JP2004502107A - 防音兼用断熱材 - Google Patents

Abstract

多層複合材の形態をした防音兼用断熱材（１０）が、第１の表面材層（１２）、例えば熱反射材料層と、ポリマーを基材とするブランケット層（１４）と、ポリマー基材ブランケット層内に封入された絶縁インサート（１６）とを有する。絶縁インサートは、選択された高温スポットのところに余分の断熱作用をもたらすと共に（或いは）防音兼用断熱材を設置できる車両の高騒音箇所のところに防音作用をもたらすような寸法で防音兼用断熱材内に配置されている。

Description

【０００１】
〔発明の技術分野及び産業上の利用可能性〕
本発明は一般に、車両の乗客室のような環境を、その車両の機械的コンポーネント、例えばモータ、パワートレーン、サスペンション、タイヤ及び排気系統によって生じる熱及び音から絶縁するのに利用できる防音兼用断熱材（以下、単に「インシュレータ」という場合がある）に関する。
【０００２】
〔発明の背景〕
運転室又は乗客室を関連の車両の機械的装置によって生じる騒音及び熱から保護すると共に絶縁しようとして自動車、トラック又は他の車両に防音材及び断熱材を設けることが当該技術分野において周知である。この目的のため、耐熱ガラス繊維のマットが、例えば（ａ）ダッシュボードとエンジン室との間の防火壁上及び（ｂ）乗客室とパワートレーン及び排気系統との間の車両のフロアパンに沿って利用されている。これら材料は、特に夏の数ヶ月の間、運転室／乗客室内の低温で快適な温度を保つことができるようにする断熱材となっている。加うるに、これら材料は、必要な防音材となり、車両が道路の凸凹でしかも平坦ではない場合の多い路面上を走行する際のモータ、パワートレーン並びにサスペンション及びタイヤの種々の機械的な騒音を減少させ又は無くす。
【０００３】
断熱及び防音材料、マット及びパネルの従来の例は、多くの特許に見受けられ、かかる特許としては、ライス氏等に付与された米国特許第４，９４８，６６０号（以下、「ライス等特許」という）明細書、シュレッガー氏に付与された米国特許第５，２８３，１１１号（以下、「シュレッガー特許」という）明細書、ラグランド氏等に付与された米国特許第５，６３３，０６４号（以下、ラグランド等特許」という）明細書が挙げられる。
【０００４】
ライス等特許明細書は、外側ペイント塗料膜とガラス繊維のシート、アルミニウム皮膜、ポリエチレンのヒートシールフィルム及び断熱鉱物（無機）繊維層マットを有する断熱兼用防音パネルを開示している。シュレッガー特許明細書では、ポリエチレン／ポリプロピレン織物マット、アルミニウム化ポリエステル又はポリプロピレンの反射層及びガラスを含む断熱紡織繊維から成る不織バット（詰綿）の断熱層を有する多層複合材が開示されている。断熱層は、ポリエステルのスクリムを有するのがよく、バットの繊維がスクリム中へニードルパンチされている。
【０００５】
ライス等特許明細書とシュレッガー特許明細書の両方において、熱反射箔がインシュレータ又はパネルの外側層ではなく内側層として設けられる。これにより、熱を金属フィルムと熱源との間でインシュレータ又はパネルの少なくとも外側層内に蓄積することができる。この熱の吸収を考慮すると、構成材料の選択が比較的高い融点の材料に制限されると共に周囲の機械的コンポーネントの冷却効率が減少する。経時的に、これにより車両の運転／乗客室内への熱の多量の伝達が生じ得る。
【０００６】
ラグランド等特許では、一方の側部が断熱層に接着され、他方の側部が難燃層に接着された金属層を有する遮熱積層品が設けられている。第２の金属層は、断熱層の他方の側部に結合されている。かかるインシュレータは、非常に良好な断熱作用を発揮するが、最良の防音作用をもたらすわけでない。さらに、良好な断熱作用が得られるが、２つの金属箔層を用いることにより、インシュレータ又はパネルの製造費が著しく増大する。また、２つの箔層は、熱を前後に反射することにより熱を層相互間に閉じ込める傾向がある。これにより、断熱層の材料の選択が融点の高い材料に制限される場合がある。これにより、或る特定の用途の場合では望ましい防音及び（又は）断熱性を備えた材料を用いることができなくなる場合がある。したがって、全体的な製造費を減少させた状態で優れた防音性及び断熱性をもたらす改良型インシュレータ又はパネルが要望されている。
【０００７】
〔発明の概要〕
