JPH10148978A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10148978A
JPH10148978A JP8309068A JP30906896A JPH10148978A JP H10148978 A JPH10148978 A JP H10148978A JP 8309068 A JP8309068 A JP 8309068A JP 30906896 A JP30906896 A JP 30906896A JP H10148978 A JPH10148978 A JP H10148978A
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correction amount
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JP8309068A
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English (en)
Inventor
Atsushi Ogiwara
敦 荻原
Kunio Yamada
邦夫 山田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真方式を用いた画像形成装置におい
て、画像を常に所定品質に保つための制御を、低コスト
で精度良く、かつ安定に行い、しかも、ノイズなどによ
り検知誤差があっても、その影響を軽減/排除し、制御
の誤動作や発振などを防ぎ、制御精度を向上させる。 【解決手段】 目標値設定部110で設定された目標値
と制御量測定部102で測定された制御量との間の差が
エラー検出器111で検出され、フィルタ部115で減
衰させた後、操作量補正部109に供給される。操作量
補正部109は目標値と測定制御量との差を相殺するよ
うな操作量の補正量を適用制御ルールで算出する。操作
量補正量制限部116は、操作量補正部109で算出さ
れた操作量の補正量と、補正量の制限量とを比較し、補
正量が、制限量以下となるように最終的な操作量を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた画像形成装置に係わり、特に画像を常に所定品質に
保つための制御を、低コストで精度良く、しかもより安
定に行うことを実現できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を用いた画像形成装
置においては、画像濃度を最適に保つためのフィードバ
ック制御がごく一般に用いられている。これは、静電気
を用いた電子写真方式では、その日の温度や湿度などの
環境条件、あるいは感光体や現像剤の経時的な劣化など
により、装置自体の画像出力状態が変わり、濃度再現性
が変動してしまうためである。
【0003】従来のフィードバック制御においては、濃
度パッチにより濃度再現状況をモニタして目標濃度との
誤差分を求め、これにフィードバックゲインを乗じるこ
とによって、制御用アクチュエータの設定値補正量を算
出する方法がもっとも一般的である。
【0004】ここで、上記濃度パッチは、現像像パッチ
であることが多い。これは用紙上に作成される転写像や
定着像に比較して、現像像の方が作成および消去が簡単
であり、しかもユーザが手にする定着画像濃度との相関
が極めて高いためである。また、制御用アクチュエータ
としては、現像特性を左右する帯電器印加電圧や露光
量、現像バイアスなどがよく用いられている。
【0005】例えば、特開昭63−177176号公報
に記載される技術では、現像電位を可変することで現像
濃度を所望の値に制御している。この現像電位を可変す
る方式は、一成分および二成分のどちらの現像方式でも
成立する。
【0006】しかしながら、最適な現像電位は、制御不
可能な種々の外的要因、すなわち温度、湿度、累積複写
枚数などにより常に影響を受けており、帯電電位や露光
量、現像バイアスの設定はこれらの条件を常時考慮して
行わなければならないという困難さを伴っている。しか
も、温度、湿度などの状態量と帯電や露光量、現像バイ
アス設定値との関係は複雑であり、現状の技術レベルで
は十分な物理モデル化はなされていない。
【0007】そこで、近似式を用いて定量化した制御な
どが行われているが、静電気的プロセスが主である電子
写真技術では、通常、状態量に対する帯電、露光量、お
よびバイアスの最適な設定値の関係は非線形であるた
め、十分な制御精度が得られていない。こうした事情に
より、事前にさまざまな環境条件、例えば高温多湿状態
や低温低湿状態での環境の影響や、経時的な劣化などの
影響を把握しなければならず、高度な制御性能を目指す
ほど、広い条件範囲に渡って詳細にデータを採取しなけ
ればならないため、膨大な開発工数が必要であった。
【0008】しかも、そのように膨大な工数を投じて決
定したフィードバックゲインも、一台一台の機差や多様
なユーザの使用条件などのために、必ずしも常に最適と
いうわけにはいかなかった。特に、経時劣化の画像濃度
への影響は、一台一台に使われている部品の劣化度合い
やユーザの使い方次第で大きく異なるため、市場に出て
からの長期的な画像濃度制御性能は、必ずしも万全であ
るとは言えなかった。
【0009】また、上述のような制御方法であることか
ら、制御精度を得るために中間的なパラメータである帯
電電位や露光電位をモニタするための電位センサや、環
境条件をモニタするための温度センサや湿度センサを必
要とする制御方式が多く、コストアップが問題となって
いた。
【0010】また、最近になって、特開平4−3199
71号公報、4−320278号公報などに示されるよ
うに、ファジーやニューラルネットワークを用いる方法
が行われるようになってきた。これらは、ファジーやニ
ューラルネットワークが入力と出力の関係が複雑な非線
形の場合にも対応できるという特徴を利用して、もっぱ
ら制御精度を高めるための手段として用いられている。
このため、上述した問題点、すなわち大量のデータ採取
などに投じなければならない膨大な開発工数や、センサ
を多用することによるコストアップ、さらに市場に出て
からの一台一台の長期的な画像濃度制御性能が必ずしも
確保できていないなどの問題の解決には、ほとんど役に
立っていない。
【0011】むしろ、ファジーやニューラルネットワー
クを用いて制御精度を向上させる場合は、多入力多出力
演算に適しているという特長を活かすために、多入力
化、すなわち多数のセンサを用いる場合が多く、かえっ
てコストアップになっている。
【0012】さらにファジーでは技術者によるメンバー
シップ関数のチューニングが必要であり、ニューラルネ
ットワークでは学習作業そのものは自動化できるもの
の、そのための教師データを技術者が事前に用意しなけ
ればならないなど、かなりの開発工数を必要とするのが
実情であった。
【0013】しかも、予め経時劣化データを採取し、こ
れを考慮に入れたファジーやニューラルネットワークを
用いた場合であっても、その入力と出力の関係自体が実
際の経時劣化や機差、部品交換などによって変化してし
まった場合には、自律的に対応できないという問題があ
った。すなわち、市場に出てからの一台一台の長期的な
画像濃度制御性能は、たとえファジーやニューラルネッ
トワークを用いた場合であっても保証することはできな
かった。
【0014】そこで、これらの欠点を除くために、本出
願人は、事例ベース推論と呼ばれる手法に基づき、出力
画像の濃度に対応した制御量(パッチ画像濃度)と、画
像形成装置の状態を特定する状態量と、画像作成時の操
作量とからなる複数の制御事例から制御ルールを抽出
し、この抽出した制御ルールを用いて、新たな操作量を
決定することで、出力画像濃度を目標品質に保つ手法を
提案している。これにより、センサの削減や開発工数の
低減による低コスト化を行いつつ、個々の画像形成装置
に対応した制御を、要求された精度で行うことが可能と
なった。
【0015】ところが、上記事例ベース推論を用いる手
法においては、機械学習により制御ルールを生成するこ
とから、場合によっては、不適切な制御ルールが生成/
使用される可能性があり、制御そのものが不安定になる
おそれがある。
【0016】制御が不安定になる理由としては、 (1)ノイズ等により不適切な制御ルールが作成されて
しまう。パッチ画像の乱れや、検知した制御量(センサ
信号)への電気ノイズの混入などにより、正しい画像出
力状態を検知できず、誤った検知情報に基づいて不適切
