JPH10153341A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】空気調和機用室内ユニットに関わり、熱交換器
配置構造の改善による吸い込み風速の改善と空気調和機
の性能向上を図る。 【解決手段】室内ユニット２０の上部吸込み口４Ｂと還
流ファン１との間に配置された背面熱交換器５Ｂの風上
側に別体に設けた副熱交換器６からなる熱交換器ユニッ
トを備えた空気調和機において、背面熱交換器５Ｂとそ
の風上側に配置された副熱交換器６の一端側部を互いに
近接して配置するとともに多端側を互いに離間し、ケー
シング背面側壁面２Ａに接するように配置して、背面熱
交換器５Ｂと副熱交換器６及びケーシング背面側壁面２
Ａで囲まれたＶ字状の隙間を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ヒートポンプ型空気調和機は、前面吸い
込み側に直立して配置された前面熱交換器の背面側に、
下向きに傾斜して背面熱交換器を配置することにより全
体として逆Ｖ字形に熱交換器を形成し、背面熱交換器の
風上側にはフィン全長が背面熱交換器より短い副熱交換
器を近接して配置した構成が、例えば文献（古橋ほか：
省エネルギーエアコン“霧ケ峰”ＦＸシリーズ；三菱電
機技法，ＶＯＬ．７０，Ｎo.８，１９９６）に開示され
ている。このように構成される空気調和機では、例えば
暖房運転の場合、上部及び前面から吸込まれた空気は風
路に設けられた前面熱交換器，背面熱交換器及びにより
暖められた後、還流ファンを介して下部の吹出口から温
風として吹き出され暖房に供される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが上記のように
構成される従来の空気調和機は、上述のように背面熱交
換器の風上側にはフィン全長が背面熱交換器より短い副
熱交換器を近接して配置する構成としているので、副熱
交換器下流側の背面熱交換器に流入する気流の流速分布
が、副熱交換器を避けて、周囲を取り囲むような流れ分
布となる。このため副熱交換器に覆われている背面熱交
換器部分の流速が遅く、副熱交換器からはみ出している
部分に集中して流れるようになるため、不均一な流速分
布となり室内熱交換器本来の性能が発揮できずに空調機
としての性能が低下するという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
課題を解決するために、室内ユニットの上部吸込み口と
還流ファンとの間に配置された背面熱交換器の風上側に
別体に設けた副熱交換器からなる熱交換器ユニットを備
えてなる空気調和機において、背面熱交換器とその風上
側に配置された副熱交換器の一端側部を互いに近接して
配置するとともに多端側を互いに離間し、かつケーシン
グ背面側壁部に接するように配置して、背面熱交換器と
副熱交換器及びケーシング背面側壁部で囲まれたＶ字状
の隙間を設けて室内ユニットを構成した。

【０００５】上記構成によれば、背面側の主熱交換器小
部と副熱交換器との間にＶ字状隙間を設けたので、背面
側に配置された背面熱交換器へ大略均一な流速で空気が
流入するので熱交換効率が改善され、空気調和機として
の性能が大幅に改善される。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の空気調和器を図１
に示す実施例に基づいて説明する。

【０００７】本発明のヒートポンプ型空気調和器の室内
ユニットは、図１の横断面図に示すように還流ファン
１，ケーシング２，前面パネル３，前面パネル３の下部
に位置し、還流ファン１のノーズ２Ｂの前方に設けられ
た下部吸込み口４Ａおよび前面パネル３の上部に設けら
れた上部吸込み口４Ｂが設けられている。吸込み口４
Ａ，４Ｂと還流ファン１との間には、くの字状に形成さ
れた前面熱交換器５Ａ及び前面熱交換器５Ａの背面側に
下向きに傾斜して逆くの字状に折り曲げ配置された背面
熱交換器５Ｂが配置されている。背面熱交換器５Ｂの風
上側、上部には副熱交換器６が配置されている。逆くの
字状に折り曲げ配置された背面熱交換器５Ｂの下端部と
副熱交換器６の下端部は、室内ユニット２０の背面側の
ファンケーシング２の上部に連なる背面ケース壁部２Ａ
に近接して構成されている。これにより背面熱交換器の
上部には、背面熱交換器と副熱交換器及びケーシング背
面側壁部２Ａとで囲まれたＶ字状の隙間５６が形成され
る。

【０００８】吸い込み口４と熱交換器ユニット５，副熱
交換器６との間にはエアーフィルター７が設けられ、室
内ユニット２０の下部には吹き出し口８が設けられてい
る。上部及び前面吸い込み口から吸い込まれた室内空気
はエアーフィルタ７、熱交換器５，６を経て送風機１に
至り、吹き出し口８を介して室内へ送風される。

【０００９】くの字型に形成された前面熱交換器５Ａと
背面熱交換器５Ｂは互いに配管で接続されて、主熱交換
器ユニット５を構成している。主熱交換器ユニット５の
暖房運転時冷媒出口側に副熱交換器が配管接続されてい
る。

【００１０】熱交換器ユニット５，副熱交換器６は、伝
熱管挿通用穴３０が長手方向に所定のピッチで多数設け
られた伝熱フィン３１を多数平行にならべてなる積層体
に、フィン面に垂直に多数の伝熱管３２を挿入して組み
立てた後、拡管等の手段によりフィンと伝熱管とを密着
固定して構成される。

