JPH10147353A - 容 器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 注出部の樹脂を通して酸素等が侵入しても被
収納物に影響を与えないように密封できる容器を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 ガスバリアー性を有する可撓性シートか
ら形成され内部に被収納物8 が収納される収納部7 が形
成された容器本体1 に、前記収納部7 から被収納物8 を
取り出し可能な注出部3 が取り付けられている容器にお
いて、前記容器本体1 に、前記注出部3 と収納部7 を隔
離するべくシール部4 が形成されており、且つ該シール
部4 が被収納物8 を取り出す際には容易に剥離できる程
度の強度でシールされていることを解決手段とする

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、粘体や液体、特
に、飲食品や医薬品等のように、殺菌後には完全な密封
状態で保存することが必要な被収納物を収納・保存する
のに最適な容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、スポーツ飲料やスープ等
の食品、或いは医薬品等の各種の液体や粘体が収納され
必要に応じて取り出せるようにした容器として、図６に
示すような可撓性を有するシートの周縁端部をヒートシ
ール等によって袋状に形成された容器本体11a と、該容
器本体11の上部に合成樹脂、例えばポリプロピレンやポ
リエチレン製等の注出部13が容器本体11の上端縁部11a
に熱融着等の取付手段によって取り付けられたものがあ
る。

【０００３】該注出部13には容器本体11に収納された液
体を取り出すために形成された注出口部14a が形成さ
れ、該注出口部14に冠着された蓋体14a を取り外して、
容器本体11の内部に収納された飲料等の液体を吸い上げ
たり、或いは注ぎ出したりして使用するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような容器本体11
は、合成樹脂製フィルムにアルミホイル等のガスバリア
ー層等を積層したシートを使用することによって高いガ
スバリアー性を有することが可能となる。

【０００５】しかし、ガスバリアー層を有する積層シー
トを使用して包装体本体11に高いガスバリアー性を持た
せることは容易にできるものの、該容器本体11に取り付
けられている注出部13がポリプロピレンやポリエチレン
等のガスバリアー性の低い樹脂が使用されている場合に
は、該注出部からわずかに酸素が出入りして、長期間保
存した場合には内部の食品等が酸化等するおそれがある
ため、ガスバリアー性が不足し食品等の賞味期限や医薬
品等の使用期限を長期間にすることは困難であった。

【０００６】特に、レトルト殺菌等を行う食品等の場合
には、常温で長期間保存できることが必須で高いガスバ
リアー製が容器に要求される時は、このような容器を使
用することはできなかった。

【０００７】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、注出部の樹脂を通して酸素等が侵
入しても被収納物に影響を与えないように密封できる容
器を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明が、このような課
題を解決するための手段としては、ガスバリアー性を有
する可撓性シートから形成され内部に被収納物8 が収納
される収納部7 が形成された容器本体1 に、収納部7 か
ら被収納物8 を取り出し可能な注出部3 が取り付けられ
ている容器において、前記容器本体1 に、前記注出部3
と収納部7 を隔離するべくシール部4 が形成されてお
り、且つ該シール部4 が被収納物8 を取り出す際には容
易に剥離できる程度の強度でシールされていることにあ
る。

【０００９】また、別の手段としては、前記容器本体1
に、前記シール部4 側への被収納物8 の移動によって加
わる力を緩和させるべく固定シール部5 が設けられてな
ることにある。

【００１０】すなわち、本発明の容器は、ガスバリアー
性を有するシート体からなる容器本体1 に注出部3 と容
器本体1 内の収納部7 を隔離するべくシール部4 が形成
されているため、通常の場合には注出部3 と収納部7 は
シール部4 によって隔離されて、注出部3 が例えばガス
バリアー性のない材質から形成されていても、収納部7
に該注出部3 から空気が侵入することを防止することが
できる。

【００１１】また、該シール部４は被収納物8 を取り出
す際には容易に剥離できる程度の強さにシールされてい
るため、被収納物８を取り出す場合には、例えば容器本
体1の外面を押圧して、被収納物８の移動によってシー
ル部４に強く圧力をかけて該シール部４を剥離して注出
部3 から被収納物8 を取り出すことが容易にできる。

【００１２】また、シール部4 側へ被収納物8 が移動す
ることによってシール部4 に加わる力を緩和すべく固定
シール部5 が容器本体1 に形成された場合には、容器本
体1が軽く押圧された程度では、シール部４側に被収納
物8 が移動する勢いが該固定シール5 によって緩和され
るためシール部4 側に加わる力が緩衝されて伝わりシー
ル部4 が剥離しにくい。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面を参照しながら説明する。まず、図１及び図２に
示す１は可撓性を有する２片のシート体1a,1b の三方縁
部２がヒートシールされて袋状に形成されている容器本
体で、該容器本体１の上部縁部には、該容器本体１内に
充填されている被収納物（本実施の形態では飲料８）を
取り出す注出口部3bが設けられた注出部３が取り付られ
ている。

