JPH08278802A - システム制御装置 - Google Patents

システム制御装置

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JPH08278802A
JPH08278802A JP7081196A JP8119695A JPH08278802A JP H08278802 A JPH08278802 A JP H08278802A JP 7081196 A JP7081196 A JP 7081196A JP 8119695 A JP8119695 A JP 8119695A JP H08278802 A JPH08278802 A JP H08278802A
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JP
Japan
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control
case
density
rule
memory
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JP7081196A
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English (en)
Inventor
Kunio Yamada
邦夫 山田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
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Priority to US08/627,074 priority patent/US5822204A/en
Publication of JPH08278802A publication Critical patent/JPH08278802A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B13/00Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
    • G05B13/0265Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric the criterion being a learning criterion

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 複数の制御項目をバランス良く制御し、二次
障害を防止する。 【構成】 所定の制御ルールに基づき、制御量を各々の
目標値になるように制御するシステム制御装置におい
て、各操作量ごとの最適化ルールを記憶する最適化ルー
ル記憶手段、前記各操作量の値の組み合わせであって、
各制御量を各目標値に制御し得るものを検出する第1の
検出手段、第1の検出手段によって検出された組み合わ
せのうち、最適化ルールにおける満足度が最大になるも
のを検出する第2の検出手段、及び第2の検出手段によ
って検出された各操作量の値を用いて制御を行う制御手
段を具備し、各操作量が前記各制御量の数より多く設定
される。また、ファジーメンバーシップ関数によって最
適化ルールを定義する。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、複数の項目についての制御を、
二次障害を生じることなく、バランス良く行うことがで
きるシステム制御装置に関する。
【従来の技術】
【0002】従来より、システム制御を目的としてさま
ざまな方法が広く用いられている。そして、そのほとん
どが、制御対象となる出力項目(出力特性値)を特定
し、その項目だけが目標値になるように制御している。
【0003】ところで、モータなどでは回転速度など単
一の特性値のみを制御対象とすれば充分に満足できる場
合が多いが、画像形成装置などでは、出力される画像に
対してさまざまな画質要因を制御しなければ満足な結果
は得られない。
【0004】このように、出力項目が多岐にわたるシス
テムを従来技術を用いて制御しようとすると、何通りも
の制御を並行して行わなければならないなど不都合が生
じた。
【0005】例えば、複写機のような画像形成装置で
は、要求される出力特性として、画像濃度は良好な値に
維持し、カブリ(白地部の画像汚れ)は極力少なくした
いという場合が多い。しかし、濃度を充分に高く設定す
るとカブリが出やすく、一方、カブリを抑えるように設
定すると濃度が低くなってしまう。したがって、従来の
制御方法によれば、濃度とカブリとを独立して制御でき
る制御装置が必要になり、例えば、次のような装置が用
いられた。まず、基準濃度パッチを感光体上に形成し、
その濃度を検出してトナー濃度にフィードバックをかけ
る。すなわち、基準濃度パッチの検出濃度に応じて、現
像剤中のトナーとキャリアの混合比を変化させて、トナ
ー供給量を調整する。一方、カブリについては、非画像
部の付着トナー量をセンシングして、クリーニング電位
にフィードバックする。すなわち、付着トナー量に応じ
て帯電器の設定電圧を増減させる。このように、従来装
置にあっては、制御項目毎に個別の方法を用い、それら
を複合的に組み合わせて制御を行っていた。
【0006】しかし、制御対象となる出力項目の種類が
増えてくると、個々の項目を個別に制御することが不可
能になってくる。これは、装置の複雑化や、高コスト化
という理由のみではなく、複数の制御が競合することに
よって干渉が生じ、制御不能となってしまう事態が発生
するからである。すなわち、項目Aの出力特性を最適に
するための設定と、項目Bの出力特性を最適にするため
の設定が矛盾する場合が生じてくるのである。
【0007】また、いくつかの主要な特性値だけに限定
した最適設定を行った場合、それ以外の思わぬ特性値が
犠牲になることがある。特に、上述したような画像形成
装置の場合は、濃度やカブリの状態のみに着目して最適
に制御した結果、それ以外のさまざまな画質欠陥が発生
してしまうことがある。例えば、濃度が高くなり過ぎた
状態を改善するために、トナー濃度を下げた結果、現像
剤中のスキャペンジングが起こり、出力された画像にブ
ラシマークと呼ばれる引っかきキズ状の欠陥が発生する
などといった問題が生じてしまう。また、主要特性値だ
けに限定した最適設定を行った場合には、設定値自体が
異常なものとなり、駆動電源などの制御構成部品やシス
テムそのものを酷使し、装置寿命が短くなってしまうこ
ともある。
【0008】そこで、従来技術では、各設定値にウイン
ドやリミッタを設け、これを超えて無理な設定値が行わ
れないようにするのが普通である。しかし、もともとウ
インドやリミッタを超えるような設定をしなければ、制
御対象の特性値を目標値にはできないわけであるから、
制御としては不十分なものとなってしまう。さらに、設
定値がリミットいっぱいに張り付いてるような状態が長
期間続くと、たとえリミット以内と言えども、装置の寿
命などに悪影響がでてくる。これは設計時に、できるだ
け制御特性を高めたいために、ウインドやリミッタの設
定をできるだけ広めにとるためである。逆に寿命を確保
したければ、ウインドやリミッタの設定を狭めなければ
ならず、その場合は、ますます制御性能が不十分なもの
となってしまう。
【0009】ここで、新しい認識推論技術として、過去
の事例に基づく推論方法(CaseBased Rea
soning=CBR)が提案されている(例えば、特
開平5−150989)。この方法では、専門家が経験
的に得たルールのみに依存することがないため、エキス
パートシステムの問題点が解消されており、また、制御
対象の動作メカニズムについての深い理解も必要ないた
め、モデルベース推論の問題点も解消されている。そし
て、これを更に改良して制御装置にも適用できるように
した新しい技術が開発されている(特願平6−2175
72,特願平6−218824)。
【0010】この技術を用いた装置は、被制御システム
に関するさまざまな知識を動員して最適な設計を行った
り、事前の実験データ収集などを通して最適に調整しな
