JPH10147748A - 静電塗装用導電性プライマー組成物及び静電塗装方法 - Google Patents

静電塗装用導電性プライマー組成物及び静電塗装方法

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JPH10147748A
JPH10147748A JP32337996A JP32337996A JPH10147748A JP H10147748 A JPH10147748 A JP H10147748A JP 32337996 A JP32337996 A JP 32337996A JP 32337996 A JP32337996 A JP 32337996A JP H10147748 A JPH10147748 A JP H10147748A
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JP
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group
polymer
electrostatic coating
soluble
primer composition
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JP32337996A
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Shigeru Shimizu
茂 清水
Masashi Uzawa
正志 鵜沢
Takashi Saito
隆司 齋藤
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水及び有機溶媒に可溶でかつ簡便な方法で塗
布、被覆可能で、しかも長期保存においても分離、凝集
しない静電塗装用導電性プライマー組成物及び静電塗装
方法の提供。 【解決の手段】 1.スルホン酸基及び/又はカルボン
酸基を有する酸性基置換の可溶性導電ポリマーあるいは
該可溶性導電ポリマーとバインダーポリマーとを主成分
とするプラスチックの静電塗装用導電性プライマー組成
物。2.プラスチックの少なくとも一つの表面上に、前
記の静電塗装用導電性プライマー組成物を塗布し、被膜
を形成させた後に塗料を静電塗装する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可溶性アニリン系
導電ポリマーを主成分とする静電塗装用導電性プライマ
ー組成物及びその静電塗装方法に関する。本発明におけ
る可溶性アニリン系導電ポリマーは、静電塗装用導電性
プライマー組成物として優れた性能を有すし、かつ溶媒
特に水及び含水有機溶媒などに可溶なためプラスチック
表面に簡単に被覆することができ、静電塗装の効率化、
付着性を向上させることができる。
【0002】
【従来の技術とその問題点】自動車のバンパーやドアサ
イドモールなどにはプラスチック、例えばポリプロピレ
ンが使用されている。このプラスチックは美粧性及び耐
久性向上のために塗料が塗装されている。塗装手段とし
ては静電塗装方式が一般に採用されている。しかし、プ
ラスチック製品は静電塗装適性が劣るため、上塗り塗装
に先立ち、あらかじめ導電性プライマーを塗布しておく
のが一般的である。
【0003】従来プラスチック中に予め導電性のフィラ
ーを練り込んだ後に成形することによって、成型品に導
電性を持たせる方法(特開昭59−19150号公報)
が提案されているが、静電塗装に必要な導電性を付与す
るには、導電性のフィラーを多量に練り込む必要があ
り、良好な塗装外観を得ることは困難であり、また、リ
サイクルによる再使用が困難という問題もある。
【0004】また、上塗り塗料との密着性向上、静電塗
装時の良好な付き回り性を得るために導電性プライマー
と呼ばれる下塗り塗料を前処理として塗装する方法(特
開昭57−180638号公報)が提案されている。こ
の導電性プライマーには非導電体の表面を導電化するた
めに、塗料中に導電性のフィラー、導電性添加剤を一般
的に添加している。
【0005】導電性フィラーとして、導電性カーボン、
銀、ニッケル、アルミニウム等を用いるプラスチック用
導電性プライマー組成物(特開昭58−76266号公
報、特開昭61−218639号公報、特開平2−12
0373号公報、特開平2−194071号公報)も提
案されているが、該組成物は分散系のため、貯蔵中に導
電性フィラーと樹脂成分とが分離、凝集するおそれがあ
り保存安定性が悪い。
【0006】また、これらの導電性プライマーは一般的
に高価格であり、さらに静電塗装に必要な導電性を得る
ためには膜厚を厚くする必要もありコスト面で工業的に
不適である。
【0007】導電性添加剤として安価な界面活性剤を用
いる方法(特開平3−4970号公報)も考えられる
が、界面活性剤を使用する場合、塗装環境によって導電
性が変化し、特に湿度の低い環境下では導電性が低下
し、静電塗装が不安定になるおそれがある。
【0008】そこで、有機溶剤可溶な導電性高分子と非
導電性顔料からなる溶液に導電性フィラーを分散させた
導電性塗料組成物(特開平2−194071号公報)も
提案されている。この方法は、導電性ポリマーは溶解し
ているが、メインのフィラーは分散しているため、長期
保存によって顔料と導電性フィラーが分離、凝集し導電
性が低下する可能性がある。
【0009】また、現在使用されている導電性プライマ
ーの多くは有機溶剤系であり、環境、健康の両面から、
水系への代替方法が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
