JPH10147615A - 水素化1,2−ポリブタジエン - Google Patents

水素化1,2−ポリブタジエン

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JPH10147615A
JPH10147615A JP30492996A JP30492996A JPH10147615A JP H10147615 A JPH10147615 A JP H10147615A JP 30492996 A JP30492996 A JP 30492996A JP 30492996 A JP30492996 A JP 30492996A JP H10147615 A JPH10147615 A JP H10147615A
Authority
JP
Japan
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spbd
hydrogenated
polybutadiene
syndiotactic
melting point
Prior art date
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Pending
Application number
JP30492996A
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English (en)
Inventor
Naomi Okamoto
尚美 岡本
Tsuneshi Shoda
恒志 庄田
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱老化性の優れた1,2−ポリブタジエン
の提供を目的とする。 【解決手段】 水素化されたシンジオタクチック1,2
−ポリブタジエン樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高結晶性のシン
ジオタクチック1,2−ポリブタジエン樹脂(以下、S
PBD)を水素化して適度の融点を有する1,2−ポリ
ブタジエン樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高結晶性のSPBDは融点が高
く、強靱な熱可塑樹脂であることは広く知られている。
一方、適度な結晶性を有するSPBDは、熱可塑性エラ
ストマーとして工業用品、食品包装用フィルム、溶融袋
や履物などの分野で一般に利用されている。
【0003】しかしながら、SPBDは、主鎖の第3級
炭素に水素とビニル基を有しており、反応性が高く熱や
光などで容易に活性化され不安定で老化し易いと言う問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記問題
点を解決するためになされたものであり、耐熱老化性の
優れた1,2−ポリブタジエン樹脂を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決のための手段】
【0006】この発明によれば、水素化されたSPBD
が提供される。更にSPBDの水素化率が10〜70%
で、その融点が60〜120℃である構成の水素化され
たSPBDが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の構成成分について具体
的に説明する。この発明のシンジオタクチック1,2−
ポリブタジエン樹脂(SPBD)とはその融点が110
℃以上のものであり、好ましくは130℃以上のもので
ある。融点が110℃未満のSPBDは結晶化度が低い
ため、水素化されたSPBDの弾性率や強度が低く、耐
熱老化性の向上が十分でないので好ましくない。融点が
110℃以上のSPBDを単独で用いても、互いに融点
の異なるSPBDを組み合わせて用いてもよい。
【0008】融点が110℃以上のSPBDは、 1H−
NMRを測定したピーク面積から1,2構造含有率が求
まる。また、13C−NMRより1,2−構造の殆どがシ
ンジオタクチック構造(シンジオタクチシティ)である
ことが確認された。1,2−構造以外はシス1,4−構
造である。SPBDの1,2−構造は76%以上、好ま
しくは82%以上である。1,2−構造が76%未満の
SPBDは、シンジオタクチシティが低いために耐熱老
化性の向上が十分でないので好ましくない。
【0009】この発明のSPBDの製造方法としては、
例えば特公昭53−39917号公報、特公昭54−5
436号公報、特公昭56−18005号公報などに記
載された方法を用いることができる。但し、この発明に
用い得るSPBDの製造方法はこれらの方法に限定され
るものではない。
【0010】この発明のSPBDの水素化法としては、
それ自体従来公知の方法で行うことができる。例えばジ
エン系ポリマーの水素化法として、鉄、ニッケル、コバ
ルトの有機化合物と有機アルミニウム化合物とからなる
水素化法、ヒドラジッド系水素化法〔D.K.Park
er et al.,Rubber Chem.Tec
