JPH101485A - 1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法 - Google Patents
1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法Info
- Publication number
- JPH101485A JPH101485A JP29781596A JP29781596A JPH101485A JP H101485 A JPH101485 A JP H101485A JP 29781596 A JP29781596 A JP 29781596A JP 29781596 A JP29781596 A JP 29781596A JP H101485 A JPH101485 A JP H101485A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diol
- octamethyltetrasiloxane
- transition metal
- salt
- octamethyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単で安全性が良好である上、安定かつ高収
率で1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテ
トラシロキサン−3,5−ジオールを製造する。 【解決手段】 1,1,1,3,5,7,7,7−オク
タメチルテトラシロキサンを遷移金属触媒存在下で加水
分解した後、得られた反応混合物を蒸留操作又は濃縮操
作することによって1,1,1,3,5,7,7,7−
オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールを得
る方法において、加水分解反応時又は反応後に触媒活性
を制御するために塩基性塩又は酸性塩を添加する。
率で1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテ
トラシロキサン−3,5−ジオールを製造する。 【解決手段】 1,1,1,3,5,7,7,7−オク
タメチルテトラシロキサンを遷移金属触媒存在下で加水
分解した後、得られた反応混合物を蒸留操作又は濃縮操
作することによって1,1,1,3,5,7,7,7−
オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールを得
る方法において、加水分解反応時又は反応後に触媒活性
を制御するために塩基性塩又は酸性塩を添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーンオイル
やシリコーンゴム製造の原料として重要な1,1,1,
3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−
3,5−ジオールの製造方法に関する。
やシリコーンゴム製造の原料として重要な1,1,1,
3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−
3,5−ジオールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】1,
1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロ
キサン−3,5−ジオールの合成方法は、W.Rut
z,D.Lange,E.Popowski,H.Ke
llingによりすでに報告されている〔Z.Anor
g.Allg.Chem.,536,197(198
6)〕。また、U.Scheim,K.Ruehlma
nn,H.Grosse−Ruyken,A.Porz
elによっても別法が報告されている〔J.Organ
omet.Chem.314,39(1986)〕。
1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロ
キサン−3,5−ジオールの合成方法は、W.Rut
z,D.Lange,E.Popowski,H.Ke
llingによりすでに報告されている〔Z.Anor
g.Allg.Chem.,536,197(198
6)〕。また、U.Scheim,K.Ruehlma
nn,H.Grosse−Ruyken,A.Porz
elによっても別法が報告されている〔J.Organ
omet.Chem.314,39(1986)〕。
【0003】しかし、前記のW.Rutzらの方法は、
テトラメチルジシロキサン−1,1−ジオールを酸触媒
下、縮合させる方法であるが、原料であるテトラメチル
ジシロキサン−1,1−ジオールを得ることが困難であ
ったり、縮合方法の選択性が低いといった欠点があっ
た。
テトラメチルジシロキサン−1,1−ジオールを酸触媒
下、縮合させる方法であるが、原料であるテトラメチル
ジシロキサン−1,1−ジオールを得ることが困難であ
ったり、縮合方法の選択性が低いといった欠点があっ
た。
【0004】また、U.Scheimらの方法は、3,
5−ジクロロオクタメチルテトラシロキサンを加水分解
するものである。この方法は、加水分解時に発生する塩
化水素を中和するのに過剰の炭酸水素ナトリウムを用い
