JPH10148032A - コンクリート型枠固定用セパレータの構造 - Google Patents
コンクリート型枠固定用セパレータの構造Info
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- JPH10148032A JPH10148032A JP32218296A JP32218296A JPH10148032A JP H10148032 A JPH10148032 A JP H10148032A JP 32218296 A JP32218296 A JP 32218296A JP 32218296 A JP32218296 A JP 32218296A JP H10148032 A JPH10148032 A JP H10148032A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンクリート型枠固定用セパレータの構造に
おいて、セパレータの回転操作性を向上すると共に、セ
パレータがコンクリート壁体内で空回りするのを防止し
てタイロッドやPコンとの共回りを防止する。 【解決手段】 コンクリート型枠における二枚の板体を
所定の間隔に規定するセパレータ1は、その長手方向の
少なくとも二箇所に偏平部分5,6が形成されている。
偏平部分5,6の平坦面は、例えば、互いに直交状態に
形成されている。偏平部分5,6は、コンクリート型枠
の組立て時に工具が係合可能であってセパレータ1の回
転操作性を向上させ、コンクリート打設後の型枠取外し
時に、コンクリート壁体内に留まるセパレータ1の空回
りを防止し、セパレータ1のタイロッドやPコンとの共
回りを防止する。
おいて、セパレータの回転操作性を向上すると共に、セ
パレータがコンクリート壁体内で空回りするのを防止し
てタイロッドやPコンとの共回りを防止する。 【解決手段】 コンクリート型枠における二枚の板体を
所定の間隔に規定するセパレータ1は、その長手方向の
少なくとも二箇所に偏平部分5,6が形成されている。
偏平部分5,6の平坦面は、例えば、互いに直交状態に
形成されている。偏平部分5,6は、コンクリート型枠
の組立て時に工具が係合可能であってセパレータ1の回
転操作性を向上させ、コンクリート打設後の型枠取外し
時に、コンクリート壁体内に留まるセパレータ1の空回
りを防止し、セパレータ1のタイロッドやPコンとの共
回りを防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合板、木材、金
属等から成るコンクリート型枠を構成する対向配置した
一対の板体を所定の間隔を置いて固定するのに用いられ
るコンクリート型枠固定用セパレータの構造に関する。
属等から成るコンクリート型枠を構成する対向配置した
一対の板体を所定の間隔を置いて固定するのに用いられ
るコンクリート型枠固定用セパレータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、壁、床、柱又は梁等の建造物、構
造物等をコンクリートで形成するには、内部にコンクリ
ートが投入されてコンクリートが流れ出るのを防止する
とともに外形を定める型枠としてコンクリート型枠が利
用されている。コンクリート型枠としては、例えば、図
3に示すような壁、柱、支柱等の壁体20をコンクリー
トで形成するもの、或いは、図4に示すような床、屋上
等のコンクリート壁体23、壁体23と一体構造の柱、
梁、壁等のコンクリート壁体24を形成するもの等があ
る。
造物等をコンクリートで形成するには、内部にコンクリ
ートが投入されてコンクリートが流れ出るのを防止する
とともに外形を定める型枠としてコンクリート型枠が利
用されている。コンクリート型枠としては、例えば、図
3に示すような壁、柱、支柱等の壁体20をコンクリー
トで形成するもの、或いは、図4に示すような床、屋上
等のコンクリート壁体23、壁体23と一体構造の柱、
梁、壁等のコンクリート壁体24を形成するもの等があ
る。
【0003】図3に示すコンクリート型枠21は、コン
クリート壁体20の製作に使用される。コンクリート型
枠21は、製作すべき壁体20の厚さに等しい間隔を置
いて対向するように立設した一対の板体23,23と、
コンクリート型枠21の組立時に板体23,23間の間
隔を規定するとともにコンクリートを打設したときに板
体23,23が互いに離れないように固定するために多
数個設けられるセパレータ10と、各セパレータ10を
の両端に設けられてセパレータ10を緊締して固定する
固定具22とを有する。
クリート壁体20の製作に使用される。コンクリート型
枠21は、製作すべき壁体20の厚さに等しい間隔を置
いて対向するように立設した一対の板体23,23と、
コンクリート型枠21の組立時に板体23,23間の間
隔を規定するとともにコンクリートを打設したときに板
体23,23が互いに離れないように固定するために多
数個設けられるセパレータ10と、各セパレータ10を
の両端に設けられてセパレータ10を緊締して固定する
固定具22とを有する。
【0004】また、図4に示すコンクリート型枠27
は、壁又は床等の壁体24と柱又は梁等の壁体25とを
一体構造に構成するものである。柱や梁の壁体25は建
造物又は構造物の強度部材であるから、壁体25を形成
するコンクリート型枠27の内部には、補強筋としての
鉄筋26を組んだ鉄筋組立体9が配置される。従って、
図4に示すコンクリート建造物又は構造物の場合には、
コンクリート型枠27は、製作すべき柱又は梁の壁体2
5を取り囲むように配置され且つ柱又は梁の壁体25の
幅に等しい間隔を置いて対向するように立設した一対の
板体28,28と、コンクリート型枠27の組立時に板
体28,28間の間隔を規定するとともにコンクリート
を打設したときに板体28,28が互いに離れないよう
に固定するために多数個設けられるセパレータ10と、
セパレータ10の両端で緊締して固定するコンクリート
型枠固定具29とを有している。セパレータ10は、鉄
筋組立体9と干渉しないように、鉄筋組立体9の領域を
外してして設けられる。
は、壁又は床等の壁体24と柱又は梁等の壁体25とを
一体構造に構成するものである。柱や梁の壁体25は建
造物又は構造物の強度部材であるから、壁体25を形成
するコンクリート型枠27の内部には、補強筋としての
鉄筋26を組んだ鉄筋組立体9が配置される。従って、
図4に示すコンクリート建造物又は構造物の場合には、
コンクリート型枠27は、製作すべき柱又は梁の壁体2
5を取り囲むように配置され且つ柱又は梁の壁体25の
幅に等しい間隔を置いて対向するように立設した一対の
板体28,28と、コンクリート型枠27の組立時に板
体28,28間の間隔を規定するとともにコンクリート
を打設したときに板体28,28が互いに離れないよう
