JPH10147572A - スルホン酸エステル化合物およびその用途 - Google Patents

スルホン酸エステル化合物およびその用途

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JPH10147572A
JPH10147572A JP8290093A JP29009396A JPH10147572A JP H10147572 A JPH10147572 A JP H10147572A JP 8290093 A JP8290093 A JP 8290093A JP 29009396 A JP29009396 A JP 29009396A JP H10147572 A JPH10147572 A JP H10147572A
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JP
Japan
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substituted
group
compound
acid
resin
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JP8290093A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Inoue
博貴 井上
Atsushi Tomioka
淳 富岡
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10147572A publication Critical patent/JPH10147572A/ja
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸の作用により開裂しうる保護基を有し、開
裂後にアルカリ可溶性となる樹脂を含有するレジストの
酸発生剤として用いた場合に、優れた効果を発揮する化
合物を提供し、これを用いて諸性能に優れるレジスト組
成物を提供する。 【解決手段】 式(I)で示されるスルホン酸エステル
化合物。 式中、R1 は、それぞれ置換されていてもよいアルキレ
ン、アルケニレンまたは環状炭化水素の2価残基を表
し、R2 は置換されていてもよいシクロアルキルを表
し、nは0〜6の整数を表すが、ただし、−(CH2)n
−R2 がショウノウ残基であることはない。式(I)の
化合物を酸発生剤として用い、酸の作用により開裂しう
る保護基を有し、開裂後はアルカリ可溶性となる樹脂と
配合して、ポジ型レジスト組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なスルホン酸
エステル化合物、およびそれのレジスト分野への適用に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高集積化に伴
い、クォーターミクロンのパターン形成が要求されるよ
うになっている。特に、フッ化クリプトン(KrF) やフッ
化アルゴン(ArF) からのエキシマーレーザーを利用する
リソグラフィーは、64MDRAM および256MDRAM の製
造を可能とすることから、注目されている。かかるエキ
シマーレーザーリソグラフィープロセスに適したレジス
トとして、酸触媒による化学増幅効果を利用した、いわ
ゆる化学増幅型レジストが提案されている。化学増幅型
レジストは、放射線照射部で酸発生剤から発生した酸を
触媒とする反応によって、露光部のアルカリ現像液に対
する溶解性を発現させるものであり、これによってポジ
型レジストが得られる。
【0003】化学増幅型レジストは、放射線照射部で発
生した酸が、その後の熱処理(postexposure bake:以
下、PEBと略す)によって拡散し、樹脂等の保護基を
脱離させるとともに、酸を再生成することにより、高感
度化を実現しているが、一層の高感度化が望まれてお
り、また解像度の向上も望まれている。さらに、このよ
うな化学増幅型レジストには、放射線照射からPEBま
での放置の間に、放射線照射によって発生した酸が徐々
に樹脂の脱保護基反応を進行させることがある。こうし
た現象により、解像度が低下するとともに、現像後のパ
ターンの細りが生じ、寸法の再現性が損なわれることに
なる。また、同じく放射線照射からPEBまでの放置の
間に、空気中に微量存在するアミン類などにより酸が失
活するという問題もあり、これによっても解像度の低下
や寸法再現性の低下が起こりうる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸の
作用により開裂しうる保護基を有し、開裂後にアルカリ
可溶性となる樹脂を含有するレジスト組成物の酸発生剤
として用いた場合に、優れた効果を発揮する新規な化合
物を提供することにある。
