JP3966932B2 - アッシング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アッシング装置に関し、より詳しくは、半導体装置の製造過程で使用される有機膜をアッシングする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造に使用される有機物のアッシングにおいては、アッシングレートを高くする技術が求められており、しかも低コストで高スループットが可能なアッシングが求められている。
また、アルミニウム配線のパターニングのために用いたレジストをアッシングする場合には、アルミニウム配線のアフターコロージョンの発生を防止する処理も行うことが望まれており、その技術として例えばO2とH2O のプロセスを用いたアッシング技術が特開平2−197122号公報に記載されている。
【0003】
さらに、有機物を酸素プラズマによってアッシングする際に、プラズマから放出される電子、イオンが半導体基板にダメージを与えるので、これを防止する必要がある。電子及びイオンを低減できるアッシング装置として、マイクロ波ダウンフロー型などがある。
そのようなマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置として、例えば図14に示すようなものが知られている。このアッシング装置は、マイクロ波(図においてμ波)を導入するマイクロ波導波管1と、そのマイクロ波によってプラズマを発生させるプラズマ発生室2と、マイクロ波導波管1とプラズマ発生室2を仕切るセラミック製のマイクロ波透過窓3と、プラズマ発生室2の下に連続して配置されるアッシング室4と、プラズマ発生室2の下方に配置された多数の孔を有するアルミニウム製のシャワーヘッド5と、アッシング室4内に配置したウェハ載置台6とを有している。
【0004】
また、プラズマ発生室2にはガス導入管7が接続されており、ガス導入管7から供給された例えば酸素をプラズマ発生室2に供給するように構成されている。プラズマ発生室2内では、マイクロ波透過窓3を透過したマイクロ波によって酸素プラズマが発生し、その酸素プラズマのうちイオンと電子はシャワーヘッド5によって下流への移動が遮られる。
【0005】
なお、図14において符号8は誘電体板、9はウェハ載置台6に内蔵されたヒータ、Wはウェハをそれぞれ示している。
ところで、シャワーヘッド5がアルミニウムから形成されている場合には、このシャワーヘッド5の表面は、酸素プラズマによるアッシングのたびに酸化されて酸化アルミニウムが形成される。酸化アルミニウムは、アッシングに必要な中性活性種を消滅させる性質がアルミニウムよりも大きいので、アッシングレートを低下させるという問題がある。本発明者等は、図14に示すアッシング装置を用いて次の条件でアッシングを行った。
【0006】
その条件は、ガス導入管7からプラズマ発生室2内に酸素(O2)を流量1235sccm、水(H2O )を65sccmで導入し、また、アッシング室4内の圧力を1.0Torrに減圧し、さらに、振動数2.45GHz、パワー1.45kWのマイクロ波をマイクロ波導波室1に導入し、しかも、ウェハ載置台6によるシリコンウェハWの加熱温度を200℃とした。
【0007】
また、マイクロ波透過窓3とシャワーヘッド5の距離を28mm、シャワーヘッド5の厚さを5mm、シャワーヘッド5の孔5aの直径を2mm、マイクロ波透過窓3とシリコンウェハWとの距離L2 を65mm、シャワーヘッド5の直径を210mm、誘電体板の厚さを20mm、マイクロ波透過窓を380mm×380mmの矩形状にした。
【0008】
このような条件で、シャワーヘッド5を新品に交換した後に、シリコンウェハを500枚用意してレジストをアッシングしたところ、各シリコンウェハについて図15(a) のようにほぼ均一のアッシングレートが得られた。そして、500枚のシリコンウェハ上のレジストをアッシングした後に、アッシング装置を2時間放置し、ついで25枚のシリコンウェハ表面のレジストをアッシングしたところ、図15(b) に示すようなアッシングレートが得られた。図15(b) によれば、アッシングを行うたびにアッシングレートが低下していることがわかる。
【0009】
このようなアッシングレートの低下という問題を解決するために、特開平7−29885号公報においては、アルミニウム製のシャワーヘッドの上面と下面を石英で覆ったり、或いはシャワーヘッドの上面、下面及び孔の内面を石英で覆うことが記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平7−29885号公報で示されているように、アルミニウム製のシャワーヘッドの孔の内周面を石英で覆うことは、アッシングレートの低下を防止するためには効果があるが、そのような構造のシャワーヘッドの製造は難しく、価格が高くなる。
【0011】
その一方で、シャワープレートの孔からアルミニウム面を露出させると、その孔の中のアルミニウム面が酸化されて中性活性種の一部を消滅させてしまうので、アッシングレートが十分高くならない。
このような欠点を改良したアッシング装置が特開平8−55698号公報に記載されているが、この装置によれば、プラズマを局所的に発生させているので、ウェハの面積を大きくした場合にアッシング分布が不均一になるという不都合がある。
【0012】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、ウェハの処理枚数に影響せずにアッシングレートを安定させ、さらに口径の大きなウェハ上で均一なアッシングレートの分布を得ることができるアッシング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(手段)
