JPH04142354A

JPH04142354A - 耐放射線性ポリオレフィンン包装材

Info

Publication number: JPH04142354A
Application number: JP26503490A
Authority: JP
Inventors: Hajime Momose; 百瀬　元; Toru Matsumura; 徹松村
Original assignee: Tonen Sekiyu Kagaku KK; Tonen Chemical Corp
Current assignee: Tonen Chemical Corp
Priority date: 1990-10-04
Filing date: 1990-10-04
Publication date: 1992-05-15

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野コ本発明は、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合
体、線状低密度ポリエチレン及び工・チレンーブテン共
重合体ゴムとのポリオレフィン樹脂成分に特定の添加剤
を併用配合してなる組成物から成形された耐放射線性ポ
リオレフィン包装材に関する。

［従来の技術］近年、注射器などの医療器具はγ線照射による殺菌が行
われているが、そのγ線は包装したままの医療器具に照
射の効果を及ぼすことができ、またその方法が衛生上か
ら好ましいために、包装体において、γ線照射による殺
菌が行われるようになった。

この医療器具を包装する材料としては、軽量化、密封性
、衛生性等からプラスチック類のフィルムまたはシート
が好ましい。特に、二軸延伸ポリプロピレンフィルム（
以下○ＰＰフィルムという）は、強度、ステイフネス、
耐衝撃性、透明性、防湿性等に優れているために包装材
料として適している。しかし、ｏＰＰフィルムは、通常
殺菌量の目安とされる２５メガラド程度のγ線照射によ
り、著しく分解、劣化が惹起され機械的強度が低下する
ために放射線殺菌用の包装材料とじては適さない。

このようなＯＰＰフィルムの耐放射線性を改善するため
に、例えば’ｔａ）　　ヒンダードアミン系化合物、（
ｂ）有機リン系化合物および／またはｆｃ）　　ヒンダ
ードフェノール系化合物を、それぞれ０．１〜１重量％
含むポリオレフィン層とＯＰＰフィルムとを積層してな
る耐放射線性フィルム（特公平１−４８８７５号公報）
が提案されている。

しかしながら、このような耐放射線性フィルムは、良好
な耐放射線性が得られるが、○ＰＰフィルムの製造、添
加剤配合フィルムの製造及びその積層等の製造工程が多
くなるために、工程管理、作業性、製造コスト等に問題
が残されている。

一方、結晶性プロピレン重合体樹脂１００重量部に、特
定のヒンダードアミン化合物及び亜リンエステル系酸化
防止剤を、それぞれ０．０１〜１重量部を併用配合した
組成物から成形した耐放射線性食品用包装体（特開昭６
１−１１８４４７号公報）が提案されている。しかし、
医療器具の包装材としての透明性かつ低温衝撃性につい
ては必ずしも十分でなく改良の余地が残されている。

［発明が解決しようとする課題］本発明は、上記のような耐放射線性のポリプロピレン系
包装材に関する問題点を解消し、単一の層からなり、透
明性及び耐低温衝撃性等の機械的物性に優れ、かつγ線
照射における劣化の抑止された耐放射線性包装材の提供
を目的とする。

［課題を解決するための手段］本発明は、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合
体、線状低密度ポリエチレン、及びエチレン−ブテン共
重合体ゴムとのポリオレフィン樹脂成分に、特定の添加
剤を配合した組成物から成形された包装材が、上記の目
的を達成することを見出したものである。

すなわち、本発明は、（Ｉ）結晶性プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体６５〜９５重量％と（ＩＩ＋線状線
状低密度ポリエン１２３５〜５重量％らなる樹脂成分１
００重量部に対して、（■）エチレン−ブテン共重合体
ゴム５〜２５重量部を加えてなる樹脂成分１００重量部
に、（ａ）　ヒンダードアミン系化合物０．０１〜１重
量部、（ｂｌ有機リン系化合物００１〜１重量部及び　
ｆｃ）ソルビトール系化合物０．０１〜１重量部とを配
合した組成物から成形してなることを特徴とする耐放射
線性包装材を要旨とする。