【0005】本発明の別の目的は、かかる化合物を用い
て、耐熱性、残膜率、塗布性などの諸性能を高い水準に
維持しつつ、感度、解像度およびプロファイルが改良さ
れ、また放射線照射からPEBまでの放置時間による経
時寸法変動にも耐性のあるポジ型レジスト組成物を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、特定構造のスルホン酸エステル化合物を見
出し、そしてこの化合物を酸発生剤として用いることに
より、上記の目的が達成されることを見出し、本発明を
完成した。
【0007】すなわち本発明は、次式(I)で示される
スルホン酸エステル化合物を提供するものである。
【0008】
【0009】式中、R1 は置換されていてもよいアルキ
レン、置換されていてもよいアルケニレンまたは置換さ
れていてもよい環状炭化水素の2価残基を表し、R2
置換されていてもよいシクロアルキルを表し、 nは0
〜6の整数を表すが、ただし、−(CH2)n−R2 がシ
ョウノウ残基であることはない。
【0010】また本発明は、式(I)のスルホン酸エス
テル化合物を有効成分とする酸発生剤を提供し、さらに
は、この酸発生剤を、酸の作用により開裂しうる保護基
を有し、それ自体ではアルカリに不溶または難溶である
が、酸の作用により上記保護基が開裂してアルカリ可溶
性になる樹脂とともに配合してなるポジ型レジスト組成
物をも提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】式(I)において、R1 で表され
るアルキレンは、例えば炭素数1〜6程度であることが
でき、無置換でも置換されていてもよい。また炭素数2
以上のアルキレンは、直鎖状でも分枝状でもよい。好ま
しいアルキレンは、エチレン、トリメチレン、プロピレ
ンなどである。アルキレンの置換基としては、フッ素、
塩素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン、炭素数1〜
6程度の低級アルコキシ、アリール、例えば、無置換の
または、炭素数1〜6程度の低級アルキル、炭素数1〜
6程度の低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロもしくはア
セチルアミノのような置換基で置換されたフェニルなど
が挙げられる。
【0012】R1 で表されるアルケニレンは、例えば炭
素数2〜4程度であることができ、無置換でも置換され
ていてもよく、また直鎖状でも分枝状でもよい。好まし
いアルケニレンは、ビニレンやビニリデンなどである。
アルケニレンの置換基としては、アリール、例えば、無
置換のまたは、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲ
ン、ニトロもしくはアセチルアミノのような置換基で置
換されたフェニルなどが挙げられる。
【0013】また、式(I)中のR1 は、環状炭化水素
の2価残基であってもよく、かかる環状炭化水素は、例
えば、芳香族炭化水素や脂環式炭化水素などであること
ができる。これらの環状炭化水素は、無置換でも置換さ
れていてもよい。置換されていてもよい芳香族炭化水素
の2価残基、すなわちアリーレンは、単環でも多環でも
よく、例えば、置換されていてもよいフェニレンやナフ
チレンなどであることができる。フェニレンは、1,2
−フェニレンであるのが、またナフチレンは、1,2
−、2,3−または1,8−ナフチレンであるのが好ま
しい。 置換されていてもよい脂環式炭化水素の2価残
基も、単環や架橋多環などであることができ、例えば、
炭素数5〜12程度の環、具体的には、1,2−シクロ
ヘキシレンや、5−ノルボルネン−2,3−ジイルなど
が挙げられる。これら芳香族炭化水素や脂環式炭化水素
などの環状炭化水素に置換してもよい基としては、低級
アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アセチ
ルアミノなどが挙げられる。
【0014】式(I)において、R2 で表されるシクロ
アルキルは、単環のほか、多環、例えば架橋多環になっ
ていてもよいが、好ましくは炭素数3〜8程度であり、
なかでも、シクロペンチル、シクロヘキシルなど、単環
のものである。 このシクロアルキルは、無置換でも置
換されていてもよく、シクロアルキルの置換基として
は、炭素数1〜6程度のアルキル、ハロゲン、ニトロな
どが挙げられる。また、−(CH2)n−R2 がショウノ
ウ残基になることはない。
【0015】式(I)で示されるスルホン酸エステル化
合物は、例えば、 G. F. Jaubert,Ber. Dtsch. Chem.,
28, 360 (1895)、 D. E. Ames et al., J. Chem. So
c.,3518 (1955) 、または M. A. Stolberg et al., J.