るため、大量の中和塩の濾過操作が必要であると共に、
大量のジエチルエーテルの使用により取扱い上危険であ
ることから工業的製造に適さないという欠点があった。
5−ジクロロオクタメチルテトラシロキサンを加水分解
するものである。この方法は、加水分解時に発生する塩
化水素を中和するのに過剰の炭酸水素ナトリウムを用い
るため、大量の中和塩の濾過操作が必要であると共に、
大量のジエチルエーテルの使用により取扱い上危険であ
ることから工業的製造に適さないという欠点があった。
【0005】一方、オルガノシラノール類は、相当する
Si−H結合含有有機ケイ素化合物を遷移金属触媒下、
加水分解することにより得られることは周知であり、こ
の方法は広く利用されている。例えばトリエチルシラン
(Et3SiH)をルテニウム−カーボンの存在下、加
水分解し、トリエチルシラノール(Et3SiOH)を
収率87%で得る方法がJournal of Org
anic Chemistry,31,855(196
6)に記載されている。
Si−H結合含有有機ケイ素化合物を遷移金属触媒下、
加水分解することにより得られることは周知であり、こ
の方法は広く利用されている。例えばトリエチルシラン
(Et3SiH)をルテニウム−カーボンの存在下、加
水分解し、トリエチルシラノール(Et3SiOH)を
収率87%で得る方法がJournal of Org
anic Chemistry,31,855(196
6)に記載されている。
【0006】このような記載から、1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールは、1,1,1,3,5,7,7,7−オ
クタメチルテトラシロキサンを加水分解することにより
得られることは類推できる。
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールは、1,1,1,3,5,7,7,7−オ
クタメチルテトラシロキサンを加水分解することにより
得られることは類推できる。
【0007】しかしながら、この方法では、1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサ
ン−3,5−ジオールの収率は低いものとなる。これ
は、遷移金属成分の活性が非常に高いため、目的の反応
ばかりでなく副反応をも触媒するためである。この場
合、副反応は、主に1,1,1,3,5,7,7,7−
オクタメチル−3−トリメチルシロキシテトラシロキサ
ンを副生する不均一化から始まる一連の反応や、目的生
成物1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテ
トラシロキサン−3,5−ジオールの縮合反応である。
1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサ
ン−3,5−ジオールの収率は低いものとなる。これ
は、遷移金属成分の活性が非常に高いため、目的の反応
ばかりでなく副反応をも触媒するためである。この場
合、副反応は、主に1,1,1,3,5,7,7,7−
オクタメチル−3−トリメチルシロキシテトラシロキサ
ンを副生する不均一化から始まる一連の反応や、目的生
成物1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテ
トラシロキサン−3,5−ジオールの縮合反応である。
【0008】また、上記方法では、触媒の活性がロット
により差があるため、これらの副反応に由来する副生成
物の生成に大きなばらつきがあり、安定かつ高収率で
1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラ
シロキサン−3,5−ジオールを得ることは困難であっ
た。
により差があるため、これらの副反応に由来する副生成
物の生成に大きなばらつきがあり、安定かつ高収率で
1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラ
シロキサン−3,5−ジオールを得ることは困難であっ
た。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、簡単で安全性が良好である上、安定かつ高収率で
1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラ
シロキサン−3,5−ジオールを製造する方法を提供す
ることを目的とする。
で、簡単で安全性が良好である上、安定かつ高収率で
1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラ
シロキサン−3,5−ジオールを製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテ
トラシロキサン−3,5−ジオールを遷移金属触媒存在
下で加水分解する際、加水分解反応時又は反応後に塩基
性塩又は酸性塩を添加することにより、かかる塩により
触媒活性が制御され、収率低下の原因である1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチル−3−トリメチ
ルシロキシテトラシロキサンの副生を抑制し、1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサ
ン−3,5−ジオールを安定的にかつ高収率で、しかも
安全に得ることができることを知見し、本発明をなすに
至った。
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテ
トラシロキサン−3,5−ジオールを遷移金属触媒存在
下で加水分解する際、加水分解反応時又は反応後に塩基
性塩又は酸性塩を添加することにより、かかる塩により
触媒活性が制御され、収率低下の原因である1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチル−3−トリメチ
ルシロキシテトラシロキサンの副生を抑制し、1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサ
ン−3,5−ジオールを安定的にかつ高収率で、しかも
安全に得ることができることを知見し、本発明をなすに
至った。
【0011】従って、本発明は、1,1,1,3,5,
7,7,7−オクタメチルテトラシロキサンを遷移金属
触媒存在下で加水分解した後、得られた反応混合物を蒸
留操作又は濃縮操作することによって1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールを得る方法において、加水分解反応時又は
反応後に塩基性塩又は酸性塩を添加することを特徴とす
る1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテト
ラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法を提供す
る。
7,7,7−オクタメチルテトラシロキサンを遷移金属
触媒存在下で加水分解した後、得られた反応混合物を蒸
留操作又は濃縮操作することによって1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールを得る方法において、加水分解反応時又は
反応後に塩基性塩又は酸性塩を添加することを特徴とす
る1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテト
ラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法を提供す
る。
【0012】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタ
メチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法
においては、原料として1,1,1,3,5,7,7,
7−オクタメチルテトラシロキサンを使用し、この原料
を遷移金属の存在下で加水分解するものである。この場
合、加水分解反応に使用する水の量は、原料の1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサ
ンのSiH結合に対して理論等量以上とすることが望ま
しく、特に1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメ
チルテトラシロキサン1モルに対して2倍モル以上、と
りわけ2.2〜10倍モルの範囲で使用することが好ま
しい。
と、本発明の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタ
メチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法
においては、原料として1,1,1,3,5,7,7,
7−オクタメチルテトラシロキサンを使用し、この原料
を遷移金属の存在下で加水分解するものである。この場
合、加水分解反応に使用する水の量は、原料の1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサ
ンのSiH結合に対して理論等量以上とすることが望ま
しく、特に1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメ
チルテトラシロキサン1モルに対して2倍モル以上、と
りわけ2.2〜10倍モルの範囲で使用することが好ま
しい。
【0013】また、遷移金属触媒としては、遷移金属成
分を含む固体が用いられ、具体的にはパラジウム−カー
ボン、ルテニウム−カーボン、パラジウム−シリカ、ロ
ジウム−アルミナ、パラジウムが化学的に結合したシリ
カ(パラジウム担持シリカ)等が例示されるが、特にパ
ラジウム−カーボンが好適に使用される。
分を含む固体が用いられ、具体的にはパラジウム−カー
ボン、ルテニウム−カーボン、パラジウム−シリカ、ロ
ジウム−アルミナ、パラジウムが化学的に結合したシリ
カ(パラジウム担持シリカ)等が例示されるが、特にパ
ラジウム−カーボンが好適に使用される。
【0014】遷移金属触媒の使用量は、遷移金属成分が
原料の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル
テトラシロキサンに対して10重量ppm〜10重量
%、特に100重量ppm〜0.1重量%となるような
範囲が好適である。
