP3565673B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】着色が少なく品質が安定し酢酸イソアミル、カ
プロン酸エチル等のエステル成分を多く含む「香り高い
清酒」を低コストで製造する方法を提供する。 【解決手段】清酒を活性炭精製する課程で消失するエス
テル成分を減圧蒸留により前もって回収して保護し、蒸
留残査を活性炭精製した精製液に再混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酢酸イソアミルやカ
プロン酸エチル等のエステル成分を多く含みかつ安定し
た品質の清酒の製造法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】清酒は醸造の工程において酵母の働きに
より様々な香りが生成されその香気成分の数は数百種類
とも言われている。それらの香りの中でも酢酸イソアミ
ルやカプロン酸エチルを代表とするエステルが清酒に華
やかな印象を与える成分として注目されている。
【0003】香り高い清酒の製造法としてもろみを通常
よりも低い温度で発酵させエステル成分を多く産生させ
る方法がよく知られているが、この製造法はもろみを通
常よりも低い温度で発酵させるので、原料利用率が悪く
なり、もろみ日数も長くなるため経済的とはいえない。
またエステル成分を多く産生する酵母の育種も数多く行
われているが、育種された酵母の発酵力が弱いのが問題
となっている。
【0004】他方、清酒は本来淡黄色から山吹色の色を
持っているが、近年色の付いていない清酒が好まれる傾
向にあり、活性炭による脱色操作が広く行われている。
さらに活性炭による精製工程には雑味成分を吸着し品質
を安定化させる効果もあるため現代の清酒の製造工程に
不可欠な操作となっている。ところが、この工程では着
色成分や雑味成分だけでなくエステル成分も除去されて
しまう。
【0005】また、殺菌を目的とする火入れ(加熱殺
菌)も古くから行われているが、エステル成分は揮発性
が高いためその多くが揮散してしまう。また、味の熟成
を図るための貯蔵熟成期間中にもエステル成分の揮散お
よび酸化分解が起きる。これらの製造工程を経た結果、
酢酸イソアミルやカプロン酸エチル等のエステル成分は
ごくわずかとなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年吟醸酒や生酒のブ
ームにより香り高い清酒が求められている一方で、着色
のない安定した酒質の清酒が求められている。この要求
を同時に満足する活性炭処理を十分に行った品質が安定
した酒質であり、かつ、酢酸イソアミル、カプロン酸エ
チル等のエステル成分を多く含む「香り高い清酒」を低
コストで製造する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、清酒もろみあるいは清酒からエステル成分をあら
かじめ分離して保護したのち、その残液中の着色成分や
雑味成分を活性炭により吸着除去したのち、再びエステ
ル成分を混合することで上記課題を解決できることを見
いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち本発明は(1)清酒もろみあるいはそ
の濾過液である清酒から、酢酸イソアミルやカプロン酸
エチル等の好ましいエステル成分をあらかじめ分離して
保護し(2)着色物質や雑味成分を活性炭吸着により除
去し色や味の変化の少ない精製液を得、(3)その精製
液に(1)のエステル成分を混合することを特徴とす
る、品質が安定でかつエステル成分を多く含んだ香り高
い清酒の製造法である。
【0009】本発明を遂行するにあたり、蒸留装置に供
給する清酒もろみまたは清酒は一般の清酒もろみあるい
は該もろみの濾過液を用いることができ、清酒もろみの
生産方法は米、米こうじ、清酒酵母、水を適宜混合させ
て発酵させる一般的な清酒の製造法でよい。清酒を蒸留
の対象とする場合は、清酒もろみを通常の濾過方法、例
えば、フィルタープレス法やバスケット遠心法を適宜利
用して濾過することができる。
【0010】ここでいう減圧蒸留とは大気圧より低い圧
力で液体あるいはスラリー状の物質を適宜加温し、揮発
成分を蒸発せしめたのちに冷却再凝結させて回収する方
法をいい、回分蒸留でも、連続蒸留でもよい。清酒もろ
みあるいは清酒からエステル成分を多く含むアルコール
画分を減圧蒸留させるにあたり、留去可能な範囲で蒸留
することができるが、清酒もろみあるいは清酒のアルコ
ール総量の0.5〜3.0%を留去すればエステル成分
が必要量留去される。
【0011】また、清酒本来の味と香りを変化させない