に固定するために多数個設けられるセパレータ10と、
セパレータ10の両端で緊締して固定するコンクリート
型枠固定具29とを有している。セパレータ10は、鉄
筋組立体9と干渉しないように、鉄筋組立体9の領域を
外してして設けられる。
【0005】従来、上記のようなコンクリート型枠とし
ては、例えば、図5に示すように、特公昭63−233
47号公報に開示されたコンクリート型枠30が知られ
ている。コンクリート型枠30は、板体35,35の背
面に桟木36をねじ止めし、構築すべき壁や床の厚さ又
は幅に応じて二枚の板体35,35を対向させて立設す
ると共に、セパレータ31の両端をそれぞれ円錐台形に
形成されたPコン32,32の小底面側から螺合させ、
Pコン32,32の大底面側を二枚の板体35,35の
対向内面に当接させて二枚の板体35,35の間にセパ
レータ31によって所定の間隔に設定されているもので
ある。タイロッド33,33の先端部を、板体35,3
5にあけた孔38に挿通してPコン32,32に対して
それらの大底面側から螺合することにより、板体35,
35は、Pコン32,32の大底面とタイロッド33,
33の先端拡大部との間で締め付けられる。このよう
に、二枚の板体35,35は、セパレータ31、Pコン
32,32及びタイロッド33,33によって、所定の
間隔を保って緊締して固定される。
ては、例えば、図5に示すように、特公昭63−233
47号公報に開示されたコンクリート型枠30が知られ
ている。コンクリート型枠30は、板体35,35の背
面に桟木36をねじ止めし、構築すべき壁や床の厚さ又
は幅に応じて二枚の板体35,35を対向させて立設す
ると共に、セパレータ31の両端をそれぞれ円錐台形に
形成されたPコン32,32の小底面側から螺合させ、
Pコン32,32の大底面側を二枚の板体35,35の
対向内面に当接させて二枚の板体35,35の間にセパ
レータ31によって所定の間隔に設定されているもので
ある。タイロッド33,33の先端部を、板体35,3
5にあけた孔38に挿通してPコン32,32に対して
それらの大底面側から螺合することにより、板体35,
35は、Pコン32,32の大底面とタイロッド33,
33の先端拡大部との間で締め付けられる。このよう
に、二枚の板体35,35は、セパレータ31、Pコン
32,32及びタイロッド33,33によって、所定の
間隔を保って緊締して固定される。
【0006】タイロッド33,33をPコン32,32
を介してセパレータ31に連結した後、金属製補強パイ
プ34,34を桟木36,36に対して直角に配設し、
タイロッド33,33に螺合されたナット37,37を
締め付けることによって座金39,39を介して金属製
補強パイプ34,34を桟木36,36に固定する。縦
横に組んで互いに締め付けられる桟木36,36と金属
製補強パイプ34,34とにより、二枚の板体35,3
5間に打設したコンクリートが外側に流出しようとする
圧力が支えられる。
を介してセパレータ31に連結した後、金属製補強パイ
プ34,34を桟木36,36に対して直角に配設し、
タイロッド33,33に螺合されたナット37,37を
締め付けることによって座金39,39を介して金属製
補強パイプ34,34を桟木36,36に固定する。縦
横に組んで互いに締め付けられる桟木36,36と金属
製補強パイプ34,34とにより、二枚の板体35,3
5間に打設したコンクリートが外側に流出しようとする
圧力が支えられる。
【0007】コンクリートの打設後にコンクリート型枠
はコンクリート壁体から取り外され、コンクリート壁面
に内装仕上げが施される。コンクリート型枠の取外し
は、コンクリート型枠の製作の手順を逆に辿ることによ
り行うことができる。即ち、コンクリート型枠の取外し
は、ナット37,37を弛めて座金39,39をタイロ
ッド33,33から外し、金属製補強パイプ34,34
及び桟木36,36を取り除き、次いでタイロッド3
3,33をPコン32,32からねじ戻し、二枚の板体
35,35をコンクリート壁体から剥がすことにより行
われる。また、内装仕上げは、例えば、コンクリート壁
面にプラスターボード(石膏ボード)、内装仕上げ板、
羽目板等のボードを貼り付けることによって行われる
が、プラスターボード等のボードを直貼りする前に、P
コン32,32を回転させてセパレータ31両端部の雄
ねじ41,42(図6を参照。)に螺合していたPコン
32,32をコンクリート壁中から取り除き、Pコン3
2,32が取り除かれた後に残る円錐体状の穴にモルタ
ル等を充填してボードが直貼りされる表面仕上げを行う
場合がある。また、穴にモルタル等を充填することなく
コンクリート壁体から突出しているセパレータ31の端
部を利用して、ボード支持装置を螺入して、ボード支持
装置に横断面が矩形である横胴縁等の胴縁を取り付けて
もよい。
はコンクリート壁体から取り外され、コンクリート壁面
に内装仕上げが施される。コンクリート型枠の取外し
は、コンクリート型枠の製作の手順を逆に辿ることによ
り行うことができる。即ち、コンクリート型枠の取外し
は、ナット37,37を弛めて座金39,39をタイロ
ッド33,33から外し、金属製補強パイプ34,34
及び桟木36,36を取り除き、次いでタイロッド3
3,33をPコン32,32からねじ戻し、二枚の板体
35,35をコンクリート壁体から剥がすことにより行
われる。また、内装仕上げは、例えば、コンクリート壁
面にプラスターボード(石膏ボード)、内装仕上げ板、
羽目板等のボードを貼り付けることによって行われる
が、プラスターボード等のボードを直貼りする前に、P
コン32,32を回転させてセパレータ31両端部の雄
ねじ41,42(図6を参照。)に螺合していたPコン
32,32をコンクリート壁中から取り除き、Pコン3
2,32が取り除かれた後に残る円錐体状の穴にモルタ
ル等を充填してボードが直貼りされる表面仕上げを行う
場合がある。また、穴にモルタル等を充填することなく
コンクリート壁体から突出しているセパレータ31の端
部を利用して、ボード支持装置を螺入して、ボード支持
装置に横断面が矩形である横胴縁等の胴縁を取り付けて
もよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セパレータ
31は、コンクリート打設後、コンクリート壁体内に埋
もれたまま残って補強用の鉄筋と同様の働きをすること
になる。セパレータ31は、通常断面が円形の鉄棒から
形成される。セパレータ31をその長手方向の軸線回り
に回転させようとする力が、セパレータ31の外面上で
のコンクリートとの摩擦力に打ち勝つと、セパレータ3
1はコンクリート壁体の中で自転、即ち空回りをするこ
とになる。即ち、セパレータ31がコンクリート壁体内
で空回りする事態は、次のような状況下で生じる。即