(1)上記した課題は、図1に例示するように、マイクロ波を伝送する導波室11と、導波室11からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室12と、導波室11とプラズマ発生室12を仕切るマイクロ波透過窓13と、プラズマ発生室12でマイクロ波により得られた生成物の流れの下流側にあるアッシング室14と、アッシング室14とプラズマ発生室12の間に配置された複数の孔15aを有するシャワーヘッド15と、アッシング室14内でシャワーヘッド15に対向する面に半導体ウェハWを載置するウェハ載置台16とを有するアッシング装置において、
シャワーヘッド15は、石英板のみからなり、マイクロ波透過窓13と石英板15の距離は前記マイクロ波の波長の1/10以上に設定されていることを特徴とするアッシング装置によって解決する。
【0014】
前記アッシング装置において、前記マイクロ波透過窓13は石英又はアルミナからなることを特徴とする。
前記アッシング装置において、前記プラズマ発生室12の一部は前記石英板15を支持する導電性壁20によって区画されており、該導電性壁20の一部は石英24で覆われていることを特徴とする。この場合、前記導電性壁20のうち前記マイクロ波透過窓13に対向する部分が前記石英24で覆われていることを特徴とする。
【0015】
前記アッシング装置において、マイクロ波透過窓13とウェハ載置台16との距離は、前記マイクロ波の波長以下であることを特徴とする。
(2)上記した課題は、図5に例示するように、マイクロ波を伝送する導波室11と、導波室11からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室12と、導波室11とプラズマ発生室12を仕切るマイクロ波透過窓13と、プラズマ発生室12内で得られた生成物の流れの下流側にあるアッシング室14と、アッシング室14とプラズマ発生室12の間に配置された複数の孔15aを有するシャワーヘッド30と、アッシング室14内でシャワーヘッド30に対向する面に半導体ウェハWを載置するウェハ載置台16とを有するアッシング装置において、
シャワーヘッド30は、複数の第1の孔31aを有する石英層31と、第1の孔31aに重なり、かつ、第1の孔31aよりも大きい第2の孔32aを有する金属層32からなる多層構造を有し、石英層31は前記マイクロ波透過窓13に対向し、金属層32はウェハ載置台16に対向していることを特徴とするアッシング装置によって解決する。
【0016】
前記アッシング装置において、図7に例示するように、第2の孔32aは、ウェハ載置台16の方に広がっていることを特徴とする。
【0017】
前記アッシング装置において、図9に例示するように、金属層32は、石英層31の上にスパッタ又は蒸着によって形成されたアルミニウム層であることを特徴とする。
(3)上記した課題は、図12に例示するように、マイクロ波を伝送する導波室11と、導波室11からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室12と、導波室11とプラズマ発生室12を仕切るマイクロ波透過窓13と、プラズマ発生室12でマイクロ波により得られた生成物の流れの下流側にあるアッシング室14と、アッシング室14とプラズマ発生室12の間に配置された複数の孔15aを有するシャワーヘッド33と、アッシング室14内でシャワーヘッド33に対向する面に半導体ウェハWを載置するウェハ載置台16とを有するアッシング装置において、
シャワーヘッド33は、ウェハ載置台16側に配置される第1のプレート34と、前記マイクロ波透過窓13側に配置され且つ該第1のプレート34に間隔をおいて対向する第2のプレート36とを有し、第1のプレート34は、複数の第1の孔を有する第1の石英層と、該第1の孔に重なる第2の孔を有する金属層からなる多層構造を有し、かつ、該金属層は前記ウェハ載置台に対向し、該第1の石英層は第2のプレート36に対向するように配置され、第2のプレート36は、複数の第3の孔を有する第2の石英層を有していることを特徴とするアッシング装置によって解決する。
【0018】
前記アッシング装置において、図5(a) 、図7又は図9に例示するように、前記第2の孔32aは、前記第1の孔31aと同じかそれよりも大きいことを特徴とする。
前記アッシング装置において、図7に例示するように、前記第2の孔32aは、前記ウェハ載置台16の方向に広がっていることを特徴とする。
【0019】
前記アッシング装置において、図9に例示するように、前記金属層32は、前記石英層31の上にスパッタ又は蒸着によって形成されたアルミニウム層であることを特徴とする。
(4)上記した(1)〜(3)の前記アッシング装置において、前記マイクロ波導波室11には誘電体線路19が置かれていることを特徴とする。
【0020】
上記した(1)〜(3)の前記アッシング装置において、前記プラズマ発生室12には酸素含有ガスが導入されることを特徴とする。この場合、前記酸素含有ガスは、酸素と窒素の混合ガス、又は酸素と水の混合ガスであることを特徴とする。
(作用)
次に、本発明の作用について説明する。
【0021】
