JPH10150026A - アッシング装置 - Google Patents

アッシング装置

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JPH10150026A
JPH10150026A JP30973396A JP30973396A JPH10150026A JP H10150026 A JPH10150026 A JP H10150026A JP 30973396 A JP30973396 A JP 30973396A JP 30973396 A JP30973396 A JP 30973396A JP H10150026 A JPH10150026 A JP H10150026A
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智 三原
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宏典 荒木
Toshihide Suehiro
利英 末廣
Yoshiyuki Nozawa
善幸 野沢
Nobuo Okumura
信夫 奥村
Fumiaki Okuno
文明 奥野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アッシング装置に関し、ウェハの処理枚数に影
響せずにアッシングレートを安定させ、さらに口径の大
きなウェハ上で均一なアッシングレートの分布を得るこ
と。 【解決手段】マイクロ波を電送する導波室11と、導波
室11からのマイクロ波によってガスを放電させるプラ
ズマ発生室12と、導波室11とプラズマ発生室12を
仕切るマイクロ波透過窓13と、プラズマ発生室12で
マイクロ波により得られた生成物の流れの下流側にある
アッシング室14と、アッシング室14とプラズマ発生
室12の間に配置された複数の孔15aを有する石英板
15と、アッシング室14内で前記石英板15に対向す
る面に半導体ウェハWを載置するウェハ載置台16とを
有するアッシング装置において、マイクロ波透過窓13
と石英板15の距離は前記マイクロ波の波長の1/10
以上に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アッシング装置に
関し、より詳しくは、半導体装置の製造過程で使用され
る有機膜をアッシングする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造に使用される有機物の
アッシングにおいては、アッシングレートを高くする技
術が求められており、しかも低コストで高スループット
が可能なアッシングが求められている。また、アルミニ
ウム配線のパターニングのために用いたレジストをアッ
シングする場合には、アルミニウム配線のアフターコロ
ージョンの発生を防止する処理も行うことが望まれてお
り、その技術として例えばO2とH2O のプロセスを用いた
アッシング技術が特開平2−197122号公報に記載
されている。
【0003】さらに、有機物を酸素プラズマによってア
ッシングする際に、プラズマから放出される電子、イオ
ンが半導体基板にダメージを与えるので、これを防止す
る必要がある。電子及びイオンを低減できるアッシング
装置として、マイクロ波ダウンフロー型などがある。そ
のようなマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置とし
て、例えば図14に示すようなものが知られている。こ
のアッシング装置は、マイクロ波(図においてμ波)を
導入するマイクロ波導波管1と、そのマイクロ波によっ
てプラズマを発生させるプラズマ発生室2と、マイクロ
波導波管1とプラズマ発生室2を仕切るセラミック製の
マイクロ波透過窓3と、プラズマ発生室2の下に連続し
て配置されるアッシング室4と、プラズマ発生室2の下
方に配置された多数の孔を有するアルミニウム製のシャ
ワーヘッド5と、アッシング室4内に配置したウェハ載
置台6とを有している。
【0004】また、プラズマ発生室2にはガス導入管7
が接続されており、ガス導入管7から供給された例えば
酸素をプラズマ発生室2に供給するように構成されてい
る。プラズマ発生室2内では、マイクロ波透過窓3を透
過したマイクロ波によって酸素プラズマが発生し、その
酸素プラズマのうちイオンと電子はシャワーヘッド5に
よって下流への移動が遮られる。
【0005】なお、図14において符号8は誘電体板、
9はウェハ載置台6に内蔵されたヒータ、Wはウェハを
それぞれ示している。ところで、シャワーヘッド5がア
ルミニウムから形成されている場合には、このシャワー
プヘッド5の表面は、酸素プラズマにょるアッシングの
たびに酸化されて酸化アルミニウムが形成される。酸化
アルミニウムは、アッシングに必要な中性活性種を消滅
させる性質がアルミニウムよりも大きいので、アッシン
グレートを低下させるという問題がある。 本発明者等
は、図14に示すアッシング装置を用いて次の条件でア
ッシングを行なった。
【0006】その条件は、ガス導入管7からプラズマ発
生室2内に酸素(O2)を流量1235sccm、水(H2O )
を65sccmで導入し、また、アッシング室4内の圧力を
1.0Torrに減圧し、さらに、振動数2.45GHz、
パワー1.45kWのマイクロ波をマイクロ波導波室1
に導入し、しかも、ウェハ載置台6によるシリコンウェ
ハWの加熱温度を200℃とした。
【0007】また、マイクロ波透過窓3とシャワーヘッ
ド5の距離を28mm、シャワーヘッド5の厚さを5mm、
シャワーヘッド5の孔5aの直径を2mm、マイクロ波透
過窓3とシリコンウェハWとの距離L2 を65mm、シャ
ワーヘッド5の直径を210mm、誘電体板の厚さを20
mm、マイクロ波透過窓を380mm×380mmの矩形状に
した。
【0008】このような条件で、シャワーヘッド5を新
品に交換した後に、シリコンウェハを500枚用意して
レジストをアッシングしたところ、各シリコンウェハに
ついて図15(a) のようにほぼ均一のアッシングレート