ち、コンクリート壁体から型枠を取り外し、Pコン3
2,32を回転させてセパレータ31からPコン32,
32を取り外す場合に、Pコン32,32とセパレータ
31の両端部のねじ結合が強過ぎてセパレータ31が共
回りすることになる。
31は、コンクリート打設後、コンクリート壁体内に埋
もれたまま残って補強用の鉄筋と同様の働きをすること
になる。セパレータ31は、通常断面が円形の鉄棒から
形成される。セパレータ31をその長手方向の軸線回り
に回転させようとする力が、セパレータ31の外面上で
のコンクリートとの摩擦力に打ち勝つと、セパレータ3
1はコンクリート壁体の中で自転、即ち空回りをするこ
とになる。即ち、セパレータ31がコンクリート壁体内
で空回りする事態は、次のような状況下で生じる。即
ち、コンクリート壁体から型枠を取り外し、Pコン3
2,32を回転させてセパレータ31からPコン32,
32を取り外す場合に、Pコン32,32とセパレータ
31の両端部のねじ結合が強過ぎてセパレータ31が共
回りすることになる。
【0009】そこで、従来は、図6に示すように、セパ
レータ31の長手方向の一か所において、断面が他の部
分の形状とは異なる、非円形の、例えば断面が平たい偏
平部分40を形成しておき、セパレータ31がその軸線
回りに回転しようとするときに、コンクリートから偏平
部分40にその断面非円形の形状に基づいて作用する拘
束力によって、その回転を阻止しようとしたものが考え
られている。しかしながら、偏平部分40は、あくま
で、セパレータ31の長手方向の一か所であるので、必
ずしも、セパレータ31がタイロッド33,33又はP
コン32,32と共回りをするのを完全に防止すること
ができなかった。
レータ31の長手方向の一か所において、断面が他の部
分の形状とは異なる、非円形の、例えば断面が平たい偏
平部分40を形成しておき、セパレータ31がその軸線
回りに回転しようとするときに、コンクリートから偏平
部分40にその断面非円形の形状に基づいて作用する拘
束力によって、その回転を阻止しようとしたものが考え
られている。しかしながら、偏平部分40は、あくま
で、セパレータ31の長手方向の一か所であるので、必
ずしも、セパレータ31がタイロッド33,33又はP
コン32,32と共回りをするのを完全に防止すること
ができなかった。
【0010】また、タイロッド33を取り外すことがで
きなかった場合には、タイロッド33を切断手段によっ
てPコン32から切り離したり、板体35の破壊作業も
必要となる時もある。タイロッド33の切断作業には多
くの人手と時間がかかり、そして板体35も破壊すると
再利用ができなくなる。Pコン32をセパレータ31と
のねじ係合から共周りのため外すことができない場合に
は、Pコン32をセパレータ31から切り放す必要があ
るが、その作業は極めて困難である。これらの作業は必
然的にコンクリート工事のコスト上昇に結びついてい
た。更に、切断されたタイロッドや、引き抜かれたPコ
ン、そのため、破壊されたセパレータ31は、コンクリ
ート打設用に再利用することが困難又は不可能であり、
工事部品の消耗及び有効利用の観点からも問題があっ
た。
きなかった場合には、タイロッド33を切断手段によっ
てPコン32から切り離したり、板体35の破壊作業も
必要となる時もある。タイロッド33の切断作業には多
くの人手と時間がかかり、そして板体35も破壊すると
再利用ができなくなる。Pコン32をセパレータ31と
のねじ係合から共周りのため外すことができない場合に
は、Pコン32をセパレータ31から切り放す必要があ
るが、その作業は極めて困難である。これらの作業は必
然的にコンクリート工事のコスト上昇に結びついてい
た。更に、切断されたタイロッドや、引き抜かれたPコ
ン、そのため、破壊されたセパレータ31は、コンクリ
ート打設用に再利用することが困難又は不可能であり、
工事部品の消耗及び有効利用の観点からも問題があっ
た。
【0011】更に、図4に示したコンクリート型枠27
の使用例の場合には、図4の下側に位置するセパレータ
10は、鉄筋組立体9を下面の板体11から一定の間隔
を置いて設定するために、コンクリートの打設前にコン
クリート型枠27の両側の板体28に取り付けることが
できるので、セパレータ10を配置して固定具29の組
立てを行うことは格別困難なことではないが、図4の上
側に位置するセパレータ10については、コンクリート
型枠27に鉄筋組立体9を配置する作業前に、セパレー
タ10が存在すると鉄筋組立体9をコンクリート型枠2
7内に挿入することができない。従って、コンクリート
型枠27に鉄筋組立体9を配置した後に、セパレータ1
0をコンクリート型枠27の両側の板体28に取り付け
ることになる。その場合には、鉄筋組立体9の鉄筋26
が作業の邪魔になり、Pコン32を操作してセパレータ
31とのねじ結合の作業を行い難い場合があった。そこ
で、Pコン32を回転操作するのではなく、工具を用い
てセパレータ31を回転させてPコン32とのねじ結合
をさせることがある。しかし、セパレータ31は、通
常、断面円形の丸棒であるので工具の丸棒への係合が滑
り、また、偏平部分40が設けられているにしても、そ
の設置位置は一箇所であるので、セパレータ31を効率
良く回転させることが困難であった。
の使用例の場合には、図4の下側に位置するセパレータ
10は、鉄筋組立体9を下面の板体11から一定の間隔
を置いて設定するために、コンクリートの打設前にコン
クリート型枠27の両側の板体28に取り付けることが
できるので、セパレータ10を配置して固定具29の組
立てを行うことは格別困難なことではないが、図4の上
側に位置するセパレータ10については、コンクリート
型枠27に鉄筋組立体9を配置する作業前に、セパレー
タ10が存在すると鉄筋組立体9をコンクリート型枠2
7内に挿入することができない。従って、コンクリート
型枠27に鉄筋組立体9を配置した後に、セパレータ1
0をコンクリート型枠27の両側の板体28に取り付け
ることになる。その場合には、鉄筋組立体9の鉄筋26
が作業の邪魔になり、Pコン32を操作してセパレータ
31とのねじ結合の作業を行い難い場合があった。そこ
で、Pコン32を回転操作するのではなく、工具を用い
てセパレータ31を回転させてPコン32とのねじ結合
をさせることがある。しかし、セパレータ31は、通
常、断面円形の丸棒であるので工具の丸棒への係合が滑
り、また、偏平部分40が設けられているにしても、そ
の設置位置は一箇所であるので、セパレータ31を効率
良く回転させることが困難であった。
【0012】上述のような従来技術の問題点に鑑みて、
セパレータがその軸線回りにおいてコンクリート壁体内
で回転しようとするのに対する阻止性を向上させて、セ
パレータがタイロッドやPコンの回転時にそれらと共回
りをするのを確実に防止し、セパレータのみが確実にコ