第1の本発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によれば、マイクロ波透過窓と石英板の距離をマイクロ波の波長の1/10以上に設定している。このような構成を採ると、実験結果から、ウェハのアッシングの処理枚数が増えてもアッシングレートの低下は見られず、しかも、アッシングレートを高く維持できた。
【0022】
また、プラズマ発生室の一部は、その石英板を支持する導電性壁によって区画されており、導電性壁の一部を石英で覆うようにすると、プラズマ発生室内のプラズマの電位が導電性壁の電位によって安定するので、プラズマから生じる電子、イオンなどによってウェハがダメージを受けることがなくなる。
また、第2の本発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によれば、複数の第1の孔を有する石英層と、該第1の孔に重なる第2の孔を有する金属層からなる多層構造からシャワーヘッドを構成し、その石英層をマイクロ波透過窓に対向させ、金属層をウェハ載置台に対向させるようにしている。
【0023】
このため、シャワーヘッドのうちプラズマ発生室内に面する部分にはアルミニウムなどの金属層が露出しないので、金属層の酸化に伴う中性活性種の減少は殆どみられず、安定したアッシングレートを得ることができる。しかも、マイクロ波が遮断され、プラズマ発生室のみでプラズマを発生することができるので、プラズマから発生する電子やイオンによる半導体ウェハのダメージの発生を防止できる。
【0024】
また、第3の本発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によれば、石英層と金属層の2層構造の第1のプレートと、石英からなる第2のプレートとを間隔をおいて配置する構造を有するシャワーヘッドを採用し、しかも、その第1のプレートの金属層をウェハ載置台に対向させるとともに、第2のプレートをマイクロ波透過窓に対向させている。
【0025】
このような構造によれば、実験的に、第1のプレートと第2のプレートの間に密度の高いプラズマが発生してアッシングレートが高くなることがわかった。
【0026】
【発明の実施の形態】
そこで、以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態を示すマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置を示す断面図である。
【0027】
図1に示すアッシング装置は、マイクロ波(μ波)を導入するマイクロ波導波室11と、そのマイクロ波によってプラズマを発生させるプラズマ発生室12と、マイクロ波導波室11とプラズマ発生室12を仕切る石英製又はアルミナ製のマイクロ波透過窓13と、プラズマ発生室12の下に配置されるアッシング室14とを有している。プラズマ発生室12は、マイクロ波によってガスを放電させる領域であり、発光室ともいう。
【0028】
プラズマ発生室12にはガス導入管17が接続されており、ガス導入管17から供給された酸素などのガスをプラズマ発生室12に供給するように構成されている。プラズマ発生室12内では、マイクロ波透過窓13を透過したマイクロ波によって酸素などのプラズマが発生する。
また、プラズマ発生室12とアッシング室14の間には、多数の孔15aを有する石英からなる円板状のシャワーヘッド15が配置され、また、そのシャワーヘッド15とマイクロ波透過窓13との距離L0 は、マイクロ波の波長の10分の1の長さ(1/10倍)よりも大きくなっている。例えば、振動数2.45GHzのマイクロ波をマイクロ波導波室11に導入する場合には、その距離L0 は12mm以上の大きさとなる。
【0029】
シャワーヘッド15は、後述するウェハ載置台16の上方にあって、接地されたアルミニウム(導電材)よりなるシャワーヘッド支持具20によって支持されている。そのシャワーヘッド支持具20は、シャワーヘッド15の周縁を支持する支持部21と、支持部21から上に延びる円筒部22と、円筒部22の上端の外側に形成されたフランジ部23とを有している。そのフランジ部23は、マイクロ波透過窓13上面は薄い石英板24で覆われ、石英板24とマイクロ波透過窓13との距離はL1となっている。
【0030】
シャワーヘッド15は、プラズマ発生室12内のイオンと電子がアッシング室14に流れることを防止するとともに、プラズマ発生室12で生成された中性活性種を均一にウェハWに供給するために配置されている。そして、シャワーヘッド15の下方にあるアッシング室14内には、ヒータ18を内蔵したウェハ載置台16が取付けられている。
【0031】
マイクロ波導波室11の中には、マイクロ波による電界分布を均一にするためにフッ素樹脂(例えば、商品名テフロン)からなる誘電体板19が取付けられ、さらにマイクロ波導波室11にはマイクロ波導波管25が接続されている。また、プラズマ発生室12の下方には、特に図示しないが排気機構が設けられており、プラズマ発生室12及びアッシング室14内を減圧するように構成されている。
【0032】
以上のような構造のアッシング装置を用いてシリコンウェハW上のレジスト(有機膜)Rをアッシングする実験を行った。
その実験では、ガス導入管17からプラズマ発生室12内に酸素(O2)を流量1235sccm、水(H2O )を65sccmで導入し、また、アッシング室14内の圧力を1.0Torrに減圧し、さらに、振動数2.45GHz、パワー1.45kWのマイクロ波をマイクロ波導波室11に導入し、しかも、ウェハ載置台16によるシリコンウェハWの加熱温度を200℃としている。
【0033】