本発明を以下詳細に説明する。

本発明における　＋１１結晶性プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体は、エチレンの含有量１〜７重量％のも
のが好ましく、より好ましくは２．５〜５重量％のもの
であり、メルトフローレート（２３０℃、荷重２．１６
ｋｇで測定、以下ＭＦＲという）０．５〜５０ｇ／１０
分のものが好ましく、より好ましくは５〜２５ｇ／１０
分のものである。この共重合体は、Ｍ　Ｆ　Ｒ０，５ｇ
／ｌ　０分未満のものを減成することによりＭＦＲを上
記の範囲に調製したものであってもよい。特に、エチレ
ン含有量が２５〜５０重量％で、減成によりＭＦＲを上
記範囲に調製したものは、耐γ線性及び成形性のうえか
ら好ましい。

本発明における　（ＩＩ）線状低密度ポリエチレンは、
エチレンとαオレフィン、例えば１−ブテン、４−メチ
ルペンテン−１，１−ヘキセン等をコモノマーとする直
鎖状の共重合体である。この線状低密度ポリエチレンは
、エチレン含量が９０モル％以上、密度０．９１０〜０
．９４［１ｇ／ｃｍ”、メルトインデックス（１９０℃
、荷重２．１６ｋｇで測定、以下ＭＩという）０７〜６
０ｇ／１０分を有するものが好ましい。

また、（■）エチレン−ブテン共重合体ゴムは、ブテン
−１の含有量が１０〜４０重量％のエチレン−１ランダ
ム共重合体であり、通常メルトインデックス（ＭＩ、１
９０℃、荷重２．１６ｋｇで測定）が０５〜２０ｇ／１
０分のものを用いることができる。

次に、本発明においてポリオレフィン樹脂成分に添加さ
れる　（ａｔ　ヒンダードアミン系化合物としては、ヒ
ンダードアミン窒素原子及び任意に他の異原子好ましく
は窒素または酸素を含む６員複素環からなるヘテロサイ
クリックヒンダードアミン系化合物があげられる。例え
ば、ジー（２２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジ
ル）セバケート、４−ベンゾイルオキシ−２，２，６６
テトラメチルピベリジン、コハク酸とＮ−（２−ヒドロ
キシエチル）−２，２，６，６テトラメチルー４−ヒド
ロキシピペリジンとの縮合物、１．２，３．４−テトラ
（，２，２，６，６テトラメチルー４−ピペリジル）−
ブタンテトラカルボキシレート、１．４−ジー（２，２
，６，６テトラメチルー４−ピペリジル）−２，３−ブ
タンジオン、トリス−（２，２，６，６テトラメチル＝
４−ピペリジル）トリメリテート、１，２，２゜６．６
−ベンタメチルー４−ピペリジルステアレート、１，２
，２，６，６．−ペンタメチル−４−ピペリジルｎ−オ
クトエート、ビス−（１゜２．２，６，６．−ペンタメ
チル−４−ピペリジル）セパケート、トリス−（２，２
，６，６゜テトラメチル−４−ピペリジル）−二トリル
アセテート、４−ヒドロキシ−２，２，６，６，−テト
ラメチルピペリジン、４−ホドロキシ−１゜２．２，６
．６−ペンタメチルピペリジン、１１’　　−（１，２
−エタンジイル）ビス［３３５，５−テトラメチルピペ
ラジノン等があげられる。そしてこれらのうちでは、ジ
ー（２，２゜６．６．−テトラメチル−４−ピペリジル
）セバケイトまたはコハク酸とＮ−（２−ヒドロキシエ
チル）−２，２，６，６，−テトラメチル−４−ヒドロ
キシピペリジンの縮合物が特に好ましい。

本発明で用いられる有機リン系化合物としては、アルキ
ルホスファイト、アルキルアリルホスファイト、アリル
ホスファイト、及び有機ホスホナイト等を挙げることが
でき、具体的にはジステアリルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス（２，４，６−トリーｔ−ブチルフ
ェニル）ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス
（２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル）ホスファイト、テ
トラキス（２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル）−４，４
′−ビフェニレンホスファイト、サイクリックネオペン
タンテトライルビス（２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル
ホスファイト）、ビス（２，６−ジーｔ−ブチル−４−
メチルフェニル）ペンタエリスリトール−ジホスファイ
ト、テトラキス（２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル）−
４，４′−ビフェニレンージホスホナイト、２゜２′　
−エチリデンビス（４，６−ジーｔ−ブチルフェニル）
フルオロホスファイトなどを例示することができる。

