JPH1015277A - 全自動洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】必要な回転数検出能力が容易に得られ、取付精
度，振動に影響されない信頼性及び精度の高い回転数検
出手段を備えた全自動洗濯機を提供する。 【解決手段】回転数検出手段を備えた全自動洗濯機にお
いて、洗濯兼脱水槽あるいは撹拌翼の回転軸と同軸に配
設され、駆動用モータと動力伝達用ベルトを介し継がれ
るプーリと、前記プーリをはさむ様に配設された光セン
サとで回転数検出をする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は回転数検出手段を備
えた全自動洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の全自動洗濯機の回転数検出手段
は、プーリ上又は回転軸自体に永久磁石を１個あるいは
複数個配し、その近くにリードスイッチ，ホール素子，
誘導コイルなどを配することにより、パルス，電圧等で
検出する方式が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術では、検出能
力（１回転当たりの信号数）を上げるためには、磁石を
複数個用いるか、あるいは高価な多極着磁した磁石を用
いるしかなく、又、リードスイッチは機械的にオンオフ
するため寿命が問題となり、ホール素子，誘導コイルは
磁束密度により出力が変化するため、磁石のバラツキを
取付精度（磁石とのギャップ）が問題となる。そのた
め、ホール素子，誘導コイルでは、洗濯機運転中の振動
に影響されない剛性の高い構造が必要とされる。

【０００４】本発明の目的は、必要な回転数検出能力が
容易に得られ、取付精度，振動に影響されない信頼性及
び精度の高い回転数検出手段を備えた全自動洗濯機を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はセンサを取付けるアームを近傍の部品から
延ばし、プーリをはさみ込む様にして、センサの発光
側，受光側と配設させ、更にプーリには、センサの光線
軸上に任意の数及び面積の孔を設ける構成とする。この
時、孔の数は１回転当たりに必要なパルス数とし、面積
は取付ズレ，洗濯機運転時の加振によるアームの振動を
考慮した十分な大きさを確保していれば、信頼性及び精
度の高い回転数検出手段を備えた全自動洗濯機を得るこ
とが出来る。

【０００６】又、発・受光面に耐摩耗コーティングを施
し、プーリ上に耐候性に優れた発泡体や軟かい布をセン
サと同心円上になる様に配設し、プーリ１回転毎に発・
受光面の汚れを拭きとる様にすれば、経年変化によるセ
ンサ出力の信頼性の問題も解決できる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。

【０００８】図１は、全自動洗濯機の基本構造を示して
いる。１は内部機構を内泡する略箱形の銅板製の外枠、
２はステンレス製の洗濯兼脱水槽で、有底の略円筒形状
を形成しており、側壁に多数の脱水孔２ａを有すると共
に、上部には流体を封入した中空環状の上部流体バラン
サ３，底部には同様の下部流体バランサを設け、底部中
央には回転自在な撹拌翼５を配設している。６は、洗濯
兼脱水槽２を回転可能に内包し、洗濯水を受ける有底略
円筒状の外槽であり、底部には、駆動部を鋼板製のセン
タベース８を介し取り付けると共に、外槽６の外側壁に
は、防振装置９を保持する凹球面状の吊り棒受け６ａを
設け、外槽全体を外枠１の上端四隅に固着された凹球面
状のコーナプレート１８から、防振装置９にて垂下防振
支持している。又、上端開口部には、外槽６と洗濯兼脱
水槽２との隙間に洗濯物が落下するのを防止するため、
全成樹脂製の槽カバー７を固着している。防振装置９
は、吊り棒９ａ，防振ばね９ｂ，摺動筒９ｃ，ばね受け
９ｄ，吊り棒保持具９ｅ等から構成されている。吊り棒
９ａの上端には凸球面を持った吊り棒保持具９ｅが固着
され、保持具９ｅがコーナプレート１８の凹球面に嵌か
り合っている。摺動筒９ｃは、吊り棒受け６ａの凹球面
に嵌かり合う凸球面を有し、内部に防振ばね９ｂ，ばね
受け９ｄを設け、外槽６の上下方向の振動によって防振
ばね９ｂが伸縮し、ばね受け９ｄが摺動筒９ｃの内面を
摩擦しながら振動する。駆動部は、モータ１０，クラッ
チ１１，Ｖベルト１２等からなり、モータ１０の回転を
モータプーリ１３，Ｖベルト１２，Ｐプーリ１４を介
し、クラッチ１１に伝達する。クラッチ１１は、内部に
洗濯と脱水を切り替えるクラッチばね機構，減速ギヤ等
を有すると共に、洗濯軸１１ａ，脱水軸１１ｂを備えて
いる。洗濯軸１１ａには撹拌翼５が固定されており、脱
水軸１１ｂには洗濯兼脱水槽２がフランジ１５を介し固
着されており、洗濯時には内部の減速ギヤ，洗濯軸１１
ａを介し回転力を撹拌翼５に伝達すると共に、脱水時に
は減速ギヤを介さず、脱水軸１１ｂにより回転力を洗濯
兼脱水槽２に伝達し、脱水を行う。

