JP3520897B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3520897B2
JP3520897B2 JP15941597A JP15941597A JP3520897B2 JP 3520897 B2 JP3520897 B2 JP 3520897B2 JP 15941597 A JP15941597 A JP 15941597A JP 15941597 A JP15941597 A JP 15941597A JP 3520897 B2 JP3520897 B2 JP 3520897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた画像形成装置に係わり、特に画像を常に所定品質に
保つための制御を、低コストで精度良く、しかもより安
定に行うことを実現できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を用いた画像形成装
置においては、画像濃度を最適に保つためのフィードバ
ック制御がごく一般に用いられている。これは、静電気
を用いた電子写真方式では、その日の温度や湿度などの
環境条件、あるいは感光体や現像剤の経時的な劣化など
により、装置自体の画像出力状態が変わり、画質再現性
が変動してしまうためである。
【0003】従来のフィードバック制御においては、濃
度パッチにより濃度再現状況をモニタして目標濃度との
誤差分を求め、これにフィードバックゲインを乗じるこ
とによって、制御用アクチュエータの設定値補正量を算
出する方法がもっとも一般的である。
【0004】ここで、上記濃度パッチは、現像像パッチ
であることが多い。これは用紙上に作成される転写像や
定着像に比較して、現像像の方が作成および消去が簡単
であり、しかもユーザが手にする定着画像濃度との相関
が極めて高いためである。また、制御用アクチュエータ
としては、現像特性を左右する帯電器印加電圧や露光
量、現像バイアスなどがよく用いられている。
【0005】例えば、特開昭63−177176号公報
に記載される技術では、現像電位を可変することで現像
濃度を所望の値に制御している。この現像電位を可変す
る方式は、一成分および二成分のどちらの現像方式でも
成立する。
【0006】しかしながら、最適な現像電位は、制御不
可能な種々の外的要因、すなわち温度、湿度、累積複写
枚数などにより常に影響を受けており、帯電電位や露光
量、現像バイアスの設定はこれらの条件を常時考慮して
行わなければならないという困難さを伴っている。しか
も、温度、湿度などの状態量と帯電や露光量、現像バイ
アス設定値との関係は複雑であり、現状の技術レベルで
は十分な物理モデル化はなされていない。
【0007】そこで、近似式を用いて定量化した制御な
どが行われているが、静電気的プロセスが主である電子
写真技術では、通常、状態量に対する帯電、露光量、お
よびバイアスの最適な設定値の関係は一義的に決まらぬ
ため、十分な制御精度が得られていない。こうした事情
により、事前にさまざまな環境条件、例えば高温多湿状
態や低温低湿状態での環境の影響や、経時的な劣化など
の影響を把握しなければならず、高度な制御性能を目指
すほど、広い条件範囲に渡って詳細にデータを採取しな
ければならないため、膨大な開発工数が必要であった。
【0008】しかも、そのように膨大な工数を投じて決
定したフィードバックゲインも、一台一台の機差や多様
なユーザの使用条件などのために、必ずしも常に最適と
いうわけにはいかなかった。特に、経時劣化の画像濃度
への影響は、一台一台に使われている部品の劣化度合い
やユーザの使い方次第で大きく異なるため、市場に出て
からの長期的な画像濃度制御性能は、必ずしも万全であ
るとは言えなかった。
【0009】また、上述のような制御方法であることか
ら、制御精度を得るために中間的なパラメータである帯
電電位や露光電位をモニタするための電位センサや、環
境条件をモニタするための温度センサや湿度センサを必
要とする制御方式が多く、コストアップが問題となって
いた。
【0010】また、最近になって、特開平4−3199
71号公報、4−320278号公報などに示されるよ
うに、ファジーやニューラルネットワークを用いる方法
が行われるようになってきた。これらは、ファジーやニ
ューラルネットワークが入力と出力の関係が複雑な非線
形の場合にも対応できるという特徴を利用して、もっぱ
ら制御精度を高めるための手段として用いられている。
このため、上述した問題点、すなわち大量のデータ採取
等に投じなければならない膨大な開発工数や、センサを
多用することによるコストアップ、さらに市場に出てか
らの一台一台の長期的な画像濃度制御性能が必ずしも確
保できていないなどの問題の解決には、ほとんど役に立
っていない。
【0011】むしろ、ファジーやニューラルネットワー
クを用いて制御精度を向上させる場合は、多入力多出力
演算に適しているという特長を活かすために、多入力
化、すなわち多数のセンサを用いる場合が多く、かえっ
てコストアップになっている。
【0012】さらにファジーでは技術者によるメンバー
シップ関数のチューニングが必要であり、ニューラルネ
ットワークでは学習作業そのものは自動化できるもの
の、そのための教師データを技術者が事前に用意しなけ
ればならないなど、かなりの開発工数を必要とするのが
実情であった。
【0013】しかも、予め経時劣化データを採取し、こ
れを考慮に入れたファジーやニューラルネットワークを
用いた場合であっても、その入力と出力の関係自体が実
際の経時劣化や機差、部品交換などによって変化してし
まった場合には、自律的に対応できないという問題があ
った。すなわち、市場に出てからの一台一台の長期的な
画像濃度制御性能は、たとえファジーやニューラルネッ
トワークを用いた場合であっても保証することはできな
かった。
【0014】そこで、これらの欠点を除くために、本出
願人は、事例ベース推論と呼ばれる手法に基づき、出力
画像の濃度に対応した制御量(パッチ画像濃度)と、画
像形成装置の状態を特定する状態量と、画像作成時の操
作量とからなる複数の制御事例から制御ルールを抽出
し、この抽出した制御ルールを用いて、新たな操作量を
決定することで、出力画像濃度を目標品質に保つ手法を
提案している(特開平8−137146号公報)。これ
により、センサの削減や開発工数の低減による低コスト
化を行いつつ、個々の画像形成装置に対応した制御を、
要求された精度で行うことが可能となった。
【0015】ところで、上記事例ベース推論を用いる手
法においては、機械学習により制御ルールを生成するこ
とから、場合によっては、制御ルールそのものに誤差が
生じるおそれがある。
【0016】特に制御量の数が2以上の場合であって、
画像形成装置自体の状態が各制御量の間の相関が強い場
合(それぞれの制御量と操作量の関係を示す制御ルール
が互いに類似して、制御量1を変化させると制御量2も
同じように変化してしまうような場合)、わずかな制御
ルールの誤差が大きな制御誤差となってしまう(図2〜
3参照)。すなわち、図2に示すように、制御量(ベタ
濃度BTL、ハイライト濃度HTL)の制御ルールの特
性(図の直線の傾き)がかなり異なる場合には、制御ル
ールを表す直線が傾きや位置が若干誤差を含んでいて
も、操作量(LP設定値、スコロ設定値)に含まれる誤
差は少ない。例えば、直線を誤差に応じて少し平行移動
しても操作量の変動は極めて小さい。他方、図3に示す
ように、制御量の制御ルールの特性が類似する場合に
は、制御ルールの直線の傾きや位置に含まれる若干の誤
差が、操作量について大きな誤差をもたらす。図3の例
では、直線を少しでも平行移動させるだけで操作量が大
幅に変わってしまう。
【0017】例えば、制御量をy1,y2(例えば、ベ
タ濃度とハイライト濃度)、操作量をx1,x2(例え
ば、帯電電圧とレーザパワー)とし、制御ルールが
【数1】y1=a11×x1+a12×x2+b1 y2=a21×x1+a22×x2+b2 で表される場合、係数a11とa21,a12とa22
は、その時の画像形成装置の状態を反映して変化する。
【0018】ここで係数a11とa21,a12とa2
2がそれぞれ似通った値になった場合、y1とy2をそ
れぞれ別々の目標値に調整するためには、x1,x2の
値を大きく変更しなければならなくなる。このとき、各
制御ルールが完全に正確であれば何ら問題は生じないが
(x1,x2の値を大きく変更することで、y1とy2
をそれぞれの目標値に調整できる)、現実にはまったく
誤差のない制御ルールは在りえず、わずかでも誤差があ
ると、x1,x2の補正演算の結果は大きな誤差を生じ
てしまう。
【0019】しかも、これまでの事例ベース推論を用い
る手法においては、上記のような制御誤差が生じうるに
もかかわらず、目標値を実現するための操作補正量の演
算結果をそのまま実行していたため、制御することによ
って、かえって制御量の誤差が増大してしまうことがあ
った。
【0020】このような状況は、同一の画像形成装置で
あっても、環境条件や経時劣化度合いなどによって発生
したり、しなかったりするものであり、通常では各制御