【００１１】室内ユニットケース２には、ファンケーシ
ング２，ファンケーシングの両端にファン回転軸を支障
すべく設けられた軸受け部（図示せず），背面熱交換器
下部に設けられた背面側露受け部１０が設けられ、前面
側ノーズ２Ｂの下部に隣接して、前面熱交換器下端部に
は前面側露受け部１２が設けられ、風路壁の一方を形成
している。

【００１２】以上のように構成された本発明の一実施例
になる空気調和機の動作について、図１に従って述べ
る。

【００１３】室内ユニット２０に配置された室内送風機
１が運転されると上部吸い込み口４Ｂ及び下部吸い込み
口４Ａから被空調室内の空気２１が吸い込まれ、熱交換
器ユニット５及び副熱交換器６に至る。熱交換器ユニッ
ト５及び副熱交換器と熱交換した空気は還流ファン１を
介して、室内ユニット２０の下部に設けられた吹き出し
口８から室内へ吹き出されて、室内の暖房または冷房に
供される。

【００１４】上部吸い込み口４Ｂから吸い込まれて副熱
交換器６の下端部側へ到達した空気２１ｃは、副熱交換
器の下端部がケーシング背面側壁面２Ａに近接配置され
ているので、バイパスすることなく全量副熱交換器６を
通過する。副熱交換器６の下端部を通過した空気は、副
熱交換器６と逆くの字に折り曲げ配置されている背面熱
交換器及びケーシング背面側壁面２Ａとで囲まれたＶ字
状隙間部５６に流入する。Ｖ字状隙間部に流入した空気
はここで自由に拡がることができるので、背面熱交換器
の下端部に均一に流入し熱交換して還流ファン１に至
る。一方、副熱交換器の上半部に流入した空気２１ｂ
は、近接配置されている背面熱交換器６の上半部に全量
均一に流入し熱交換して還流ファン１に至る。したがっ
て、熱交換器を通過するときの通気抵抗は、副熱交換器
の下端部側と背面熱交換器を経て還流ファンに至る流れ
２１ｃの場合と副熱交換器の上半部側に流入し背面熱交
換器を経て還流ファンに至る流れ２１ｂの場合とで大略
同じになり、全体としても均一な流速分布が得られる。
従来のように副熱交換器からはみ出ている背面熱交換器
の一端部側に偏った流れを生じることがないので、熱交
換効率が改善される。

【００１５】本発明による他の実施例の室内ユニットを
図２に示す。実施例は、前面熱交換器５Ａをくの字及び
背面熱交換器５Ｂを各々逆くの字型に折り曲げて構成し
たものであるが、前面熱交換器および背面熱交換器を各
々真っ直ぐとした点が異なっている。背面熱交換器５Ｂ
の上部風上側に配置された副熱交換器６は背面熱交換器
５Ｂと所定の角度をなすように配置されている。背面熱
交換器５Ｂの上端部と副熱交換器６の上端部は互いに近
接配置され、各々の下端部はユニットケース背面側壁面
２Ａに近接するように互いに離間して配置されている。
これによって、背面熱交換器５Ｂと副熱交換器６とユニ
ットケース背面側壁面２Ａとで囲まれた逆Ｖ字状隙間が
形成されている。実施例の場合と同様に、副熱交換器を
経て吸い込まれた空気は、逆Ｖ字状隙間部を介して背面
熱交換器５Ｂへ均一に分布して流入するので熱交換効率
が改善される。

【００１６】

【発明の効果】本発明による空気調和機では、室内ユニ
ットの背面熱交換器と、背面熱交換器の上部風上側に配
置された副熱交換器との間にＶ字状隙間を設けたので、
背面側に配置された背面熱交換器へ大略均一な流速で空
気が流入するので熱交換効率が改善され、空気調和機と
しての性能が改善される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に於ける空気調和機の説明
図。

【図２】本発明の他の実施例に於ける空気調和機の説明
図。

【符号の説明】

１…還流ファン、２…ケーシング、２Ａ…ケーシング背
面側壁面、４Ａ，４Ｂ…下部吸い込み口、上部吸い込み
口、５Ａ，５Ｂ…前面熱交換器、背面熱交換器、６…副
熱交換器、２０…室内ユニット、５６…Ｖ字状隙間。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 義人 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 小暮 博志 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部栃木本部内 (72)発明者 高久 昭二 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部栃木本部内 (72)発明者 森本 泰生 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部栃木本部内 (72)発明者 高田 芳廣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】室内ユニットの上部吸込み口と還流ファン
   との間に配置された背面熱交換器の風上側に別体に設け
   た副熱交換器からなる熱交換器ユニットを備えた空気調
   和機において、上記背面熱交換器とその風上側に配置さ
   れた上記副熱交換器の一端側部を互いに近接して配置し
   多端側を互いに離間し、ケーシング背面側壁部に接する
   ように配置して、上記背面熱交換器と上記副熱交換器及
   び上記ケーシング背面側壁部で囲まれたＶ字状の隙間を
   設けたことを特徴とする空気調和機。