本発明におけるソルビトール系化合物とは、−触式％式％（式中、Ｒは炭素数１〜５のアルキル基、アルコキシ基
、ハロゲン原子又は水酸基であり、ｍ、　ｎはＯ〜３の
整数である。なおＲは同−化合物中具なっていてもよく
、ｍ、ｎは同−化合物中同じでもよい。）で表される化合物である。上記ソルビトール系化合物と
しては、例えばジベンジリデンソルビトール、（１，３
）２．４−ジ（ｐ−メチルベンジリデン）ソルビトール
、（１，３）２．４−ジ（ｐ−クロロベンジリデン）ソ
ルビトール、（１，３）２．４−ジ（ｐ−メトキシベン
ジリデン）ソルビトールなどが挙げられる。特に（１３
）２．４−ジ（ｐ−メチルベンジリデン）ソルビトール
が好ましい。

さらに、本発明におけるポリオレフィン組成物には、中
和剤を添加することができる。上記中和剤としては、金
属石鹸、ハイドロタルサイト類、ケイ酸アルミニウムカ
ルシウム、周期律表第■族の金属の酸化物及び水酸化物
等を用いることができる。上記金属石鹸としては、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸バリウム等が挙げられる。また上記ハイドロタ
ルサイト類としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛
、アルミニウム、ビスマス等の含水塩基性炭酸塩または
その結晶水を含まないもので、天然物及び合成品が含ま
れる。

前記の樹脂三成分の配合量は、（■）結晶性プロピレン
−エチレンランダム共重合体６５〜９５重量％、好まし
くは７０〜９０重量％と（ＩＩ）線状低密度ポリエチレ
ン３５〜５重量％、好ましくは３０〜１０重量％とから
なる樹脂成分１００重量部に対して、（ＩＩＩ）エチレ
ン−ブテン共重合体ゴムが５〜２５重量部、好ましくは
１０〜２０重量部である。結晶性プロピレン−エチレン
ランダム共重合体が６５重量％未満では、透明性が不十
分であり、一方９５重量％を越えると低温耐衝撃性が不
十分となる、また、エチレン−ブテン共重合体ゴムが、
結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体と線状低
密度ポリエチレンとの合計１００重量部に対して、５重
量部未満であると低温耐衝撃性が不十分であり、一方２
５重量部を越えると低温耐衝撃性はそれ以上改善されず
他の物性の低下をきたすために好ましくない。

また、前記樹脂組成物に配合する添加剤は、樹脂組成物
１００重量部に対して、（ａ）ヒンダードアミン系化合
物０．０１〜１重量部、好ましくは００５〜０５重量部
、（ｂ）有機リン系化合物０．０１−１重量部、好まし
くは００５〜０５重量部及び（ｃ）ソルビトール系化合
物００１〜１重量％、好ましくは０．０５〜０５重量部
である。上記ヒンダードアミン系化合物及び有機リン系
化合物が各々０．０１重量未満では耐放射線性の効果が
不十分であり−、一方、１重量部を越える量では包装材
への着色やプレートアウトの原因となるために好ましく
ない。また、ソルビトール系化合物が０．０１重量部未
満では透明性の改良効果が不十分であり、一方、１重量
部を越えると着色の原因となるために好ましくない。

本発明において用いる組成物には必要に応じて他の添加
剤を添加することができる。他の添加剤としては、フェ
ノール系、チオエーテル系、リン系等の各種酸化防止剤
、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、
中和剤、滑剤、離型剤、顔料、無機充填剤等があげられ
る。

前記の各樹脂成分及び各種の添加剤は、一般に用いられ
る混合機、例えばヘンシェルミキサー等で予め混合した
後、押出機で溶融混練して組成物ペレットとする。しか
し、組成物ベレットを経ないで直接成形して包装材とし
てもよい。

組成物から包装材の成形は、通嘗の成形方法によって行
われる。例えば、押出成形により厚さ２０〜２００ＬＬ
ｍ程度のフィルムまたはシート状に成形される。また、
その他の射出成形やブロー成形等により包装容器類に成
形することもできる。