【００１４】容器本体１を形成する２片のシート体1a,1
b は可撓性を有し、且つガスバリアー性を有するもので
あればその材質は特に限定されるものではなく、一般的
に飲料や食品等の包装体等として通常使用される材質の
フィルムシート等であればどのような材質であってもよ
い。例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ルフィルムやポリアミドフィルム等と、ガスバリアー性
を有するアルミホイルやエチレンビニルアルコール共重
合体フィルムや無機物を蒸着したフィルム等を積層した
フィルムが使用できる。また、該積層フィルムの最内面
層は直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系やポ
リプロピレン系等の熱融着性樹脂より形成されているこ
とが好ましい。

【００１５】該容器本体１の表面側のフィルムには商品
名や任意のデザイン等が印刷によって施されていてもよ
い。

【００１６】注出部３は、図３に示すように、上記容器
本体１の上端縁部６を偏平状にヒートシールすることに
より封着する際に同時に挟持され中央部に管状の注出口
部3bが設けられた取付け部3aと、該注出口部3bに螺合す
る等着脱自在に冠着された蓋体９とからなり、取付け部
3a及び注出口部3bはポリプロピレンやポリエチレン等の
容器本体１を形成するシート体1a,1b の内面と熱接着性
を有する合成樹脂から一体成形されている。該ポリプロ
ピレンやポリエチレン樹脂はガスバリアー性はそれ程高
くはないが、成形加工性及び熱融着性が良いため注出部
３の材料として適している。

【００１７】４は、容器本体１の上部において帯状に２
片のシート片1a,1b がヒートシールされているシール部
で、該シール部４は容器本体１の飲料と注出部３を隔離
するように容器本体１の幅方向に亘って帯状に設けられ
ている。

【００１８】該シール部４のシール強度は、例えば容器
本体１を押圧して飲料８が該シール部４側に移動するこ
とでシール部４に強い圧力が加わった時には容易に剥離
される程度の弱シールに形成される。

【００１９】シール部４のシール強度を弱くする方法と
しては、例えば該シール部４が形成される位置の容器本
体１のシート片1a,1b の裏面側にシート片1a,1b の内面
樹脂と易剥離性のヒートシール性を有する合成樹脂フィ
ルムを介在させてからシールしたり、シート片1a,1b の
内面樹脂のヒートシール性（接着力）を弱めるようなコ
ーティング剤を塗布したり、或いはシール温度や圧力を
調整する等の方法でヒートシール強度を調整すること等
がある。但し、該シール部４は酸素等を透過させないよ
うに確実に接着されることが必要である。

【００２０】５は、該シール部４より下方にハの字状に
形成された２本のシール部からなる固定シール部で、該
固定シール部５は、容器本体１が押圧された場合にシー
ル部４側へ飲料８が勢いよく移動することを阻止してシ
ール部４へ加わる圧力を緩衝し、またシール部４付近が
大きく膨らむことを防止して、シール部４を剥離する方
向の力が強く作用しないするように形成されている。該
固定シール部５のシール強度は前記シール部４のシール
強度より強くシールされている。

【００２１】次に、このような構成からなる容器を飲料
用容器10として使用する場合について説明する。該飲料
用容器10は、通常の状態では注出部３と飲料８はシール
部４によって隔離されているため、注出部３が上記ポリ
エチレン等のガスバリアー性の低い材質からなる場合に
も飲料８が注出部３を通して空気に接触することを防止
できる。

【００２２】そして、例えば流通時等に該飲料用容器10
の容器本体１が不用意に押圧されたりすること等がある
が、この場合、軽く押圧された程度では、図４に示すよ
うに飲料８は、シール部４に直接勢いよく圧力を加わる
ことなく、また前記固定シール部５によって飲料８の移
動でシール部４付近が大きく膨らむことを阻止できるた
め、上述のようにシール部４を剥離する方向の力が強く
作用しない。

【００２３】従って、不用意に軽く押圧された程度では
固定シール部５によって、シール部４に加わる圧力は減
少され、シール部４は剥離することがなく収納部７内の
ガスバリアー性は確保できる。

【００２４】次に、容器本体１の注出口部3bから内部の
飲料８を取り出す場合には、容器本体１を強く押圧して
２本の固定シール部５の間や側方部の非シール部分から
勢いよく飲料８をシール部４側へ移動させる。押圧力が
ある程度強ければ該シール部４は上述のように弱シール
に形成されているため、シール部４は剥離して収納部７
は注出部３と連通される。

【００２５】この状態で注出口部3bの蓋体９を取り外せ
ば、注出口部3bから被収納物である飲料８を注ぎ出し
て、或いは吸い出すことができる。

【００２６】このように、上記飲料用容器10は通常の状
態ではシール部４によって注出部３を通った酸素が収納
部７内に侵入することを防止できるとともに、軽く押圧
された程度では固定シール５によってシール部４が不用
意に剥離することを防止できる。従って、使用前には飲
料８が酸素と接触することを略確実に防止でき、さらに
飲料８を取り出す際には簡単にシール部４を剥離して注
出部３から取り出すことができる。

【００２７】尚、上記実施の形態ではシール部４とし
て、容器本体１の幅方向に亘って直線状のシール部を１
本形成して、注出部３と収納部７とを隔離したが、例え
ば曲線状にシールしてもよく、その形状は特に限定され
るものではない。