な制御ルールが生成されてしまう。 (2)ノイズ等により制御ルールを不適切に補正(適合
化)してしまう。学習済の制御ルールを用いて制御演算
を行なう場合、制御ルールをその時点のマシン状態に適
合するように補正して用いている。(以下、適合化が施
され実際に制御演算に用いる制御ルールを適合制御ルー
ルと呼ぶ)。このとき、上記のようにノイズ等により誤
って検知した制御量に基づいて補正を行なうと、誤った
適合ルールができてしまい、誤った制御演算を行なって
しまう。 (3)誤った制御演算結果がそのまま実行されてしま
う。これまでの事例ベース推論を用いる手法において
は、誤った制御演算が起こりうるにもかかわらず、その
演算結果をそのまま実行していたため、制御することに
よって、かえって制御量の誤差が増大してしまうことが
あった。また、その誤差を収束させようとして、制御動
作が発振状態に陥ってしまうこともあった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の欠点を除くためになされてものであって、その
目的とするところは、ノイズなどにより検知誤差があっ
ても、その影響を軽減/排除し、制御の誤動作や発振な
どを防ぐとともに、制御精度を向上させることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明では、上述の目
的を達成するために、画像品質に関する制御量が、目標
値になるように操作量を制御する画像形成装置に、上記
制御量の目標値を設定する手段と、上記操作量の設定値
を切替える手段と、制御用の基準パターンを作成する手
段と、上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、
操作量と制御量との対応関係から制御ルールを作成する
手段と、上記制御ルールに従って、上記目標値および上
記制御量の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の補
正量を算出する補正量算出手段と、上記目標値および上
記制御量の測定値の間の誤差の大きさに応じて、上記操
作量の補正量を調整する補正量調整手段とを設けるよう
にしている。
【0019】この構成においては、まず制御量測定値と
目標値とが比較され、制御量が目標値になるような操作
量が演算される。そして、この際に、上記目標値および
上記制御量の測定値の間の誤差の大きさに応じて、上記
操作量の補正量を調整している。したがって、制御量に
突発的な外乱などのノイズが混入した場合でも、その影
響を軽減/排除し、制御の誤動作や発振などを防ぐとと
もに、制御精度を向上させることができる。
【0020】また、この構成において、上記補正量調整
手段は、上記目標値および上記制御量の測定値の間の誤
差を、上記誤差が所定の最大誤差を越えないように減衰
させて上記補正量算出手段に入力するフィルタ手段を含
むようにできる。この場合、ノイズが混入した場合で
も、異常値を漸近的に除去できるため、検知した制御量
に基づいて作成した制御ルールの誤りが軽減できる。ま
た、既存の制御ルールを補正して適合ルールを算出する
際も、補正の基になる制御量の検知誤差が軽減されてい
るため、適合ルールの誤りも軽減できる。
【0021】また、上記補正量調整手段を、上記補正量
算出手段により算出される上記操作量の補正量に基づい
て、所定の最大補正量を越えないように制限された制限
付き補正量を決定する補正量制限手段を含むように構成
し、上記制限付き補正量により新たな操作量を決定する
ようにしてもよい。この場合、上記最大補正量は上記誤
差の大きさに応じて決定されるようにできる。このよう
にすると、補正量の可変範囲に制限を加えるため、不適
切なルールなどにより過大な補正量が算出された場合で
も、操作量補正を妥当な範囲に納められる(異常なほど
大幅に操作量を補正変更して暴走/発散/発振する、な
どを防げる)。
【0022】また、本発明によれば、上述の目的を達成
するために、画像品質に関する制御量が、目標値になる
ように操作量を制御する画像形成装置に、上記制御量の
目標値を設定する手段と、上記操作量の設定値を切替え
る手段と、制御用の基準パターンを作成する手段と、上
記基準パターン上の制御量を測定する手段と、操作量と
制御量との対応関係から制御ルールを作成する手段と、
上記制御ルールに従って、上記目標値および上記制御量
の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の補正量を算
出する補正量算出手段と、上記制御ルールを作成すると
きに上記制御量の測定値の変動を減衰させる手段とを設
けるようにしている。
【0023】この構成においては、ノイズが混入した場
合でも、異常値を漸近的に除去できるため、検知した制
御量に基づいて作成した制御ルールの誤りが軽減でき
る。
【0024】また、本発明によれば、上述の目的を達成
するために、画像品質に関する制御量が、目標値になる
ように操作量を制御する画像形成装置に、上記制御量の
目標値を設定する手段と、上記操作量の設定値を切替え
る手段と、制御用の基準パターンを作成する手段と、上
記基準パターン上の制御量を測定する手段と、制御ルー
ルを記憶する手段と、操作量と制御量との対応関係から
新たな制御ルールを作成する手段と、新たな制御ルール
を用いて適合化した制御ルールを生成する手段と、上記
適合化した制御ルールに従って、上記目標値および上記
制御量の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の補正
量を算出する補正量算出手段と、上記新たな制御ルール
を作成するときに上記制御量の測定値の変動を減衰させ
る手段とを設けている。
【0025】この構成においては、既存の制御ルールを
補正して適合ルールを算出する際も、補正の基になる制
御量の検知誤差が軽減されているため、適合ルールの誤
りも軽減できる。
【0026】また、本発明によれば、上述の目的を達成
するために、画像品質に関する制御量が、目標値になる
ように操作量を制御する画像形成装置に、上記制御量の
目標値を設定する手段と、上記操作量の設定値を切替え
る手段と、制御用の基準パターンを作成する手段と、上
記基準パターン上の制御量を測定する手段と、操作量と
制御量との対応関係から制御ルールを作成する手段と、
上記制御ルールに従って、上記目標値および上記制御量
の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の補正量を算
出する補正量算出手段と、上記目標値および上記制御量
の測定値の間の誤差の信号を上記操作量の操作部に伝達
するパスに挿入された減衰要素とを設けるようにしてい
る。
【0027】この構成においても、制御量に突発的な外
乱などのノイズが混入した場合でも、その影響を軽減/
排除し、制御の誤動作や発振などを防ぐとともに、制御
精度を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
[実施例1]まずこの発明の原理的な構成を示す実施例
1について説明する。
【0029】図1は、この実施例1を全体として示すも
ので、この図において、画像形成装置本体100には、
電子写真方式による画像形成プロセスを実行する、図示
しない機能ブロックが実装されている。画像形成装置本
体100の操作部101は画像の品質を左右する制御量
たとえば画像濃度を決定する操作量を出力する操作部で
ある。この操作部101は、潜像を形成するためのレー
ザ照射装置の出力パワー、帯電器の帯電電位、現像ロー
ルの回転数、トナーの帯電量等である。画像形成装置本
体100の制御量測定部102は、制御量を測定する測
定器である。たとえば、制御量が、画像濃度であれば、
画像濃度を測定する光学センサである。
【0030】制御部103は画像形成装置本体100と
ともに画像形成装置を構成するもので、通常、画像形成
装置本体100内に実装されるが、別体に構成してもよ
い。制御部103は画像形成装置本体100が形成する
所定の画像の制御量が、所定の目標値に維持されるよう
に操作部101の操作量を制御するものである。
【0031】制御部103の制御ルール記憶部105は
1または複数の制御ルールを記憶するものである。制御
ルールは、操作量と制御量との関係を規定する関数であ
る。この関数は、操作量および制御量が規定する座標空
間における面(平面または曲面)で表される。実際に画
像形成装置本体100の操作部101に印加された操作