ンクリート内に埋め込まれて残るようにすることができ
る共回りを防止する構造を備えたセパレータを得る必要
がある。また、セパレータとPコンとのねじ係合を得る
のにセパレータを回転操作する際の操作性の向上が望ま
れている。そこで、コンクリート型枠の開発に当たっ
て、コンクリート型枠の組立時においてセパレータの回
転操作性を向上するとともに、コンクリート型枠の分解
時において如何にしてセパレータの共回りを防止するこ
とができる構造をセパレータ自身に備えさせるかが課題
となっていた。
セパレータがその軸線回りにおいてコンクリート壁体内
で回転しようとするのに対する阻止性を向上させて、セ
パレータがタイロッドやPコンの回転時にそれらと共回
りをするのを確実に防止し、セパレータのみが確実にコ
ンクリート内に埋め込まれて残るようにすることができ
る共回りを防止する構造を備えたセパレータを得る必要
がある。また、セパレータとPコンとのねじ係合を得る
のにセパレータを回転操作する際の操作性の向上が望ま
れている。そこで、コンクリート型枠の開発に当たっ
て、コンクリート型枠の組立時においてセパレータの回
転操作性を向上するとともに、コンクリート型枠の分解
時において如何にしてセパレータの共回りを防止するこ
とができる構造をセパレータ自身に備えさせるかが課題
となっていた。
【0013】
【課題を解決するため手段】この発明の目的は、上記課
題を解決することであり、コンクリート壁中に埋め込ま
れるセパレータに簡単な構造上の改良を与えることによ
り、工具がセパレータに係合する機会を増やしてセパレ
ータの回転操作性を向上させると共に、セパレータのコ
ンクリート内での回転を阻止する部分の数及び方向性に
工夫が凝らされてセパレータがタイロッドやPコンと共
回りをするのを確実に防止し、コンクリート工事のコス
ト上昇と工事部品の消耗を抑え、更に資源の有効利用を
図ることができるコンクリート型枠固定用セパレータの
構造を提供することである。
題を解決することであり、コンクリート壁中に埋め込ま
れるセパレータに簡単な構造上の改良を与えることによ
り、工具がセパレータに係合する機会を増やしてセパレ
ータの回転操作性を向上させると共に、セパレータのコ
ンクリート内での回転を阻止する部分の数及び方向性に
工夫が凝らされてセパレータがタイロッドやPコンと共
回りをするのを確実に防止し、コンクリート工事のコス
ト上昇と工事部品の消耗を抑え、更に資源の有効利用を
図ることができるコンクリート型枠固定用セパレータの
構造を提供することである。
【0014】この発明は、コンクリート型枠を構成する
対向配置した一対の板体を所定の間隔を置いて固定する
のに用いられるコンクリート型枠固定用セパレータの構
造において、断面円形のセパレータの長手方向の少なく
とも二箇所において断面非円形の偏平部分を形成したこ
とを特徴とするコンクリート型枠固定用セパレータの構
造に関する。
対向配置した一対の板体を所定の間隔を置いて固定する
のに用いられるコンクリート型枠固定用セパレータの構
造において、断面円形のセパレータの長手方向の少なく
とも二箇所において断面非円形の偏平部分を形成したこ
とを特徴とするコンクリート型枠固定用セパレータの構
造に関する。
【0015】また、このコンクリート型枠固定用セパレ
ータの構造において、前記偏平部分は、前記セパレータ
の長手方向に対して直交方向から施した打延ばし加工で
形成されているものである。
ータの構造において、前記偏平部分は、前記セパレータ
の長手方向に対して直交方向から施した打延ばし加工で
形成されているものである。
【0016】また、このコンクリート型枠固定用セパレ
ータの構造において、長手方向に隣接する前記偏平部分
の偏平を定める平坦面が互いに交差している。
ータの構造において、長手方向に隣接する前記偏平部分
の偏平を定める平坦面が互いに交差している。
【0017】更に、このコンクリート型枠固定用セパレ
ータの構造において、前記偏平部分は、コンクリートに
骨材として含まれる砂利の最大粒径よりも大きく離れた
長手方向の二カ所において形成されている。
ータの構造において、前記偏平部分は、コンクリートに
骨材として含まれる砂利の最大粒径よりも大きく離れた
長手方向の二カ所において形成されている。
【0018】この発明によるコンクリート型枠固定用セ
パレータの構造は、上記のように、対向配置した二枚の
板体を所定の間隔を置いて固定するのに用いられ、セパ
レータの長手方向の少なくとも二箇所において偏平部分
を形成したので、従来のセパレータが共回り防止の機能
を果たす偏平部分を長手方向の一箇所のみに設けていた
のに比較して、コンクリートに対する空回りを阻止する
機能が格段に向上する。即ち、偏平部分がセパレータの
一箇所のみに設けられている場合には、その偏平部分の
周囲においてコンクリートの充填度が低く空洞部分が発
生しているときやコンクリート固化の程度が弱いとき
に、セパレータの空回りを阻止する能力が低下するが、
偏平部分がセパレータの少なくとも二箇所以上に設けら
れている場合には、すべての偏平部分と接触するコンク
リート部分において上記のような脆弱部分が生じている
確率自体が格段に低くなるとともに、セパレータを回転
させようとする外力が作用したときに偏平部分が果たす
外力抵抗機能が、当該偏平部分を設けた箇所の数だけ分
担されることとの相乗作用によって、コンクリートに対
するセパレータの空回りを阻止する機能が大きく向上す
る。
パレータの構造は、上記のように、対向配置した二枚の
板体を所定の間隔を置いて固定するのに用いられ、セパ
レータの長手方向の少なくとも二箇所において偏平部分
を形成したので、従来のセパレータが共回り防止の機能
を果たす偏平部分を長手方向の一箇所のみに設けていた
のに比較して、コンクリートに対する空回りを阻止する
機能が格段に向上する。即ち、偏平部分がセパレータの
一箇所のみに設けられている場合には、その偏平部分の
周囲においてコンクリートの充填度が低く空洞部分が発
生しているときやコンクリート固化の程度が弱いとき
に、セパレータの空回りを阻止する能力が低下するが、
偏平部分がセパレータの少なくとも二箇所以上に設けら
れている場合には、すべての偏平部分と接触するコンク
リート部分において上記のような脆弱部分が生じている
確率自体が格段に低くなるとともに、セパレータを回転
させようとする外力が作用したときに偏平部分が果たす
外力抵抗機能が、当該偏平部分を設けた箇所の数だけ分
担されることとの相乗作用によって、コンクリートに対
するセパレータの空回りを阻止する機能が大きく向上す
る。
【0019】また、前記偏平部分を、前記長手方向に対
して直交方向から施した打延ばし加工により形成した場
合には、セパレータにおける偏平部分の形成が、金属の
打延ばしという簡単な加工方法により安価に達成され