【００２８】また、上記実施の形態では容器本体１内に
被収納物として飲料を充填し飲料用容器として形成した
が、飲料用容器としての用途以外にも、例えば点滴薬や
ドリンク剤等の医薬品用の容器や、スープやカレールー
等のレトルト食品用の容器としても使用することができ
る。

【００２９】特に、レトルト食品や医薬品等を収納する
場合に、注出口より酸素が侵入すると長期間保存するこ
とが困難であるが、上記のようにシール部４によって確
実にガスバリアー性を維持しているため品質を長期間維
持することが可能となる。このようなレトルト殺菌を行
う場合には、レトルト殺菌時に高圧をかける等してて殺
菌装置内の圧力変化等が起きるが、このような圧力変化
等に対しても前記固定シール部５によってシール部４が
不用意に剥離することを防止できる。

【００３０】さらに、上記実施の形態では固定シール部
５をハの字状の２本のシール部から形成したが、固定シ
ール部５の形状はハの字状に形成されることは条件では
なく、図５（イ）に示すように間隔を有して設けられた
複数の線状のシール部や、或いは図５（ロ）に示すよう
な点状のシール部として形成されていてもよい。

【００３１】また、該固定シール部５を形成することも
条件ではなく、注出部３と収納部７を隔離するシール部
４のみが形成されていてもよい。

【００３２】さらに、上記実施の形態では包装体本体１
を２片のシート片1a,1b の４方をシールして袋状に形成
したが、容器本体１の形状はこれに限定されるものでは
なく、例えば２枚のシート片の間に底面部としてシート
片よりなるガゼットを有する自立可能な容器や、或いは
チューブ等の容器であってもよく容器本体１の形状はこ
れに限定されるものではない。

【００３３】また、上記実施の形態では、包装体本体１
と注出部３を上部端縁部６において熱融着して取り付け
たが、この包装体本体１と注出部３の取付手段はこれに
限定されるものではなく、例えば接着剤を介して接着し
て取り付けてもよく、或いは超音波シール等の公知の取
付手段を適宜選択して使用できる。

【００３４】さらに、上記実施の形態では、容器本体１
としてアルミホイル等と合成樹脂フィルムのラミネート
シート等の積層シートを使用したが、ガスバリアー性を
有するものであれば単層のシート体であってもよい。

【００３５】また、上記実施の形態では、注出部３を取
付部3aと注出口部3bとから形成したが、注出部３の形状
もこれに限定されるものではなく、要は容器本体１のシ
ート体と接着可能な材質からなり、内部の被収納物を取
り出し可能な注出部３であればよい。

【００３６】さらに、上記実施の形態では容器本体１の
上部に注出部３を取り付けたが、該注出部３は下方や側
方部や、或いは図５（ロ）（ハ）に示すようにシート片
1aの面上に取り付けられていてもよい。要は、注出部と
収納部が隔離されるようなシール部が形成されていれば
よく、注出部３を取り付ける位置はこれに限定されるも
のではない。

【００３７】

【発明の効果】叙上のように、本発明は、シール部によ
って注出部と収納部が隔離されているため、容器本体に
取り付けられた注出部がガスバリアー性の低い材質から
形成されている場合でも、容器本体内への酸素等の侵入
を防止して長期間被収納物を酸素に接触させることなく
保存することができるガスバリアー性の高い容器を簡単
に得ることができる。従って、食品や薬品等、特に酸素
に触れない状態で保管されることが必要な液体や粘体等
を収納して保存する容器として特に適している。

【００３８】また、固定シール部を設けた場合は、軽く
押圧された程度ではシール部が剥離しないため、容器の
使用前に不用意にシール部が剥離してガスバリアー性が
低下することがなく、より確実にガスバリアー状態を維
持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の容器の実施の形態の一例を示す正面
図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】容器の注出部付近を示す要部拡大斜視図。

【図４】容器本体を軽く押圧した状態を示す断面図。

【図５】（イ）は他の実施の形態の容器を示す正面図、
（ロ）は他の実施の形態の容器を示す正面図、（ハ）は
（ロ）のＢ−Ｂ線断面図。

【図６】従来の容器を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 容器本体 ３ 注出部 ４ シール部 ５ 固定シール部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスバリアー性を有する可撓性シートか
   ら形成され内部に被収納物(8) が収納される収納部(7)
   が形成された容器本体(1) に、前記収納部(7)から被収
   納物(8) を取り出し可能な注出部(3) が取り付けられて
   いる容器において、前記容器本体(1) に、前記注出部
   (3) と収納部(7) を隔離するべくシール部(4) が形成さ
   れており、且つ該シール部(4) が被収納物(8) を取り出
   す際には容易に剥離できる程度の強度でシールされてい
   ることを特徴とする容器。
2. 【請求項２】 前記容器本体(1) に、前記シール部(4)
   側への被収納物(8) の移動によって加わる力を緩和させ
   るべく固定シール部(5) が設けられてなる請求項１に記
   載の容器。