JPH10151652A - 可塑化材料の加熱方法および加熱装置 - Google Patents

可塑化材料の加熱方法および加熱装置

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JPH10151652A
JPH10151652A JP8312093A JP31209396A JPH10151652A JP H10151652 A JPH10151652 A JP H10151652A JP 8312093 A JP8312093 A JP 8312093A JP 31209396 A JP31209396 A JP 31209396A JP H10151652 A JPH10151652 A JP H10151652A
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JP
Japan
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screw
resin
hot air
temperature
heating
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JP8312093A
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English (en)
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Toshio Arai
俊夫 荒井
Masataka Mitsui
正敬 三井
Taizo Murakami
泰造 村上
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の可塑化能力と計量時間の短縮を図るよ
うにする。 【解決手段】 スクリュの軸芯部を通って供給部の先端
位置近傍または圧縮部後端部近傍のスクリュ溝部位置に
開口する複数の熱風ガス通路を設けた射出装置を用い、
フィードホッパから供給部に供給された可塑化材料を熱
風ガス通路を介して導入された熱風ガスにより所定温度
まで予熱し、引続く圧縮部で加熱・溶融してスクリュの
前部に一旦貯溜するまでの時間を短くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出装置を用いた可
塑化材料の加熱方法に係わり、特に樹脂の可塑化能力と
計量時間の短縮を図るようにした可塑化材料の加熱方法
および加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7に従来の射出装置の縦断面図を示
す。図8において、可塑化材料(以下、樹脂という)2
を混練、可塑化する射出装置1において、ペレットと称
する粒状の樹脂2が、フィードホッパ4に供給され、フ
ィードホッパ4から加熱筒(バレル)6内に落下する。
加熱筒6内にスクリュ8が収納されるとともに、バンド
ヒータ10が加熱筒6に巻着され、加熱筒6内の樹脂を
外部から加熱可能になっている。
【0003】そして、フィードホッパ4から落下した樹
脂2は、加熱筒6を介して外部から加熱されるととも
に、スクリュ8の回転によるスクリュ8と加熱筒6間で
の剪断速度による内部加熱(剪断熱)によって溶融し、
樹脂2の渦流により混練され、可塑化される。樹脂2
は、スクリュ8の回転によって溶融・混練されながら、
加熱筒6内をスクリュ8の先端方向の樹脂溜まりに送ら
れ、その後スクリュ8の前進によって前記樹脂溜まりの
樹脂は金型キャビティ(図示略)内に射出されるように
なっている。
【0004】また、フィードホッパ4の側壁を貫通して
熱風ガスの吹き出し口が前記フィードホッパ4の略中心
部の下方に向かって位置するように熱風ガス導入管9が
配設してあり、当該熱風ガス導入管9から下向きに吹き
出された熱風ガスにより、フィードホッパ4内に貯溜さ
れた樹脂2は加熱され、加熱された樹脂2はフィードホ
ッパ4と加熱筒6を結ぶ樹脂通路11を通って加熱筒6
内に落下した後、加熱筒6側の外部加熱と内部加熱いわ