が得られた。そして、500枚のシリコンウェハ上のレ
ジストをアッシングした後に、アッシング装置を2時間
放置し、ついで25枚のシリコンウェハ表面のレジスト
をアッシングしたところ、図15(b) に示すようなアッ
シングレートが得られた。図15(b) によれば、アッシ
ングを行うたびにアッシングレートが低下していること
がわかる。
【0009】このようなアッシングレートの低下という
問題を解決するために、特開平7−29885号公報に
おいては、アルミニウム製のシャワーヘッドの上面と下
面を石英で覆ったり、或いはシャワーヘッドの上面、下
面及び孔の内面を石英で覆うことが記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平7−
29885号公報で示されているように、アルミニウム
製のシャワーヘッドの孔の内周面を石英で覆うことは、
アッシングレートの低下を防止するためには効果がある
が、そのような構造のシャワーヘッドの製造は難しく、
価格が高くなる。
【0011】その一方で、シャワープレートの孔からア
ルミニウム面を露出させると、その孔の中のアルミニウ
ム面が酸化されて中性活性種の一部を消滅させてしまう
ので、アッシングレートが十分高くならない。このよう
な欠点を改良したアッシング装置が特開平8−5569
8号公報に記載されているが、この装置によれば、プラ
ズマを局所的に発生させているので、ウェハの面積を大
きくした場合にアッシング分布が不均一になるという不
都合がある。
【0012】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、ウェハの処理枚数に影響せずにアッシン
グレートを安定させ、さらに口径の大きなウェハ上で均
一なアッシングレートの分布を得ることができるアッシ
ング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(手段) (1)上記した課題は、図1に例示するように、マイク
ロ波を伝送する導波室11と、前記導波室11からのマ
イクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室12
と、前記導波室11と前記プラズマ発生室12を仕切る
マイクロ波透過窓13と、前記プラズマ発生室12でマ
イクロ波により得られた生成物の流れの下流側にあるア
ッシング室14と、前記アッシング室14と前記プラズ
マ発生室12の間に配置された複数の孔15aを有する
石英板15と、前記アッシング室14内で前記石英板1
5に対向する面に半導体ウェハWを載置するウェハ載置
台16とを有するアッシング装置において、前記マイク
ロ波透過窓13と前記石英板15の距離は前記マイクロ
波の波長の1/10以上に設定されていることを特徴と
するアッシング装置によって解決する。
【0014】前記アッシング装置において、前記マイク
ロ波透過窓13は石英又はアルミナからなることを特徴
とする。前記アッシング装置において、前記プラズマ発
生室12の一部は前記石英板15を支持する導電性壁2
0によって区画されており、該導電性壁20の一部は石
英24で覆われていることを特徴とする。この場合、前
記導電性壁20のうち前記マイクロ波透過窓13に対向
する部分が前記石英24で覆われていることを特徴とす
る。
【0015】前記アッシング装置において、前記マイク
ロ波透過窓13と前記ウェハ載置台16との距離は、前
記マイクロ波の波長以下であることを特徴とする。 (2)上記した課題は、図5に例示するように、マイク
ロ波を伝送する導波室11と、前記導波室11からのマ
イクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室12
と、前記導波管と前記プラズマ発生室12を仕切るマイ
クロ波透過窓13と、前記プラズマ発生室12内で得ら
れた生成物の流れの下流側にあるアッシング室14と、
前記アッシング室14と前記プラズマ発生室12の間に
配置された複数の孔15aを有するシャワーヘッド30
と、前記アッシング室14内で前記石英板15に対向す
る面に半導体ウェハWを載置するウェハ載置台16とを
有するアッシング装置において、前記シャワーヘッド3
0は、複数の第1の孔31aを有する石英層31と、該
第1の孔31aに重なる第2の孔32aを有する金属層
32からなる多層構造を有し、該石英層31は前記マイ
クロ波透過窓13に対向し、該金属層32は前記ウェハ
載置台16に対向していることを特徴するアッシング装
置によって解決する。
【0016】前記アッシング装置において、前記第2の
孔32aは、図5(a) 、図7又は図9に例示するよう
に、前記第1の孔31aと同じかそれよりも大きいこと
を特徴とする。前記アッシング装置において、図7に例
示するように、前記第2の孔32aは、前記ウェハ載置
台16の方向に広がっていることを特徴とする。
【0017】前記アッシング装置において、図9に例示
するように、前記金属層32は、前記石英層31の上に
スパッタ又は蒸着によって形成されたアルミニウム層で
あることを特徴とする。 (3)上記した課題は、図12に例示するように、マイ
クロ波を伝送する導波室11と、前記導波室11からの
マイクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室1
2と、前記導波管と前記プラズマ発生室12を仕切るマ
イクロ波透過窓13と、前記プラズマ発生室12でマイ
クロ波により得られた生成物の流れの下流側にあるアッ
シング室14と、前記アッシング室14と前記プラズマ
発生室12の間に配置された複数の孔15aを有するシ
ャワーヘッド33と、アッシング室14内で前記石英板
15に対向する面に半導体ウェハWを載置するウェハ載
置台16とを有するアッシング装置において、前記シャ
ワーヘッド33は、前記ウェハ載置台16側に配置され
る第1のプレート34と、前記マイクロ波透過窓13側
に配置され且つ該第1のプレート34に間隔をおいて対
向する第2のプレート36とを有し、前記第1のプレー
ト34は、複数の第1の孔を有する第1の石英層と、該
