JPH10152721A - 真空精錬装置 - Google Patents

真空精錬装置

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JPH10152721A
JPH10152721A JP32617896A JP32617896A JPH10152721A JP H10152721 A JPH10152721 A JP H10152721A JP 32617896 A JP32617896 A JP 32617896A JP 32617896 A JP32617896 A JP 32617896A JP H10152721 A JPH10152721 A JP H10152721A
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dust
duct
pot
refining
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JP32617896A
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Katsuhiko Kato
勝彦 加藤
Akio Shinkai
昭男 新飼
Kenichiro Miyamoto
健一郎 宮本
Keiichi Katahira
圭一 片平
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Priority to EP97913417A priority patent/EP0881304B1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空排気ダクト内に巻き込まれる粉塵による
閉塞を防止して、真空槽内の到達真空度を所定のレベル
に維持すると共に、粉塵の除去作業を簡単に行うことの
できる真空精錬装置を提供する。 【解決手段】 真空槽11とガスクーラー16、真空排
気装置及び真空槽11、ガスクーラー16間に配置され
る真空排気ダクト18とを備えた真空精錬装置10にお
いて、真空排気ダクト18が、真空槽11の側壁上部に
設けられたダクト入口19から上方に向かって傾斜する
上昇傾斜部21と、上昇傾斜部21の頂部22から下方
に向かって傾斜する下降傾斜部23、及び下降傾斜部2
3の下方に着脱自在に配置されたダストポット36とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の真空精錬装
置に用いられる真空排気ダクトに関し、更に詳しくは、
排気ガス中に含まれる溶鋼のスプラッシュ、スピッテイ
ングに伴う鉄粉や地金及び粉塵(以下単に粉塵と称す
る)のダクト内面への付着を防止することのできる真空
精錬装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、VOD等の真空脱炭精錬に際して
は、真空下で酸素ガスを溶鋼に吹き込むことにより溶鋼
中の炭素を燃焼除去して、炭素濃度等を所定の範囲に調
整する処理が行なわれている。このような真空精錬にお
いては、精錬に伴って発生する排気ガスを蒸気エジェク
ターで吸引しつつ、真空槽内を所定の真空度に維持する
ために、前記の排気ガスをガスクーラで冷却した後、排
気ガス処理系に排気ガスが供給されるようになってい
る。そして、このような真空精錬処理装置として、例え
ば特開昭61−37912号公報には、取鍋内の溶鋼を
浸漬管を介して真空槽内に吸上げ、浸漬管の投影面下の
取鍋内下位から不活性ガスを吹き込み、且つ真空槽内の
溶鋼表面に上部ランスを介して酸化性ガスを吹き付ける
溶鋼の真空精錬方法において、該浸漬管の内径D1 と取
鍋の内径D0 との比D1 /D0 が0.4〜0.8の値と
なるよう浸漬管の内径を定め、取鍋内の溶鋼深さを
0 、不活性ガスの吹込位置を溶鋼表面からの深さH1
としたとき、H1 /H0 が0.5から1.0の値となる
よう不活性ガス吹込位置を定める溶鋼の真空精錬方法が
記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭61−37912号公報に記載の真空精錬時におけ