量を精度良く制御できていた画像形成装置が、ある条件
下では誤差の大きな制御になってしまうという現象とな
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、画像形成装置の状態がどのように
変化しても(交互作用の大きな2種類以上の制御量を同
時に制御する場合であっても)、その影響を軽減/排除
し、制御の誤動作や発振などを防ぐとともに、制御量の
誤差を所定の許容範囲以内に収めるように制御できるこ
とにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、画像品質に関する2種類以上の制御
量が、それぞれ目標値になるように、操作量を制御する
画像形成装置に、上記制御量の目標値を設定する手段
と、上記制御量の目標値に対する許容値を設定する手段
と、制御用の基準パターンを作成する手段と、上記基準
パターン上の制御量を測定する手段と、操作量と制御量
との対応関係から制御ルールを作成する手段と、上記制
御ルールに従って、上記目標値および上記制御量の測定
値の間の誤差に応じて、第1の操作量設定値を算出する
手段と、上記制御量を目標の許容値の範囲内に補正する
操作量設定値のうち、補正前の操作量設定値に最も近い
第2の操作量設定値を、上記制御ルールに基づいて算出
する手段と、補正前の操作量設定値が上記制御量を上記
目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲内にな
いと判断される場合には、上記第2の操作量設定値を上
記操作量として印加する手段とを設けるようにしてい
る。
【0023】この構成においては、まず制御量測定値と
目標値とが比較され、制御量が目標値になるような操作
量が演算される。そしてさらに、上記制御量を目標の許
容値以内に補正する操作量設定値の範囲を求め、それら
のうちで、補正前の操作量設定値に最も近い値を算出し
ている。これにより、制御量誤差をゼロにするための操
作量設定値と、許容値以内の制御誤差に収めるために必
要となる最少の操作補正量の両方が得られるため、ノイ
ズの混入などにより検知した制御量に基づいて作成した
制御ルールに誤差があり、しかも2種類以上の制御量の
間に強い交互作用があるために過大な操作補正量が算出
されるような場合でも、その影響を軽減/排除し、制御
の誤動作や発振などを防ぐ(異常なほど大幅に操作量を
補正変更して暴走/発散/発振する、などを防げる)と
ともに、制御量を許容範囲以内の誤差に収めるように制
御できる。
【0024】また、この構成においては、補正前の操作
量設定値が上記制御量を上記目標の許容値以内に補正す
る操作量設定値の範囲内にあると判断される場合には、
補正前の操作量設定値を上記操作量としてそのまま印可
するようにしてもよい。また、上記操作量が、上記制御
ルールにしたがって上記制御量の誤差をゼロにする操作
量設定値と、目標の許容値の範囲内になる値のうちで最
も補正前の操作量設定値に近い操作量設定値との間にな
るように、上記操作量を補正するようにしてもよい。
【0025】また、本発明によれば、上述の目的を達成
するために、画像品質に関する2種類以上の制御量が、
それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画像形
成装置に、上記制御量の目標値を設定する手段と、上記
制御量目標値に対する許容値を設定する手段と、制御用
の基準パターンを作成する手段と、上記基準パターン上
の制御量を測定する手段と、制御ルールを記憶する手段
と、記憶されている制御ルールを用いて適合化した制御
ルールを生成する手段と、上記適合化した制御ルールに
従って、上記目標値および上記制御量の測定値の間の誤
差に応じて、第1の操作量設定値を算出する手段と、上
記制御量を目標の許容値の範囲内に補正する操作量設定
値のうち、補正前の操作量設定値に最も近い第2の操作
量設定値を上記適合化した制御ルールに従って算出する
手段と、補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目標
の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲内にないと
判断される場合には、上記第2の操作量設定値を上記操
作量として印加する手段とを設けるようにしている。こ
の構成においては、まず制御量測定値と目標値とが比較
され、適合化した制御ルールに従って制御量が目標値に
なるような操作量が演算される。そしてさらに、上記制
御量を目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲
を求め、それらのうちで、補正前の操作量設定値に最も
近い値を算出している。これにより、制御量誤差をゼロ
にするための操作量設定値と、許容値以内の制御誤差に
収めるために必要となる最少の操作補正量の両方が得ら
れるため、適合化した制御ルールに誤差があり、しかも
2種類以上の制御量の間に強い交互作用があるために過
大な操作補正量が算出されるような場合でも、その影響
を軽減/排除し、制御の誤動作や発振などを防ぐ(異常
なほど大幅に操作量を補正変更して暴走/発散/発振す
る、などを防げる)とともに、制御量を許容範囲以内の
誤差に収めるように制御できる。
【0026】また、この構成において、補正前の操作量
設定値が上記制御量を上記目標の許容値以内に補正する
操作量設定値の範囲内にあると判断される場合には、補
正前の操作量設定値を上記操作量としてそのまま印可す
るようにしてもよい。また、上記操作量が、上記適合化
した制御ルールにしたがって上記制御量の誤差をゼロに
する操作量設定値と、目標の許容値の範囲内になる値の
うちで最も補正前の操作量設定値に近い操作量設定値と
の間になるように、上記操作量を補正するようにしても
よい。
【0027】また、本発明によれば、上述の目的を達成
するために、画像品質に関する2種類以上の制御量が、
それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画像形
成装置に、上記制御量の目標値を設定する手段と、上記
制御量の目標値に対する許容値を設定する手段と、制御
用の基準パターンを作成する手段と、上記基準パターン
上の制御量を測定する手段と、操作量と制御量との対応
関係を規定する制御ルールを記憶する手段と、上記制御
ルールに従って、上記目標値および上記制御量の測定値
の間の誤差に応じて、第1の操作量設定値を算出する手
段と、上記制御量を目標の許容値の範囲内に補正する第
2の操作量設定値を、上記制御ルールに基づいて算出す
る手段と、補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目
標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲内にない
と判断される場合には、上記第2の操作量設定値を上記
操作量として印加する手段とを設けるようにしている。
この構成においては、まず制御量測定値と目標値とが比
較され、制御量が目標値になるような操作量が演算され
る。そしてさらに、上記制御量を目標の許容値以内に補
正する所定の操作量設定値を算出している。これによ
り、制御量誤差をゼロにするための操作量設定値と、許
容値以内の制御誤差に収めるために必要となる操作補正
量の両方が得られるため、ノイズの混入などにより検知
した制御量に誤差があり、しかも2種類以上の制御量の
間に強い交互作用があるために過大な操作補正量が算出
されるような場合でも、その影響を軽減/排除し、制御
の誤動作や発振などを防ぐ(異常なほど大幅に操作量を
補正変更して暴走/発散/発振する、などを防げる)と
ともに、制御量を許容範囲以内の誤差に収めるように制
御できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による具体的な実
施例を示す。本実施例は、下記の順番に説明する。 A:実施例の構成 (1)基本的構成 (2)現像パッチの作成機構およびそのモニタ機構 (3)制御部の構成 B:実施例の動作 (1)初期設定動作 (2)駆動時の動作 基本的動作 クラスタの生成 クラスタを複合して用いる制御 操作量設定値の決定方法 C:変形例 ここで、「B:実施例の動作」の「クラスタを複合し
て用いる制御」までは特開平8−137146号公報
で、本出願人が提案している事例ベース推論を用いた画
像品質制御手法の説明であり、本発明の核となる部分は
「B(2)操作量設定値の決定方法」において主に説
明する。
【0029】A:実施例の構成 (1)基本的構成 先ず、本発明による画像形成装置の画像出力部IOT
(イメージアウトプットターミナル)の概要を図4に示
す。なお、図4では画像読み取り部や画像処理部は省略
している。すなわち、電子写真式による画像出力部IO
Tのみを示している。
【0030】図4を用いて画像形成手順を説明すると、
まず、画像読み取り部(図示せず)で原稿を読み取った
り、あるいは外部のコンピュータ(図示せず)などで作
成されたりして得られた原画像信号に、画像処理部(図