ければならないといったことがなく、被制御システムは
ブラックボックスのまま設計でき、制御装置自体が制御
動作を行いつつ、その制御の内容を制御事例として採取
し、制御ルールを自動抽出して、目標のシステム出力が
得られるというものである。したがって、技術者は被制
御システムに関する事前のデータ採取や解析作業などか
ら解放され、その装置は市場に出荷されてからの使用環
境や経時的な劣化の影響やユーザの部品交換によるシス
テムの状態変化等に対しても適応することができる。す
なわち、上記装置は、被制御システムの任意のシステム
ゲインの変動に対して、自動的に追従できるという優れ
た能力を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
制御事例に基づく装置においては、優れた性能を有する
反面、予想のつかない2次障害が生じることがあった。
この点について以下に説明する。まず、従来技術で5種
類の出力項目を制御する場合は、技術者によって固定的
に設定された制御ルールに基づいて各項目別の制御が行
われるが、そのうちの一種類でも設定リミットを超える
と、それ以上の制御は実行されなくなる(このような場
合は、ユーザーへのウォーニングを出す等の処理をして
いた)。一方、制御事例に基づく方式によれば、着目し
ている制御項目に対しては、より適切な制御ルールが新
たに抽出されるので、リミット内の設定でも5種類の出
力項目の全てについて目標値を達成できる。しかし、こ
の新技術においては、着目していない出力項目に対して
は、特性を劣化させるという問題が生じることがあっ
た。すなわち、上述の例で言えば、5種類の出力項目の
全てについては、それぞれの設定値はリミット内に収ま
っているものの、これらの相乗効果によって、着目して
いなかった別の出力特性値に障害が生じる可能性が出て
くることがあった。
【0012】例えば、画像形成装置において、最大濃
度、カブリおよび階調のリニア性の3種類の画質特性を
制御対象として制御を実行したところ、従来以上に広い
環境条件の下で、所望の最大濃度、カブリ抑制および階
調のリニアリティが実現できたが、これらを実現するた
めの操作量設定値の組み合わせが、例えば、トレールエ
ッヂディレッション(画像の後端部欠陥)などの二次障
害を発生させてしまうことがあった。このような場合、
従来技術であれば、制御に使用する制御ルールは事前に
技術者が設定するのであるから、これを予め解析し、技
術者の経験や知識などを加味して、リミッタをより安全
サイドに設定することができる。すなわち、これによっ
て二次障害を低下させることができる。ただし、この際
には、より狭いウインド設定や厳しいリミットを課すこ
とになるため、制御能力の低下は避けられない。
【0013】一方、制御事例に基づく制御方式では、制
御ルールは実際の制御動作を通じて獲得していくため、
制御ルールについての事前の解析ができない。また、技
術者の経験や知識を盛り込む手段を持っていないため、
従来のようにウインドやリミッタの最適化を行うことが
できない。以上のように、制御事例に基づく方式では、
二次障害を防止するための手段が確立しておらず、従来
と同様の抑制策を行おうとすると、事前のデータ採取や
解析作業を行わなければならず、またウインドやリミッ
タによって大きな制約を受けるために、その制御方式の
最大の利点が失われてしまうという問題が生じた。
【0014】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たもので、制御事例に基づく制御方式の利点を損なうこ
となく、二次障害を抑制することができるシステム制御
装置を提供することを目的としている。また、本発明の
他の目的は、制御事例に基づく制御方式とは係わり無
く、複数の制御項目をバランス良く制御し、二次障害を
防止することが容易にできる汎用のシステム制御装置を
提供するところにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明にあっては、所定の制御ルー
ルに基づき、1または複数種類の制御量を各々の目標値
になるように制御するシステム制御装置において、各操
作量ごとの最適化ルールを記憶する最適化ルール記憶手
段と、前記各操作量の値の組み合わせであって、前記各
制御量を前記各目標値に制御し得るものを検出する第1
の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出された
組み合わせのうち、前記最適化ルールにおける満足度が
最大になるものを検出する第2の検出手段と、前記第2
の検出手段によって検出された各操作量の値を用いて制
御を行う制御手段とを具備し、前記各操作量は前記各制
御量の数より多く設定されていることを特徴とする。
【0016】また、請求項2に記載の発明にあっては、
過去の制御事例に基づいて自動的に抽出した制御ルール
を用いることにより、1または複数種類の制御量を、各
々の目標値になるように制御するシステム制御装置にお
いて、各操作量ごとの最適化ルールを記憶する最適化ル
ール記憶手段と、前記各操作量の値の組み合わせであっ
て、前記各制御量を前記各目標値に制御し得るものを検
出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって
検出された組み合わせのうち、前記最適化ルールにおけ
る満足度が最大になるものを検出する第2の検出手段
と、前記第2の検出手段によって検出された各操作量の
値を用いて制御を行う制御手段とを具備し、前記各操作
量は前記各制御量の数より多く設定されていることを特
徴とする。
【0017】また、請求項3に記載の発明にあっては、
請求項1または2記載のシステム制御装置において、前
記最適化ルールは、ファジーメンバーシップ関数によっ
て定義されていることを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の発明にあっては、請求項
3記載のシステム制御装置において、前記ファジーメン
バーシップ関数が、操作量に応じて重み付けされている
ことを特徴とする。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明によれば、制御量が目標値
になるように制御されるが、操作量が制御量の数より多
いため、制御ルールだけでは操作量値の組み合わせが特
定されない。すなわち、第1の検出手段によって検出さ
れる操作量値の組み合わせは複数存在する。そこで、第
2の検出手段により各操作量についての最適化ルールを
参照して、それらの満足度の積や総計が最大になるよう
な操作量値の組み合わせを求める。これにより、複数の
制御項目がバランス良く制御され、二次障害が防止され
る。
【0020】請求項2に記載の発明によれば、過去の制
御事例に基づいて自動的に制御ルールが抽出されるた
め、使用環境、経時的な劣化、あるいはユーザの部品交
換によるシステムの状態変化等に対しても制御を適応さ
せることができるとともに、上記請求項1の発明と同様
に、第1の検出手段および第2の検出手段の作用によ
り、複数の制御項目がバランス良く制御し、二次障害を
防止することができる。
【0021】請求項3に記載の発明においては、最適化
ルールをファジーメンバーシップ関数によって定義する
ので、各制御量はより好ましい値をとるように制御され
る。
【0022】また、請求項4に記載の発明においては、
ファジーメンバー関数が操作量に応じて重み付けされる
ので、操作量の種類に応じた重要度を制御に反映させる
ことができ、状況に適した制御を実現することができ
る。
【0023】
【実施例】
(第1実施例) A:第1実施例の構成 以下、図面を参照してこの発明の第1実施例について説
明する。なお、この実施例は、電子写真方式による画像
形成装置に本発明を適用した例である。先ず、本実施例
である画像形成装置の画像出力部IOT(イメージアウ
トプットターミナル)の概要を図2に示す。なお、図2
では、画像読み取り部や画像処理部は省略している。す
なわち、電子写真方式による画像出力部IOTのみを示
している。