ため、また着色を避けるためには、30〜55℃の温度
で2〜20キロパスカルの圧力で蒸留するのが好まし
い。減圧蒸留装置には既知の装置、例えば、特開昭58
−129969号公報に記載の連続的に被処理液および
蒸気をカラム等に投入し、連続的に揮発成分を留去させ
る類の装置や、特開平7−22646号公報に記載の、
減圧状態に保持しうる円筒のカラム容器内に垂直な回転
軸とその軸に結合した複数の回転円錐板を有し、その円
錐板の間にカラム内筒部に固定された複数の固定円錐板
が設置された内部構造を持つ蒸留装置であって、減圧状
態下でカラムの上部から被処理液を投入し、該液を回
転円錐板上に流下し軸を回転させ、その遠心力により該
液を薄膜状になしながら、固定円錐へ流下する、の
の2工程を繰り返すことにより、カラム下部から上昇
する蒸気とを接触させる構造を持つ気液向流接触装置を
使用することができる。
【0012】清酒もろみを減圧蒸留して得られた蒸留残
液に関しては、通常の濾過方法、例えば、フィルタープ
レス法やバスケット遠心法を適宜利用して濾過し、濾過
液を通常一般的に行われている火入れ、貯蔵や活性炭精
製等の処理を適宜利用して清酒に調製することができ、
アルコール画分を混合することにより香り高い清酒を調
製することができる。
【0013】清酒を減圧蒸留して得られた蒸留残液に関
しては、上記の濾過液と同様の操作により香り高い清酒
を調製することができる。また、清酒もろみを蒸留する
場合には、もろみ濾過時に固形画分(酒粕)にエステル
成分の一部が移行し濾液のエステル成分が減少すること
を防ぐことができる。
【0014】以下に上記の気液向流接触装置を用いた本
発明の清酒の製造法の一例を示す。 (1)まず清酒1000重量部を用い、2〜20キロパ
スカルの圧力下で、20〜70度の温度、好ましくは2
5〜65度、より好ましくは30〜55度で、留出比率
0.5〜3.0%の条件下で蒸留を行う。留出比率は原
酒に対して投入する蒸気の割合を0.3〜5.0%の範
囲で増減することにより、設定することができる。ここ
で得られる蒸留画分にはエステル成分の総量の60〜9
5%程度含有し、エタノール濃度が35〜65%程度と
なる。こうしてエステル成分を多く含む蒸留画分5〜3
0重量部と蒸留残液980〜1020重量部を得る。 (2)次に(1)で得られた蒸留残液に対して乾物重量
として0.2〜3.0重量部の活性炭を添加して残液中
の着色物質や雑味成分を吸着させ濾過し、精製液975
〜1020重量部を得る。 (3)この精製液に(1)で得られた蒸留画分を再混合
し、980〜1050重量部の香り高い清酒を得ること
ができる。混合する割合は、特に限定しないが、より香
り高い清酒を製造せしめるには分離・回収したすべての
蒸留画分を加えた方がよい。 (4)(1)で得られた蒸留残液は通常の清酒と同様に
火入れ(加熱殺菌)あるいは貯蔵熟成を行うことができ
るがその工程中にもエステル成分が消失してしまい着色
も進むためこれらの工程を経た後、(2)の活性炭によ
る精製を行ってもよい。
【0015】ここでは、清酒を用いた例を挙げたが、清
酒もろみに関しては、該装置を用いて(1)と同様の条
件で蒸留することができ、蒸留残液を濾過した後は
(2)以降の操作を行うことにより本発明を遂行するこ
とができる。また、本発明の方法は、活性炭精製による
エステル成分の消失を防ぐことができるほか、火入れ、
貯蔵熟成、澱下げ等の通常行われている清酒製造工程で
のエステル成分の消失を防ぐことができる。
【0016】清酒を減圧蒸留することは昭61−100
183号公報にも見られるが、これは清酒の低アルコー
ル化を目的にしており、エステル成分の回収、再混合を
目的としていない。しかるに本発明の減圧蒸留の操作は
揮発性の高いエステル成分の回収および保護を目的にし
ておりアルコール分の低下を目的としない。従って、本
発明の清酒製造法は文献未知の新規製造法であり、安価
で香りが高く、かつ品質の安定性の良い清酒を製造する
有用な方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】ついで、本発明の実施例をあげて
具体的に説明するが、本発明は何らこれらによって限定
されるものではない。
【0018】
【実施例1および対照例1、2】 (1)表1に示すように、70%精白米(銘柄:あけぼ
の)を掛米として5160kg、麹米として 720k
g、水7650L、酵素剤スピターゼMK1.1kg、
乳酸7490g、清酒酵母として協会701号プレス酵
母を3kg使用して、表1に示す配合で留後16日まで
発酵させ、留後16日目に40%アルコールを1764
