JPH10148125A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

エンジンの冷却装置

Info

Publication number
JPH10148125A
JPH10148125A JP30934296A JP30934296A JPH10148125A JP H10148125 A JPH10148125 A JP H10148125A JP 30934296 A JP30934296 A JP 30934296A JP 30934296 A JP30934296 A JP 30934296A JP H10148125 A JPH10148125 A JP H10148125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
engine
valve
temperature
bypass circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30934296A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuki Suzuki
和貴 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP30934296A priority Critical patent/JPH10148125A/ja
Publication of JPH10148125A publication Critical patent/JPH10148125A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Temperature-Responsive Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの高負荷状態のみならず、ホットソ
ーク状態においても、冷却水温度の過上昇を良好に防止
できるようにする。 【解決手段】 バイパス回路4の流路開口面積を増加さ
せると、このバイパス回路4を通過して、サーモスタッ
ト6の感温部材6aの周囲に到達する冷却水流量が増加
し、これにより、サーモスタット6の弁体6bの開度が
増加して、ラジエータへの冷却水流量が増加し、この結
果、冷却水温度が低下することを実験的に確認してい
る。そこで、この点に着目して、パイパス回路4に、そ
の開口面積を調整してパイパス回路4の冷却水流量を調
整する流量調整弁7を備え、水冷式エンジン1の高負荷
運転時およびホットソーク時には、流量調整弁7をパイ
パス回路4の開口面積が増加する状態に作動させ、水冷
式エンジン1の低負荷運転時には、流量調整弁7をパイ
パス回路4の開口面積が減少する状態に作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等の水冷式エ
ンジン(内燃機関)の運転条件の変化に対応して冷却水
温度を良好に制御可能な冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用水冷式エンジンにおける水
温制御は、冷却水の放熱を行うラジエータを流れる冷却
水の流量を、水温に応動するサーモスタットにより調整
して行っている。その水温制御に際して、エンジンの燃
費向上を図るためには、エンジンの低負荷時は水温を高
く設定して、エンジンの摩擦抵抗を減少させることが望
まれる。また、一方、エンジンの高負荷時には、水温を
低く設定して、ノッキングの抑制や吸気の充填効率向上
による出力アップを図ることが望まれる。
【0003】このため、特開平7−127752号公報
では、エンジンの低負荷時には、サーモスタットを迂回
するように設けられた回路を冷却水が流れるため、サー
モスタットの感温部材には冷却水が当たらず、サーモス
タットは閉弁側で安定する。この結果、サーモスタット
によるエンジン水温の設定を実質的に高めにシフトする
ことができる。
【0004】また、エンジンの高負荷時には、ラジエー
タにより冷却される前の高温の冷却水を上記サーモスタ
ットの感温部材周囲に流入させることにより、サーモス
タットが開弁側で安定する。この結果、サーモスタット
によるエンジン水温の設定を実質的に低めにシフトする
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報記
載の従来装置において、車両低速登坂走行後のホットソ
ーク時(高負荷運転後のアイドル運転時)の状況につい
