JPH10151997A - 車 輛 - Google Patents
車 輛Info
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- JPH10151997A JPH10151997A JP8312216A JP31221696A JPH10151997A JP H10151997 A JPH10151997 A JP H10151997A JP 8312216 A JP8312216 A JP 8312216A JP 31221696 A JP31221696 A JP 31221696A JP H10151997 A JPH10151997 A JP H10151997A
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- Japan
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- heat storage
- latent heat
- storage material
- vehicle
- weight
- Prior art date
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60H—ARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
- B60H1/00—Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
- B60H1/00492—Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices comprising regenerative heating or cooling means, e.g. heat accumulators
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60H—ARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
- B60H1/00—Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
- B60H1/00271—HVAC devices specially adapted for particular vehicle parts or components and being connected to the vehicle HVAC unit
- B60H1/00295—HVAC devices specially adapted for particular vehicle parts or components and being connected to the vehicle HVAC unit for trim components, e.g. panels, dashboards, liners
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
- Body Structure For Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コスト高にならずに車体への潜熱蓄熱材の組
み込みを容易に行うことができ、また潜熱蓄熱材を組み
込めるスペースが制限されないようにすることができる
車輛を提供する。 【解決手段】 車体1の少なくとも天井2において、外
郭3と内装材4の間にアルキル炭化水素とポリエチレン
とエチレン−プロピレン共重合体を主成分とする潜熱蓄
熱材5を設ける。蓄熱の際に液化したアルキル炭化水素
の粘度をエチレン−プロピレン共重合体で増加させると
共に液化したアルキル炭化水素とエチレン−プロピレン
共重合体を骨格材であるポリエチレンで保持することに
よって潜熱蓄熱材5の保形性を高くすることができる。
み込みを容易に行うことができ、また潜熱蓄熱材を組み
込めるスペースが制限されないようにすることができる
車輛を提供する。 【解決手段】 車体1の少なくとも天井2において、外
郭3と内装材4の間にアルキル炭化水素とポリエチレン
とエチレン−プロピレン共重合体を主成分とする潜熱蓄
熱材5を設ける。蓄熱の際に液化したアルキル炭化水素
の粘度をエチレン−プロピレン共重合体で増加させると
共に液化したアルキル炭化水素とエチレン−プロピレン
共重合体を骨格材であるポリエチレンで保持することに
よって潜熱蓄熱材5の保形性を高くすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や電車な
ど、特に屋外で好適に使用される車輛に関するものであ
る。
ど、特に屋外で好適に使用される車輛に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車輛に使用される車体の基本的なフレー
ム構造は、金属板である外郭とクッション材と内装材と
が外側からこの順で並んだ層構成で形成されている。上
記クッション材としては厚さ20mm程度の発泡ウレタ
ン等が用いられ、外郭と内装材の間に挿入されている。
このクッション材は主に防音、防振動を目的としている
が、多少の断熱性も併せ持っているために、車外から車
内へと熱が外郭を通して伝導したり車内から車外へと熱
が外郭を通して伝導したりするのを遮断する作用も奏す
るものである。しかしながら車輛に使用されるクッショ
ン材は重量的な面や体積的な面で制約を受けるので、こ
れだけでは十分な断熱性を得ることは困難であった。従
ってクッション材の断熱性不足から夏季の炎天下におけ
る車内温度の異常な上昇や冬季寒冷地における車内温度
の異常な低下が起こることがあり、特に駐車中でこの現
象が著しく起こるものであった。またエアコン(エアコ
ンディショナー)で車内の温度変動を制御しようとする
と、燃料(ガソリン)やバッテリーの消耗が著しく、経
済的環境的な不利益が大きくなるものであった。そこで
車体に蓄熱性の高い潜熱蓄熱材を組み込んで躯体で蓄熱
するようにして車内の温度変動を低減する車輛が提案さ
れている。
ム構造は、金属板である外郭とクッション材と内装材と
が外側からこの順で並んだ層構成で形成されている。上
記クッション材としては厚さ20mm程度の発泡ウレタ
ン等が用いられ、外郭と内装材の間に挿入されている。
このクッション材は主に防音、防振動を目的としている
が、多少の断熱性も併せ持っているために、車外から車
内へと熱が外郭を通して伝導したり車内から車外へと熱
が外郭を通して伝導したりするのを遮断する作用も奏す
るものである。しかしながら車輛に使用されるクッショ