示せず)で適切な処理を行つ。これにより得られる入力
画像信号は、レーザー出力部1に入力され、レーザー光
線Rを変調する。このようにして、入力信号によって変
調されたレーザー光線Rが、感光体2上にラスター照射
される。
【0031】一方感光体2は、スコロトロン帯電器3に
よって一様に帯電され、レーザー光線Rが照射される
と、その表面には入力画像信号に対応した静電潜像が形
成される。次いで現像器6により上記静電潜像がトナー
現像され、転写装置7によって現像トナーが用紙(図示
せず)上に転写され、定着装置8によって定着される。
その後、感光体2はクリーナー11によりクリーニング
され、一回の画像形成動作が終了する。また、10は現
像濃度センサであり、画像エリア外に形成される現像パ
ッチ(後述)の濃度を検出する。
【0032】(2)現像パッチの作成機構およびそのモ
ニタ機構 ここで、本実施例における現像パッチおよびそのモニタ
機構について説明する。現像パッチは、出力画像濃度を
モニタするためのものであり、図5に示すように、ベタ
濃度(網点カバレッジ100%)パッチa1とハイライ
ト(網点カバレッジ20%)濃度パッチa2の2種類を
採用している。そして、これらベタ濃度パッチa1、ハ
イライト濃度パッチa2は、図5に示すように、いずれ
も2〜3cm角程度の大きさに設定され、感光体2の画
像エリア外に形成されるようになっている。すなわち、
図6に示すように、画像エリア2aに潜像が形成された
後、空きエリア2bにおいてベタ濃度パッチa1とハイ
ライト濃度パッチa2が順次形成されるようになってい
る。
【0033】また現像濃度センサ10は、図7に示すよ
うに感光体2の表面に光を照射するLED照射部10a
と、感光体2の表面からの正反射光または拡散光を受光
する受光素子10bとから構成さている。先の図5に示
すラインL1は、現像濃度センサ10の検出ラインであ
る。従って、ベタ濃度パッチa1とハイライト濃度パッ
チa2は検出ラインL1上に形成されるようになってお
り、現像濃度センサ10の近傍を順次通過する。
【0034】ここで図8は現像濃度センサ10の出力信
号の一例を示す図である。図示のように、先ず、原稿の
画像に応じた濃度検出信号が得られ、次いで、ベタ濃度
パッチa1とハイライト濃度パッチa2の各濃度検出信
号が得られる。ベタ濃度パッチa1とハイライト濃度パ
ッチa2は、画像エリア外に形成されている為、用紙に
転写されることはなく、クリーナー11の部分を通過す
る際に消去される。
【0035】なお、本実施例において、現像パッチの濃
度を検出しているのは、ユーザーが手にする定着画像の
濃度(最終画像濃度)と相関が高く、しかもクリーナー
11による除去が可能な為である。また、現像パッチ
は、画像形成時以外のタイミングであれば、画像エリア
内に形成してもよい。
【0036】(3)制御部の構成 次に、図1は、スコロトロン帯電器3、レーザー出力部
1を制御する制御部20の構成を示すブロック図であ
る。図において、21は濃度調整ダイアルであり、操作
者が所望の濃度に応じた値を設定する。濃度調整ダイア
ル21の設定値は、変換器22によって、現像濃度セン
サ10の出力に換算した値(本実施例の場合は「0」〜
「255」の間の値)に変換される。変換器22から出
力される目標値は、制御量メモリ23において保持され
る。この場合、制御量メモリ23は、許容誤差も記憶し
ている。
【0037】一方、現像濃度センサ10の出力信号とメ
モリ23の出力信号とは、濃度コンパレータ24におい
て比較される。この比較においては、メモリ23が記憶
している許容誤差量が参照される。そして、現像濃度セ
ンサ10の出力信号および濃度差は、ルール検索器30
に供給される。さらに、誤差が許容値以上であれば制御
事例メモリ25にも供給される。
【0038】制御事例メモリ25は、制御事例を記憶す
るメモリであり、状態量、操作量、制御量の3種の量を
一組にして記憶する。このように、制御事例を記憶する
のは、本実施例においては、過去に記憶された制御事例
に基づいて種々の制御を行う為である。これは、事例ベ
ース推論と呼ばれる手法に基づく制御手法である。
【0039】ここで、制御事例メモリ25に記憶される
状態量とは、電子写真のプロセスに支配的な影響を及ぼ
す温度や湿度、あるいは経時的劣化量などを言うが、こ
れらの状態量がある限られた時間内でほぼ一定とみなせ
るため、本実施例の場合は、その代用として事例の発生
時刻(日付と時分秒)を用いている。ただし、発生時刻
が、所定の時間単位(3分、5分あるいは10分等の予
め決められた時間単位)内にあれば、状態量としては、
等しいとして取り扱うようにしている。これは、発生時
刻が互いに近い事例同士であれば、両者はほぼ同様な温
度湿度下にあって、経時的劣化の度合いも同じ程度であ
ろうと期待できるためである。また、発生時刻を示す時
刻データは、本実施例においては、図1に示すクロック
タイマ40から供給されるようになっている。
【0040】次に操作量とは被制御対象の出力値を変化
させるパラメータの調整量をいい、本実施例の場合は、
スコロトロン帯電器3のグリッド電圧設定値(0〜25
5、以下スコロ設定値と省略する)とレーザーパワー設
定値(0〜255、以下LP設定値と省略する)の2種
である。この2つの量を操作量としたのは、制御しよう
としている最終画像濃度がベタ濃度部とハイライト濃度
部の2点であること、および、スコロ設定値とLP設定
値がベタ濃度とハイライト濃度に相関が高いためであ
る。
【0041】また、スコロ設定値およびLP設定値は、
各々操作量メモリ32に記憶されており、操作量補正演
算器31の出力信号に対応した値が適宜読み出されるよ
うになっている。そして操作量メモリ32から読み出さ
れたスコロ設定値はグリッド電源15に供給され、これ
により、グリッド電源15はスコロ設定値に応じた電圧
をスコロトロン帯電器3に印加する。また、操作量メモ
リ32から読み出されたLP設定値は、光量コントロー
ラ16に供給され、これにより、光量コントローラ16
はLP設定値に応じたレーザーバワーをレーザー出力部
1に与える。
【0042】次に制御事例メモリ25に供給される制御
量は、現像濃度センサ10の出力信号であり、以上の結
果、制御メモリ25には、例えば、表1に示すような制
御事例が記憶される。
【表1】
【0043】この表において、例えば事例1は、状態量
(発生時刻)が1994年4月1日12時00分10
秒、LP設定値が「83」、スコロ設定値が「13
0」、制御量(センサ出力値)がベタ濃度部分において
「185」、ハイライト部分において「23」であり、
事例4は状態量1994年4月2日9時00分5秒、L
P設定値が「148」、スコロ設定値が「115」、制
御量がベタ濃度部分において「185」、ハイライト部
分において「30」である。
【0044】次に図1に示す状態量コンパレータ26、
クラスタメモリ27、および制御ルール演算器28は、
制御事例メモリ25に記憶された制御事例を参照して制
御ルールを抽出する機能を有している。なお、これらの
ブロックの作用については、後に詳述する。
【0045】また制御ルールメモリ29は、制御ルール
演算器28が算出した制御ルールを複数記憶するメモリ
であり、制御ルール検索器30から要求があると、その
要求に応じた制御ルールを返信する。この場合、制御ル
ール検索器30は、濃度コンパレータ24から供給され
る濃度差および操作量メモリ32から供給される操作量
(すなわち、LP設定値、スコロ設定値)に応じた制御
ルールを、制御ルールメモリ29に要求するようになっ
ている。
【0046】次に操作量補正値演算器31は、制御ルー
ル検索器30によって検索された制御ルールを用いて、
操作量の補正値を求め、求められた補正値を操作量メモ
リ32に供給する。これにより、操作量メモリ32は、
操作量補正値に対応した操作量、すなわち、LP設定値
およびスコロ設定値を、グリッド電源15および光量コ
ントローラ16に各々供給する。
【0047】一方、基準パッチ信号発生器42は、ベタ
濃度パッチa1とハイライト濃度パッチa2の作成を指
示する回路であり、パッチ作成タイミングにおいて校正
用基準パッチ信号を画像出力部IOTに出力する。これ
によって図5に示すベタ濃度パッチa1とハイライト濃
度パッチa2が作成される。
【0048】この場合、基準パッチ信号発生器42の動
作タイミングはI/O調整部41によって行われる。I
/O調整部41は、クロックタイマ40が出力するタイ
ム信号を監視し、ベタ濃度パッチa1とハイライト濃度
パッチa2が所定位置に形成されるように、基準パッチ
信号発生器42に動作タイミング信号を供給する。
【0049】B:実施例の動作 (1)初期設定動作 次に、上記構成による本実施例の動作について説明する
が、初めに、初期設定処理(いわゆる、機能の立ち上げ
処理)について説明する。まず、技術者は、制御用パラ
メータとして選ばれたスコロ設定値とLP設定値を適当
に設定する。そして制御部20は、ベタ濃度パッチal
とハイライト濃度パッチa2を作成し、それぞれを現像
濃度センサ10により測定し、その内容を制御事例とし
て制御事例メモリ25に記憶される。この結果、制御事