原料の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル
テトラシロキサンに対して10重量ppm〜10重量
%、特に100重量ppm〜0.1重量%となるような
範囲が好適である。
【0015】上記加水分解反応は、無溶媒でも行うこと
ができるが、適当な溶媒の存在下で行うことが好まし
く、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極
性溶媒の使用が好ましい。なお、溶媒の使用量は、原料
の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテト
ラシロキサンの重量に対して0.1〜10倍、特に0.
5〜3倍であることが好ましい。
ができるが、適当な溶媒の存在下で行うことが好まし
く、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極
性溶媒の使用が好ましい。なお、溶媒の使用量は、原料
の1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテト
ラシロキサンの重量に対して0.1〜10倍、特に0.
5〜3倍であることが好ましい。
【0016】加水分解反応条件は、適宜調整できるが、
通常環境温度から100℃程度の範囲、特に通常環境温
度〜60℃の範囲で0.5〜10時間、特に1〜5時間
で行うことが望ましい。
通常環境温度から100℃程度の範囲、特に通常環境温
度〜60℃の範囲で0.5〜10時間、特に1〜5時間
で行うことが望ましい。
【0017】本発明では、この加水分解反応時又は反応
後に塩基性塩又は酸性塩を添加する。ここで、添加する
塩基性塩又は酸性塩は、それぞれ系のpHを弱酸性又は
弱アルカリ性にすることのできるものが望ましい。具体
的には、塩基性塩として酢酸バリウム、酸性塩としてリ
ン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
後に塩基性塩又は酸性塩を添加する。ここで、添加する
塩基性塩又は酸性塩は、それぞれ系のpHを弱酸性又は
弱アルカリ性にすることのできるものが望ましい。具体
的には、塩基性塩として酢酸バリウム、酸性塩としてリ
ン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
【0018】上記塩の添加量は、酢酸バリウム等の塩基
性塩の場合、反応時に添加する際は遷移金属触媒に対し
て5重量%以下、特に1〜5重量%、反応後に添加する
際は5〜50重量%、特に5〜20重量%が望ましく、
リン酸二水素ナトリウム等の酸性塩の場合、反応時に添
加する際は75重量%以下、特に5〜50重量%、反応
後に添加する際は5〜100重量%、特に10〜50重
量%が望ましい。これら塩の添加により、遷移金属成分
の触媒活性が制御され、本発明の高い単離収率が達成さ
れるのであり、添加量が多すぎても効果は変わらず、不
経済であり、少なすぎると効果が不十分となる場合があ
る。
性塩の場合、反応時に添加する際は遷移金属触媒に対し
て5重量%以下、特に1〜5重量%、反応後に添加する
際は5〜50重量%、特に5〜20重量%が望ましく、
リン酸二水素ナトリウム等の酸性塩の場合、反応時に添
加する際は75重量%以下、特に5〜50重量%、反応
後に添加する際は5〜100重量%、特に10〜50重
量%が望ましい。これら塩の添加により、遷移金属成分
の触媒活性が制御され、本発明の高い単離収率が達成さ
れるのであり、添加量が多すぎても効果は変わらず、不
経済であり、少なすぎると効果が不十分となる場合があ
る。
【0019】上記加水分解反応は、触媒が固体であるの
で、バッチ式又は連続式で加水分解反応を行うことがで
きる。バッチ式で反応を行う場合、反応終了後は濾過等
の分離操作により触媒を分離し、触媒はそのまま次の反
応にリサイクルすることができる。また、連続式で反応
を行う場合には、原料の1,1,1,3,5,7,7,
7−オクタメチルテトラシロキサン、水及び溶媒の混合
物を触媒床の上又は中に通すことにより行うことができ
る。
で、バッチ式又は連続式で加水分解反応を行うことがで
きる。バッチ式で反応を行う場合、反応終了後は濾過等
の分離操作により触媒を分離し、触媒はそのまま次の反
応にリサイクルすることができる。また、連続式で反応
を行う場合には、原料の1,1,1,3,5,7,7,
7−オクタメチルテトラシロキサン、水及び溶媒の混合
物を触媒床の上又は中に通すことにより行うことができ
る。
【0020】いずれにしても固体分を除去後、濃縮又は
蒸留操作により1,1,1,3,5,7,7,7−オク
タメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールを得るこ
とができる。この場合、濃縮操作は通常減圧下で行わ
れ、好適には50〜5mmHgの減圧条件が好適であ
る。濃縮温度は使用した溶剤にもよるが、50〜150
℃の範囲が好ましい。また、蒸留操作は更なる減圧下で
行われ、具体的には0.1〜5mmHgで80〜200
℃の温度条件で行うことが望ましい。
蒸留操作により1,1,1,3,5,7,7,7−オク
タメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールを得るこ