ン材は重量的な面や体積的な面で制約を受けるので、こ
れだけでは十分な断熱性を得ることは困難であった。従
ってクッション材の断熱性不足から夏季の炎天下におけ
る車内温度の異常な上昇や冬季寒冷地における車内温度
の異常な低下が起こることがあり、特に駐車中でこの現
象が著しく起こるものであった。またエアコン(エアコ
ンディショナー)で車内の温度変動を制御しようとする
と、燃料(ガソリン)やバッテリーの消耗が著しく、経
済的環境的な不利益が大きくなるものであった。そこで
車体に蓄熱性の高い潜熱蓄熱材を組み込んで躯体で蓄熱
するようにして車内の温度変動を低減する車輛が提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来例の車
輛は保形性のない潜熱蓄熱材を用いて形成されているの
で、潜熱蓄熱材を車体に組み込む際に保形性のあるしっ
かりとした容器へ封入する必要があり、また容器自体を
組み込むスペースの形状に合わせて加工しなければなら
ず、容器や容器への潜熱蓄熱材の封入工程や容器の加工
工程が必要となってコスト高になると共に車体への潜熱
蓄熱材の組み込みを容易に行うことができないという問
題があった。また容器を使用するために潜熱蓄熱材を組
み込めるスペースが制限されてしまうという問題があっ
た。
輛は保形性のない潜熱蓄熱材を用いて形成されているの
で、潜熱蓄熱材を車体に組み込む際に保形性のあるしっ
かりとした容器へ封入する必要があり、また容器自体を
組み込むスペースの形状に合わせて加工しなければなら
ず、容器や容器への潜熱蓄熱材の封入工程や容器の加工
工程が必要となってコスト高になると共に車体への潜熱
蓄熱材の組み込みを容易に行うことができないという問
題があった。また容器を使用するために潜熱蓄熱材を組
み込めるスペースが制限されてしまうという問題があっ
た。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、コスト高にならずに車体への潜熱蓄熱材の組み込
みを容易に行うことができ、また潜熱蓄熱材を組み込め
るスペースが制限されないようにすることができる車輛
を提供することを目的とするものである。
あり、コスト高にならずに車体への潜熱蓄熱材の組み込
みを容易に行うことができ、また潜熱蓄熱材を組み込め
るスペースが制限されないようにすることができる車輛
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の車輛は、車体1の少なくとも天井2において、外郭3
と内装材4の間にアルキル炭化水素とポリエチレンとエ
チレン−プロピレン共重合体を主成分とする潜熱蓄熱材
5を設けて成ることを特徴とするものである。また本発
明の請求項2に記載の車輛は、請求項1の構成に加え
て、外側から外郭3、断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材
4の順の層構成で上記車体1を形成して成ることを特徴
とするものである。
の車輛は、車体1の少なくとも天井2において、外郭3
と内装材4の間にアルキル炭化水素とポリエチレンとエ
チレン−プロピレン共重合体を主成分とする潜熱蓄熱材
5を設けて成ることを特徴とするものである。また本発
明の請求項2に記載の車輛は、請求項1の構成に加え
て、外側から外郭3、断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材
4の順の層構成で上記車体1を形成して成ることを特徴
とするものである。
【0006】また本発明の請求項3に記載の車輛は、請
求項1又は2の構成に加えて、上記アルキル炭化水素の
融点が20〜50℃であることを特徴とするものであ
る。また本発明の請求項4に記載の車輛は、請求項1乃
至3のいずれかの構成に加えて、上記潜熱蓄熱材5の各
成分の配合量が、アルキル炭化水素40〜90重量部、
ポリエチレン5〜30重量部、エチレン−プロピレン共
重合体1〜40重量部であることを特徴とするものであ
る。
求項1又は2の構成に加えて、上記アルキル炭化水素の
融点が20〜50℃であることを特徴とするものであ
る。また本発明の請求項4に記載の車輛は、請求項1乃
至3のいずれかの構成に加えて、上記潜熱蓄熱材5の各
成分の配合量が、アルキル炭化水素40〜90重量部、
ポリエチレン5〜30重量部、エチレン−プロピレン共
重合体1〜40重量部であることを特徴とするものであ
る。
【0007】また本発明の請求項5に記載の車輛は、請
求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、シート状の潜
熱蓄熱材5又は繊維状の潜熱蓄熱材5あるいは網状の潜
熱蓄熱材5を用いて成る成ることを特徴とするものであ
る。
求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、シート状の潜
熱蓄熱材5又は繊維状の潜熱蓄熱材5あるいは網状の潜
熱蓄熱材5を用いて成る成ることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。潜熱蓄熱材5は、蓄熱成分であるアルキル炭化水
素と、骨格材であるポリエチレンと、増粘材として作用
するエチレン−プロピレン共重合体とを主成分とし、こ
れらをブレンドして成形して得られるものである。アル
キル炭化水素は相変化を伴って熱の出し入れを行うもの
であって、主にパラフィンワックス類や脂肪酸類から選
ばれるものを使用することができる。またアルキル炭化
水素としてはその融点が20〜50℃のものを用いるこ
とができる。アルキル炭化水素の融点がこの範囲から外
れると、潜熱蓄熱材5の蓄熱性能が低下して車内の温度
変動を十分に抑えられなくなり、車内の温度が外気温に
追随して変動する傾向が強くなる。
する。潜熱蓄熱材5は、蓄熱成分であるアルキル炭化水
素と、骨格材であるポリエチレンと、増粘材として作用
するエチレン−プロピレン共重合体とを主成分とし、こ
れらをブレンドして成形して得られるものである。アル
キル炭化水素は相変化を伴って熱の出し入れを行うもの
であって、主にパラフィンワックス類や脂肪酸類から選
ばれるものを使用することができる。またアルキル炭化
水素としてはその融点が20〜50℃のものを用いるこ
とができる。アルキル炭化水素の融点がこの範囲から外
れると、潜熱蓄熱材5の蓄熱性能が低下して車内の温度
変動を十分に抑えられなくなり、車内の温度が外気温に
追随して変動する傾向が強くなる。
【0009】使用するアルキル炭化水素の種類(融点)
は車輛を使用する地域の寒暖を考慮して選定するのが好
ましく、例えば寒冷地で使用される車輛であれば融点が
