JPH10147669A - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

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JPH10147669A
JPH10147669A JP8306182A JP30618296A JPH10147669A JP H10147669 A JPH10147669 A JP H10147669A JP 8306182 A JP8306182 A JP 8306182A JP 30618296 A JP30618296 A JP 30618296A JP H10147669 A JPH10147669 A JP H10147669A
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polyolefin resin
compound
group
formula
resin composition
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JP8306182A
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Takeshi Takahara
健 高原
Mamoru Sekiguchi
守 関口
Akira Watanabe
晃 渡邉
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子線硬化型接着剤を介してラミネートされる
フィルム原料として用いられるポリオレフィン樹脂組成
物において、接着剤硬化のための電子線照射によるポリ
オレフィン樹脂フィルムの劣化を防止し、特に分解臭の
発生を抑えて食品包装分野などへの使用に有効なポリオ
レフィン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン樹脂100重量部に式
(1)で表されるヒンダード型アミン系化合物0.05
〜1.0重量部及び式(2)で表されるヒンダード型フ
ェノール系化合物0.01〜0.2重量部を添加してな
る。式中R1は水素原子、アルキル基又はアルコキシ
基、R2はアルキル基又はアルキル基、R3はメチル
基、第3級ブチル基、ジメチルプロピル基、R4は水素
原子、アルキル基又はアルキル酸エステル、lは1〜1
0の整数、nは1500〜2000以上。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線硬化型接着
剤を介してラミネートされるフィルムの原料として用い
られるポリオレフィン樹脂組成物に関するものであり、
ラミネートの際に接着剤を硬化させるべく照射される電
子線によってフィルムが劣化するのを防止し、特に分解
臭の発生を抑制することにより、食品包装分野などへの
使用に好適なポリオレフィン樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているウレタン系、ア
クリル系、ポリエステル系、エポキシ系などの接着剤
は、硬化までに要する時間が長いため、通常35〜60
℃の恒温室内で1〜7日間の養生(エージング)を行な
って、接着剤の硬化を促進する場合が多く、養生後でな
いと次工程に着手できないといった、生産効率上の問題
を抱えていた。電子線硬化型接着剤は、組成中に電子線
反応性の官能基を有し、電子線のエネルギーによって瞬
時に硬化する特性を有したものであり、近年、養生工程
の省略による生産性の向上を図るべく、前記電子線硬化
型接着剤を利用した、プラスチックフィルム、金属箔、
紙などをラミネートする方法が包装分野、建装材分野な
どで試みられている。
【0003】また、ポリオレフィン樹脂は安価で、防湿
性、ヒートシール性などに優れているため、食品包装分
野などを中心に包装体の内面に積層されて多く用いられ
ている。
【0004】しかしながら、電子線硬化型接着剤を用い
たラミネート方法は、接着剤を硬化させるために照射さ
れる電子線のエネルギーが高いために、前記ポリオレフ
ィン樹脂などのプラスチックフィルムに著しく影響を与
え、樹脂の分解・劣化による機械的強度の低下や分解臭
の発生、およびフィルムの着色などの問題があった。
【0005】これまで、電子線照射による樹脂の分解・
劣化を解決するために、各種の提案がなされており、例
えば特開平6−106626号公報によれば、電子線硬
化型接着剤によりラミネートされた積層体を、不活性ガ
ス雰囲気下で巻き取りロールに巻き取る方法が例示され
ている。しかし、この方法はラミネートされた積層体に
電子線を照射してから巻き取りロールに巻き取るまでを
不活性ガス雰囲気下に置かなければならず、大がかりな
設備が必要とされた。
【0006】一方、特開昭55−19199号公報、特
開昭58−49737号公報、特開昭58−10341
号公報などに示されるように、ポリオレフィン樹脂に特
定のヒンダード型アミン系化合物およびフェノール系化
合物などを添加して、放射線照射による樹脂の分解・劣
化を防ぐ方法が開示されている。また特開平6−106
626号公報においてもラミネートされるフィルムに各
種安定剤を添加する方法が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者は、主に
医療分野などに用いられる器具や容器類への放射線(γ
線)殺菌を目的として、処方検討されたものであるた
め、伸びや衝撃強度などの機械的特性や着色の問題は改
良されているものの、臭気の改良については未検討であ
った。そのため、特に内容物への異臭成分の吸着を嫌う