本明細書で説明する本発明の特徴によれば、改良型の防音兼用断熱材が提供される。このインシュレータは、（ａ）第１の表面材層と、（ｂ）ポリマーを基材とするブランケット層と、（ｃ）前記第１の表面材層及び前記ポリマー基材ブランケット層によって包み込まれた絶縁インサートとを有する多層複合材から成る。車両に取り付けて用いる際、インシュレータは、第１の表面材層又は熱反射層を熱源に最も近づけて設置され、したがって熱がインシュレータによって吸収されることなく乗客室から遠ざかるように反射される。したがって、熱反射材料層は又、繊維ブランケット層を含むインシュレータの残りの部分を高温から保護する。その結果、乗客室を機械的な騒音及び路上で生じる騒音並びに（或いは）車両の熱源から一層効果的に絶縁するようポリマーを基材とするブランケット材料に比較的融点が低いが強力な断熱性及び防音性を備えた材料を選択できる。或る特定の領域、特に、高温熱源、例えば排気系統の触媒コンバータに隣接した領域では、インシュレータは、高効率絶縁インサートを有している。かかるインサートは、車両の運転手／乗客室内の乗客にとって適当な断熱性及び可能な限り最も高いレベルの快適さをもたらすようにするために「ホットスポット」のところに余分の熱保護作用をもたらす。
【０００８】
本発明を一層具体的に説明すると、熱反射材料層は、アルミニウム又は他の熱反射金属から成る金属箔であるのがよい。金属箔の厚さは、特定の用途の温度、耐久性及び構造上の要件に応じて実質的に０．５〜５．０ミル（０．０１２７〜０．１２７ｍｍ）である。この金属箔は、余分の強度及び耐久性をもたらす補強材を更に有するのがよい。補強材は、スクリム、繊維マット及び繊維ウェブの形態をしているのがよい。例えばガラス繊維のような強固な材料を用いるのがよい。
【０００９】
ポリマーを基材とするブランケット層は主として、車両の運転手及び乗客の利便性及び満足度を得るために比較的騒音がなく、しかもより快適な乗客室をもたらすよう断熱と防音の両方を行うよう働く。また、ポリマー基材ブランケット材料を、比較的高密度の区分及び比較的低密度の区分を有するよう成形できる。高密度区分は、ポリマー基材ブランケット層を車両へのインシュレータの取り付け中、引き裂かれ、切断され又は損傷を受けることのないよう保護する外層として働く。さらに、絶縁インサートはポリマー基材ブランケット層内に封入されているので、これも又、この厚い高密度外層で保護される。
【００１０】
ポリマー基材ブランケット材料は、特定の用途に必要な所要の断熱性及び防音性を発揮するポリマーで作られたものであるのがよい。考えられる材料としては、ポリエステル繊維マット及び他の繊維材料、例えば、ポリオレフィン、ポリエチレン、コットンショディ、ナイロン、レーヨン、アクリル樹脂、天然繊維（例えば、ケナフ、大麻）及びこれらの組合せにメルトブローンミクロ繊維を含むもの、又は含まないものが挙げられる。
【００１１】
絶縁インサートは、ガラス繊維、耐熱フォーム、ポリマーを基材とするブランケット材料、天然繊維を基材とするブランケット材料及びこれらの組合せが挙げられる。インサートをホットスポットの断熱のために利用する場合、例えば４５０°Ｆ（２３２℃）という高い温度にさらされても煙を生じない材料を選択することが重要である。
【００１２】
大抵の用途の場合、絶縁インサートを繊維ブランケット層内に、選択された場所で、例えば、相当強い熱源、例えば触媒コンバータに隣接して配置することが望ましい。これにより、インシュレータを構成するのに必要な高価な絶縁インサート材料の量を最小限に抑えながら熱源の最適の熱遮蔽が可能になる。
【００１３】
本発明の更に別の特徴によれば、インシュレータは、第２の表面材層を有するのがよい。この第２の表面材層は、強度及び引裂抵抗を増大させるためのスクリムを有するのがよい。第２の表面材層は、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、ガラス、金属箔及びこれらの組合せから成る材料の群から選択されたものであるのがよい。第１の表面材層と第２の表面材層のうちいずれか一方又はこれら両方を難燃剤、殺生剤及び（又は）着色剤で処理して追加の所望の性質を備えるようにするのがよい。
【００１４】
さらに、第１の表面材層又は熱反射材料層は、かかる層を繊維ブランケット層に固定する熱活性化接着剤を有している。第２の表面材層を繊維ブランケット層に固定するためにこれと類似した熱活性化接着剤を設けるのがよい。熱活性化接着剤は、意図した目的に適した熱可塑性シート、熱可塑性ウェブ、ホットメルト、ラテックス及び熱活性化樹脂から成る材料群から選択される。
