JPH10146868A - 射出成形筒体、その製造方法及びそれを用いた棒状化粧材繰出容器 - Google Patents

射出成形筒体、その製造方法及びそれを用いた棒状化粧材繰出容器

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JPH10146868A
JPH10146868A JP32334796A JP32334796A JPH10146868A JP H10146868 A JPH10146868 A JP H10146868A JP 32334796 A JP32334796 A JP 32334796A JP 32334796 A JP32334796 A JP 32334796A JP H10146868 A JPH10146868 A JP H10146868A
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JP
Japan
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cylinder
cylindrical body
injection
molded
mold
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JP32334796A
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English (en)
Inventor
Atsushi Oba
淳 大庭
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Suzuno Kasei Co Ltd
Original Assignee
Suzuno Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内孔にメネジ状突起やアンダーカット部を有
するプラスチック製の射出成形筒体を、低コストで提供
する。 【解決手段】 本発明の射出成形筒体105は、筒体内
孔に、軸方向に1山のみ形成されたメネジ状突起133
を有する。そして、このメネジ状突起133が、筒体内
孔の両端から挿入される2本の金型コアピンの先端面間
の隙間にプラスチックを射出することにより形成されて
いる。コアピンを回転抜き出しする必要がないので、金
型コストが安く、また生産性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内孔にメネジ状突
起やアンダーカット部を有するプラスチック製の射出成
形筒体及びその製造方法等に関する。さらには、そのよ
うな射出成形筒体を有する棒状化粧材繰出容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内孔にメネジを有する筒体を射出成形す
る場合には、オネジ状の外周形状を有するコアピンを用
いて成形し、このコアピンを回転抜き出しすることによ
って製品を取り出している。あるいは、筒体の剛性が低
いときは、無理抜きといわれるコアピンを回転させずに
真っ直ぐに抜く方法も行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のコアピン回転抜
き出し法は、金型が複雑になるとともに生産性が低いと
いう問題点がある。また無理抜き法は製品によっては適
用できない場合も多い。
【0004】本発明は、内孔にメネジ状突起やアンダー
カット部を有するプラスチック製の射出成形筒体であっ
て、低コストで製造できる射出成形筒体を提供すること
を目的とする。また、そのような射出成形筒体の製造方
法、及び、そのような射出成形筒体を有する棒状化粧材
繰出容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の射出成形筒体は、 筒体内孔に、軸方向に
1山のみ形成されたメネジ状突起を有し、 このメネジ
状突起が、該筒体内孔の両端から挿入される2本の金型
コアピンの先端面間の隙間にプラスチックを射出するこ
とにより形成されていることを特徴とする。本発明の射
出成形筒体の製造においては、コアピンを回転抜き出し
する必要がないので、金型コストが安く、また生産性が
高い。
【0006】本発明の射出成形筒体の製造方法は、 射