例メモリ25には、最初の制御事例(制御事例1)が記
憶される。
【0050】同様にして、スコロ設定値とLP設定値を
それぞれ変化させつつ、さらに2回分の制御事例を制御
事例メモリに記憶させる。すなわち、技術者は制御装置
立上げ時(状態量が等しい単位時間内)に、合計して3
組の制御事例を作成して制御事例メモリ25に記憶させ
る。
【0051】ここで3組という数は、制御対象の数+1
という意味であり、本実施例では制御対象の数の2(ベ
タ濃度とハイライト濃度)に1をプラスしたものであ
る。なおこれより多くの制御事例を示すことは構わな
い。上記のようにして初期設定時の3組(制御対象の数
+1個)の制御事例が制御事例メモリ26に記憶される
と、その記憶内容が状態量コンパレータ26およびクラ
スタメモリ27を介して制御ルール演算器28に供給さ
れ。これで制御ルールが求められる。この場合の制御ル
ールは図9に示すような制御事例平面として抽出され
る。
【0052】図9において、P1,P2,P3は、初期
設定における3組の制御事例についてのスコロ設定値と
LP設定値の組合せを示す点である。ここで、点P1,
P2,P3に対応するハイライト濃度(ハイライト濃度
パッチの検出濃度)を示す点をH1,H2,H3とし、
同様に点P1,P2,P3に対応するベタ濃度(ベタ濃
度パッチの検出濃度)を示す点をB1,B2,B3とす
る。そして、点B1,B2,B3を通る平面をベタ事例
平面BPとし、点H1,H2,H3を通る平面をハイラ
イト事例平面HPとする。ここで状態量が変化しない場
合に、スコロ設定値とLP設定値を適宜変化させた時に
得られるベタ濃度を示す点は、すベてベタ事例平面BP
内に収まることになる。また、同様にして、状態量が変
化しない場合に、スコロ設定値とLP設定値を適宜変化
させた時にえられるハイライト濃度を示す点は、すべて
ハイライト事例平面HP内に収まる。このように、ベタ
事例平面BPおよびハイライト事例平面HPは、状態量
が変化しない場合の全ての事例を示していることにな
り、言い換えれば、これらの平面がイニシャル時のベタ
濃度とハイライト濃度に関する制御ルールを示すことに
なる。以上の処理により、本実施例における初期設定処
理が終了する。
【0053】ここで初期設定時に3組の事例を記憶させ
た理由を述べると、以下の通りである。まず、一般に
は、制御対象の数をnとした場合、n+1個の制御事例
が必要になり、制御事例を示す面は、n+1次元空間の
n次平面になる。従って、このn次平面を一義的に決定
するには、n+1個のデータ点が必要になる。本実施例
の場合は、ベタ濃度とハイライト濃度という2つの制御
対象を設定しているため、n=2になり、3組の制御事
例が必要となるのである。
【0054】(2)駆動時の動作 基本的動作 次に、稼働時における本実施例の動作について説明す
る。ただし、以下の動作においては、上記のようにして
イニシャルの制御ルールが決まった状態で、翌日から実
稼働制御を開始した場合を想定する。
【0055】まず、画像形成装置に電源が投入される
と、自動的にセットアップ動作が実行される。このセッ
トアップ動作においては、前回の(例えば、前日の最終
画像出力時の)各設定値を、そのまま今回の設定値とし
て、ベタ濃度パッチa1とハイライト濃度パッチa2が
作成され、これらの濃度が現像濃度センサ10によって
測定される。ここでは、LP設定値が「98」、スコロ
設定値が「76」であったとして、現像濃度センサ10
が検出した濃度を制御事例空間内にプロットする。今、
ベタ濃度パッチa1、ハイライト濃度パッチa2の各濃
度が各々B4,H4であったとすると、図10に示すよ
うなプロットが行われ、記憶されている制御事例に対応
する今回の制御内容が認識される。
【0056】このプロットは、図1に示す制御ルール検
索器30が行う。すなわち、制御ルール検索器30は、
濃度コンパレータ25から転送される濃度B4,H4お
よび操作量メモリ32から転送されるLP設定値「9
8」、スコロ設定値「76」に基づき、制御ルールメモ
リ29内に記憶されている初期設定時の制御事例平面に
プロットする。
【0057】ところで、制御事例平面とは、ある状態の
下で、ある設定をしたときの出力値をプロットして作ら
れたものであり、従って状態になんらかの変化が生じ
て、同じ設定をしても出力値が異なるようになれば、当
然変化が生じる前の状態における制御事例平面とは一致
しなくなる。すなわち、上記の例のように今回のセット
アップ時の制御内容が、昨日の立上げ時に作成した制御
事例平面上に(実効上、距離を隔てることなく)プロッ
トされた場合というのは、立上げ時と今回の画像形成装
置の置かれている状態(例えば、温度や湿度や経時的変
化の度合いなど、電子写真プロセスが影響を受けるすべ
ての要因の影響)が、事実上同程度であるとみなせるこ
とを意味している。ここで、「実効上、距離を隔てるこ
となく」とは、制御事例平面上に一致しているとみなし
て制御した結果、実際に出力された画像濃度と目標濃度
の差異が、許容誤差量を越えない場合を言う。
【0058】次に、イニシャル設定されているプリント
濃度、あるいはユーザによって指定された所望のプリン
ト濃度を濃度センサ出力に換算して、目標濃度出力値を
求め、上述した制御事例空間内に目標濃度平面として設
定する。この設定は、回路上は次のようにして行われ
る。
【0059】まず、濃度調整ダイアル21の調整値が変
換器22によって変換され、これがメモリ23に記憶さ
れる。そして、このメモリ23内の濃度目標値が濃度コ
ンパレータ24を介して制御ルール検索器30に転送さ
れる。制御ルール検索器30は、制御事例空間に濃度目
標値の平面(スコロ設定値軸−LP設定値軸平面に並行
な面)を記述し、制御ルールメモリ29から読み出した
ベタ事例平面BP、ハイライト事例平面HPに重ね合わ
せる。
【0060】以上の処理により、制御事例空間内には、
図10に示すように、ベタ濃度に関するベタ事例平面B
Pと、ハイライト濃度に関するハイライト事例平面HP
と、ベタ目標濃度平面BTPと、ハイライト目標濃度平
面HTPが構成され、そこへ上述したセットアップ時の
制御内容がプロットされたことになる。
【0061】さて、図10から明らかなように、ベタ事
例平面BPとベタ目標濃度平面BTPが交差するベタ目
標実現ラインBTL上に今回の制御内容がプロットされ
ていれば、ベタ目標濃度が実現できていることになる。
今回の制御内容が目標実現ライン上に載っていなかった
場合には、各設定値を変更して、すなわち補正して、ベ
タ目標実現ラインBTL上にプロットされるような組合
せを選べば、次回の画像出力はベタ目標濃度を実現でき
ると予測できる。
【0062】同様にハイライト濃度についても、ハイラ
イト目標実現ラインHTL上にプロットされるような各
設定値の組合せを選べば、次回の画像出力時にハイライ
ト目標濃度が実現できると推論できる。したがって、ベ
タ濃度とハイライト濃度の両方を、それぞれ同時に目標
濃度にするように制御するためには、ベタ目標実現ライ
ンBTLとハイライト目標実現ラインHTLを、LP設
定値軸とスコロ設定軸で作られる平面へ射影して、その
交点のLP設定値とスコロ設定値を採用すれば良い。図
10で用いた例の場合、今回の設定値(98、76)を
次回は(128、115)に修正して設定すれば、ベタ
とハイライトのそれぞれの目標濃度が同時に実現できる
ことが判る。このようにして、セットアップデータか
ら、ベタとハイライト濃度を所望の値に実現するための
次のLP設定値とスコロ設定値が決定できる。なお、こ
の設定値の決定方法の詳細については、操作量設定値
の決定方法で説明する。
【0063】上述した次回の設定値の算出処理は、操作
量補正演算器31が行い、その演算結果が操作量メモリ
32に転送される。この結果、操作量メモリ32から
は、新たなスコロ設定値およびLP設定値に対応する信
号が出力され、グリッド電源15および光量コントロー
ラ16に供給される。以後同様にして、目標濃度を実現
するために最適なLP設定値とスコロ設定値が設定さ
れ、的確な画像濃度制御が行われる。
【0064】クラスタの生成 本発明は、基本的には以上のようにして目標濃度を実現
するのであるが、現実には、常にその稼働時点の制御内
容が、ベタおよびハイライト事例平面上に(実効上、距
離を隔てることなく)プロットされるとは限らない。物
理的にそのメカニズムについて言えば、温度や湿度が変
化したり、経時劣化が進んだりすると、トナー帯電量や
感光体の帯電特性が変化するため、レーザーパワーとス
コロトロン・グリッド電圧が同一の設定値であっても、
濃度が大幅に異なってしまう。例えば、高温多湿時には
濃度が高い方にずれ、低温低湿時には濃度が低い方にず
れてしまう。すなわち、制御時点の温度や湿度、経時劣
化の度合いなどが、すでに採取・記憶されている制御事
例群とある程度以上異なっていると、既存のベタおよび
ハイライト制御事例平面から大きく離れた座標空間上に
プロットされてしまう。
【0065】このような場合、あるひとつの制御事例平
面をそのまま今回の制御ルールとして用いると、推論の
誤差が大きくなる。なぜなら、上記のように物理的に画
像濃度再現メカニズムが影響を受けており、制御事例平