【0024】図2を用いて画像形成手順を説明すると、
まず、画像読み取り部(図示せず)で原稿を読み取って
得られる原画像信号、あるいは外部のコンピュータ(図
示せず)などで作成された原画像信号に、画像処理部
(図示せず)で適切な処理を行う。これにより得られる
入力画像信号は、レーザー出力部1に入力され、レーザ
ー光線Rを変調する。このようにして、入力画像信号に
よって変調されたレーザ光線Rが、感光体2上にラスタ
ー照射される。
【0025】一方、感光体2はスコロトロン帯電器3に
よって一様に帯電され、レーザ光線Rが照射されると、
その表面には入力画像信号に対応した静電潜像が形成さ
れる。次いで、現像器6により上記静電潜像がトナー現
像され、転写装置7によって現像トナーが用紙(図示せ
ず)上に転写され、定着装置8によって定着される。そ
の後、感光体2はクリーナー11によりクリーニングさ
れ、一回の画像形成動作が終了する。また、10は現像
濃度センサであり、画像エリア外に形成される現像パッ
チ(後述)の濃度を検出する。
【0026】(2)現像パッチ作成機構およびそのモニ
タ機構 ここで、この実施例における現像パッチおよびそのモニ
タ機構について説明する。現像パッチは、出力画像濃度
をモニタするためのものであり、所定の濃度となるよう
に作成される。この実施例の場合、現像パッチは、図3
に示すa1のように2〜3cm角程度の大きさに設定さ
れ、また、ソリッド(網点カバレッジ100%)濃度と
なるように形成される。また、現像パッチa1は、感光
体2の画像エリア外に形成される。すなわち、図4に示
すように、画像エリア2aに潜像が形成された後、空き
エリア2bにおいて濃度パッチa1が形成されるように
なっている。
【0027】また、現像濃度センサ10は、感光体2の
表面に光を照射するLED照射部と、感光体2の表面か
らの正反射光または拡散光を受光するフォトセンサとか
ら構成されている。図3に示すラインL1は、現像濃度
センサ10の検出ラインであり、濃度パッチa1は、検
出ラインL1上に形成されるようになっている。
【0028】ここで、図5は、現像濃度センサ10の出
力信号の一例を示す図である。図示のように、まず、原
稿の画像に応じた濃度検出信号が得られ、次いで、濃度
パッチa1の濃度検出信号が得られる。濃度パッチa1
は、画像エリア外に形成されているため、用紙に転写さ
れることはなく、また、クリーナー11の部分を通過す
る際に消去される。
【0029】なお、この実施例において、現像パッチの
濃度を検出しているのは、ユーザーが手にする定着画像
の濃度(最終画像濃度)と相関が高く、しかもクリーナ
ー11による除去が可能なためである。また、現像パッ
チは、画像形成時以外のタイミングであれば、画像エリ
ア内に形成してもよい。
【0030】(3)制御部の構成 次に、図1は、本実施例の電気的構成を示すブロック図
であり、図に示す20は制御部である。この制御部20
は、レーザー出力部1を制御するとともに、現像器6に
バイアスを印加する現像バイアス部3を制御する。ま
た、図において、21は濃度調整ダイアルであり、操作
者が所望の濃度に応じた値を設定する。濃度調整ダイア
ル21の設定値は、変換器22によって、現像濃度セン
サ10の出力に換算した値(この実施例の場合は「0」
〜「255」の間の値)に変換される。変換器22から
出力される目標濃度は、制御量メモリ23において保持
される。この場合、制御量メモリ23は、許容誤差量も
記憶している。
【0031】また、現像濃度センサ10の出力信号とメ
モリ23の出力信号とは、濃度コンパレータ24におい
て比較される。この比較においては、メモリ23が記憶
している許容誤差量が参照される。そして、現像濃度セ
ンサ10の出力信号は、両者の差が許容値以内であれ
ば、制御ルール検索器30に供給され、許容値以上であ
れば制御事例メモリ25に供給される。
【0032】また、5は状態量検出部であり、図2に示
す温度センサ5a、湿度センサ5bおよび複写枚数を検
出する図示せぬ枚数カウンタを有している。これらのセ
ンサおよびカウンタからの出力信号は、各々信号Sa
(温度),Sb(湿度),Sc(枚数)として出力さ
れ、制御事例メモリ25および状態量コンパレータ26
に供給される。制御事例メモリ25は、制御事例を記憶
するメモリであり、状態量、操作量、制御量の3種の量
を一組にして記憶する。このように、制御事例を記憶す
るのは、本実施例においては、過去に記憶された制御事
例に基づいて種々の制御を行うためである。これは、事
例ベース推論と呼ばれる手法に基づく制御手法である。
【0033】ここで、制御事例メモリ25に記憶される
状態量は、前述のように信号Sa,Sb,Scで示され
る温度、湿度および累積プリント枚数である。本実施例
において、これらを状態量としたのは、これらが、電子
写真方式のように静電的なメカニズムを用いた画像形成
プロセスにおいては特に大きな影響を与える外的条件だ
からであり、また、累積プリント枚数からは、装置自体
の経時劣化の状況も把握できるからである。したがっ
て、これらを状態量とした事例群を用いれば、適切な制
御ルールを抽出できることが判る。
【0034】次に、操作量とは、被制御対象の出力値を
変化させるパラメータの調整量をいい、この実施例の場
合は、現像バイアス部3のバイアス設定値とレーザーパ
ワー設定値(0〜255、以下LP設定値と略称する)
の2種である。この2つの量を操作量としたのは、これ
らと濃度との相関が高いためである。
【0035】また、バイアス設定値およびLP設定値
は、各々操作量メモリ32に記憶されており、操作量補
正演算器31の出力信号に対応した値が適宜読み出され
るようになっている。そして、操作量メモリ32から読
み出されたバイアス設定値は高圧電源15に供給され、
これにより、高圧電源15はバイアス設定値に応じた電
圧を現像バイアス部3に印加する。また、操作量メモリ
32から読み出されたLP設定値は、光量コントローラ
16に供給され、これにより、光量コントローラ16は
LP設定値に応じたレーザーパワーをレーザー出力部1
に与える。
【0036】また、現像濃度センサ10の出力信号は、
制御事例メモリ25に制御量として記憶される。以上の
結果、制御メモリ25には、例えば、次表に示すような
制御事例が記憶される。
【0037】
【表1】 この表において、事例1は、状態量である温度、湿度お
よび累積プリント枚数(CV)が各々22.1°、54
%、1であり、操作量であるバイアス設定値およびLP
設定値が各々「88」、「83」である。また、このと
きの制御量(濃度センサ出力値)は「185」である。
同様に、事例2は、状態量である温度、湿度、複写枚数
が各々22.2°、54%、2であり、操作量であるバ
イアス設定値およびLP設定値が各々「78」、「5
1」である。また、このときの制御量は「191」であ
る。以上のように、制御メモリ25には、状態量、操作
量、制御量の組み合わせが適宜記録されている。
【0038】次に、図1に示す状態量コンパレータ2
6、クラスタメモリ27および制御ルール演算器28
は、制御事例メモリ25に記憶された制御事例および状
態量検出部の出力信号S1,S2,S3を参照して制御
ルールを抽出する機能を有している。なお、これらのブ
ロックの作用については、後に詳述する。
【0039】また、制御ルールメモリ29は、制御ルー
ル演算器28が算出した制御ルールを複数記憶するメモ
リであり、制御ルール検索器30から要求があると、そ
の要求に応じた制御ルールを返信する。この場合、制御
ルール検索器30は、現像濃度センサ10から供給され
る濃度および操作量メモリ32から供給される操作量
(すなわち、LP設定値、バイアス設定値)に応じた制
御ルールを、制御ルールメモリ29に要求するようにな
っている。
【0040】次に、目標濃度実現ライン演算器35は、
制御ルール検索器30によって検索された制御ルールを
用い、目標とする濃度を実現するための現像バイアスと
LP設定値の組み合わせを演算する。この場合の両者の
組み合わせは、図9で示す制御事例空間においては直線
BTLによって表される。すなわち、図9に示す直線B
TL上の点に対応する現像バイアスとLP設定値とを用