Am. Chem. Soc., 79, 2615(1957) に記載の方法に準じ
て製造される式(II)
【0016】
【0017】(式中、R1 は前記と同じ意味を表す)で
示される環状N−ヒドロキシイミド化合物を、例えば、
L. Bauer et al., J.Org. Chem., 24, 1293 (1959) に
記載の方法に準じて、塩基性条件下、式(III)
【0018】R2−(CH2)n−SO2Cl (III)
【0019】(式中、R2 およびnは前記と同じ意味を
表す)で示されるスルホン酸クロリドと反応させること
により、製造できる。
【0020】ここで原料となる式(III) のスルホン酸ク
ロリドは、公知の方法、例えば、R.T. Arnold et al.,
J. Am. Chem. Soc., 70, 2590 (1948) 、または W. Dav
ieset al., J. Chem. Soc., 483 (1932) に記載の方法
に準じて、式(IV)
【0021】R2−(CH2)n−X (IV)
【0022】(式中、Xはハロゲンを表し、R2 および
nは前記と同じ意味を表す)で示されるハロゲン化物を
亜硫酸塩と反応させてスルホン酸塩としたあと、例え
ば、 H. H. Bosshard et al., Helv. Chim. Acta, 42,
1653 (1959) に記載の方法に準じて酸クロリド化するこ
とにより、得ることができる。また別法として、式(II
I) のスルホン酸クロリドは例えば、J. M. Sprague et
al., J. Am. Chem.Soc., 59, 1837 (1937) に記載の方
法に準じて、前記式(IV)で示されるハロゲン化物をチ
オ尿素と反応させたあと、塩素ガスで処理することによ
り、直接合成することもできる。
【0023】好適な式(I)で示されるスルホン酸エス
テル化合物としては、例えば次のようなものが挙げられ
る。
【0024】
【0025】式(I)で示されるスルホン酸エステル化
合物は、レジスト用の酸発生剤、とりわけ、酸の作用に
より開裂しうる保護基を有し、それ自体ではアルカリに
不溶または難溶であるが、酸の作用により上記保護基が
開裂したあとはアルカリ可溶性になる樹脂と組み合わせ
てレジスト組成物に用いられる酸発生剤として、有用で
ある。この化合物をレジスト組成物の酸発生剤として用
いる場合は、それぞれ単独で、または2種以上混合して
用いることができる。
【0026】レジスト組成物を構成する樹脂は、酸の作
用により開裂しうる保護基を有し、それ自身ではアルカ
リに不溶または難溶であるが、酸の作用により保護基が
開裂したあとはアルカリ可溶性となるものである。アル
カリ可溶性のベースポリマーは、アルカリ可溶性基とし
て例えば、フェノール性水酸基および/またはカルボキ
シル基を有するものなどであることができる。具体的に
は、フェノールノボラック樹脂;クレゾールノボラック
樹脂;キシレノールノボラック樹脂;ビニルフェノール
樹脂;イソプロペニルフェノール樹脂;ビニルフェノー
ルと、(メタ)アクリル酸もしくはその誘導体、アクリ
ロニトリル、スチレンもしくはその誘導体などとの共重
合体;イソプロペニルフェノールと、(メタ)アクリル
酸もしくはその誘導体、アクリロニトリル、スチレンも
しくはその誘導体などとの共重合体;スチレンもしくは
その誘導体と、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸など
との共重合体;これらのポリマー鎖中にケイ素を含む化
合物が導入された樹脂などを挙げることができる。これ
らの中でも、ポリビニルフェノール系の樹脂、すなわ
ち、ビニルフェノールの単独重合体または、ビニルフェ
ノールを一つのモノマーとする他の重合性ビニルモノマ
ーとの共重合体が好ましく用いられる。
【0027】これらのベースポリマーにおける水酸基ま
たはカルボキシル基の少なくとも一部を、酸の作用によ
り開裂しうる保護基で修飾したもの、すなわち、水酸基
またはカルボキシル基中の水素原子の少なくとも一部
を、こうした保護基で置換したものが、本発明のレジス
ト組成物における樹脂となりうる。保護基としては、例
えば、以下の構造のものが挙げられる。
【0028】
【0029】式中、nは4〜6の整数を表し;R11、R
14、R17およびR21は互いに独立に、直鎖状アルキル、
分枝状アルキル、環状アルキル、アルケニル、アリール
またはアラルキルを表し;R12、R13、R15、R16、R
19、R20およびR22は互いに独立に、水素、直鎖状アル
キル、分枝状アルキル、環状アルキル、アルケニル、ア
リールまたはアラルキルを表し;R18は、水素、直鎖状
アルキル、分枝状アルキル、環状アルキル、 アルケニ