る浸漬管、取鍋及び不活性ガスの吹込位置等の幾何学的
配置を適正な範囲内とすることにより溶鋼のスプラッシ
ュを阻止して、真空槽や真空排気ダクトに付着する粉塵
(地金)の堆積を防止する方法では、真空精錬の生産性
を上げるために高速で吹酸精錬を行うと、スプラッシュ
も大幅に増大して、図6に示すような以下の問題があっ
た。 溶鋼50のスプラッシュ自体の発生を抑制することは
できるものの、排気ガス中には依然として粉塵が含まれ
ている。このために時間を経るに従って、この粉塵が真
空排気ダクト51内の特にダクト入口部付近に次第に堆
積して堆積層52を形成して、流路が閉鎖され、あるい
は通気抵抗を増大させて、真空槽53における到達可能
な真空度のレベルを低下させる。 ガスクーラー54に粉塵が取り込まれるために、ガス
クーラー54を損傷させメンテナンスコストを増大させ
ると共に、粉塵の被覆層がガスクーラー54内に形成さ
れるために冷却効率を著しく低下させる原因となる。 真空排気ダクト51内に一旦、粉塵の堆積層52がで
きると、粉塵が強固に結合し、このような粉塵を除去す
るには手作業となり、除去作業にかかる負荷が大きくな
る。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、真空排気ダクト内に巻き込まれる粉塵による閉
塞を防止して、真空槽内の到達真空度を所定のレベルに
維持すると共に、粉塵の除去作業を簡単に行うことので
きる真空精錬装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の真空精錬装置は、溶鋼の精錬を行う真空槽と、該
真空槽の排気ガスを冷却するガスクーラーとを減圧する
真空排気装置と、前記真空槽及び該ガスクーラー間に配
置される真空排気ダクトとを備えた真空精錬装置におい
て、前記真空排気ダクトが、前記真空槽の側壁上部に設
けられたダクト入口から上方に向かって傾斜する上昇傾
斜部と、該上昇傾斜部の頂部から下方に向かって傾斜す
る下降傾斜部、及び該下降傾斜部の下方に着脱自在に配
置されたダストポットとを有する。請求項2記載の真空
精錬装置は、請求項1記載の真空精錬装置において、前
記上昇傾斜部の水平面に対する傾斜角度が30゜〜60
゜である。傾斜角度が30゜より小さいと、排気ガス中
の粉塵からなる粉体の安息角より小さくなるために、上
昇傾斜部に到達する粉塵が真空槽に滑り落ちることなく
次第に堆積してしまう。傾斜角度が60゜を越える場合
には、設備制約上そのような設計を行うことが困難とな
る。また、傾斜角度を60゜以上としても上昇傾斜部の
粉塵を真空槽に落下させる効果は殆ど変わらないので、
60゜をもって傾斜角度の上限とする。
【0006】請求項3記載の真空精錬装置は、請求項1
又は2記載の真空精錬装置において、前記上昇傾斜部の
頂部には、前記真空排気ダクト内に堆積する粉塵を溶解
させるための加熱装置が設けられている。請求項4記載
の真空精錬装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載
の真空精錬装置において、前記真空排気ダクトの実長さ
が15〜50mである。真空排気ダクトの実長さとは、
真空排気ダクトの排気方向に沿う長さであり、ダクト入
口からガスクーラーに至るまでの合計長さをいう。実長
さが15mより短くなると、真空槽からガスクーラーに
送入される排気ガス中の粉塵量が著しく増大すると共
に、排気ガスの温度が高くなり、ガスクーラーの負荷を
増大させるので好ましくない。逆に実長さが50mを越
えると、真空排気装置にかかる負荷が限度を越えて大き
くなり、必要な到達真空度を得ることが困難となる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに図1は本発明の一実施の形態
に係る真空精錬装置の側断面図、図2は同真空精錬装置
の平面図、図3はダストポットの取付け状態の説明図、
図4はダストポットの取り外し状態の説明図、図5はダ
ストポットの側面図である。
【0008】真空精錬装置10は図1、図2に示すよう
に、成分調整された溶鋼17を保持する取鍋13と、取
鍋13の上方に設けられ下部に浸漬管12が配置された