L添加した。このようにして得られたもろみを圧搾濾過
したところ、アルコール分19.3%の清酒が1396
5L得られた。
【0019】
【表1】
【0020】(2)こうして得られた清酒のうち100
0Lを約36℃に余熱したのちフレバーテック社製気液
向流接触装置「スピニングコーンカラム モデル100
0」のカラム上部から毎時500Lの速度で投入した。 (3)このときカラム内の回転円錐を毎分700回転の
速度で回転させ、カラム内圧を3.5キロパスカルに設
定した。この状態のカラムに対し、カラム下部より10
0℃の水蒸気を毎時5kgの速度で投入した。 (4)以上の条件にてこの装置を運転すると、カラム上
部温度約38℃、カラム下部温度約40℃で気液平衡の
定常状態となり、カラム上部よりエステル成分を多く含
んだアルコールが気化して留出したのでその気体をマイ
ナス3℃の不凍液を循環させているコンデンサーにて冷
却凝結させて回収したところ毎時5Lの速度で総量10
Lの蒸留画分が回収できた。この蒸留画分のアルコール
濃度を分析したところ、76.4%であった。 (5)カラム上部から回収されなかった清酒成分はカラ
ム下部より蒸留残液として毎時500Lの速度で総量1
000L排出された。この蒸留残液のアルコール濃度を
分析したところ、18.5%であった。 (6)この蒸留残液1000Lに清酒精製用活性炭を乾
物で0.4kg投入して一次精製濾過後、その濾液を6
5℃にて5分以上加熱殺菌し冷却後室温にて3ヶ月貯蔵
した。 (7)こうして得られた熟成液1000Lに活性炭を乾
物で0.8kg投入して二次精製濾過し、精製液100
0Lを得た。 (8)この精製液1000Lに(4)の蒸留画分10L
を混合しエステル成分を多く含む香り高い清酒1010
Lを得た。
【0021】対照例1として、(1)で得られた清酒の
うち1000Lを、蒸留操作を経ないで加熱殺菌、貯
蔵、活性炭精製した以外は実施例1と同様にして対照例
1の清酒1000Lを得た。また対照例2として(2)
以下の蒸留操作を経ないで、酢酸イソアミルやカプロン
酸エチルが(8)と同程度含まれるように(6)の貯蔵
温度を低くし、かつ貯蔵前の活性炭量を乾物で0.2k
g貯蔵後の活性炭量を0.2kgとした以外は実施例1
と同様にして、対照例2清酒1000Lを得た。
【0022】図1に実施例1の工程図、表2に各工程の
一般成分と香気成分の分析値を、表3に実施例1および
対照例1、2の清酒の着色度と増色速度を示す。なおこ
れらの清酒はすべてアルコール濃度15.4%に希釈し
た。対照例1の清酒は清酒もろみ濾過直後の清酒に比べ
てエステル成分の含有量が24〜78%に低下している
のに比べ実施例1の清酒はエステル成分の含有量がほと
んど低下していないことが確かめられた。さらに実施例
1の清酒よりも対照例1の清酒の方が若干であるが増色
速度が速いことがわかった。あらかじめエステル成分を
除いておくことにより、活性炭による着色成分の除去効
果が上がったものと考えられる。また、対照例2の清酒
は、エステル成分は実施例1の清酒と同等であるが着色
度が高く増色速度もかなり速いことがわかった。一般成
分は国税庁所定分析法により、香気成分はヘッドスペー
スガスクロマトグラフ法により求めた。着色度は波長4
30nmでの10mmの吸光度、増色速度は30℃3ヶ
月貯蔵での着色度の増加量で示した。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】実施例1の清酒と対照例1の清酒を割水
し、アルコール濃度を15.4%に希釈した後きき酒評
価したところ、異味異臭がなく対照に比べて香りが高く
華やかで、好ましいとの評価を得た。表4に各パネラー
の採点結果を示す。
【0026】
【表4】
【0027】実施例1の清酒と対照例2の清酒を割水
し、アルコール濃度を15.4%に希釈した後きき酒評
価したところ、対照に比べて雑味が少なく品質的に優れ
ているとの評価を得た。またアルコール濃度を15.4
%に希釈した両清酒を30℃で3ヶ月貯蔵した後きき酒
評価したところ対照に比べて品質が安定していることが
確かめられた。表5、6に各パネラーの採点結果を示
す。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【実施例2】 (1)実施例1記載と同様な方法で仕込み、留後16日
まで発酵させ40%アルコールを1764L添加し、清
酒もろみ11.9tを得た。このもろみの一部を濾過し
て国税庁所定分析法に従い分析したところ、アルコール
濃度は19.5%であり、日本酒度は+1.0であっ
た。 (2)こうして得られた清酒もろみのうち1240kg