面が変化しているからである。
【0066】そこでこの例では、状態が変化した場合の
制御事例を追加記憶し、新たな状態に適合した制御事例
群からなる新たな制御事例平面を作成していく。これに
より、制御事例平面は、立上げ時の一面のみの状態か
ら、必要に応じて順次増加していく。すなわち、例えば
Aという状態下での制御事例群、Bという別の状態下で
の制御事例群、・・・というようにである。ここでは、
これらそれぞれをクラスタと名付けている。すなわちク
ラスタA、クラスタB、というようにである。制御事例
を追加するか否かの判断は、制御動作が実行された後に
作成された現像パッチを用いて制御結果の善し悪しを判
断し、この判断結果に基づいて行われる。
【0067】具体的に言えば、目標濃度と現実のベタお
よびハイライト現像パッチの濃度差を読み取り、この値
が許容誤差以内にあるかどうかを判定している。ちなみ
に本実施例では、ベタ濃度の許容誤差を色差3以内、ハ
イライト濃度の許容誤差を色差1以内と規定している。
ただし、この値は、システムの目標精度に応じて任意に
決定される。
【0068】そして、ベタおよびハイライトの両方が許
容誤差以内であれば、前述のように、そのまま次回の制
御動作に入るが、ベタおよびハイライトのうちどちらか
片方でも許容誤差量を越えるような大きな誤差があった
場合には、その内容、すなわち制御事例を制御事例メモ
リ25に追加記憶する。
【0069】この追加記憶は、次のようにして行われ
る。まず、図1に示す濃度コンパレータ24が許容値以
上であると判断し、その時の現像濃度センサ10の出力
信号を制御事例メモリ25に転送する。制御事例メモリ
25は、新たに供給された制御量とともに、状態量およ
び操作量を組にして記憶する。そして、状態量コンパレ
ータ26は、制御事例メモリ25に新たに書き込まれた
事例に基づき、最新クラスタと時刻比較し、状態類似が
否かを判定する。すなわち、制御事例群である最新クラ
スタ内の制御事例の時刻情報と、制御事例メモリ25に
新たに書き込まれた制御事例の時刻情報とを比較し、所
定の時間内であれば、状態類似と判断し、所定の時間以
上離れていれば状態非類似と判断する。
【0070】そして、状態類似と判断された場合は、最
新クラスタについて制御事例を追加すべく、クラスタメ
モリ27に書き込む。このとき、制御ルール演算器28
は、新たに追加された制御事例を包含するような事例平
面を算出し、当該平面を示す係数を制御ルールメモリ2
9に転送する。
【0071】ここで、制御事例が増えた場合の制御ルー
ルの補正方法について説明する。前述のように、制御対
象の数をnとすれば、その制御のためには、n+1次元
空間のn次元平面が必要であり、また、これを一義的に
決定するためには、n+1個のデータ点が必要である。
このために、本実施例においては、3組の制御事例が初
期設定において必要であった。このことは逆に、n+1
個以上であれば統計的にはより信頼性の高い事例群が得
られることになる。そこで、制御ルール演算器28は、
追加された制御事例と、それ以前に記憶されていた制御
事例を用いて(すなわち、n+1個以上のデータを用い
て)最小二乗誤差法などの計算方法を用いて平面を決定
する。もちろん、最小二乗法に限定したものではなく、
平均法など他の計算方法であってもよい。要するに、制
御事例に基づいてn次元平面が設定できれば、その他の
方法を用いてもよい。
【0072】一方、状態量コンパレータ26が、制御事
例メモリ25に新たに書き込まれた制御事例の状態を非
類似と判断した場合は、新規クラスタを作成して分類す
る。この新規クラスタはクラスタメモリ27に転送さ
れ、制御ルール演算器28により新たなルール(平面)
が演算される。ところで、制御ルールメモリ29におい
ては、制御ルール演算器28によって算出された平面を
示す式の係数だけが記憶され、記憶容量の増大化を極力
抑制している。
【0073】クラスタを複合して用いる制御 前述したことから明らかなように、本実施例がさまざま
な状態下で稼働すると、さまざまなクラスタが作成され
ることになる。ただし、状態が変わったときに、必ずし
も新たな制御事例を追加記憶して新たなクラスタを作ら
なければならないとは限らない。例えば、湿度など他の
状態が実効的に全く同じで、温度だけが高温の場合のク
ラスタと低温の場合のクラスタがすでに有った場合、今
回は中温で稼働することになった画像形成装置では、新
たなクラスタを作らなくとも、高温クラスタと低温クラ
スタを組合せて用いるだけで、十分な制御精度を得られ
る場合が多い。このような場合、現在の制御内容と複数
の各制御事例平面からの距離に基づいて、現在の制御内
容がその面内に含まれるような新たな平面を構築し、こ
れをもって現状に適合した制御事例平面と見なす制御を
行っている。
【0074】ここで、クラスタの組み合わせによる平面
構築について、図11を参照して説明する。図11は、
クラスタAのベタ事例平面と、クラスタBのベタ事例平
面が形成されている場合を示しており、新たにプロット
された点B6は、いずれの平面にも位置してない。この
とき、座標空間上で現在の制御内容を示す点、すなわ
ち、点B6と、各事例平面との間の距離を計算する。そ
して、その逆数を求め、それを規格化する。すなわち、
各々の制御事例平面からの距離の逆数を合計したものが
1となるようにする。このように規格化された値を適合
度と定義し、この適合度によって各事例平面の各座標軸
方向の傾きを重み付けして合計する。そして、合計した
量を、現状に適合できる新たな制御事例平面の各座標軸
方向の傾きとし、さらに現在の制御内容をその面上に含
むような高さ(濃度軸の切片)に合わせ込んでいる。
【0075】このような処理は、適合度がほぼ100%
とみなせる制御事例平面が検索できなかった場合に行わ
れる。ここで、適合度がほぼ100%になる場合とは、
新たにプロットされる点が、既述したように、「制御平
面上に実効上、距離を隔てることなくプロットされる場
合」と同義である。
【0076】そして、以上の処理は、制御ルール検索器
30において、次のようにして行われる。まず、操作量
メモリ32から供給される操作量と、濃度コンパレータ
25から転送される現像濃度センサ10の検出値とに対
応する点を、座標空間にプロットする。そして、制御ル
ールメモリ29に記憶されている各クラスタの制御平面
を順次読み出し、新たにプロットした点との間の距離を
求める。ただし、ここでいう「距離」とは、操作量を制
御ルールの式に代入して得られる計算上の制御量と実測
された制御量との差であり、必ずしも面と点との間の最
短距離ではない場合がある。そして、このようにして求
めた距離から適合度を算出し、この適合度に応じて各事
例平面の座標軸方向の傾きを重み付けして合計する。こ
のように合計された各軸の傾きを持つ平面を新たな制御
事例平面とし、さらに、プロットされた点がその面上に
位置するように、新たな制御事例平面の高さ(濃度軸の
切片)を調整する。以上のようにして作成された新たな
制御事例平面を用いて、図10で示した場合と同様の手
順によって、次のLP設定値とスコロ設定値を求める。
【0077】なお、立上げ直後や、稼働時間あるいは画
像形成回数が少ない画像形成装置では、当然、制御事例
平面は立上げ時に作られた一面だけしか存在していない
が、この場合も本実施例では、複数の制御事例平面が存
在する場合とまったく同一に取り扱える。すなわち、制
御事例平面が立上げ時に作られた一面だけの場合には、
その面の適合度が1(100%)になるため、面の傾き
は変化せずに、現在の制御内容が面内に含まれる位置ま
で、立上げ時に作った制御事例平面を濃度軸方向に平行
移動したものが今回使われる制御事例平面となる。
【0078】一方、過去の制御事例だけでは、たとえ上
述のように適合度を用いて新たな制御事例平面を仮想的
に構築しても十分ではなく、現時点における実際の制御
事例を採取して制御ルールの改良を行わなければ次回以
降の制御精度も不十分であると予測される場合(すなわ
ち、濃度コンパレータ25で許容値以上と判断された場
合)は、前述のように、新たなクラスタを作成する。
【0079】操作量設定値の決定方法 これまでの説明は、本発明を適用できる制御系(本出願
人の提案している事例ベース推論による制御)の説明で
ある。そして、以下に示す部分が本発明の核となる部分
である。
【0080】先述した”基本的動作”での説明におい
ては、次回の操作量は、図10に示したように、ベタ目
標実現ラインBTLとハイライト目標実現ラインHTL
をLP設定値軸とスコロ設定値軸で作られる平面に射影
し、その2本のラインの交点を設定値としている。しか
し、先述したように、ベタ目標実現ラインBTLとハイ
ライト目標実現ラインHTLが似通った場合には、制御
ルールに誤差を含んでいると、補正演算の結果は大きな
誤差を生じてしまう。
【0081】このため、本実施例においては、ベタ目標
実現ラインおよびハイライト目標実現ラインそれぞれを
求める際に、目標値との許容誤差も加味する。すなわ
ち、目標濃度にその許容値を加算および減算することに
より目標濃度許容値を求め、目標濃度平面と目標濃度許