いれば目標濃度となる訳である。
【0041】最適化ルールメモリ36は、各操作量につ
いての最適化ルールを記憶しており、例えば、バイアス
電圧最適化ルールとしては図6に示すようなルールが記
憶され、また、LP設定値最適化ルールとしては図7に
示すようなルールが記憶されている。これらのルール
は、ファジィメンバーシップ関数として記憶されてお
り、開発技術者が総合的に判断した「もっとも望ましい
設定」や「この領域辺りからそろそろ問題が発生し易く
なる」というような、きめの細かい情報として設定され
ている。
【0042】ところで、被制御システムの中の各操作量
の設定値(本実施例では、0〜255)は、有効な範囲
で物理量と対応付けられており、例えば、バイアス設定
値であれば、想定されるあらゆる場合に対応できるよ
う、また同時に二次障害が発生するような異常な設定に
ならぬよう、その設定範囲が0〜255に割り振られて
いる。本実施例の場合では、280V〜535Vが0〜
255に割り振られており、例えば、「127」と設定
すると、407Vが実行されるように構成されている。
こうすることによって、必要な可変範囲を十分にカバー
しつつ、もっとも高い分解能の割り振りが実現できる。
【0043】このような作業は、開発技術者の経験やシ
ステムに採用されている要素技術の個別データなどに基
づいて行われることが多く、制御量可変幅や市場の物理
的環境、あるいはシステムや個々の部品の寿命や安全係
数等を総合的に判断して行われる。通常これらの設定や
割り振りは、各要素についての個別の作業において完了
している。例えば、バイアス電圧の場合であれば、現像
技術の個別開発設計時に、上記の設定や割り振りが終了
している。
【0044】しかし、同時に開発技術者たちは、「でき
ればこの値付近がもっとも望ましい設定である」という
事情も認識しているのが普通である。そこで、上述のよ
うに、このような事情をファジィメンバーシップ関数と
して、最適化ルールメモリ36に記憶し、これを参照し
て最終的な制御量を求めるようにしている。図6に示す
例では、もっとも望ましい値、すなわち、メンバーシッ
プ関数のピークを与える領域は410V〜430Vであ
り、メンバーシップ関数の定義域(操作量の可変範囲)
は280V〜535Vである。ピーク位置が定義域の中
央(407V)となっていないのは、電源の寿命や画像
欠陥の発生などを総合的に判断して、最適値に対して低
電圧側の可変幅を広めに、高電圧側の可変幅を狭めに設
定した方が、より安全であるとの経験的な判断が加味さ
れているからである。ちなみに、このような判断には、
必ずしもシステム全体の評価が必要ではなく、個別の電
源仕様や現象特性のデータがあれば良い。
【0045】同様にして、図7に示すLP設定値最適化
ルールについても、経験を加味した最適化ルールがメン
バーシップ関数として定義されている。この場合、経時
的な劣化を想定して、パワーを強める(濃度を上げる)
方向の可変幅をやや多めに確保している。また、本実施
例では、これら最適化ルールは、必要に応じて任意の時
点で変更できるようにしている。例えば、メンテナンス
時に最適化ルールの変更が必要になった場合は、サービ
スマンなどがメンバーシップ関数の両端とピーク位置を
再設定する。この場合の変更は、両端とピーク値だけな
ので極めて容易であり、また、特別な専門知識も不要で
ある。
【0046】次に、操作量補正値演算器31は、目標濃
度実現ライン演算器35から供給される直線と、最適化
ルールメモリ36に記憶されている最適化ルールに基づ
いて、操作量の補正値を求め、求められた補正値を操作
量メモリ32に供給する。これにより、操作量メモリ3
2は、操作量補正値に対応した操作量、すなわち、LP
設定値およびバイアス設定値を、高圧電源15および光
量コントローラ16に各々供給する。
【0047】一方、図に示す基準パッチ信号発生器42
は、濃度パッチa1の作成を指示する回路であり、パッ
チ作成タイミングにおいて校正用基準パッチ信号を画像
出力部ITOに出力する。これによって、図3に示す濃
度パッチa1が作成される。
【0048】この場合、基準パッチ信号発生器42の動
作タイミングは、同期回路41によって行われる。同期
回路41は、クロックタイマ(図示略)が出力するタイ
ム信号を監視し、濃度パッチa1が所定位置に形成され
るように、基準パッチ信号発生器42に動作タイミング
信号を供給する。
【0049】B:実施例の動作 (1)初期設定動作 次に、上記構成によるこの実施例の動作について説明す
るが、始めに、初期設定処理(いわゆる、機能の立ち上
げ処理)について説明する。まず、技術者は、制御用パ
ラメータとして選ばれたバイアス設定値とLP設定値を
適当に設定する。そして、制御部20は、現像パッチa
1を作成し、それぞれを現像濃度センサ10により測定
し、その内容を制御事例として制御事例メモリ25に記
憶させる。この結果、制御事例メモリ25には、最初の
制御事例(制御事例1:表1参照)が記憶される。
【0050】同様にして、バイアス設定値とLP設定値
をそれぞれ変化させつつ、さらに2回分の制御事例を制
御事例メモリに記憶させる。すなわち、技術者は制御装
置立上げ時(状態量が等しい時間以内)に、合計して3
組の制御事例を作成して、制御事例メモリ25に記憶さ
せる。
【0051】ここで、3組という数は、操作量の種類+
1という意味であり、本実施例では、バイアス設定値と
LP設定値の2種の操作量があるため、2+1=3とな
る。なお、これより多くの制御事例を作成することは構
わない。上記のようにして、初期設定時に3組(操作量
の種類+1個)の制御事例が制御事例メモリ25に記憶
されると、その記憶内容が状態量コンパレータ26およ
びクラスタメモリ27を介して制御ルール演算器28に
供給され、ここで、制御ルールが求められる。この場合
の制御ルールは、図8に示すような制御事例平面として
抽出される。
【0052】図8において、P1,P2,P3は、初期
設定における3組の制御事例を示す点であり、これら点
P1,P2,P3を含む平面が事例平面BPである。こ
こで、状態量が変化しない場合に、バイアス設定値とL
P設定値を適宜変化させたときに得られるソリッド濃度
を示す点は、すべて事例平面BP内に収まることにな
る。このように、事例平面BPは、状態量が変化しない
場合の全ての事例を示していることになり、言い換えれ
ば、この平面がイニシャル時のソリッド濃度に関する制
御ルールを示すことになる。そして、この制御ルール
は、制御ルールメモリ29に記憶され、以上の処理によ
り、本実施例における初期設定処理が終了する。
【0053】ここで、操作量の種類をn個とした場合、
制御ルールを示す平面は、n+1次元空間内のn次元平
面であり、したがって、これを一義的に定義するには、
n+1個のデータが必要となる。本実施例において、初
期設定時に3組の事例を必要としたのは、このような理
由からである。一方、n+1以上の事例が採取されれ
ば、それらに対し統計的処理を施すことにより、より信
頼性の高い制御ルールを抽出することができる。この場
合の統計的処理としては、例えば、最小二乗誤差法など
の計算方法を用いて平面を決定すればよい。また、平均
法などの他の方法を用いても良く、その処理は任意であ
る。要は、制御事例に基づいてn次元平面が決定できれ
ばよい。
【0054】(2)稼働時における動作 基本的動作 次に、稼働時における本実施例の動作について説明す
る。ただし、以下の動作においては、上記のようにして
イニシャルの制御ルールが決まった状態で、翌日から実
稼働制御を開始した場合を想定する。
【0055】まず、画像形成装置に電源が投入される
と、自動的にセットアップ動作が実行される。このセッ
トアップ動作においては、前回の(例えば、前日の最終
画像出力時の)各設定値を、そのまま今回の設定値とし
て、濃度パッチa1が作成され、この濃度が現像濃度セ
ンサ10によって測定される。ここでは、LP設定値が
「98」、バイアス設定値が「76」であったとして、
現像濃度センサ10が検出した濃度を制御事例空間内に
プロットする。図9は、この場合のプロット例を示し、
図示の点P5がプロット点である。