を約36℃に余熱したのちフレバーテック社製気液向流
接触装置「スピニングコーンカラム モデル1000」
のカラム上部から毎時620kgの速度で投入した。 (3)このときカラム内の回転円錐を毎分700回転の
速度で回転させ、カラム内圧を大気圧マイナス97.5
キロパスカルに設定した。この状態のカラムに対し、カ
ラム下部より100℃の水蒸気を毎時5kgの速度で投
入した。 (4)以上の条件にてこの装置を運転すると、カラム上
部温度約38℃、カラム下部温度約40℃で気液平衡の
定常状態となり、カラム上部よりエステル成分を多く含
んだアルコールが気化して留出したのでその気体をマイ
ナス3℃の不凍液を循環させているコンデンサーにて冷
却凝結させて回収したところ毎時5Lの速度で総量10
Lの蒸留画分が回収できた。この蒸留画分のアルコール
濃度を分析したところ、76.1%であった。 (5)カラム上部から回収されなかった清酒もろみ成分
はカラム下部より蒸留残もろみとして毎時620kgの
速度で総量1240kg排出された。(6)この蒸留残
もろみ1240kgをフィルタープレスで搾り、996
Lの清酒原酒を得た。アルコール濃度を分析したとこ
ろ、18.4%であった。 (6)この清酒原酒に清酒精製用活性炭を乾物で0.4
kg投入して一次精製濾過後、その濾液を65℃にて5
分以上加熱殺菌し冷却後室温にて3ヶ月貯蔵した。 (7)こうして得られた熟成液996Lに活性炭を乾物
で0.8kg投入して二次精製濾過し、精製液995L
を得た。 (8)この精製液995Lに(4)の蒸留画分10Lを
混合しエステル成分を多く含む香り高い清酒原酒100
5Lを得た。この原酒に水228Lを加水し、アルコー
ル濃度15.4%の香り高い清酒1233Lを得た。国
税庁所定分析法によりこの清酒の一般成分を分析したと
ころ、日本酒度が+1.0、酸度1.5、アミノ酸度
1.3であった。対照例として実施例1記載の対照例1
を用いた。
【0031】表7に各工程の一般成分と香気成分の分析
値を示す。実施例2の清酒は対照例の清酒に比べてエス
テル成分の含有量が多いことが確かめられた。また、実
施例1においては清酒もろみの固形画分すなわち酒粕に
エステル成分の一部が移行したのちに濾液を蒸留したの
に対し、実施例2ではもろみを蒸留したため、より効率
良くエステル成分を回収することができた。なお、一般
成分は国税庁所定分析法により、香気成分はヘッドスペ
ースガスクロマトグラフ法により求めた。
【0032】
【表7】
【0033】
【実施例3】 (1)実施例1記載と同様な方法で仕込み、留後16日
まで発酵させ、留後16日目に40%アルコールを17
64L添加した。このようにして得られたもろみを圧搾
濾過したところ、アルコール分19.3%の清酒原酒が
13965L得られた。 (2)こうして得られた清酒原酒のうち20.0Lを、
約33℃に余熱したのち東京理化製ロータリーエバポレ
ーターNE51型にて圧力7キロパスカル、温度30℃
〜35℃の条件を保ちながら減圧蒸留し、蒸留画分とし
て0.2Lと蒸留残液として19.8Lを得た。このと
き蒸留画分のアルコール濃度は67.4%、蒸留残液の
アルコール濃度は18.2%であった。 (3)この蒸留残液19.8Lに清酒精製用活性炭を乾
物で7.9g投入して一次精製濾過後、その濾液を65
℃にて5分以上加熱殺菌し冷却後室温にて3ヶ月貯蔵し
た。 (4)こうして得られた熟成液19.8Lに活性炭を乾
物で15.8g投入して二次精製濾過し、精製液19.
8Lを得た。 (5)この精製液19.8Lに(4)の蒸留画分0.2
Lを混合しエステル成分を多く含む香り高い清酒原酒2
0.0Lを得た。この原酒に水3.6Lを加水しアルコ
ール濃度15.4%の香り高い清酒23.6Lを得た。
国税庁所定分析法によりこの清酒の一般成分を分析した
ところ、日本酒度が−0.5、酸度1.3、アミノ酸度
1.3であった。対照例として実施例1記載の対照例1
を用いた。
【0034】表8に加水後の清酒の一般成分と香気成分
の分析値を示す。実施例3の清酒は対照の清酒に比べて
エステル成分の含有量が多いことが確かめられた。な
お、一般成分は国税庁所定分析法により、香気成分はヘ
ッドスペースガスクロマトグラフ法により求めた。
【0035】
【表8】
【0036】
【発明の効果】本発明により、着色が少なく品質が安定
し酢酸イソアミル、カプロン酸エチル等のエステル成分
を多く含む「香り高い清酒」を安価に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における工程を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】清酒もろみを(1)減圧蒸留し、エステル