【０００９】脱水時の洗濯兼脱水槽２の回転数の検出
は、クラッチ１１の外壁に固着し、Ｐプーリ１４を等間
隔で狭み込む形状のアーム３２、及びその先端に互いに
向き合い配設された発光素子３３ａ，受光素子３３ｂの
構成で行う。Ｐプーリ１４の発光素子３３ａ，受光素子
３３ｂの光線軸上には同軸円状に孔が複数個設けられて
おり、一定時間内にこの孔を透過，受光し、受光素子３
３ｂから出力されるパルス数を検出する。

【００１０】排水装置は、排水弁１６，排水ホース１７
とから成っている。排水弁１６の一端は、外槽６の底部
に設けられた排水口６ｂに接着され、他端は、排水ホー
ス１７に接続されている。排水ホース１７の他端は、排
水ホース取り出し口２７から機外へ引き出す。

【００１１】水位の検出は、外槽６に設けられたエアト
ラップ６ｃからエアチューブ１９を介し、水位センサ２
０で圧力検知している。２１は電磁給水弁であり、一端
は給水ホースを介し水栓へ接続され、他端は注水口２２
に接続されている。

【００１２】２３は、パネルボックス部を有する上面カ
バーであり、内部には制御部であるコントロールユニッ
ト２４，水位を制御する水位センサ２０，電源スイッチ
２５，入力スイッチ部２６，進行表示部２７などが収納
されている。それぞれ、フロントパネル２９，バックパ
ネル３０を装着している。又、上面カバー２３は衣類投
入用の開口部２３ａと開口部２３ａを開閉する蓋体３１
が設けられ、外枠１の上方開口部を包括する様に構成さ
れている。

【００１３】以下、回転数検知手段に関する詳細を述べ
る。

【００１４】図２は、従来技術の回転数検知構成の一例
である。

【００１５】Ｐプーリ１４は、皿状の１４ａ，１４ｂを
長孔形状の孔１４ｃにて加締めて構成されている。Ｐプ
ーリ１４上には、孔１４ｃを利用し、円形永久磁石３７
を包した磁石ケース３８が嵌合により固定されている。
３６ａは、鉄芯３６ｂに巻かれたコイルであり、合成樹
脂製のコイルケース３５に納められポッティングされて
いる。又、コイル３６ａは、クラッチ１１の外壁に固着
された鋼板製のアーム３２により、永久磁石３７の対向
位置にギャップｇ３９を保ち配設される。

【００１６】図４は、図２の構成による出力波形の例で
ある。本従来実施例では、検出能力を上げるため永久磁
石３７を同一円周上に１２０°毎に３ケ配設している。
原理は、Ｐプーリ１４回転中に永久磁石３７の発生磁束
がコイル３６ａを横切る際に、コイル３６ａに発生する
誘導起電力を検出するものであり、そのまま取り出せば
正弦波となる。従って、Ｐプーリ１４が１回転する毎に
３パルスの検出が可能である。本構成の問題点の第１
は、位置精度を要求されることである。図４に示す様
に、回転数がＮ＝８００rpm でもギャップｇ３９が１.
５mm から２.５mm に変わると出力は大きく低下するた
め、部品寸法精度，アーム３２等の取付精度洗濯機運転
中の加振力による永久磁石３７とコイル３６の芯ズレ，
ギャップ変動対策が要求される。問題点の第２は、回転
数による出力の変化と検出能力である。ギャップｇ３９
を１.５mm で一定とした場合でも、Ｎ＝８００rpm と２
００rpmでは、磁束の時間変化が大きく異なるため出力
に影響を及ぼす。又、一定時間内Δｔに検出できる信号
が、低回転域では減少する（１００rpm でも２００rpm
でも１パルスとなる。）ためΔｔを長くする、あるいは
ゼロクロスの時間をカウントするといった回路、ソフト
的な方法、又は磁石をより多く配設するといった対応が
必要となる。その他、永久磁石３７自体のバラツキ，周
囲温度等、出力変動要因が考えられる。