出成形によって、内孔に軸方向に1山のみ形成されたメ
ネジ状突起を有する筒体を製造する方法であって; 該
筒体内孔となるキャビティー空間の両端から2本の金型
コアピンを該空間内に挿入し、 該2本のコアピンの先
端面間に隙間を設けておき、この隙間にプラスチックを
射出することにより上記メネジ状突起を形成することを
特徴とする。
【0007】本発明の射出成形筒体を用いた棒状化粧材
繰出容器は、 棒状化粧材の進退する内孔を有する先筒
と、 この先筒に対して軸方向に連結された、該軸回り
に相対的に回動自在の本体筒と、 先筒及び本体筒内に
軸方向摺動自在に収められた、棒状化粧材を軸方向に駆
動する押棒と、 を備えた棒状化粧材繰出容器であっ
て; 上記本体筒が、上記押棒外面に設けられているオ
ネジと螺合する、該筒体内孔に軸方向に1山のみ形成さ
れたメネジ状突起を有する射出成形筒体からなり、 こ
のメネジ状突起が、該筒体内孔の両端から挿入される2
本の金型コアピンの先端面間の隙間にプラスチックを射
出することにより形成されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の1実施例に係る
射出成形筒体の一部破断斜視図である。この図の筒体1
05は、全体としては細長い円筒形をしている。筒体1
05の内孔の両端部には、それぞれ環状凹部125と1
25′とが形成されている。これらの環状凹部は、この
筒体105に連結される部品の係合凹部としての役割を
果す。
【0009】筒体105の内孔中段部にはメネジ部13
1が、段状に内部に突出するように形成されている。そ
して、このメネジ部131の中段部にはメネジ状突起1
33が突設されている。このメネジ状突起133は、2
条ネジでそれぞれ半円周近くスパイラル状に延びてい
る。なお、メネジ状突起133が半円周に到らないでフ
ラットなままの部分(ネジ欠落部134)も少々残され
ている。
【0010】図2は、図1の射出成形筒体の射出成形金
型を示す側面断面図である。同図の中央・下半部に射出
成形筒体(成形体105)が存在する。成形体105の
周囲は金型である。
【0011】成形体(射出成形筒体)105は、中空円
筒状であり、その軸方向は図1の上下方向(符号を読め
るように見て)に伸びている。成形体105の中空部
(内孔)の中段には、上述のように、メネジ部131及
びメネジ状突起133が内側に出っ張ている。成形体1
05の内孔の上端部付近には、リング状の溝である環状
凹部(先端側アンダーカット部)125が形成されてい
る。また、成形体105内孔の下端部付近にも環状凹部
(後端側アンダーカット部)125′が形成されてい
る。
【0012】成形体105の外側左右はキャビティ型で
ある割型15及び15′である。両割型15、15′に
よって成形体105の側面外周が成形される。成形体1
05の中心部(内孔)に入っているのは、コアピンA1
1及びコアピンB13である。両コアピン11、13に
よって成形体105の内孔及びメネジ状突起133が成
形される。
【0013】割型15、15′は、成形体105の軸中
心を含む図2の紙面に垂直な面で左右に割れている。割
型15、15′の左右側方には、斜め上下方向に開けら
れたピン穴18、18′が形成されている。このピン穴
18、18′には、傾斜ピン17、17′が嵌合してい
る。後で詳しく説明するが、射出成形後の型開き時に傾
斜ピン17、17′は動かず、一方、割型15、15′
は図の下方向に移動する。その際、傾斜ピン17、1
7′の傾斜の分だけ、割型15、15′は開きながら移
動することとなる。なお、図示はされていないが、キャ
ビティの付近には、冷却水の通る穴がもうけられてい
る。
【0014】コアピンA11は、成形体105の内孔の
メネジ状突起133より上側を成形するコアピンであ
る。コアピンA11は、その上端に接続されているコマ
19と一体となっている。コアピンA11の上端部付近
には、リング状の突出部である環状凸部35が形成され
ている。この環状凸部35によって、成形体105の内
孔の環状凹部125が成形される。
【0015】コマ19は板状の部材である。コマ19
は、前述のようにコアピン11と一体となって動く。コ
マ19には、スプール28の穴が左右2ケ所開けられて
いる。このスプール28を通じて、樹脂がキャビティ内
に打ち込まれる。スプール28の下端は、絞られたゲー