比較的低い20〜30℃のアルキル炭化水素を、温暖地
で使用される車輛であれば融点が比較的高い30〜50
℃のアルキル炭化水素を、中間地域で使用される車輛で
あれば融点が中間ぐらいの25〜40℃のアルキル炭化
水素をそれぞれ用いるのが好ましい。
は車輛を使用する地域の寒暖を考慮して選定するのが好
ましく、例えば寒冷地で使用される車輛であれば融点が
比較的低い20〜30℃のアルキル炭化水素を、温暖地
で使用される車輛であれば融点が比較的高い30〜50
℃のアルキル炭化水素を、中間地域で使用される車輛で
あれば融点が中間ぐらいの25〜40℃のアルキル炭化
水素をそれぞれ用いるのが好ましい。
【0010】ポリエチレンは潜熱蓄熱材5の成形の際の
成形性を高くし且つ潜熱蓄熱材5の使用時の保形性を確
保するために骨格材として配合されるものであり、これ
らの点を考慮するとポリエチレンの密度は0.91g/
cm3 以上であることが好ましい。さらにエチレン−プ
ロピレン共重合体は液化したアルキル炭化水素の粘度を
増大させるために配合されるものであって、液化したア
ルキル炭化水素の粘度を増大させることによって、ポリ
エチレンの骨格材からアルキル炭化水素が漏れ出さない
ようにすることができるものである。
成形性を高くし且つ潜熱蓄熱材5の使用時の保形性を確
保するために骨格材として配合されるものであり、これ
らの点を考慮するとポリエチレンの密度は0.91g/
cm3 以上であることが好ましい。さらにエチレン−プ
ロピレン共重合体は液化したアルキル炭化水素の粘度を
増大させるために配合されるものであって、液化したア
ルキル炭化水素の粘度を増大させることによって、ポリ
エチレンの骨格材からアルキル炭化水素が漏れ出さない
ようにすることができるものである。
【0011】潜熱蓄熱材5の各成分の配合量はアルキル
炭化水素40〜90重量部、ポリエチレン5〜30重量
部、エチレン−プロピレン共重合体1〜40重量部であ
る。アルキル炭化水素の配合量が40重量部未満であれ
ば、潜熱蓄熱材5の蓄熱性能を高くすることができず、
車内の温度変動を十分に抑えられなくなる恐れがある。
またアルキル炭化水素の配合量が90重量部を超える
と、ポリエチレンやエチレン−プロピレン共重合体の配
合量が少なくなり過ぎて、潜熱蓄熱材5が強度不足とな
って変形したりアルキル炭化水素が漏れ出したりする恐
れがある。軽量で体積の小さい潜熱蓄熱材5で大きな蓄
熱量(蓄熱性能)を得るためには、アルキル炭化水素の
配合量は60重量部以上にするのが好ましい。
炭化水素40〜90重量部、ポリエチレン5〜30重量
部、エチレン−プロピレン共重合体1〜40重量部であ
る。アルキル炭化水素の配合量が40重量部未満であれ
ば、潜熱蓄熱材5の蓄熱性能を高くすることができず、
車内の温度変動を十分に抑えられなくなる恐れがある。
またアルキル炭化水素の配合量が90重量部を超える
と、ポリエチレンやエチレン−プロピレン共重合体の配
合量が少なくなり過ぎて、潜熱蓄熱材5が強度不足とな
って変形したりアルキル炭化水素が漏れ出したりする恐
れがある。軽量で体積の小さい潜熱蓄熱材5で大きな蓄
熱量(蓄熱性能)を得るためには、アルキル炭化水素の
配合量は60重量部以上にするのが好ましい。
【0012】またポリエチレンの配合量が5重量部未満
であれば、潜熱蓄熱材5が強度不足となって変形する恐
れがあり、ポリエチレンの配合量が30重量部を超える
と、アルキル炭化水素やエチレン−プロピレン共重合体
の配合量が少なくなり過ぎて、潜熱蓄熱材5の蓄熱性能
の低下やアルキル炭化水素の漏れ出しなどの問題が生じ
る恐れがある。さらにエチレン−プロピレン共重合体の
配合量が1重量部未満であれば、アルキル炭化水素の漏
れ出しが生じる恐れがあり、またエチレン−プロピレン
共重合体の配合量が40重量部を超えると、アルキル炭
化水素やポリエチレンの配合量が少なくなり過ぎて潜熱
蓄熱材5の蓄熱性能の低下や強度不足による変形が生じ
る恐れがある。潜熱蓄熱材5の強度(保形性)確保とア
ルキル炭化水素の漏れ出し防止のバランスを考慮する
と、ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=
1:1〜2の配合比率(重量比)であることが好まし
い。
であれば、潜熱蓄熱材5が強度不足となって変形する恐
れがあり、ポリエチレンの配合量が30重量部を超える
と、アルキル炭化水素やエチレン−プロピレン共重合体
の配合量が少なくなり過ぎて、潜熱蓄熱材5の蓄熱性能
の低下やアルキル炭化水素の漏れ出しなどの問題が生じ
る恐れがある。さらにエチレン−プロピレン共重合体の
配合量が1重量部未満であれば、アルキル炭化水素の漏
れ出しが生じる恐れがあり、またエチレン−プロピレン
共重合体の配合量が40重量部を超えると、アルキル炭
化水素やポリエチレンの配合量が少なくなり過ぎて潜熱
蓄熱材5の蓄熱性能の低下や強度不足による変形が生じ
る恐れがある。潜熱蓄熱材5の強度(保形性)確保とア
ルキル炭化水素の漏れ出し防止のバランスを考慮する
と、ポリエチレン:エチレン−プロピレン共重合体=
1:1〜2の配合比率(重量比)であることが好まし
い。
【0013】上記潜熱蓄熱材5を形成するにあたって
は、各成分を融点以上の温度条件下(約140℃)で溶
融混練し、これを注型や押出、射出などの一般的なプラ
スチックの成形法で成形し、この後冷却するようにして
行うものである。潜熱蓄熱材5は、図1に示すように車
体1の外郭3と内装材4の間あるいは車体1の断熱材
(クッション材)6と内装材4の間などの狭い空間に容
易に挿入することができるようにシート状に成形するの
が好ましい。また上記成分を溶融混練した後、繊維5a
に成形し、図2(b)に示すように多数本の繊維5aを
絡めて固まりにして潜熱蓄熱材5を形成することができ
る。このように潜熱蓄熱材5を繊維状に形成することに
よって、車体1の複雑な形状の部位や狭い空間にも押し
込むなどして容易に配設することができると共に繊維5
aの密度を調整することによって一定空間内に占める潜
熱蓄熱材5の量を容易に調整することができる。また上
記成分を溶融混練した後、棒状や矩形状(細い平板状)
などの細長く薄い板材5bに成形し、多数本の細長い板
材5bを編んで網状にして潜熱蓄熱材5を形成すること
ができる。このように潜熱蓄熱材5を網状に形成するこ
とによって、シート状の潜熱蓄熱材5よりも折り曲げ易
くなって車体1の複雑な形状の部位に合わせて容易に対
応させることができると共に編み目の大きさを変えるこ
とによって一定空間内に占める潜熱蓄熱材5の量を容易
に調整することができる。
は、各成分を融点以上の温度条件下(約140℃)で溶
融混練し、これを注型や押出、射出などの一般的なプラ
スチックの成形法で成形し、この後冷却するようにして