食品包装用途へ使用するには満足できる性能が得られて
いないのが現状であった。また、後者についても、不活
性ガス雰囲気下では改良効果はみられるものの、そのよ
うな設備を使用しなかった場合には効果は不充分とな
り、性能的に満足できるものとは言えなかった。
【0008】本発明は以上のような問題点を解決しよう
とするものであり、電子線硬化ラミネート用フィルムの
原料として用いられるポリオレフィン樹脂組成物におい
て、電子線の照射によるポリオレフィン樹脂組成物によ
るフィルムの劣化を防止し、特に分解臭の発生を抑え
て、食品包装分野などへの使用に有効なポリオレフィン
樹脂組成物を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題に
ついて鋭意検討を行った結果、ポリオレフィン樹脂に特
定のヒンダード型アミン化合物とヒンダード型フェノー
ル系化合物とを配合した組成物により、前述の目的を達
成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、ポリオレフィン樹脂10
0重量部に式(1)で表されるヒンダード型アミン系化
合物0.05〜1.0重量部及び式(2)で表されるヒ
ンダード型フェノール系化合物0.01〜0.2重量部
を添加してなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組
成物である。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】なお式中、R1は、水素原子、アルキル基
又はアルコキシ基、R2は、アルキル基又は任意に窒素
原子や酸素原子などの他の異原子によって置換したアル
キル基、R3は、メチル基、第3級ブチル基、ジメチル
プロピル基又はα−メチルシクロヘキシル基、R4は、
水素原子、アルキル基又はアルキル酸エステル、lは1
〜10の整数を表す。
【0014】また本発明は、上記発明のポリオレフィン
樹脂組成物において、特に分解臭の発生に対して抑制効
果に優れているものとして、式(1)で表されるヒンダ
ード型アミン系化合物が、R1が水素原子、R2が1、
1、3、3−テトラメチルブチル基、l=6である化合
物であり、式(2)で表されるヒンダード型フェーノー
ル系化合物が、R3が第3級ブチル基、R4がメチル基
である化合物であるポリオレフィン樹脂組成物である。
【0015】また本発明は、上記発明のポリオレフィン
樹脂組成物において、式(2)で表されるヒンダード型
フェノール系化合物に対して、リン系化合物を1:2〜
1:8の重量比で添加したポリオレフィン樹脂組成物で
ある。
【0016】また本発明は、上記発明のポリオレフィン
樹脂組成物において、前記ポリオレフィン樹脂が、ポリ
プロピレン系樹脂であるポリオレフィン樹脂組成物であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリオレフィン樹
脂組成物を、実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0018】本発明において用いることができるポリオ
レフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1
−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセ
ン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−ペンタデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタ
デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、4,4−ジメチル−1ペンテン等のα−オレフ
ィンの単独重合体又は共重合体、あるいは、これらα−
オレフィンを主成分とする他の単量体とのランダム、ブ
ロック又はグラフト共重合体、さらにはこれらの重合体
の塩素化、スルホン化、酸化などの変成処理されたも
の、さらにまたこれら重合体の混合物などがあげられ
る。
【0019】前記重合体の中で特に著しい効果を示すも
のとしては、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン
−エチレンランダム又はブロック共重合体、エチレン−
プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、プロピ
レン−ヘキセン共重合体、プロピレン−ヘキセン−ブテ
ン共重合体などのプロピレン系重合体が挙げられる。
【0020】本発明で用いるヒンダード型アミン系化合
物としては、前記式(1)で表される構造を有するもの
である。例えばポリ−〔{6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル}{4−(2,2,6,6−テトラメチ
ルピベリジル)イミノ}−ヘキサメチレン{4−(2,
2,6,6−テトラメチルピベリジル)イミノ}〕、ポ
リ−〔{6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル}{4−(2,2,6,6−テトラメチ
ルピベリジル)イミノ}−ヘキサメチレン{4−(2,
2,6,6−テトラメチルピベリジル)イミノ}〕など
が挙げられる。また、上記ヒンダード型アミン系化合物
の添加量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し
て、0.05〜1.0重量部、好ましくは0.1〜0.