ト29となっている。型開き時には、割型15とコマ1
9との間が開いて、ゲート29で成形体105とスプー
ル28が切れるようになっている。
【0016】コマ19の上面は、左右2本のバネ27に
よって、下方向に押されている。このバネ27は、コマ
19(及びコアピン11)を下方向に付勢しており、型
開き時に、成形体105の下方向への移動に合わせて、
コアピン11を下に送る。バネ27は、ダイプレートB
25に開けられた穴の中に収められており、上端は、ダ
イプレートA23の下面に当接している。
【0017】コマ19の左右には上下に延びる穴20が
開けられている。穴20は、上部の比較的細い穴20b
と、下部の比較的太い穴20aの2段構造となってい
る。この穴20には、ストップボルト21が通されてお
り、後述するように、コマ19の下方向への移動を一定
量で制止するようになっている。
【0018】ストップボルト21は、平頭22を下にし
て、穴20の中に、下から上に向かって差し込まれてい
る。ストップボルト21の上端には、ナット26がネジ
込まれている。ストップボルト21は、ダイプレートB
25との関係では固定されている。ストップボルト21
の外径と、コマ19の穴20bとの間はスキマがあっ
て、コマ19はストップボルト21に対して、上下方向
に摺動できる。ただし、ストップボルト21下端の平頭
22の上面と、穴20aの奥面とが当接した時点で、両
者の摺動(コマ19の移動)は制止される。
【0019】ダイプレートB25は、一枚物のダイプレ
ートである。コマ19を収納する凹部や、バネ27を収
納する穴、ストップボルト21を収納する穴、傾斜ピン
17の通る穴、スプール28等が加工されている。ダイ
プレートA23は、ダイプレートB25の上部にくるダ
イプレートである。型開き時には、ダイプレートA2
3、ダイプレートB25、傾斜ピン17は、固定された
ものと考えることができる(固定側金型3、ただし、ラ
ンナーを取出すためのランナー切板がありスプールを取
り出すための工夫がなされているスリープレート方式の
金型である)。一方、割型15から下は、型開き方向で
ある下方向へ移動する(移動側金型5)。
【0020】コアピンB13は、成形体105の内孔の
メネジ状突起133より下側を成形するコアピンであ
る。コアピンB13の下端部付近には、リング状の突出
部である環状凸部45が形成されている。この環状凸部
45によって、成形体105の内孔の環状凹部125′
が成形される。コアピンB13は、ダイプレートC16
bとともに動く。型開きの最集段階でストリッパープレ
ート16aとダイプレートC16bとの間が開き、成形
体105がコアピンB13から離型される。
【0021】次に、図2の金型の型開き付の動きについ
て説明する。図3は、図2の金型の型開き時の動きを示
す側面断面図である。(A)は成形終了時で型開き開示
前を示す。(B)は、型開き開始後、コマ19(コアピ
ンA11)が成形体105とともに下に下がった状態を
示す。(C)は、さらに移動側金型が下がり、コアピン
A11が成形体105から抜けつつある状態を示す。
(D)は、型が開き切って、コアピンB13も下に抜け
た状態を示す。なお、図3においては、理解しやすくす
るため、スプールを省略してある。
【0022】図3(A)は、前述のとおり、成形終了時
で型開き開示前を示す。固定側金型3と移動側金型5と
の間、割型15、15′と成形体105との間は閉じら
れている。成形体105は固まった状態である。
【0023】図3(B)は型開き開始後、コマ19及び
コアピンA11が成形体105とともに少し下に下がっ
た状態を示す。型開き時には、固定側金型3及び傾斜ピ
ン17の位置は変わらず、移動側金型5が下方(実際の
射出成形機では横)に移動する。この時、固定側金型3
と移動側金型5との間にはスキマxができている。割型
15、15′は、下に下がると同時に、傾斜ピン17、
17′に案内されて徐々に左右に開く。このため、成形
体105の外周面と両割型15、15′のキャビティ内
壁との間にスキマyができる。
【0024】図3(B)では、成形体105は移動側金
型5と共に少し下に下がっている。このとき、上側のコ
アピンA11が成形体105の動きに合わせて下に下が
っている。これが本実施例の1つの特徴である。すなわ
ち、コマ19及びコアピンA11が、バネ27に押され