行うものである。潜熱蓄熱材5は、図1に示すように車
体1の外郭3と内装材4の間あるいは車体1の断熱材
(クッション材)6と内装材4の間などの狭い空間に容
易に挿入することができるようにシート状に成形するの
が好ましい。また上記成分を溶融混練した後、繊維5a
に成形し、図2(b)に示すように多数本の繊維5aを
絡めて固まりにして潜熱蓄熱材5を形成することができ
る。このように潜熱蓄熱材5を繊維状に形成することに
よって、車体1の複雑な形状の部位や狭い空間にも押し
込むなどして容易に配設することができると共に繊維5
aの密度を調整することによって一定空間内に占める潜
熱蓄熱材5の量を容易に調整することができる。また上
記成分を溶融混練した後、棒状や矩形状(細い平板状)
などの細長く薄い板材5bに成形し、多数本の細長い板
材5bを編んで網状にして潜熱蓄熱材5を形成すること
ができる。このように潜熱蓄熱材5を網状に形成するこ
とによって、シート状の潜熱蓄熱材5よりも折り曲げ易
くなって車体1の複雑な形状の部位に合わせて容易に対
応させることができると共に編み目の大きさを変えるこ
とによって一定空間内に占める潜熱蓄熱材5の量を容易
に調整することができる。
【0014】そして上記潜熱蓄熱材5を車体1を構成す
る外郭3と内装材4の間に設けることによって車輛を形
成することができる。外郭3と内装材4の間に断熱材
(クッション材)6が設けられている場合は、潜熱蓄熱
材5は内装材4と断熱材6の間に配置して、図3(a)
(b)に示すように車体1の層構成が外側から外郭3、
断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4の順に並ぶように形
成されるのが好ましい。このように断熱材6と潜熱蓄熱
材5を併用することによって、車内に対する車外温度の
影響を少なくすることができ、車内の温度変動を小さく
抑えることができる。また断熱材6を潜熱蓄熱材5より
も外側に配置することによって、夏季において外郭3か
ら潜熱蓄熱材5に伝わる熱を断熱材6で小さくして潜熱
蓄熱材5の蓄熱性能を超えるような過負荷が潜熱蓄熱材
5にかからないようにすることができ、また冬季におい
て潜熱蓄熱材5に蓄えられた熱を車内に放出し易くする
ことができる。
る外郭3と内装材4の間に設けることによって車輛を形
成することができる。外郭3と内装材4の間に断熱材
(クッション材)6が設けられている場合は、潜熱蓄熱
材5は内装材4と断熱材6の間に配置して、図3(a)
(b)に示すように車体1の層構成が外側から外郭3、
断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4の順に並ぶように形
成されるのが好ましい。このように断熱材6と潜熱蓄熱
材5を併用することによって、車内に対する車外温度の
影響を少なくすることができ、車内の温度変動を小さく
抑えることができる。また断熱材6を潜熱蓄熱材5より
も外側に配置することによって、夏季において外郭3か
ら潜熱蓄熱材5に伝わる熱を断熱材6で小さくして潜熱
蓄熱材5の蓄熱性能を超えるような過負荷が潜熱蓄熱材
5にかからないようにすることができ、また冬季におい
て潜熱蓄熱材5に蓄えられた熱を車内に放出し易くする
ことができる。
【0015】潜熱蓄熱材5の取り付けは、外郭3と内装
材4の間に潜熱蓄熱材5を挿入して外郭3あるいは断熱
材6に直接接着するなどしておこなうことができる。ま
た内装材4の外面側に潜熱蓄熱材5を張り合わせ、内装
材4を外郭3に取り付ける際に一緒に潜熱蓄熱材5を取
り付けるようにしてもよい。さらに形崩れ等の防止のた
めに簡易的に潜熱蓄熱材5をラミネートシートでサンド
イッチしてから取り付けるようにしてもよい。潜熱蓄熱
材5は、天井2やドア7や床など車体1の車内に面して
いる全ての部分に使用することができるが、夏季の日射
熱によって車内の温度が上昇しないようにするという観
点から、天井2に使用するだけでも有効である。
材4の間に潜熱蓄熱材5を挿入して外郭3あるいは断熱
材6に直接接着するなどしておこなうことができる。ま
た内装材4の外面側に潜熱蓄熱材5を張り合わせ、内装
材4を外郭3に取り付ける際に一緒に潜熱蓄熱材5を取
り付けるようにしてもよい。さらに形崩れ等の防止のた
めに簡易的に潜熱蓄熱材5をラミネートシートでサンド
イッチしてから取り付けるようにしてもよい。潜熱蓄熱
材5は、天井2やドア7や床など車体1の車内に面して
いる全ての部分に使用することができるが、夏季の日射
熱によって車内の温度が上昇しないようにするという観
点から、天井2に使用するだけでも有効である。
【0016】本発明は車体1に潜熱蓄熱材5を設けたの
で、夏季などの炎天下では車外から車内へと外郭3を通
して熱が伝導する際に、蓄熱物質であるアルキル炭化水
素が固体から液体に相変化することによって熱を潜熱蓄
熱材5で吸収することができ、車内の温度上昇を小さく
することができるものである。従ってエアコンによる温
度制御を低減することができ、燃料(ガソリンなど)や
バッテリーなどのエネルギーの消耗を低く抑えることが
できるものである。また冬季などの寒冷時では日中に車
外から窓を通して入ってくる熱やエアコンによる暖房時
の熱を潜熱蓄熱材5で蓄えて、夜間にこの熱を潜熱蓄熱
材5から車内に放出することことができ、日射のない夜
間の車内の温度低下を小さくして安定させることができ
るものである。従ってエアコンによる温度制御を低減す
ることができ、燃料やバッテリーなどのエネルギーの消
耗を低く抑えることができるものである。
で、夏季などの炎天下では車外から車内へと外郭3を通
して熱が伝導する際に、蓄熱物質であるアルキル炭化水
素が固体から液体に相変化することによって熱を潜熱蓄
熱材5で吸収することができ、車内の温度上昇を小さく
することができるものである。従ってエアコンによる温
度制御を低減することができ、燃料(ガソリンなど)や
バッテリーなどのエネルギーの消耗を低く抑えることが
できるものである。また冬季などの寒冷時では日中に車
外から窓を通して入ってくる熱やエアコンによる暖房時
の熱を潜熱蓄熱材5で蓄えて、夜間にこの熱を潜熱蓄熱
材5から車内に放出することことができ、日射のない夜
間の車内の温度低下を小さくして安定させることができ
るものである。従ってエアコンによる温度制御を低減す
ることができ、燃料やバッテリーなどのエネルギーの消
耗を低く抑えることができるものである。
【0017】また潜熱蓄熱材5をアルキル炭化水素とポ
リエチレンとエチレン−プロピレン共重合体を主成分と
して形成しているので、エチレン−プロピレン共重合体
で液化したアルキル炭化水素の粘度を上昇させると共に
骨格材であるポリエチレンで液化したアルキル炭化水素