【0056】このプロットは、図1に示す制御ルール検
索器30が行う。すなわち、制御ルール検索器30は、
濃度コンパレータ25から転送される濃度、および操作
量メモリ32から転送されるLP設定値「98」、バイ
アス設定値「76」に基づき、制御ルールメモリ29内
に記憶されている初期設定時の制御事例平面にプロット
する。
【0057】ところで、制御事例平面とは、ある状態の
下で、ある設定をしたときの出力値をプロットして作ら
れたものであり、従って状態になんらかの変化が生じた
ために、同じ設定をしても出力値が異なるようになれ
ば、当然変化が生じる前の状態における制御事例平面と
は一致しなくなる。すなわち、上記の例のように今回の
セットアップ時の制御内容が、昨日の立上げ時に作成し
た制御事例平面上に(実効上、距離を隔てることなく)
プロットされた場合というのは、立上げ時と今回の画像
形成装置の置かれている状態(例えば、温度や湿度や経
時的変化の度合いなど、電子写真プロセスが影響を受け
るすべての要因の影響)が、事実上同程度であるとみな
せることを意味している。ここで、「実効上、距離を隔
てることなく」とは、制御事例平面上に一致していると
みなして制御した結果、実際に出力された画像濃度と目
標濃度の差異が、許容誤差量を越えない場合を言う。
【0058】次に、イニシャル設定されているプリント
濃度、あるいはユーザによって指定された所望のプリン
ト濃度を濃度センサ出力に換算して、目標濃度出力値を
求め、上述した制御事例空間内に目標濃度平面として設
定する。この設定は、次のようにして行われる。
【0059】まず、濃度調整ダイアル21の調整値が変
換器22によって変換され、これがメモリ22に記憶さ
れる。そして、このメモリ22内の濃度目標値が濃度コ
ンパレータ24を介して制御ルール演算器28に転送さ
れる。制御ルール演算器28は、制御事例空間に濃度目
標値の平面(スコロ設定値軸−LP設定値軸平面に並行
な面)を記述し、制御ルールメモリ29から読み出した
制御事例平面に重ね合わせる。
【0060】以上の処理により、制御事例空間内には、
図9に示すように、ソリッド濃度に関する目標濃度平面
TPが構成され、そこへ上述したセットアップ時の制御
内容がプロットされたことになる。
【0061】さて、図9に示すように、制御事例平面と
目標濃度平面TPが交差する線が目標濃度実現ラインB
TLであり、目標濃度実現ライン演算器35(図1参
照)によって算出される。そして、目標濃度実現ライン
BTL上に今回の制御内容がプロットされていれば、目
標濃度が実現できていることになる。一方、今回の制御
内容が目標実現ライン上に載っていなかった場合には、
各設定値を変更して、すなわち補正して、目標実現ライ
ンBTL上にプロットされるような組合せを選べば、次
回の画像出力は目標濃度を実現できると予測できる。
【0062】ところで、目標濃度実現ラインBTL上の
点であれば、いずれでも良い訳ではなく、前述した最適
化ルールを満たさなくてはならない。したがって、次
に、目標濃度実現ラインBTL上の点であって、最適化
ルールを満たすバイアス設定値およびLP設定値の組み
合わせを決定しなければならない。本実施例において
は、操作量補正演算器31が、最適化ルールメモリ36
内の最適化ルールを参照することによって、この操作量
を決定している。すなわち、図10に示すように、目標
濃度実現ラインBTL上の点に、バイアス最適化ルール
とLP最適化ルールを適用し、各ルールの満足度の積が
最大になるようなバイアス設定値およびLP設定値の組
み合わせ(135,155)を選択する。この場合の組
み合わせは、一義的に決定される。
【0063】本実施例において、制御量の種類よりも操
作量の種類を多くしているのは、操作量設定値を一点に
固定させずに自由度を持たせて目標濃度実現ラインとい
う連続的関係で捉え、その連続範囲において、満足度の
最も高い設定値を見いだすためである。数学的に言え
ば、制御ルールのみでは解は不定であり、最適化ルール
をも満たすようにして始めて解が得られるようにしてい
る。
【0064】以上のようにして、操作量補正演算器31
は、最も好ましいバイアス設定値およびLP設定値の組
を検出し、その演算結果を操作量メモリ32に転送す
る。この結果、操作量メモリ32からは、新たなバイア
ス設定値およびLP設定値に対応する信号が出力され、
現像バイアス部15および光量コントローラ16に供給
される。以後同様にして、目標濃度を実現するために最
適なLP設定値とスコロ設定値が設定され、常に的確な
画像濃度制御が行われる。以上のような制御が行われる
ため、例えば、一方の操作量が上限いっぱいの値を維持
し、他方の操作量が下限いっぱいの値を維持するという
ことがなく、各操作量とも最適化ルールの適用により、
上下限値から理想値に引き戻されるように制御される。
したがって、従来装置において生じていた、一方の操作
量が上限値、他方の操作量が下限値になり、それらの操
作量が発生する障害が同時に起こるという事態を回避す
ることができる。
【0065】クラスタの生成 本発明は、基本的には以上のようにして目標濃度を実現
するのであるが、現実には、常にその稼働時点の制御内
容が、制御事例平面上に(実効上、距離を隔てることな
く)プロットされるとは限らない。物理的にそのメカニ
ズムについて言えば、温度や湿度が変化したり、経時劣
化が進んだりすると、トナー帯電量や感光体の帯電特性
が変化するため、レーザーパワーと現像バイアスが同一
の設定値であっても、濃度が大幅に異なってしまう。例
えば、高温多湿時には濃度が高い方にずれ、低温低湿時
には濃度が低い方にずれてしまう。すなわち、制御時点
の温度や湿度、経時劣化の度合いなどが、すでに採取・
記憶されている制御事例群とある程度以上異なっている
と、既存の制御事例平面から大きく離れた座標空間上に
プロットされてしまう。
【0066】このような場合、以前の制御事例平面をそ
のまま今回の制御ルールとして用いると、推論の誤差が
大きくなる。なぜなら、上記のように物理的に画像濃度
再現メカニズムが影響を受けており、制御事例平面が変
化しているからである。そこで本発明では、状態が変化
した場合の制御事例を追加記憶し、新たな状態に適合し
た制御事例群からなる新たな制御事例平面を作成してい
く。これにより、制御事例平面は、立上げ時の一面のみ
の状態から、必要に応じて順次増加していく。すなわ
ち、例えばAという状態下での制御事例群、Bという別
の状態下での制御事例群、……というようにである。本
発明では、これらそれぞれをクラスタと名付けている。
すなわちクラスタA、クラスタB、というようにであ
る。制御事例を追加するか否かの判断は、制御動作が実
行された後に作成された現像パッチを用いて制御結果の
善し悪しを判断し、この判断結果に基づいて行われる。
【0067】具体的に言えば、目標濃度と現実の現像パ
ッチの濃度差を読み取り、この値が許容誤差以内にある
かどうかを判定している。本実施例の場合、許容誤差は
色差3以内と規定しているが、この値はシステムに応じ
て適宜設定すればよい。
【0068】そして、許容誤差以内であれば、前述のよ
うに、そのまま次の制御動作に入るが、許容誤差量を越
えるような大きな誤差があった場合には、その内容、す
なわち制御事例を制御事例メモリ25に追加記憶する。
【0069】この追加記憶は、次のようにして行われ
る。まず、図1に示す濃度コンパレータ24が許容値以
上であると判断し、その時の現像濃度センサ10の出力
信号を制御事例メモリ25に転送する。制御事例メモリ
25は、新たに供給された制御量とともに、状態量およ
び操作量を組にして記憶する。そして、状態量コンパレ
ータ26は、制御事例メモリ25に新たに書き込まれた
事例に基づき、最新クラスタと状態が類似しているか否
かを判定する。すなわち、制御事例群である最新クラス
タ内の制御事例の状態量と、制御事例メモリ25に新た
に書き込まれた制御事例の状態量とを比較し、所定量以
内であれば、状態類似と判断し、所定量以上離れていれ
ば状態非類似と判断する。本実施例においては、前述の
ように、温度、湿度、プリント枚数を状態量として用
い、それらの類似度合いを判定している。