ると共に、成形体105とコアピンA11との間の摩擦
力で引っ張られて下に移動している。
【0025】もしこのようにコアピンA11が下に移動
しないと、割型15、15′が十分に開ききらないうち
に、コアピンA11が成形体105から引き抜かれるこ
ととなるため、成形体105が外に弾性変形し得ない状
態でアンダーカット(環状凹凸)の無理抜きが行われる
こととなる。その結果、アンダーカット部が破壊され
る。なお、下側のコアピンB13は、元々、移動側金型
5と共に移動した後、最後に引き抜く構造のものが一般
的である。
【0026】図3(C)はさらに移動側金型が下がり、
コアピンA11が成形体105から抜けつつある状態を
示す。この段階では、コマ19は、ストップボルト22
によって、下へのさらなる移動が制止されている。しか
るに移動側金型5はさらに下へ移動するため、成形体1
05は、コアピンB13に引っ張られてさらに下に下が
る。したがって、成形体105とコアピンA11との間
に相対的に動きが生じ、コアピンA11が成形体105
の内孔から抜ける。その際成形体は外に弾性変形してア
ンダーカット部も損傷することはない。なお、コアピン
の抜け抵抗の大きい方を移動側金型側に配置する。
【0027】図3(D)は型が開き切って、コアピンB
13も下に抜けた状態を示す。この図は、移動側金型5
側のみを示す。移動側金型5と図示せぬ固定側金型との
間は大きく開いている。そして、下側のコアピンB13
が、ダイプレートC16bとともに下に下がっている。
そして、成形体105は、ストリッパープレート16a
によってコアピンB13からはがされて、移動側金型5
と固定側金型との間から射出成形機外に払い出される。
その後、再び移動側金型5は型閉めされ、次の成形が行
われる。
【0028】図4は、図2の射出成形金型のコアピンの
先端部を拡大して示す斜視図である。コアピンA11の
下端面の周縁には、スパイラル状の段部11c、11
c′が、左右に振り分けられて形成されている。両段1
1c、11c′は、ほぼ半円状分近く延びている。この
スパイラル状の段部11c、11c′にプラスチックが
射出成形されてメネジ状突起(図1の133)が形成さ
れる。
【0029】コアピンA11の先端面は、左右のスパイ
ラル状の面11aと11a′、及び中央部の尾根部11
bに分割されている。それぞれの面は、コアピンB13
の先端面のスパイラル状の面13a、13a′、及び中
央の谷部13bとぴったりと合う。ここで、コアピンB
13の面13a、13a′の周縁と、コアピンA11の
スパイラル段部11cとの間にはメネジ状突起形成用の
隙間が確保されている。この隙間にプラスチックを射出
成形することによりメネジ状突起(図1の133)を成
形する。
【0030】図5は、図1の筒体を有する両軸繰出式の
棒状材容器を示す図である。(A)は側面断面図であ
り、(B)は(A)のB−B断面の縦断面図であり、
(C)は変形例に係る押棒の側面図である。図5の両軸
繰出式棒状材容器100は、図の上から下に向かって、
端筒A101、押棒103(両端チャック一体物)、中
間筒105、端筒B107及びOリング108の5部品
で構成されている。
【0031】端筒A101は、内孔111を有するパイ
プ状の部品である。上半分が肉厚のつまみ部120とな
っており、下半分が中間筒105への挿入部127とな
っている。内孔111内は、チャックA117が軸方向
に摺動する。チャックA117に保持される棒状化粧材
(図示されず)は、先端口110から繰り出し・引き込
みされる。内孔111内には、軸方向に延びる同期係合
溝113が切られており、この溝113内を、押棒10
3外面に突設されている舟型突起122が軸方向に摺動
し、端筒A101と押棒103とが同期係合(一般的に
は回動不能・軸方向摺動自在)する。なお、内孔111
は、先端口110の手前で細くなる。また、同期係合溝
113は、内孔110の手前で途切れている。
【0032】端筒101の挿入部127は、上述のよう
に、中間筒105の連結部126の内孔内に挿入され
る。両者の挿入部(連結部)には、環状の凹凸125が
形成されており、両筒101と105を回動自在に連結
する。なお、中間筒105の先端と端筒A101の段部
123との間は軽く接触するかわずかに隙間が開く程度