て具体的に述べると、低速登坂走行はエンジンの高負荷
運転であるため、上記サーモスタットの感温部への冷却
水流路が高負荷側流路に切り替わる。この流路切替によ
り、サーモスタットは開弁方向に作用するため、エンジ
ン水温の設定が低めとなり、問題は生じない。
【0006】しかし、その後、信号待ち等の理由によ
り、エンジンがホットソーク状態になると、アイドル状
態=低負荷であるので、上記サーモスタットの感温部材
周囲への冷却水流路が低負荷側流路に切り替わって、サ
ーモスタットが閉弁方向に作用する。そのため、ラジエ
ータでの冷却水の放熱量が減少し、水温が上昇し始め
る。この水温上昇はエンジンがオーバーヒートする程上
昇するわけではないが、長時間、高温状態(100°C
以上)を続けるのは、エンジン冷却系各部の部品の耐久
性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0007】また、上記の従来装置においては、サーモ
スタットの感温部への冷却水流路の切替作用を行う流路
切替弁を冷却水回路においてラジエータと並列に設けて
いるので、この流路切替弁に流れる冷却水の分だけ、ラ
ジエータへの冷却水流量が減少することになる。このこ
とは、エンジンの低、中負荷運転時には冷却水の温度制
御上、問題が生じないが、高負荷走行を連続的に行う低
速登坂走行時等では、ラジエータへの冷却水流量の減少
が原因となって、ラジエータ放熱性能の悪化を招き、水
温の上昇が生じるという問題があった。
【0008】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
エンジンの高負荷状態のみならず、ホットソーク状態に
おいても、冷却水温度の過上昇を良好に防止できるよう
にすることをを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らの実験による
と、バイパス回路(4)の流路開口面積を増加させる
と、このバイパス回路(4)を通過して、サーモスタッ
ト(6)の感温部材(6a)の周囲に到達する冷却水流
量が増加し、これにより、サーモスタット(6)の弁体
(6b)の開度が増加して、ラジエータ(2)への冷却
水流量が増加する。この結果、後述の図6に示すよう
に、冷却水温度が低下することを確認している。
【0010】本発明は上記のようにバイパス回路(4)
の流路開口面積の増加により冷却水温度が低下するとい
う現象に着目して、上記目的を達成しようとするもので
ある。すなわち、請求項1〜4記載の発明では、冷却水
を冷却するラジエータ(2)と並列に設けられたパイパ
ス回路(4)に、パイパス回路(4)の開口面積を調整
してパイパス回路(4)の冷却水流量を調整する流量調
整弁(7)を備え、水冷式エンジン(1)の高負荷運転
時およびホットソーク時には、流量調整弁(7)をパイ
パス回路(4)の開口面積が増加する状態に作動させ、
水冷式エンジン(1)の低負荷運転時には、流量調整弁
(7)を前記パイパス回路(4)の開口面積が減少する
状態に作動させることを特徴としている。
【0011】本発明によると、エンジン(1)の高負荷
時およびホットソーク時の双方において、流量調整弁
(7)によりパイパス回路(4)の開口面積を増加させ
ることができ、これにより、サーモスタット(6)の感
温部材(6a)に接触する、パイパス回路(4)からの
冷却水流量が増加し、サーモスタット(6)の第1の弁
体(6b)を開弁方向に変位させることができる。
【0012】そのため、エンジン(1)の高負荷時およ
びホットソーク時の双方において、ラジエータ(2)へ
の冷却水流量を増加させて、冷却水温度を低めにシフト
することができるため、冷却水温度の過上昇を良好に防
止できる。よって、エンジン高負荷時における出力アッ
プと、エンジン冷却系各部の部品の耐久性向上を図るこ
とができる。
【0013】しかも、本発明によると、従来装置のよう
な、ラジエータと並列に設けた流路切替弁を必要としな
いので、この流路切替弁に流れる冷却水の分だけ、ラジ
エータへの冷却水流量を増加でき、エンジン高負荷時に
おけるラジエータ放熱性能を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1および図2において、1は車両の
走行用エンジン(内燃機関)で、水冷式のものである。
2はラジエータで、冷却ファン3により送風される冷却
空気とエンジン1の冷却水とを熱交換して冷却水を冷却
するものである。ここで、冷却ファン3は、モータ3a