ゆる剪断熱によって樹脂2は溶融されスクリュ8の先端
方向に送られていた。符号8aはスクリュ表面、11は
樹脂通路、12はスクリュ溝部をそれぞれ示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
な射出装置1においては、次のような問題点があった。 近年では、バンパーやインスツルパネルなどの大型
成形品が、樹脂2の流動性ならびに当該樹脂2を用いて
成形した製品の剛性が大幅に向上し製品肉厚が薄くなっ
たことにより、金型キャビティ内に射出充填された樹脂
2の冷却固化時間が大幅に短縮されつつある。このた
め、計量時間が前記冷却時間内に終了せず成形サイクル
が安定しない(図5の従来例)といった問題が生じてい
た。この原因は、成形開始時には樹脂2の溶融時間が十
分あるために計量部、圧縮部、供給部に滞留する樹脂2
は加熱筒6に設けたバンドヒータ10(外部加熱方式)
によって十分加熱溶融され易いが、成形を繰り返しすに
したがってバンドヒータ10の熱量を受け難くなり、こ
のためホッパ4から加熱筒6内に供給された樹脂2の温
度が低く、供給部の範囲内では決められた熱源からの熱
量では樹脂2の予熱が十分に行われ難いことから、この
ため引続く圧縮部では加熱筒6の加熱源と剪断熱では十
分に樹脂2を溶融するのに時間がかかり結果的に可塑化
能力が低下することとなる。特に、バンドヒータ10の
熱量が空中放熱され、熱効率が低く、有効な加熱が難し
く、加えて樹脂2からかなり離れた位置で加熱している
ため、樹脂2が十分に加熱できないといった問題があっ
た。
【0006】 さらに、前記の問題点を解決するた
めに、フィードホッパ4内に貯溜された樹脂2の顕熱を
高めようとして、熱風ガス導入管9からフィードホッパ
4内に吹き出される熱風ガスの温度を高くすると樹脂2
同士が融着あるいは粘着してしまい、樹脂通路11でブ
ロッキング現象を呈し樹脂同士が凝集し加熱筒6内に供
給されないといった問題が新たに惹起した。
【0007】 熱風ガス導入管9からフィードホッパ
4内に吹き出される熱風ガスの温度を高くして樹脂2同
士が融着あるいは粘着を生じる温度近傍まで上昇してフ
ィードホッパ4内に貯溜された樹脂2の顕熱を高めても
次の加熱筒6内の温度が低いことから放熱してしまい、
フィードホッパ4内で高められた樹脂2の温度は供給部
(FZ)を移送されるしたがって低下することとなり、
せっかく樹脂2を予熱しても結局は可塑化能力は依然と
して改善されないといった問題がある。
【0008】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、本発明の目的は、スクリュの供給部に供給さ
れた樹脂を圧縮部に搬送するまでに樹脂の顕熱を十分高
めて、可塑化能力の低下ならびに連続成形中の供給部お
よび圧縮部における樹脂の温度変化を来さないようにし
た可塑化材料の加熱方法および加熱装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、発熱体を備えた加熱
筒内に供給部、圧縮部および計量部から構成されるスク
リュを摺動・回転自在に挿入し、前記スクリュの軸芯部
を通って前記供給部の先端部位置近傍または圧縮部後端
部位置近傍のスクリュ溝部位置に開口する複数の熱風ガ
ス通路を設けた射出装置を用い、フィードホッパから前
記供給部に供給された可塑化材料を前記熱風ガス通路を
介して導入された熱風ガスにより所定温度まで予熱し、
引続く圧縮部で加熱・溶融してスクリュの前部に一旦貯
溜するまでの時間を短くするようにし、また第1の発明
を主体とする第2の発明では、熱風ガス温度を、フィー
ドホッパと加熱筒を結ぶ可塑化材料の通路壁面に配設さ
れた可塑化材料の温度測定をする温度センサによって得
られた可塑化材料表面が凝集温度に達しない温度になる
ように制御する。さらに、第1の発明を主体とする第3
の発明では、スクリュの供給部および圧縮部における表
面温度プロファイルを樹脂の種類によって前記温度プロ
ファイルを任意に対応可能とした。第4の発明では、発
熱体を備えた前記加熱筒内に摺動・回転自在に挿入した