5重量部である。その添加量が0.05重量部未満であ
ると、電子線照射後のフィルムから発生する臭気の改善
が不十分であり、また1.0重量部以上添加してもそれ
以上効果の向上は期待できず経済的でない。さらにま
た、式(1)で表されるヒンダード型アミン系化合物の
分子量(n;分子数)は、1500以上、好ましくは2
000以上であることが望ましい。分子量が1500未
満であると、フィルムを製膜した後にフィルム表面にブ
リードアウトして、フィルムの外観不良や、ラミネート
を行った際に接着性の低下が発生したり、あるいはフィ
ルムからの輝散によって充分な効果を示すだけの添加量
が保持されないなどの恐れがあるためである。
【0021】他方、本発明に用いるヒンダード型フェノ
ール系化合物としては、式(2)で表される構造を有す
るものである。例えば2,2’−メチレン−ビス−(4
−メチル−6−第3ブチルフェノール)、2,2’−メ
チレン−ビス−(4−エチル−6−第3ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−〔4−メチル−6−
(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール)などが挙
げられる。
【0022】また、上記のヒンダード型フェノール系化
合物の添加量としては、ポリオレフィン樹脂100重量
部に対して、0.01〜0.2重量部、好ましくは0.
01〜0.1重量部である。添加量が0.01重量部未
満であると、電子線照射後のフィルムから発生する臭気
の改善(臭気発生量の抑制)が不充分であり、また0.
2重量部以上添加しても、それ以上効果の向上は期待で
きず、経済的でないばかりでなく、さらに電子線照射後
の着色性の点で問題がみられる場合がある。
【0023】特に、電子線照射後の臭気の発生が小さい
本発明のポリオレフィン樹脂組成物を構成するためのヒ
ンダード型アミン系化合物とヒンダード型フェノール系
化合物の組み合わせとしては、式(1)で表されるヒン
ダード型アミン化合物が、R1が水素原子、R2が1、
1、3、3−テトラメチルブチル基、lがl=6である
化合物であり、さらに前記式(2)で表されるヒンダー
ド型フェーノール系化合物が、R3が第3級ブチル基、
R4がメチル基である化合物との組み合わせである。
【0024】本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、
上記以外にもさらに加工性、着色性改善のためにリン系
化合物を添加しても良い。リン系化合物としては、ジス
テアリル−ペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビ
ス−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトール−ジホスファイト、トリス−(2,4−
ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス−(2
−第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−
(1,1−ジメチルプロピル)フェニル〕ホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−第三ブチル−5−メチルフェ
ニル)ホスファイト、トリス−フェニルホスファイト、
トリス−ノニルホスファイト、トリス(モノ−ノニルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(モノ−ジノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、ビス(2,6
−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリス
リトール−ジホスファイト、サイクリック−ネオペンタ
ン−テトライル−ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニ
ル−ホスファイト)、サイクリック−ネオペンタン−テ
トライル−ビス(オクタデシル−ホスファイト)、サイ
クリック−ネオペンタン−テトライル−ビス(2,6−
ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル−ホスファイト)
2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフ
ェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。上記