    成分を多く含むアルコール画分を回収し、(2)蒸留残
    液を濾過したのち活性炭精製し、(3)(2)で得られ
    た精製液に(1)で得られたエステル成分を多く含むア
    ルコール画分を混合することを特徴とする香り高い清酒
    の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1において蒸留残液を加熱殺菌ある
    いは貯蔵熟成したのち活性炭精製することを特徴とする
    香り高い清酒の製造法。
  3. 【請求項3】清酒を(1)減圧蒸留し、エステル成分を
    多く含むアルコール画分を回収し、(2)蒸留残液を活
    性炭精製し、(3)(2)で得られた精製液に(1)で
    得られたエステル成分を多く含むアルコール画分を混合
    することを特徴とする香り高い清酒の製造法。
  4. 【請求項4】請求項3において蒸留残液を加熱殺菌ある
    いは貯蔵熟成したのち活性炭処理することを特徴とする
    香り高い清酒の製造法。
  5. 【請求項5】減圧蒸留の方法として、減圧状態を保持し
    た容器内の回転板上に被処理液を流下しその遠心力によ
    り被処理液を薄膜状になし蒸気と向流させる構造を持つ
    蒸留装置を用いることを特徴とする請求項1または2ま
    たは3または4記載の香り高い清酒の製造法。
  6. 【請求項6】減圧状態に保持しうる円筒のカラム容器内
    に垂直な回転軸とその軸に結合した複数の回転円錐板を
    有し、その円錐板の間にカラム内筒部に固定された複数
    の固定円錐板が設置された内部構造を持つ蒸留装置であ
    って、減圧状態下でカラムの上部から被処理液を投入
    し、該液を回転円錐板上に流下し軸を回転させ、その
    遠心力により該液を薄膜状になしながら、固定円錐へ
    流下する、のの2工程を繰り返すことにより、カラ
    ム下部から上昇する蒸気とを接触させる構造を持つ気液
    向流接触装置を用いることを特徴とする請求項5の香り
    高い清酒の製造法。
JP31965096A 1996-11-29 1996-11-29 香り高い清酒の製造法 Expired - Lifetime JP3565673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31965096A JP3565673B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 香り高い清酒の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31965096A JP3565673B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 香り高い清酒の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10155473A true JPH10155473A (ja) 1998-06-16
JP3565673B2 JP3565673B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=18112675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31965096A Expired - Lifetime JP3565673B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 香り高い清酒の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3565673B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000184878A (ja) * 1998-12-19 2000-07-04 Satoru Tabata 酒類及び甘味食品の製造方法
JP2007060962A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Oenon Holdings Inc 焼酎の製造方法
JP2011045882A (ja) * 2010-10-18 2011-03-10 Tsukishima Kikai Co Ltd 吸着剤の製造方法、並びにアルコール又は有機酸の製造方法
JP2014176370A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd エタノール濃度低減清酒の製造方法及び製造システム