【００１５】
以下の説明は、本発明の幾つかの実施形態を本発明を実施するのに最適な態様のうちの幾つかの例示に関するものである。理解されるように、本発明は、他の種々の実施形態で実施でき、その幾つかの細部は、本発明の範囲から逸脱することなく種々の明らかな観点の全てにおいて改造が可能である。したがって、図面及び本文は、本発明を限定するものではなく本来的に本発明の例示と考えられる。
明細書に添付され、本願の一部をなす図面は、本発明の幾つかの特徴を示しており、本文と共に本発明の原理を説明するのに役立っている。
次に、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照し、これら実施形態の例が添付の図面に示されている。
【００１６】
〔発明の好ましい実施形態の詳細な説明〕
今、図１を参照すると、本発明の防音兼用断熱材又はインシュレータ１０の第１の実施形態が示されている。インシュレータ１０は、第１の表面材層、例えば熱反射層１２と、ポリマーを基材とするブランケット層１４と、熱反射層及びポリマー基材ブランケット層で包囲された絶縁インサート１６とを有する多層複合材から成る。
【００１７】
第１の表面材層１２は、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、ガラス及びこれらの任意の組合せで作られたものであるのがよい。優れた断熱特性を必要とする用途では、表面材層１２は、熱反射材料、例えば金属箔（例えば、アルミニウム又は他の熱反射金属）で作られたものであるのがよい。金属箔を用いる場合、箔の厚さは一般に、０．５〜５．０ミル（０．０１２７〜０．１２７ｍｍ）である。大抵の用途では、実質的に０．５〜２．０ミル（０．０１２７〜０．５０８ｍｍ）、例えば、１．０ミル（０．０２５４ｍｍ）の箔厚さが用いられる。選択された厚さは、特定の製品用途の温度、耐久性及び構造上の要件に基づく。
【００１８】
第１の表面材層１２を補強してもしなくてもよい。補強材１８は、耐久性及び構造的一体性を向上させるために設けられている。補強材は、繊維スクリム、繊維マット又は繊維ウェブの形態を取るのがよい。多くの用途の場合、補強材１８は、比較的強固な繊維、例えばガラス繊維で作られる。代表的には、ガラス繊維の糸は、十文字パターンで配置される。１インチ（２．５４ｃｍ）当たりの糸の本数を調節して所望の製品特性をもたらすのがよい。繊維補強ストランドは、箔のウェブ方向（縦方向）及びクロスウェブ方向（横方向）全体にわたって一定間隔を置いて配置されている。代表的には、間隔パターンとして、４×４（両方向に１インチ当たり４本のストランド）、３×３、２×２、４×２、３×２が挙げられるが、これには限定されない。代表的なパターンは、矩形及び菱形である（図３に示す補強材１８を参照されたい）。ストランドは、所望の特性を備えた材料であって、ガラス以外の材料であるのがよい（例えば、ポリエステル）。
【００１９】
箔層１２の更に別の補強材料としては、ガラスマット、ポリマーマット及び配合物マットが挙げられるが、これらには限定されない。補強材１８を金属箔に予め取り付けるのがよい。変形例として、ルーズに施した補強材を利用してもよい。大抵の用途では、箔層補強材１８は、向上した引裂抵抗、強度及び（又は）防音性をもたらす。しかしながら、多くの用途では、補強材は不要であることは理解されるべきである。
【００２０】
第１の表面材層１２（補強が施された状態又は補強が施されていない状態）は、熱活性化接着剤２０によりポリマー基材ブランケット層１４及び（又は）絶縁インサート１６に取り付けられている。利用される接着剤２０は、２００°Ｆ〜３５０°Ｆ（９３℃〜１７７℃）の温度で溶けて流動しがちな熱可塑性シート又は熱可塑性ウェブ材料であるのがよい。この種の接着剤２０は、製造の成形段階中に活性化できるので望ましい。熱可塑性シート及びウェブに加えて、例えばホットメルト、ラテックス及び種々の熱活性化樹脂のような接着剤２０を利用することができる。接着剤２０は、図示のように別個の層であってもよく、或いは接着剤を前もってドットマトリックス（即ち、一様）又は焼結（即ち、ランダム）パターンで第１の表面材層１２に取り付けてもよい。
【００２１】