スクリュの後端部から軸芯部を通って供給部の先端部位
置近傍または圧縮部後端部位置近傍のスクリュ溝部位置
に開口する単数または複数の熱風ガス通路を設けるとと
もに、フィードホッパと加熱筒を結ぶ樹脂通路に可塑化
材料の温度測定をする温度センサを設けた。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る可塑化材料
の加熱方法および加熱装置の実施例を図面を用いて詳細
に説明する。
【0011】図1は本発明の実施例に係る射出装置の縦
断面図、図2は図1のA〜Aからみた断面図、図3は樹
脂通路の表面温度を測定する温度センサの拡大断面図、
図4は成形開始時と開始後のスクリュ温度の経時的変化
図、図5はショット回数の増加に伴う可塑化能力の経時
的変化図、図6はショット回数の増加に伴う計量時間の
経時的変化図である。
【0012】図1に示すように、先端部にノズル14を
有し、外周部に加熱用のバンドヒータ10を巻着した円
筒状の加熱筒6を備えている。この加熱筒6は、金型1
8の材料注入口16にノズル14を臨ませうるようにし
て配設されている。
【0013】フィードホッパ4から加熱筒6内に送り込
まれた樹脂2は、モータ(図示略)により回転駆動され
るスクリュ8により樹脂材料供給部(FZ)より圧縮部
(CZ)へ移送され、圧縮部(CZ)においてねじ溝の
溝深さが漸減するために徐々に圧縮作用を受けるように
なっている。
【0014】この過程でスクリュフライト20間の樹脂
2はバンドヒータ10による加熱筒6の内壁面からの熱
伝達と、前記スクリュ8の回転作用による樹脂自身、お
よび樹脂2と加熱筒6もしくは前記スクリュ8との間で
生じる摩擦熱(剪断エネルギ)により、加熱筒6の内壁
面に溶融したメルトフィルムが形成され、さらにスクリ
ュフライト20により掻集され、スクリュ溝部12にメ
ルトプールが形成される。
【0015】一方、スクリュ8の後端部からスクリュ8
の先端方向に向かう軸芯部の供給部(FZ)および圧縮
部(CZ)に相当する位置に、熱風通路13が穿設され
ている。さらに、スクリュ8の軸芯部に穿設された前記
熱風通路13からスクリュ8の半径方向(加熱筒6の方
向)に向かう熱風通路15が放射状に穿設されており、
当該熱風通路15の先端部はスクリュフライト20間に
設けられたスクリュ溝部12に熱風ガス吹き出しの開口
部34が開口している。
【0016】図2に示すように、前記熱風通路15の望
ましい穿設位置は、例えば開口部34から吹き出した熱
風ガスが、スクリュ8の先端側よりガスの流通抵抗の小
さいフィードホッパ4側に逃げる際に、フィードホッパ
4から一旦加熱筒6内に落下した樹脂2がスクリュ8の
回転に伴ってスクリュ8の先端側に移動する樹脂2と向
流接触して樹脂2の顕熱が高められる。このように供給
部(FZ)における樹脂2の顕熱をより高くすることに
より、連続成形時にスクリュ8温度の低下により生じる
熱量の供給不足を解消し、可塑化能力を成形開始時と同
程度に高めることができるのである。
【0017】このような現象を参酌して、開口部34か
ら吹き出した熱風ガスと樹脂2との向流接触時間をある
程度長くとるために、前記供給部(FZ)の先端部位置
近傍または圧縮部(CZ)後端部位置近傍のスクリュ溝
部12に開口するようにすることが望ましく、この場
合、熱風ガスの吹き出す開口部34は前記供給部(F
Z)の先端部位置近傍から圧縮部(CZ)後端部位置近
傍にかけて、少なくとも1つあるいは複数個所(本実施
例では2箇所)設けてある。
【0018】図3に示すように、樹脂2の表面温度を測
定する温度センサ26の先端部がフィードホッパ4と加
熱筒6とを結ぶ樹脂通路11の内壁表面に位置するよう
に配設されて樹脂2の表面温度の測定が可能になってお
り、当該温度センサ26の先端部は樹脂通路11に段差
形状の凹部を設け、ここに温度センサ26の装着部材2
8を装着した後、複数のボルト30で挿抜不可能に固定
されている。なお、図1中のMZは計量部を示す。
【0019】なお、本発明では温度センサ26として熱
電対を用いるとともに、テレメータにてFM波を送信し