真空槽11と、真空槽11の上部に配置された吹き付け
ランス14と、真空槽11から排気される排気ガスを冷
却するためのガスクーラー16と、真空槽11及びガス
クーラー16間を連結して排気ガスをガスクーラー16
に導入するための真空排気ダクト18と、真空排気ダク
ト18の経路に設けられ排気ガス中の粉塵等を捕集する
ためのダストポット36とを有している。なお、ガスク
ーラー16には図示しない水蒸気エジェクター等の真空
排気装置が接続されており、該真空排気装置を駆動させ
ることによりガスクーラー16内を排気することができ
るようになっている。取鍋13は略円筒状の鉄製容器で
あり、溶鋼17に接する内面壁はアルミナシリカ質ある
いはアルミナジルコン質等の耐火物で内張りされてい
る。その底部にはアルゴンガス等の不活性ガスを吹き込
むためのガス吹き込みノズル15が設けられている。そ
して、ガス吹き込みノズル15を介して取鍋13の底部
から溶鋼17中に不活性ガスを吹き込むことにより、取
鍋13内の溶鋼17を撹拌して、溶鋼17中における精
錬反応の効率を高めることができる。
【0009】真空槽11は全体が略円筒形を呈した内径
が約1.7m、高さが約7mの直胴型であって、溶鋼1
7に浸漬される下方部分が浸漬管12として形成されて
いる。そして、浸漬管12の下部はアルミナシリカ質の
不定形耐火物を用いて流し込み施工されており、その上
部がマグネシアクロミア質等の耐火れんがを積層するこ
とにより構成されている。なお、真空槽11及び取鍋1
3は図示しない移動機構によりその相対位置を変えるこ
とができ、浸漬管12の下端部を取鍋13内の溶鋼17
に浸漬させることができるようになっている。
【0010】真空排気ダクト18は内部に耐火ライニン
グ材が内張りされた、直管あるいは曲管の組み合わせ等
からなる内径が約1.5mの金属製のダクトであり、排
気ガスの吸入側が真空槽11の側壁上部に設けられたダ
クト入口19に接続されており、排気ガスの排出側がガ
スクーラー16の入口20に配置されている。図1に示
すように真空排気ダクト18には、ダクト入口19以降
が上方に向かって傾斜角度(θ)で傾斜した全長約1.
5mの上昇傾斜部21と、上昇傾斜部21の頂部22以
降が下方に向かって傾斜角度約45°で傾斜した全長約
1.5mの下降傾斜部23とが配置されている。そし
て、上昇傾斜部21の頂部22付近には加熱装置24が
上昇傾斜部21に向けて斜めに配置されていて、頂部2
2、上昇傾斜部21あるいは下降傾斜部23に堆積する
粉塵等を加熱溶解して、真空槽11又はダストポット3
6に流下させることができるようになっている。下降傾
斜部23の下方には分岐部25が形成され、この分岐部
25の下部にはダストポット36が着脱自在に配置され
ていて、下降傾斜部23の傾斜したダクト内面に沿って
落下する粉塵等がダストポット36に溜まるようになっ
ている。なお、図2の平面図に示すように真空排気ダク
ト18は分岐部25において、排気ガスの流れる方向が
約90゜変化するようになっていて、このような排気ガ
ス流れの速度変化により、排気ガス中の粉塵のダストポ
ット36への沈降が促進されるようになっている。ま
た、真空排気ダクト18の本体部分はダストポット36
の直上部にある分岐部25である下降傾斜部23の末端
部から更に屈曲部及び直線部を有して伸延し、ガスクー
ラー16の入口20に接続されている。なお、ダクト入
口19からガスクーラー16の入口20に至る真空排気
ダクト18の実長さ(L)、及び傾斜角度(θ)を必要
に応じて任意の値に設定できるようになっている。
【0011】ガスクーラー16は、内部に冷却板等を備
えた排気ガスの冷却装置であり、図示しない真空排気装
置によってその内部のガスが排気される構造になってい
る。なお、冷却板又はその内壁に衝突して速度を失った
排気ガス中の固体粒子(粉塵)が逆円錐状に形成された
ガスクーラー16の底部に溜まるので、これを必要に応
じて捕集することができる。図3、及び図4に示される
ように、下降傾斜部23の下端部に配置されるフランジ
26の下部には、ガスクーラー16に繋がる真空排気ダ
クト18の分岐部25が形成され、その分岐部25の下
方に設けられたポット着脱装置27を介してダストポッ