第1の孔に重なる第2の孔を有する金属層からなる多層
構造を有し、かつ、該第1の金属層は前記ウェハ載置台
に対向し、該第1の石英層は前記第2のプレートに対向
するように配置され、前記第2のプレート36は、複数
の第3の孔を有する第2の石英層を有していることを特
徴とするアッシング装置によって解決する。
【0018】前記アッシング装置において、図5(a) 、
図7又は図9に例示するように、前記第2の孔32a
は、前記第1の孔31aと同じかそれよりも大きいこと
を特徴とする。前記アッシング装置において、図7に例
示するように、前記第2の孔32aは、前記ウェハ載置
台16の方向に広がっていることを特徴とする。
【0019】前記アッシング装置において、図9に例示
するように、前記金属層32は、前記石英層31の上に
スパッタ又は蒸着によって形成されたアルミニウム層で
あることを特徴とする。 (4)上記した(1)〜(3)の前記アッシング装置に
おいて、前記マイクロ波導波室11には誘電体線路19
が置かれていることを特徴とする。
【0020】上記した(1)〜(3)の前記アッシング
装置において、前記プラズマ発生室12には酸素含有ガ
スが導入されることを特徴とする。この場合、前記酸素
含有ガスは、酸素と窒素の混合ガス、又は酸素と水の混
合ガスであることを特徴とする。 (作用)次に、本発明の作用について説明する。
【0021】第1の本発明のマイクロ波ダウンフロー型
アッシング装置によれば、マイクロ波透過窓と石英板の
距離をマイクロ波の波長の1/10以上に設定してい
る。このような構成を採ると、実験結果から、ウェハの
アッシングの処理枚数が増えてもアッシングレートの低
下は見られず、しかも、アッシングレートを高く維持で
きた。
【0022】また、プラズマ発生室の一部は、その石英
板を支持する導電性壁によって区画されており、導電性
壁の一部を石英で覆うようにすると、プラズマ発生室内
のプラズマの電位が導電性壁の電位によって安定するの
で、プラズマから生じる電子、イオンなどによってウェ
ハがダメージを受けることがなくなる。また、第2の本
発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によれ
ば、複数の第1の孔を有する石英層と、該第1の孔に重
なる第2の孔を有する金属層からなる多層構造からシャ
ワーヘッドを構成し、その石英層をマイクロ波透過窓に
対向させ、金属層をウェハ載置台に対向させるようにし
ている。
【0023】このため、シャワーヘッドのうちプラズマ
発生室内に面する部分にはアルミニウムなどの金属層が
露出しないので、金属層の酸化に伴う中性活性種の減少
は殆どみられず、安定したアッシングレートを得ること
ができる。しかも、マイクロ波が遮断され、プラズマ発
生室のみでプラズマを発生することができるので、プラ
ズマから発生する電子やイオンによる半導体ウェハのダ
メージの発生を防止できる。
【0024】また、第3の本発明のマイクロ波ダウンフ
ロー型アッシング装置によれば、石英層と金属層の2層
構造の第1のプレートと、石英からなる第2のプレート
とを間隔をおいて配置する構造を有するシャワーヘッド
を採用し、しかも、その第1のプレートの金属層をウェ
ハ載置台に対向させるとともに、第2のプレートをマイ
クロ波透過窓に対向させている。
【0025】このような構造によれば、実験的に、第1
のプレートと第2のプレートの間に密度の高いプラズマ
が発生してアッシングレートが高くなることがわかっ
た。
【0026】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の実施形態
を図面に基づいて説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1実施形態を
示すマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置を示す断
面図である。
【0027】図1に示すアッシング装置は、マイクロ波
(μ波)を導入するマイクロ波導波室11と、そのマイ
クロ波によってプラズマを発生させるプラズマ発生室1
2と、マイクロ波導波室11とプラズマ発生室12を仕
切る石英製又はアルミナ製のマイクロ波透過窓13と、
プラズマ発生室12の下に配置されるアッシング室14
とを有している。プラズマ発生室12は、マイクロ波に
よってガスを放電させる領域であり、発光室ともいう。
【0028】プラズマ発生室12にはガス導入管17が
接続されており、ガス導入管17から供給された酸素な
どのガスをプラズマ発生室12に供給するように構成さ
れている。プラズマ発生室12内では、マイクロ波透過
窓13を透過したマイクロ波によって酸素などのプラズ
マが発生する。また、プラズマ発生室12とアッシング
室14の間には、多数の孔15aを有する石英からなる
円板状のシャワーヘッド15が配置され、また、そのシ
ャワーヘッド15とマイクロ波透過窓13との距離L0
は、マイクロ波の波長の10分の1の長さ(1/10
倍)よりも大きくなっている。例えば、振動数2.45
GHzのマイクロ波をマイクロ波導波室11に導入する
場合には、その距離L0 は12mm以上の大きさとなる。
【0029】シャワーヘッド15は、後述するウェハ載
置台16の上方にあって、接地されたアルミニウム(導
電材)よりなるシャワーヘッド支持具20によって支持
されている。そのシャワーヘッド支持具20は、シャワ
ーヘッド15の周縁を支持する支持部21と、支持部2
1から上に延びる円筒部22と、円筒部22の上端の外
側に形成されたフランジ部23とを有している。そのフ
ランジ部23は、マイクロ波透過窓13上面は薄い石英
板24で覆われ、石英板24とマイクロ波透過窓13と
の距離はL0 となっている。
【0030】シャワーヘッド15は、プラズマ発生室1
2内のイオンと電子がアッシング室14に流れることを
防止するとともに、プラズマ発生室12で生成された中
性活性種を均一にウェハWに供給するために配置されて
いる。そして、シャワーヘッド15の下方にあるアッシ