とができる。この場合、濃縮操作は通常減圧下で行わ
れ、好適には50〜5mmHgの減圧条件が好適であ
る。濃縮温度は使用した溶剤にもよるが、50〜150
℃の範囲が好ましい。また、蒸留操作は更なる減圧下で
行われ、具体的には0.1〜5mmHgで80〜200
℃の温度条件で行うことが望ましい。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、簡単で高い
安全性を有する上、安定かつ高収率で1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールを製造することができるもので、本発明方
法は、工業的に非常に有利である。
安全性を有する上、安定かつ高収率で1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールを製造することができるもので、本発明方
法は、工業的に非常に有利である。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0023】〔実施例1〕攪拌装置付4つ口フラスコに
予め水洗した5%パラジウム−カーボン(川研ケミカル
社製PH型ドライ品)2.1g、リン酸二水素ナトリウ
ム0.16g、メチルエチルケトン360g及び脱イオ
ン水133g(7.38モル)を仕込み、35℃にて
1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラ
シロキサン300g(1.06モル)を攪拌下、4時間
で滴下した。水素ガスの発生がなくなったのを確認し、
リン酸二水素ナトリウム0.56gを脱イオン水60g
に溶解したものを加え、吸引濾過によりパラジウム−カ
ーボンを除去した。次いで、濾液を脱イオン水100g
で2回洗浄し、メチルエチルケトンと水を80℃、10
mmHgで減圧留去し、無色透明の油状物330.8g
を得た。この油状物をガスクロマトグラフィーにて分析
したところ、95.8%の1,1,1,3,5,7,
7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオ
ールと微量(0.8%)の1,1,1,3,5,7,
7,7−オクタメチル−3−トリメチルシロキシテトラ
シロキサンを含んでいた。収率95.0%。
予め水洗した5%パラジウム−カーボン(川研ケミカル
社製PH型ドライ品)2.1g、リン酸二水素ナトリウ
ム0.16g、メチルエチルケトン360g及び脱イオ
ン水133g(7.38モル)を仕込み、35℃にて
1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラ
シロキサン300g(1.06モル)を攪拌下、4時間
で滴下した。水素ガスの発生がなくなったのを確認し、
リン酸二水素ナトリウム0.56gを脱イオン水60g
に溶解したものを加え、吸引濾過によりパラジウム−カ
ーボンを除去した。次いで、濾液を脱イオン水100g
で2回洗浄し、メチルエチルケトンと水を80℃、10
mmHgで減圧留去し、無色透明の油状物330.8g
を得た。この油状物をガスクロマトグラフィーにて分析
したところ、95.8%の1,1,1,3,5,7,
7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオ
ールと微量(0.8%)の1,1,1,3,5,7,
7,7−オクタメチル−3−トリメチルシロキシテトラ
シロキサンを含んでいた。収率95.0%。
【0024】〔実施例2〕攪拌装置付4つ口フラスコに
予め水洗した5%パラジウム−カーボン(川研ケミカル
社製PH型ドライ品)2.1g、メチルエチルケトン3
60g及び脱イオン水133g(7.38モル)を仕込
み、35℃にて1,1,1,3,5,7,7,7−オク
タメチルテトラシロキサン300g(1.06モル)を
攪拌下、4時間で滴下した。水素ガスの発生がなくなっ
たのを確認し、酢酸バリウム0.22gを脱イオン水6
0gに溶解したものを加え、吸引濾過によりパラジウム
−カーボンを除去した。次いで、濾液を脱イオン水10
0gで2回洗浄し、メチルエチルケトンと水を80℃、
10mmHgで減圧留去し、無色透明の油状物329.
4gを得た。この油状物をガスクロマトグラフィーにて
分析したところ、96.0%の1,1,1,3,5,
7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−
ジオールと微量(0.7%)の1,1,1,3,5,
7,7,7−オクタメチル−3−トリメチルシロキシテ
トラシロキサンを含んでいた。収率94.8%。
予め水洗した5%パラジウム−カーボン(川研ケミカル
社製PH型ドライ品)2.1g、メチルエチルケトン3
60g及び脱イオン水133g(7.38モル)を仕込
み、35℃にて1,1,1,3,5,7,7,7−オク
タメチルテトラシロキサン300g(1.06モル)を
攪拌下、4時間で滴下した。水素ガスの発生がなくなっ
たのを確認し、酢酸バリウム0.22gを脱イオン水6
0gに溶解したものを加え、吸引濾過によりパラジウム
−カーボンを除去した。次いで、濾液を脱イオン水10
0gで2回洗浄し、メチルエチルケトンと水を80℃、
10mmHgで減圧留去し、無色透明の油状物329.