リン系化合物の添加量としては、例えば、前記ヒンダー
ド型フェノール系化合物100重量部に対して、リン系
化合物を1:2〜1:8の重量比で添加すればよい。ヒ
ンダード型フェノール系化合物とリン系化合物の重量比
が1:2より小さいと、フィルムの着色の問題が発生し
たり、安定した加工性が得られなくなる恐れがある。ま
た、重量比が1:8より大きくしても効果の向上がみら
れないため経済的ではない。
【0025】さらに、本発明のポリオレフィン樹脂組成
物には、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない程度
に、他の付加的成分を添加しても良い。付加的成分とし
ては例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系
化合物などの紫外線吸収剤やカルシウムステアレートな
どの中和剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤、アンチブ
ロッキング剤、滑剤、無機充填剤、造核剤、防曇剤、顔
料、発泡剤などである。
【0026】本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造
方法は、一般的にパウダー状あるいはペレット状のポリ
オレフィン樹脂に、上記ヒンダード型アミン系化合物、
ヒンダード型フェノール系化合物、リン系化合物、その
他の付加的成分などを添加して、ミキサー等でブレンド
された後、押出機、練りロール機、ブラベンダープラス
トグラフなどの混練機により溶融混練して得られる。こ
のようにして溶融混練されたポリオレフィン樹脂組成物
をペレット化し、このペレットを押出成形機によりフィ
ルム化することでラミネートに供される。あるいは、各
成分をポリオレフィン樹脂に添加、ブレンドした後、直
接フィルム成形を行なってもよい。
【0027】<作用>本発明における特定のヒンダード
型アミン系化合物及びヒンダード型フェノール系化合物
を配合したポリオレフィン樹脂組成物は、電子線照射後
の分解、劣化が小さく、特に分解臭の発生を大幅に抑制
することが可能であるため、食品包装分野などへの使用
に極めて有用である。また、所定の配合比率によりリン
系化合物を添加することで、加工安定性に富み、さらに
は電子線照射後のフィルムの着色を抑えることが可能と
なる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳しく説
明する。
【0029】<実施例>パウダー状のプロピレン−エチ
レンランダム共重合体(エチレン含有量3.0重量%、
MFR=6.0g/10分)100重量部に、表1(実
施例1〜4)に示すような添加量にて、下記に示すヒン
ダード型アミン系化合物、ヒンダード型フェノール系化
合物、リン系化合物を添加し、さらに中和剤としてカル
シウムステアレート0.05重量部、滑剤0.05重量
部を添加した後、ミキサーを用いてドライブレンドを行
った。次いで、30mmφ押出成形機により、240℃
で溶融押出し成形を行い、厚さ30ミクロンのフィルム
を製膜した。次に、このフィルムを窒素雰囲気下で、加
速電圧200kVで吸収線量30kGyの条件にて電子
線照射を行ない、電子線照射後のフィルムから発生する
分解臭および着色性について評価を行なった。その結果
を表1に示した。(実施例1〜4)
【0030】<評価方法> (1)分解臭の測定 電子線を照射したフィルムを、面積5000cm2 (巾
10cm×長さ500cm)となるようにカットして、
捕臭体である活性炭とともに捕臭瓶に詰め、80℃オー
ブンにて1日間保存した。その後、活性炭を取り出し、
吸着物質を二硫化炭素にて抽出し、ガスクロマトグラフ
ィー分析により吸着物質の同定および定量を行なった。
ガスクロマトグラフィー分析により同定された吸着物質
の中から、分解臭の指標として、カルボン酸(酢酸、プ
ロピオン酸、n−酪酸、n−吉草酸など)を設定し、そ
の定量値により評価を行なった。表1には、上記カルボ
ン酸の中で、酢酸の定量値を単位平方メ−トル当たりに
換算して示した。すなわち、この値がより小さいほど分
解臭の発生が少ないことを意味する。
【0031】(2)着色性 目視による判定を行なった。 ○:良好(無着色か極わずかに黄変)、×:不良(黄
変)
【0032】<比較例>表1に示すように、本発明に用
いるヒンダード型アミン系化合物、ヒンダード型フェノ
ール系化合物の組み合わせでないもの(比較例1〜
3)、及びヒンダード型フェノール系化合物とリン系化
合物の配合比率を適性範囲外にしたもの(比較例4)に
ついて、実施例と同様にフィルムを製膜して、電子線照