ング室14内には、ヒータ18を内蔵したウェハ載置台
16が取付けられている。
【0031】マイクロ波導波室11の中には、マイクロ
波による電界分布を均一にするためにフッ素樹脂(例え
ば、商品名テフロン)からなる誘電体板19が取付けら
れ、さらにマイクロ波導波室11にはマイクロ波導波管
25が接続されている。また、プラズマ発生室12の下
方には、特に図示しないが排気機構が設けられており、
プラズマ発生室12及びアッシング室14内を減圧する
ように構成されている。
【0032】以上のような構造のアッシング装置を用い
てシリコンウェハW上のレジスト(有機膜)Rをアッシ
ングする実験を行った。その実験では、ガス導入管17
からプラズマ発生室12内に酸素(O2)を流量1235
sccm、水(H2O )を65sccmで導入し、また、アッシン
グ室14内の圧力を1.0Torrに減圧し、さらに、振動
数2.45GHz、パワー1.45kWのマイクロ波を
マイクロ波導波室11に導入し、しかも、ウェハ載置台
16によるシリコンウェハWの加熱温度を200℃とし
ている。
【0033】このような条件でプラズマ発生室12で発
生する酸素と水のプラズマは、中性活性種のみがシャワ
ーヘッド15の多数の孔15aを通ってアッシング室1
4に導入される。その中性活性種には、酸素(O)、水
素(H)の原子、酸素(O2)及び水(H2O )などの励起
分子が含まれ、さらに、OH遊離基のような活性種も含
まれている。
【0034】次に、実験結果の例を以下に説明する。 第1例 図1に示したアッシング装置において、マイクロ波透過
窓13とシャワーヘッド15の距離を28mm、シャワー
ヘッド15の厚さを5mm、シャワーヘッド15の孔15
aの直径を2mm、マイクロ波透過窓13とシリコンウェ
ハWとの距離L2 を65mm、L1 を5mm、シャワーヘッ
ド15の直径を210mm、誘電体板19の厚さを20m
m、マイクロ波透過窓の380mm×380mmの矩形状に
した。
【0035】そして、この条件で500枚の第1のシリ
コンウェハWを用いて、それらの上のレジストを全てア
ッシングした後に、第2のシリコンウェハWを25枚用
意し、第2のシリコンウェハWのアッシングレートを調
査した。その結果、レジストのアッシングレートは、図
2のようになり、500枚の第1のシリコンウェハWを
アッシングした後にもかかわらず、2μm/min ±10
%のアッシングレートが得られた。
【0036】また、フッ素樹脂製の誘電体板19の厚さ
を13mm、距離L1 を2mm、としたところ、アッシング
レート2μm/min ±5%と、アッシングの均一性が高
くなり、これによりアッシングの制御が容易になる。さ
らに、シャワーヘッド15の直径を170mm、フッ素樹
脂製の誘電体板19の厚さを20mm、距離L1 を5mm、
石英製のマイクロ波透過窓13の大きさを290mm×2
90mmとしたところ、アッシングレートは4μm/min
±5%と高くなった。
【0037】このようにアッシングレート及びアッシン
グ均一性は、誘電体板19の厚さ、マイクロ波透過窓1
3の大きさ、或いはシャワーヘッド15の大きさによっ
ても制御が可能である。 第2例 次に、図1に示す装置において、マイクロ波透過窓13
とシャワーヘッド15の間隔を12mm、22mm、28mm
と変化させた、その他の条件を第1例と同じにして、シ
リコンウェハWにどの程度のチャージが捕獲されている
かを実験した。
【0038】シリコンウェハWのチャージ量はMNOS
(metal nitride oxide semiconductor)を使用して測定
した。この結果、MNOSのゲート電極とシリコン基板
の間の電圧のシフト量ΔVfbは、表1に示すようになっ
た。
【0039】
【表1】
【0040】表1によれば、マイクロ波透過窓13とシ
ャワーヘッド15との間隔が広いほどΔVfbが小さくな
り、12mmよりも大きくなるとΔVfbは零となった。さ
らに、マイクロ波透過窓13を通るマイクロ波の波長を
約12cmとしたので、ΔVfbを零とするためにはマイク
ロ波の波長の10分の1以上とするのが好ましいことが
わかった。
【0041】第3例 プラズマ発生室12に導入するガスとして、酸素(O2)
と窒素(N2)を用い、酸素ガス流量を1350sccm、窒
素ガス流量を150sccmとし、その他の条件は第1例と
同じにした。そして、新しいシャワーヘッド15を支持
部に取付けてから500枚のシリコンウェハWを処理し
た後に、シリコンウェハW上のレジストRのアッシング
を25枚行ったところ、アッシングレートは図3に示す
ようになり、1.4μm/min ±10%となってアッシ
ングレートの低下は見られなかった。
【0042】しかも、MNOSを用いてチャージ量を測
定したところ、ΔVfbは零となり、アッシングによるシ
リコンウェハWでのチャージがないということがわかっ
た。さらに、アッシングレートの温度依存性を調査し、
活性化エネルギーを求めたところ、0.5eVとなり、中
性活性種が主体のアッシングであることがわかった。と
ころで、これら3つの例で示した実験の他に、図4に示
すように、シャワーヘッド支持具20の円筒部22の内
側壁を石英24aで覆うことによってプラズマ発生室1
2でのアルミニウム面の露出面積比を5%以下にしたと
ころ、アッシングレートは2.5μm/min と高くなる
ものの、MNOSを用いてシリコンウェハWのチャージ
量を調べたところ、ΔVfbが+2Vとなった。
【0043】したがって、プラズマ発生室12内でのア
ルミニウム面の殆どを石英で覆うと、プラズマが不安定
になってプラズマがシャワーヘッド15か下方に洩れて
電子、イオンがウェハWに到達するためと考えられる。
これに対して、シャワーヘッド支持具20の円筒部22
の内側壁のアルミニウム面を10%露出させると、その
アルミニウム面の導電性によってプラズマの電位が安定
してプラズマがプラズマ発生室12内だけで発生し、外
部へ電子やイオンが外部に洩れにくくなる。
【0044】ところで、プラズマによって生成された中
性活性種は、シャワーヘッド15の面に対して垂直方向