JP2014176369A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd エタノール濃度低減清酒の製造方法及び製造システム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000184878A (ja) * 1998-12-19 2000-07-04 Satoru Tabata 酒類及び甘味食品の製造方法
JP2007060962A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Oenon Holdings Inc 焼酎の製造方法
JP2011045882A (ja) * 2010-10-18 2011-03-10 Tsukishima Kikai Co Ltd 吸着剤の製造方法、並びにアルコール又は有機酸の製造方法
JP2014176370A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd エタノール濃度低減清酒の製造方法及び製造システム
JP2014176369A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd エタノール濃度低減清酒の製造方法及び製造システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3565673B2 (ja) 2004-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2745225C2 (ru) Перегонный аппарат, содержащий камеру для вмещения подлежащего экстракции материала, и соответствующий способ
JPWO2016170814A1 (ja) ビール様発泡性飲料の製造方法
US2132435A (en) Aging distilled alcoholic spirits
NO141617B (no) Fremgangsmaate for alkalisk ekstraksjon av med blekemiddel forbehandlet cellulosemasse
US3852477A (en) Recovering flavor and aroma substances from fermentation gases
JP3565673B2 (ja) 香り高い清酒の製造法
US2086080A (en) Art of treating distilled beverages
JP3400972B2 (ja) 人参ビールの製造方法
JPS60229996A (ja) 月見草種子油の抽出法
JPS59205975A (ja) 精製蒸留酒の製造方法
FR2514781A1 (fr) Modification de la composition de boissons alcoolisees obtenues par fermentation de fruits par utilisation de co2 liquide
JP2016054661A (ja) 過剰な熟成香が改善された梅酒の製造方法
JP4719828B2 (ja) 蒸留酒、リキュール及びそれらの製造方法、並びに廃棄物処理方法
JP7357472B2 (ja) 芳香液の製造方法及び芳香液
CN107177466B (zh) 一种白酒再加工工艺
Hassler Active Carbon: The Modern Purifier
KR101731998B1 (ko) 증류주와 소주류의 향미를 가지는 와인의 제조 방법
JPH02281A (ja) ラクトン類の濃縮方法及びその濃縮物の食品の風味付けへの使用
JPH10179132A (ja) 低アルコール清酒の製造方法
JPS63102638A (ja) 茶飲料の製法
CN113583791B (zh) 基于紫外光辐照的豉香型白酒无肉陈酿工艺
JP3644467B2 (ja) 精製柿渋の製造法
JPH10215847A (ja) 酒粕からのアルコール、エステルの回収方法
GB422678A (en) Improvements in the maturation of spiritous liquors
JPS585145A (ja) トウモロコシの胚芽分離法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term