射後のフィルムから発生する分解臭および着色性につい
て評価を行ない、その結果を表1に併記した。
【0033】ヒンダード型アミン系化合物 ・CHIMASSORB 944LD (チバガイギー
社製):前記式(1)で、R1が水素原子、R2が1、
1、3、3−テトラメチルブチル基、l=6の化合物 ・CYASORB UV3346 (ACC社製):前
記式(1)で、R1が水素原子、R2がモルホリノ基、
lが6の化合物 ・TINUVIN 622LD (チバガイギー社
製):コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6テトラメチルピ
ベリジン重縮合物
【0034】ヒンダード型フェノール系化合物 ・ヨシノックス 2246G (吉富製薬社製):前記
式(2)で、R3が第三ブチル基、R4がメチル基の化
合物 ・ヨシノックス 425 (吉富製薬社製):前記式
(2)でR3が第三ブチル基、R4がエチル基の化合物 ・IRGANOX 1010 (チバガイギー社製)ペ
ンタエリスリチル−テトラキス−〔3−(3,5−ジ−
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト〕
【0035】リン系化合物 ・IRGAFOS 168(チバガイギー社製):トリ
ス−(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト
【0036】
【表1】
【0037】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜4のポリオレフィン樹脂組成物は、比較例1〜3
と比べて、電子線照射後のカルボン酸の発生量が極めて
少なくなっており、すなわち、電子線照射によるフィル
ムの分解臭が大幅に抑えられていることがわかる。ま
た、実施例1〜4は、比較例4でみられたような電子線
照射後のフィルムの着色性もみられず、バランスの良い
性能を有していた。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
樹脂組成物によれば、電子線照射による樹脂の分解・劣
化が低く抑えられるので、電子線照射後の分解臭の発生
を小さくすることが可能である。したがって、電子線硬
化型接着剤を介してラミネートされるフィルムを、この
組成物を用いて作製することで、特に、異臭の発生が問
題視される食品包装用途への使用を可能とすることがで
きる。
【0039】さらに、ヒンダード型フェノール系化合物
に対して特定の配合比率にて、リン系化合物を添加する
ことによって、特に、電子線照射後のフィルムの着色を
防止することが可能となり、性能的に非常にバランスの
とれた樹脂組成物を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂100重量部に、式
    (1)で表されるヒンダード型アミン系化合物0.05
    〜1.0重量部及び式(2)で表されるヒンダード型フ
    ェノール系化合物0.01〜0.2重量部を添加してな
    ることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (式中、R1は水素原子、アルキル基又はアルコキシ
    基、R2はアルキル基又は任意に窒素原子や酸素原子な
    どの他の異原子によって置換したアルキル基、R3はメ
    チル基、第3級ブチル基、ジメチルプロピル基又はα−
    メチルシクロヘキシル基、R4は水素原子、アルキル基
    又はアルキル酸エステル、lは1〜10の整数を表
    す。)
  2. 【請求項2】式(1)で表されるヒンダード型アミン系
    化合物が、R1が水素原子、R2が1、1、3、3−テ
    トラメチルブチル基、l=6である化合物であり、式
    (2)で表されるヒンダード型フェーノール系化合物
    が、R3が第3級ブチル基、R4がメチル基である化合
    物である請求項1記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】式(2)で表されるヒンダード型フェノー
    ル系化合物に対して、リン系化合物を1:2〜1:8の
    重量比で添加した請求項1又は請求項2記載のポリオレ
    フィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレ
    ン系樹脂である請求項1乃至請求項3記載のポリオレフ
    ィン樹脂組成物。
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