ト36が取付けられている。ポット着脱装置27は、先
端部にコッター孔30の形成されたガイド棒31と、ガ
イド棒31を皿ばね32を介して上下方向に移動させる
ための油圧シリンダー33と、油圧シリンダー33を固
定するための上部フランジ28と、ガイド棒31を図示
しないガイド孔を介して移動自在に保持しダストポット
36の受けフランジ37に接続するための固定フランジ
35とを有する。ダストポット36は、略円筒状の鋼鉄
製あるいは鋳物製の底付き容器であり、その上端部に配
置される受けフランジ37と、受けフランジ37に設け
られた前記ポット着脱装置27のガイド棒31を挿入す
るためのガイド棒挿入孔38と、ダストポット36の外
周部に対向して取付けられた一対の吊り下げ用のトラニ
オン39とを有する。なお、ダストポット36の内壁部
には必要に応じてキャスタブル等の耐火ライニング材が
被覆されるようになっている。
【0012】続いて、前記真空精錬装置10の使用方法
について詳細に説明する。まず、転炉等の精錬炉におい
て溶鋼成分の濃度、溶鋼温度等を所定の範囲に設定した
溶鋼17を取鍋13に収容する。次に、真空槽11の下
部にある浸漬管12を溶鋼17に浸漬させると共に、真
空槽11内を減圧して、浸漬管12内の溶鋼面を引き上
げる。そして、このような減圧状態を維持したまま、取
鍋13の底部に設けたガス吹き込みノズル15を介して
アルゴンガスを吹き込むことにより溶鋼17を攪拌する
と共に、吹き付けランス14から酸素ガスを真空槽11
内の溶鋼17に供給して、溶鋼17の脱炭精錬を行う。
【0013】このような真空下で脱炭精錬を行うに際し
て、真空槽11の真空度は脱炭精錬効率の高位維持及び
到達炭素濃度の調整の観点から極めて重要な因子であ
る。しかし、吹酸による脱炭精錬中に溶鋼17のスプラ
ッシュあるいは突沸現象等が生じると、微細な溶鋼17
の飛沫(溶滴)又は飛沫の凝固してなる粉塵が真空排気
ダクト18内に排気ガスと共に引き込まれて、ダクト入
口19部に堆積して排気ガス流路を閉塞させたり、ガス
クーラー16に達してその能力を低下させたりする。こ
のために、真空槽11内の到達真空度は著しく悪化し、
また、ガスクーラー16への鉄粉を含む粉塵の付着が激
しい場合には、操業そのものが不可能となる等の問題が
あった。そこで、本実施の形態においては真空排気ダク
ト18に傾斜角度θを有する上昇傾斜部21を設けるこ
とにより、ダクト入口19近傍に堆積する粉塵等を真空
槽11内に落下させて、このような堆積を効果的に抑制
するものである。そして、上昇傾斜部21の頂部22を
越えるような粉塵に対しては下降傾斜部23の下方に設
けたダストポット36の中に捕集することにより、真空
排気ダクト18内での排気に伴う圧力損失を増大させる
ことなく、所定レベルに維持できる。さらに、ダストポ
ット36に溜まる粉塵の量が多くなった場合には、ポッ
ト着脱装置27を用いてダストポット36を取り外すこ
とによってダストポット36内の粉塵を容易に除去でき
ると共に、分岐部25周辺の清掃等のメンテナンスを行
うことができる。
【0014】以下、ダストポット36の着脱方法につい
てさらに詳細に説明する。ダストポット36を真空排気
ダクト18から取り外す場合には、図5に示すように、
まずダストポット36のトラニオン39に取付けられた
吊り金具40にチェーン41を装着して、図示しないチ
ェーンブロックを用いてダストポット36を支持する。
なお、吊り金具40はトラニオン39の軸に対して所定
の角度範囲内で回動できるようになっている。そして、
図3に示すように、このような状態で受けフランジ37
及び固定フランジ35間を固定するためのボルト、ナッ
ト類を取り外す。次に油圧シリンダー33を図示しない
油圧ユニットを用いて作動させることにより、皿ばね3
2を押圧しながらガイド棒31を押し下げる。これによ
って、コッター29にかかる拘束力が解放されて、ガイ
ド棒31のコッター孔30に挿入されているコッター2
9が取り外される状態となる。そして、コッター29を
コッター孔30から取り外すと共に、チェーンブロック
を用いてダストポット36を下降させる。このようにし
て、受けフランジ37のガイド棒挿入孔38からガイド