って、水及び有機溶媒に可溶でしかも簡便な方法で塗
布、被覆可能で、しかも、長期保存に置いても分離、凝
集しない静電塗装用導電性プライマー組成物を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、特定のアニリン
系導電性ポリマーが導電性プライマーとして優れた性能
を示すことを見出し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明の一つは、スルホン酸基
および/またはカルボン酸基を有する酸性基置換の可溶
性アニリン系導電性ポリマー(a)あるいは該可溶性ア
ニリン系導電性ポリマー(a)とバインダーポリマー
(b)とを主成分とすることを特徴とするプラスチック
の静電塗装用導電性プライマー組成物に関する。
【0013】本発明の他の一つは、プラスチックの少な
くとも一つの面上に、スルホン酸基および/またはカル
ボン酸基を有する酸性基置換の可溶性アニリン系導電性
ポリマー(a)あるいは該可溶性アニリン系導電性ポリ
マー(a)とバインダーポリマー(b)とを主成分とす
るプラスチックの静電塗装用導電性プライマー組成物を
塗布し、被膜を形成させた後に塗料を静電塗装すること
を特徴とするプラスチックの静電塗装方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳しく説明
する。本発明における前記可溶性導電ポリマー(a)と
しては、下記の一般式(1)で示される可溶性導電ポリ
マーが好ましく用いられる。
【化3】 (式中、R1 〜R18は、それぞれ単独に、水素、炭素数
1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜2
4の直鎖または分岐のアルコシキ基、酸性基、水酸基、
アミノ基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群から選
ばれ基を示す。酸性基の導入割合は、芳香環に対して2
0%以上含有している。また、ここで酸性基とはスルホ
ン酸基、炭素数1〜4のアルキルスルホン酸基またはカ
ルボン酸基、炭素数1〜4のアルキルカルボン酸基、そ
のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム
塩から選ばれた一つの基を示す。xは、0〜1の任意の
数を表し、nは重合度を示す1〜5000の数であ
る。)
【0015】また、前記可溶性導電ポリマー(a)が、
水に対する溶解性の高い方が好ましいという観点から
は、下記の一般式(2)で示される可溶性導電ポリマー
が好ましく用いられる。
【化4】 (式中、A1 〜A4 は、スルホン酸基、カルボン酸基、
そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモ
ニウム塩から選ばれた一つの基であり、B1 〜B4 は、
水素、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭
素数1〜4の直鎖または分岐のアルコシキ基、酸性基、
水酸基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群から選ば
れた一つの基を示す。xは、0〜1の任意の数を表し、
nは重合度を示す1〜5000の数である。)
【0016】上記の一般式(1)、一般式(2)におい
て、芳香環に対する酸性基の含有量は20%以上が好ま
しく、30〜100%がより好ましく、50〜100%
が更に好ましく、70〜100%が特に好ましい。
【0017】また、置換基としては、溶解性及び導電性
の面からアルキル基、アルコシキ基、ハロゲン基などの
電子供与基を有する可溶性導電ポリマーが好ましく用い
られる。
【0018】重量平均分子量は、GPCのポリエチレン
オキサイド換算で、1000以上のものが静電塗装特
性、成膜性、耐久性および膜強度の面で優れており好ま
しく用いられ、重量平均分子量2000以上100万以
下のものがより好ましく、3000以上50万以下のも
のが更に好ましい。ここで、重量平均分子量が1000
以下のものは、溶解性は優れているが、導電性が不十分
である。
【0019】これら可溶性導電ポリマーは、例えばアニ
リン類を重合した後硫酸および発煙硫酸でスルホン化す
る方法(J.Am.Chem.Soc.,(1991)
113,2665、特開平05−178989号公
報)、アニリンスルホン酸類を直接化学酸化重合または
電解酸化重合する方法(特開平06−293838号公
報、特開平07−196791号公報、特開平07−3
24132号公報)など、公知の方法により製造するこ
とができる。
【0020】本発明に用いられるバインダーポリマー
(b)としては、前記の可溶性導電ポリマー(a)と混
合して膜が形成可能であれば特に限定されないが、以下
に説明するポリマーが好ましく用いられる。バインダー
ポリマーは、水溶性、エマルション、有機溶剤可溶性ポ
リマーなどに分類できる。
【0021】水溶性ポリマーとしては、『12996の
化学品、化学工業日報刊』p1188−90に挙げられ
ている水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶
性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性アクリル樹
脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマールなどが好
ましく用いられる。
【0022】エマルションポリマーとしては、『129