ポリマー基材ブランケット層１４は、完成品がその特定用途の要件に合うようにするのに必要な断熱性及び防音性を発揮する必要がある。一般に、ポリマー基材ブランケット層１４は、ポリエステル繊維マット又はポリエステル繊維マット配合物で作られる。利用できる他の材料としては、ポリオレフィン、ポリエチレン、コットンショディ、ナイロン、レーヨン、アクリル樹脂、天然繊維（例えば、ケナフ、大麻）及びこれらの組合せにメルトブローンミクロ繊維を含むもの、又は含まないものが挙げられる。かかるマットの密度は一般に、２５〜２００ｇ／ｆｔ^２（０．２７〜２．１５ｋｇ／ｍ^２）であり、より一般的には５０〜１５０ｇ／ｆｔ^２（０．５４〜１．６２ｋｇ／ｍ^２）であり、更に一般的には７５〜１２５ｇ／ｆｔ^２（０．８１〜１．３５ｋｇ／ｍ^２）である。
【００２２】
絶縁インサート１６は、車両の種々の作動系統と通常関連した高い熱及び（又は）高い大きな音の源の上に余分の断熱及び（又は）防音材を提供するよう設けられる（図１及び図２に示す熱／音の源に隣接したインサート１６の配置状態に注目されたい）。インサート１６に使用できる材料としては、ガラス繊維、耐熱フォーム、ポリマー基材ブランケット製品及び天然産物を基材としたブランケット製品が挙げられるが、これらには限定されない。インシュレータ１０の厚さ又はバルクを減少させ、取り付けやすくするためにその可撓性を増大させると共に生産コストを減少させるため、インサート１６は、（ａ）余分の熱保護を必要とするホットスポットを生じさせる熱源及び（又は）（ｂ）車両の運転手及び乗客をうるさがらせる強い音の源である音伝達又は発生コンポーネントの遮蔽を行うように寸法決めされると共に１以上の選択された場所でのみインシュレータ内に配置される。
【００２３】
多くの用途の場合、強力な断熱性は、インサート１６の必要不可欠な特性である。これらの用途の場合、インサート１６に利用される材料は、４５０°Ｆ（２３２℃）という高い温度にさらされても煙を生じてはならない。例えばガラス繊維や幾分耐熱性のフォームのような材料がかかる用途に理想的である。層状の複合材料も利用できる。箔又はこれに類似した熱反射材料の第２の層を利用できる。ただし、この材料がインシュレータ１０内の局所領域からの熱及び（又は）音響エネルギを消散させることができることを条件とする。
【００２４】
本発明の第２の実施形態が図２に示されている。図１に示す第１の実施形態と同様、インシュレータ１０のこの実施形態は、第１の表面材層１２と、ポリマー基材ブランケット層１４と、上述した形式の絶縁インサート１６とを有している。第１の表面材層１２は、上述した種類の適当な接着剤２０によってポリマー基材ブランケット層１４に取り付けられている。加うるに、この実施形態は、第２の表面材層２２を有している。
【００２５】
第２の表面材層２２は、インシュレータ１０を車両コンポーネント、例えば、防火壁、フェンダーウェル、駆動シャフトトンネル又は乗客室フロアパンに当てた状態で取り付けるための滑らかな耐久性のある表面を有している。多数の容易に入手できる材料を用いて第２の表面材２２を構成することができる。かかる材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、ガラス、金属箔及びこれらの任意の組合せ（例えば、ポリエステルとレーヨン）が挙げられる。第１の表面材層１２と第２の表面材層２２の両方を所望の特性の向上が得られるよう処理するのがよい。したがって、表面材層１２，２２を例えば防湿層、難燃剤、殺生剤及び着色剤（例えば、ダークグレー又はブラック）で化学的に処理するのがよい。第２の表面材層２２の重さは０．２５〜３．０ｏｚ／ｙｄ^２（０．００８〜０．１０２ｋｇ／ｍ^２）（例えば、１．２５ｏｚ／ｙｄ^２（０．０４２ｋｇ／ｍ^２））であるのがよい。
【００２６】
図２には具体的には示していないが、第２の表面材層２２を図１の実施形態に用いられた熱反射層１２について上述したのと類似のタイプのスクリムで補強するのがよい。スクリム及び第２の表面材層２２を互いに且つポリマー基材ブランケット層１４に固定するための適当な接着剤２４としては、熱可塑性フィルム及びポリエチレンのウェブ、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びこれらの組合せが挙げられる。接着剤２４は、図示のように別個の層であってもよく、或いは接着剤を前もってドットマトリックス（即ち、一様）又は焼結（即ち、ランダム）パターンで第１の表面材層２２に取り付けてもよい。変形例として、ホットメルト接着剤又はラテックス接着剤を利用してもよい。