量と、そのときに制御量測定部102で測定された制御
量とが表す座標データを複数たとえば3つ用いて1つの
制御ルールが生成される。
【0032】制御ルール記憶部105に記憶された制御
ルールは、制御ルール偏差算出部106に供給され、後
述するように制御ルールの適合度を計算するのに用いら
れる。また制御ルールはルール選択部107にも供給さ
れ、一部または全部の制御ルールが適用制御ルール出力
部108に供給される。
【0033】制御ルール偏差算出部106は、各制御ル
ールについて、所定の画像形成プロセス(たとえば直前
の測定対象の画像形成プロセス)における操作量につい
てその制御ルールを適用したときに予測される制御量
と、その画像形成プロセスの実際の制御量との偏差を求
めるものである。この偏差は適用制御ルール出力部10
8に供給され、その偏差が小さいほど大きくなる重みを
用いて制御ルールを組み合わせ、操作量を決定するのに
適用する適用制御ルールとして出力する。制御ルールの
組み合わせは、たとえば、制御ルールを表す関数を重み
づけて足しあわせればよい。
【0034】ルール選択部107は、制御ルール偏差算
出部106からの偏差に応じて制御ルールを選択する。
たとえば、偏差の小さい順に所定数の制御ルールを選択
する。あるいは、偏差が所定値以下の制御ルールを選択
する。ルール選択部107で選択を行わずにすべての規
則を用いて適用制御ルールを合成してもよい。
【0035】操作量補正部109は、適用制御ルール出
力部108から出力された適用制御ルールにしたがっ
て、操作部101の操作量の補正量の算出を行う。すな
わち、目標値設定部110で設定された目標値と制御量
測定部102で測定された制御量との間の差がエラー検
出器111で検出され、フィルタ部115で減衰させた
後、目標値と測定制御量との差を相殺する(減少させ
る)ような操作量(あるいはその変分)を適用制御ルー
ルで算出する。
【0036】操作量補正量制限部116は、フィルタ部
115より出力された目標値と制御量測定値との間の差
の減衰値より、操作量補正量の制限量を算出する。そし
て、操作量補正部109で算出された操作量の補正量
と、計算された補正量の制限量とを比較し、補正量が、
制限量以下となるように操作量を算出する。算出された
操作量は操作部101に加えられる。
【0037】状態遷移判別部112は、状態の遷移を判
別するものである。状態とは画像形成装置本体100に
おいて画像の品質に影響を与える状態であり、温度、湿
度等である。状態の遷移は温度や湿度等に基づいて判別
することもできるが、より簡便な方法として、前回の状
態遷移からの経過時間や、形成画像の枚数から判別でき
る。状態が遷移すると、いままで用いていた制御ルール
のみでは新しい状態に精度よく対処することが困難なこ
とが予想されるので、遷移した状態に対応した新たな制
御ルールを制御ルール生成部113で生成する。この制
御ルールも、画像形成プロセスの操作量および測定制御
量によって生成する。
【0038】新たに生成された制御ルールは記憶制御部
114により制御ルール記憶部105に記憶される。記
憶される制御ルールが所定量に達したときには、たとえ
ば一番長く使用しなかった制御ルールや最も古い制御ル
ールにかえて新たな制御ルールを登録する。制御ルール
の記憶管理には、このほか種々のものを用いることがで
きる。
【0039】このような構成においては、時間経過によ
り、あるいは形成画像の枚数により、状態の遷移が判別
されると、現在の状態を適切に表現する制御ルールが形
成され、現在の状態を反映した適用制御ルールで画像形
成装置本体100の制御が行われる。また各制御ルール
の偏差に応じて各制御ルールの適合度が判断され、その
状態により適した制御ルールがより重い重み付けで適用
制御ルールに反映される。したがって状態の変化に応じ
た制御ができるとともに、少ない制御ルールでもきめ細
かな制御が可能となる。
【0040】このとき、制御量に突発的外乱によるノイ
ズが混入したとしても、フィルタにより減衰する。その
うえ、目標値と制御量測定値との間の差の大きさに応じ
て、操作量の補正量に制限を与えるため、不適切な制御
ルールにより、過大な補正量が算出されたとしても、操
作量は適切に設定でき、制御が不安定となることはな
い。
【0041】つぎにこの実施例の変形例を示す。この実
施例においては、フィルタ部115を適合制御ルール生
成後、操作量の補正演算を行なう前に導入しているが
(図2のC)、フィルタ部の導入箇所はこれに限らな
い。すなわち、図2に示すように、フィルタ部は制御量
測定後、制御ルールを作成する間に導入してもよいし
(A)、制御ルール作成後、適合制御ルールを合成する
間に導入してもよい(B)。すなわち、フィルタ部の導
入箇所は、実際に本発明を用いる画像形成装置の安定性
の程度に合わせて、最も効果を発する箇所に導入すれば
よい。さらに、場合によっては、フィルタ部は用いず、
操作量補正量制限部116(D)のみを用いてもよい。
また、操作量補正量制限部116を省略してフィルタ部
115のみを適宜の箇所に用いてもよい。
【0042】[実施例2]つぎにこの発明のより詳細な
構成を示す実施例2について説明する。
【0043】この実施例は、下記の順番に説明する。
【0044】(1)画像形成装置の構成 (2)現像パッチ作成機構およびそのモニタ機構 (3)制御部の構成 (4)初期設定動作 (5)基本的な動作 (6)実施例2の効果 (7)実施例2の変形例 ここで、(4)初期設定動作までは主に本出願人が提案
している事例ベース推論を用いた画像品質制御手法の説
明であり、本発明の核となる部分は(5)基本的な動作
以降で説明する。
【0045】この実施例では、制御量はベタ濃度および
ハイライト濃度の2種類の画像濃度とし、操作量はスコ
ロトロン帯電器のグリッド電位およびレーザ光線の出力
部の出力の2種類とする場合である。
【0046】(1)画像形成装置の構成 先ず、この実施例の画像形成装置の画像出力部IOT
(イメージアウトプットターミナル)の概要を図3に示
す。なお、図3では、画像読み取り部や画像処理部は省
略している。すなわち、電子写真方式による画像出力部
IOTのみを示している。
【0047】図3を用いて画像形成手順を説明すると、
まず、画像読み取り部(図示せず)で原稿を読み取った
り、あるいは外部のコンピュータ(図示せず)などで作
成されたりして得られた原画像信号に、画像処理部(図
示せず)で適切な処理を行う。これにより得られる入力
画像信号は、レーザー出力部1に入力され、レーザー光
線Rを変調する。このようにして、入力画像信号によっ
て変調されたレーザ光線Rが、感光体2上にラスター照
射される。
【0048】一方、感光体2はスコロトロン帯電器3に
よって一様に帯電され、レーザ光線Rが照射されると、
その表面には入力画像信号に対応した静電潜像が形成さ
れる。次いで、現像器6により上記静電潜像がトナー現
像され、転写装置7によって現像トナーが用紙上に転写
され、定着装置8によって定着される。その後、感光体
2はクリーナー11によりクリーニングされ、一回の画
像形成動作が終了する。また、10は現像濃度センサで
あり、画像エリア外に形成される現像パッチ(後述)の
濃度を検出する。
【0049】(2)現像パッチ作成機構およびそのモニ
タ機構 ここで、この実施例における現像パッチおよびそのモニ
タ機構について説明する。現像パッチは、出力画像濃度
をモニタするためのものであり、図4に示すように、ベ
タ(網点カバレッジ100%)濃度パッチPA1とハイ
ライト(網点カバレッジ20%)濃度パッチPA2の二
種類を採用している。そして、これらべ夕濃度パッチP
A1、ハイライト濃度パッチPA2は、図4に示すよう
に、いずれも2〜3cm角程度の大きさに設定され、感
光体2の画像エリア外に形成されるようになっている。
すなわち、図5に示すように、画像エリア2aに潜像が
形成された後、空きエリア2bにおいてべ夕濃度パッチ
PA1とハイライト濃度パッチPA2が順次形成される
ようになっている。
【0050】また、濃度センサ10は、感光体2の表面
に光を照射するLED照射部と、感光体2の表面からの
正反射光または拡散光を受光するフォトセンサとから構
成されており、図4に示すラインL1は、現像濃度セン
サ10の検出ラインである。したがって、ベタ濃度パッ
チPA1とハイライト濃度パッチPA2は、検出ライン
L1上に形成されるようになっており、現像濃度センサ
10の近傍を順次通過する。