【0070】ここで、「類似している」という定義は、
その画像形成装置の仕様や、想定しているユーザの仕様
環境などを鑑みて行えばよい。例えば、温度変化によっ
て帯電特性が大幅に異なるようなトナーを用いる場合
と、ほとんど安定しているトナーを用いている場合とで
は、類似するとみなせる湿度の範囲はおのずと変わって
くる。すなわち、前者であれば、例えば、5%以上湿度
が異なると類似状態とはみなせないのに対し、後者のト
ナーであれば±20%変動しても類似した湿度の状態と
みなせるのである。なお、本実施例においては、説明の
煩雑化を避けるため、温度、湿度、累積プリント枚数が
それぞれ規定の範囲にあるものは、状態が類似している
と判断するものとしている。
【0071】そして、状態類似と判断された場合は、最
新クラスタについて制御事例を追加すべく、クラスタメ
モリ27に書き込む。このとき、制御ルール演算器28
は、新たに追加された制御事例を包含するような事例平
面を算出し、当該平面を示す係数を制御ルールメモリ2
9に転送する。
【0072】ここで、制御事例が増えた場合の制御ルー
ルの補正方法について説明する。前述のように、制御量
の種類をnとすれば、その制御のためには、n+1次元
空間のn次元平面が必要であり、また、これを一義的に
決定するためには、n+1個のデータ点が必要である。
このために、本実施例においては、3組の制御事例が初
期設定において必要であった。このことは逆に、n+1
個以上であれば統計的にはより信頼性の高い事例群が得
られることになる。そこで、制御ルール演算器28は、
追加された制御事例と、それ以前に記憶されていた制御
事例を用いて(すなわち、n+1個以上のデータを用い
て)最小二乗誤差法などの計算方法を用いて新たな制御
事例平面を決定する。この場合の制御事例平面の算出
は、最小二乗法に限定されず、平均法など他の計算方法
を用いてもよい。要するに、制御事例に基づいてn次元
平面が設定できれば、どのような方法を用いてもよい。
このように、状態が類似している場合には、本質的な物
理変化は発生しておらず、過去の事例の精度不足(測定
誤差が大きい場合など)によって制御ルールの当てはま
りが悪くなったと考えられるため、過去の事例と新しい
事例を一緒に用いて、統計的に測定誤差を軽減するよう
にしている。すなわち、より多くの事例を用いて統計的
処理を施すことにより、精度のよい制御ルールを作成す
るようにしている。
【0073】一方、制御事例メモリ25に新たに書き込
まれた状態量について、状態量コンパレータ26が、非
類似と判断した場合は、新規クラスタを作成して分類す
る。この新規クラスタはクラスタメモリ27に転送さ
れ、制御ルール演算器28により新たな制御事例平面
(制御ルール)が演算される。これは、制御対象のシス
テムゲインが変化してしまったと考えられるため、新ル
ールが必要と判断されるからである。この場合には、上
述のように、新規のクラスタが作成され、新たな事例が
n+1個以上得られた時点で新たな制御事例平面、すな
わち、新たな制御ルールが獲得される。なお、制御事例
がn+1個以下のときは、不足している個数分の事例
を、暫定的に、過去の制御事例の中の最も新しいもので
代用する。
【0074】また、n+1個以上の制御事例をさらに採
取するかどうかは、n+1個の制御事例で作られた新た
な制御ルールを用いて制御した結果が、上述の許容誤差
を満たしているか否かで一義的に判断できる。すなわ
ち、許容誤差を満たしていれば、充分精度のよい制御ル
ールが得られている訳であり、許容誤差を満たしていな
ければ、さらに制御事例を増やして制御事例平面の精度
を高める必要があると判断する。このとき、上述のよう
に、n+1個目以降の制御事例と、n+1個目までの制
御事例の状態量が比較され、同じ状態が継続しているか
どうかの判断も並行して行う。
【0075】なお、制御ルールを改良するか、あるいは
新たな制御ルールを獲得するかは、同一状態量をどのよ
うに判断するかには依らない。すなわち、同一状態量の
範囲を、ある一定の温度変化幅で管理しても、プリント
枚数で管理してもよく、要するに同一状態量とみなすか
否かの基準を一義的に決定できるようにしておけばよ
い。
【0076】クラスタを複合して用いる制御 前述したことから明らかなように、本実施例がさまざま
な状態下で稼働すると、さまざまなクラスタが作成され
ることになる。ただし、状態が変わったときに、必ずし
も新たな制御事例を追加記憶して新たなクラスタを作ら
なければならないとは限らない。例えば、湿度など他の
状態が実効的に全く同じで、温度だけが高温の場合のク
ラスタと低温の場合のクラスタがすでに有った場合、今
回は中温で稼働することになった画像形成装置では、新
たなクラスタを作らなくとも、高温クラスタと低温クラ
スタを組合せて用いるだけで、十分な制御精度を得られ
る場合が多い。このような場合、現在の制御内容と複数
の各制御事例平面からの距離に基づいて、現在の制御内
容がその面内に含まれるような新たな平面を構築し、こ
れをもって現状に適合した制御事例平面と見なす制御を
行っている。
【0077】ここで、クラスタの組み合わせによる平面
構築について、図11を参照して説明する。図11は、
クラスタAの事例平面と、クラスタBの事例平面が形成
されている場合を示しており、新たにプロットされた点
B5は、いずれの平面にも位置してない。このとき、座
標空間上で現在の制御内容を示す点、すなわち、点B5
と、各事例平面との間の距離を計算する。そして、その
逆数を求め、それを規格化する。すなわち、各々の制御
事例平面からの距離の逆数を合計したものが1となるよ
うにする。このように規格化された値を適合度と定義
し、この適合度によって各事例平面の各座標軸方向の傾
きを重み付けして合計する。そして、合計した量を、現
状に適合できる新たな制御事例平面の各座標軸方向の傾
きとし、さらに現在の制御内容をその面上に含むような
高さ(濃度軸の切片)に合わせ込んでいる。
【0078】このような処理は、適合度がほぼ100%
とみなせる制御事例平面が検索できなかった場合に行わ
れる。ここで、適合度がほぼ100%になる場合とは、
新たにプロットされる点が、「制御平面上に実効上、距
離を隔てることなくプロットされる場合」である。
【0079】そして、以上の処理は、制御ルール検索器
30において、次のようにして行われる。まず、操作量
メモリ32から供給される操作量と、濃度コンパレータ
25から転送される現像濃度センサ10の検出値とに対
応する点を、座標空間にプロットする。そして、制御ル
ールメモリ29に記憶されている各クラスタの制御平面
を順次読み出し、新たにプロットした点との間の距離を
求める。ただし、ここでいう「距離」とは、操作量を制
御ルールの式に代入して得られる計算上の制御量と実測
された制御量との差であり、必ずしも面と点との間の最
短距離ではない場合がある。そして、このようにして求
めた距離から適合度を算出し、この適合度に応じて各事
例平面の座標軸方向の傾きを重み付けして合計する。こ
のように合計された各軸の傾きを持つ平面を新たな制御
事例平面とし、さらに、プロットされた点がその面上に
位置するように、新たな制御事例平面の高さ(濃度軸の
切片)を調整する。以上のようにして作成された新たな
制御事例平面を用いて、図10で示した場合と同様の手
順によって、次のバイアス設定値とLP設定値を求め
る。
【0080】なお、立上げ直後や、稼働時間あるいは画
像形成回数が少ない画像形成装置では、当然、制御事例
平面は立上げ時に作られた一面だけしか存在していない
が、この場合も本実施例では、複数の制御事例平面が存
在する場合とまったく同一に取り扱える。すなわち、制
御事例平面が立上げ時に作られた一面だけの場合には、
その面の適合度が1(100%)になるため、面の傾き
は変化せずに、現在の制御内容が面内に含まれる位置ま
で、立上げ時に作った制御事例平面を濃度軸方向に平行
移動したものが今回使われる制御事例平面となる。
【0081】一方、過去の制御事例だけでは、たとえ上
述のように適合度を用いて新たな制御事例平面を仮想的
に構築しても十分ではなく、現時点における実際の制御