4gを得た。この油状物をガスクロマトグラフィーにて
分析したところ、96.0%の1,1,1,3,5,
7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−
ジオールと微量(0.7%)の1,1,1,3,5,
7,7,7−オクタメチル−3−トリメチルシロキシテ
トラシロキサンを含んでいた。収率94.8%。
【0025】〔比較例〕酢酸バリウム0.22gを添加
しない以外は実施例2と同様にして無色透明の油状物3
25.5gを得た。この油状物をガスクロマトグラフィ
ーにて分析したところ、84.5%の1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールと多量(9.4%)の1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチル−3−トリメチルシロキ
シテトラシロキサンを含んでいた。収率82.5%。
しない以外は実施例2と同様にして無色透明の油状物3
25.5gを得た。この油状物をガスクロマトグラフィ
ーにて分析したところ、84.5%の1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,
5−ジオールと多量(9.4%)の1,1,1,3,
5,7,7,7−オクタメチル−3−トリメチルシロキ
シテトラシロキサンを含んでいた。収率82.5%。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 浩一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 鳴海 学 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 平井 隆史 神奈川県厚木市戸田1096 コーポ中富201 (72)発明者 番能 忠 神奈川県平塚市高村26−38−101 (72)発明者 梅野 正行 神奈川県茅ケ崎市茅ケ崎521−3
Claims (2)
- 【請求項1】 1,1,1,3,5,7,7,7−オク
タメチルテトラシロキサンを遷移金属触媒存在下で加水
分解した後、得られた反応混合物を蒸留操作又は濃縮操
作することによって1,1,1,3,5,7,7,7−
オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールを得
る方法において、加水分解反応時又は反応後に塩基性塩
又は酸性塩を添加することを特徴とする1,1,1,
3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−
3,5−ジオールの製造方法。 - 【請求項2】 塩基性塩又は酸性塩が酢酸バリウム又は
リン酸二水素ナトリウムである請求項1記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29781596A JPH101485A (ja) | 1996-04-17 | 1996-10-21 | 1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-119776 | 1996-04-17 | ||
JP11977696 | 1996-04-17 | ||
JP29781596A JPH101485A (ja) | 1996-04-17 | 1996-10-21 | 1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH101485A true JPH101485A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=26457453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29781596A Pending JPH101485A (ja) | 1996-04-17 | 1996-10-21 | 1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH101485A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1052262A2 (en) * | 1999-05-12 | 2000-11-15 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Preparation of silanol-containing organosilicon compounds |
JP2013520429A (ja) * | 2010-02-19 | 2013-06-06 | ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム | 有枝鎖シロキサンおよび合成のための方法 |
-
1996
- 1996-10-21 JP JP29781596A patent/JPH101485A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1052262A2 (en) * | 1999-05-12 | 2000-11-15 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Preparation of silanol-containing organosilicon compounds |
EP1052262A3 (en) * | 1999-05-12 | 2002-05-15 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Preparation of silanol-containing organosilicon compounds |
JP2013520429A (ja) * | 2010-02-19 | 2013-06-06 | ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム | 有枝鎖シロキサンおよび合成のための方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
HU198437B (en) | Process for producing mono- or bis-carbonyl-compounds | |
CA1066213A (en) | Process for the preparation of 4-hydroxycyclopent-2-en-1-one derivatives | |
JPH101485A (ja) | 1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−3,5−ジオールの製造方法 | |
US4352756A (en) | Production of furfuryl alcohols | |
JP2830210B2 (ja) | α,β―不飽和ケトン類の合成法 | |
JP3279148B2 (ja) | 2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方法 | |
JPH06345777A (ja) | ジイソピノカンフェニルクロロボランのインシトゥー製造 | |
JP3795970B2 (ja) | α,β−不飽和アルデヒドの製造方法 | |
JP3818704B2 (ja) | オリゴグリセリンの製造方法 | |
JP2006513246A (ja) | 水溶性β−ヒドロキシニトリルの製造 | |
JP3237541B2 (ja) | アルデヒド又はケトンの還元方法 | |
JPS649306B2 (ja) | ||
JP3864648B2 (ja) | 1,3−ビス(カルボキシアルキル)テトラアルキルジシロキサンの製造方法 | |
JP4304758B2 (ja) | パラ−アセトキシスチレンの製造方法 | |
JP2002308864A (ja) | 5−プロパルギルフルフリルアルコールの製造法 | |
EP0065356B1 (en) | A method for purification of cyclopentenolones | |
JPH11189566A (ja) | フルオロアルキルカルボン酸の製造方法 | |
SU715580A1 (ru) | Способ получени кремнийацетиленовых карбонильных соединений | |
JPS6154772B2 (ja) | ||
JP2538231B2 (ja) | 光学活性4−ペンテン−2−オ−ル誘導体の製造方法 | |
JPH05155815A (ja) | グリセロール誘導体の製造方法 | |
KR100250838B1 (ko) | 3-(하이드록시메틸)테트라하이드로퓨란 유도체의 제조방법 | |
JPS637170B2 (ja) | ||
JP3950492B2 (ja) | 光学活性含フッ素アルコールの製造方法 | |
JPH0159266B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060706 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20061004 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070214 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |