JPH10146189A - 新規な遺伝子およびそれを用いた組換えタンパク質の製造方法 - Google Patents

新規な遺伝子およびそれを用いた組換えタンパク質の製造方法

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JPH10146189A
JPH10146189A JP8304942A JP30494296A JPH10146189A JP H10146189 A JPH10146189 A JP H10146189A JP 8304942 A JP8304942 A JP 8304942A JP 30494296 A JP30494296 A JP 30494296A JP H10146189 A JPH10146189 A JP H10146189A
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dna
sequence
protein
chm
amino acid
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JP8304942A
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Yuji Kai
祐司 開
Kazunobu Takahashi
和展 高橋
Akito Uesono
昭人 上園
Atsushi Kondo
淳 近藤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な骨、軟骨疾患に対し効果が期待される
コンドロモジュリン−IIタンパク質をコードするDN
Aを提供する。 【解決手段】 下記の理化学的性質を有することを特徴
とするコンドロモジュリン−IIタンパク質をコードす
るDNA。 (1)1種のポリペプチドから構成される水溶性タンパ
ク質であってSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
による分子量が約16KDである。 (2)破骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
おいて増殖させる活性を有する。 (3)軟骨細胞に対し分化機能を促進させる活性を有す
る。 (4)軟骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
おいて増殖させる活性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟骨細胞増殖活性
を有するタンパク質(以下、該タンパク質を「ChM−
IIタンパク質」または「コンドロモジュリン−IIタ
ンパク質」あるいは単に「ChM−II」または「コン
ドロモジュリン−II」と略記することがある。またコ
ンドロモジュリンを単に「ChM」と略記することがあ
る)をコードするDNA(以下、「ChM−II遺伝
子」と略記することがある)、該遺伝子を含有してなる
発現ベクター、該発現ベクターで形質転換された形質転
換体、および、該形質転換体を用いたコンドロモジュリ
ン−IIの産生方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】哺乳
類の大部分の骨(頭蓋骨等の平板な骨は除く)は胎児期
にまず軟骨原基が出現した後、軟骨細胞の増殖と分化、
プロテオグリカンや2型、9型、10型コラーゲン等の
軟骨原基の産生を経て、毛細血管の侵入と共に軟骨原基
が分解して、基質小胞を中心とする石灰化が始まり、最
後は骨に置換する、いわゆる「内軟骨性骨化」という仕
組みによって作られる。従って軟骨代謝は骨の形成、特
に長軸方向への伸長において非常に重要な役割を演じて
いる。
【0003】この一連の過程において種々のホルモンや
成長因子が関与している。この中にはインスリン様増殖
因子(IGF1、IGF2)、繊維芽細胞増殖因子(F
GF)、癌細胞増殖因子(TGF)、成長ホルモンなど
が含まれる。これらの他に軟骨細胞の増殖、分化機能の
促進作用を有する因子が軟骨中に存在する事が知られて
いた。例えば、コンドロモジュリン−I(ChM−I)
は、軟骨細胞のプロテオグリカン合成を促進し、DNA
合成能を高める作用を有していることが知られている。
【0004】骨折の治癒、各種軟骨疾患の治癒過程にお
いては軟骨細胞の増殖、分化機能の発現が重要である。
骨折治癒過程においては、骨折部位における炎症反応、
骨膜由来細胞の増殖に続き、軟骨細胞が出現、増殖し、
軟骨細胞外基質を合成した後に、石灰化し、骨組織に置
換されて骨折治癒が完成する。すなわち軟骨破壊、損傷
を伴う軟骨疾患からの回復過程においては軟骨細胞の増
殖が重要である事は明白である。
【0005】Peter J. Neameら[The Journal of Biolo
gical Chemistry, Vol.265, No.17,9628-9633(1990)]
は、牛軟骨より軟骨中に存在する構成タンパク質を同定
する目的でChM−Iと極めて類似したアミノ酸配列を
持つ糖タンパク質を分離した。しかし彼らはこのタンパ
ク質の生物学的機能の解明には至っていない。
【0006】本発明者らは先に、牛軟骨より作成したc
DNAライブラリーより牛ChM−I遺伝子をクローニ
ングし、動物細胞で発現させた。発現された組換え牛C
hM−Iは、精製された牛ChM−Iと同等の活性があ
る事が報告されている(欧州公開特許第473080号公
報)。
【0007】さらに本発明者らは、牛ChM−Iを、よ
り抗原性の低いものに作り換え、適用するためにヒトC
hM−I遺伝子を単離し、組み換えタンパク質を取得す
ることにも成功した(特開平7-138295)。
【0008】一方、本発明者らは、牛軟骨よりChM−
Iを単離する際に、逆相HPLCで分画する前段階の試
料に、ChM−Iと同様な活性を有する別の因子の存在
を確認し、これを別に単離同定した。そしてこの因子を
ChM−IIと命名し、そのアミノ酸配列の全構造を決
定した(特開平5-255398)。その活性は、軟骨細胞のプ
ロテオグリカン合成を促進させること、DNA合成能を
高めることに関してはChM−Iと変わらなかった。し
かし、ChM−IIは血管内皮細胞の増殖阻害活性を有
していない点でChM−Iと異なっていた。またChM
−IIは破骨細胞に対する増殖活性をも有することが判
明した。これらChM−IIタンパク質の性質は様々な
骨、軟骨疾患に対し効果が期待されるところであるが、
ChM−IIタンパク質を軟骨から商業的に単離精製す
る事は困難を伴い、大量かつ安価な生産手段の確立が望
まれた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、C
hM−IIを組換えDNA技術により大量に生産させる
べく鋭意検討を重ね、かかる目的に有用な新規なChM
−IIをコードする遺伝子を初めて分離取得し、さらに
この遺伝子を発現ベクターに組み込み形質転換体を得
て、その形質転換体により軟骨細胞増殖因子タンパク質
を大量に生産させることに成功し、本発明を完成するに
至った。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、下記の理化学
的性質を有することを特徴とするコンドロモジュリン−
IIタンパク質をコードするDNAに存する。 (1)1種のポリペプチドから構成される水溶性タンパ
ク質であってSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
による分子量が約16KDである。 (2)破骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
おいて増殖させる活性を有する。 (3)軟骨細胞に対し分化機能を促進させる活性を有す
る。 (4)軟骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
おいて増殖させる活性を有する。
【0011】上記DNAとして具体的には、前記コンド
ロモジュリン−IIタンパク質が、下記(A)又は
(B)に示すタンパク質であるDNAが挙げられる。 (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のう
ち、少なくともアミノ酸番号1〜133からなるアミノ
酸配列を有するタンパク質。 (B)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列のうち、
少なくともアミノ酸番号1〜133からなるアミノ酸配
列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若
しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、前記
(1)〜(4)に記載の性質を有するタンパク質。
【0012】上記DNAとしてさらに具体的には、下記
(a)又は(b)に示すDNAが挙げられる。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号187〜585からなる塩基配列を有
するDNA。 (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号187〜585からなる塩基配列を有
するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするDNA。
【0013】また本発明は、上記DNAを含有する組換
えベクター、上記DNAを含み、かつ、コンドロモジュ
リン−IIタンパク質の一部又は全部を発現し得る形質
転換体、上記形質転換体を培地で培養し、その培養物か
らコンドロモジュリン−IIタンパク質の一部または全