棒31を抜き取って、ダストポット36を真空排気ダク
ト18から完全に離脱させた後、ダストポット36の中
に堆積する地金等を含む粉塵の除去を行うことができ
る。なお、図5のダストポット36の側面図に示すよう
に、このとき左右の吊り金具40に対してそれぞれ2本
のチェーン41が取付けられているので、左右各1本の
チェーン41でダストポット36を吊るす場合に較べて
特定の吊りチェーン(チェーン41)に対する集中荷重
を回避でき、吊り下げ搬送時の吊りチェーンへの過度負
荷を抑制してダストポット36を安定に昇降することが
できる。
【0015】以下ではダストポット36を真空排気ダク
ト18に取付ける場合について説明する。まず、チェー
ンブロックにより吊り下げられたダストポット36を、
図示しないチェーンブロックの移動機構を用いて、真空
排気ダクト18の固定フランジ35の下方に位置付け
る。次に、チェーンブロックを作動させて、ダストポッ
ト36を上昇させ、ダストポット36上部のガイド棒挿
入孔38に、ポット着脱装置27のガイド棒31を挿入
する。そして、受けフランジ37の下方位置に移動する
コッター孔30にコッター29を挿入する。固定フラン
ジ35と受けフランジ37間をボルトを締めることによ
り固定して、チェーン41を吊り金具40から外してダ
ストポット36の取付け作業を終了する。
【0016】ここで、表1は、真空排気ダクト18の上
昇傾斜部21における傾斜角度(θ)、及び真空排気ダ
クト18の実長さ(L)等の操業条件を変化させて、真
空精錬を行った場合のそれぞれの操業結果である実施例
1〜4を示している。
【0017】
【表1】
【0018】例えば、表1の実施例1は傾斜角度(θ)
を45゜、実長さ(L)を22mとして、ダストポット
36(地金ポット)を下降傾斜部23の下方に配置し
て、約5日間にわたり真空精錬の操業を行った例を示し
ている。操業結果の欄に示されるように、この場合のダ
クト入口19部での粉塵付着状況は僅少であり、粉塵付
着によるガスクーラー16の損傷はなく、到達真空度も
0.5torrを維持できることから、評価は良好
(○)であった。他の実施例2〜4の結果からも明らか
なように、傾斜角度(θ)、実長さ(L)を所定範囲内
とし、地金ポット36を設けることにより、いずれも良
好な評価が得られることが分かる。
【0019】ここで、表2は前記実施例に対する比較例
1〜4を示している。例えば、表2の比較例1、比較例
2は、上昇傾斜部21の傾斜角度(θ)を30゜〜60
゜の適正範囲外である15゜、0゜にそれぞれ設定した
例であって、ダクト入口19部における粉塵の堆積が大
となり、真空排気ダクト18内の圧力損失が増加して到
達真空度が35torr、45torrのレベルとなっ
て、評価は不良(×)となることを示している。また、
比較例3は、地金ポットを設けない例を示すものであ
り、この場合にはダクト入口19部における粉塵の堆積
は僅少となるものの、上昇傾斜部21の頂部22を越え
て流入する粉塵が捕捉されることなくガスクーラー16
にまで達するために、この損傷が大きくなると共に、到
達真空度も40torrのレベルであることが分かる。
比較例4は、真空排気ダクト18の実長さ(L)を適正
範囲(15〜50m)外である6mとした例であり、地
金ポット36を設置したにも拘わらず、実長さ(L)が
短いためにガスクーラー16への粉塵の流入量が増加し
て、ガスクーラー16の損傷が大きくなっている。
【0020】
【表2】
【0021】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、真空槽
の一例である直胴型浸漬管を有するDH式真空精錬炉
(真空槽)に真空排気ダクトを適用する例を示したが、
RH式真空精錬炉等への適用も可能である。
【0022】
【発明の効果】請求項1〜4記載の真空精錬装置におい
ては、真空排気ダクトに真空槽の側壁上部のダクト入口
から上方に向かって傾斜する上昇傾斜部が設けられてい
るので、真空槽で発生する粉塵がここに到達しても、真
空槽に向かって自然落下させることができ、粉塵を堆積
させることなく維持することができる。さらに、上昇傾
斜部の頂部から下方に向かって傾斜する下降傾斜部を設
けているので、上昇傾斜部の頂部を越える粉塵を効果的