【００１７】これらの課題を解決する手段として、本発
明の実施例を図３に示す。Ｐプーリ１４を等間隔で狭み
込む形状で、クラッチ１１の外壁に固着されるアーム３
２、及びその先端に互いに向き合い配設された発光素子
３３ａ，受光素子３３ｂで構成される。発光素子３３ａ
の光線の指向性，受光素子３３ｂの受光共に広角のもの
を採用している。Ｐプーリ１４の発光素子３３ａ，受光
素子３３ｂの光線軸上には、同一円周上に孔１４ｃが６
個設けられている。この孔数は、多いほど検知能力は向
上するが、必要に応じて任意に決めれば良い。又、全自
動洗濯機では、耐湿，耐水性が要求されるため、各素子
共に合成樹脂性のセンサケース３３ｃに納められ、ポッ
ティング処理を施している。回転数の検出は、検出時間
Δｔ＝０.５ｓ 中に孔１４ｃを発光素子３３ａの光が透
過し、受光素子３３ｂが受光した時の出力信号を
“１”，“０”信号とし、パルス数をカウントして行
う。本例では、図５に示す様に、Ｎ＝１２０rpmで６パ
ルス，Ｎ＝８００rpmでは４０パルスの出力となる。前
記従来実施例では、永久磁石３７を３ケ用いて、Ｎ＝８
００rpm で２０パルスとなる。この様に検出能力を自由
に高くすることが可能な上、光を受光したか否かのみを
判別するため、孔１４ｃの開口面積さえ十分確保してい
れば、部品寸法精度，加振力等の位置精度の影響、及び
回転数，周囲温度等の影響は受けない。又、発光素子３
３ａは、センシングの時のみ発光する様にしておき、セ
ンサ自体の信頼も確保しておく。

【００１８】光センサは、発光・受光面にほこり等の汚
れが付着した場合に動作不良の可能性がある。図６は、
この課題を解決する一実施例を示したものである。４０
は、合成樹脂性の土台４０ａに、繊維状のポリプロピレ
ンをブラシ状にした４０ｂを両側に固着することにより
構成したクリアブラシである。又、４０ｂには、上下両
方向から円形状のツメが各２ケ所対向位置に設けられて
おり、Ｐプーリ１４に対し両方向から取付けられる様に
なっている。Ｐプーリ１４の取付孔には、クリアブラシ
４０の回転止めを目的とした凸部１４ｄが対向位置に２
ケ所設けられている。クリアブラシ４０は、Ｐプーリ１
４の孔１４ｃと同一円周上に配され、洗濯機運転中にＰ
プーリ１４が回転する毎にブラシの先端が発光・受光面
をはき、汚れを落とす様になっている。ここで、４０ｂ
は、軟かい布，耐候性に優れた発泡体等でも良い。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、必要な回転数検出能力
が容易に得られ、且つ部品寸法精度，取付精度，洗濯機
運転中の加振力による振動に影響されない信頼性の高い
回転数検出手段を備えた全自動洗濯機を提供できる。
又、クリアブラシの採用により、センサ発光・受光面の
汚れを除去することが可能となり、より高い信頼性を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の全自動洗濯機の縦断面図。

【図２】従来技術の回転数検出手段の一例の説明図。

【図３】本発明の回転数検出手段の一実施例の説明図。

【図４】従来技術のセンサ出力波形図。

【図５】本発明のセンサ出力波形図。

【図６】本発明のクリアブラシの一実施例の説明図。

【符号の説明】

１４…Ｐプーリ、３２…アーム、３３ａ…発光素子、３
３ｂ…受光素子、33ｃ…センサケース、４０…クリアブ
ラシ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転数検出手段を備えた全自動洗濯機にお
   いて、洗濯兼脱水槽あるいは撹拌翼の回転軸と同軸に配
   設され、駆動用モータと動力伝達用ベルトを介し継がれ
   るプーリと、前記プーリをはさむ様に配設された光セン
   サとで回転数検出をすることを特徴とする全自動洗濯
   機。
2. 【請求項２】請求項１において、前記プーリの盤面上に
   は任意の数の孔が設けられ、前記孔を透過する光をセン
   サの検出信号とし、任意の時間におけるパルス数として
   回転数検出をする全自動洗濯機。
3. 【請求項３】請求項１において、前記プーリが回転する
   毎にセンサ発・受光面の汚れを除去する手段を前記プー
   リ上に備え、発・受光面には耐摩耗コーティングを施し
   た全自動洗濯機の回転数検出手段。
4. 【請求項４】請求項３において、前記汚れ除去手段を耐
   候性に優れた発泡体，軟布，合成樹脂製ブラシとした回
   転数検出手段。