である。図の下部に示されている端筒B107は、端筒
A101とほぼ対称でほぼ同一形状・寸法である。図
中、同じ数字にダッシュのついた符号で示す部品・部分
は同じものである。端筒B107が端筒A101と異な
るのは、内孔111′が、図5(B)に示されているよ
うな楕円形である点である。
【0033】押棒103は、その上端部にチャックA1
17が、その下端部にチャックB117′が一体に成形
されており、その他の外周部分は全長にわたって舟形突
起122が突設されている。押棒103の外周には、舟
型の突起122が180°振り分けで2列設けられてい
る。これらの突起122は、図の中段部においては、中
間筒105内面のメネジ状突起133と螺合している。
そして、同部以外においては、端筒101、107内孔
の同期係合縦溝113に係合している(入り込んでい
る、図5(B)参照)。つまり、同じ一群の突起122
が、メネジ状突起133と螺合するオネジの役割と、同
期係合縦溝113と係合する縦リブの役割の双方を果し
ているのである。このような一群の突起122は、押棒
103をプラスチック射出成形で作る場合、金型の加工
が楽である。また、細かいピッチのネジの場合もアンダ
ーカットとならず割り型で成形できる。
【0034】舟形とは、長手方向の前と後ろが船の舳先
のように細くなっているとの意味である。このようにな
っていると、突起がメネジ状突起とかみ合う時に、引っ
かかりなくスムーズにかみ合う。特に、メネジ部を軸方
向に見た時にメネジ状突起の存在しないネジ欠落部があ
る場合は、この効果は大きい。舟形突起の長さをネジ欠
落部の巾よりも長くしておけば、常に螺合が外れること
なく、ネジのかみ合いがスムーズで、カチカチ音がした
り回転が引っかかるようなことがない。なお、舟型突起
122と90°振り分けで他の突起を設けて螺合をより
スムーズにすることもできる。
【0035】中間筒105は、全体として細長いパイプ
状のものである。上下方向の中段部は、肉厚のメネジ部
131となっており、メネジ状突起133が形成されて
いる。このメネジ状突起133は、上述のように、押棒
103の舟形突起122と螺合する。この実施例の特徴
は、メネジが軸方向に1山のみ形成されたメネジ状突起
133であることである。その場合には、上述の射出成
形法により、好ましい形状のネジを有する、長尺中空体
である中間筒105を高能率に製造できる。すなわち、
中間筒の射出成形に際して、中間筒105の上方と下方
から、2本のコアピンを挿入し、そのコアピンの端面間
にメネジ状突起133に対応する隙間をあけておいて、
メネジ状突起133を形成するのである。そうすれば、
コアピンを回転抜きする必要がない。ここで、メネジ状
突起133では螺合する押棒突起122の数が少なくな
って、あるいはネジの欠落部(図1の符号134)が生
じて、螺合がスムーズでなくなるおそれもあるが、その
点は突起122を舟型として改善している。
【0036】図1の両軸繰出式棒状材容器100の一般
的な組立て手順は次のとおりである。 押棒103を中間筒105内に下から挿入してネジ
込む。 端筒A101、端筒B107を、それぞれ中間筒1
05に差し込む。このとき、舟形突起122を端筒の同
期係合溝113に合わせる。
【0037】組み立て後、それぞれの端筒101又は1
07と中間筒105とを相対的に回動させる(例えばど
ちらかを固定しどちらかを回す)と、端筒と同期係合し
ている押棒103と中間筒のメネジ状突起133とが回
って押棒103が繰り出し・引き込みされる。なお、押
棒103は1本物であるので、棒状化粧材の片方が繰り
出されるときは他方は引き込まれる。
【0038】なお、本実施例の棒状化粧材繰出容器にお
いては、下側の端筒107の挿入部127′外面に切ら
れた溝144に、Oリング108が組み込まれている。
Oリング108によって、中間筒と端筒との間に、適度
な回動摩擦を付与し、部品間のガタ付きをなくして高級
感を出すことができる。また、ネジのリード角が立って
いるときは、いわゆるカップダウン(棒状化粧材が押さ
れると引っ込む)が起きやすいが、このOリングはその
防止効果もある。
【0039】押棒103の下端のチャック117′は、
その他の押棒の部分よりも一段太くなっており、その根
元は段部124となっている。この段部124は、押棒
103が図の上に進んだときに、メネジ状突起133の