このような条件でプラズマ発生室12で発生する酸素と水のプラズマは、中性活性種のみがシャワーヘッド15の多数の孔15aを通ってアッシング室14に導入される。その中性活性種には、酸素(O)、水素(H)の原子、酸素(O2)及び水(H2O )などの励起分子が含まれ、さらに、OH遊離基のような活性種も含まれている。
【0034】
次に、実験結果の例を以下に説明する。
第1例
図1に示したアッシング装置において、マイクロ波透過窓13とシャワーヘッド15の距離を28mm、シャワーヘッド15の厚さを5mm、シャワーヘッド15の孔15aの直径を2mm、マイクロ波透過窓13とシリコンウェハWとの距離L2 を65mm、L1 を5mm、シャワーヘッド15の直径を210mm、誘電体板19の厚さを20mm、マイクロ波透過窓の380mm×380mmの矩形状にした。
【0035】
そして、この条件で500枚の第1のシリコンウェハWを用いて、それらの上のレジストを全てアッシングした後に、第2のシリコンウェハWを25枚用意し、第2のシリコンウェハWのアッシングレートを調査した。
その結果、レジストのアッシングレートは、図2のようになり、500枚の第1のシリコンウェハWをアッシングした後にもかかわらず、2μm/min ±10%のアッシングレートが得られた。
【0036】
また、フッ素樹脂製の誘電体板19の厚さを13mm、距離L1 を2mm、としたところ、アッシングレート2μm/min ±5%と、アッシングの均一性が高くなり、これによりアッシングの制御が容易になる。
さらに、シャワーヘッド15の直径を170mm、フッ素樹脂製の誘電体板19の厚さを20mm、距離L1 を5mm、石英製のマイクロ波透過窓13の大きさを290mm×290mmとしたところ、アッシングレートは4μm/min ±5%と高くなった。
【0037】
このようにアッシングレート及びアッシング均一性は、誘電体板19の厚さ、マイクロ波透過窓13の大きさ、或いはシャワーヘッド15の大きさによっても制御が可能である。
第2例
次に、図1に示す装置において、マイクロ波透過窓13とシャワーヘッド15の間隔を12mm、22mm、28mmと変化させた、その他の条件を第1例と同じにして、シリコンウェハWにどの程度のチャージが捕獲されているかを実験した。
【0038】
シリコンウェハWのチャージ量はMNOS(metal nitride oxide semiconductor)を使用して測定した。この結果、MNOSのゲート電極とシリコン基板の間の電圧のシフト量ΔVfbは、表1に示すようになった。
【0039】
【表1】
Figure 0003966932
【0040】
表1によれば、マイクロ波透過窓13とシャワーヘッド15との間隔が広いほどΔVfbが小さくなり、12mmよりも大きくなるとΔVfbは零となった。さらに、マイクロ波透過窓13を通るマイクロ波の波長を約12cmとしたので、ΔVfbを零とするためにはマイクロ波の波長の10分の1以上とするのが好ましいことがわかった。
【0041】
第3例
プラズマ発生室12に導入するガスとして、酸素(O2)と窒素(N2)を用い、酸素ガス流量を1350sccm、窒素ガス流量を150sccmとし、その他の条件は第1例と同じにした。そして、新しいシャワーヘッド15を支持部に取付けてから500枚のシリコンウェハWを処理した後に、シリコンウェハW上のレジストRのアッシングを25枚行ったところ、アッシングレートは図3に示すようになり、1.4μm/min ±10%となってアッシングレートの低下は見られなかった。
【0042】
しかも、MNOSを用いてチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零となり、アッシングによるシリコンウェハWでのチャージがないということがわかった。さらに、アッシングレートの温度依存性を調査し、活性化エネルギーを求めたところ、0.5eVとなり、中性活性種が主体のアッシングであることがわかった。ところで、これら3つの例で示した実験の他に、図4に示すように、シャワーヘッド支持具20の円筒部22の内側壁を石英24aで覆うことによってプラズマ発生室12でのアルミニウム面の露出面積比を5%以下にしたところ、アッシングレートは2.5μm/min と高くなるものの、MNOSを用いてシリコンウェハWのチャージ量を調べたところ、ΔVfbが+2Vとなった。
【0043】
したがって、プラズマ発生室12内でのアルミニウム面の殆どを石英で覆うと、プラズマが不安定になってプラズマがシャワーヘッド15か下方に洩れて電子、イオンがウェハWに到達するためと考えられる。これに対して、シャワーヘッド支持具20の円筒部22の内側壁のアルミニウム面を10%露出させると、そのアルミニウム面の導電性によってプラズマの電位が安定してプラズマがプラズマ発生室12内だけで発生し、外部へ電子やイオンが外部に洩れにくくなる。
【0044】
ところで、プラズマによって生成された中性活性種は、シャワーヘッド15の面に対して垂直方向に進むのが主であるので、プラズマ発生室12内でのアルミニウムを露出させる領域は図1に示したように円筒部22側方にした方が、導電性壁にあたるアルミニウム部分での中性活性種の消滅が抑えられ、アッシングレートを高くすることができる。
【0045】
以上のように、本実施形態では、石英製円板状のシャワーヘッドの複数個の孔の側壁で荷電粒子を衝突させて、ウェハにプラズマが到達しないようにしている。従って、その孔の口径が大きかったり、厚みが足りなかったりすると、荷電粒子の衝突確率が小さくなるため、プラズマがウェハに到達し易くなる。
