JPH10152358A - 人造砂岩用モルタル組成物、人造砂岩および人造砂岩の製造方法 - Google Patents

人造砂岩用モルタル組成物、人造砂岩および人造砂岩の製造方法

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JPH10152358A
JPH10152358A JP30801996A JP30801996A JPH10152358A JP H10152358 A JPH10152358 A JP H10152358A JP 30801996 A JP30801996 A JP 30801996A JP 30801996 A JP30801996 A JP 30801996A JP H10152358 A JPH10152358 A JP H10152358A
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JP
Japan
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sandstone
artificial sandstone
mortar composition
artificial
slag
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Application number
JP30801996A
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English (en)
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Hirofumi Tanaka
弘文 田中
Hiroo Shioda
博夫 潮田
Satoshi Ozawa
聡 小澤
Takamasa Kaneyoshi
孝征 兼吉
Kazunori Endo
和教 遠藤
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人造砂岩の全体を一種のモルタル組成物によっ
て成形した場合に、一次硬化体の脱型強度を向上させ、
人造砂岩の表面形態の転写性能を良好とする。 【解決手段】モルタル組成物は、無機セメント系材料、
ケイ酸質材料、スラグ、石膏、無機顔料および水を含有
している。無機セメント系材料、ケイ酸質材料およびス
ラグの合計含有量を100重量部としたときに、無機セ
メント系材料の含有量が20〜25重量部であり、ケイ
酸質材料の含有量が15〜35重量部であり、スラグの
含有量が40〜60重量部である。天然砂岩の表面形態
を転写した転写面5aを備えている転写材5を設置し、
転写材5の内側にモルタル組成物を注入するための空間
6を形成する。モルタル組成物を養生して一次硬化体を
得、一次硬化体をオートクレーブ養生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、外装材、内装材、床材等
の建築仕上げ材として有用な人造砂岩とその製造方法と
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年における建築物の高級化と、独自性
を求める傾向とを背景として、建築物の仕上げ材として
天然石材の需要が増大している。従来から行われている
天然石板の加工法としては、天然石を大型機械によって
切削、削り、研磨加工する方法がある。また、機械化で
きない部分は、熟練した人手によって任意の形状に加工
されている。しかし、人手による仕上げも個人差が大き
く一定の品質、精度のものとすることは困難であり、多
くの時間と費用を要する。このため、人造砂岩が注目さ
れている。
【0003】従来、セメント系の建築仕上げ材料として
の人造石板を製造する方法としては、セメント、顔料、
充填材および水を所定の割合で配合して配合物を得、こ
の配合物をオートクレーブ中で養生している。こうした
人造砂岩は、2層構造をとっている。特開平7−607
27号公報においては、人造砂岩を複層構造とし、この
うち表面層の水分の含有量を大きくして流動性を高める
ことが提案されている。また、特開平8−11110号
公報においては、2層構造のモルタル成形体を養生して
硬化させた後、オートクレーブ中で180°で10時間
の養生を施すことが記載されている。