hnol.,67,288(1994)〕、チタノセン
系水素化法(特公平6−74353号公報)などがあ
る。
【0011】この発明のSPBDの水素化法は、例え
ば,不活性ガスの雰囲気下にSPBDを有機溶媒に溶解
したり、懸濁して、ニッケル又はコバルトの有機化合物
と有機アルミニウム化合物からなる触媒系の存在下に水
素ガスを吹き込み、40〜200℃の温度、常圧〜10
0Kg/cm2 の圧力下に水素化する。ニッケル又はコ
バルトの有機化合物としては、有機カルボン酸塩、ある
いはアルコキシドが好ましく、ニッケルオクトエート、
ニッケルナフテネート、ニッケルベンゾエート、コバル
トオクトエート、コバルトナフテネート、コバルトベン
ゾエートなどのカルボン酸塩が特に好ましい。
【0012】有機アルミニウム化合物としては、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリ n- ヘキシルアルミニウム、
トリフェニルアルミニウムなどが好ましい。
【0013】ニッケル又はコバルトの有機化合物の使用
量は、SPBD100gに対して、0.1〜10,00
0ミリモル、特に1〜1,000ミリモルが好ましい。
有機アルミニウム化合物の使用量は、SPBD100g
に対して、0.5〜50,000ミリモル、特に5〜
5,000ミリモルが好ましい。
【0014】水素化反応は、触媒に不活性でSPBDが
可溶化又は懸濁化可能な溶媒下で実施される。好適な溶
媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタ
ンなどのような脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シク
ロヘプタンなどのような脂環族炭化水素、塩化メチレ
ン、二塩化エタン、トリクロロエチレンなどのようなハ
ロゲン化脂肪族炭化水素及びこれらの混合溶媒である。
【0015】この発明の水素化SPBDは、ゴムや樹脂
で通常用いられる配合剤、例えば他のポリマー、カーボ
ンブラック、老化防止剤、架橋剤などを適宜必要量配合
することができる。
【0016】この発明の水素化SPBDは、通常のゴム
や樹脂で常用される装置、例えばロール、バンバリーミ
キサー、ニーダーなどのバッチ式混練機や押出機、ロー
ター型連続混練機などで混練した後、射出・カレンダー
・圧縮・ブロー・発泡・トランスフアー成形など任意の
成形法で成形して得られる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示してこの発明
を具体的に説明するが、これらによって制約されるもの
ではない。実施例及び比較例に於いて、SPBD及び水
素化SPBDの融点、SPBDの1,2−構造含有率及
び水素化率、配合物の引張弾性率・引張強度・伸び及び
耐熱老化性は以下のように測定した。
【0018】SPBD及び水素化SPBDの融点:島津
製作所製の熱流束示差走査熱量計DSC50を用い、昇
温速度10℃/分で30℃から230℃までの範囲で昇
温し、得られた吸熱ピークから融点を測定した。1,2−構造含有率及び水素化率 :日本電子製FX−2
00型を用いて 1H−NMRスペクトル法(溶媒:o−
ジクロロベンゼン、TMS基準)で1,2−構造含有率
を求めた。また、13C−NMRスペクトル法にて1,2
−構造がシンジオタクチック構造であることを確認し
た。更に、水素化した後で減少した不飽和結合の割合を
水素化率とした。
【0019】引張応力・強度及び伸び:JIS−K63
01に従い、成形物の100%引張応力、引張強度及び
伸びをJIS3号ダンベルで測定した。耐熱老化性 :JIS−K6301に従い、ギヤーオーブ
ン中で70℃、96時間熱処理して引張強度の変化率を
測定した。
【0020】[参考例1]次に、この発明の実施例で用
いたSPBDの製造方法について説明する。空気を窒素
ガスで置換した容量1.5リットルのオートクレーブに
脱水ベンゼン760mlを入れ、1,3−ブタジエン7
4gを溶解した。これにコバルトオクトエート1mmo
l(濃度1mmol/mlのベンゼン溶液を使用)を加
え、1分後にトリエチルアルミニウム2mmol(濃度
1mmol/mlのベンゼン溶液を使用)を加え、撹袢
し、次いで1分後に5mmolのアセトンを添加し、更
に1分後、二硫化炭素0.6mmol(濃度0.3mm
ol/mlのベンゼン溶液を使用)を添加し、10℃で
60分間撹袢し、1,3−ブタジエンの重合を行って、
SPBDを製造した。得られたSPBD生成液に、2,
4−ジターシャルブチル−p−クレゾール0.75gを
加えた。次いで、メタノール1000ミリリットルにS
PBD生成液を加え、SPBDを析出沈殿させてろ別し
SPBDを更にメタノールで洗浄・ろ別した後、室温で
真空乾燥した。得られたSPBDの1,2−構造含有率
と融点を表1に示した。
【0021】[実施例1〜2]続いて、この発明の実施
例で用いた水素化SPBDの製造方法について説明す
る。参考例1で得られたSPBD20g,シクロヘキサ