96の化学品、化学工業日報刊』p1187−88に挙
げられている酢酸ビニル系エマルション、アクリル系エ
マルション、ポリエステル系エマルション、スチレン−
ブタジエン系エマルションなどが好ましく用いられる。
また、これらエマルションポリマー鎖中に、カルボン酸
基やスルホン酸基等の酸性基が導入されたポリマーを用
いると、エマルションの安定性、基材への接着性が向上
するためより好ましい。
【0023】有機溶剤可溶性ポリマーとしては、『12
996の化学品、化学工業日報刊』p1177−87に
挙げられているフェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノ
アルキド樹脂、ビニル樹脂、塩化ゴム樹脂、エポキシ樹
脂、アルキル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
イミド、などが好ましく用いられる。
【0024】これらバインダーの中では水溶性ポリマ
ー、エマルションポリマーが好ましく、エマルションポ
リマーが特に好ましい。具体的には、酢酸ビニル系エマ
ルション、アクリル系エマルション、ポリエステル系エ
マルション等が好ましく用いられる。また、プラスチッ
ク表面に塗布後不溶化した方が、より耐久性が向上する
ため、熱硬化型、UV/EB硬化型樹脂がより好ましく
用いられる。
【0025】本発明の静電塗装用導電性プライマー組成
物は、通常水および/または有機溶剤に溶解もしくは分
散して用いられる。溶剤(c)としては、可溶性導電ポ
リマーおよびバインダーポリマーを溶解もしくは分散可
能なものであれば特に限定されないが、水、メタノー
ル、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリ
コール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレン
グリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチル
エーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチ
レングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール
ジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレン
グリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエチレ
ングリコール類、プロピレングリコール、プロピレング
リコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチル
エーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロ
ピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコ
ールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチル
エーテルなどのプロピレングリコール、乳酸メチル、乳
酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル類、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロ
リドンなどの極性溶剤、ベンゼン、トルエン、エチルベ
ンゼン、プロピルベンゼン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、テトラリン、デカリン等の芳香族炭
化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸アミル、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、3−メトキシイソ酪酸メチ
ル、3−メトキシイソ酪酸エチル等のエステル系溶剤等
が好ましく用いられる。またこれら溶媒は混合してを用
いても良い。この中でも特に環境などの観点から、水お
よび水を主成分とする混合溶媒が好ましく用いられる。
【0026】溶剤(c)を含む静電塗装用導電性プライ
マー組成物における各成分の組成比は、溶剤(c)10
0重量部に対して、可溶性導電ポリマー(a)が0.0
1〜500重量部、好ましくは0.05〜200重量
部、更に好ましくは0.1〜100重量部、バインダー
ポリマー(b)が0.01〜1000重量部、好ましく
は0.05〜500重量部、更に好ましくは0.1〜2
00重量部の範囲で用いるのがよい。
【0027】本発明の静電塗装用導電性プライマー組成
物には、分散性や塗布性を向上させるため、様々な添加
剤を添加することができる。添加剤としては、界面活性
剤、ブロッキング防止剤等が挙げられる。界面活性剤と
しては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系界面活性
剤が用いられる。また、本発明に用いられる静電塗装用
導電性プライマー組成物塗布後の耐水性および耐溶剤性
を向上させるため架橋剤を添加することが好ましい。架
橋剤としては、可溶性導電ポリマーとエステル結合する
置換基を持っているものであれば限定されないが、ポリ
ビニルアルコール、シクロヘキサントリオール等のポリ
オール類、水溶性エポキシ樹脂等が特に好ましい。
【0028】本発明の静電塗装用導電性プライマー組成
物は、基板表面に塗布した熱乾燥することによって形成
される。塗布方法としては、エアスプレーコート法、エ