【0004】こうした人造砂岩の典型的形態について、
図1を参照しつつ、説明する。人造砂岩1は平板形状を
なしており、施工現場の形状に合わせてこの人造砂岩1
を切断する。人造砂岩1の第1層目(表面層)3は、意
匠転写性を向上させ、エフロレッセンスの発生を抑制す
ることを目的として、比較的セメント量の少ない配合を
採用する必要がある。一方、人造砂岩1の第2層目(裏
面層)2は、比較的セメント量を多くすることによっ
て、強度を増大させることが必要である。人造砂岩1の
表面層3の化粧面3bには、天然砂岩様の形態が転写さ
れている。
【0005】また、R形状、円柱形状、コーナー形状等
の特殊な形状を有する天然石の需要も急増している。天
然石は、一般的に、切削、削り、研磨加工等により、任
意の形状とすることが可能である。しかし、天然砂岩に
このような機械的な加工を行うと、砂岩特有の割れ肌模
様が失われてしまい、意匠性が大幅に低下し、人造砂岩
としての商品価値が失われてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした2層構造の人
造砂岩は、良好な意匠性と十分な機械的強度を満足する
ものである。しかし、図1に示すように、人造砂岩1を
現場の形状に合わせて切断加工するときに、切断加工に
よって生じた小口面1aには、表面層の切断面3aだけ
でなく、裏面層2の切断面2aもはっきりと見えるし、
表面層3と裏面層2との境界線20もはっきりと見え
る。このため、天然石と同等な質感を求めるユーザーか
らは、小口面1aの改善が求められていた。
【0007】また、本発明者は、R形状、円柱形状、コ
ーナー形状等の特殊な形状を有する人造砂岩を製造しよ
うとした。しかし、前記したような2層構造を有する人
造砂岩によって、R形状、円柱形状、コーナー形状等の
特殊な形状を有する人造砂岩を成形することは、型枠の
形状の制限のために、現実には不可能であった。
【0008】本発明者は、前記の課題を解決するため
に、人造砂岩の全体を一種のモルタル組成物によって成
形することを試みた。即ち、所定形状の型枠内にモルタ
ル組成物を注入し、蒸気養生等をして硬化させて一次硬
化体を得、この一次硬化体をオートクレーブ中で養生し
て硬化させた。しかし、前記した表面層3に適した配合
のモルタル組成物を使用すると、蒸気養生後における一
次硬化体の脱型強度が不足し、製品不良が多発して歩留
りが著しく低下することが判明した。具体的には、一次
硬化体の脱型強度が不足すると、オートクレーブ養生を
行うとき、製品中の水分の急激な膨張により、製品の爆
裂が起こる。
【0009】また、前記した裏面層2に適した配合のモ
ルタル組成物を使用すると、セメント量が多いためにモ
ルタル組成物の流動性が悪く、人造砂岩の表面形態が転
写されにくくなり、かつ、添加する無機顔料の発色が悪
くなることが判明した。更に、セメント量が多いため
に、余剰の石灰分によって、オートクレーブ養生終了後
に、エフロレッセンスの発生が激しいことが判明してき
た。
【0010】本発明の課題は、人造砂岩の全体を一種の
モルタル組成物によって成形した場合に、一次硬化体の
脱型強度を向上させることができ、かつ人造砂岩の表面
形態の転写性能が良好であって、美観の優れた人造砂岩
を製造できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、セメント系人
造砂岩の製造に使用するためのモルタル組成物であっ
て、無機セメント系材料、ケイ酸質材料、スラグ、石
膏、無機顔料および水を含有しており、無機セメント系
材料、ケイ酸質材料およびスラグの合計含有量を100
重量部としたときに、無機セメント系材料の含有量が2
0〜25重量部であり、ケイ酸質材料の含有量が15〜
35重量部であり、スラグの含有量が40〜60重量部
であることを特徴とする、人造砂岩用モルタル組成物に
係るものである。
【0012】また、本発明は、人造砂岩が実質的に一層
のセメント成形硬化体からなり、セメント成形硬化体
が、前記の人造砂岩用モルタル組成物の水和硬化物から
なることを特徴とする、人造砂岩に係るものである。
【0013】また、本発明は、天然砂岩様の化粧面を有
する人造砂岩を製造するのに際して、天然砂岩の表面形
態を転写した転写面を備えている転写材を設置すること
により、この転写材の内側に、人造砂岩用モルタル組成