部を採取することを特徴とする、コンドロモジュリン−
IIタンパク質の一部または全部を製造する方法、及び
上記DNAによりコードされるコンドロモジュリン−I
Iタンパク質の一部または全部を有効成分とする医薬組
成物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明につき詳細に説明す
る。本発明のDNAがコードするタンパク質ChM−I
Iは、特開平5−255398号公報に記載されている
ように、以下のような理化学的性質を有するものであ
る。 (1)1種のポリペプチドから構成される水溶性タンパ
ク質であってSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による分子量
が約16KDである。 (2)破骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
おいて増殖させる活性を有する。 (3)軟骨細胞に対し分化機能を促進させる活性を有す
る。 (4)軟骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
おいて増殖させる活性を有する。
【0015】ChM−IIタンパク質は、配列表の配列
番号2においてアミノ酸番号1〜133で表されるアミ
ノ酸配列を有する。本発明のDNAによってコードされ
るChM−IIには、上記アミノ酸配列において、軟骨
細胞を増殖させる活性および軟骨細胞の分化機能を促進
する活性、さらに破骨細胞の増殖を促進する活性を損な
わない範囲で、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換
若しくは付加されたアミノ酸配列を有するものも含まれ
る。
【0016】本発明のDNAは、上記(1)〜(4)に
示す理化学的性質を有するChM−IIタンパク質をコ
ードするものであり、具体的には、配列番号2において
アミノ酸番号1〜133で表されるアミノ酸配列をコー
ドするDNAが挙げられる。本発明のDNAは、この配
列を有するものに限られず、配列番号2に示すアミノ酸
配列をコードするものは全て含まれる。さらに具体的に
は、例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列のう
ち、塩基番号187〜585で表される塩基配列を有す
るものが挙げられる。なお、配列表の配列番号1に示す
塩基配列は他の相補的な塩基配列を省略して一本鎖のみ
を記載した。
【0017】また、コードするChM−IIの活性を損
なわない範囲で、配列番号2に示すアミノ酸配列のう
ち、少なくともアミノ酸番号1〜133からなるアミノ
酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置
換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードするDNA
も、本発明に含まれる。このようなDNAの一態様とし
て、例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列のう
ち、少なくとも塩基番号187〜585からなる塩基配
列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするDNAであって、かつ、上記(1)〜
(4)に示す理化学的性質を有するChM−IIタンパ
ク質をコードするDNAが挙げられる。
【0018】本発明のDNAを用い、遺伝子組換え技術
を利用して例えば配列表の配列番号2に示すアミノ酸配
列を有するChM−IIタンパク質を発現することがで
きる。尚、ChM−IIタンパク質は、生体内ではシグ
ナル配列を含む前駆体として合成され、細胞から分泌さ
れる際にはシグナル配列が切断されて、成熟タンパク質
が産生される。配列番号2に示すアミノ酸配列は、前駆
体のアミノ酸配列であり、アミノ酸番号−15〜−1が
シグナル配列に相当し、1〜133が成熟タンパク質に
相当する。
【0019】本発明のDNAを利用してChM−IIタ
ンパク質を発現させる場合には、成熟タンパク質を直接
発現させてもよく、シグナル配列を含む前駆体として発
現させてもよい。その際、シグナル配列としてChM−
IIタンパク質固有のシグナル配列を用いてもよく、ま
た、他のタンパク質のシグナル配列を利用してChM−
IIタンパク質を産生させることも可能であり、この1
例が配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列である。す
なわち本発明のChM−IIをコードするDNAは、例
えば、配列表の配列番号1の他に、発現効率を向上させ
るアミノ酸配列、例えば、いわゆるシグナル配列に置き
換えた物あるいは発現を確認するために他のタンパク質
と読み枠が変わらないようにつなげた、いわゆるフュー