事例を採取して制御ルールの改良を行わなければ次回以
降の制御精度も不十分であると予測される場合(すなわ
ち、濃度コンパレータ25で許容値以上と判断された場
合)は、前述のように、新たなクラスタを作成する。
【0082】(第2実施例) A:第2実施例の構成 次に、この発明の第2実施例について説明する。図12
は、第2実施例の構成を示す概略図である。なお、第2
実施例は第1実施例と同様に、画像形成装置に本発明を
適用した実施例であり、最大画像濃度(ソリッド濃度)
を一定に制御することを目的としたものである。さて、
図12に示す画像形成装置においては、第1実施例にお
いて設けられていた温度センサ5a、湿度センサ5bに
代えて、トナー濃度センサが設けられている。これは、
第2実施例で用いる現像剤と感光体が、第1実施例のも
のに比較して、温度依存性、湿度依存性ともに小さいこ
とに依っている。すなわち、第2実施例においては、状
態量として温度、湿度をモニタするより、トナー濃度を
モニタした方が状態を把握するのにより適しているから
である。
【0083】なお、詳細に言えば、第1実施例の画像形
成装置は、第2実施例に比べてより高画質仕様であり、
高画質向きの小粒トナーやキャリアを使用しており、こ
のような小粒径現像剤は、粒径の大きな現像剤に比べて
帯電安定性が劣っている。同様に、第1実施例において
は、感光体も高画質向きのものを使用しているが、感度
の低いものよりも環境の影響を受け易い。このような事
情から、第1実施例においては、温度と湿度とをモニタ
していた。
【0084】電子写真方式による画像形成装置の環境安
定性は、主として現像剤と感光体の温度依存性、湿度依
存性によっており、これらがある程度以上安定してい
て、商品として許容される画質変動に納まるのであれ
ば、その画像形成装置のシステムゲインは、実用上、環
境によらず一定であるとみなすことができる。さらに、
経時的変化に付いても、商品として許容されるレベルに
あれば、出荷時に制御ルールを最適化しておくだけで、
充分な制御が可能となる(通常、このような位置づけの
商品は、要求される制御精度が高くなく、低価格なもの
が多い)。第2実施例は、このような低価格の画像形成
装置を対象にしており、このため、温度センサと湿度セ
ンサは、コスト低減の意味からも省略されている。な
お、トナー濃度センサ5cの必要性については後述す
る。
【0085】次に、第2実施例における制御装置の構成
について図13を参照して説明する。図13に示す第2
実施例の構成と、図1に示す第1実施例の構成を比較す
ると、第2実施例においては、制御ルールの作成、更新
に関する構成が削除されいるのが解る。これは、第2実
施例が比較的安価な装置を対象にし、装置のシステムゲ
インを予め開発段階で固定しているので、制御ルールを
新たに作成しないためである。
【0086】すなわち、第2実施例においては、開発時
点で採取したデータに基づいて最適なシステムゲインを
決め、これに機械による微調整を施して制御ルールメモ
リ29に格納している。ここで言うシステムゲインと
は、「濃度誤差がどれだけの場合には、レーザパワーを
これだけ可変しなければならない」、「同様の補正を現
像バイアスで行う場合には、これだけ可変しなければな
らない」といった割合である。したがって、制御ルール
を、 濃度補正量=A×レーザパワー補正量+B×現像バイア
ス補正量 という式で与えたとすれば、上記式におけるA,Bがシ
ステムゲインである。これら係数AとBは、環境依存性
の低い画像形成装置といえども、高温高湿時と低温低湿
時では異なるのが普通であるため、開発時には様々な条
件の下でデータを採取し、統計的にも最も平均的な値に
決定されることが多い。あるいは、その画像形成装置の
想定しているユーザー層の、もっとも代表的な条件(例
えば、空調完備のオフィスで通年室温は20〜25度な
ど)を設定して、実験的に採取した係数AとBの値が採
用されることもある。
【0087】なお、このようにして求められた係数A、
Bの値は、同一機種と言えども、当然一台一台の画像形
成装置ごとに機差を持っているため、工場では出荷前の
調整作業としてゲイン調整をしている。
【0088】次に、第2実施例におけるトナーについて
説明する。さて、第2実施例においても、第1実施例と
同様に、2成分現像方式を用いている。2成分現像方式
の場合、現像剤におけるトナー濃度、すなわちトナーと
キャリアの混合割合が現像濃度に影響を与えるが、第1
実施例では、トナー供給量を、出力すべき画像のピクセ
ル数に比例させる方式で概ね一定に制御している。これ
は多少のトナー濃度の変動があっても、その時々のトナ
ー濃度に見合ったゲインを、事例学習により自動的に最
適設定できるためであった。しかし、第2実施例では、
ゲインが固定されているため、設定時と同じトナー濃度
が常に維持されいてる必要がある。このため、第2実施
例では、第1実施例には不要であったトナー濃度センサ
5cが設けられている。
【0089】なお、本実施例ではトナー濃度センサとし
て、従来から一般的に用いられている磁性方式のセンサ
を用いているが、光学方式など他の方式のセンサで性能
上充分な精度が得られる場合はどのようなものを用いて
もよい。また、1成分現像方式を用いるのであれば、ト
ナー濃度は常に100%であるため、直接には画像濃度
に影響しないので、第2実施例においても第1実施例と
同様に、現像剤の空き検知等のトナー量管理のみで充分
である。
【0090】B:第2実施例の動作 次に、上述した構成による第2実施例の動作について説
明する。いま、仮に、現像バイアスとレーザパワーを各
々B1とL1に設定したときに、現像濃度センサ10の
出力値がD1であったとする。このとき、値D1は、濃
度コンパレータによって目標濃度(D0とする)と比較
され、補正すべき濃度誤差ΔD1を出力する。一方、予
め制御ルールメモリ29に設定されているゲインにより
制御ルールは固定されているため、濃度誤差ΔD1を補
正するための現像バイアスとレーザーパワーの全ての組
み合わせが、目標濃度実現ライン演算器35によって目
標濃度実現ラインとして演算される。この演算の内容
は、第1実施例の場合と同様である(図9参照)。
【0091】なお、ここで、一般的に操作量の種類をn
とすれば、制御ルール平面はn+1次元空間内のn次元
平面であり、したがって、これを一義的に決定するに足
りるだけの制御ルールを予め設定しておけば、n−1種
類の制御量を独立に制御できる。これは、第1実施例の
場合と同様である。
【0092】次に、第2実施例においても、第1実施例
と同様に「最適化ルール」を設定している。すなわち、
二次障害の起こりにくい制御を実現するために、図1
4、図15に示すように現像バイアスとレーザーパワー
の最適な度合いを規定するルールを最適化ルールメモリ
36に設定している。ただし、図15と図7とを比較す
ると、レザーパワー設定値最適化ルールの縦軸のスケー
ルが異なっている。これは、本実施例における画像形成
装置の現像特性、特に、画像欠陥の発生しやすさが、バ
イアス電圧設定値よりもレーザーパワー設定値に大きく
依存しており、画像形成装置全体の最適設定の度合いを
定量化する上でより効果的だからである。
【0093】さて、この実施例においては、前述した第
1実施例と同様に、目標濃度実現ライン演算器35によ
って求められた目標濃度実現ライン上の各操作量の組み
合わせ(複数)の中から、総合的に最も適した操作量と
なるような一組を定量的に選定するために、操作量補正
演算器31による演算を行う。この場合の具体的な方法
としては、組み合わせられた各操作量のうちで最適化ル
ールの満足度の小さいもの同士を比較し、これらの中で
最も大きな満足度を有する組み合わせを選択する。
【0094】この点について、より具体的に説明する。
まず、表2に示すようにA組〜C組という操作量の組み
合わせが目標濃度を実現できるものとし、そのときの各
操作量ごとの満足度が表2に示す値だったとする。
【0095】
【表2】 表2に示すアンダーラインを引いた操作量は、各組の中
の満足度の小さい方を示している。すなわち、A組では
バイアスの0.483、B組ではレーザーパワーの0.