【００２７】
図２を参照して更に理解されるように、ポリマー基材ブランケット層１４は、比較的高密度の外層区分２６及び比較的低密度の内側区分２８を有している。高密度区分２６は、ブランケット層１４を車両への取付け中と定位置に配置された後との両方において損傷から保護するよう働く強靭な外側「地殻」となる。低密度内側区分２８は、インシュレータ１０が取り付けられる車両の運転手／乗客室からの望ましくない熱及び騒音を良好に遮断する向上した遮蔽性をもたらす。当然のことながら、厳密に特定の用途について最も適したものに応じて他の高密度区分及び低密度区分から成る層状構造（例えば、２つの高密度層相互間にサンドイッチされた低密度層）にしてもよい。ブランケット層１０の高密度多層化は、種々の形成及び成形法を用いて可能であり、かかる方法としては、種々の温度で互いに協働する定盤又はロール及び（又は）種々の融点を持つポリマー材料の層を用いることが挙げられる。
【００２８】
本発明の更に別の特徴によれば、図１に示すインシュレータ１０中の絶縁インサート１６は、第１の表面材層１２とポリマー基材ブランケット材料層１４との間に完全に封入されている。図２に示すインシュレータ１０内の絶縁インサート１６は、ポリマー基材ブランケット層１４内に完全に封入されている。インサート１６をこのように封入することにより、車両への取付け中、インサート１０の曲げ及び操作を行っている間にインサートによって放出されたほこりがブランケット層１４内に捕捉される。かくして、ほこりは取り付けている人に接触することがなく、しかも皮膚の刺激を生じさせる恐れがないようになる。かくして、利便性並びに快適さ及び取扱いの容易さが大幅に向上する。
【００２９】
一般に、本発明のインシュレータ１０のどの実施形態も以下の方法に従って製造することができる。同一又は互いに異なる軟化温度をもつ１以上の材料層で作られたポリマー基材ブランケット材料１４（例えば、約１００ｇ／ｆｔ^２（１．０７６ｋｇ／ｍ^２）のＶｅｒｓａＭａｔ ４０００ ポリエステルブランケット）を所望の大きさに切断する。絶縁インサート１６及び第１の表面材層１２も又、所望の寸法に切断する。第２の表面材層２２が必要な場合、これ又所望の大きさに切断する。次に、層１２，１４，１６，２２（もし層２２が存在すれば）を全て、ブランケット層１４に対して正しい位置に配置された１又は複数のインシュレータインサート１６と結合する。次に、ポリマー基材ブランケット層１４及び絶縁インサート１６（及び第２の表面材層２２）を含む複合構造体を、この複合材を成形でき、そして適当な接着剤２０，２４を活性化させる温度まで予熱する。次に、複合構造体を金型内に配置し、所望の形状に成形する。完成した部品又はインシュレータ１０は、冷えて硬化し、次にこれを金型から取り出す。インシュレータ１０を成形中又は成形後に所定の大きさにトリムするのがよい。当然のことながら、インシュレータ１０を連続法で製造してもよい。
【００３０】
インシュレータ１０は車両への取付けが比較的容易である。インシュレータ１０は、比較的軽量であり、曲げ又は折り曲げにより取付け位置に、例えば車両の乗客室のフロアパンに当てて容易に操作できる。かくして、インシュレータ１０を当該技術分野で周知の方法に従って機械的締結具、接着剤等を用いて定位置に取り付けることができる。
【００３１】
本発明の好ましい実施形態についての上記記載は、例示及び説明のために行われている。本発明を開示した形態そのものに限定するものではない。上記教示に照らして当業者には明らかな改造及び変形が可能である。例えば、本発明のインシュレータ１０を自動車用インシュレータとして用いる場合について説明したが、これは防音性及び（又は）断熱性を必要とする他の用途、例えば電気器具（例えば、皿洗い機、衣類乾燥機、冷蔵庫及び冷凍庫）や商業的及び家庭的建物用防音手段に適していることは理解されるべきである。上記実施形態は、本発明の原理及びその実用的用途を最もよく説明するために選択されて記載されており、それにより当業者は、本発明を種々の実施形態で、更に計画した特定の用途に合うような種々の設計変更又は改造を施した状態で利用できるようになる。かかる改造例及び変形例は全て、公正で法的な且つ衡平上の権利の広さにしたがって解釈された場合の本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【図１】