て樹脂通路11を通過する樹脂2の表面温度を測定す
る。測定された温度はFM受信機で受信し、パソコンに
取り込むようになっている。こうすることにより、樹脂
通路11を通過する樹脂2の表面温度の連続的な測定が
可能である。
【0020】一方、スクリュ8の後端部からスクリュ8
の先端方向に向かう軸芯部の供給部(FZ)および圧縮
部(CZ)に相当する位置に、熱風通路13が穿設され
ている。さらに、スクリュ8の軸芯部に穿設された前記
熱風通路13からスクリュ8の半径方向(加熱筒6の方
向)に向かう熱風通路15が放射状に穿設されており、
当該熱風通路15の先端部はスクリュフライト20間に
設けられたスクリュ溝部12に熱風ガス吹き出しの開口
部34が開口している。
【0021】図2に示すように、前記熱風通路15の望
ましい穿設位置は、例えば開口部34から吹き出した熱
風ガスが、ガスの流通抵抗の大きいスクリュ8ろの先端
側よりガスの流通抵抗の小さいフィードホッパ4側に逃
げる際に、フィードホッパ4から一旦加熱筒6内に落下
した樹脂2がスクリュ8の回転に伴ってスクリュ8の先
端側に移動する樹脂2と向流接触して樹脂2の顕熱が高
められる。このように供給部(FZ)における樹脂2の
顕熱をより高くすることにより、引続く圧縮部(CZ)
において加熱筒6の外部から加熱される外部加熱と、剪
断熱によって生じる内部加熱との合計熱では、樹脂2の
連続成形による経時変化に伴って生じる樹脂2を溶融す
るための時間当たりの供給熱量が次第に不足し、可塑化
能力不足となることを防止するように、熱量の補給をす
ることにある。
【0022】このような現象を参酌して、開口部34か
ら吹き出した熱風ガスと樹脂2との向流接触時間をある
程度長くとるために、前記供給部(FZ)の先端部位置
近傍または圧縮部(CZ)後端部位置近傍のスクリュ溝
部12に開口するようにすることが望ましく、この場
合、熱風ガスの吹き出す開口部34は前記供給部(F
Z)の先端部位置近傍から圧縮部(CZ)後端部位置近
傍にかけて、少なくとも1つあるいは複数個所(本実施
例では2箇所)設けてある。
【0023】また、スクリュ8の軸芯部に穿設された前
記熱風ガス通路13に沿って細い穿孔39が設けられ、
当該位置に例えばスクリュ表面8aの温度を測定するリ
ード線が配設されている。そして、リード線の先端部に
は例えば熱電対などの温度センサ42が設けられ、スク
リュ表面8aの温度を測定するようになっている。リー
ド線の後端部にスリップリング40が配設されており、
スクリュ表面8aの連続温度測定が可能となっている。
【0024】以上のように構成した射出装置を用いた場
合の可塑化材料の加熱方法について述べる。
【0025】まず、スクリュ8を前進限にした状態で加
熱筒6を所望の温度まで加熱するためにバンドヒータ1
0に送電して一定温度に加熱しておく。引続きモータ
(図示略)の駆動によりスクリュ8を回転させるとフィ
ードホッパ4から加熱筒6内に樹脂2が送り込まれる。
成形開始時は加熱筒6を昇温待機している間に樹脂2は
十分加熱溶融され、スクリュ8の前方に溶融した樹脂2
の貯溜部ができる。
【0026】こうした状況から、熱風ガス吹き込み口3
6から樹脂2の種類に合わせた温度の熱風ガスが熱風ガ
ス通路13、熱風ガス通路15から開口部34を介して
スクリュ8の供給部(FZ)の先端部位置近傍または圧
縮部(CZ)後端部位置近傍のスクリュ溝部12に開口
する開口部34から吹き出す。
【0027】開口部34から吹き出す熱風ガスの近傍で
は、すでにフィードホッパ4から供給部(FZ)へ落下
し、該落下した樹脂2がさらにスクリュ6の回転に伴っ
て供給部(FZ)から圧縮部(CZ)へ送給される過程
にあり、樹脂2の表面は熱風ガスの顕熱を受けて若干溶
融しているものの、完全溶融状態にないため樹脂2間に
存在する空隙部に吹き出されるのである。供給部(F
Z)に落下した樹脂2は、これら取り囲まれた加熱筒6
と開口部34から吹き出した熱風ガスの両方から加熱さ
れることになる。このため、樹脂2はその全体が均一か
つ万遍なく加熱されることとなり、樹脂2の顕熱は高め