さらに、本発明は誘電体板(誘電体線路)を用いたアッシング装置について述べたが、他のアッシング装置への適用は可能である。また、本発明は、上記した他の酸素原子含有ガスを用いても同様な作用効果が得られる。
(第2の実施の形態)
第1実施形態では、半導体ウェハ上にチャージが照射されず、しかもシャワーヘッドの使用時間によってアッシングレートが殆ど変化しないような、マイクロ波透過窓とシャワーヘッドの距離について説明した。
【0046】
本実施形態では、さらに別な方法によって、アッシングの際に半導体ウェハに電子やイオンが照射されることを防止して、半導体ウェハが受けるダメージを低減することについて説明する。
図5(a) は、本発明の第2実施形態に使用するマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置を示す断面図であり、シャワーヘッド30の構成を除いて図1とほぼ同様な構造を有している。
【0047】
そのシャワーヘッド30は、図5(b) に示すような断面図構造を有する円板状のプレートからなり、厚さ5mmの石英板31と厚さ2mmのアルミニウム層32を張り合わせた二層構造を有し、そのうちのアルミニウム層32は、ウェハ載置台16に対向するようにシャワーヘッド支持具20に支持されている。
その石英板31とアルミニウム層32にはそれぞれ重なるような孔31a,32aが複数個形成されている。石英板31の孔31aの直径は2mmであり、アルミニウム層32の1つの孔32aの直径の平均は石英板31の孔31aと同じか大きくなっている。
【0048】
なお、図5(a) において、図1と同じ符号は同じ要素を示している。
以上のような構成のアッシング装置を用いて次の条件でシリコンウェハW上のレジストRをアッシングしたところ、次のような結果が得られた。
第1例
まず、ガス導入管17からプラズマ発生室12に導入する酸素ガスと水蒸気の流量、アッシング室14内の圧力、ウェハ加熱温度、マイクロ波のパワー、周波数、波長を第を第1実施形態の第1例と同じに設定する。また、シャワーヘッド30の石英板31とマイクロ波透過窓13との間隔を12mm、マイクロ波透過窓13とウェハ載置台16上のシリコンウェハWとの距離L2 を65mmに設定する。
【0049】
そして、図5(b) に示すように、アルミニウム層32の孔32aの断面形状を四角にし、その孔32aの直径を3mmとした新しいシャワーヘッド30を使用して500枚のシリコンウェハWを用意し、それらの上のレジストRを順次アッシングした。その後に、試料として25枚の8インチのシリコンウェハWを用意し、それらの上のレジストRを順にアッシングしたところ、図6のようなアッシングレートと処理枚数の関係が得られた。
【0050】
図6の実験結果によれば、処理済みの枚数が増えてもアッシングレートが2.1μm/min ±8%とほぼ一定になった。しかも、1枚のシリコンウェハWにおけるアッシングレートの分布を測定したところ、±7%程度と誤差が小さかった。
さらに、シリコンウェハWにMNOSを形成し、そのチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零となり、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわかる。
【0051】
このようにシリコンウェハW側のダメージが少ないのは、図5(a) 、(b) に示すようにシャワーヘッド30を構成する石英板31をプラズマ発生室12に向け、アルミニウム層31をシリコンウェハWに対向させるとともに、アルミニウム層32の孔32aを石英板31の孔31aよりも大きくしたからである。即ち、プラズマ発生室12で生成された中性活性種は、石英板31に当たっても減少しにくいので、多くの中性活性種は、シャワープヘッド30の孔31a、32aから下方に放出される。また、アルミニウム層32の孔32aは石英板31の孔31aよりも大きいので、石英板31の孔31aから出た中性活性種はアルミニウム層32に照射する確率は少なくなり、アルミニウム層32が酸化されたとしても中性活性種が減りにくい。
【0052】
また、アルミニウム層32は接地されているので、マイクロ波導入室11から伝達されるマイクロ波がアルミニウム層32によって遮られてシャワーヘッド30よりも下流側に広がることはなく、シャワーヘッド30より下流でのプラズマの発生が防止される。その下流でプラズマが発生すると、プラズマからの電子やイオンがシリコンウェハWに照射しやすくなってダメージを与える原因になる。
【0053】
第2例
まず、ガス導入管17からプラズマ発生室12に導入する酸素ガスと水蒸気の流量、アッシング室14内の圧力、ウェハ加熱温度、マイクロ波のパワー、周波数、波長を第1実施形態の第1例と同じに設定する。また、シャワーヘッド30の石英板31とマイクロ波透過窓13との間隔を12mm、マイクロ波透過窓13とウェハ載置台16上のシリコンウェハWとの距離を65mmに設定する。
【0054】
また、図7に示すように、アルミニウム層32の孔32bの断面形状を逆台形にして石英板31側の直径を2mm、その逆側の直径を3mmとした新しいシャワーヘッド30を使用する。そして、500枚のシリコンウェハWを用意し、それらの上のレジストRを順次アッシングした。その後に、試料として25枚の8インチのシリコンウェハWを用意し、それらの上のレジストRを順にアッシングしたところ、図8に示すように、処理済みの枚数が増えてもアッシングレートが落ちる現象はみれず、2.0μm/min ±7%とほぼ一定になった。
【0055】
しかも、1枚のシリコンウェハWにおけるアッシングレートの分布を測定したところ、±7%程度と誤差が小さかった。