物を注入するための空間を形成し、この際転写材の転写
面が内側を向くように転写材を配置し、前記のモルタル
組成物を転写材の内側に注入して養生させることにより
一次硬化体を得、一次硬化体を密閉空間内で加熱および
加圧することによって人造砂岩を得ることを特徴とす
る、人造砂岩の製造方法に係るものである。
【0014】本発明者は、前記した表面層3に適した配
合のモルタル組成物において、セメント量を増やすこと
なく、脱型時の一次硬化体の強度を増進させるため、表
面層用配合のフラッタリーサンドの全量とケイ石粉の一
部とを、スラグないしスラグ粉砕物で置換することを想
到した。
【0015】従来、一般的なセメント組成物において
は、セメントの水和発熱を減少させる目的でスラグを添
加することが知られている。しかし、人造砂岩を製造す
るのに際して、一次硬化体の強度を早期に発現させ、か
つ無機顔料の発色を向上させる目的でスラグをモルタル
組成物中に添加することは、まったく類例がない。
【0016】更に、表面層用の配合において、セメント
量を増やすことなく、フラッタリーサンドの全量とケイ
石粉の一部とを、スラグないしスラグ粉砕物で置換する
ことによって、オートクレーブ養生後において、一層高
強度で化学的安定性、水密性に優れた硬化体が得られる
ことが判明した。しかも、モルタル組成物の流動性は、
後述するように良好に保持され、天然砂岩用の表面形態
が極めて良好に人造砂岩の表面に転写されることをも確
認し、本発明に到達した。
【0017】このモルタル組成物によって人造砂岩を製
造することで、人造砂岩全体を1層構造とすることが可
能となり、これによって、人造砂岩の小口断面の質感を
改善することに成功した。しかも、蒸気養生後の脱型強
度を増進して、オートクレーブ養生時の不良品の発生を
抑制し、また天然砂岩様の極めて良好な表面形態を人造
砂岩に付与することに成功し、エフロレッセンスの発生
も抑制することに成功した。
【0018】具体的には、このモルタル組成物を使用
し、かつ、天然砂岩の表面形態を転写した転写面を備え
ている転写材を設置し、転写材の内側に人造砂岩用モル
タル組成物を注入し、養生させて一次硬化体を得、この
一次硬化体を密閉空間内で加熱および加圧することによ
って、1層構造の人造砂岩を得ることができる。
【0019】しかも、これによって、平板形状の人造砂
岩の小口面の形態を改善できるだけでなく、従来は製造
が困難であった特殊形状製品を製造できるようになっ
た。即ち、R形状、円柱、コーナー形状等の任意の形状
に調整した型枠の内側面に、天然砂岩の表面意匠ないし
表面形態を有する転写材を設置し、この内側に本発明の
モルタル組成物を注入し、硬化させることによって、所
望の特殊形態の人造砂岩を提供可能となった。
【0020】無機セメント系材料、ケイ酸質材料および
スラグの合計含有量を100重量部としたときに、無機
セメント系材料の含有量を20〜25重量部とする必要
がある。これが20重量部未満であると、一次硬化体の
強度、人造砂岩の強度が低下し、25重量部を越える
と、人造砂岩の表面形態が転写されにくくなり、無機顔
料の発色が悪くなり、オートクレーブ養生終了後に、エ
フロレッセンスの発生が激しくなる。
【0021】ケイ酸質材料の含有量が15重量部未満で
あると、オートクレーブ養生後における強度発現が十分
ではなく、35重量部を越えると、人造砂岩の表面形態
が転写されにくくなる。スラグの含有量が40重量部未
満であると、一次硬化体の強度が低くなり、あるいは強
度の発現が遅くなる。これが60重量部を越えると、人
造砂岩用モルタルの材料分離が発生し、表面形態転写性
の低下と一次硬化体の強度の低下とを招く。石膏の含有
量は3.5〜5.5重量部とする。
【0022】モルタル組成物中に添加する無機顔料は、
3〜15重量部とすることが好ましい。また、モルタル
組成物中に添加する水は、15〜20重量部とすること
が好ましい。無機顔料としては、人造砂岩の場合におい
ては、赤系やベージュ系の顔料を使用して天然砂岩の色
調を再現するのが通常である。
【0023】本発明のモルタル組成物に撥水剤を添加す
ることができる。セメント100重量部に対して、撥水
剤を0.2〜5重量部の割合で添加することが好まし
い。これによって、オートクレーブ養生などの高温養生
により、セメント硬化体内部に撥水層を形成し、大幅な