に進むのが主であるので、プラズマ発生室12内でのア
ルミニウムを露出させる領域は図1に示したように円筒
部22側方にした方が、導電性壁にあたるアルミニウム
部分での中性活性種の消滅が抑えられ、アッシングレー
トを高くすることができる。
【0045】以上のように、本実施形態では、石英製円
板状のシャワーヘッドの複数個の孔の側壁で荷電粒子を
衝突させて、ウェハにプラズマが到達しないようにして
いる。従って、その孔の口径が大きかったり、厚みが足
りなかったりすると、荷電粒子の衝突確率が小さくなる
ため、プラズマがウェハに到達し易くなる。さらに、本
発明は誘電体板(誘電体線路)を用いたアッシング装置
について述べたが、他のアッシング装置への適用は可能
である。また、本発明は、上記した他の酸素原子含有ガ
スを用いても同様な作用効果が得られる。 (第2の実施の形態)第1実施形態では、半導体ウェハ
上にチャージが照射されず、しかもシャワーヘッドの使
用時間によってアッシングレートが殆ど変化しないよう
な、マイクロ波透過窓とシャワーヘッドの距離について
説明した。
【0046】本実施形態では、さらに別な方法によっ
て、アッシングの際に半導体ウェハに電子やイオンが照
射されることを防止して、半導体ウェハが受けるダメー
ジを低減することについて説明する。図5(a) は、本発
明の第2実施形態に使用するマイクロ波ダウンフロー型
アッシング装置を示す断面図であり、シャワーヘッド3
0の構成を除いて図1とほぼ同様な構造を有している。
【0047】そのシャワーヘッド30は、図5(b) に示
すような断面図構造を有する円板状のプレートからな
り、厚さ5mmの石英板31と厚さ2mmのアルミニウム層
32を張り合わせた二層構造を有し、そのうちのアルミ
ニウム層32は、ウェハ載置台16に対向するようにシ
ャワーヘッド支持具20に支持されている。その石英板
31とアルミニウム層32にはそれぞれ重なるような孔
31a,32aが複数個形成されている。石英板31の
孔31aの直径は2mmであり、アルミニウム層32の1
つの孔32aの直径の平均は石英板31の孔31aと同
じか大きくなっている。
【0048】なお、図5(a) において、図1と同じ符号
は同じ要素を示している。以上のような構成のアッシン
グ装置を用いて次の条件でシリコンウェハW上のレジス
トRをアッシングしたところ、次のような結果が得られ
た。 第1例 まず、ガス導入管17からプラズマ発生室12に導入す
る酸素ガスと水蒸気の流量、アッシング室14内の圧
力、ウェハ加熱温度、マイクロ波のパワー、周波数、波
長を第を第1実施形態の第1例と同じに設定する。ま
た、シャワーヘッド30の石英板31とマイクロ波透過
窓13との間隔を12mm、マイクロ波透過窓13とウェ
ハ載置台16上のシリコンウェハWとの距離L2 を65
mmに設定する。
【0049】そして、図5(b) に示すように、アルミニ
ウム層32の孔32aの断面形状を四角にし、その孔3
2aの直径を3mmとした新しいシャワーヘッド30を使
用して500枚のシリコンウェハWを用意し、それらの
上のレジストRを順次アッシングした。その後に、試料
として25枚の8インチのシリコンウェハWを用意し、
それらの上のレジストRを順にアッシングしたところ、
図6のようなアッシングレートと処理枚数の関係が得ら
れた。
【0050】図6の実験結果によれば、処理済みの枚数
が増えてもアッシングレートが2.1μm/min ±8%
とほぼ一定になった。しかも、1枚のシリコンウェハW
におけるアッシングレートの分布を測定したところ、±
7%程度と誤差が小さかった。さらに、シリコンウェハ
WにMNOSを形成し、そのチャージ量を測定したとこ
ろ、ΔVfbは零となり、シリコンウェハWにダメージが
生じないことがわかる。
【0051】このようにシリコンウェハW側のダメージ
が少ないのは、図5(a) 、(b) に示すようにシャワーヘ
ッド30を構成する石英板31をプラズマ発生室12に
向け、アルミニウム層31をシリコンウェハWに対向さ
せるとともに、アルミニウム層32の孔32aを石英板
31の孔31aよりも大きくしたからである。即ち、プ
ラズマ発生室12で生成された中性活性種は、石英板3
1に当たっても減少しにくいので、多くの中性活性種
は、シャワープヘッド30の孔31a、32aから下方
に放出される。また、アルミニウム層32の孔32aは
石英板31の孔31aよりも大きいので、石英板31の
孔31aから出た中性活性種はアルミニウム層32に照
射する確率は少なくなり、アルミニウム層32が酸化さ
れたとしても中性活性種が減りにくい。
【0052】また、アルミニウム層32は接地されてい
るので、マイクロ波導入室11から伝達されるマイクロ
波がアルミニウム層32によって遮られてシャワーヘッ
ド30よりも下流側に広がることはなく、シャワーヘッ
ド30より下流でのプラズマの発生が防止される。その
下流でプラズマが発生すると、プラズマからの電子やイ
オンがシリコンウェハWに照射しやすくなってダメージ
を与える原因になる。
【0053】第2例 まず、ガス導入管17からプラズマ発生室12に導入す
る酸素ガスと水蒸気の流量、アッシング室14内の圧
力、ウェハ加熱温度、マイクロ波のパワー、周波数、波
長を第1実施形態の第1例と同じに設定する。また、シ
ャワーヘッド30の石英板31とマイクロ波透過窓13
との間隔を12mm、マイクロ波透過窓13とウェハ載置
台16上のシリコンウェハWとの距離を65mmに設定す
る。
【0054】また、図7に示すように、アルミニウム層
32の孔32bの断面形状を逆台形にして石英板31側
の直径を2mm、その逆側の直径を3mmとした新しいシャ
ワーヘッド30を使用する。そして、500枚のシリコ
ンウェハWを用意し、それらの上のレジストRを順次ア
ッシングした。その後に、試料として25枚の8インチ
のシリコンウェハWを用意し、それらの上のレジストR
を順にアッシングしたところ、図8に示すように、処理
済みの枚数が増えてもアッシングレートが落ちる現象は
みれず、2.0μm/min ±7%とほぼ一定になった。