さらに、シリコンウェハWにMNOSを形成し、アッシングによるチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零となり、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわかる。
【0056】
この第2例においては、石英板31の孔31aから中性活性種が放出される場合には、扇形に広がって放出されるので、アルミニウム層32の孔32bの断面を逆台形にすると、第1例と同様に、中性活性種はほとんどアルミニウム層32にかからないのでアルミニウム層32の酸化による中性活性種の消滅が生じにくくなる。
【0057】
また、シャワーヘッド30のうちプラズマ発生室12に面しない側にアルミニウム層32を形成し、これを接地しているので、第1例と同様に、シャワーヘッド30の下流側へのマイクロ波の伝達がアルミニウム層32によって遮られるので、プラズマ発生室12よりも下流側でのプラズマの発生が防止される。
第3例
まず、ガス導入管17からプラズマ発生室12に導入する酸素ガスと水蒸気の流量、アッシング室14内の圧力、ウェハ加熱温度、マイクロ波のパワー、周波数、波長を第1実施形態の第1例と同じに設定する。また、シャワーヘッド30の石英板31とマイクロ波透過窓13との間隔を12mm、マイクロ波透過窓13とウェハ載置台16上のシリコンウェハWとの距離L2 を65mmに設定する。
【0058】
また、図9に示すように、シャワーヘッド30のうち石英板31の厚さを5mmとし、その上に形成されるアルミニウム層32をスパッタ法又は蒸着により1μmの厚さに形成した。そして、アルミニウム層32の孔32cを石英板31の孔31aと同じ大きさにした新たなシャワーヘッド30を支持具20に取り付ける。そして、500枚のシリコンウェハWを用意し、それらの上のレジストRを順にアッシングした。その後に、試料として25枚の8インチのシリコンウェハWを用意し、それらの上のレジストRを順にアッシングしたところ、図10に示すように、処理済みのシリコンウェハWの枚数が増えてもアッシングレートが落ちてゆく現象はみれず、2.4μm/min ±10%とほぼ一定になった。 しかも、1枚のシリコンウェハWにおけるアッシングレートの分布を測定したところ、±9%程度と分布誤差が小さかった。
【0059】
さらに、シリコンウェハWにMNOSを形成し、そのチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零となり、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわかる。
石英板31の孔31aから中性活性種が放出される場合には、扇形に広がって放出されるので、アルミニウム層32を数μmの厚さにすると、第1例と同様に、中性活性種はほとんどアルミニウム層31に接触しないのでアルミニウム層31の酸化による中性活性種の消滅が生じにくくなる。
【0060】
また、シャワーヘッド30のうちプラズマ発生室12に面しない側にアルミニウム層32を形成し、これを接地しているので、第1例と同様に、マイクロ波の下流側への伝達がアルミニウム層32によって遮られるので、プラズマ発生室12よりも下流側でプラズマが発生しなくなる。
第4例
プラズマ発生室12に導入するガスとして、酸素(O2)と窒素(N2)を用い、酸素ガス流量を1350sccm、窒素ガス流量を150sccmとし、その他の条件は第1例と同じにした。
【0061】
そして、シャワーヘッド30として第1例と同じものを新たに支持具に取り付けた後に、500枚のシリコンウェハを処理し、ついで、25枚のシリコンウェハW上のレジストRを順にアッシングしたところ、アッシングレートは図11に示すようになり、ウェハ処理枚数が加算されても1.5μm/min ±10%となってアッシングレートの低下は見られなかった。
【0062】
また、シリコンウェハWにMNOSを形成し、そのチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零となり、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわかる。さらに、アッシングレートの温度依存性を調査し、活性化エネルギーを求めると0.5eVとなり中性活性種が主体のエッチングがなされていることが確かめられた。
【0063】
本実施形態は誘電体板(誘電体線路)を用いたアッシング装置について述べたが、他のアッシング装置への適用は可能である。また、本発明は、上記した他の酸素原子含有ガスを用いても同様な作用効果が得られる。
(第3の実施の形態)
図12は、本発明の第3実施形態に使用するマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置を示す断面図であり、シャワーヘッドの構成を除いて図1とほぼ同様な構造を有している。図12において図1と同じ符号は同じ要素を示している。
【0064】
図12に示すアッシング装置のシャワーヘッド33は、下側のシャワープレート34と上側のシャワープレート36がスペーサ35を介してシャワーヘッド支持具20に取付けられている。
上側のシャワープレート36は、厚さ5mmの石英板から形成され、直径2mmの孔が多数形成されている。また、下側のシャワープレート34は、図5(b) 、図7又は図9に示したと同じ構造を有し、厚さ5mmの石英板と厚さ2mmのアルミニウム層の二層構造を有しており、その石英板には直径2mmの孔が形成され、アルミニウム層には石英板の孔に重なる直径3mmの孔が形成されている。
【0065】
また、マイクロ波透過窓13と上側のシャワープレート36の距離は6mm、上側と下側のシャワープレート34、36の距離は4mm、マイクロ波透過窓13とウェハ載置台16上のシリコンウェハWとの距離L2 は65mmとなっている。
そして、ガス導入管17からプラズマ発生室12に酸素を1235sccm、水蒸気を65sccmの流量で導入するとともに、パワー1.45kWのマイクロ波をプラズマ発生室12内に伝達してプラズマ発生室12内に酸素と水のプラズマを発生させる。また、アッシング室14内を1.0Torrに減圧し、ウェハ加熱温度を200℃とする。
【0066】
このような条件でシリコンウェハW上のレジストRをアッシングすると、プラズマ発生室12内で発生した中性活性種が下側のシャワープレート34の孔を通ってシリコンウェハWに供給され、シリコンウェハW上のレジストRは、中性活性種によってアッシングされることになる。
ところで、上記したように2枚のプレート34、36からなるシャワーヘッド33を構成したところ、プレート34、36間の空間でプラズマが強く且つ均一分布で発光して図13に示すような高いアッシングレートが得られた。
【0067】
そして、上側と下側のシャワープレート34、36の新たなものを支持具20に取り付けた後に、500枚のシリコンウェハを処理し、ついで、25枚のシリコンウェハW上のレジストRを順にアッシングしたところ、図13に示すようなアッシングレートが得られた。アッシングレートは、2.8μm/min ±12%となって処理枚数によるアッシングレートの低下は見られなかった。
【0068】
また、シリコンウェハWにMNOSを形成し、そのチャージ量を測定したところ、ΔVfbは零となり、シリコンウェハWにダメージが生じないことがわかる。さらに、1枚のシリコンウェハWにおけるアッシングレートの分布を測定したところ、±10%程度と分布に均一性が得られた。
なお、シャワーヘッドを構成するプレートは、上記したように2枚に限るものではなく、3枚以上、間隔をおいて重ねる構造を採用してもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたように第1の本発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によれば、マイクロ波透過窓と石英板の距離をマイクロ波の波長の1/10以上に設定したので、ウェハのアッシングの処理枚数が増えてもアッシングレートの低下は見られず、しかも、アッシングレートを高く維持できた。
【0070】
また、プラズマ発生室の一部は、その石英板を支持する導電性壁によって区画されており、導電性壁の一部を石英で覆うようにすると、プラズマ発生室内のプラズマの電位が導電性壁の電位によって安定するので、プラズマから生じる電子、イオンなどによってウェハがダメージを受けることを防止できる。
また、第2の本発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によれば、複数の第1の孔を有する石英層と、該第1の孔に重なる第2の孔を有する金属層からなる多層構造からシャワーヘッドを構成し、その石英層をマイクロ波透過窓に対向させ、金属層をウェハ載置台に対向させたので、シャワーヘッドのうちプラズマ発生室内に面する部分にはアルミニウムなどの金属層が露出しないので、金属層の酸化に伴う中性活性種の減少は殆どみられず、安定したアッシングレートを得ることができる。しかも、金属層によってプラズマがアッシング室に広がることが防止されるので、プラズマから発生する電子やイオンによる半導体ウェハのダメージの発生を防止できる。
【0071】
また、第3の本発明のマイクロ波ダウンフロー型アッシング装置によれば、石英層と金属層の2層構造の第1のプレートと、石英からなる第2のプレートとを間隔をおいて配置する構造を有するシャワーヘッドを採用し、しかも、その第1のプレートの金属層をウェハ載置台に対向させるとともに、第2のプレートをマイクロ波透過窓に対向させたので、第1のプレートと第2のプレートの間に密度の高いプラズマを発生させてアッシングレートを高くできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のアッシング装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態のアッシング装置によるアッシングレートと処理枚数の関係を示す図(その1)である。
【図3】本発明の第1実施形態のアッシング装置によるアッシングレートと処理枚数の関係を示す図(その2)である。
【図4】本発明の第1実施形態のアッシング装置の変形例を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態のアッシング装置と第2のシャワーヘッドを示す断面図である。
【図6】図5に示した第2のシャワーヘッドを使用した場合のアッシングレートと処理枚数の関係を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態のアッシング装置に使用する第2のシャワーヘッドを示す断面図である。
【図8】図7に示した第2のシャワーヘッドを使用した場合のアッシングレートと処理枚数の関係を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態のアッシング装置に使用する第3のシャワーヘッドを示す断面図である。
【図10】図9に示した第3のシャワーヘッドを使用した場合のアッシングレートと処理枚数の関係を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態のアッシング装置において酸素と窒素のプラズマを使用した場合のアッシングレートと処理枚数の関係を示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態のアッシング装置を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態のアッシング装置によるアッシングレートと処理枚数の関係を示す図である。
【図14】従来のアッシング装置を示す断面図である。
【図15】従来のアッシング装置によるアッシングレートと処理枚数の関係を示す図である。
【符号の説明】
11 マイクロ波導波室
12 プラズマ発生室
13 マイクロ波透過窓
14 アッシング室
15 シャワーヘッド
16 ウェハ載置台
17 ガス導入管
18 ヒータ
19 誘電体板
20 支持具
30、33 シャワーヘッド
31 石英板
32 アルミニウム層

Claims (13)

  1. マイクロ波を電送する導波室と、前記導波室からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室と、前記導波室と前記プラズマ発生室を仕切るマイクロ波透過窓と、前記プラズマ発生室内で得られた生成物の流れの下流側にあるアッシング室と、前記アッシング室と前記プラズマ発生室の間に配置された複数の孔を有するシャワーヘッドと、前記アッシング室内で前記シャワーヘッドに対向する面に半導体ウェハを載置するウェハ載置台とを有するアッシング装置において、
    前記シャワーヘッドは、石英板のみからなり、
    前記マイクロ波透過窓と前記石英板の距離は前記マイクロ波の波長の1/10以上に設定されていることを特徴とするアッシング装置。
  2. 前記マイクロ波透過窓は石英又はアルミナからなることを特徴とする請求項1記載のアッシング装置。
  3. 前記プラズマ発生室の一部は前記石英板を支持する導電性壁によって区画されており、該導電性壁の一部は石英で覆われていることを特徴とする請求項1記載のアッシング装置。
  4. 前記導電性壁のうち前記マイクロ波透過窓に対向する部分が前記石英で覆われていることを特徴とする請求項3記載のアッシング装置。
  5. 前記マイクロ波透過窓と前記ウェハ載置台との距離は、前記マイクロ波の波長以下であることを特徴とする請求項1記載のアッシング装置。
  6. マイクロ波を伝送する導波室と、前記導波室からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室と、前記導波室と前記プラズマ発生室を仕切るマイクロ波透過窓と、前記プラズマ発生室内で得られた生成物の流れの下流側にあるアッシング室と、前記アッシング室と前記プラズマ発生室の間に配置された複数の孔を有するシャワーヘッドと、前記アッシング室内で前記シャワーヘッドに対向する面に半導体ウェハを載置するウェハ載置台とを有するアッシング装置において、
    前記シャワーヘッドは、複数の第1の孔を有する石英層と、該第1の孔に重なり、かつ、前記第1の孔よりも大きい第2の孔を有する金属層からなる多層構造を有し、該石英層は前記マイクロ波透過窓に対向し、該金属層は前記ウェハ載置台に対向していることを特徴とするアッシング装置。
  7. マイクロ波を伝送する導波室と、前記導波室からのマイクロ波によってガスを放電させるプラズマ発生室と、前記導波室と前記プラズマ発生室を仕切るマイクロ波透過窓と、前記プラズマ発生室内で得られた生成物の流れの下流側にあるアッシング室と、前記アッシング室と前記プラズマ発生室の間に配置された複数の孔を有するシャワーヘッドと、前記アッシング室内で前記シャワーヘッドに対向する面に半導体ウェハを載置するウェハ載置台とを有するアッシング装置において、
    前記シャワーヘッドは、前記ウェハ載置台側に配置される第1のプレートと、該第1のプレートに間隔をおいて対向し且つ前記マイクロ波透過窓側に配置される第2のプレートとを有し、
    前記第1のプレートは、複数の第1の孔を有する第1の石英層と、該第1の孔に重なる第2の孔を有する金属層からなる多層構造を有し、かつ、該金属層は前記ウェハ載置台に対向し、該第1の石英層は前記第2のプレートに対向するように配置され、
    前記第2のプレートは、複数の第3の孔を有する第2の石英層を有していることを特徴とするアッシング装置。
  8. 前記第2の孔は、前記第1の孔と同じかそれよりも大きいことを特徴とする請求項7記載のアッシング装置。
  9. 前記第2の孔は、前記ウェハ載置台の方に広がっていることを特徴とする請求項6又は7記載のアッシング装置。
  10. 前記金属層は、前記石英層の上にスパッタ又は蒸着によって形成されたアルミニウム層であることを特徴とする請求項6又は7記載のアッシング装置。
  11. 前記マイクロ波導波室には誘電体線路が置かれていることを特徴とする請求項1、6又は7記載のアッシング装置。
  12. 前記プラズマ発生室には酸素含有ガスが導入されることを特徴とする請求項1、6又は7記載のアッシング装置。
  13. 前記酸素含有ガスは、酸素と窒素の混合ガス、又は酸素と水の混合ガスであることを特徴とする請求項12記載のアッシング装置。
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