耐吸水性、耐汚染性の向上をはかることができる。ま
た、硬化体内部が更に水密なものとなり、天然砂岩のよ
うな吸水性能、耐凍結融解性能の問題を完全に解消で
き、長期に渡って化学的、機械的安定性、美装性を保持
し続ける人造砂岩を製造することができる。
【0024】次に、本発明者は、モルタル組成物中に添
加するスラグの粒度構成を検討した結果、次の発見に至
った。即ち、スラグ粉砕物を篩にかけ、所定粒度以下の
スラグを使用するが、この際、2.0mmの篩を通過し
たスラグを使用することが好ましい。1.2mmの篩を
通過したスラグを使用すると、脱型後の一次硬化体の強
度、オートクレーブ養生後の強度共に、著しく向上する
ことが分かった。また、0.8mm以下の篩を通過した
スラグを使用すると、特にスラリーの分離が発生せず、
色ムラや強度のバラツキが減少した。
【0025】しかし、0.3mmの篩、0.2mmの篩
を通過したスラグを使用すると、モルタル組成物の流動
性が低下してきた。従って、0.8mm〜0.4mm以
下の篩を通過したスラグが一層好ましく、0.6mmの
篩を通過したスラグが最も好ましい。
【0026】本発明においてモルタル組成物を成形する
際には、発泡ポリエチレン等からなる転写材を型枠とし
て使用できる。また、所定形状の型枠の内側に転写材を
設置し、転写材の内側にモルタル組成物を注入すること
ができる。型枠の内側に転写材を設置する場合には、特
殊形状に調整した、弾力性を有する、砂岩意匠を転写し
た弾性シートを、ゴム型として使用することが一層好ま
しい。この弾性シートは、意匠ゴム型として作用するも
のであるので、特殊な形状に追従可能な柔軟性、弾力性
を有することが必要である。具体的には、シリコンゴ
ム、あるいはウレタンゴムからなる弾性シートが好まし
い。
【0027】この実施形態においては、弾性シートの表
面に天然砂岩の表面の意匠を転写して転写面を形成し、
意匠ゴム型を製作する。一方、R形状、円柱、コーナー
形状等の任意の形状を有する型枠を製作する。この型枠
の内側面に弾性シートを設置し、この際、弾性シートの
転写面が成形用空間を向くようにする。
【0028】この空間に、無機顔料によって着色された
モルタル組成物を流し込み、好ましくは蒸気養生(好ま
しくは35〜45℃)で養生を行った後、オートクレー
ブ養生(好ましくは170〜180℃)し、表面に割れ
肌模様の転写された特殊形状の人造砂岩を得ることがで
きる。従って、本発明によれば、特殊形状の人造砂岩を
製造するのに際して、従来からある機械的加工によるこ
となく、型枠内でモルタル組成物を養生する方法による
ことができる。従って、機械的加工の場合とは異なり、
美装性、質感、割れ肌模様を天然砂岩そのままに保持す
ることができる。
【0029】モルタル組成物を転写材の内側に充填した
後、温度20℃以上、湿度80%RH以上で、好ましく
は10〜20時間養生を行う。この時の温度が20℃未
満であると、セメントの水和硬化が阻害され、型枠から
取り出すことが可能となるまでの時間が増大し、また脱
型時における端欠け等の不良品の発生の原因となる。ま
た、温度の管理が十分でないと、成形板の水和進行の程
度が不均一となり、特に意匠面において色むらの原因と
なる。
【0030】モルタル組成物を型枠内に充填してから、
オートクレーブ養生に入るまでの時間は、生産性の観点
から、15時間以下とすることが特に好ましい。また、
一次硬化体の脱型時の曲げ強度は、20kgf/cm2
以上とすることが好ましく、30kgf/cm2 以上と
することが更に好ましく、40kgf/cm2 以上とす
ることが一層好ましい。
【0031】以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳
細に説明する。図2(a)は、本発明の一実施形態で使
用する型枠の構造を示す破断斜視図であり、図2(b)
は、図2(a)の型枠内に本発明のモルタル組成物を注
入した状態を示す破断斜視図である。図2(a)、
(b)の型枠は、円柱を縦に半分に割った形状を有する
人造砂岩を製造する例に係る。この型枠4は、湾曲した
形状の底壁4bと、平板形状の側壁4cとを備えてい
る。
【0032】型枠4の内側面4aを覆うように、弾性シ
ート5が設置されている。弾性シート5は、湾曲した形
状の底壁5bと、平板形状の側壁5cとを備えており、