【0055】しかも、1枚のシリコンウェハWにおける
アッシングレートの分布を測定したところ、±7%程度
と誤差が小さかった。さらに、シリコンウェハWにMN
OSを形成し、アッシングによるチャージ量を測定した
ところ、ΔVfbは零となり、シリコンウェハWにダメー
ジが生じないことがわかる。
【0056】この第2例においては、石英板31の孔3
1aから中性活性種が放出される場合には、扇形に広が
って放出されるので、アルミニウム層32の孔32bの
断面を逆台形にすると、第1例と同様に、中性活性種は
ほとんどアルミニウム層32にかからないのでアルミニ
ウム層32の酸化による中性活性種の消滅が生じにくく
なる。
【0057】また、シャワーヘッド30のうちプラズマ
発生室12に面しない側にアルミニウム層32を形成
し、これを接地しているので、第1例と同様に、シャワ
ーヘッド30の下流側へのマイクロ波の伝達がアルミニ
ウム層32によって遮られるので、プラズマ発生室12
よりも下流側でのプラズマの発生が防止される。 第3例 まず、ガス導入管17からプラズマ発生室12に導入す
る酸素ガスと水蒸気の流量、アッシング室14内の圧
力、ウェハ加熱温度、マイクロ波のパワー、周波数、波
長を第1実施形態の第1例と同じに設定する。また、シ
ャワーヘッド30の石英板31とマイクロ波透過窓13
との間隔を12mm、マイクロ波透過窓13とウェハ載置
台16上のシリコンウェハWとの距離L2 を65mmに設
定する。
【0058】また、図9に示すように、シャワーヘッド
30のうち石英板31の厚さを5mmとし、その上に形成
されるアルミニウム層32をスパッタ法又は蒸着により
1μmの厚さに形成した。そして、アルミニウム層32
の孔32cを石英板31の孔31aと同じ大きさにした
新たなシャワーヘッド30を支持具20に取り付ける。
そして、500枚のシリコンウェハWを用意し、それら
の上のレジストRを順にアッシングした。その後に、試
料として25枚の8インチのシリコンウェハWを用意
し、それらの上のレジストRを順にアッシングしたとこ
ろ、図10に示すように、処理済みのシリコンウェハW
の枚数が増えてもアッシングレートが落ちてゆく現象は
みれず、2.4μm/min ±10%とほぼ一定になっ
た。 しかも、1枚のシリコンウェハWにおけるアッシ
ングレートの分布を測定したところ、±9%程度と分布
誤差が小さかった。
【0059】さらに、シリコンウェハWにMNOSを形
成し、そのチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零と
なり、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわ
かる。石英板31の孔31aから中性活性種が放出され
る場合には、扇形に広がって放出されるので、アルミニ
ウム層32を数μmの厚さにすると、第1例と同様に、
中性活性種はほとんどアルミニウム層31に接触しない
のでアルミニウム層31の酸化による中性活性種の消滅
が生じにくくなる。
【0060】また、シャワーヘッド30のうちプラズマ
発生室12に面しない側にアルミニウム層32を形成
し、これを接地しているので、第1例と同様に、マイク
ロ波の下流側への伝達がアルミニウム層32によって遮
られるので、プラズマ発生室12よりも下流側でプラズ
マが発生しなくなる。 第4例 プラズマ発生室12に導入するガスとして、酸素(O2)
と窒素(N2)を用い、酸素ガス流量を1350sccm、窒
素ガス流量を150sccmとし、その他の条件は第1例と
同じにした。
【0061】そして、シャワーヘッド30として第1例
と同じものを新たに支持具に取り付けた後に、500枚
のシリコンウェハを処理し、ついで、25枚のシリコン
ウェハW上のレジストRを順にアッシングしたところ、
アッシングレートは図11に示すようになり、ウェハ処
理枚数が加算されても1.5μm/min ±10%となっ
てアッシングレートの低下は見られなかった。
【0062】また、シリコンウェハWにMNOSを形成
し、そのチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零とな
り、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわか
る。さらに、アッシングレートの温度依存性を調査し、
活性化エネルギーを求めると0.5eVとなり中性活性
種が主体のエッチングがなされていることが確かめられ
た。
【0063】本実施形態は誘電体板(誘電体線路)を用
いたアッシング装置について述べたが、他のアッシング
装置への適用は可能である。また、本発明は、上記した
他の酸素原子含有ガスを用いても同様な作用効果が得ら
れる。 (第3の実施の形態)図12は、本発明の第3実施形態
に使用するマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置を
示す断面図であり、シャワーヘッドの構成を除いて図1
とほぼ同様な構造を有している。図12において図1と
同じ符号は同じ要素を示している。
【0064】図12に示すアッシング装置のシャワーヘ
ッド33は、下側のシャワープレート34と上側のシャ
ワープレート36がスペーサ35を介してシャワーヘッ
ド支持具20に取付けられている。上側のシャワープレ
ート36は、厚さ5mmの石英板から形成され、直径2mm
の孔が多数形成されている。また、下側のシャワープレ
ート34は、図5(b) 、図7又は図9に示したと同じ構
造を有し、厚さ5mmの石英板と厚さ2mmのアルミニウム
層の二層構造を有しており、その石英板には直径2mmの
孔が形成され、アルミニウム層には石英板の孔に重なる
直径3mmの孔が形成されている。
【0065】また、マイクロ波透過窓13と上側のシャ
ワープレート36の距離は6mm、上側と下側のシャワー
プレート34、36の距離は4mm、マイクロ波透過窓1
3とウェハ載置台16上のシリコンウェハWとの距離L
2 は65mmとなっている。そして、ガス導入管17から
プラズマ発生室12に酸素を1235sccm、水蒸気を6