る。セパレータへの偏平部分の形成後の形状が偏平とい
う簡単かつ安定した形状となり、共廻り防止作用も確実
かつ安定している。
して直交方向から施した打延ばし加工により形成した場
合には、セパレータにおける偏平部分の形成が、金属の
打延ばしという簡単な加工方法により安価に達成され
る。セパレータへの偏平部分の形成後の形状が偏平とい
う簡単かつ安定した形状となり、共廻り防止作用も確実
かつ安定している。
【0020】また、前記偏平部分の偏平を定める平坦面
が互いに交差している場合には、セパレータを回転操作
して、Pコンとのねじ係合を行うときに、従来のセパレ
ータではセパレータの半回転ごとにのみ工具が係合可能
となっていたのに対して、それよりも小さい角度のセパ
レータの回転で工具が次の偏平部分に係合可能となり、
セパレータの固定作業の操作性が向上する。
が互いに交差している場合には、セパレータを回転操作
して、Pコンとのねじ係合を行うときに、従来のセパレ
ータではセパレータの半回転ごとにのみ工具が係合可能
となっていたのに対して、それよりも小さい角度のセパ
レータの回転で工具が次の偏平部分に係合可能となり、
セパレータの固定作業の操作性が向上する。
【0021】更に、前記偏平部分を、コンクリートに骨
材として含まれる砂利の最大粒径よりも大きい距離をも
って離れた前記長手方向の二箇所において形成し、両偏
平部分の偏平を定める平坦面を互いに直交させている場
合には、共回り防止作用とセパレータの回転操作性とが
最も大きくなることが期待される。即ち、共廻り防止部
分である偏平部分に接触するコンクリートの部分は、セ
パレータの長手方向の軸線の回りで位相が最大の90°
の角度をもって異なる部分であるから、コンクリートの
脆弱部分が長手方向で離れた二箇所においてこの位相差
で生じている確率は非常に低いことが期待されるととも
に、コンクリートに含まれる同じ砂利が長手方向で離れ
た二箇所において両偏平部分に係合するという事象は生
じず、別々の砂利がそれぞれの偏平部分に係合するの
で、結局セパレータのがたつきや空回りを最小限になる
ことが期待できる。更に、セパレータを回転操作して、
Pコンとのねじ係合を行う場合には、セパレータの90
°の回転毎に工具がセパレータの偏平部分に係合可能と
なり、従来のセパレータではセパレータの半回転ごとに
工具が係合可能となっていたことと比較すると、操作性
が2倍に向上する。
材として含まれる砂利の最大粒径よりも大きい距離をも
って離れた前記長手方向の二箇所において形成し、両偏
平部分の偏平を定める平坦面を互いに直交させている場
合には、共回り防止作用とセパレータの回転操作性とが
最も大きくなることが期待される。即ち、共廻り防止部
分である偏平部分に接触するコンクリートの部分は、セ
パレータの長手方向の軸線の回りで位相が最大の90°
の角度をもって異なる部分であるから、コンクリートの
脆弱部分が長手方向で離れた二箇所においてこの位相差
で生じている確率は非常に低いことが期待されるととも
に、コンクリートに含まれる同じ砂利が長手方向で離れ
た二箇所において両偏平部分に係合するという事象は生
じず、別々の砂利がそれぞれの偏平部分に係合するの
で、結局セパレータのがたつきや空回りを最小限になる
ことが期待できる。更に、セパレータを回転操作して、
Pコンとのねじ係合を行う場合には、セパレータの90
°の回転毎に工具がセパレータの偏平部分に係合可能と
なり、従来のセパレータではセパレータの半回転ごとに
工具が係合可能となっていたことと比較すると、操作性
が2倍に向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるコンクリート型枠固定用セパレータの構造の実施
例について説明する。図1はこの発明によるコンクリー
ト型枠固定用セパレータの構造の一実施例を示す平面
図、及び図2は図1に示すコンクリート型枠固定用セパ
レータの斜視図である。
によるコンクリート型枠固定用セパレータの構造の実施
例について説明する。図1はこの発明によるコンクリー
ト型枠固定用セパレータの構造の一実施例を示す平面
図、及び図2は図1に示すコンクリート型枠固定用セパ
レータの斜視図である。
【0023】このコンクリート型枠固定用セパレータの
構造は、断面が円形の金属丸棒2を基本としたセパレー
タ1であり、両端をPコンが螺合する雄ねじ部3,4と
している。図示の例では、セパレータ1の中間部分に
は、長手方向の二箇所において、偏平部分5,6が形成
されている。偏平部分5,6は、丸棒を長手方向に対し
て直交する方向から熱間又は冷間加工によりて打潰して
成形される。偏平部分5,6の打ち潰された面は平坦面
となり、加工方向とは直交する方向に金属肉が打ち延ば
されて非円形の偏平部分を形成している。偏平部分6
は、偏平部分5に対してセパレータ1の長手方向の軸線
の回りにおいて位相を90°異ならした位置に設けられ
ている。
構造は、断面が円形の金属丸棒2を基本としたセパレー
タ1であり、両端をPコンが螺合する雄ねじ部3,4と
している。図示の例では、セパレータ1の中間部分に
は、長手方向の二箇所において、偏平部分5,6が形成
されている。偏平部分5,6は、丸棒を長手方向に対し
て直交する方向から熱間又は冷間加工によりて打潰して
成形される。偏平部分5,6の打ち潰された面は平坦面
となり、加工方向とは直交する方向に金属肉が打ち延ば
されて非円形の偏平部分を形成している。偏平部分6
は、偏平部分5に対してセパレータ1の長手方向の軸線
の回りにおいて位相を90°異ならした位置に設けられ
ている。
【0024】数値的な一例を示せば、金属丸棒2の断面
円形部分の径は、例えば、7mmであり、雄ねじ部3,
4のピッチ径は6.5mmである。偏平部分5,6は、
平坦面間の厚さが5mmであり、両側から0.5mmの
深さの潰し処理が施されている。また、平坦部の長さは
約10mmである。偏平部分5,6間の非加工部分の間
隔は約25mmであり、コンクリートに含まれる砂利で
あって、1個の砂利が同時に偏平部分5,6に接触しな
い間隔とされる。従って、両偏平部分5,6に接触する
砂利があったとしても、それらの砂利は、別々の砂利で
あって、一方の砂利がコンクリート内で弛んでも他方の
砂利がセパレータ1の共回りを防ぐことができるように
してある。
円形部分の径は、例えば、7mmであり、雄ねじ部3,
4のピッチ径は6.5mmである。偏平部分5,6は、
平坦面間の厚さが5mmであり、両側から0.5mmの
深さの潰し処理が施されている。また、平坦部の長さは
約10mmである。偏平部分5,6間の非加工部分の間
隔は約25mmであり、コンクリートに含まれる砂利で
あって、1個の砂利が同時に偏平部分5,6に接触しな
い間隔とされる。従って、両偏平部分5,6に接触する
砂利があったとしても、それらの砂利は、別々の砂利で