ル、アリール、アラルキルまたはアルコキシを表し;R
23は、水素、直鎖状アルキル、分枝状アルキル、環状ア
ルキル、 アルケニル、アリールもしくはアラルキルを
表し、R24は、直鎖状アルキル、分枝状アルキル、環状
アルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキルを
表すか、またはR23とR24が結合して、炭素数3〜6の
非分枝アルキレンを形成する。
【0030】ここで、直鎖状アルキルとしては、例えば
炭素数1〜5のものが挙げられ、分枝状アルキルとして
は、例えば炭素数3〜8のものが挙げられ、環状アルキ
ルとしては、例えば炭素数5〜16のものが挙げられ、
これはシクロアルキルの他、シクロアルキルアルキルで
あってもよく、アルケニルとしては、例えば炭素数2〜
7のものが挙げられ、アリールとしては、例えば、フェ
ニル、トリル、キシリルなど、炭素数6〜16のものが
挙げられ、アラルキルとしては、例えば、ベンジル、モ
ノまたはジメチルベンジル、フェネチルなど、炭素数7
〜16のものが挙げられ、またアルコキシとしては、例
えば炭素数1〜5のものが挙げられる。これらの基は置
換基を有していてもよく、例えば、直鎖状アルキル、分
枝状アルキルまたはアルケニルに置換してもよい基とし
ては、ハロゲンなどが挙げられ、環状アルキルを構成す
るシクロアルカン環に置換してもよい基としては、ハロ
ゲンなどが挙げられ、アリールまたはアラルキルを構成
するベンゼン環などの芳香環に置換してもよい基として
は、ハロゲンやニトロなどが挙げられる。またもちろ
ん、ここでいうシクロアルカン環や芳香環には、上記炭
素数の範囲内でアルキルなどの炭化水素基が結合してい
てもよい。
【0031】これらのうち、好ましい保護基としては、
酸素を一つの環原子とする飽和複素環の2−残基、1−
アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキ
シカルボニルアルキルなどが挙げられる。なかでも、1
−エトキシエチル、tert−ブトキシカルボニル、tert−
ブトキシカルボニルメチルなどが好ましい。本発明の前
記式(I)で示されるスルホン酸エステル化合物は、ポ
リビニルフェノール系の樹脂であって、そのフェノール
性水酸基が1−アルコキシアルキルで部分的に保護され
ている樹脂に対し、酸発生剤として用いた場合に特に優
れた効果を発揮する。
【0032】上記の保護基を、樹脂中のフェノール性水
酸基やカルボキシル基のようなアルカリ可溶性基に導入
するにあたっては、通常の保護基導入反応が採用でき
る。例えば、ベース樹脂がポリビニルフェノール樹脂で
あり、アルコキシアルキルを保護基とする場合は、ポリ
ビニルフェノール樹脂に、塩基性条件下でアルコキシア
ルケンを反応させることにより、ポリビニルフェノール
樹脂の水酸基の一部をアルコキシアルキルエーテル化す
ることができる。ベースとなるアルカリ可溶性樹脂中に
あったアルカリ可溶性基、特に水酸基およびカルボキシ
ル基のうち、保護基で置換されたものの割合(保護基導
入率)は、一般に1〜50モル%の範囲にあるのが好ま
しい。
【0033】アルカリ可溶性基が部分的に保護された樹
脂、例えば、フェノール性水酸基が部分的に保護された
ポリビニルフェノール系樹脂は、ゲル浸透クロマトゲラ
フィー(GPC)により求めたポリスチレン換算の重量
平均分子量が 3,000〜35,000の範囲にあるものが好まし
い。より好ましい重量平均分子量は、5,000 以上であ
り、また 32,000 以下、さらには 25,000 以下、とりわ
け 20,000 以下である。保護基導入反応により樹脂の重
合度自体が変化することはほとんどないので、保護基導
入前のアルカリ可溶性基を有し、上記範囲の中でもやや
下側の重量平均分子量、例えば 3,000〜30,000の範囲の
重量平均分子量を有する樹脂を用いることにより、部分
的保護基導入後の重量平均分子量を上記範囲とすること
ができる。
【0034】フェノール性水酸基やカルボキシル基など
のアルカリ可溶性基が部分的に保護された樹脂は、本発
明のレジスト組成物におけるアルカリ可溶性となりうる
樹脂として、それぞれ単独で、または2種以上混合して
用いることができる。さらには、本発明の効果を損なわ
ない範囲で他のアルカリ可溶性樹脂を混合することもで
きる。混合して用いられる他の樹脂としては、例えば、
ポリビニルフェノール樹脂、部分アルキルエーテル化ポ
リビニルフェノール樹脂、ポリイソプロペニルフェノー
ル樹脂、ビニルフェノールとスチレンの共重合体(好ま
しくはビニルフェノールの割合が50モル%以上である
もの)、イソプロペニルフェノールとスチレンの共重合
体(好ましくはイソプロペニルフェノールの割合は50