下端面に当接して押棒の上昇限が定まる。
【0040】本棒状化粧材繰出容器においては、図5
(C)に示すように、チャック117の根元にベンドス
トッパー141を設けて、このベンドストッパーをメネ
ジ状突起133に当接させて押棒103の下降限を定め
ることとしてよい。すなわち、図5(C)の変形例の押
棒においては、押棒103の上端のチャック117の根
元には、その他の押棒の部分よりも一段外に突出するベ
ンドストッパー141が形成されている。このベンドス
トッパー141は、押棒103が図の下方に進んだとき
に、メネジ状突起133の上端面に当接して押棒の下降
限が定まる。
【0041】このベンドストッパー141のある押棒の
部分には、スリット穴143が開けられており、ベンド
ストッパーに外から内側に力がかかると、ベンドストッ
パー141は内側にベンドする。一方、ベンドストッパ
ーの下から上に力がかかった時には、ベンドストッパー
141は、ほぼそのままの形態を維持する。したがっ
て、このベンドストッパー141は、組立時に押棒10
3がメネジ状突起133を通る際には内側にベンドして
支障なく通過し、その組立後には元の形態に復帰して、
ベンドストッパー141がメネジ133を通過できなく
なる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は以下の効果を発揮する。 射出成形筒体の製造においては、コアピンを回転抜
き出しする必要がないので、金型コストが安く、また生
産性が高い。 射出成形と同時に、すなわち後加工なしで、複数の
アンダーカット部を内孔に形成することもできる。 そのような射出成形筒体を有する、経済的で多機能
の棒状化粧材繰出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る射出成形筒体の一部破
断斜視図である。
【図2】図1の射出成形筒体の射出成形金型を示す側面
断面図である。
【図3】図2の金型の型開き時の動きを示す側面断面図
である。
【図4】図2の射出成形金型のコアピンの先端部を拡大
して示す斜視図である。
【図5】図1の筒体を有する両軸繰出式の棒状材容器を
示す図である。(A)は側面断面図であり、(B)は
(A)のB−B断面の縦断面図である。
【符号の説明】
1 射出成形金型 3 固定側金型 5 移動側金型 11 コアピンA 11a スパイラル面 11b 尾根部 13 コアピンB 13b 谷部 13a スパイラル面 15 割型(キャビ
ティ型) 16a ストリッパープレート 16b ダイプレー
トC 17 傾斜ピン 18 ピン穴 19 コマ 20 穴 21 ストップボルト 22 平頭 23 ダイプレートA 25 ダイプレート
B 26 ナット 27 バネ 28 スプルー 29 ゲート 31 上端 33 環状凹部 35 環状凸部 37 フランジ部 43 環状凹部 45 環状凸部 100 棒状化粧材容器 101 端筒A 103 押棒 105 筒体(中
間筒) 107 端筒B 108 Oリング 110 先端口 111 内孔 113 同期係合溝 115 凹部 117 チャックA 119 バット 120 つまみ部 121 オネジ 123 段部 125 環状凹凸 126 連結部 127 挿入部 131 メネジ部 133 メネジ状
突起 134 ネジ欠落部 141 芯軸 142 芯穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 23:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形によって成形された筒体であっ
    て;該筒体内孔に、軸方向に1山のみ形成されたメネジ
    状突起を有し、 このメネジ状突起が、該筒体内孔の両端から挿入される
    2本の金型コアピンの先端面間の隙間にプラスチックを
    射出することにより形成されていることを特徴とする射
    出成形筒体。
  2. 【請求項2】 各コアピンの成形部のそれぞれに、同時
    成形されたアンダーカット部が形成されている請求項1
    記載の射出成形筒体。
  3. 【請求項3】 射出成形によって、内孔に軸方向に1山
    のみ形成されたメネジ状突起を有する筒体を製造する方
    法であって;該筒体内孔となるキャビティー空間の両端