ジョンタンパク質として設計された物をコードするDN
Aも含まれる。
【0020】本発明においては、以下に示すような方法
で、上記DNA又はその一部を含有してなる発現ベクタ
ーを作製し、該発現ベクターで宿主細胞を形質転換さ
せ、該形質転換体を培地で培養し、その培養物からCh
M−IIタンパク質の一部または全部を採取することに
より、ChM−IIタンパク質の一部または全部(以
下、単に「組換えChM−IIということがある」)を
得ることができる。
【0021】本発明のChM−IIをコードするDNA
は、例えば、次のような方法によって得られる。まず本
発明のChM−IIをコードするDNAを含有するDN
Aライブラリーとしては、正常牛軟骨あるいは牛胎児全
体から調製してきたRNAを用いて公知の常法により作
成したプラスミドcDNAライブラリーもしくはファー
ジcDNAライブラリーもしくはファージゲノミックラ
イブラリーが利用できる。
【0022】例えば、ファージcDNAライブラリーの
場合、まず牛軟骨などの組織、あるいは牛胎児全組織を
液体窒素中で粉砕しグアニジンイソチオシアネート水溶
液等中でホモジナイズし、Chirgwinらの方法[Biochemi
stry Vol.18, 5294-5299(1979)]に従って塩化セシウム
平衡密度勾配遠心法によって全RNAを沈澱として分離
する。RNAの分離には市販のRNAzol(TelTest
社)などの抽出試薬を使用することもできる。分離後、
フェノール抽出、エタノール沈澱により全RNAを精製
し、これをオリゴ(dT)セルロースカラムクロマトグ
ラフィーにかけて精製して目的の牛ChM−IIタンパ
ク質のmRNAを含むポリ(A)含有mRNA(pol
y(A)+mRNA)を単離しmRNA群を得ることが
できる。
【0023】次に、上記で調製したmRNA群と、例え
ば、デオキシチミジンが12個から18個つながったい
わゆるOligo(dT)配列そのもの、あるいは[Na
tureVol.329, 836-838(1987)]に記載されているような
Oligo(dT)配列を含有するような合成DNAに
より構成されるプライマーDNAをハイブリダイズさ
せ、逆転写酵素により1本鎖cDNAを合成する。市販
のcDNAの合成キットにもこれに類する配列が利用さ
れている。例えばClontech社のMarathonTM cDNA Amplif
ication kitの例では配列番号8で表されるDNAによ
り構成されるプライマーDNAを利用しており、これを
用いてcDNAの合成を行うこともできる。その際、後
述するPCR反応にはその市販のプライマーに対するP
CR反応用の合成DNAが添付されているのでそれを用
いてPCR反応を行えば良い。また、前述の[Nature V
ol.329, 836-838(1987)]に記載されているようなプラ
イマーDNAを用いる場合にはその配列に相補的な配列
を設計し、PCR反応用のプライマーとしてあらかじめ
用意しておくと良い。次に大腸菌のDNAポリメラーゼ
I、大腸菌のDNAリガーゼ、RNaseHを用い常法
に従い2本鎖cDNAを合成する。次いで、T4DNA
ポリメラーゼによりcDNAの末端を平滑化した後、い
わゆるEcoRIアダプター等の、制限酵素により切断
された形をなすDNAの小断片をT4DNAリガーゼに
よりcDNA鎖の両末端に付加する。
【0024】この際、例えばEcoRIメチレース等の
DNAメチレースでcDNA中の制限酵素切断点を、具
体的にはEcoRIメチレースの場合はEcoRI切断
点をメチル化し、制限酵素EcoRIの切断からcDN
Aを保護しておき、次にcDNAの末端に、いわゆる
coRIリンカー等をT4DNAリガーゼにより付加し
た後、制限酵素EcoRIでリンカーDNA部分のみを
切断しても同様な結果が得られる。ベクターのクローニ
ングサイトを例えばBamHIなどの他の制限酵素の切
断点を選択する場合は前述の一連の末端処理の操作を、
例えばBamHIアダプターの結合もしくはBamHI
メチレース、BamHIリンカー、BamHI等の組み
合わせによる処理にする事により同様な結果を得ること
ができる。
【0025】また、前述のMarathonTM cDNA Amplificat
ion kitの場合cDNA末端にベクターの配列と相補的
な配列を導入したり、PCR反応を行えるように工夫さ
れたできるアンカーDNAを添付してあるのでそれを用
いて、適切なベクターにcDNAを挿入したり、PCR
反応で増幅したりすることもできる。
【0026】上記の様に末端処理されたcDNA鎖を市
販のλファージベクター、例えばλZAP(PromegaBio
tech社)等のλファージベクターまたはpGEM2(Pr
omegaBiotech社)等のプラスミドベクターのEcoRI
切断部位に常法に従い挿入して組換えλファージDNA
群または組換えプラスミドDNA群を得る。あるいはMa