容平面を先述した制御事例空間内に設定する。これによ
り、図12に示すように、制御事例空間内にはベタに関
するベタ事例平面BPと、ベタ目標濃度平面BTPと、
ベタ目標濃度許容平面BTP2、BTP3が構成され
る。ハイライトに関しても同様にハイライト事例平面H
Pと、ハイライト目標濃度平面HTPと、ハイライト目
標濃度許容平面HTP2、HTP3が構成される。
【0082】これより、ベタに関しては、ベタ事例平面
BPとベタ目標濃度平面BTPが交差するベタ目標実現
ラインBTLと、ベタ事例平面BPとベタ目標濃度許容
平面BTP2、BTP3がそれぞれ交差するベタ目標許
容ラインBTL2、BTL3が設定される。ハイライト
に関しても同様にハイライト事例平面HPとハイライト
目標濃度平面HTPが交差するハイライト目標実現ライ
ンHTLと、ハイライト事例平面HPとハイライト目標
濃度許容平面HTP2、HTP3がそれぞれ交差するハ
イライト目標許容ラインHTL2、HTL3が設定され
る。
【0083】次に、図13に示すように、上記6本のラ
インをLP設定値軸−スコロ設定値軸で形成される平面
に射影し、そこに、パッチ作成時の操作量設定値(点P
4で示す)をプロットする。そして、点P4が、ベタお
よびハイライトの目標許容ラインBTL2、BTL3、
HTL2、HTL3で形成される平行四辺形P7P8P
9P10の中にプロットされているかどうかを判断す
る。
【0084】ここで、図13に示すように、パッチ作成
時の操作量設定値P4が平行四辺形P7P8P9P10
の中にプロットされている場合には、制御量がすでに目
標値の許容範囲内に納まっているので、次回の操作量は
設定値P4から変更しない。
【0085】一方、図14に示すようにパッチ作成時の
操作量設定値P4が、平行四辺形P7P8P9P10の
外部にプロットされている場合には、点P4から平行四
辺形P7P8P9P10までの距離が最短となる値を求
める。この時、図14でハッチングした領域内にパッチ
作成時の操作量設定値P4がプロットされるか否かで場
合分けする。ハッチングした領域内にプロットされてい
る場合は、後に詳細に説明するが、平行四辺形の頂点が
最短距離となる。ハッチングした領域外の場合には、パ
ッチ作成時の操作量設定値P4から平行四辺形の最寄り
の辺に対して引いた垂線がその辺と交わる点が最短距離
となる。
【0086】まず、ハッチングした領域内にプロットさ
れている場合について説明する。図14の領域はベタ
目標許容ラインBTL3とハイライト目標許容ラインH
TL3の交点P7における、BTL3の垂線と、HTL
3の垂線とに挟まれた領域である。同様に領域はベタ
目標許容ラインBTL2とハイライト目標許容ラインH
TL3の交点P8における、BTL2の垂線と、HTL
3の垂線とに挟まれた領域である。領域はベタ目標許
容ラインBTL2とハイライト目標許容ラインHTL2
の交点P9における、BTL2の垂線と、HTL2の垂
線とに挟まれた領域である。領域はベタ目標許容ライ
ンBTL3とハイライト目標許容ラインHTL2の交点
P10における、BTL3の垂線と、HTL2の垂線と
に挟まれた領域である。これらハッチングした領域内に
パッチ作成時の操作量設定値がプロットされている場合
には、ハッチングした領域に接する平行四辺形の各頂点
の値が、補正量が最小となる操作量設定値となり、次回
の操作量をこの点の値に設定する。図14では、パッチ
作成時の操作量設定値P4が領域にプロットされてい
るので、次回の操作量を点P9に設定する。
【0087】次に、図15を用いてパッチ作成時の操作
量設定値P4がハッチングした領域外にプロットされて
いる場合について説明する。図15のように、領域に
パッチ作成時の操作量設定値P4がプロットされている
場合は、点P4からハイライト目標許容ラインHTL3
に垂線を引く。その垂線がハイライト目標許容ラインH
TL3と交わる点P11が、補正量が最小となる操作量
設定値となる。この点P11の値を次回の操作量設定値
とする。これと同様に、領域にパッチ作成時の操作量
設定値P4がプロットされている場合にはベタ目標許容
ラインBTL2に、領域の場合にはハイライト目標許
容ラインHTL2に、領域の場合にはベタ目標許容ラ
インBTL3に対し、垂線を引き、それが各目標許容ラ
インと交わる点を次回の操作量設定値とする。
【0088】これにより、制御量を許容範囲以内の誤差
に収めるために必要最小限の操作補正量を一義的に求め
られ、これにより、制御の誤動作や発振などが抑制でき
る。
【0089】図16は、以上の操作量設定値の決定を行
う具体的な構成例を示すものであり、この図において、
操作量補正演算器31は第1操作量補正演算部51、第
2操作量補正演算部52、操作量許容範囲決定部53お
よびゲート部54を有している。第1操作量補正演算部
51は制御ルール検索部30からの制御ルールに基づい
て目標値に合致した操作量を決定するものである。操作
量許容範囲決定部53は制御量の目標値および制御量の
許容誤差に基づいて操作量の許容範囲を決定するもので
ある。すなわち、制御量の許容範囲の境界条件を制御ル
ールに適用して操作量の許容範囲を決定する。第2操作
量補正演算部52は、第1操作量補正演算部51で算出
した、目標値に合致する操作量と、操作量許容範囲決定
部53で決定した操作量の許容範囲とに基づいて、例え
ば、操作量の座標空間において、目標値に合致する操作
量の点と一番距離が短い、許容範囲境界線上の点を示す
操作量を算出する。第2操作量補正演算部52の処理
は、図14の点P9の操作量や図15の点P11の操作
量を算出するものである。ゲート部54は、前回の操作
量が今回の許容操作量範囲に収まるときには、新たな操
作量を操作量メモリ31に送らない。その結果、前回の
操作量を用いて制御が行われる。他方、前回の操作量が
今回の許容操作量範囲から外れたときには、ゲート部5
4は、第2操作量補正演算部52により決定された操作
量を操作量メモリ32に送る。このため、新たなルール
を適用する際にこのルールに誤差が含まれていても、操
作量が極端に変化することを回避できる。また前回と同
一のルールを適用している場合に、制御量の測定に大き
な誤差が混入しても、その誤差により操作量が極端に変
動することを回避できる。
【0090】なお、この構成例では、制御量が許容範囲
内に収まると予想されるときには、ゲート部54を用い
て、前回の操作量を用いるようにしたが、この場合に、
第1の操作量補正演算部51で算出した操作量を操作量
メモリ32に送り、この操作量で制御が行われるように
してもよい。
【0091】また、制御量の許容誤差は、制御事例メモ
リ25への制御事例の登録に用いたものを流用したが、
別途に制御量の許容誤差を設定するようにしてもよい。
【0092】C:変形例 上述した実施例においては、以下に述べるような種々の
変形が可能である。
【0093】(1)実施例においては、図13に示した
ように、パッチ作成時の操作量設定値P4が、平行四辺
形P7P8P9P10の内部にプロットされる場合は、
次回の操作量の値をP4のまま変更しないこととした。
しかし、これは一例で、次回の操作量設定値としてベタ
目標実現ラインBTLとハイライト目標実現ラインHT
Lの交点P5としてもよい。この場合、制御誤差をより
少なくするように操作量が設定されることになる。
【0094】(2)実施例においては、図14に示した
ようにパッチ作成時の操作量設定値P4が、平行四辺形
P7P8P9P10の外側にプロットされている場合に
は、図のハッチングした領域内にプロットされるか否か
で場合分けを行ない、次回の操作量設定値を平行四辺形
の頂点の値、あるいは、点P4から平行四辺形の最寄り
の辺に引いた垂線が辺と交わる点とした。しかし、これ
は一例であり、例えば、図17に示すように、点P4か
らベタ目標実現ラインBTLとハイライト目標実現ライ
ンHTLの交点P5に直線を引き、その直線が平行四辺
形P7P8P9P10の辺と交差する点P11を次回の
設定値としてもよい。この場合は、操作補正量は必ずし
も最小とはならないが、ハッチングした領域内にプロッ
トされるか否か判別する必要がなくなるため、補正量の
算出演算がより簡単にできるという利点がある。
【0095】(3)実施例において用いたセンサは単な
る一例であり、本発明の効果を得るためには、現像パッ
チの濃度が正しく測定できるセンサであれば、どのよう
な方式のものでも構わない。また、モニタする対象も、
最終画像濃度と相関が高いものであれば、どのようなも
のでも良く、例えば、現像像、転写像、定着像のどれを
モニタしても、ユーザが手にする最終画像濃度と対応づ
けられれば良い。
【0096】(4)また、実施例では、現像パッチの濃
度としてベタ(網点カバレッジ100%)濃度パッチと
ハイライト(網点カバレッジ20%)濃度パッチの二種
類を採用した。パッチ濃度はこれに限定されることはな
く、例えばシャドー(網点カバレッジ70%)濃度パッ
チと極ハイライト(網点カバレッジ8%)濃度パッチの
二種類としてもよい。また、パッチ種類もこの二種類に
限定されることなく、さらに多くの種類のパッチを用い
て、より多くの階調ポイントを制御しても良い。ただ