モル%以上であるもの)、ポリビニルフェノールを部分
的に水素添加した樹脂、部分水添ポリビニルフェノール
樹脂の部分アルキルエーテル化物などが挙げられる。
【0035】本発明のレジスト組成物は、以上説明した
アルカリ可溶性となりうる樹脂、および酸発生剤を含有
するものであるが、その他必要に応じて、電子供与体、
溶解阻止剤、増感剤、染料、接着性向上剤、塩基性物質
など、この分野で通常使用されている各種の添加物を含
有することもできる。電子供与体は、酸化還元電位が
1.7 eV 以下の化合物が好ましく、例えば、縮合多環系
芳香族化合物や複素多環系芳香族化合物など、具体的に
は、2−ヒドロキシカルバゾール、β−ナフトール、4
−メトキシナフトール、インドール酢酸などが挙げられ
る。電子移動によって起こる酸発生剤の分解反応は、電
子供与体の存在により促進され、感度が向上する。また
塩基性物質は、一般に化学増幅型のポジ型レジストにお
いて、放射線照射からPEBまでの放置に伴う酸の失活
による性能低下を抑制するために添加されるものであ
り、各種のアミン類などであることができる。
【0036】本発明のレジスト組成物は、全固形分重量
を基準に、酸の作用により開裂しうる保護基を有する樹
脂を40〜98重量%、酸発生剤を0.1〜20重量%の
範囲で含有するのが好ましい。このレジスト組成物は、
通常、全固形分濃度が10〜50重量%となるよう、上
記各成分に溶剤に混合してレジスト溶液が調整され、シ
リコンウェハーなどの基体上に塗布される。ここで用い
る溶剤は、各成分を溶解するものであればよく、この分
野で通常用いられているものであることができる。例え
ば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブア
セテートおよびプロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテルおよびジエチレングリコールジメチルエ
ーテルのようなグリコールモノまたはジエーテル類、乳
酸エチル、酢酸ブチルおよびピルビン酸エチルのような
エステル類、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンおよび
メチルイソブチルケトンのようなケトン類、キシレンの
ような芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらの溶
剤は、それぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0037】基体上に塗布されたレジスト膜からは、そ
の後通常、プリベーク、パターニングのための放射線照
射、放射線照射により発生した酸を拡散させ、脱保護基
反応を促進するための加熱処理(PEB)、アルカリ現
像液による現像の各工程を経て、ポジ型レジストパター
ンが形成される。
【0038】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らによって限定されるものではない。例中、含有量ない
し使用量を表す%および部は、特にことわらないかぎり
重量基準である。
【0039】合成例1 四つ口フラスコに、 J. Am. Chem. Soc., 70,2590 (19
48) に記載の方法に準じて合成したシクロヘキサンスル
ホン酸ナトリウム塩(純度75%)9.9部およびトルエ
ン200部を仕込み、110℃で1時間共沸することに
より脱水した。室温まで冷却後、塩化チオニル5.7部お
よびN,N−ジメチルホルムアミド3.5部を仕込み、7
0℃で3時間保温した。反応終了後、室温まで冷却し、
N−ヒドロキシコハク酸イミド4.8部を仕込んだあと、
トリエチルアミン7.8部を30分かけて滴下し、次いで
3時間攪拌した。 反応終了後、このスラリーを底抜き
フラスコに仕込み、酢酸エチル100部を加え、次に蒸
留水200部で2回洗浄した。その後、酢酸ナトリウム
3.3部を蒸留水200部に溶かした水溶液を有機層に加
えて洗浄し、さらにこの有機層を蒸留水200部で4回
洗浄した。この有機層を濃縮し、得られた濃縮物にトル
エン50部を加えて60℃に昇温したあと、n−ヘキサ
ン200部を加えて室温まで冷却した。析出した結晶を
濾過し、n−ヘキサン300部で洗浄した。得られた濾
過物を45℃で一昼夜減圧乾燥して、N−(シクロヘキ
サンスルホニルオキシ)コハク酸イミド6.0部を得た。
これを化合物aとする。
【0040】質量分析(SIMS(FAB)):262
(M+1)1 H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) : 1.17-2.29 (m, 10H); 2.77(s, 4H); 3.60-3.70(m, 1H).