【0051】ここで、図6は、現像濃度センサ10の出
力信号の一例を示す図である。図示のように、まず、原
稿の画像に応じた濃度検出信号が得られ、次いで、ベタ
濃度パッチPA1とハイライト濃度パッチPA2の各濃
度検出信号が得られる。ベタ濃度パッチPA1とハイラ
イト濃度パッチPA2は、画像エリア外に形成されてい
るため、用紙に転写されることはなく、また、クリーナ
ー11の部分を通過する際に消去される。
【0052】なお、この実施例において、現像パッチの
濃度を検出しているのは、ユーザーが手にする定着画像
の濃度(最終画像濃度)と相関が高く、しかもクリーナ
ー11による除去が可能なためである。また、現像パッ
チは、画像形成時以外のタイミングであれば、画像エリ
ア内に形成してもよい。また、現像パッチとしては、他
の網点カバレッジのものを用いてもよい。
【0053】(3)制御部の構成 次に、図7は、スコロトロン帯電器3およびレーザー出
力部1を制御する制御部20の構成を示すブロック図で
ある。図において、21は濃度調整ダイアルであり、操
作者が所望の濃度に応じた値を設定する。濃度調整ダイ
アル21の設定値は、変換器22によって、現像濃度セ
ンサ10の出力に換算した値(この実施例の場合は
「0」〜「255」の間の値)に変換される。変換器2
2から出力される目標濃度は、制御量メモリ23におい
て保持される。この場合、制御量メモリ23は、許容誤
差量も記憶している。
【0054】一方、現像濃度センサ10の出力信号とメ
モリ23の出力信号とは、濃度コンパレータ24におい
て比較される。この比較においては、メモリ23が記憶
している許容誤差量が参照される。そして、現像濃度セ
ンサ10の出力信号は、制御ルール検索器30、フィル
タ33に供給される。さらに、濃度差が許容値以上であ
れば制御事例メモリ25にも供給される。
【0055】制御事例メモリ25は、制御事例を記憶す
るメモリであり、状態量(代表値)、操作量、制御量の
3種の量を一組にして記憶する。このように、制御事例
を記憶するのは、本実施例においては、過去に記憶され
た制御事例に基づいて種々の制御を行うためである。
【0056】ここで、制御事例メモリ25に記憶される
状態量とは、電子写真のプロセスに支配的な影響を及ぼ
す温度や湿度、あるいは経時的劣化量などをいうが、こ
れらの状態量がある限られた時間内ではほぼ一定とみな
せるため、この実施例の場合は、その代用として事例の
発生時刻(日付と時分秒)や形成した画像枚数を用いて
いる。発生時刻が、所定の時間単位(3分、5分あるい
は10分等の予め決めた時間単位)内にあれば、画像出
力部IOTの状態は等しいとして取り扱うようにしてい
る。これは、発生時刻が互いに近い事例同士であれば、
両者はほぼ同様な温度湿度下にあって、経時的劣化の度
合いも同じ程度であろうと期待できるためである。ま
た、発生時刻を示す時刻データは、この実施例において
は、図7に示すクロツクタイマ40から供給されるよう
になっている。また累積枚数に基づいて同じ状態かどう
かを判断することができる次に、操作量とは、被制御対
象の出力値を変化させるパラメータの調整量をいい、こ
の実施例の場合は、スコロトロン帯電器3のグリッド電
圧設定値(0〜255、以下スコロ設定値と略称する)
とレーザーバワー設定値(0〜255、以下LP設定値
と略称する)の2種である。この2つの量を操作量とし
たのは、制御しようとしている最終画像濃度がベタ濃度
部とハイライト濃度部の二点であること、および、スコ
ロ設定値とLP設定値が、ベタ濃度とハイライト濃度に
相関が高いためである。
【0057】また、スコロ設定値およびLP設定値は、
各々操作量メモリ32に記憶されており、操作量補正演
算器31の出力信号に対応した値が適宜読み出されるよ
うになっている。そして、操作量メモリ32から読み出
されたスコロ設定値はグリッド電源15に供給され、こ
れにより、グリッド電源15はスコロ設定値に応じた電
圧をスコロトロン帯電器3に印加する。また、操作量メ
モリ32から読み出されたLP設定値は、光量コントロ
ーラ16に供給され、これにより、光量コントローラ1
6はLP設定値に応じたレーザーバワーをレーザー出力
部1に与える。
【0058】次に、制御事例メモリ25に供給される制
御量は、現像濃度センサ10の出力信号であり、以上の
結果、制御メモリ25には、例えば、図8に示すような
制御事例が記憶される。この表において、例えば、クラ
スタ1の事例1は、状態量(発生時刻)が1995年1
2月1日12時0分10秒、LP設定値が「83」、ス
コロ設定値が「130」、制御量(センサ出力値)がベ
タ部分について「185」、ハイライト部分について
「23」であり、クラスタ2の事例1は、状態量199
5年12月2日9時0分5秒、LP設定値が「14
8」、スコロ設定値が「115」、制御量がベタ部につ
いて「185」、ハイライト部について「30」であ
る。後述するように、制御事例のクラスタごとに制御ル
ールが作成される。
【0059】次に、図7に示す状態量コンパレータ2
6、クラスタメモリ27および制御ルール演算器28
は、制御事例メモリ25に記憶された制御事例を参照し
て制御ルールを抽出する機能を有している。なお、これ
らのブロックの作用については、後に詳述する。
【0060】また、制御ルールメモリ29は、制御ルー
ル演算器28か算出した制御ルールを複数記憶するメモ
リであり、制御ルール検索器30から要求があると、そ
の要求に応じた制御ルールを返信する。この場合、制御
ルール検索器30は、濃度コンパレータ24から供給さ
れる濃度差および操作量メモリ32から供給される操作
量(すなわち、LP設定値、スコロ設定値)に応じた制
御ルールを、制御ルールメモリ29に要求するようにな
っている。制御ルールメモリ29は図9に示すように制
御ルールの係数(ゲイン)をストアする。先に説明した
制御事例メモリ25は、制御ルールを作成するための事
例をストアするが、最新の制御ルール以外は、基本的に
用いることがないので、事例のクラスタを作成するたび
に、以前のクラスタのデータをリセットする。
【0061】次に、操作量補正値演算器31は、フィル
タ33で減衰させた濃度差と、制御ルール検索器30に
よって検索された制御ルールから、操作量の補正値を求
める。求められた補正値は、補正量制限演算器34に入
力される。補正量制限演算器34は、フィルタ33より
出力された濃度差の大きさに応じて補正値に制限を与え
る。制限を与えられた補正量は、操作量メモリ32に供
給される。操作量の補正値(操作量自体でもよい)を求
めるのに適用される制御ルールをとくに明瞭に表したい
場合には、これを適用制御ルールと呼ぶことにする。こ
れにより、操作量メモリ32は、制限された補正値に対
応した操作量、すなわち、LP設定値およびスコロ設定
値を、グリッド電源15および光量コントローラ16に
各々供給する。
【0062】一方、基準パッチ信号発生器42は、ベタ
濃度パッチPA1とハイライト濃度パッチPA2の作成
を指示する回路であり、パッチ作成タイミングにおいて
校正用基準パッチ信号を画像出力部IOTに出力する。
これによって、図4に示すベタ濃度パッチPA1とハイ
ライト濃度パッチPA2が作成される。
【0063】この場合、基準パッチ信号発生器42の動
作タイミングは、I/O調整部41によって行われる。
I/O調整部41は、クロックタイマ40が出力するタ
イム信号を監視し、ベタ濃度パッチPA1とハイライト
濃度パッチPA2が所定位置に形成されるように、基準
パッチ信号発生器42に動作タイミング信号を供給す
る。
【0064】(4)初期設定動作 つぎに、上記構成によるこの実施例の動作について説明
する。初めに、図10を主に参照して初期設定処理(い
わゆる、機能の立ち上げ処理)について説明する。ま
ず、技術者は、制御用パラメータとして選ばれたスコロ
設定値とLP設定値を適当に設定する(S11)。そし
て、制御部20は、ベタ濃度パッチPA1とハイライト
濃度パッチPA2を作成し(S12)、それぞれの光学
濃度を現像濃度センサ10により測定し(S13)、そ
の内容を制御事例として制御事例メモリ25に記憶させ
る(S14)。この結果、制御事例メモリ25には、最
初の制御事例(制御事例1)が記憶される。
【0065】同様にして、スコロ設定値とLP設定値を
それぞれ変化させつつ、さらに2回分の制御事例を制御
事例メモリに記憶させる。すなわち、技術者は制御装置
立上げ時(状態量が等しい時間以内)に、合計して3組
の制御事例を作成して、制御事例メモリ25に記憶させ