あって、一方の砂利がコンクリート内で弛んでも他方の
砂利がセパレータ1の共回りを防ぐことができるように
してある。
【0025】図1及び図2に示したセパレータ1の型枠
において用いる態様は、従来の技術の欄において図3乃
至図5に基づいて既に説明した態様と同じであるので、
再度の説明を省略する。図1及び図2に示した本発明の
実施例では、セパレータ1は、その長手方向の少なくと
も二箇所において、長手方向の軸線回りに回転するのを
防止する偏平部分5,6を形成してあるので、従来のセ
パレータが偏平部分を一箇所のみに設けていたのに比較
して、コンクリート壁体に対する空回りを阻止する機能
が格段に向上する。即ち、従来のセパレータのように、
偏平部分がセパレータの一箇所のみに設けられている場
合に、偏平部分に周囲においてコンクリート壁体の充填
度が低く空洞部分が発生しているときやコンクリート固
化の程度が弱いと、例えば、Pコンを回転させてセパレ
ータとのねじ係合を外そうとしたときに、セパレータも
回転するという共回りを生じやすい。
において用いる態様は、従来の技術の欄において図3乃
至図5に基づいて既に説明した態様と同じであるので、
再度の説明を省略する。図1及び図2に示した本発明の
実施例では、セパレータ1は、その長手方向の少なくと
も二箇所において、長手方向の軸線回りに回転するのを
防止する偏平部分5,6を形成してあるので、従来のセ
パレータが偏平部分を一箇所のみに設けていたのに比較
して、コンクリート壁体に対する空回りを阻止する機能
が格段に向上する。即ち、従来のセパレータのように、
偏平部分がセパレータの一箇所のみに設けられている場
合に、偏平部分に周囲においてコンクリート壁体の充填
度が低く空洞部分が発生しているときやコンクリート固
化の程度が弱いと、例えば、Pコンを回転させてセパレ
ータとのねじ係合を外そうとしたときに、セパレータも
回転するという共回りを生じやすい。
【0026】従来のセパレータに対して、本発明による
セパレータ1は、偏平部分5,6がセパレータ1の二箇
所に設けられているので、両偏平部分5,6と接触する
コンクリート壁体部分において上記のような脆弱部分が
生じている確率自体が格段に低くなることと、セパレー
タ1を回転させようとする外力が作用したときに偏平部
分5,6が果たす外力抵抗機能が二箇所の偏平部分5,
6に分担されることとの相乗作用によって、コンクリー
ト壁体に対するセパレータ1の空回りを阻止する機能が
大きく向上している。
セパレータ1は、偏平部分5,6がセパレータ1の二箇
所に設けられているので、両偏平部分5,6と接触する
コンクリート壁体部分において上記のような脆弱部分が
生じている確率自体が格段に低くなることと、セパレー
タ1を回転させようとする外力が作用したときに偏平部
分5,6が果たす外力抵抗機能が二箇所の偏平部分5,
6に分担されることとの相乗作用によって、コンクリー
ト壁体に対するセパレータ1の空回りを阻止する機能が
大きく向上している。
【0027】また、偏平部分5,6は、セパレータ1の
長手方向に対して直交方向から打延ばし変形しているの
で、セパレータ1における偏平部分5,6は、金属の鍛
造等の塑性加工という簡単な加工方法により安価に形成
される。また、偏平部分5,6の形成後のセパレータ1
は、極めて単純な形状で、偏平部分5,6の形成が簡単
で且つ安定した形状となり、セパレータ1がコンクリー
ト壁体に対して回転してセパレータ1とPコンとが共廻
りすることも確実に且つ安定して防止することができ
る。
長手方向に対して直交方向から打延ばし変形しているの
で、セパレータ1における偏平部分5,6は、金属の鍛
造等の塑性加工という簡単な加工方法により安価に形成
される。また、偏平部分5,6の形成後のセパレータ1
は、極めて単純な形状で、偏平部分5,6の形成が簡単
で且つ安定した形状となり、セパレータ1がコンクリー
ト壁体に対して回転してセパレータ1とPコンとが共廻
りすることも確実に且つ安定して防止することができ
る。
【0028】更に、セパレータ1の偏平部分5,6を、
コンクリートに骨材として含まれる砂利の最大粒径より
も大きい距離をもって離れたセパレータ1の長手方向の
二箇所において形成し、且つ両偏平部分5,6の偏平を
定める平坦面を互いに直交させているので、共廻り防止
部分である偏平部分5,6に接触するコンクリートの部
分は、セパレータ1の長手方向の軸線の回りで位相が最
大の90°の角度をもって異なる部分となり、コンクリ
ート壁体の脆弱部分が両偏平部分5,6の二箇所におい
て且つ90°という位相差で生じている確率は非常に低
いことが期待される。また、コンクリートに含まれる同
一の砂利がセパレータ1の両偏平部分5,6に係合する
ことはなく、別々の砂利がそれぞれの偏平部分5,6に
係合するので、その結果、セパレータ1のがたつきや空
回りは最小限になる。
コンクリートに骨材として含まれる砂利の最大粒径より
も大きい距離をもって離れたセパレータ1の長手方向の
二箇所において形成し、且つ両偏平部分5,6の偏平を
定める平坦面を互いに直交させているので、共廻り防止
部分である偏平部分5,6に接触するコンクリートの部
分は、セパレータ1の長手方向の軸線の回りで位相が最
大の90°の角度をもって異なる部分となり、コンクリ
ート壁体の脆弱部分が両偏平部分5,6の二箇所におい
て且つ90°という位相差で生じている確率は非常に低
いことが期待される。また、コンクリートに含まれる同
一の砂利がセパレータ1の両偏平部分5,6に係合する
ことはなく、別々の砂利がそれぞれの偏平部分5,6に
係合するので、その結果、セパレータ1のがたつきや空
回りは最小限になる。
【0029】図4に示したセパレータ10の使用例で既
に説明したように、鉄筋組立体9と組み合わせて用いら
れるセパレータ10については、Pコンをセパレータ1
0の端部の雄ねじにねじ込んで取り付ける作業がスペー
ス的に困難な場合がある。このような場合においても、
本発明によるセパレータ1を用いれば、セパレータ1
は、両偏平部分5,6によってコンクリート壁体に強固
に固定されているので、セパレータ1がPコンと共回り
することなく、セパレータ1からPコンを容易に取り外
すことができる。また、コンクリート型枠内に鉄筋組立
体が配置された状態でも、コンクリート型枠の内部に存
在する鉄筋組立体の鉄筋間にセパレータ1を刺し通し、
セパレータ1の偏平部分5,6に対して工具を係合して
セパレータを回すことにより、セパレータとPコンとの
締め付け固定作業がし易くなる。しかも、偏平部分5,
6がセパレータ1の長手方向の軸線の回りに90°の位
相差をもって設けられているから、セパレータ1の90
°の回転毎に工具を偏平部分5,6に順次に係合させる
ことが可能となり、従来のセパレータが半回転ごとに工