485、C組ではレーザーパワーの0.475である。
これらを比較すると、最も大きいのはB組の0.485
であるから、表2に示す場合は、B組の操作量が選択さ
れる。
【0096】以上のような選定を行うとともに、図1
4、図15に示すような各操作量間の満足度の重み付け
を行っているので、より影響の大きな操作量を重視して
選定することが可能となる。すなわち、本実施例では、
レーザーパワーの方をバイアス電圧より相対的に2倍き
びしい満足度に規定しているので、レーザーパワーを重
視した選定がなされる。
【0097】以上の処理により、濃度誤差を補正できる
とともに、画像欠陥や短寿命化などの2次障害が最も起
こりにくい操作量の設定が実現できる。なお、表2で示
した数値は、理解を助けるための便宜的なものであり、
通常は、操作量の可変範囲に亙って多くの組み合わせが
リストアップされる(本実施例のようなデジタル制御の
場合は、操作量を0〜255の範囲で設定することが多
く、最大で255組がリストアップされる)。
【0098】(変形例)上述した各実施例には、以下に
述べるような変形例がある。 (1)第1実施例においては、2成分トナーを用いた
が、これを1成分トナーでとしても勿論適用可能であ
る。 (2)第1、第2実施例とも、本発明を画像形成装置に
適用した実施例であったが、本発明の適用は画像形成装
置に限らないのは勿論である。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、複数の制御項目がバランス良く制御され、二次障害
が防止される(請求項1〜4)。また、過去の制御事例
に基づいて自動的に制御ルールを抽出するように構成す
ると、上記効果に加えて、使用環境、経時的な劣化、あ
るいはユーザの部品交換によるシステムの状態変化等に
対しても制御を適応させることができる。したがって、
制御事例に基づく制御方式の利点を損なうことなく、二
次障害を抑制することができる。また、最適化ルールを
ファジーメンバーシップ関数によって定義すれば、各制
御量はより好ましい値をとるように制御され(請求項
3)、さらに、ファジーメンバー関数を操作量に応じて
重み付けすることにより、操作量の種類に応じた重要度
を制御に反映させることができ、状況に適した制御を実
現することができる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例の全体構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 同実施例の画像出力部の概略構成を示す図で
ある。
【図3】 同実施例において作成する濃度パッチを示す
平面図である。
【図4】 同実施例における濃度パッチの作成位置を示
す図である。
【図5】 同実施例における現像濃度センサの出力信号
の一例を示す図である。
【図6】 同実施例におけるバイアス電圧最適化ルール
を示す図である。
【図7】 同実施例におけるLP設定値最適化ルールを
示す図である。
【図8】 同実施例における立上げ時の事例平面を示す
概念図である。
【図9】 同実施例における目標濃度実現ラインを示す
概念図である。
【図10】 同実施例における制御量の決定プロセスを
示す概念図である。
【図11】 同実施例において過去の複数のクラスタか
ら、適合度を用いて新たなクラスタを作成する様子を示
す概念図である。
【図12】 この発明の第2実施例における画像出力部
の構成を示す概略図である。
【図13】 同実施例の全体構成を示すブロック図であ
る。
【図14】 同実施例におけるバイアス電圧最適化ルー
ルを示す図である。
【図15】 同実施例におけるLP設定値最適化ルール
を示す図である。
【符号の説明】
15 高圧電源(制御手段) 16 光量コントローラ(制御手段) 31 操作量補正演算器(第2の検出手段) 32 操作量メモリ(制御手段) 35 目標濃度実現ライン演算器(第1の検出手段) 36 最適化ルールメモリ(最適化ルール記憶手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の制御ルールに基づき、1または複
    数種類の制御量を各々の目標値になるように制御するシ
    ステム制御装置において、 各操作量ごとの最適化ルールを記憶する最適化ルール記
    憶手段と、 前記各操作量の値の組み合わせであって、前記各制御量
    を前記各目標値に制御し得るものを検出する第1の検出
    手段と、 前記第1の検出手段によって検出された組み合わせのう
    ち、前記最適化ルールにおける満足度が最大になるもの
    を検出する第2の検出手段と、 前記第2の検出手段によって検出された各操作量の値を
    用いて制御を行う制御手段とを具備し、 前記各操作量は前記各制御量の数より多く設定されてい
    ることを特徴とするシステム制御装置。
  2. 【請求項2】 過去の制御事例に基づいて自動的に抽出
    した制御ルールを用いることにより、1または複数種類
    の制御量を、各々の目標値になるように制御するシステ
    ム制御装置において、 各操作量ごとの最適化ルールを記憶する最適化ルール記
    憶手段と、 前記各操作量の値の組み合わせであって、前記各制御量
    を前記各目標値に制御し得るものを検出する第1の検出
    手段と、 前記第1の検出手段によって検出された組み合わせのう
    ち、前記最適化ルールにおける満足度が最大になるもの
    を検出する第2の検出手段と、 前記第2の検出手段によって検出された各操作量の値を
    用いて制御を行う制御手段とを具備し、 前記各操作量は前記各制御量の数より多く設定されてい
    ることを特徴とするシステム制御装置。
  3. 【請求項3】 前記最適化ルールは、ファジーメンバー
    シップ関数によって定義されていることを特徴とする請
    求項1または2記載のシステム制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ファジーメンバーシップ関数は、操
    作量に応じて重み付けされていることを特徴とする請求
    項3記載のシステム制御装置。
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