し、各階調ポイントをそれぞれ独立に制御したい場合
は、制御用パラメータの種類を階調ポイント数に見合っ
た数だけ用意する必要がある。
【0097】(5)実施例では現像バイアス設定値を固
定値としたが、例えばレーザーパワー設定値を固定し、
スコロトロン帯電器のグリッド電圧設定値と現像バイア
スとを制御パラメータとして採用することもできる。こ
れは現像バイアスもベタ濃度とハイライト濃度に高い相
関をもっているためである。したがって、別の組合せと
して、スコロトロン帯電器のグリッド電圧設定値を固定
し、レーザーパワー設定値と現像バイアスとを制御パラ
メータとして採用することもできる。
【0098】あるいはまた、レーザーパワー設定値、現
像バイアス設定値、およびスコロトロン帯電器のグリッ
ド電圧設定値の三つを使って三つの階調ポイントを制御
することも可能である。すなわち、例えば、網点カバレ
ッジが100%、50%、20%というようにである。
【0099】(6)なお、現像パッチの作成とそのセン
シングは、従来技術で行われているパッチ作成および検
出と全く同じ要領で良く、本発明を構成する上での特別
な制約は一切ない。すなわち、従来行われている例のよ
うに、画像形成するたびに毎回パッチを作成しても良い
し、一連のジョブの前のみ、あるいは後のみにパッチを
作成しても良い。あるいは、一定の枚数ごと、一定の時
間ごとにパッチを作成しても良い。
【0100】一般的にパッチ作成とその検出は、頻度が
高いほど精度良く画像濃度の再現状態を把握できるとい
う長所があるが、その分だけトナーを消耗するなどの短
所ももっているため、その画像形成装置の仕様や目的に
合わせて、最適なパッチ作成頻度を採用すれば良い。
【0101】(7)制御ルール検索器において、制御ル
ールの適合度を求めて合成する際に、適合度が所定値
(10%あるいは20%など)より小さいものは無視
し、残りの制御ルールについて再び適合度を求め、これ
らを合成して制御を行うようにしてもよい。このような
制御を行うことで、関連の薄い制御ルールの影響を受け
ずに済むので、より精度の高い制御を行うことができ
る。
【0102】(8)実施例においては、画像濃度を制御
対象にしたが、これに代えて、例えば、線幅、鮮鋭度、
階調などを制御対象にしてもよい。
【0103】(9)実施例においては、制御ルールは、
より現状に即したルールを工数をかけることなく自動抽
出することを目的に事例ベース推論による手法を用いて
抽出することとしたが、制御ルールは、技術者が実験等
により、幾つか求めておいたものを予め与えておき、そ
の中から適合するルールを算出あるいは、選択してもよ
い。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
まず制御量測定値と目標値とが比較され、制御量が目標
値になるような操作量が演算される。さらに、上記制御
量を目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲を
求め、それらのうちで、補正前の操作量設定値に最も近
い値を算出し、これをもとに新たな設定値としている。
従って、たとえ学習した制御ルールに誤差があり、しか
も2種類以上の制御量の間に強い交互作用があるために
過大な操作補正量が算出されるような場合でも、制御量
を許容範囲以内の誤差に収める最小の操作補正量が決定
できるため、制御の誤動作や発振などを防ぐという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例における画像濃度の制御部
の構成を示すブロック図である。
【図2】 従来例において安定した制御が行なえる画像
形成装置の状態を示す概略図である。
【図3】 従来例において不安定な制御になる画像形成
装置の状態を示す概略図である。
【図4】 この発明の実施例における画像出力部の概略
を示す構成図である。
【図5】 同実施例における濃度パッチを示す概略図で
ある。
【図6】 同実施例における濃度パッチの作成位置を示
す概略図である。
【図7】 同実施例おける現像濃度センサの概略を示す
構成図である。
【図8】 同実施例おける現像濃度センサの出力信号の
一例を示す波形図である。
【図9】 同実施例の立上げ時の事例平面を示す概念図
である。
【図10】 同実施例におけるベタおよびハイライト濃
度を制御するための推論方法を示す概念図である。
【図11】 同実施例において、過去の複数のクラスタ
から、適合度を用いて新たなクラスタを作成する様子を
示す概念図である。
【図12】 同実施例において、制御量を目標の許容値
以内とする操作量の範囲を求める方法を示す概念図であ
る。
【図13】 同実施例において、操作量設定値の補正値
の推論方法を示す概念図である。
【図14】 同実施例において、操作量設定値が最小の
補正量となる値を推論する方法を示す概念図である。
【図15】 同実施例において、操作量設定値が最小の
補正量となる値を推論する方法を示す概念図である。
【図16】 同実施例における要部の構成例を示すブロ
ック図である。
【図17】 同実施例の変形例において、操作量設定値
の補正量の推論方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1 レーザ出力部 3 帯電器 10 現像濃度センサ 15 グリッド電源 16 光量コントローラ 21 濃度調整ダイヤル 23 制御量目標値及び許容誤差量メモリ 24 濃度コンパレータ 25 制御事例メモリ 26 状態量コンパレータ 27 クラスタメモリ 28 制御ルール演算器 29 制御ルールメモリ 30 制御ルール検索器 31 操作量補正演算器 32 操作量メモリ 40 クロックタイマ 42 基準パッチ信号発生器 51 第1操作量補正演算部 52 第2操作量補正演算部 53 操作量許容範囲決定部 54 ゲート部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−194918(JP,A) 特開 平8−137146(JP,A) 特開 平9−156065(JP,A) 特開 平8−137510(JP,A) 特開 平5−173605(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/00 303 G03G 21/00 370 - 540 G05B 13/00 - 13/04

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像品質に関する2種類以上の制御量
    が、それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画
    像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記制御量の目標値に対する許容値を設定する手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 操作量と制御量との対応関係から制御ルールを作成する
    手段と、 上記制御ルールおよび上記目標値基づいて操作量設定値
    の第1参考値を算出する手段と、 補正前の操作量設定値が、上記制御量を目標の許容値の
    範囲内に補正する操作量設定値の範囲にないと判断され
    る場合には、上記制御量を目標の許容値の範囲内に補正
    する操作量設定値の範囲に含まれる操作量設定値のう
    ち、操作量空間における距離を尺度として上記補正前の
    操作量設定値に最も近い操作量設定値を、操作量設定値
    の第2参考値として上記制御ルールに基づいて決定する
    手段と、 上記補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目標の許
    容値以内に補正する操作量設定値の範囲内にないと判断
    される場合には、上記操作量設定値の第2参考値を上記
    操作量として印加する手段とを有することを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 上記補正前の操作量設定値が上記制御量
    を上記目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲
    内にあると判断される場合には、上記操作量設定値の第
    1参考値を上記操作量として印可する請求項1記載の画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 上記補正前の操作量設定値が上記制御量
    を上記目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲
    内にあると判断される場合には、上記補正前の操作量設
    定値を上記操作量としてそのまま印加する請求項1記載
    の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 画像品質に関する2種類以上の制御量
    が、それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画