とエチレン−プロピレン共重合体を保持することがで
き、アルキル炭化水素が蓄熱のために固体から液体に変
化しても潜熱蓄熱材5全体を餅状に保形することができ
る。つまり潜熱蓄熱材5は蓄熱しても液化しない保形性
(成形性)を有するものであり、従って車体1に潜熱蓄
熱材5を設ける際に、潜熱蓄熱材5を封入するための容
器が必要でなくなる。
リエチレンとエチレン−プロピレン共重合体を主成分と
して形成しているので、エチレン−プロピレン共重合体
で液化したアルキル炭化水素の粘度を上昇させると共に
骨格材であるポリエチレンで液化したアルキル炭化水素
とエチレン−プロピレン共重合体を保持することがで
き、アルキル炭化水素が蓄熱のために固体から液体に変
化しても潜熱蓄熱材5全体を餅状に保形することができ
る。つまり潜熱蓄熱材5は蓄熱しても液化しない保形性
(成形性)を有するものであり、従って車体1に潜熱蓄
熱材5を設ける際に、潜熱蓄熱材5を封入するための容
器が必要でなくなる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1)蓄熱物質としてのパラフィン32℃品(融
点が32℃のもの)70重量部と、エチレン−プロピレ
ン共重合体20重量部と、高密度ポリエチレン10重量
部とをエクストルーダーによって溶融混練し、これを1
0mm×5mmの押出口を有する金型から押し出して長
尺の平板状の板材5bを成形した。次に図2(a)に示
すように複数本の板材5bを10mmの間隔で編み、こ
れを車体1の天井2の大きさに合わせてカットして重量
が3.8kgの潜熱蓄熱材5を形成した。次にこの潜熱
蓄熱材5を車体1の外郭3と内装材4の間に挿入し、図
3(a)に示すように車体1の層構成が外側から鋼板製
の外郭3、ウレタン製の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装
材4となる車輛(自動車)を形成した。
点が32℃のもの)70重量部と、エチレン−プロピレ
ン共重合体20重量部と、高密度ポリエチレン10重量
部とをエクストルーダーによって溶融混練し、これを1
0mm×5mmの押出口を有する金型から押し出して長
尺の平板状の板材5bを成形した。次に図2(a)に示
すように複数本の板材5bを10mmの間隔で編み、こ
れを車体1の天井2の大きさに合わせてカットして重量
が3.8kgの潜熱蓄熱材5を形成した。次にこの潜熱
蓄熱材5を車体1の外郭3と内装材4の間に挿入し、図
3(a)に示すように車体1の層構成が外側から鋼板製
の外郭3、ウレタン製の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装
材4となる車輛(自動車)を形成した。
【0019】(実施例2)蓄熱物質としてのパラフィン
32℃品60重量部と、エチレン−プロピレン共重合体
20重量部と、直鎖低密度ポリエチレン20重量部とを
エクストルーダーによって溶融混練し、これを直径5m
mの押出口を有する金型から押し出して直径約3mmの
繊維5aを成形した。次に図2(b)に示すように多数
本の繊維5aを絡ませて固まりして重量が6.8kgの
潜熱蓄熱材5を形成した。そしてこの潜熱蓄熱材5を天
井2に配置される内装材4とドア7に配置される内装材
4の両方の外面に20mmの厚さで接着し、内装材4取
り付けるのと一緒に潜熱蓄熱材5を外郭3、断熱材(ク
ッション材)6に取り付けて、図3(b)に示すように
車体1の層構成が外側から鋼板製の外郭3、ウレタン製
の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4となる車輛(自動
車)を形成した。
32℃品60重量部と、エチレン−プロピレン共重合体
20重量部と、直鎖低密度ポリエチレン20重量部とを
エクストルーダーによって溶融混練し、これを直径5m
mの押出口を有する金型から押し出して直径約3mmの
繊維5aを成形した。次に図2(b)に示すように多数
本の繊維5aを絡ませて固まりして重量が6.8kgの
潜熱蓄熱材5を形成した。そしてこの潜熱蓄熱材5を天
井2に配置される内装材4とドア7に配置される内装材
4の両方の外面に20mmの厚さで接着し、内装材4取
り付けるのと一緒に潜熱蓄熱材5を外郭3、断熱材(ク
ッション材)6に取り付けて、図3(b)に示すように
車体1の層構成が外側から鋼板製の外郭3、ウレタン製
の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4となる車輛(自動
車)を形成した。
【0020】(実施例3)蓄熱物質としてのラウリン酸
70重量部と、エチレン−プロピレン共重合体20重量
部と、高密度ポリエチレン10重量部とをエクストルー
ダーによって溶融混練し、これを10mm×5mmの押
出口を有する金型から押し出して長尺の平板状の板材5
bを成形した。次に図2(a)に示すように複数本の板
材5bを5mmの間隔で編み、これを車体1の天井2の
大きさに合わせてカットして重量が3.8kgの潜熱蓄
熱材5を形成した。次にこの潜熱蓄熱材5を車体1の外
郭3と内装材4の間に挿入し、図3(a)に示すように
車体1の層構成が外側から鋼板製の外郭3、ウレタン製
の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4となる車輛(自動
車)を形成した。
70重量部と、エチレン−プロピレン共重合体20重量
部と、高密度ポリエチレン10重量部とをエクストルー
ダーによって溶融混練し、これを10mm×5mmの押
出口を有する金型から押し出して長尺の平板状の板材5
bを成形した。次に図2(a)に示すように複数本の板
材5bを5mmの間隔で編み、これを車体1の天井2の
大きさに合わせてカットして重量が3.8kgの潜熱蓄
熱材5を形成した。次にこの潜熱蓄熱材5を車体1の外
郭3と内装材4の間に挿入し、図3(a)に示すように
車体1の層構成が外側から鋼板製の外郭3、ウレタン製
の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4となる車輛(自動
車)を形成した。
【0021】(実施例4)蓄熱物質としてのパラフィン
36℃品(融点が36℃のもの)80重量部と、エチレ
ン−プロピレン共重合体13.3重量部と、直鎖低密度
ポリエチレン6.7重量部とをエクストルーダーによっ
て溶融混練し、これを20mm×5mmの押出口を有す
る金型から押し出して長尺の平板状の板材5bを成形し
た。次に図2(a)に示すように複数本の板材5bを5
mmの間隔で編み、これを車体1の天井2の大きさに合
わせてカットして潜熱蓄熱材5を形成した。次にこの潜
熱蓄熱材5をラミネートフィルムでラミネートしてから