により駆動される電動軸流ファンから構成されている。
【0015】4はラジエータ2と並列に設けられたバイ
パス回路で、複数に分割されたバイパス流路5を有して
いる。6はサーモスタット(冷却水温度応動弁)で、ラ
ジエータ2の出口側流路およびバイパス回路4の分割流
路5の開度を制御して、ラジエータ2への冷却水の流れ
を制御するものである。7は複数に分割されたバイパス
流路5の開度(開口面積)を調整する流量調整弁であ
る。
【0016】8はエンジン1のクランクシャフト(図示
せず)により回転駆動されるウォータポンプで、図1の
エンジン冷却水回路においてエンジン1の冷却水吸入側
に設置され、エンジン冷却水を循環する。9はエンジン
1の冷却水吐出側とラジエータ2の冷却水入口との間を
連結する連結ホース、10はラジエータ2の冷却水出口
とサーモスタット6の冷却水入口との間を連結する連結
ホース、11はバイパス回路4およびサーモスタット6
の冷却水出口とウォータポンプ8の冷却水吸入側との間
を連結する連結ホースである。
【0017】図2は本発明の要部を拡大図示するもの
で、エンジン1の低負荷時(吸気負圧:大)における状
態を示している。上記したサーモスタット6は、図2に
拡大図示するように冷却水温度を感知する感温部材6a
を有しており、この感温部材6aはサーモワックスの温
度による体積変化を利用して第1の弁体6bおよび第2
の弁体6cを図2の左右方向へ変位させるものである。
【0018】この第1の弁体6bおよび第2の弁体6c
には、それぞれコイルスプリング(ばね手段)6d、6
eのばね力が作用して、感温部材6aの体積収縮時には
コイルスプリング6d、6eのばね力により第1、第2
の弁体6b、6cが元の位置に復帰する。ここで、サー
モスタット5は第1の弁体6bに対向配置された支持板
6fを有し、この支持板6fはエンジン1のブロック体
1aに接続パイプ12により挟み込み固定されている。
この支持板6fには図示しない冷却水流通穴が開けてあ
り、この冷却水流通穴の開度を第1の弁体6bにより調
整する。また、接続パイプ12には図1の連結ホース1
0の冷却水出口側端部が接続される。また、エンジン1
のブロック体1aには、バイパス回路4およびサーモス
タット6の冷却水出口に位置する部位に接続パイプ13
が一体形成されており、この接続パイプ13には図1の
連結ホース11の冷却水入口側端部が接続される。
【0019】エンジン1のブロック体1aにおいて、バ
イパス回路4の冷却水出口側に、複数に分割されたバイ
パス流路5として、本例では、5個に分割されたバイパ
ス流路5a〜5eが設けられている。この5個のバイパ
ス流路5a〜5eは図2(b)に示すように、1つの円
形の範囲内に5分割して区画形成されている。流量調整
弁7は円筒状に形成されたケース7aを有し、この円筒
状ケース7aはエンジン1のブロック体1aに対してバ
イパス回路4の中間部位に、直交する方向から嵌入さ
れ、ブロック体1aに脱着可能にねじ止め固定されてい
る。この円筒状ケース7aには図2(a)(c)に示す
ように、バイパス回路4の冷却水を流入させる入口穴7
bが設けられている。そして、円筒状ケース7a内の冷
却水を上記5個のバイパス流路5a〜5e側へ流出させ
るために、円筒状ケース7aには、バイパス流路5a、
5d、5eに対応する出口穴7cと、バイパス流路5
c、5bにそれぞれ対応する出口穴7d、7eが設けら
れている。
【0020】さらに、円筒状ケース7aの出口穴7cの
うち、バイパス流路5d、5eに対応する部位に、この
バイパス流路5d、5eを開閉する感温変形部材7f、
7gが配置されている。この感温変形部材7f、7gは
例えばバイメタルからなり、冷却水温度が設定温度(例
えば、100°C)以上になると、後述の図5(c)に
示すように湾曲状態から直線状に延びる変形を行ってバ
イパス流路5d、5eを開放する。
【0021】一方、円筒状ケース7a内において、出口
穴7dと出口穴7cとの仕切り壁に対応する部位に弁座
面7hを形成し、この弁座面7hの弁口7iを開閉する
弁体7jを弁座面7hの下側に配置している。この弁体
7jにはシャフト7kの一端が連結され、この弁体7j
とシャフト7kは一体になって図2(a)の上下方向に
変位可能になっている。
【0022】図2(a)において、円筒状ケース7aの
上端部には、弁体7jの駆動装置をなすダイヤフラム装
置70が取り付けてある。このダイヤフラム装置70の
ケース71の内部はダイヤフラム(圧力応動部材)72
により2つの室73、74に区画されている。上部の室
73は、負圧導入パイプ75によりエンジン1の吸気マ
ニホルド(図示せず)に連結されて、エンジン1の吸気
負圧が導入されるようになっている。
【0023】また、上部の室73内には、コイルスプリ
ング76が収納されて、ダイヤフラム72を常に図の下
方へ押圧している。下部の室74はケース71に開けた
小孔77により大気に開放され、大気圧室となってい
る。また、ダイヤフラム72の表裏両面には当て板78
a、78bが配設され、この当て板78a、78bを介
してダイヤフラム72はシャフト7kの他端部(上端
部)にボルト締め等の締結手段にて連結されている。こ
こで、シャフト7kの他端部周囲には、図の上下方向に
弾性的に変形可能なベローズからなる袋状の弾性シール
部材79が配設されている。
【0024】この袋状の弾性シール部材79の底面部
(図の上方端部)は当て板78bに当接してダイヤフラ
ム72とともにシャフト7kの他端部に固定されてお
り、弾性シール部材79の反底面部側の端部(図の下方
端部)はケース71に固定されている。この袋状の弾性
シール部材79は、シャフト7kの上下動を許容しなが
ら、下部の室74と円筒状ケース7a内の冷却水流路と
を仕切るものである。
【0025】次に、上記構成において作動を説明する。
図2はエンジン1の低負荷運転時の状態を示しており、
この低負荷運転時には、エンジン1の図示しないスロッ
トルバルブの開度が小さいため、エンジン1の吸気負圧
が大となる。その結果、流量調整弁7のダイヤフラム装
置70におけるダイヤフラム72はコイルスプリング7
6のばね力に抗して図2(a)のごとく図の上方へ変位
する。そのため、シャフト7k、弁体7jもダイヤフラ
ム72とともに図の上方へ引き上げられる。
【0026】この結果、弁体7jが弁座面7hに圧着し
て、弁口7iを閉塞するため、バイパス回路4のうち、
バイパス流路5cは閉塞状態となる。また、エンジン1
の低負荷運転時にはバイメタルからなる感温変形部材7
f、7g周囲の冷却水温度が設定温度(例えば、100
°C)より低いため、感温変形部材7f、7gは図2
(c)の湾曲状態にあって、バイパス流路5d、5eを
閉塞している。従って、5個に分割されたバイパス流路
5a〜5eのうち、バイパス流路5aと5b(図2
(b)の斜線部)のみが開放状態となり、このバイパス
流路5aと5bのみを通ってバイパス回路4の冷却水が
流れる。
【0027】ここで、バイパス流路5bを通る冷却水は
図2(a)の矢印Bのようにサーモスタット6の感温部
材6aと接触することなく直接接続パイプ13側へ流
れ、バイパス流路5aを通る冷却水のみが図2(a)の
矢印Cのようにサーモスタット6の感温部材6aと接触
しながら流れる。このように、サーモスタット6の感温
部材6aと接触する冷却水流量が少ないため、バイパス
回路4からの冷却水の温度が同じであっても、冷却水か
ら感温部材6aへの伝熱量が減少する。
【0028】この結果、感温部材6aの膨張量が減少
し、第1、第2の弁体6b、6cのリフト量が減少する
ので、第1の弁体6bによるラジエータ側冷却水流路の
開度が減少するとともに第2の弁体6cによるバイパス
側流路の開度が増大して、ラジエータ2への冷却水(矢
印Dの流れ)流量が減少する。これにより、ラジエータ
2での放熱量が減少して、エンジン水温(具体的には、
バイパス回路4からの冷却水とサーモスタット6からの
冷却水とが混合する接続パイプ13部分での冷却水温
度)が高めの温度(図6のTL :例えば、100°C)
にシフトされる。
【0029】このように、エンジン1の低負荷運転時に
エンジン水温を高めの温度にシフトすることにより、エ
ンジン1の摩擦抵抗を減少させ、燃費を向上できる。な
お、図6は本発明者らの実験結果を示すものであり、図
1に示すエンジン冷却装置において、バイパス回路4の
流路開口面積とエンジン水温(上記接続パイプ13部分
での冷却水温度)との関係を示している。
【0030】次に、車両の加速等によりエンジン1が高
負荷運転に切り替わった直後においては、エンジン1の
吸気負圧が減少するため、図3に示すように、流量調整
弁7のダイヤフラム装置70におけるダイヤフラム72
はコイルスプリング76のばね力により図の下方へ変位
する。そのため、シャフト7k、弁体7jもダイヤフラ
ム72とともに図の下方へ押し下げられる。
【0031】この結果、弁体7jが弁座面7hより開離
して、弁口7iを開放するため、バイパス回路4の高負
荷側のバイパス流路5cも開放状態となる。また、高負
荷運転への切替直後では感温変形部材7f、7g周囲の
冷却水温度が設定温度(例えば、100°C)より低い
ため、感温変形部材7f、7gは図3(c)に示すよう
に、バイパス流路5d、5eの閉塞状態(湾曲状態)を
維持している。従って、5個に分割されたバイパス流路
5a〜5eのうち、バイパス流路5a、5b、5c(図
3(b)の斜線部)が開放状態となり、このバイパス流
路5a、5b、5cを通ってバイパス回路4の冷却水が
流れる。
【0032】従って、前述したバイパス流路5bを通る
矢印Bの冷却水の流れ、およびバイパス流路5aを通る
矢印Cの冷却水の流れの他に、バイパス流路5cを通る
矢印Eの冷却水の流れが加わり、サーモスタット6の感
温部材6aに対して、矢印C、Eの両方の冷却水の流れ
が接触する。このため、サーモスタット6の感温部材6
aと接触する、バイパス回路4からの冷却水流量が増加
するので、バイパス回路4からの冷却水の温度が同じで
あっても、冷却水から感温部材6aへの伝熱量が増加す
る。
【0033】この結果、感温部材6aの膨張量が急激に
増加して第1、第2の弁体6b、6cのリフト量が急激
に増加しようとする。図4は上記の高負荷運転が所定時
間以上継続された後の状態を示しており、サーモスタッ
ト6の第1、第2の弁体6b、6cのリフト量が最大量
に達した状態を示している。この高負荷運転の継続状態
では、第2の弁体6cが5分割のバイパス流路5a〜5
eをすべて閉塞するとともに、第1の弁体6bがラジエ
ータ2側の流路を最大限に開く。しかも、従来技術のよ
うなラジエータ2と並列に設けた流路切替弁の流路が存
在しないため、ウォータポンプ8が圧送する冷却水が最
大流量でもって、ラジエータ2に循環する。
【0034】これにより、ラジエータ2での放熱量が増
加して、エンジン水温が低めの温度(図6のTH :例え
ば、80°C)にシフトされる。従って、この高負荷運
転時は、サーモスタット6によるエンジン水温の設定を
低めにシフトすることができ、これにより、ノッキング
の抑制や吸気の充填効率向上による出力アップを図るこ
とができる。
【0035】そして、図4に示す高負荷運転状態が長時
間継続されて、ラジエータ2側からの冷却水の温度が低
下する場合は、この冷却水の流れ(矢印E)が感温部材
6aに全面的に接触しているので、感温部材6aがこの
冷却水温度の低下を感知して、第1、第2の弁体6b、
6cのリフト量を減少させる。これにより、ラジエータ
2への冷却水流量が減少して、エンジン水温が上記低め
の温度TH 近傍に維持される。
【0036】次に、車両の低速登坂走行のような高負荷
運転直後におけるアイドル時、すなわちホットソーク時
には、エンジン回転数の低下に伴って、ラジエータ2へ
の冷却風量および冷却水流量が減少してエンジン水温が
設定温度(例えば、100°C)を越える場合が生じ
る。つまり、ホットソーク時には、エンジン1は低負荷
であるため、流量調整弁7の弁体7jはバイパス流路5
cを閉塞する小流量状態に復帰するが、エンジン水温は
上記の理由から暫くの間、高温状態を保つ。そのため、
サーモスタット6の第1の弁体6bは全開状態、第2の
弁体6cは全閉状態のままである。その後、エンジン水
温が低下してくると、図2(a)に示すようにサーモス
タット6の第1の弁体6bが閉弁方向に変位するととも
に、第2の弁体6cが開弁方向に変位する。この状態か
ら低負荷走行に切り替わると、サーモスタット6の作動
はこの状態(図2(a)の状態)で終わる。
【0037】しかし、ホットソーク時には、アイドル時
であるため、エンジン回転数(ウォータポンプ回転数)
が低く、バイパス流路5a、5bを通過するエンジン冷
却水流量も少ない。そのため、サーモスタット6の感温
部材6aに接触する、バイパス回路4からの冷却水流量
も減少するので、サーモスタット6の第1の弁体6bが
さらに閉弁方向に変位し、また、第2の弁体6cはさら
に開弁方向に変位するので、ラジエータ2への冷却水流
量がより一層低下する。その結果、ホットソーク時に
は、低負荷走行時よりも、エンジン水温が高くなってし
まう。
【0038】そこで、本実施形態では、ホットソーク時
には、図5に示すように、エンジン水温の上昇(設定温
度、例えば、100°C以上への上昇)により感温変形
部材7f、7gが湾曲状態から直線状に延びる変形を行
い、バイパス流路5d、5eを開放する。これにより、
5分割のバイパス流路5a〜5eのうち、4つのバイパ
ス流路5a、5b、5d、5e(図5(b)の斜線部)
が同時に開放状態となり、バイパス流路開口面積を増加
させる。
【0039】従って、サーモスタット6の感温部材6a
に接触する、バイパス回路4からの冷却水流量が増加し
て、感温部材6aの膨張量が増加するので、第1の弁体
6bを開弁方向に変位させ、また、第2の弁体6cを閉
弁方向に変位させることができる。これにより、ラジエ
ータ2への冷却水流量が増加し、エンジン水温を図6の
s (例えば、75°C)に低下させる。つまり、ホッ
トソーク時における、バイパス回路4からの冷却水流量
の不足を感温変形部材7f、7gの作動によるバイパス
流路開口面積の増加により補って、エンジン水温の不要
な上昇を防止できるのである。
【0040】そして、エンジン水温が感温変形部材7
f、7gの設定温度以下に低下すれば、感温変形部材7
f、7gが湾曲状態に復帰して、図2の状態となる。 (第2実施形態)図7は第2実施形態を示すもので、流
量調整弁7の弁体7jの駆動方式を変更するものであ
り、本例では、流量調整弁7の弁体7jをエンジン負荷
と冷却水温度の両方に応じて作動させることにより、感
温変形部材7f、7gを廃止できるようにしたものであ
る。
【0041】この感温変形部材7f、7gの廃止に伴っ
て、流量調整弁7のダイヤフラム装置70の上部の室7
3に加わる吸気負圧を電気的に切替制御する機構を設け
ている。すなわち、エンジン1のスロットルバルブ1b
の下流側に配設されている吸気マニホルド1cと、ダイ
ヤフラム装置70の負圧導入パイプ75とを空気配管8
0により連結するとともに、この空気配管80の途中に
三方切替弁81を設けている。
【0042】この三方切替弁81は電磁弁タイプのもの
で、負圧導入ポート81aと大気圧ポート81bとを出
力ポート81cに切り替え接続して吸気負圧と大気圧を
切り替えるものである。そして、この三方切替弁81の
切替作用は、電子制御装置82により制御される。この
電子制御装置82は例えばマイクロコンピュータを用い
て構成されており、エンジン1の冷却水出口部の冷却水
温度を検出する温度センサ83からの検出信号が電子制
御装置82に入力される。
【0043】第2実施形態では、温度センサ83により
検出される冷却水温度が所定温度以下である場合は、電
子制御装置82の出力により三方切替弁81は常時、負
圧導入ポート81aと出力ポート81cとの間を連通
し、大気圧ポート81bを遮断している。そして、エン
ジン高負荷時には吸気負圧が所定値以下に減少するの
で、ダイヤフラム装置70の上部室73内の負圧も低下
する。
【0044】これにより、ダイヤフラム72がコイルス
プリング76のばね力により押し下げられ、シャフト7
kを介して弁体7jも押し下げられ、図2〜図5の弁座
面7hから開離する。従って、流量調整弁7がバイパス
回路4の開口面積を増加させる。また、エンジンホット
ソーク時には、温度センサ83からの検出信号に基づい
て、電子制御装置82においてエンジンホットソーク時
を判定し、三方切替弁81を、大気圧ポート81bが出
力ポート81cに連通し、負圧導入ポート81aを遮断
する状態(すなわち、大気圧導入状態)に作動させる。
従って、高負荷時と同様に、流量調整弁7をバイパス回
路4の開口面積が増加する状態に作動させことができ
る。 (他の実施形態)なお、第2実施形態では、流量調整弁
7の弁体7jの駆動装置を、ダイヤフラム装置70と三
方切替弁81との組み合わせで構成しているが、流量調
整弁7の弁体7jをサーボモータ等の電気的アクチュエ
ータにより駆動し、この電気的アクチュエータを電子制
御装置82の作動信号により直接制御するようにしても
よい。このようにすれば、エンジン1の運転状態に応じ
て、バイパス回路4の開口面積を連続的に可変して最適
値に設定することが可能となる。
【0045】また、エンジン1の回転数を検出する回転
センサを設置し、この回転センサの検出信号と温度セン
サ83の検出信号とから、アイドル時における水温の高
温時(ホットソーク時)を判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す車両用水冷式エン
ジンの冷却水回路図である。
【図2】(a)は第1実施形態における要部の拡大断面
図で、低負荷走行時を示す。(b)は(a)の5分割バ
イパス流路の形態を示す正面図、(c)は(a)のA−
A線に沿う流量調整弁部分の断面図である。
【図3】(a)は第1実施形態における要部の拡大断面
図で、低負荷→高負荷への切替直後の状態を示す。
(b)は(a)の5分割バイパス流路の形態を示す正面
図、(c)は(a)のA−A線に沿う流量調整弁部分の
断面図である。
【図4】(a)は第1実施形態における要部の拡大断面