熱反射材料層、繊維ブランケット層及び熱反射層及び繊維ブランケット層で包囲されていて、熱／音源の上に位置した状態で示された絶縁インサートを有する本発明の防音兼用断熱材の第１の実施形態の断面図である。
【図２】
図１に示す３つの層及び追加の表面材層を有する本発明のインシュレータの変形実施形態の断面図である。
【図３】
熱反射層を補強するスクリムの繊維パターンを示すインシュレータの詳細平面切除図である。

Claims (17)

1. 防音兼用断熱材（１０）であって、（ａ）第１の表面材層（１２）と、（ｂ）ポリマーを基材とするブランケット層（１４）と、（ｃ）前記第１の表面材層及び前記ポリマー基材ブランケット層によって包み込まれた絶縁インサート（１６）とを有する多層複合材から成ることを特徴とする防音兼用断熱材。
2. 前記第１の表面材層（１２）は、厚さが実質的に０．５〜５．０ミルの熱反射性金属箔で構成されていることを特徴とする請求項１記載の防音兼用断熱材。
3. 前記金属箔は、補強材（１８）を含むことを特徴とする請求項２記載の防音兼用断熱材。
4. 前記金属箔の補強材（１８）は、繊維スクリム、繊維マット及び繊維ウェブから成る材料群から選択されていることを特徴とする請求項３記載の防音兼用断熱材。
5. 前記補強材（１８）は、十文字のパターンに配列されたガラス繊維の糸から作られていることを特徴とする請求項４記載の防音兼用断熱材。
6. 前記ポリマー基材ブランケット層（１４）は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、コットンショディ、ナイロン、レーヨン、アクリル樹脂、ケナフ及び大麻を含む天然繊維及びこれらの組合せにメルトブローンミクロ繊維を含み又はメルトブローンミクロ繊維を含まない材料群から選択されていることを特徴とする請求項１記載の防音兼用断熱材。
7. 前記ポリマー基材ブランケット層（１４）は、比較的高密度の区分（２６）及び比較的低密度の区分（２８）を有していることを特徴とする請求項１記載の防音兼用断熱材。
8. 前記絶縁インサート（１６）は、ガラス繊維、フォーム、ポリマー基材ブランケット材料、天然繊維を基材とするブランケット材料及びこれらの組合せから成る材料群から選択されていることを特徴とする請求項１記載の防音兼用断熱材。
9. 前記絶縁インサート（１６）は、熱源及び音源を遮蔽するよう前記防音兼用断熱材（１０）中の選択された場所にのみ配置されていることを特徴とする請求項１記載の防音兼用断熱材。
10. 第２の表面材層（２２）を更に有していることを特徴とする請求項１記載の防音兼用断熱材。
11. 前記第２の表面材層（２２）は、スクリムを含むことを特徴とする請求項１０記載の防音兼用断熱材。
12. 前記第２の表面材層（２２）は、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、ガラス、金属箔及びこれらの混合物から成る材料群から選択されていることを特徴とする請求項１０記載の防音兼用断熱材。
13. 前記第１の表面材層（１２）及び（又は）第２の表面材層（２２）は、難燃剤、殺生剤及び（又は）着色剤で処理されていることを特徴とする請求項１１記載の防音兼用断熱材。
14. 前記第１の表面材層（１２）は、前記第１の表面材層を前記ポリマー基材ブランケット層（１４）に固定する熱活性化接着剤（２０）を有していることを特徴とする請求項１記載の防音兼用断熱材。
15. 前記熱活性化接着剤（２０）は、熱可塑性シート、熱可塑性ウェブ、ホットメルト、ラテックス及び熱活性化樹脂から成る材料群から選択されていることを特徴とする請求項１２記載の防音兼用断熱材。
16. 前記第２の表面材層（２２）は、前記第２の表面材層を前記ポリマー基材ブランケット層（１４）に固定する熱活性化接着剤（２４）を有していることを特徴とする請求項１０記載の防音兼用断熱材。
17. 前記熱活性化接着剤（２４）は、熱可塑性シート、熱可塑性ウェブ、ホットメルト、ラテックス及び熱活性化樹脂から成る材料群から選択されていることを特徴とする請求項１６記載の防音兼用断熱材。

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