車体1の外郭3と内装材4の間に挿入した。また同じ材
料を直径5mmの押出口を有する金型から押し出して直
径約3mmの繊維5aを成形した。次に図2(b)に示
すように多数本の繊維5aを絡ませて固まりして潜熱蓄
熱材5を形成した。そしてこの潜熱蓄熱材5をドア7に
配置される内装材4の外面に20mmの厚さで接着し、
内装材4取り付けるのと一緒に潜熱蓄熱材5を外郭3、
断熱材(クッション材)6に取り付けた。そして潜熱蓄
熱材5の総重量が8.3kgで、図3(a)(b)に示
すように車体1の層構成が外側から鋼板製の外郭3、ウ
レタン製の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4となる車
輛(自動車)を形成した。
36℃品(融点が36℃のもの)80重量部と、エチレ
ン−プロピレン共重合体13.3重量部と、直鎖低密度
ポリエチレン6.7重量部とをエクストルーダーによっ
て溶融混練し、これを20mm×5mmの押出口を有す
る金型から押し出して長尺の平板状の板材5bを成形し
た。次に図2(a)に示すように複数本の板材5bを5
mmの間隔で編み、これを車体1の天井2の大きさに合
わせてカットして潜熱蓄熱材5を形成した。次にこの潜
熱蓄熱材5をラミネートフィルムでラミネートしてから
車体1の外郭3と内装材4の間に挿入した。また同じ材
料を直径5mmの押出口を有する金型から押し出して直
径約3mmの繊維5aを成形した。次に図2(b)に示
すように多数本の繊維5aを絡ませて固まりして潜熱蓄
熱材5を形成した。そしてこの潜熱蓄熱材5をドア7に
配置される内装材4の外面に20mmの厚さで接着し、
内装材4取り付けるのと一緒に潜熱蓄熱材5を外郭3、
断熱材(クッション材)6に取り付けた。そして潜熱蓄
熱材5の総重量が8.3kgで、図3(a)(b)に示
すように車体1の層構成が外側から鋼板製の外郭3、ウ
レタン製の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材4となる車
輛(自動車)を形成した。
【0022】(実施例5)蓄熱物質としてのパラフィン
30℃品(融点が30℃のもの)70重量部と、エチレ
ン−プロピレン共重合体20重量部と、高密度ポリエチ
レン10重量部とをエクストルーダーによって溶融混練
し、これを10mm×5mmの押出口を有する金型から
押し出して長尺の平板状の板材5bを成形した。次に図
2(a)に示すように複数本の板材5bを5mmの間隔
で編み、これを車体1の天井2の大きさに合わせてカッ
トして重量が3.8kgの潜熱蓄熱材5を形成した。次
にこの潜熱蓄熱材5を車体1の外郭3と内装材4の間に
挿入し、図3(a)に示すように車体1の層構成が外側
から鋼板製の外郭3、ウレタン製の断熱材6、潜熱蓄熱
材5、内装材4となる車輛(自動車)を形成した。
30℃品(融点が30℃のもの)70重量部と、エチレ
ン−プロピレン共重合体20重量部と、高密度ポリエチ
レン10重量部とをエクストルーダーによって溶融混練
し、これを10mm×5mmの押出口を有する金型から
押し出して長尺の平板状の板材5bを成形した。次に図
2(a)に示すように複数本の板材5bを5mmの間隔
で編み、これを車体1の天井2の大きさに合わせてカッ
トして重量が3.8kgの潜熱蓄熱材5を形成した。次
にこの潜熱蓄熱材5を車体1の外郭3と内装材4の間に
挿入し、図3(a)に示すように車体1の層構成が外側
から鋼板製の外郭3、ウレタン製の断熱材6、潜熱蓄熱
材5、内装材4となる車輛(自動車)を形成した。
【0023】(比較例1)潜熱蓄熱材5を用いない以外
は、実施例1と同様にして車輛を形成した。 (比較例2)蓄熱物質としてのパラフィン54℃品(融
点が54℃のもの)70重量部と、エチレン−プロピレ
ン共重合体20重量部と、高密度ポリエチレン10重量
部とをエクストルーダーによって溶融混練し、これを1
0mm×5mmの押出口を有する金型から押し出して長
尺の平板状の板材5bを成形した。次に図2(a)に示
すように複数本の板材5bを5mmの間隔で編み、これ
を車体1の天井2の大きさに合わせてカットして重量が
3.8kgの潜熱蓄熱材5を形成した。次にこの潜熱蓄
熱材5を車体1の外郭3と内装材4の間に挿入し、図3
(a)に示すように車体1の層構成が外側から鋼板製の
外郭3、ウレタン製の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材
4となる車輛(自動車)を形成した。
は、実施例1と同様にして車輛を形成した。 (比較例2)蓄熱物質としてのパラフィン54℃品(融
点が54℃のもの)70重量部と、エチレン−プロピレ
ン共重合体20重量部と、高密度ポリエチレン10重量
部とをエクストルーダーによって溶融混練し、これを1
0mm×5mmの押出口を有する金型から押し出して長
尺の平板状の板材5bを成形した。次に図2(a)に示
すように複数本の板材5bを5mmの間隔で編み、これ
を車体1の天井2の大きさに合わせてカットして重量が
3.8kgの潜熱蓄熱材5を形成した。次にこの潜熱蓄
熱材5を車体1の外郭3と内装材4の間に挿入し、図3
(a)に示すように車体1の層構成が外側から鋼板製の
外郭3、ウレタン製の断熱材6、潜熱蓄熱材5、内装材
4となる車輛(自動車)を形成した。
【0024】上記実施例1乃至5と比較例1、2を用い
て実験1、2を行った。 (実験1)車輛(自動車)の窓を全部閉めて次の条件で
運転し続けたときの車内の温度の経時変化(温度上昇)
を測定した。結果を図4に示す。・エアコンを使用せ
ず。
て実験1、2を行った。 (実験1)車輛(自動車)の窓を全部閉めて次の条件で
運転し続けたときの車内の温度の経時変化(温度上昇)
を測定した。結果を図4に示す。・エアコンを使用せ
ず。
【0025】・走行速度は80km/h(高速道路)。 ・実施時期は7月中旬。 ・天候は快晴。 ・車輛の排気量は2000cc。 ・場所は静岡県。
【0026】(実験2)車輛(自動車)の窓を全部閉め
て次の条件で運転し続けたときの燃費を測定した。結果
を表1に示す。 ・エアコンを使用(車内温度を27℃に制御するように
運転)。 ・走行速度は80km/h(高速道路)。
て次の条件で運転し続けたときの燃費を測定した。結果
を表1に示す。 ・エアコンを使用(車内温度を27℃に制御するように
運転)。 ・走行速度は80km/h(高速道路)。
【0027】・実施時期は7月中旬。 ・天候は快晴。 ・車輛の排気量は2000cc。 ・走行時間は5時間。 ・場所は静岡県。
【0028】
【表1】
【0029】図4のグラフから明らかなように、潜熱蓄
熱材5を用いた実施例1乃至5は潜熱蓄熱材5を用いな
かった比較例1に比べて車内の温度上昇の割合を小さく