具が係合可能となっていたものと比較すると、セパレー
タ1の回転操作性が2倍に向上している。
に説明したように、鉄筋組立体9と組み合わせて用いら
れるセパレータ10については、Pコンをセパレータ1
0の端部の雄ねじにねじ込んで取り付ける作業がスペー
ス的に困難な場合がある。このような場合においても、
本発明によるセパレータ1を用いれば、セパレータ1
は、両偏平部分5,6によってコンクリート壁体に強固
に固定されているので、セパレータ1がPコンと共回り
することなく、セパレータ1からPコンを容易に取り外
すことができる。また、コンクリート型枠内に鉄筋組立
体が配置された状態でも、コンクリート型枠の内部に存
在する鉄筋組立体の鉄筋間にセパレータ1を刺し通し、
セパレータ1の偏平部分5,6に対して工具を係合して
セパレータを回すことにより、セパレータとPコンとの
締め付け固定作業がし易くなる。しかも、偏平部分5,
6がセパレータ1の長手方向の軸線の回りに90°の位
相差をもって設けられているから、セパレータ1の90
°の回転毎に工具を偏平部分5,6に順次に係合させる
ことが可能となり、従来のセパレータが半回転ごとに工
具が係合可能となっていたものと比較すると、セパレー
タ1の回転操作性が2倍に向上している。
【0030】図示の実施例では、セパレータ1として普
通鉄筋のような断面円形の丸棒を用いたが、これに限ら
ず、周面にリブやフシを形成してコンクリートとの付着
力を大きくした異形鉄筋を用いてもよい。また、セパレ
ータ1に形成した偏平部分5,6は、セパレータ1の長
手方向に離間した二箇所において形成したが、これに限
らず三箇所以上であっても構わない。この場合、セパレ
ータ1のPコンとの共回り防止作用やセパレータ1への
工具係合機会が増加することは明らかである。また、柱
や梁等の壁体に使用されるコンクリート型枠の固定用の
セパレータでは、セパレータの長さが長くなるから、三
箇所以上の偏平部分を適宜の間隔を置いて設けることは
有効である。
通鉄筋のような断面円形の丸棒を用いたが、これに限ら
ず、周面にリブやフシを形成してコンクリートとの付着
力を大きくした異形鉄筋を用いてもよい。また、セパレ
ータ1に形成した偏平部分5,6は、セパレータ1の長
手方向に離間した二箇所において形成したが、これに限
らず三箇所以上であっても構わない。この場合、セパレ
ータ1のPコンとの共回り防止作用やセパレータ1への
工具係合機会が増加することは明らかである。また、柱
や梁等の壁体に使用されるコンクリート型枠の固定用の
セパレータでは、セパレータの長さが長くなるから、三
箇所以上の偏平部分を適宜の間隔を置いて設けることは
有効である。
【0031】更に、図示の例では、二つの偏平部分5,
6が互いの平坦部を互いに90°の角度の位相差をもっ
て形成したものであったが、偏平部分が複数個設けられ
るだけでも共回り防止作用が増大するので、必ずしも直
交する配置とする必要はなく、90°以外の角度で交差
したり、或いは互いに平行であってもよい。ただし、セ
パレータの工具による回転操作の利便性をも考慮すると
きは、偏平部分の偏平を定める平坦面は互いに交差して
いるのが好ましく、特に、偏平部分が90°で交差、即
ち直交しているときは、セパレータの回転操作性が最も
良い。更に、セパレータへの偏平部分の形成手段は、金
属の冷間加工や熱間加工に限らず他の塑性加工手段であ
ってもよく、特殊な場合として、偏平となるように丸棒
の両側に翼片を固着したり、或いは切削によって偏平部
分を形成してもよい。
6が互いの平坦部を互いに90°の角度の位相差をもっ
て形成したものであったが、偏平部分が複数個設けられ
るだけでも共回り防止作用が増大するので、必ずしも直
交する配置とする必要はなく、90°以外の角度で交差
したり、或いは互いに平行であってもよい。ただし、セ
パレータの工具による回転操作の利便性をも考慮すると
きは、偏平部分の偏平を定める平坦面は互いに交差して
いるのが好ましく、特に、偏平部分が90°で交差、即
ち直交しているときは、セパレータの回転操作性が最も
良い。更に、セパレータへの偏平部分の形成手段は、金
属の冷間加工や熱間加工に限らず他の塑性加工手段であ
ってもよく、特殊な場合として、偏平となるように丸棒
の両側に翼片を固着したり、或いは切削によって偏平部
分を形成してもよい。
【0032】
【発明の効果】この発明によるコンクリート型枠固定用
セパレータの構造は、上記のように構成されているの
で、次のような効果を有する。即ち、このコンクリート
型枠固定用セパレータの構造は、対向配置した二枚の板
体を所定の間隔を置いて固定するのに用いられ、セパレ
ータの長手方向の少なくとも二箇所において偏平部分を
形成したので、従来のセパレータが共回り防止の機能を
果たす偏平部分を長手方向の一箇所のみに設けていたの
に比較して、コンクリート壁体に対する空回りを阻止す
る機能が格段に向上する。従って、セパレータは、コン
クリート内に埋まって残りコンクリートの補強筋として
働く。また、前記偏平部分を、前記長手方向に対して直
交方向から施した打延ばし加工により形成した場合に
は、セパレータにおける偏平部分は熱間又は冷間加工等
の金属の打延ばしという簡単な塑性加工方法により安価
に形成される。
セパレータの構造は、上記のように構成されているの
で、次のような効果を有する。即ち、このコンクリート
型枠固定用セパレータの構造は、対向配置した二枚の板
体を所定の間隔を置いて固定するのに用いられ、セパレ
ータの長手方向の少なくとも二箇所において偏平部分を
形成したので、従来のセパレータが共回り防止の機能を
果たす偏平部分を長手方向の一箇所のみに設けていたの
に比較して、コンクリート壁体に対する空回りを阻止す
る機能が格段に向上する。従って、セパレータは、コン
クリート内に埋まって残りコンクリートの補強筋として
働く。また、前記偏平部分を、前記長手方向に対して直
交方向から施した打延ばし加工により形成した場合に
は、セパレータにおける偏平部分は熱間又は冷間加工等
の金属の打延ばしという簡単な塑性加工方法により安価
に形成される。
【0033】また、前記偏平部分の偏平を定める平坦面
が互いに交差している場合には、セパレータを回転操作
してPコンとのねじ係合を行うときに、従来のセパレー
タではセパレータの半回転(180°)ごとにのみ工具
が係合可能となっていたのに対して、180°よりも小
さい角度のセパレータの回転で工具が順次に偏平部分に
係合可能となり、締め付け作業の操作性が向上する。
が互いに交差している場合には、セパレータを回転操作
してPコンとのねじ係合を行うときに、従来のセパレー
タではセパレータの半回転(180°)ごとにのみ工具
が係合可能となっていたのに対して、180°よりも小
さい角度のセパレータの回転で工具が順次に偏平部分に
係合可能となり、締め付け作業の操作性が向上する。