【0041】合成例2 合成例1におけるシクロヘキサンスルホン酸ナトリウム
塩に代えて、 J. Am.Chem. Soc., 70, 2590 (1948) に
記載の方法に準じて合成したシクロヘキシルメタンスル
ホン酸ナトリウム塩(純度90%)11.1部を用い、さ
らに塩化チオニルの量を7.1部、N,N−ジメチルホル
ムアミドの量を4.4部、N−ヒドロキシコハク酸イミド
の量を6.0部、そしてトリエチルアミンの量を9.7部と
した以外は、合成例1と同様の操作を行った。その結
果、N−(シクロヘキシルメタンスルホニルオキシ)コ
ハク酸イミド9.4部を得た。これを化合物bとする。
【0042】質量分析(SIMS(FAB)):276
(M+1)1 H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) : 1.10-1.88 (m, 10H); 1.97-2.03 (m, 1H); 2.77 (s, 4
H); 3.63(d, 2H).
【0043】適用例1および2 特開平 5-249682 号公報(= USP 5,468,589) の製造例5
に準じた方法により得られ、ポリ(p―ビニルフェノー
ル)中の水酸基のうち約35モル%が1−エトキシエチ
ルエーテル化されたポリマーを13.5部、合成例1また
は2で得られた化合物aまたはbを酸発生剤として1.0
部、電子供与体として2−ヒドロキシカルバゾールを
0.2部、および塩基性成分としてN−フェニルジエタノ
ールアミンを0.03部用い、これらをプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート57部に混合溶解
し、次に孔径0.2μm のフッ素樹脂製フィルターで濾過
して、レジスト液とした。
【0044】常法により洗浄したシリコンウェハーに、
スピンコーターを用いて上記レジスト液を回転塗布し、
乾燥後の膜厚が0.717μm のレジスト膜を形成させ
た。次いで、このシリコンウェハーをホットプレート上
にて100℃で90秒間プリベークした。 プリベーク
後の塗膜に、パターンを有するクロムマスクを介して、
248nmの露光波長を有するKrFエキシマーレーザー
ステッパー〔(株)ニコン製品、"NSR-1755 EX8A"、NA=
0.45〕を用いて露光した。露光後のウェハーを、ホット
プレート上にて100℃で90秒間加熱した。これを、
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.38
%水溶液で現像して、ポジ型パターンを得た。それぞれ
のポジ型パターンについて、以下のようにして評価し、
それぞれの結果を表1に示した。
【0045】感度: 0.3μm ラインアンドスペースパ
ターンの断面を走査型電子顕微鏡で観察し、ベストフォ
ーカスにおけるラインアンドスペースパターンが1:1
になる露光量(実効感度)で表示した。
【0046】解像度: 実効感度の露光量において膜減
りなく分離する最小のラインアンドスペースの幅を走査
型電子顕微鏡で測定した。
【0047】細り寸法: 露光直後にPEBを行って得
られた0.3μm ラインアンドスペースパターンと、露光
後30分放置してからPEBを行って得られた0.3μm
ラインアンドスペースパターンの断面形状を、それぞれ
走査型電子顕微鏡で観察し、前者と後者のパタ−ンの寸
法差を測定した。
【0048】
【表1】
【0049】また、実効感度の露光量における0.3μm
ラインアンドスペースパターンの断面形状(プロファイ
ル)を走査型電子顕微鏡で観察したところ、いずれのパ
ターンもほぼ垂直に切れており、パターントップの平坦
部も明瞭に観察された。
【0050】
【発明の効果】本発明のスルホン酸エステル化合物は、
レジスト用の酸発生剤、特に、酸の作用により開裂しう
る保護基を有し、開裂後はアルカリ可溶性となる樹脂を
含むレジスト用の酸発生剤として有用である。そして、
この化合物を酸発生剤として用いたレジスト組成物は、
耐熱性、残膜率、塗布性などの諸性能が高い水準に維持
され、また感度、解像度およびプロファイルに優れ、パ
ターンの寸法変動も抑制される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/039 601 C07D 209/48 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、R1 は置換されていてもよいアルキレン、置換