ン300ml及びニッケルオクトエート2mmolを窒
素ガスで置換した500mlのオートクレーブに導入
し、トリエチルアルミニウム6mmolを導入した。オ
ートクレーブ内を水素ガスで置換した後40Kg/cm
2 まで加圧して、撹拌しながら135℃に加熱して表1
に示した所定時間で水素化反応を行った。圧力は55K
g/cm2 まで上昇し35〜45Kg/cm2 まで低下
した。反応終了後、室温に冷却後、反応液に塩化水素1
0%を含むメタノールを加えて触媒を分解して水洗して
塩化水素を除去した後、2,4−ジターシャルブチル−
p−クレゾール0.2gを加えた。次いで、メタノール
1000mlに水素化SPBD生成液を加え、水素化S
PBDを析出沈殿させてろ別し、更にメタノールで洗浄
・ろ別した後、室温で真空乾燥した。得られたそれぞれ
の融点、水素化率、1,2−構造含有率及び水素化時間
を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】[実施例3〜4]表2に示した配合処方で
80℃にセットしたオープンロールに水素化SPBDを
巻き付け1分間素練り後、亜鉛華、ステアリン酸を加え
て3分間混練した。次いで加硫促進剤DM(ジベンゾチ
アジルジスルフィド)、D(ジフェニルグアニジン)と
硫黄を配合した。得られた混練物を金型に入れて150
℃で30分間加硫した。この加硫物の物性を測定して表
2に示した。
【0024】[実施例5〜6]表2に示した配合処方で
100℃にセットしたラボプラストミルに水素化SPB
Dとポリブタジエンゴム(宇部興産製、UBEPOL−
BR150,ML=43)を投入し30分間素練り後、
カーボンブラック(三菱化学製、HAF),プロセスオ
イル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(N−フェニ
ル−N' −イソプロピル−p−フェニレンジアミン)を
加えて3分間混練した。次いで80℃にセットしたオー
プンロール上で加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジス
ルフィド)、D(ジフェニルグアニジン)と硫黄を配合
した。得られた混練物を金型に入れて150℃で30分
間加硫した。この加硫物の物性を測定して表2に示し
た。
【0025】[比較例1]表2に示す配合処方に従って
水素化SPBDを使用しないで熱可塑性エラストマーR
B820(日本合成ゴム製,1,2−結合:92%,融
点:95℃)を配合した以外は実施例3〜4と同様にし
た。結果を表2に示した。
【0026】[比較例2]表2に示す処方に従って水素
化SPBDを使用しないで熱可塑性エラストマーRB8
20を配合した以外は実施例5〜6と同様にした。結果
を表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】この発明の水素化されたシンジオタクチ
ック1,2−ポリブタジエン樹脂は、適度の融点を有す
る熱可塑性エラストマーであり、その加硫物は耐熱老化
性が著しく改善され弾性率や破壊強度も向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素化されたシンジオタクチック1,2−
    ポリブタジエン樹脂。
  2. 【請求項2】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
    ン樹脂の水素化率が10〜70%であることを特徴とす
    る請求項1記載の水素化されたシンジオタクチック1,
    2−ポリブタジエン樹脂。
  3. 【請求項3】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
    ン樹脂の水素化物の融点が60〜120℃であることを
    特徴とする請求項1記載の水素化されたシンジオタクチ
    ック1,2−ポリブタジエン樹脂。
JP30492996A 1996-11-15 1996-11-15 水素化1,2−ポリブタジエン Pending JPH10147615A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009122967A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 三井化学株式会社 樹脂組成物および溶融袋

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009122967A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 三井化学株式会社 樹脂組成物および溶融袋
JPWO2009122967A1 (ja) * 2008-03-31 2011-07-28 三井化学株式会社 樹脂組成物および溶融袋
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