る(S15)。
【0066】上記のようにして、初期設定時の3組の制
御事例が制御事例メモリ26に記憶されると、その記憶
内容が状態量コンパレータ26およびクラスタメモリ2
7を介して制御ルール演算器28に供給され、ここで、
制御ルールが求められる。この場合の制御ルールは、図
11に示すような制御事例平面として抽出される(S1
6)。なお図11の制御事例平面を決定するには、独立
した3組の制御事例が必要である。もちろん4以上の制
御事例を用いてもよい。この場合には、平均二乗誤差法
等を用いて、最適な制御事例平面を決定する。
【0067】図11において、P1,P2,P3は、初
期設定における3組の制御事例についてのスコロ設定値
とLP設定値の組み合わせを示す点である。ここで、点
P1,P2,P3に対応するハイライト濃度(ハイライ
ト濃度パッチの検出濃度)を示す点をH1,H2,H3
とし、同様に点P1,P2,P3に対応するべ夕濃度
(べ夕濃度パッチの検出濃度)を示す点をB1,B2,
B3とする。そして、点B1,B2,B3を通る平面を
ベタ事例平面BPとし、点H1,H2,H3を通る平面
をハイライト事例平面HPとする。ここで、状態量が変
化しない場合に、スコロ設定値とLP設定値を適宜変化
させたときに得られるべ夕濃度を示す点は、すべてベタ
事例平面BP内に収まることになる。また、同様にし
て、状態量が変化しない場合に、スコロ設定値とLP設
定値を適宜変化させたときに得られるハイライト濃度を
示す点は、全てハイライト事例平面HP内に収まる。こ
のように、ベタ事例平面BPおよびハイライト事例平面
HPは、状態量が変化しない場合の全ての事例を示して
いることになり、言い換えれば、これらの平面がイニシ
ャル時のベタ濃度とハイライト濃度に関する制御ルール
を示すことになる。以上の処理により、本実施例におけ
る初期設定処理が終了する。
【0068】このようにして得られた制御ルールを用い
ると所定の目標濃度についてスコロ設定値およびLP設
定値を一意に決定できる。すなわち、ユーザからの所望
の濃度指示値が入力されると、指示値に応じベタ濃度
(ベタ目標濃度)およびハイライト濃度(ハイライト目
標濃度)が計算される。図12に示すように、ベタ事例
平面BPおよびハイライト事例平面HPに、ベタ目標濃
度をとる平面(ベタ目標濃度平面BTP)およびハイラ
イト目標濃度をとる平面(ハイライト目標濃度平面HT
P)をそれぞれ重ねる。ベタ事例平面BPおよびベタ目
標平面BTPの交線BTLは、ベタ濃度に関する制御ル
ールを満たし、かつベタ目標濃度をとる点の集合であ
る。また、ハイライト事例平面HPおよびハイライト目
標濃度平面HTPの交線HTLは、ハイライト濃度に関
する制御ルールを満たし、かつハイライト目標濃度をと
る点の集合である。そして交線BTLおよびHTLの双
方をともに満たすスコロ設定値およびLP設定値の組を
求める。このスコロ設定値およびLP設定値の組は、ス
コロ設定値の座標軸およびLP設定値の座標軸が形成す
る平面への交線BTLおよびHTLの射影の交点であ
る。
【0069】数式を用いて示せば、つぎのようになる。
ベタ濃度に関する制御ルールおよびハイライト濃度に関
する制御ルールはそれぞれ
【0070】
【数1】D100=a1・LP+a2・SC+a3 D20 =b1・LP+b2・SC+b3 となる。ここでD100はベタ濃度、D20はハイライ
ト濃度、LPはLP設定値、SCはスコロ設定値であ
る。またa1,a2,a3,b1,b2,b3は係数で
ある。この式をスコロ設定値SCおよびLP設定値LP
について解くと、
【0071】
【数2】SC=(b1・D100−a1・D20−a3
・b1+a1・b3)/(a2・b1−a1・b2) LP=(b2・D100−a2・D20−a3・b2+
a2・b3)/(a1・b2−a2・b1) を得る。この式のD100およびD20にベタ目標濃度
およびハイライト目標濃度を代入すれば、LPおよびS
Cが決定する。
【0072】制御ルールは係数a1,a2,a3,b
1,b2,b3により、また係数a1,a2,b1,b
2により表すことができる。
【0073】(5)基本的な動作 つぎに初期設定後の動作について説明する。初期設定後
の動作は、図13に示すように、画像形成動作(S22
およびS23)と適用ルールの適合化動作(S24)と
からなる。画像形成動作は通常の電子写真方式の画像形
成動作である。適用ルールの適合化動作は、画像濃度を
制御する際に適用するルールを適合化する動作である。
適合化動作は、パッチ画像を形成し、その画像濃度を測
定して行うことができる。詳細は後に説明する。実施例
2では、主たる画像と同時にパッチの画像を形成するこ
とができるので(図5)、適合化を行うタイミングで
は、主たる画像のほかにパッチの画像を形成する(S2
1、S22)。適合化を行うタイミングは任意に設定で
き、たとえば主たる画像を所定枚数形成するたびに行う
ようにできる。1枚形成するたびに行ってもよく、10
枚ごとに行ってもよい。または所定の時間経過後に行う
ようにしたり、所定のイベントの発生に応じて行うよう
にもできる。
【0074】主画像の形成動作(S22)は図14に示
すように行われる。まず電源投入直後かどうかが判断さ
れる(S31)。電源投入時には、測定したベタ濃度お
よびハイライト濃度がないので、セットアップ用のベタ
濃度パッチおよびハイライト濃度パッチを形成する。こ
のときのスコロ設定値およびLP設定値は前回の(電源
オフ直前の)値を用いてもよいし、デフォルト値を用い
てもよい。形成したベタ濃度パッチおよびハイライト濃
度パッチの濃度をセンサで測定する(S33)。
【0075】つぎに濃度目標値に対応するベタ濃度およ
びハイライト濃度を算出し(S34)、直前に測定した
ベタ濃度およびハイライト濃度からΔLP’(最終的な
LP補正量)およびΔSC’(最終的なSC補正量)を
算出する(S35)。具体的な算出法は後述する。この
ΔLP’およびΔSC’を現在のLP設定値LPおよび
スコロ設定値SCから引いて、新たなLP設定値および
スコロ設定値とする(S36)。そしてこの新たなLP
設定値およびスコロ設定値で主画像の潜像を形成し、こ
の潜像をトナーで現像する(S37、S38)。
【0076】セットアップ時でなければ(S31:n
o)、現在設定されているLP設定値およびスコロ設定
値で主画像の潜像を形成し、この潜像をトナーで現像す
る(S37、S38)。
【0077】以下に、ΔLP’およびΔSC’の具体的
算出手順を示す(図15)。
【0078】まず、制御ルールと、濃度差より、ΔLP
およびΔSCを決定する(S41)。
【0079】現在の状態に適用されている制御ルールa
1,a2,b1,b2と、補正量との関係は、
【0080】
【数3】ΔD100’=a1・ΔLP+a2・ΔSC ΔD20’ =b1・ΔLP+b2・ΔSC ただしΔD100’はベタ濃度と目標ベタ濃度との差分
(色差換算値)ΔD100に対し、以下の式により計算
させるフィルタ減衰値である。
【0081】
【数4】ΔD100’=k1・((ΔD100)2/
(ΔD100+k2)2)1/2 ただし、k1,k2は定数。本実施例では、k1=2
0,k2=432とした。フィルタの入出力特性を図1
6に示す。図16から分かるように、このフィルタ特性
は、色差20に漸近する形となっている。これは、本実
施例にもちいた画像形成装置の濃度変動幅が、急激な環
境変動等により、最大で色差20程度変わると想定され
ているためである。従って、色差20以上の変動が生じ
た場合には、外乱等によるノイズと判断し、補正のため
の差分は、色差20以下となるようにしている。
【0082】同じくΔD20’は、ハイライト濃度と目
標ハイライト濃度との差分(色差換算値)ΔD20に対
し、以下の式により計算させるフィルタ減衰値である。
【0083】
【数5】ΔD20’=k1・((ΔD20)2/(ΔD
20+k2)2)1/2 ただし、k1,k2は上記定数。
【0084】ΔLPは事例のLP設定値と次回のLP設
定値との差分、ΔSCは事例のスコロ設定値と次回のス
コロ設定値との差分である。この式をスコロ設定値の差
分ΔSCおよびLP設定値の差分ΔLPについて解い
て、
【0085】
【数6】ΔSC=(b1・ΔD100’−a1・ΔD2
0’)/(a2・b1−a1・b2) ΔLP=(b2・ΔD100’−a2・ΔD20’)/
(a1・b2−a2・b1) を得る。この式にΔD100’およびΔD20’を代入
してΔLPおよびΔSCを決定する。