に滑降、除去することができる。そして、下降傾斜部の
下方に配置されたダストポットに前記滑降する粉塵を捕
集して、これを必要に応じて簡単に除去することができ
る。従って、真空排気ダクト内に巻き込まれる粉塵によ
る閉塞を防止して、真空槽内の到達真空度を所定のレベ
ルに維持すると共に、真空精錬の生産性を高めることが
できる。
【0023】特に、請求項2記載の真空精錬装置におい
ては、上昇傾斜部の水平面に対する傾斜角度を排気ガス
中の粉塵からなる粉体の安息角よりも大きく、かつ設備
制約を受けることのない範囲に設定するので、上昇傾斜
部の粉塵を効率的に真空槽に滑り落とすことができると
共に、真空排気ダクトの真空槽への取付けを容易にでき
る。また、請求項3記載の真空精錬装置においては、上
昇傾斜部の頂部に真空排気ダクト内に堆積する粉塵を溶
解させるための加熱装置が設けられているので、たとえ
粉塵等が頂部付近に堆積しても、粉塵を流動化させて真
空槽あるいはダストポットに流下させて、さらに効率的
に粉塵の堆積を抑制することができる。請求項4記載の
真空精錬装置においては、真空排気ダクトの実長さを特
定の範囲としているので、真空槽からガスクーラーに送
入される排気ガスの粉塵量を抑制できると共に、排気ガ
スの温度が高温とならないので、ガスクーラーにかかる
負荷を軽減できる。このためガスクーラーの損傷を防止
して、メンテナンスの頻度を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る真空精錬装置の側
断面図である。
【図2】同真空精錬装置の平面図である。
【図3】ダストポットの取付け状態の説明図である。
【図4】ダストポットの取り外し状態の説明図である。
【図5】ダストポットの側面図である。
【図6】従来例の真空排気ダクトを適用する真空精錬装
置の側断面図である。
【符号の説明】
10 真空精錬装置 11 真空槽 12 浸漬管 13 取鍋 14 吹き付けランス 15 ガス吹き
込みノズル 16 ガスクーラー 17 溶鋼 18 真空排気ダクト 19 ダクト入
口 20 入口 21 上昇傾斜
部 22 頂部 23 下降傾斜
部 24 加熱装置 25 分岐部 26 フランジ 27 ポット着
脱装置 28 上部フランジ 29 コッター 30 コッター孔 31 ガイド棒 32 皿ばね 33 油圧シリ
ンダー 35 固定フランジ 36 ダストポ
ット(地金ポット) 37 受けフランジ 38 ガイド棒
挿入孔 39 トラニオン 40 吊り金具 41 チェーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片平 圭一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼の精錬を行う真空槽と、該真空槽の
    排気ガスを冷却するガスクーラーとを減圧する真空排気
    装置と、前記真空槽及び該ガスクーラー間に配置される
    真空排気ダクトを備えた真空精錬装置において、 前記真空排気ダクトが、前記真空槽の側壁上部に設けら
    れたダクト入口から上方に向かって傾斜する上昇傾斜部
    と、該上昇傾斜部の頂部から下方に向かって傾斜する下
    降傾斜部、及び該下降傾斜部の下方に着脱自在に配置さ
    れたダストポットとを有することを特徴とする真空精錬
    装置。
  2. 【請求項2】 前記上昇傾斜部の水平面に対する傾斜角
    度が30゜〜60゜であることを特徴とする請求項1記
    載の真空精錬装置。
  3. 【請求項3】 前記上昇傾斜部の頂部には、前記真空排
    気ダクト内に堆積する粉塵を溶解させるための加熱装置
    が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載
    の真空精錬装置。
  4. 【請求項4】 前記真空排気ダクトの実長さが15〜5
    0mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の真空精錬装置。
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