弾性シート5の底壁5bの内側面に転写面5aが形成さ
れている。転写面5aの内側に、円柱を縦に半分に割っ
た形状の成形用空間6が形成されている。本型枠におい
ては、弾性シート5の側壁5cの内側面10は平坦にし
ている。ただし、図2(a)、(b)においては、側壁
4c、5cの一方のみを図示しており、他方は図示して
いない。また7は破断面である。
【0033】好ましくは、弾性シート5の転写面5aに
アルコール水を塗布し、気泡の発生を防止する。弾性シ
ート5の内側の成形用空間6にモルタル組成物8を注入
する。モルタル組成物の混練に当たっては、真空混練に
よりモルタルスラリー中に内包される気泡を脱泡し、気
泡の発生を防止することが好ましい。モルタル組成物の
一次養生後、意匠ゴム型5、成形型枠4から一次硬化体
を脱型し、一次硬化体をオートクレーブ中で養生する。
これによって、円柱を縦に半分に割った形状の人造砂岩
が得られる。
【0034】図3(a)は、本発明の他の実施形態で使
用する型枠の構造を示す破断斜視図であり、図3(b)
は、図3(a)の型枠内にモルタル組成物を注入した状
態を示す破断斜視図である。図3(a)、(b)の型枠
は、円柱形状を有する人造砂岩を製造する例に係る。こ
の型枠14の周壁14aは略円筒形状をなしており、周
壁14aに細長い隙間14cが形成されている。
【0035】型枠14の内側面14aを覆うように、弾
性シート15が設置されている。弾性シート15は、湾
曲した形状の周壁15bを備えており、周壁15bに隙
間15cが設けられている。周壁15bの内側面が天然
砂岩様の転写面15aとなっており、転写面15aの内
側に、円柱形状の成形用空間16が形成されている。周
壁15bの両末端には、図示していない隔壁があり、こ
れによってモルタル組成物が外部に漏れないようになっ
ている。なお、17は破断面である。
【0036】図3(b)に示すように、弾性シート15
の内側の成形用空間16に、モルタル組成物8を注入
し、一次養生し、意匠ゴム型15、成形型枠14から一
次硬化体を脱型し、一次硬化体をオートクレーブ中で養
生する。これによって、円柱形状の人造砂岩が得られ
る。
【0037】図4(a)は、本発明の更に他の実施形態
で使用する型枠の構造を示す破断斜視図であり、図4
(b)は、図4(a)の型枠内にモルタル組成物を注入
した状態を示す破断斜視図である。図4(a)、(b)
の型枠は、三角柱形状を有する人造砂岩を製造する例に
係る。
【0038】型枠24は、一対の相対向する周壁24a
と、各周壁24aに結合されている一対の周壁24cと
からなる。一対の周壁24cも互いに対向しているが、
図4(a)においては周壁24cの一方のみを示し、他
方は図示していない。一対の周壁24bと一対の周壁2
4cとによって、型枠24の中に三角柱形状の空間が形
成されている。
【0039】型枠24の内側面24aを覆うように、弾
性シート25が設置されている。弾性シート25は、や
はり一対の周壁25bと一対の周壁25cとを備えてお
り、周壁25b、25cの内側面25aが、天然砂岩様
の転写面11、12となっている。転写面25aの内側
に、三角柱形状の成形用空間26が形成されている。な
お、27は破断面である。
【0040】図4(b)に示すように、弾性シート25
の内側の成形用空間26に、モルタル組成物8を注入
し、一次養生し、意匠ゴム型25、成形型枠24から一
次硬化体を脱型し、一次硬化体をオートクレーブ中で養
生する。これによって、三角柱形状の人造砂岩が得られ
る。
【0041】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実験A)表1に示す各原料を双腕式真空混練機内に投
入し、15分間、真空混練した。ただし、表1におい
て、各数字は「重量部」を示しており、石膏の量はモル
タル組成物の全体に対する重量%を示している。表1の
比較例1は、従来技術の人造砂岩における表面層側の配
合であり、セメントの量が少なくなっている。比較例2
は、従来技術の人造砂岩における裏面層側の配合であ
る。スラグAは、スラグ粉砕物を1.2mmの篩に通し
たものであり、スラグBは、スラグ粉砕物を0.6mm
の篩に通したものである。また、各例において、0.8
重量部の減水剤と9重量部の顔料とを添加した。
【0042】各例のモルタル組成物を使用し、モルタル