【0086】次に、補正量制限演算器34で算出される
制限量(絶対値)Δmaxを計算する(S42)。Δm
axは、
【0087】
【数7】 ただし、k3,k4,k5は定数。本実施例では、k3
=0.71,k4=2.9,k5=100とした。ま
た、ΔDは、ΔD100’,ΔD20’の内で絶対値の
大きな方である。
【0088】色差に対する制限量の関係を図17に示
す。図17に示す特性は、本実施例を適用する画像形成
装置において、色差20相当の濃度差を補正するのに操
作量は、100振ればよい。従って、制限量の最大値は
100とした。また、LPとスコロの2組の操作量を用
いてベタ及びハイライト2組の制御量を制御するので、
色差10のとき、2倍の補正量を可能としている。さら
に、色差3以下では、補正量の制限も、色差相当として
いる。
【0089】この制限量と、先のΔLPおよびΔSCの
絶対値が大きな方とを比較する。比較した結果、制限量
の方が補正量より大きな場合(S43:yes)は、補
正量ΔLPおよびΔSCをそのままΔLP’ΔSC’に
適用する(S44)。
【0090】比較した結果、補正量の方が制限量より大
きな場合(S43:no)には、以下に示すような制限
を与える。ここでは説明のため、|ΔLP|が|ΔSC
|より大きく、かつ|ΔLP|がΔmaxより大きい場
合を例に説明する(図18)。図18は、現在の設定値
と、図12におけるベタ目標実現ラインBTL、ハイラ
イト目標実現ラインHTLと、それらより求まる補正量
と、補正量制限値の関係をLP設定値軸、スコロ設定値
軸で作られる平面上に射影したものである。
【0091】先述したように、|ΔLP|>Δmaxな
ため、ΔLPの制限後の補正量ΔLP’は、(S45)
【0092】
【数8】 となる。
【0093】ΔLPの制限に合わせてΔSCも計算し直
す(S46)。先述した式から、ΔLP=ΔLP’とし
た場合、ベタ濃度を目標値に合わせるためには、スコロ
設定値ΔSC100は、
【0094】
【数9】 ΔD100’=a1・ΔLP’+a2・ΔSC100 より、
【0095】
【数10】ΔSC100=(ΔD100’−a1・ΔL
P’)/a2 同じく、ハイライト濃度を目標値に合わせるためには、
スコロ設定値ΔSC20は、
【0096】
【数11】 ΔD20’=b1・ΔLP’+b2・ΔSC20 より、
【0097】
【数12】 ΔSC20=(ΔD20’−b1・ΔLP’)/b2 図18からも明らかなように、ΔSC100とΔSC2
0は異なる。従って、ベタとハイライト濃度を同時に目
標濃度を達成することは、不可能である。
【0098】本実施例では、このため、ベタとハイライ
ト濃度の誤差に重み付を行ない、ΔSCmeanを求める
(S47)。すなわち、ベタとハイライト濃度の誤差
が、3:1の割合となる点を求め、その点をΔSCmean
とする。ハイライト濃度の誤差をより小さくした理由
は、色差に対する人間の目の特性が、ベタに比べハイラ
イトのほうがより感度が高い為である。式で示すと、
【0099】
【数13】 ΔSCmean=ΔSC20+(ΔSC100−ΔSC2
0)/4 さらに、求められた、ΔSCmeanの絶対値と先の制限量
Δmaxとを比較する(S48)。|ΔSCmean|<Δ
maxの場合には、ΔSCmeanをそのまま補正量ΔS
C’に適用し、ΔSC’=ΔSCmeanとする。|ΔSC
mean|>Δmaxの場合には、以下に示すような制限を
与える。
【0100】
【数14】 以上により、ΔLP’,ΔSC’が決定できる。
【0101】主画像およびパッチ画像の形成動作(S2
3)を図19に示す。この動作は図13とほぼ同様であ
り、対応するステップに対応する番号を付して詳細な説
明は省略する。要するに、主画像およびパッチ画像を形
成する動作(S23)では、ステップS39において主
画像のほかにパッチ画像の潜像を形成するようにし,パ
ッチ画像作成後、次回プリント時の操作量を設定し直す
(S40)。
【0102】適用ルールの適合化の動作は、図20に示
すように、現在の状態に対応する最新の制御ルールを修
正する、最新制御ルール修正動作(S57)と、状態が
遷移したあとに、新たな状態に対応する新たな制御ルー
ルを生成する、制御ルール作成動作(S52)と、現在
保持されている1つまたは複数の制御ルールから最適な
制御ルールを合成する適用ルール合成動作(S58)と
からなっている。
【0103】図20において、まず、画像形成装置本体
の状態が遷移したかどうかを判別する(S51)。画像
生成装置本体の状態が遷移したかどうかは、画像形成の
時刻および累積画像枚数に基づいて判別する。所定の時
間が経過しているときや、所定の枚数の画像を形成した
後には、画像形成装置本体の状態が遷移している蓋然性
が高く、このような代用値を用いることができる。この
判別は、画像形成装置本体の具体的な状態量たとえば温
度、湿度等に基づいて決定してもよく、また状態量の他
の代用値を用いてもよい。
【0104】状態が遷移しているときにはルール作成動
作(ストアしている事例データ等)を初期化する(S5
1、S52)。ルール作成ステップS54においては、
状態遷移後の事例のデータをストアし、新たな状態の制
御ルールを生成するのに十分な数の事例のデータがスト
アされたら、新たな制御ルールを生成する。制御ルール
が生成された場合には、ルール作成動作を終了し、制御
ルール作成モードをリセットする(S55、S56)。
状態が遷移していない場合には、今の動作が制御ルール
作成モードかどうかを判別する(S53)。今の動作が
制御ルール作成モードのときには、制御ルール作成動作
を行う(S54)。今の動作がルール作成モードでない
ときには、すなわち、状態が遷移した後、その状態に対
応する新たな制御ルールがすでに生成されているときに
は、その制御ルールを修正する動作を行う(ステップS
57)。
【0105】以上の動作により、状態が遷移するたび
に、制御ルール作成が初期化され、その状態の継続中に
十分な数の事例がストアされると制御ルールが生成され
る。したがって、通常複数の制御ルールが用意されるこ
とになる。制御ルールの最大個数を予め決めておき、最
大個数の制御ルールが用意された後には、所定のルール
で制御ルールを更新していってもよい。
【0106】適用ルール合成の動作(S58)は、現在
の状態と各制御ルールとの適合度を算出し、この適合度
に応じて各制御ルールを重み付けし、組み合わせ、以降
の画像形成に適用する適用ルールを合成するものであ
る。適合度は、たとえば、直前に形成されたパッチの濃
度と、その形成時のスコロ設定値およびLP設定値を各
制御ルールに当てはめたときの濃度との間の偏差が、小
さいほど大きくなるように選ぶことができる。
【0107】たとえば、制御ルールRi(iは正の整
数)のベタ濃度の偏差をE100,i、ハイライト濃度
の偏差をE20,iとすると、ベタ濃度の適合度w10
0,iおよびハイライト濃度の適合度w20,iは、
【0108】
【数15】 w100,i=(1/E100,i)/(Σ(1/E100,j)) w20,i=(1/E20,i)/(Σ(1/E20,j)) (ただしΣはjについての総和を意味する。)となり、
全体の適合度wiはwi=w100,i×w20,iと
なる。適合度wiの総和を求め、各制御ルールの適合度
をこの総和で割って、正規化した適合度Wiを求める。
【0109】図21は、クラスタAおよびクラスタBの
ベタ事例平面についての適合度w100,iを計算する
例を示す。図において、現在のスコロ設定値およびLP
設定値がそれぞれSC、LPのときの実際のベタパッチ
濃度がB0とする。またこのときのクラスタAのベタ事
例平面のベタパッチ濃度がB1とし、クラスタBのベタ
事例平面のベタパッチ濃度がB2とする。そうすると、
偏差E100,1およびE100,2はそれぞれ|B0
−B1|および|B0−B2|となる。クラスタが現在
2つしかないとすると、w100,1=(1/|B0−
B1|)/(1/|B0−B1|+1/|B0−B2
|)となり、またw100,2=(1/|B0−B2
|)/(1/|B0−B1|+1/|B0−B2|)と
なる。同様に、ハイライト濃度の適合度w100,1お
よびw100,2を求め、総合的な適合度w1およびw
2を得る。この適合度w1およびw2は総和(w1+w
2)で割られて正規化された適合度W1およびW2とな
る。
【0110】このように、この実施例では、状態が遷移
するたびに、その状態に適した新たな制御ルールを生成
する動作が開始され、十分な事例が準備されると、新た