5sccmの流量で導入するとともに、パワー1.45kW
のマイクロ波をプラズマ発生室12内に伝達してプラズ
マ発生室12内に酸素と水のプラズマを発生させる。ま
た、アッシング室14内を1.0Torrに減圧し、ウェハ
加熱温度を200℃とする。
【0066】このような条件でシリコンウェハW上のレ
ジストRをアッシングすると、プラズマ発生室12内で
発生した中性活性種が下側のシャワープレート34の孔
を通ってシリコンウェハWに供給され、シリコンウェハ
W上のレジストRは、中性活性種によってアッシングさ
れることになる。ところで、上記したように2枚のプレ
ート34、36からなるシャワーヘッド33を構成した
ところ、プレート34、36間の空間でプラズマが強く
且つ均一分布で発光して図13に示すような高いアッシ
ングレートが得られた。
【0067】そして、上側と下側のシャワープレート3
4、36の新たなものを支持具20に取り付けた後に、
500枚のシリコンウェハを処理し、ついで、25枚の
シリコンウェハW上のレジストRを順にアッシングした
ところ、図13に示すようなアッシングレートが得られ
た。アッシングレートは、2.8μm/min ±12%と
なって処理枚数によるアッシングレートの低下は見られ
なかった。
【0068】また、シリコンウェハWにMNOSを形成
し、そのチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零とな
り、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわか
る。さらに、1枚のシリコンウェハWにおけるアッシン
グレートの分布を測定したところ、±10%程度と分布
に均一性が得られた。なお、シャワーヘッドを構成する
プレートは、上記したように2枚に限るものではなく、
3枚以上、間隔をおいて重ねる構造を採用してもよい。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように第1の本発明のマイク
ロ波ダウンフロー型アッシング装置によれば、マイクロ
波透過窓と石英板の距離をマイクロ波の波長の1/10
以上に設定したので、ウェハのアッシングの処理枚数が
増えてもアッシングレートの低下は見られず、しかも、
アッシングレートを高く維持できた。
【0070】また、プラズマ発生室の一部は、その石英
板を支持する導電性壁によって区画されており、導電性
壁の一部を石英で覆うようにすると、プラズマ発生室内
のプラズマの電位が導電性壁の電位によって安定するの
で、プラズマから生じる電子、イオンなどによってウェ
ハがダメージを受けることを防止できる。また、第2の
本発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によ
れば、複数の第1の孔を有する石英層と、該第1の孔に
重なる第2の孔を有する金属層からなる多層構造からシ
ャワーヘッドを構成し、その石英層をマイクロ波透過窓
に対向させ、金属層をウェハ載置台に対向させたので、
シャワーヘッドのうちプラズマ発生室内に面する部分に
はアルミニウムなどの金属層が露出しないので、金属層
の酸化に伴う中性活性種の減少は殆どみられず、安定し
たアッシングレートを得ることができる。しかも、金属
層によってプラズマがアッシング室に広がることが防止
されるので、プラズマから発生する電子やイオンによる
半導体ウェハのダメージの発生を防止できる。
【0071】また、第3の本発明のマイクロ波ダウンフ
ロー型アッシング装置によれば、石英層と金属層の2層
構造の第1のプレートと、石英からなる第2のプレート
とを間隔をおいて配置する構造を有するシャワーヘッド
を採用し、しかも、その第1のプレートの金属層をウェ
ハ載置台に対向させるとともに、第2のプレートをマイ
クロ波透過窓に対向させたので、第1のプレートと第2
のプレートの間に密度の高いプラズマを発生させてアッ
シングレートを高くできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のアッシング装置を示す
断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態のアッシング装置による
アッシングレートと処理枚数の関係を示す図(その1)
である。
【図3】本発明の第1実施形態のアッシング装置による
アッシングレートと処理枚数の関係を示す図(その2)
である。
【図4】本発明の第1実施形態のアッシング装置の変形
例を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態のアッシング装置と第2
のシャワーヘッドを示す断面図である。
【図6】図5に示した第2のシャワーヘッドを使用した
場合のアッシングレートと処理枚数の関係を示す図であ
る。
【図7】本発明の第2実施形態のアッシング装置に使用
する第2のシャワーヘッドを示す断面図である。
【図8】図7に示した第2のシャワーヘッドを使用した
場合のアッシングレートと処理枚数の関係を示す図であ
る。
【図9】本発明の第2実施形態のアッシング装置に使用
する第3のシャワーヘッドを示す断面図である。
【図10】図9に示した第3のシャワーヘッドを使用し
た場合のアッシングレートと処理枚数の関係を示す図で
ある。
【図11】本発明の第2実施形態のアッシング装置にお
いて酸素と窒素のプラズマを使用した場合のアッシング
レートと処理枚数の関係を示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態のアッシング装置を示
す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態のアッシング装置によ
るアッシングレートと処理枚数の関係を示す図である。
【図14】従来のアッシング装置を示す断面図である。
【図15】従来のアッシング装置によるアッシングレー
トと処理枚数の関係を示す図である。
【符号の説明】