組成物を40℃で10時間蒸気養生し、脱型時の強度を
測定した。また、各例のモルタル組成物について、Jロ
ートによる流下時間を測定した。また、各例のモルタル
組成物について、実際に天然砂岩の表面形態を転写した
シリコンゴム製のゴム型を使用し、モルタル組成物を4
0℃で10時間蒸気養生して一次硬化体を得、この一次
硬化体をオートクレーブ中に収容して180℃で10時
間養生し、人造砂岩を得た。この人造砂岩の表面形態を
目視で確認し、型転写性を評価した。これらの測定結果
を表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】比較例1においては、脱型時の強度が低
く、オートクレーブ養生は困難であった。比較例2にお
いては、モルタル組成物の流動性が低く、人造砂岩の表
面形態が転写されにくくなり、かつ、添加する無機顔料
の発色が悪くなり、オートクレーブ養生終了後に、エフ
ロレッセンスの発生が激しかった。実施例1〜9におい
ては、いずれも脱型時の強度が十分に高く、モルタル組
成物の流動性も高く、型転写性も良好であった。
【0046】(実験B)セメント23.7重量部、ケイ
石粉20.0重量部、スラグ56.3重量部、石膏4.
0重量%、水15.7重量部、減水剤0.8重量部、顔
料9重量部の配合を有するモルタル組成物を得、実験A
と同様にして混練した。ただし、スラグ粉砕物を0.3
mmの篩に通して得たスラグを使用した。このモルタル
組成物について流下時間を測定すると、65.2であっ
た。
【0047】(実験C)実験Aにおける実施例1〜9の
モルタル組成物を製造し、脱型時の強度、オートクレー
ブ養生後の強度、流下時間および型転写性を測定し、表
4に結果を示した。また、表3に示す実施例10、1
1、12に示す配合を有するモルタル組成物を、実施例
1〜9と同様に製造し、脱型時の強度、オートクレーブ
養生後の強度、流下時間および型転写性を測定し、表4
に結果を示した。ただし、スラグCはブレーン比表面積
が5000cm2 /gのものである。スラグDは、スラ
グ粉砕物を2.0mmの篩に通して得たスラグである。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】これらの実施例から分かるように、本発明
の中でも、1.2mm以下の篩を通過したスラグを使用
することによって、特にオートクレーブ養生後の強度が
一層向上することが分かる。
【0051】(実験D)実験Aと同様にしてモルタル組
成物を製造し、蒸気養生して一次硬化体を得、この一次
硬化体の強度を測定した。ただし、セメント、ケイ石
粉、スラグA、減水剤、石膏、水の重量比率を、表5に
示すように変更した。また、養生時間は、10時間とし
た。この測定結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】この結果から分かるように、スラグの量を
40重量部以上とすることによって、脱型時の強度が著
しく向上する。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、人
造砂岩の全体を一種のモルタル組成物によって成形した
場合に、一次硬化体の脱型強度を向上させることがで
き、かつ人造砂岩の表面形態の転写性能が良好であっ
て、美観の優れた人造砂岩を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の人造砂岩の典型的形態について概略的に
示す斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の一実施形態で使用する型枠
の構造を示す破断斜視図であり、円柱を半分に割った形
状の人造砂岩を製造するものであり、(b)は、(a)
の型枠内に本発明のモルタル組成物を注入した状態を示
す破断斜視図である。
【図3】(a)は、本発明の他の実施形態で使用する型
枠の構造を示す破断斜視図であり、円柱形状の人造砂岩
を製造するためのものであり、(b)は、(a)の型枠
内に本発明のモルタル組成物を注入した状態を示す破断
斜視図である。
【図4】(a)は、本発明の更に他の実施形態で使用す
る型枠の構造を示す破断斜視図であり、三角柱形状の人
造砂岩を製造するためのものであり、(b)は、(a)
の型枠内に本発明のモルタル組成物を注入した状態を示
す破断斜視図である。
【符号の説明】
4 円柱を縦に半分に割った形状の人造砂岩を製造する
ための型枠 5、15、25 弾性シート 5a、15a、11、12 転写面 6 円柱を半分に割った形状の成形用空間 8 モルタル組成物 14 円柱形状の人造砂岩を製造するための型枠 16 円柱形状の人造砂岩を製造するための成形用空間 24 三角柱形状を有する人造砂岩を製造するための型
枠 26 三角柱形状の人造砂岩を製造するための成形用空
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 20:00 18:14) (72)発明者 兼吉 孝征 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社建材事業部内 (72)発明者 遠藤 和教 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社建材事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント系人造砂岩の製造に使用するた
    めのモルタル組成物であって、 無機セメント系材料、ケイ酸質材料、スラグ、石膏、無
    機顔料および水を含有しており、前記無機セメント系材
    料、ケイ酸質材料およびスラグの合計含有量を100重
    量部としたときに、前記無機セメント系材料の含有量が
    20〜25重量部であり、前記ケイ酸質材料の含有量が
    15〜35重量部であり、スラグの含有量が40〜60
    重量部であることを特徴とする、人造砂岩用モルタル組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記スラグが、径1.2mmのふるいを
    通過した粉末からなることを特徴とする、請求項1記載
    の人造砂岩用モルタル組成物。
  3. 【請求項3】 人造砂岩が実質的に一層のセメント成形
    硬化体からなり、このセメント成形硬化体が、請求項1
    または2記載の人造砂岩用モルタル組成物の水和硬化物
    からなることを特徴とする、人造砂岩。
  4. 【請求項4】 天然砂岩様の化粧面を有する人造砂岩を
    製造するのに際して、天然砂岩の表面形態を転写した転
    写面を備えている転写材を設置することにより、この転
    写材の内側に、人造砂岩用モルタル組成物を注入するた
    めの空間を形成し、この際前記転写材の前記転写面が内
    側を向くように前記転写材を配置し、請求項1または2
    記載の人造砂岩用モルタル組成物を前記転写材の内側に
    注入して養生させることにより一次硬化体を得、この一
    次硬化体を密閉空間内で加熱および加圧することによっ
    て人造砂岩を得ることを特徴とする、人造砂岩の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記人造砂岩のうち少なくとも前記化粧
    面が湾曲または折曲している人造砂岩を製造するのに際
    して、前記転写材を弾性シートによって形成し、前記人
    造砂岩用モルタル組成物を注入し、成形するための型枠
    の内側面を前記化粧面の形態に応じて湾曲または折曲さ
    せ、この内側面に前記弾性シートを設置し、この際前記
    弾性シートの内側に前記転写面が向くようにし、この弾
    性シートの内側に前記人造砂岩用モルタル組成物を注入
    することを特徴とする、請求項4記載の人造砂岩の製造
    方法。
JP30801996A 1996-11-19 1996-11-19 人造砂岩用モルタル組成物、人造砂岩および人造砂岩の製造方法 Pending JPH10152358A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014505652A (ja) * 2011-01-13 2014-03-06 エルジー・ハウシス・リミテッド 人造石組成物及び人造石の製造方法
KR101645501B1 (ko) * 2015-03-24 2016-08-04 충남대학교산학협력단 비소성결합재 폐기물을 재활용한 인조대리석용 모르타르 결합재 조성물

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