アレススプレーコート法、ディップコート法、ロールコ
ート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロール
コート法、エアナイフコート法、カーテンコート法等の
簡便な手法で導電体を形成することができる。基板とし
ては、プラスチックであれば特に限定されないが、『1
2996の化学品、化学工業日報刊』p847−927
に挙げられているABS、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン等の単独もしくは混合物、ま
たは変性樹脂の成型物がありさらにはこれらの樹脂を強
化したもの等が挙げられる。
【0029】また、本発明の静電塗装用導電性プライマ
ー組成物には、導電性、塗装効率を更に向上させるため
に、導電性物質を添加することができる。導電性物質と
しては、導電性カーボンブラック、黒鉛等の炭素系物
質、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、銀、ニッケル、
銅等の金属が挙げられる。
【0030】本発明における導電性プライマー組成物を
塗布する前に基板であるプラスチックを表面所利するこ
とで、基板とプライマーとの接着性が更に向上する。表
面処理法としては特に制約される物ではないが、プラズ
マ処理、コロナ処理、UV/EB処理などがあげられ
る。
【0031】塗布膜厚は、0.1〜50μmの範囲が好
ましく、乾燥温度は、通常50℃以上、好ましくは50
〜500℃、より好ましくは60〜300℃である。
【0032】次に、本発明における静電塗装条件として
は、特に制約される物ではないが、印加電圧は、−40
kv〜−100kvまたは+40〜+100kvの範囲
が好ましく、極間距離は50〜300mm、吹き出し量
は50〜300g/分の範囲が好ましい。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0034】[測定法]IRスペクトルはパーキンエル
マー製(モデル1600)の装置を用いて測定した。分
子量分布及び分子量の測定には、水溶媒用のGPCカラ
ムを用いて、GPC測定(ポリエチレンオキシド換算)
を行った。カラムは、水用のものを3種類連結して用い
た。また、溶離液には0.2mol/lのリン酸バッフ
ァ溶液を用いた。導電性ポリマーの、導電率の測定には
4端子法、表面抵抗の測定には2端子法を用いた。
【0035】導電性ポリマー1 2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmol
を25℃で4mol/lのアンモニア水溶液に溶解し、
ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液
を滴下した。滴下終了後25℃で12時間撹拌したの
ち、反応生成物をろ別洗浄後乾燥し、導電ポリマー粉末
15gを得た。得られた導電ポリマーの導電率は0.1
S/cmであった。分子量測定の結果、数平均分子量
(Mn)15,000、重量平均分子量(Mw)19,
000、Z平均分子量21,000、分散度Mw/Mn
=1.5、Mz/Mw=1.3であった。
【0036】導電性ポリマー2 J.Am.Chem.Soc.,(1991)112,
2800記載方法に基づき、0.5gのポリアニリン
(エメラルディン)を40mlの発煙硫酸中で2時間撹
拌し、この溶液を200mlのメタノールに滴下し、1
00mlのアセトンを加え生成物を沈殿させた後、分
離、乾燥し0.3gのスルホン化ポリアニリンを得た。
このものの導電率は0.01S/cmであった。
【0037】導電性ポリマー3 0.05molのピリジン溶液150mlに2−アミノ
アニソール−4−スルホン酸 4.06g(0.02m
ol)を溶解し、この溶液に作用極として白金、陰極と
してグラッシーカーボンを浸漬し、撹拌しながら室温に
て1.5Vの定電圧を印加して1時間電解重合を行っ
た。電解重合開始直後より重合極表面で重合反応が生
じ、5分後には無色透明の反応溶液は茶褐色へと変化し
た。重合反応終了後に重合極上へのポリマーの析出等は
なく重合液は均一であった。また、重合極からのプラス
チック成分の溶出や、オリゴマー等はほとんど検出され
なかった。得られた重合液をスピンコート法によりガラ
ス基板上に塗布し100℃で乾燥させた。これにより膜
厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値2×105 Ω/
□のフィルムが得られた。
【0038】実施例1〜7および比較例1〜2 上記の導電性ポリマー1〜3のそれぞれを用いて、可溶
性導電ポリマー5.0重量部、バインダーポリマー30
重量部を水100重量部に室温で、撹拌し静電塗装用導
電性プライマー組成物を調製した。得られた静電塗装用
導電性プライマー組成物をポリプロピレン板(50mm
×100mm×1mm)にディップコート法により塗布
し、100℃で乾燥させ、1.0μmの硬化被膜を形成
した。比較例1としてアルキッド樹脂に導電性カーボン
を分散させた導電性プライマー(15μm)を塗布した
ものを同様な条件で作成した。比較例2にはアルキッド
樹脂に導電層を塗布しない場合を示した。これら試験板
に、有機溶剤系ソリッドカラー上塗塗料をベル型静電塗
装機(電圧−90KV)で静電塗装し120℃で20分
間乾燥させた。このようにして形成した複層塗膜の性能
を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0039】 アクリル系:ニカゾールRX−301C(日本カーバイド製) ポリエステル系:バイロナールMD−1400(東洋紡績製)