【0034】更に、前記偏平部分を、コンクリートに骨
材として含まれる砂利の最大粒径よりも大きい距離をも
って離れた前記長手方向の二箇所においてのみ形成し、
両偏平部分の偏平を定める平坦面を互いに直交させてい
る場合には、共回り防止作用とセパレータの回転操作性
とが最も大きくなることが期待される。即ち、共廻り防
止部分である偏平部分に接触するコンクリートの部分
は、セパレータの長手方向の軸線の回りで位相が最大の
90°の角度をもって異なる部分であるから、コンクリ
ートの脆弱部分が長手方向で離れた2箇所においてこの
位相差で生じている確率は非常に低く、コンクリートに
含まれる別々の砂利がそれぞれの偏平部分に係合するの
で、結局セパレータのがたつきや空回りを最小限にす
る。更に、セパレータを回転操作して、Pコンとのねじ
係合を行う場合には、セパレータの90°の回転毎に工
具がセパレータの偏平部分に次々と交互に係合可能とな
り、従来のセパレータではセパレータの半回転ごとに工
具が係合可能となっていたことと比較すると、操作性が
2倍に向上する。
材として含まれる砂利の最大粒径よりも大きい距離をも
って離れた前記長手方向の二箇所においてのみ形成し、
両偏平部分の偏平を定める平坦面を互いに直交させてい
る場合には、共回り防止作用とセパレータの回転操作性
とが最も大きくなることが期待される。即ち、共廻り防
止部分である偏平部分に接触するコンクリートの部分
は、セパレータの長手方向の軸線の回りで位相が最大の
90°の角度をもって異なる部分であるから、コンクリ
ートの脆弱部分が長手方向で離れた2箇所においてこの
位相差で生じている確率は非常に低く、コンクリートに
含まれる別々の砂利がそれぞれの偏平部分に係合するの
で、結局セパレータのがたつきや空回りを最小限にす
る。更に、セパレータを回転操作して、Pコンとのねじ
係合を行う場合には、セパレータの90°の回転毎に工
具がセパレータの偏平部分に次々と交互に係合可能とな
り、従来のセパレータではセパレータの半回転ごとに工
具が係合可能となっていたことと比較すると、操作性が
2倍に向上する。
【図1】この発明によるコンクリート型枠固定用セパレ
ータの構造の一実施例を示す平面図である。
ータの構造の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示すコンクリート型枠固定用セパレータ
の斜視図である。
の斜視図である。
【図3】コンクリート型枠固定用セパレータの一使用例
を示す図である。
を示す図である。
【図4】コンクリート型枠固定用セパレータの別の使用
例を示す図である。
例を示す図である。
【図5】図3又は図4に示す使用例に関するコンクリー
ト型枠固定具を示す断面図である。
ト型枠固定具を示す断面図である。
【図6】従来のコンクリート型枠固定用セパレータの構
造を示す平面図である。
造を示す平面図である。
1 セパレータ 2 丸棒 3,4 雄ねじ 5,6 偏平部分 21,27,30 コンクリート型枠
Claims (4)
- 【請求項1】 コンクリート型枠を構成する対向配置し
た一対の板体を所定の間隔を置いて固定するのに用いら
れるコンクリート型枠固定用セパレータの構造におい
て、断面円形のセパレータの長手方向の少なくとも二箇
所において断面非円形の偏平部分を形成したことを特徴
とするコンクリート型枠固定用セパレータの構造。 - 【請求項2】 前記偏平部分は、前記セパレータの長手
方向に対して直交方向から施した打延ばし加工で形成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリー
ト型枠固定用セパレータの構造。 - 【請求項3】 長手方向に隣接する前記偏平部分の偏平
を定める平坦面が互いに交差していることを特徴とする
請求項1又は2に記載のコンクリート型枠固定用セパレ
ータの構造。 - 【請求項4】 前記偏平部分は、コンクリートに骨材と
して含まれる砂利の最大粒径よりも大きく離れた長手方
向の二カ所において形成されていることを特徴とする請
求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート型枠固定用
セパレータの構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32218296A JPH10148032A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | コンクリート型枠固定用セパレータの構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32218296A JPH10148032A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | コンクリート型枠固定用セパレータの構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10148032A true JPH10148032A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=18140869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32218296A Pending JPH10148032A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | コンクリート型枠固定用セパレータの構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10148032A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242323A (ja) * | 2009-04-02 | 2010-10-28 | Marunaka:Kk | 型枠用セパレータ |
KR20220115269A (ko) * | 2021-02-10 | 2022-08-17 | 강점섭 | 거푸집 고정용 앙카볼트 |
-
1996
- 1996-11-19 JP JP32218296A patent/JPH10148032A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242323A (ja) * | 2009-04-02 | 2010-10-28 | Marunaka:Kk | 型枠用セパレータ |
KR20220115269A (ko) * | 2021-02-10 | 2022-08-17 | 강점섭 | 거푸집 고정용 앙카볼트 |
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