    から2本の金型コアピンを該空間内に挿入し、 該2本のコアピンの先端面間に隙間を設けておき、この
    隙間にプラスチックを射出することにより上記メネジ状
    突起を形成することを特徴とする射出成形筒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 該筒体は、各コアピンの成形部にそれぞ
    れアンダーカット部を有し、 射出成形後、筒体外周部が開放された後に、先端側コア
    ピンを先端方向へ、後端側コアピンを後端方向に抜く請
    求項3記載の射出成形筒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 筒体の外周部を成形するための割型形式
    のキャビティ型を有する射出成形金型を用いる請求項3
    又は4記載の射出成形筒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 棒状化粧材の進退する内孔を有する先筒
    と、 この先筒に対して軸方向に連結された、該軸回り
    に相対的に回動自在の本体筒と、 先筒及び本体筒内に
    軸方向摺動自在に収められた、棒状化粧材を軸方向に駆
    動する押棒と、 を備えた棒状化粧材繰出容器であっ
    て;上記本体筒が、上記押棒外面に設けられているオネ
    ジと螺合する、該筒体内孔に軸方向に1山のみ形成され
    たメネジ状突起を有する射出成形筒体からなり、 このメネジ状突起が、該筒体内孔の両端から挿入される
    2本の金型コアピンの先端面間の隙間にプラスチックを
    射出することにより形成されていることを特徴とする棒
    状化粧材繰出容器。
  7. 【請求項7】 棒状化粧材の進退する内孔を有する先筒
    と、 この先筒に対して軸方向に連結された、該軸回り
    に相対的に回動自在の本体筒と、 先筒及び本体筒内に
    軸方向摺動自在に収められた、棒状化粧材を軸方向に駆
    動する押棒と、 を備えた棒状化粧材繰出容器であっ
    て;上記本体筒が、上記押棒外面に設けられているオネ
    ジと螺合する、該筒体内孔に軸方向に1山のみ形成され
    たメネジ状突起を有する射出成形筒体からなり、 このメネジ状突起が、該筒体内孔の両端から挿入される
    2本の金型コアピンの先端面間の隙間にプラスチックを
    射出することにより形成されており、 また、上記本体筒における各コアピンの成形部のそれぞ
    れに、同時成形されたアンダーカット部(先端側アンダ
    ーカット部及び後端側アンダーカット部)が設けられて
    おり、 先端側アンダーカット部は、上記先筒との連結部を構成
    し、 後端側アンダーカット部は、両軸繰出し式の場合は他方
    の先筒との連結部を、それ以外の場合には尾栓やブラシ
    等の本体筒付属品との連結部を構成することを特徴とす
    る棒状化粧材繰出容器。
  8. 【請求項8】 上記本体筒が、軸方向に繰出し可能な押
    棒を備えた容器本体であり、 上記先筒が、この容器本体の先端に着脱自在に取付けら
    れたカートリッジである請求項7又は8記載の棒状化粧
    材繰出容器。
JP32334796A 1996-11-20 1996-11-20 射出成形筒体、その製造方法及びそれを用いた棒状化粧材繰出容器 Pending JPH10146868A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300971A (ja) * 2000-04-25 2001-10-30 Kuraray Plast Co Ltd 筒状射出成形体および射出成形型
JP2005169163A (ja) * 2003-12-08 2005-06-30 Shoei Kurotaki 棒状部材の連結機構
CN109016363A (zh) * 2018-06-09 2018-12-18 张强 一种内螺纹分型机构脱模机构
JP2021169166A (ja) * 2020-04-15 2021-10-28 中西金属工業株式会社 ストラットベアリングの上側ケースの製造方法、及びストラットベアリング

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