られ、次の圧縮部(CZ)で溶融・可塑化され易くなる
のである。引続き、樹脂2の計量動作に伴うスクリュ6
の回転・後退によってフィードホッパ4内の樹脂2はス
クリュ6の前方に送給される。
【0028】同時に、スクリュ8の軸芯部に穿設された
熱風ガス通路13からスクリュ8の半径方向に穿設され
た熱風ガス通路15を通って開口部34から熱風ガスが
吹き出す途中に、スクリュ8本体の供給部から圧縮部に
かけて熱風ガスの持つ顕熱によって加熱され、スクリュ
表面8aの温度も上昇するのである。
【0029】圧縮部(CZ)では、加熱筒6とスクリュ
8側の両方から加熱されると同時に、スクリュ8の回転
によるスクリュ8と加熱筒6間での剪断摩擦による加熱
によって溶融し、樹脂2の渦流によって混練・可塑化さ
れる。特に、スクリュ8と加熱筒6がいずれも高温化さ
れているため、剪断摩擦による加熱に加えて、高温化さ
れたスクリュ8および加熱筒6によっても直接加熱され
る。
【0030】そのため、樹脂2は十分に溶融・混練さ
れ、均一でかつスピーディな可塑化が行える。一般に、
加熱筒6内で樹脂2が均一に溶融・混練されて可塑化さ
れるために、スクリュ8と樹脂2間では滑りが良い反
面、加熱筒6と樹脂2間では適度の滑り抵抗が必要とさ
れる。こうしたことから、本発明では、図4に示すよう
に、樹脂の種類によって理想的な温度プロファイルが設
定可能にしておき、当該温度プロファイルにできるだけ
一致するように、樹脂2の種類に対応した温度の熱風ガ
スを開口部34から吹き出して樹脂2の顕熱を予め高め
ておくように制御するのである。
【0031】ここで、従来のようにフィードホッパ4内
に熱風ガスを吹き出して樹脂2の顕熱を高める場合と、
スクリュ8の後端部から供給部(FZ)および圧縮部
(CZ)に位置する軸芯部を通ってスクリュ溝部12に
開口する開口部34から吹き出した熱風によって樹脂2
の顕熱を高める場合の、樹脂2と熱風ガス温度との関係
を下記に示す。
【0032】このように、供給部(FZ)に落下した樹
脂2の顕熱のみならずフィードホッパ4内に貯溜された
樹脂2についても同時に自由にかつ素早く高められるこ
ととなり、ショット数の増加に伴ってスクリュ8の温度
が低下することもないため、スクリュ8と樹脂2との摩
擦係数が増加するとともに、可塑化能力が大幅に向上す
るのである。
【0033】樹脂2を連続成形(ショット数を増やす)
してもスクリュ表面8aの温度は大きく低下することは
なかった。このため、次の圧縮部(FZ)においては、
供給部(FZ)で高められた樹脂2の顕熱が有効的に作
用し、素早く溶融することができるようになったことか
ら、図5に示す如く可塑化能力が大幅に改善された。ま
た、同時に図6に示す如く、樹脂2を連続成形(ショッ
ト数を増やす)してもスクリュ表面8aの温度低下が小
さいために計量時間が短くでき、製品成形サイクルが大
幅に改善された。
【0034】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、熱風ガスを供給部の先端部位置近傍ま
たは圧縮部後端部位置近傍のスクリュ溝部に開口する開
口部から吹き出すことにより、フィードホッパから加熱
筒に落下した樹脂とが向流接触して樹脂の顕熱が高くな
り、従来のように成形時間の経過とともに供給部に滞留
する樹脂温度が低下するため、結果的に圧縮部において
可塑化能力が低下するといった悪循環が防止され、連続
成形によってスクリュ表面の温度が低下防止と、供給部
における樹脂の顕熱の高まりによる可塑化能力が大幅に
向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出装置の縦断面図であ
る。
【図2】図1のA〜Aからみた断面図である。
【図3】樹脂通路の表面温度を測定する温度センサの拡
大断面図である。
【図4】成形開始時と開始後のスクリュ温度の経時的変
化図である。
【図5】ショット回数の増加に伴う可塑化能力の経時的
変化図である。
【図6】ショット回数の増加に伴う計量時間の経時的変
化図である。
【図7】従来の射出装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 射出装置 2 可塑化材料(樹脂) 4 フィードホッパ 6 加熱筒 8 スクリュ 8a スクリュ表面 9 高温ガス導入管 10 バンドヒータ 11 樹脂通路 12 スクリュ溝部 13 熱風ガス通路 14 ノズル 15 熱風ガス通路 16 注入口 18 金型 20 スクリュフライト 22 中空部 24(24a、24b) 発熱体 26 温度センサ 32 スリップリング 34 開口部 36 熱風ガス吹き込み口 39 穿孔 40 スリップリング 42 温度センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体を備えた加熱筒内に供給部、圧縮
    部および計量部から構成されるスクリュを摺動・回転自
    在に挿入し、前記スクリュの軸芯部を通って前記供給部
    の先端部位置近傍または圧縮部後端部位置近傍のスクリ
    ュ溝部位置に開口する複数の熱風ガス通路を設けた射出
    装置を用い、フィードホッパから前記供給部に供給され
    た可塑化材料を前記熱風ガス通路を介して導入された熱
    風ガスにより所定温度まで予熱し、引続く圧縮部で加熱
    ・溶融してスクリュの前部に一旦貯溜するまでの時間を
    短くするようにしたことを特徴とする可塑化材料の加熱
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱風ガス温度を、フィー
    ドホッパと加熱筒を結ぶ可塑化材料の通路壁面に配設さ
    れた可塑化材料の温度測定をする温度センサによって得
    られた可塑化材料表面が凝集温度に達しない温度になる
    ように制御することを特徴とする可塑化材料の加熱方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスクリュの供給部および
    圧縮部における表面温度プロファイルを樹脂の種類によ
    って前記温度プロファイルを任意に対応可能としたこと
    を特徴とする可塑化材料の加熱方法。
  4. 【請求項4】 発熱体を備えた前記加熱筒内に摺動・回
    転自在に挿入したスクリュの後端部から軸芯部を通って
    供給部の先端部位置近傍または圧縮部後端部位置近傍の
    スクリュ溝部位置に開口する単数または複数の熱風ガス
    通路を設けるとともに、フィードホッパと加熱筒を結ぶ
    樹脂通路に可塑化材料の温度測定をする温度センサを設
    けたことを特徴とする可塑化材料の加熱装置。
JP8312093A 1996-11-22 1996-11-22 可塑化材料の加熱方法および加熱装置 Pending JPH10151652A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2727703A1 (en) * 2012-11-06 2014-05-07 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Injection molding machine and injection molding method

Cited By (3)

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EP2727703A1 (en) * 2012-11-06 2014-05-07 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Injection molding machine and injection molding method
CN103802290A (zh) * 2012-11-06 2014-05-21 住友重机械工业株式会社 注射成型机及注射成型方法
CN103802290B (zh) * 2012-11-06 2017-04-26 住友重机械工业株式会社 注射成型机及注射成型方法

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