実施例以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。

なお、実施例において評価した試験方法及び使用原料樹
脂と添加剤は、次の通りである。

試験方法（１）色　相（Ｈａｚｅｌ：ＪＩＳ　　Ｋ７１０５（２
）１％モジュラス　：ＪＩＳ　　Ｋ７１２７（３）低温
衝撃強度：ＪＩＳ　　Ｐ８１３４原料樹脂、添加剤（１）結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体［
ＭＦＲ９ｇ／１０分、エチレン含有量３．６重量％、以
下ランダムＰＰ］（２）綿状低密度ポリエチレン［密度０．９２３ｇ／ｃ
ｍ３、ＭＩ１２ｇ／１０分、以下ＬＬＤＰＥ）（３）エ
チレンブテン共重合体ゴム［三井石油化学工業（株）製
、タフマーＡ−４０８５（商品名）　、Ｍ　Ｉ　　３．
６ｇ／１０分、以下ＥＢＲ］（４）ヒンダードアミン系
化合物［チバガイギー社製、チヌビンＬＳ９４４ＦＬ　
（商品名）（５）有機リン系化合物［アデカアーガス社
製、マーク２１１２　（商品名）］（６）ソルビトール系化合物［（１，３）２．４−ジ（
ｐ−メチルベンジリデン）ソルビトール］（７）ステア
リン酸カルシウム実施例１〜６．比較例１〜５前記の原料樹脂及び添加剤を第１表に示す割合で配合し
、さらにこの組成物１００重量部に対してステアリン酸
カルシウムを０．０５重量部の配合比でそれぞれ添加し
て予備混合した後、この混合物を２１０℃の押出機で溶
融混練して組成物をペレット化した。

この組成物をシート成形押出機に供給して厚さ１５０μ
ｍのシートを成形した。

得られた各成形シートについて、コバルト６０の線源を
使用してそれぞれ３５メガラドの照射量となるようにγ
線を照射した。γ線照射前後の物性について第１表に示
した。

なお、実施例においてはγ線照射後に、着色、劣化物や
添加剤のブリードアウト及び臭いの発生はなかった。

第１表から、ランダムＰＰ単独樹脂分では、低温衝撃強
度が低く（比較例１）、ＬＬＤＰＥ無添加では、低温衝
撃強度がγｖＡ照射後著しく低下しく比較例２）、ＬＬ
ＤＰＥに代えてＬＤＰＥ　（低密度ポリエチレン）の使
用ではへイズ値が高く透明性に難があり（比較例３）、
ランダムＰＰが６５重量％未満ではγ線照射後に低温衝
撃強度が著しく低下し、また透明性にも難があり（比較
例４）、ＥＢＲ無添加では同様にγ線照射後低温衝撃強
度が著しく低下しく比較例５）、ヒンダードアミン系化
合物および有機リン系化合物無添加でソルビトール系化
合物単独添加でも同様にγ線照射後低温衝撃強度が著し
く低下することが判る（比較例６）。

従って、実施例に示すような本発明配合によれば、透明
性や低温衝撃性に優れ、低温衝撃性に優れていることか
ら、仮に注射器を内蔵した包装体を床などに落としても
こわれにくく、また、γ線照射による着色、劣化物や添
加剤のブリードアウト、臭いの発生も少なく、同時に機
械的物性（１％モジュラス）の低下も少な（、優れてい
ることが判る。

［発明の効果コ以上、本発明の耐放射線性ポリオレフィン包装材は、透
明性や低温衝撃性に優れ、また放射線の照射による着色
、劣化物や添加剤のブリードアウト、臭いの発生も少な
く、機械的物性の低下も少ない。

従って、放射線殺菌を行う医療器具、食品等の包装材と
して好適である。

特許出願人　東燃石油化学株式会社代理人弁理士　　佐　藤　良　博

Claims

【特許請求の範囲】

１、（ I ）結晶性プロピレン−エチレンランダム共重
合体６５〜９５重量％と、（II）線状低密度ポリエチレ
ン３５〜５重量％とからなる樹脂成分１００重量部に対
して、（III）エチレン−ブテン共重合体ゴム５〜２５
重量部を加えてなる樹脂成分１００重量部に、（ａ）ヒ
ンダードアミン系化合物０．０１〜１重量部、（ｂ）有
機リン系化合物０．０１〜１重量部及び（ｃ）ソルビト
ール系化合物０．０１〜１重量部とを配合してなる組成
物から成形してなることを特徴とする耐放射線性ポリオ
レフィン包装材。