11 マイクロ波導波室 12 プラズマ発生室 13 マイクロ波透過窓 14 アッシング室 15 シャワーヘッド 16 ウェハ載置台 17 ガス導入管 18 ヒータ 19 誘電体板 20 支持具 30、33 シャワーヘッド 31 石英板 32 アルミニウム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 宏典 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 末廣 利英 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 野沢 善幸 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 奥村 信夫 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 奥野 文明 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波を電送する導波室と、前記導波
    室からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ
    発生室と、前記導波室と前記プラズマ発生室を仕切るマ
    イクロ波透過窓と、前記プラズマ発生室内で得られた生
    成物の流れの下流側にあるアッシング室と、前記アッシ
    ング室と前記プラズマ発生室の間に配置された複数の孔
    を有する石英板と、前記アッシング室内で前記石英板に
    対向する面に半導体ウェハを載置するウェハ載置台とを
    有するアッシング装置において、 前記マイクロ波透過窓と前記石英板の距離は前記マイク
    ロ波の波長の1/10以上に設定されていることを特徴
    とするアッシング装置。
  2. 【請求項2】前記マイクロ波透過窓は石英又はアルミナ
    からなることを特徴とする請求項1記載のアッシング装
    置。
  3. 【請求項3】前記プラズマ発生室の一部は前記石英板を
    支持する導電性壁によって区画されており、該導電性壁
    の一部は石英で覆われていることを特徴とする請求項1
    記載のアッシング装置。
  4. 【請求項4】前記導電性壁のうち前記マイクロ波透過窓
    に対向する部分が前記石英で覆われていることを特徴と
    する請求項3記載のアッシング装置。
  5. 【請求項5】前記マイクロ波透過窓と前記ウェハ載置台
    との距離は、前記マイクロ波の波長以下であることを特
    徴とする請求項1記載のアッシング装置。
  6. 【請求項6】マイクロ波を伝送する導波室と、前記導波
    室からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ
    発生室と、前記導波室と前記プラズマ発生室を仕切るマ
    イクロ波透過窓と、前記プラズマ発生室内で得られた生
    成物の流れの下流側にあるアッシング室と、前記アッシ
    ング室と前記プラズマ発生室の間に配置された複数の孔
    を有するシャワーヘッドと、前記アッシング室内で前記
    石英板に対向する面に半導体ウェハを載置するウェハ載
    置台とを有するアッシング装置において、 前記シャワーヘッドは、複数の第1の孔を有する石英層
    と、該第1の孔に重なる第2の孔を有する金属層からな
    る多層構造を有し、該石英層は前記マイクロ波透過窓に
    対向し、該金属層は前記ウェハ載置台に対向しているこ
    とを特徴するアッシング装置。
  7. 【請求項7】マイクロ波を伝送する導波室と、前記導波
    室からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ
    発生室と、前記導波室と前記プラズマ発生室を仕切るマ
    イクロ波透過窓と、前記プラズマ発生室内で得られた生
    成物の流れの下流側にあるアッシング室と、前記アッシ
    ング室と前記プラズマ発生室の間に配置された複数の孔
    を有するシャワーヘッドと、前記アッシング室内で前記
    石英板に対向する面に半導体ウェハを載置するウェハ載
    置台とを有するアッシング装置において、 前記シャワーヘッドは、前記ウェハ載置台側に配置され
    る第1のプレートと、該第1のプレートに間隔をおいて
    対向し且つ前記マイクロ波透過窓側に配置される第2の
    プレートとを有し、 前記第1のプレートは、複数の第1の孔を有する第1の
    石英層と、該第1の孔に重なる第2の孔を有する金属層
    からなる多層構造を有し、かつ、該第1の金属層は前記
    ウェハ載置台に対向し、該第1の石英層は前記第2のプ
    レートに対向するように配置され、 前記第2のプレートは、複数の第3の孔を有する第2の
    石英層を有していることを特徴とするアッシング装置。
  8. 【請求項8】前記第2の孔は、前記第1の孔と同じかそ
    れよりも大きいことを特徴とする請求項6又は7記載の
    アッシング装置。
  9. 【請求項9】前記第2の孔は、前記ウェハ載置台の方向
    に広がっていることを特徴とする請求項6又は7記載の
    アッシング装置。
  10. 【請求項10】前記金属層は、前記石英層の上にスパッ
    タ又は蒸着によって形成されたアルミニウム層であるこ
    とを特徴とする請求項6又は7記載のアッシング装置。
  11. 【請求項11】前記マイクロ波導波室には誘電体線路が
    置かれていることを特徴とする請求項1、6又は7記載
    のアッシング装置。
  12. 【請求項12】前記プラズマ発生室には酸素含有ガスが
    導入されることを特徴とする請求項1、6又は7記載の
    アッシング装置。
  13. 【請求項13】前記酸素含有ガスは、酸素と窒素の混合
    ガス、又は酸素と水の混合ガスであることを特徴とする
    請求項12記載のアッシング装置。
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