図で、高負荷運転継続状態を示す。(b)は(a)の5
分割バイパス流路の形態を示す正面図、(c)は(a)
のA−A線に沿う流量調整弁部分の断面図である。
【図5】(a)は第1実施形態における要部の拡大断面
図で、ホットソーク時を示す。(b)は(a)の5分割
バイパス流路の形態を示す正面図、(c)は(a)のA
−A線に沿う流量調整弁部分の断面図である。
【図6】冷却水温とバイパス開口面積との関係を示すグ
ラフである。
【図7】本発明の第2実施形態を示すもので、流量調整
弁の制御システム図である。
【符号の説明】
1…水冷式エンジン、2…ラジエータ、4…バイパス回
路、5a〜5e…5分割バイパス流路、6…サーモスタ
ット、6a…感温部材、6b、6c…弁体、7…流量調
整弁、7j…弁体、8…ウォータポンプ、72…ダイヤ
フラム、81…三方切替弁、82…制御装置、83…温
度センサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水冷式エンジン(1)の冷却水回路に設
    けられ、冷却水を冷却するラジエータ(2)と、 前記冷却水回路に、前記ラジエータ(2)と並列に設け
    られ、前記ラジエータ(2)をバイパスして冷却水を流
    すパイパス回路(4)と、 前記冷却水回路に設けられ、前記冷却水回路に冷却水を
    循環させるウォータポンプ(8)と、 前記冷却水回路に設けられ、前記ラジエータ(2)に流
    れる冷却水の流路を開閉する第1の弁体(6b)を有す
    るサーモスタット(6)とを備え、 このサーモスタット(6)には、前記パイパス回路
    (4)および前記ラジエータ(2)からの冷却水温度を
    感知する感温部材(6a)が備えられており、この感温
    部材(6a)によって前記第1の弁体(6b)が変位す
    るように構成されており、 さらに、前記パイパス回路(4)に、前記パイパス回路
    (4)の開口面積を調整して前記パイパス回路(4)の
    冷却水流量を調整する流量調整弁(7)が備えられ、 前記水冷式エンジン(1)の高負荷運転時およびホット
    ソーク時には、前記流量調整弁(7)を前記パイパス回
    路(4)の開口面積が増加する状態に作動させ、 前記水冷式エンジン(1)の低負荷運転時には、前記流
    量調整弁(7)を前記パイパス回路(4)の開口面積が
    減少する状態に作動させることを特徴とするエンジンの
    冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記サーモスタット(6)には、前記第
    1の弁体(6b)と連動して前記パイパス回路(4)の
    流路を開閉する第2の弁体(6c)が備えられており、 前記第1の弁体(6b)が前記ラジエータ(2)に流れ
    る冷却水の流路の開弁方向へ変位するとき、前記第2の
    弁体(6c)が前記パイパス回路(4)の閉弁方向に変
    位することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの冷
    却装置。
  3. 【請求項3】 前記流量調整弁(7)は、前記水冷式エ
    ンジン(1)の吸気負圧に応動する圧力応動部材(7
    2)と、この圧力応動部材(72)により変位する弁体
    (7j)と、冷却水温度に応動する感温変形部材(7
    f、7g)とを備え、 前記弁体(7j)および前記感温変形部材(7f、7
    g)により、前記パイパス回路(4)の開口面積を調整
    することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジ
    ンの冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記水冷式エンジン(1)の負荷を検出
    する負荷検出センサ(84)と、 前記水冷式エンジン(1)の冷却水温度を検出する温度
    センサ(83)と、 前記負荷検出センサ(84)の検出信号および前記温度
    センサ(83)の検出信号が入力される制御装置(8
    2)と、 この制御装置(82)により制御される弁駆動装置(8
    1、70)とを備え、 この弁駆動装置(81、70)により前記流量調整弁
    (7)を前記水冷式エンジン(1)の負荷および冷却水
    温度に応動して作動させることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のエンジンの冷却装置。
JP30934296A 1996-11-20 1996-11-20 エンジンの冷却装置 Pending JPH10148125A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30934296A JPH10148125A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 エンジンの冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30934296A JPH10148125A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 エンジンの冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10148125A true JPH10148125A (ja) 1998-06-02

Family

ID=17991859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30934296A Pending JPH10148125A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 エンジンの冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10148125A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240686A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Aisin Seiki Co Ltd 熱源用冷却システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240686A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Aisin Seiki Co Ltd 熱源用冷却システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7243620B2 (en) Liquid-cooling device for internal combustion engine
US5809944A (en) Cooling water control valve and cooling water circuit system employing the same
US4399776A (en) System for controlling cooling water temperature for a water-cooled engine
JPH0259289B2 (ja)
JP2003328753A (ja) 電子制御サーモスタット
US5860595A (en) Motor vehicle heat exhanger
US6761321B2 (en) Thermostat device
JPH0567768B2 (ja)
US6343573B1 (en) Thermostat device
US5829676A (en) Heating apparatus and method for vehicle
JP3570059B2 (ja) エンジンの冷却装置
JPH10148125A (ja) エンジンの冷却装置
JP4853450B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP3809349B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2002340161A (ja) 油温制御装置
JP4292883B2 (ja) エンジンの冷却装置
JPH02125910A (ja) 内燃機関の冷却水流量制御装置
JPH1071839A (ja) 内燃機関の冷却水回路
JPS6214408B2 (ja)
JPH11210465A (ja) エンジンの冷却装置
JP3928936B2 (ja) サーモスタット装置
JP2002138836A (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2001248439A (ja) 液冷式内燃機関の冷却装置
JPS60128968A (ja) 内燃機関の吸気加熱装置
JP3733794B2 (ja) 内燃機関の冷却装置