なった。また比較例2は融点が50℃を超える蓄熱成分
を用いて潜熱蓄熱材5を形成したので、実施例1乃至5
よりも車内の温度上昇の割合を小さくすることができな
かった。また潜熱蓄熱材5を用いた実施例1乃至5は潜
熱蓄熱材5を用いなかった比較例1に比べて燃費が向上
した。また比較例2は融点が50℃を超える蓄熱成分を
用いて潜熱蓄熱材5を形成したので、実施例1乃至5と
同等以上の燃費の向上が見られなかった。そして実験
1、2の両方において実施例1乃至5の潜熱蓄熱材5が
溶融して流れ出すなどの保形性の低下の問題は生じなか
った。
熱材5を用いた実施例1乃至5は潜熱蓄熱材5を用いな
かった比較例1に比べて車内の温度上昇の割合を小さく
なった。また比較例2は融点が50℃を超える蓄熱成分
を用いて潜熱蓄熱材5を形成したので、実施例1乃至5
よりも車内の温度上昇の割合を小さくすることができな
かった。また潜熱蓄熱材5を用いた実施例1乃至5は潜
熱蓄熱材5を用いなかった比較例1に比べて燃費が向上
した。また比較例2は融点が50℃を超える蓄熱成分を
用いて潜熱蓄熱材5を形成したので、実施例1乃至5と
同等以上の燃費の向上が見られなかった。そして実験
1、2の両方において実施例1乃至5の潜熱蓄熱材5が
溶融して流れ出すなどの保形性の低下の問題は生じなか
った。
【0030】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、車体の少なくとも天井において、外郭と内装材
の間にアルキル炭化水素とポリエチレンとエチレン−プ
ロピレン共重合体を主成分とする潜熱蓄熱材を設けたの
で、潜熱蓄熱材の吸放熱によって車内の温度変動を小さ
くすることができ、従って燃料やバッテリーの消耗を小
さくすることができて経済的環境的に不利益とならない
ようにすることができるものである。しかもアルキル炭
化水素とポリエチレンとエチレン−プロピレン共重合体
を主成分として潜熱蓄熱材を形成したので、蓄熱の際に
液化したアルキル炭化水素の粘度をエチレン−プロピレ
ン共重合体で増加させると共に液化したアルキル炭化水
素とエチレン−プロピレン共重合体を骨格材であるポリ
エチレンで保持することによって潜熱蓄熱材の保形性を
高くすることができ、使用中に蓄熱性能が低下しないよ
うにすることができるものであり、また潜熱蓄熱材を封
入するための容器を用いないようにするができるもので
ある。従って容器や容器への潜熱蓄熱材の封入工程や容
器の加工工程が不要となってコスト高にならないように
することができ、また車体への潜熱蓄熱材の組み込みを
容易に行うことができ、さらに潜熱蓄熱材を組み込める
スペースが容器によって制限されてしまうようなことも
なくなるものである。
発明は、車体の少なくとも天井において、外郭と内装材
の間にアルキル炭化水素とポリエチレンとエチレン−プ
ロピレン共重合体を主成分とする潜熱蓄熱材を設けたの
で、潜熱蓄熱材の吸放熱によって車内の温度変動を小さ
くすることができ、従って燃料やバッテリーの消耗を小
さくすることができて経済的環境的に不利益とならない
ようにすることができるものである。しかもアルキル炭
化水素とポリエチレンとエチレン−プロピレン共重合体
を主成分として潜熱蓄熱材を形成したので、蓄熱の際に
液化したアルキル炭化水素の粘度をエチレン−プロピレ
ン共重合体で増加させると共に液化したアルキル炭化水
素とエチレン−プロピレン共重合体を骨格材であるポリ
エチレンで保持することによって潜熱蓄熱材の保形性を
高くすることができ、使用中に蓄熱性能が低下しないよ
うにすることができるものであり、また潜熱蓄熱材を封
入するための容器を用いないようにするができるもので
ある。従って容器や容器への潜熱蓄熱材の封入工程や容
器の加工工程が不要となってコスト高にならないように
することができ、また車体への潜熱蓄熱材の組み込みを
容易に行うことができ、さらに潜熱蓄熱材を組み込める
スペースが容器によって制限されてしまうようなことも
なくなるものである。
【0031】また本発明の請求項2に記載の発明は、外
側から外郭、断熱材、潜熱蓄熱材、内装材の順の層構成
で上記車体を形成したので、断熱材と潜熱蓄熱材を併用
することによって、車内に対する車外温度の影響を少な
くすることができ、車内の温度変動を小さく抑えること
ができるものである。また断熱材を潜熱蓄熱材よりも外
側に配置することによって、夏季において外郭から潜熱
蓄熱材に伝わる熱を断熱材で小さくして潜熱蓄熱材の蓄
熱性能を超えるような熱が潜熱蓄熱材に及びにくくする
ことができ、また冬季において潜熱蓄熱材に蓄えられた
熱を車内に放出し易くすることができ、車内の温度変動
を小さく抑えることができるものである。
側から外郭、断熱材、潜熱蓄熱材、内装材の順の層構成
で上記車体を形成したので、断熱材と潜熱蓄熱材を併用
することによって、車内に対する車外温度の影響を少な
くすることができ、車内の温度変動を小さく抑えること
ができるものである。また断熱材を潜熱蓄熱材よりも外
側に配置することによって、夏季において外郭から潜熱
蓄熱材に伝わる熱を断熱材で小さくして潜熱蓄熱材の蓄
熱性能を超えるような熱が潜熱蓄熱材に及びにくくする
ことができ、また冬季において潜熱蓄熱材に蓄えられた
熱を車内に放出し易くすることができ、車内の温度変動
を小さく抑えることができるものである。
【0032】また本発明の請求項3に記載の発明は、上
記アルキル炭化水素の融点が20〜50℃であるので、
車内の温度変動を小さく抑える効果を確実に得ることが
できるものである。また本発明の請求項4に記載の発明
は、上記潜熱蓄熱材の各成分の配合量が、アルキル炭化
水素40〜90重量部、ポリエチレン5〜30重量部、
エチレン−プロピレン共重合体1〜40重量部であるの
で、車内の温度変動を小さく抑える効果及び潜熱蓄熱材
の保形性が高くなる効果を確実に得ることができるもの
である。
記アルキル炭化水素の融点が20〜50℃であるので、
車内の温度変動を小さく抑える効果を確実に得ることが
できるものである。また本発明の請求項4に記載の発明
は、上記潜熱蓄熱材の各成分の配合量が、アルキル炭化
水素40〜90重量部、ポリエチレン5〜30重量部、
エチレン−プロピレン共重合体1〜40重量部であるの
で、車内の温度変動を小さく抑える効果及び潜熱蓄熱材
の保形性が高くなる効果を確実に得ることができるもの
である。
【0033】また本発明の請求項5に記載の発明は、シ
ート状の潜熱蓄熱材又は繊維状の潜熱蓄熱材あるいは網
状の潜熱蓄熱材を用いたので、潜熱蓄熱材の複雑な形状
に合わせて容易に変形あるいは加工することができ、車
体への潜熱蓄熱材の取り付けを行い易くすることができ
るものである。
ート状の潜熱蓄熱材又は繊維状の潜熱蓄熱材あるいは網