【0040】
【効果】本発明の静電塗装用導電性プライマー組成物
は、非常に優れた静電塗装効果を示し、かつプラスチッ
ク表面に簡単に被膜を形成することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸基および/またはカルボン酸
    基を有する酸性基置換の可溶性アニリン系導電性ポリマ
    ー(a)あるいは該可溶性アニリン系導電性ポリマー
    (a)とバインダーポリマー(b)とを主成分とするこ
    とを特徴とするプラスチックの静電塗装用導電性プライ
    マー組成物。
  2. 【請求項2】 可溶性アニリン系導電性ポリマー(a)
    が、下式(1)で示される構造式を有する可溶性導電ポ
    リマーである請求項1記載のプラスチックの静電塗装用
    導電性プライマー組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R18は、それぞれ単独に、水素、炭素数
    1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜2
    4の直鎖または分岐のアルコシキ基、酸性基、水酸基、
    アミノ基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群から選
    ばれ基を示す。酸性基の導入割合は、芳香環に対して2
    0%以上含有している。また、ここで酸性基とはスルホ
    ン酸基、炭素数1〜4のアルキルスルホン酸基またはカ
    ルボン酸基、炭素数1〜4のアルキルカルボン酸基、そ
    のアルカリ塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩か
    ら選ばれた一つの基を示す。xは、0〜1の任意の数を
    表し、nは重合度を示す1〜5000の数である。)
  3. 【請求項3】 可溶性アニリン系導電性ポリマー(a)
    が、下式(2)で示される構造式を有する可溶性導電ポ
    リマーである請求項1記載のプラスチックの静電塗装用
    導電性プライマー組成物。 【化2】 (式中、A1 〜A4 は、スルホン酸基、カルボン酸基、
    そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモ
    ニウム塩から選ばれた一つの基であり、B1 〜B4 は、
    水素、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭
    素数1〜4の直鎖または分岐のアルコシキ基、酸性基、
    水酸基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群から選ば
    れた一つの基を示す。xは、0〜1の任意の数を表し、
    nは重合度を示す1〜5000の数である。)
  4. 【請求項4】 可溶性アニリン系導電性ポリマー(a)
    における酸性基の導入割合が、30〜100%である請
    求項1、2または3記載のプラスチックの静電塗装用導
    電性プライマー組成物。
  5. 【請求項5】 可溶性アニリン系導電性ポリマー(a)
    の重量平均分子量が、1000〜100万である請求項
    1、2、3または4記載のことを特徴とするプラスチッ
    クの静電塗装用導電性プライマー組成物。
  6. 【請求項6】 バインダーポリマー(b)が、水溶性ポ
    リマーおよび/またはエマルションポリマーである請求
    項1記載のプラスチックの静電塗装用導電性プライマー
    組成物。
  7. 【請求項7】 バインダーポリマー(b)が、ポリオー
    ル化合物を含むものである請求項1記載のプラスチック
    の静電塗装用導電性プライマー組成物。
  8. 【請求項8】 プラスチックの少なくとも一つの面上
    に、スルホン酸基および/またはカルボン酸基を有する
    酸性基置換の可溶性アニリン系導電性ポリマー(a)あ
    るいは該可溶性アニリン系導電性ポリマー(a)とバイ
    ンダーポリマー(b)とを主成分とするプラスチックの
    静電塗装用導電性プライマー組成物を塗布し、被膜を形
    成させた後に塗料を静電塗装することを特徴とするプラ
    スチックの静電塗装方法。
  9. 【請求項9】 被膜の形成が、静電塗装用導電性プライ
    マー組成物をプラスチックの少なくとも一つの面上に塗
    布後に加熱および/またはUV・EB照射することによ
    るものである請求項8記載のプラスチックの静電塗装方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010109813A (ko) * 2000-06-02 2001-12-12 오권오 가용성 폴리아닐린 염을 이용한 전자기파 흡수체용 도료제조방법
JP2003201439A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Kansai Paint Co Ltd ポリオレフィン用導電性水性塗料
US7654555B2 (en) * 2001-12-12 2010-02-02 Takata-Petri Ag Module for an occupant-protection device of a motor vehicle

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