な制御ルールが生成される。したがって、出荷前に様々
なデータを取り様々な状況に適切に対処するようにする
必要がなく、大幅なコスト削減が可能になる。また、種
々の制御ルールを時事刻々と変化する状況に対する適合
度に基づいて合成するようにしているので、少ない制御
ルールでも種々の状況に適切に対処することができる。
この場合、例えば典型的な状態に対応する制御ルールを
予め出荷前に組み込んでおけば、種々の状態に即座に対
応することができる。制御ルールの記憶管理において、
これら典型的な制御ルールを更新不能にしておけば、新
たな制御ルールを登録するときにこのような典型的な制
御ルールを消去しないで済む。
【0111】(6)実施例2の効果 上述実施例では、目標値と実測したベタ、ハイライト濃
度との濃度差算出の際に、フィルタ手段により濃度差を
減衰している。これにより、濃度センサの故障や、パッ
チ画像に欠陥が生じる等の、突発的な外乱によるノイズ
が制御量に混入した場合においても、算出される補正量
は、予想される最大色差以下となり、過大な補正を行な
うことはなくなる。
【0112】さらに、操作量補正量に対し、濃度差の大
きさに応じて制限を与えることにより、学習により仮に
不適切なルールが生成された場合においても、操作量の
設定値は濃度差の大きさに応じて適切に設定される。
【0113】以上のことから、事例ベース推論を用いた
画像形成装置において、突発的な外乱により、検知した
制御量にノイズが混入したり、学習により不適切なルー
ルが生成された場合においても、画像品質の制御が安定
に行なえるという効果を奏する。
【0114】(7)実施例2の変形例 上述した実施例2においては、以下に述べるような種々
の変形が可能である。 (a)前述した実施例は、画像出力部IOTが、単色の
レーザープリンタの例であったが、本発明の適用は、こ
れに限定されるものではなく、多色レーザープリンタで
あっても、あるいはアナログ方式の複写機であっても、
全く同様の効果を発揮することができる。 (b)実施例において用いたセンサは単なる一例であ
り、本発明の効果を得るためには、現像パッチの濃度が
正しく測定できるセンサであれば、どのような方式のも
のでも構わない。また、モニタする対象も、最終画像濃
度と相関が高いものであれば、どのようなものでも良
く、例えば、現像像、転写像、定着像のどれをモニタし
ても、ユーザが手にする最終画像濃度と対応づけられれ
ば良い。 (c)また、実施例では、現像パッチの濃度としてベタ
(網点カバレッジ100%)濃度パッチとハイライト
(網点カバレッジ20%)濃度パッチの二種類を採用し
たが、これも、この二種類に限定されることなく、たと
えば、網点カバレッジ50%に対応する濃度のみを制御
対象としても良いし、さらに多くの種類のパッチを用い
て、より多くの階調ポイントを制御しても良い。ただ
し、各階調ポイントをそれぞれ独立に制御したい場合
は、制御用パラメータの種類を階調ポイント数に見合っ
た数だけ用意する必要がある。 (d)実施例では、制御量として現像パッチ濃度を用い
たが、本発明の効果を得るためには、現像パッチ濃度以
外の物理量を制御量に用いてもよい。例えば、用紙上に
転写された転写像を用いてもよいし、あるいは、定着後
の最終画像濃度を用いてもよい。これらの場合、パッチ
画像を作成する用紙を、専用のものではなく、例え
ば、、通常の画像出力(ユーザーが必要な絵柄をプリン
トしたり複写したりする画像出力)とは別に、画像形成
装置の状態や出力文書の名称やエラー情報等々のメッセ
ージを伝えるために出力するバナーシートの一部に、パ
ッチ画像を作成するようにすればなお良い。もちろん、
専用のシートに作成してもよい。 (e)実施例では現像バイアス設定値を固定値とした
が、例えばレーザーパワー設定値を固定し、スコロトロ
ン帯電器のグリッド電圧設定値と現像バイアスとを制御
パラメータとして採用することもできる。これは現像バ
イアスもベタ濃度とハイライト濃度に高い相関をもって
いるためである。したがって、別の組合せとして、スコ
ロトロン帯電器のグリッド電圧設定値を固定し、レーザ
ーパワー設定値と現像バイアスとを制御パラメータとし
て採用することもできる。
【0115】あるいはまた、レーザーパワー設定値、現
像バイアス設定値、およびスコロトロン帯電器のグリッ
ド電圧設定値の三つを使って三つの階調ポイントを制御
することも可能である。すなわち、例えば、網点カバレ
ッジが100%、50%、20%というようにである。 (f)なお、現像パッチの作成とそのセンシングは、従
来技術で行われているパッチ作成および検出と全く同じ
要領で良く、本発明を構成する上での特別な制約は一切
ない。すなわち、従来行われている例のように、画像形
成するたびに毎回パッチを作成しても良いし、一連のジ
ョブの前のみ、あるいは後のみにパッチを作成しても良
い。あるいは、一定の枚数ごと、一定の時間ごとにパッ
チを作成しても良い。
【0116】一般的にパッチ作成とその検出は、頻度が
高いほど精度良く画像濃度の再現状態を把握できるとい
う長所があるが、その分だけトナーを消耗するなどの短
所ももっているため、その画像形成装置の仕様や目的に
合わせて、最適なパッチ作成頻度を採用すれば良い。 (g)なお、本実施例では2成分現像方式を用いる場合
を前提にして説明を行った。この場合、現像剤における
トナー濃度、すなわちトナーとキャリアの混合割合が現
像濃度に関わるが、これについてはトナー供給量を、出
力すべき画像のピクセル数に比例させる方式で、別途、
概略一定のトナー濃度に制御している。あるいは他の方
法としては、従来から一般的に用いられている市販の磁
性方式のセンサや光学方式によるセンサでモニタするこ
とで、概略一定のトナー濃度に制御しても良い。
【0117】また、本実施例では、トナー濃度を積極的
に可変制御して、画像濃度を所望の値に制御するわけで
はないため、概略一定のトナー濃度に保たれていれば十
分である。これは、多少のトナー濃度の変動があって
も、上述の制御パラメータ(スコロ設定値、LP設定
値)の設定により吸収できてしまうからである。
【0118】これに対して、一成分現像方式を用いるの
であれは、トナー濃度は常に100%であるため、直接
には画像濃度に影響しないので、現像剤の空検知等の従
来トナー量管理が十分である。 (h)実施例においては、画像濃度を制御対象にした
が、これに代えて、例えば、線幅、鮮鋭度、階調などを
制御対象にしてもよい。 (i)本実施例では、フィルタ手段のフィルタ特性は、
本実施例を適用した画像形成装置における、環境変化等
により予測される、最大誤差(色差換算値)に、漸近す
る形状のものとした。この係数は、一例であり、本発明
を使用する画像形成装置の特性に応じて係数を変更して
もよい。
【0119】あるいは、フィルタ特性そのものも、本実
施例に示したものに限定される必要はなく、過大な誤差
に対し、減衰する特性を持たせたものであれは、どのよ
うなフィルタでも構わない。
【0120】例えば、図22に示すように、予想される
最大色差までは、線形に変化し、それ以上は、最大色差
となるような特性のものでも良い。あるいは、また、図
23に示すように、予想される最大色差までは、線形に
変化し、それ以上は異常値と見なして、誤差0とする特
性のものを用いてもよい。 (j)本実施例に用いた、補正量の制限手段の算出式
は、一例であり、これらの係数は、実施例に示した値に
限定されるものではない。あるいは、限定量の算出式そ
のものも、実施例の式に限定されるものではなく、目標
値と実測した濃度との誤差の大きさに応じて、補正量に
制限が加えられるものであれば良い。
【0121】例えば、図24に示すように単純に直線と
なるものを用いてもよい。あるいは、図25に示すよう
に誤差が許容される範囲内の場合には、補正量を0とし
許容範囲以上の誤差の場合に補正を加えることとしても
よい。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、事例ベース推論を用いた画像形成装置において、機
械学習により制御ルールを生成する際、不適切な制御ル
ールが生成/使用される場合においても、目標値と検知
した制御量との誤差をフィルタで減衰させて操作量補正
量を算出し、さらに、誤差の大きさに応じて補正量に制
限を加えることにより、画像品質の制御が安定に行なえ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の原理的な構成を具現化した実施例
1を示すブロック図である。
【図2】 上述実施例1のフィルタ手段導入箇所の変形
例を示す図である。
【図3】 この発明を電子写真方式の画像形成装置に適
用した実施例2の画像出力部IOTの構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】 上述実施例2の濃度検出用のパッチの生成を
説明する図である。
【図5】 上述実施例2のパッチおよび入力信号の画像
の形成タイミングを説明する図である。
【図6】 上述実施例2において形成された画像の濃度
を説明する図である。
【図7】 上述実施例2の制御部20の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】 図7の制御事例メモリ25に記憶される事例
データを説明する図である。
【図9】 図7の制御ルールメモリ29に記憶される制
御ルールを説明する図である。
【図10】 上述実施例2の初期設定時の動作を説明す
るフローチャートである。
【図11】 図10の動作を説明するための図である。
【図12】 図10の動作を説明するための図である。
【図13】 上述実施例2の初期設定後の基本的な動作
を説明するフローチャートである。
【図14】 図13の主画像の形成の処理を説明するフ
ローチャートである。
【図15】 図14の補正量演算の処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図16】 上述実施例2のフィルタ33のフィルタ特
性を示す図である。
【図17】 上述実施例2の色差に対する制限量の関係
を示す図である。
【図18】 上述実施例2の補正量の制限方法の説明図
である。
【図19】 図13の主画像およびパッチ画像の形成の
処理を説明するフローチャートである。
【図20】 図13の適用制御ルールの適合化の処理を
説明するフローチャートである。
【図21】 図20の動作を説明するための図である。
【図22】 上述実施例2のフィルタ33のフィルタ特
性の変形例を示す図である。
【図23】 上述実施例2のフィルタ33のフィルタ特
性の別の変形例を示す図である。
【図24】 上述実施例2の色差に対する制限量の関係
の変形例を示す図である。
【図25】 上述実施例2の色差に対する制限量の関係
の別の変形例を示す図である。
【符号の説明】
100 画像形成装置本体 101 操作部 102 制御量測定部 103 制御部 105 制御ルール記憶部 106 制御ルール偏差算出部 107 制御ルール選択部 108 適用制御ルール出力部 109 操作量補正部 110 目標値設定部 111 エラー検出部 112 状態遷移検出部 113 制御ルール作成部 114 記憶制御部 115 フィルタ 116 操作量補正量制限部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像品質に関する制御量が、目標値にな
    るように操作量を制御する画像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記操作量の設定値を切替える手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 操作量と制御量との対応関係から制御ルールを作成する
    手段と、 上記制御ルールに従って、上記目標値および上記制御量
    の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の補正量を算
    出する補正量算出手段と、 上記目標値および上記制御量の測定値の間の誤差の大き
    さに応じて、上記操作量の補正量を調整する補正量調整
    手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 上記補正量調整手段は、上記目標値およ
    び上記制御量の測定値の間の誤差を、上記誤差が所定の
    最大誤差を越えないように減衰させて上記補正量算出手
    段に入力するフィルタ手段を含む請求項1記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 上記補正量調整手段は、上記補正量算出
    手段により算出される上記操作量の補正量に基づいて、
    所定の最大補正量を越えないように制限された制限付き
    補正量を決定する補正量制限手段を含み、上記制限付き
    補正量により新たな操作量を決定する請求項1または2
    記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 上記最大補正量は上記誤差の大きさに応
    じて決定される請求項3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 画像品質に関する制御量が、目標値にな
    るように操作量を制御する画像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記操作量の設定値を切替える手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 操作量と制御量との対応関係から制御ルールを作成する
    手段と、 上記制御ルールに従って、上記目標値および上記制御量
    の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の補正量を算
    出する補正量算出手段と、 上記制御ルールを作成するときに上記制御量の測定値の
    変動を減衰させる手段とを有することを特徴とする画像
    形成装置。
  6. 【請求項6】 画像品質に関する制御量が、目標値にな
    るように操作量を制御する画像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記操作量の設定値を切替える手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 制御ルールを記憶する手段と、 操作量と制御量との対応関係から新たな制御ルールを作
    成する手段と、 新たな制御ルールを用いて適合化した制御ルールを生成
    する手段と、 上記適合化した制御ルールに従って、上記目標値および
    上記制御量の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の
    補正量を算出する補正量算出手段と、 上記新たな制御ルールを作成するときに上記制御量の測
    定値の変動を減衰させる手段とを有することを特徴とす
    る画像形成装置。
  7. 【請求項7】 画像品質に関する制御量が、目標値にな
    るように操作量を制御する画像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記操作量の設定値を切替える手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 操作量と制御量との対応関係から制御ルールを作成する
    手段と、 上記制御ルールに従って、上記目標値および上記制御量
    の測定値の間の誤差に応じて、上記操作量の補正量を算
    出する補正量算出手段と、 上記目標値および上記制御量の測定値の間の誤差の信号
    を上記操作量の操作部に伝達するパスに挿入された減衰
    要素とを有することを特徴とする画像形成装置。
JP8309068A 1996-11-20 1996-11-20 画像形成装置 Pending JPH10148978A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014051057A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Brother Ind Ltd 制御装置、および、プログラム
US9538042B2 (en) 2012-09-07 2017-01-03 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image processing device calibrating value related to halftone process for determining dot formation state

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