    像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記制御量の目標値に対する許容値を設定する手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 操作量と制御量との対応関係から制御ルールを作成する
    手段と、 上記制御ルールおよび上記目標値基づいて操作量設定値
    の第1参考値を算出する手段と、 補正前の操作量設定値が、上記制御量を目標の許容値の
    範囲内に補正する操作量設定値の範囲にないと判断され
    る場合には、操作量空間において、上記制御量を目標の
    許容値の範囲内に補正する操作量設定値の範囲を確定す
    る境界線と、上記補正前の操作量設定値と上記操作量設
    定値の第1参考値とを結ぶ直線との交点に対応する操作
    量設定値を、操作量設定値の第3参考値として上記制御
    ルールに基づいて決定する手段と、 上記補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目標の許
    容値以内に補正する操作量設定値の範囲内にないと判断
    される場合には、上記操作量設定値の第3参考値を上記
    操作量として印可する手段とを有することを特徴とする
    画像形成装置。
  5. 【請求項5】 画像品質に関する2種類以上の制御量
    が、それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画
    像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記制御量目標値に対する許容値を設定する手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、制御ル
    ールを記憶する手段と、 記憶されている制御ルールを用いて適合化した制御ルー
    ルを生成する手段と、 上記適合化した制御ルールおよび上記目標値基づいて
    作量設定値の第1参考値を算出する手段と、 補正前の操作量設定値が、上記制御量を目標の許容値の
    範囲内に補正する操作量設定値の範囲にないと判断され
    る場合には、上記制御量を目標の許容値の範囲内に補正
    する操作量設定値の範囲に含まれる操作量設定値のう
    ち、操作量空間における距離を尺度として上記補正前の
    操作量設定値に最も近い操作量設定値を操作量設定値の
    第2参考値として上記適合化した制御ルールに従って決
    定する手段と、 上記補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目標の許
    容値以内に補正する操作量設定値の範囲にないと判断さ
    れる場合には、上記操作量設定値の第2参考値を上記操
    作量として印加する手段とを有することを特徴とする画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 上記補正前の操作量設定値が上記制御量
    を上記目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲
    内にあると判断される場合には、上記操作量設定値の第
    1参考値を上記操作量として印可する請求項5記載の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 上記補正前の操作量設定値が上記制御量
    を上記目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範囲
    内にあると判断される場合には、上記補正前の操作量設
    定値を上記操作量としてそのまま印可する請求項5記載
    の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 画像品質に関する2種類以上の制御量
    が、それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画
    像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記制御量の目標値に対する許容値を設定する手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 制御ルールを記憶する手段と、 記憶されている制御ルールを用いて適合化した制御ルー
    ルを生成する手段と、 上記適合化した制御ルールおよび上記目標値基づいて
    作量設定値の第1参考値を算出する手段と、 補正前の操作量設定値が、上記制御量を目標の許容値の
    範囲内に補正する操作量設定値の範囲にないと判断され
    る場合には、上記制御量を目標の許容値の範囲内に補正
    する操作量設定値の範囲を確定する境界線と、上記補正
    前の操作量設定値と上記操作量設定値の第1参考値とを
    結ぶ直線との交点に対応する操作量設定値を、操作量設
    定値の第3参考値として上記制御ルールに基づいて決定
    する手段と、 上記補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目標の許
    容値以内に補正する操作量設定値の範囲内にないと判断
    される場合には、上記操作量設定値の第3参考値を上記
    操作量として印可する手段とを有することを特徴とする
    画像形成装置。
  9. 【請求項9】 画像品質に関する2種類以上の制御量
    が、それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画
    像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記制御量の目標値に対する許容値を設定する手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 操作量と制御量との対応関係を規定する制御ルールを記
    憶する手段と、 上記制御ルールおよび上記目標値基づいて操作量設定値
    の第1参考値を算出する手段と、 補正前の操作量設定値が、上記制御量を目標の許容値の
    範囲内に補正する操作量設定値の範囲にないと判断され
    る場合には、上記制御量を目標の許容値の範囲内に補正
    する操作量設定値を、操作量設定値の第2参考値として
    上記制御ルールに基づいて決定する手段と、 補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目標の許容値
    以内に補正する操作量設定値の範囲内にないと判断され
    る場合には、上記操作量設定値の第2参考値を上記操作
    量として印加する手段とを有することを特徴とする画像
    形成装置。
  10. 【請求項10】 上記補正前の操作量設定値が上記制御
    量を上記目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範
    囲内にあると判断される場合には、上記操作量設定値の
    第1参考値を上記操作量として印可する請求項9記載の
    画像形成装置。
  11. 【請求項11】 上記補正前の操作量設定値が上記制御
    量を上記目標の許容値以内に補正する操作量設定値の範
    囲内にあると判断される場合には、補正前の操作量設定
    値を上記操作量としてそのまま印加する請求項9記載の
    画像形成装置。
  12. 【請求項12】 画像品質に関する2種類以上の制御量
    が、それぞれ目標値になるように、操作量を制御する画
    像形成装置において、 上記制御量の目標値を設定する手段と、 上記制御量の目標値に対する許容値を設定する手段と、 制御用の基準パターンを作成する手段と、 上記基準パターン上の制御量を測定する手段と、 操作量と制御量の対応関係を規定する制御ルールを記憶
    する手段と、 上記制御ルールおよび上記目標値基づいて操作量設定値
    の第1参考値を算出する手段と、 補正前の操作量設定値が、上記制御量を目標の許容値の
    範囲内に補正する操作量設定値の範囲にないと判断され
    る場合には、操作量空間において、上記制御量を目標の
    許容値の範囲内に補正する操作量設定値の範囲を確定す
    る境界線と、上記補正前の操作量設定値と上記操作量設
    定値の第1参考値とを結ぶ直線との交点に対応する操作
    量設定値を、操作量設定値の第3参考値として上記制御
    ルールに基づいて決定する手段と、 上記補正前の操作量設定値が上記制御量を上記目標の許
    容値以内に補正する操作量設定値の範囲内にないと判断
    される場合には、上記操作量設定値の第3参考値を上記
    操作量として印可する手段とを有することを特徴とする
    画像形成装置。
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