状の潜熱蓄熱材を用いたので、潜熱蓄熱材の複雑な形状
に合わせて容易に変形あるいは加工することができ、車
体への潜熱蓄熱材の取り付けを行い易くすることができ
るものである。
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
る。
【図2】(a)は同上の潜熱蓄熱材の一例を示す平面
図、(b)は同上の潜熱蓄熱材の他例を示す斜視図であ
る。
図、(b)は同上の潜熱蓄熱材の他例を示す斜視図であ
る。
【図3】(a)は同上の車体の層構成の一例を示す断面
図、(b)は同上の車体の層構成の他例を示す断面図で
ある。
図、(b)は同上の車体の層構成の他例を示す断面図で
ある。
【図4】実験1の結果を示すグラフである。
1 車体 2 天井 3 外郭 4 内装材 5 潜熱蓄熱材 6 断熱材
Claims (5)
- 【請求項1】 車体の少なくとも天井において、外郭と
内装材の間にアルキル炭化水素とポリエチレンとエチレ
ン−プロピレン共重合体を主成分とする潜熱蓄熱材を設
けて成ることを特徴とする車輛。 - 【請求項2】 外側から外郭、断熱材、潜熱蓄熱材、内
装材の順の層構成で上記車体を形成して成ることを特徴
とする請求項1に記載の車輛。 - 【請求項3】 上記アルキル炭化水素の融点が20〜5
0℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車
輛。 - 【請求項4】 上記潜熱蓄熱材の各成分の配合量が、ア
ルキル炭化水素40〜90重量部、ポリエチレン5〜3
0重量部、エチレン−プロピレン共重合体1〜40重量
部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の車輛。 - 【請求項5】 シート状の潜熱蓄熱材又は繊維状の潜熱
蓄熱材あるいは網状の潜熱蓄熱材を用いて成ることを特
徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車輛。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8312216A JPH10151997A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 車 輛 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8312216A JPH10151997A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 車 輛 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10151997A true JPH10151997A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18026598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8312216A Withdrawn JPH10151997A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 車 輛 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10151997A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005112110A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Nissan Motor Co Ltd | 自動車用の熱機能構造体 |
JP2013060186A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | Hutchinson Sa | 電気自動車またはハイブリッド自動車の車体構造、この車両、および、車両の車室の温度を制御する/変更するための方法 |
WO2017153693A1 (fr) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | Hutchinson | Véhicule à habitacle isolé par une barrière thermique |
JP2018518393A (ja) * | 2015-05-29 | 2018-07-12 | ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 熱制御のためのシステムおよびそれを使用するための方法 |
-
1996
- 1996-11-22 JP JP8312216A patent/JPH10151997A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005112110A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Nissan Motor Co Ltd | 自動車用の熱機能構造体 |
JP2013060186A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | Hutchinson Sa | 電気自動車またはハイブリッド自動車の車体構造、この車両、および、車両の車室の温度を制御する/変更するための方法 |
JP2018518393A (ja) * | 2015-05-29 | 2018-07-12 | ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 熱制御のためのシステムおよびそれを使用するための方法 |
WO2017153693A1 (fr) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | Hutchinson | Véhicule à habitacle isolé par une barrière thermique |
FR3048766A1 (fr) * | 2016-03-11 | 2017-09-15 | Hutchinson | Vehicule a habitacle isole par une barriere thermique |
CN109073328A (zh) * | 2016-03-11 | 2018-12-21 | 哈金森公司 | 一种具有经由热屏障隔热的乘客室的车辆 |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040203 |