    されていてもよいアルケニレンまたは置換されていても
    よい環状炭化水素の2価残基を表し、R2 は置換されて
    いてもよいシクロアルキルを表し、nは0〜6の整数を
    表すが、ただし、−(CH2)n−R2 がショウノウ残基
    であることはない)で示されるスルホン酸エステル化合
    物。
  2. 【請求項2】R1 が、ハロゲン、炭素数1〜6のアルコ
    キシおよびアリールからなる群より選ばれる置換基で置
    換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン、アリー
    ルで置換されていてもよい炭素数2〜4のアルケニレン
    または、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアル
    コキシ、ハロゲン、ニトロおよびアセチルアミノからな
    る群より選ばれる置換基で置換されていてもよい芳香族
    炭化水素もしくは炭素数5〜12の脂環式炭化水素の2
    価残基であり、R2 が、炭素数1〜6のアルキル、ハロ
    ゲンおよびニトロからなる群より選ばれる置換基で置換
    されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキルである
    請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1 が、エチレン、トリメチレン、ビニレ
    ン、1,2−フェニレン、1,8−ナフチレンまたは5
    −ノルボルネン−2,3−ジイルである請求項1記載の
    化合物。
  4. 【請求項4】−(CH2)n−R2 が、シクロペンチル、
    シクロヘキシル、2−、3−もしくは4−メチルシクロ
    ヘキシルまたはシクロヘキシルメチルである請求項1ま
    たは3記載の化合物。
  5. 【請求項5】N−(シクロヘキサンスルホニルオキシ)
    コハク酸イミド、N−(シクロペンタンスルホニルオキ
    シ)コハク酸イミド、N−(メチルシクロヘキサンスル
    ホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(シクロヘキシル
    メタンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(シク
    ロヘキサンスルホニルオキシ)グルタル酸イミド、N−
    (シクロヘキサンスルホニルオキシ)マレイン酸イミ
    ド、N−(シクロヘキサンスルホニルオキシ)フタル酸
    イミド、 N−(シクロヘキサンスルホニルオキシ)−
    1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド、またはN−
    (シクロヘキサンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネ
    ン−2,3−ジカルボン酸イミドである請求項1記載の
    化合物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の化合物を
    有効成分とする酸発生剤。
  7. 【請求項7】それ自体ではアルカリに不溶または難溶で
    あるが、酸の作用により開裂しうる保護基を有し、開裂
    後はアルカリ可溶性となる樹脂、および請求項6記載の
    酸発生剤を含有することを特徴とするポジ型レジスト組
    成物。
  8. 【請求項8】酸の作用により開裂しうる保護基を有する
    樹脂が、ポリビニルフェノール系樹脂であって、そのフ
    ェノール性水酸基が1−アルコキシアルキルで部分的に
    保護されている請求項7記載の組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014148498A (ja) * 2007-02-15 2014-08-21 Central Glass Co Ltd 光酸発生剤用化合物及びそれを用いたレジスト組成物、パターン形成方法
JP2018002707A (ja) * 2016-06-24 2018-01-11 住友化学株式会社 化合物、酸発生剤、重合体、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

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