rathonTM cDNA Amplification kitの場合はメーカーが
推賞するベクターとつなぐことにより効率よく組み換え
体を得ることができる。あるいはPCR反応で断片を取
得する場合はPCR反応により増幅されたDNAの断片
がその末端に特異的にAが付加されるために、それに相
補的にTを付加したベクター、例えばpCRII(Invi
trogen社)やpT7(Novagen社)などのベクターを用
いることによりできる。
【0027】このようにして得られた組換えλファージ
DNA群を材料とし、市販の例えばギガパック・ゴール
ド(プロメガ・バイオテック社)などのイン・ビトロ・
パッケージング・キットを説明書に従い使用し、いわゆ
るイン・ビトロ・パッケージングを行い、組換えλファ
ージDNAを有するλファージ粒子を得ることが出来
る。得られたλファージ粒子を常法、例えばT. Maniati
sらの方法(「MolecularCloning」 Cold Spring Harbor L
aboratories刊 1982年)に従い、宿主、例えば、大腸菌
に形質導入し、増殖させることによりファージcDNA
ライブラリーを作ることが出来る。また、組換えプラス
ミドDNA群では常法に従い、宿主、例えば、大腸菌を
形質転換し、増殖させる。これにより、プラスミドcD
NAライブラリーを得ることができる。
【0028】牛ChM−IIタンパク質の配列(特開平
5−255398号公報参照)を基にPCRプライマー
を設計し、いわゆるPCR法にて牛ChM−II遺伝子
の一部を取得することもできる。その場合PCR法に用
いる鋳型には前述のファージcDNAライブラリー、プ
ラスミドcDNAライブラリーの他に牛軟骨細胞より抽
出したRNAを基に常法に従い合成したcDNAを直接
用いることもできる。PCR反応の反応後、反応液をア
ガロースやポリアクリルアミドゲルで解析し、二種類の
プライマーにより増幅されるDNA断片の中から、予想
される大きさの断片を回収、精製し、市販の、例えばp
CRIIの様なPCR断片を直接組み込むことが出来る
ベクターにつなぎ、大腸菌を形質転換することにより塩
基配列の解析に供することができる。さらに、得られた
ChM−II遺伝子の部分配列を基に新たにPCRプラ
イマーを設計、合成し、これと、牛ChM−IIの配列
を基に設計したPCRプライマー、あるいはcDNAを
合成する際に用いるプライマーに対して相補的な配列の
プライマー、またはcDNAの両端に付加したアンカー
配列に対応するPCR用プライマー、cDNAが組み込
まれたベクターに対するプライマーとの間でDNAの増
幅を繰り返し行うことによりChM−IIの全長をコー
ドする遺伝子を取得することもできる。
【0029】また、ファージcDNAライブラリー、プ
ラスミドcDNAライブラリーを常法に従い、適当な宿
主、例えば、大腸菌を形質転換し、増殖させる。次に、
これらファージあるいは大腸菌を、例えばジーンスクリ
ーニングプラス(Dupon社)などのナイロン膜あるいは
ニトロセルロース膜上に移し取り、アルカリ存在下で蛋
白を除き、λファージDNAあるいはプラスミドDNA
にしたものに対して、前述の方法で増幅されたChM遺
伝子の部分断片から常法に従い、あるいは市販のキット
等により作製した[32P]標識プローブとこれらcDN
AクローンのDNA群とをハイブリダイズさせプラーク
ハイブリダイゼーション法によって選択し、目的とする
牛ChM遺伝子をコードするcDNAクローンをの全部
または一部得ることもできる。
【0030】PCR反応の反応後、DNAの断片はアガ
ロースやポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動によ
り解析、回収、精製し、前述の例えばpCR−IIの様
なPCR断片を直接組み込むことが出来るベクターに挿
入後に大腸菌を形質転換し、常法に従いDNAを調製
し、Sangerらのジデオキシ法[Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, Vol.74, 5463(1977)]によって目的DNA断片の
塩基配列が決定できる。配列の決定はABI373A
(アプライド・バイオ・システムズ社)の様な自動シー
クエンサーによって行うこともできる。
【0031】また、ファージライブラリーやプラスミド
ライブラリーから得られたクローンの場合、自動シーク
エンサーが塩基配列を決定できる長さには限界があるた
め、ベクターに挿入されたcDNAの全領域を一度に解
析することは難しい。そこで、断片を適当な制限酵素で
切断し、ゲル電気泳動で分離、回収し、回収された断片
を然るべきベクターに挿入し直すことにより解析を容易
にすることができる。このような操作をサブクローニン
グと呼ぶが、サブクローニング以外にも、自動シークエ
ンサーが決定した塩基配列の中から適当な配列を選び、
新たなプライマーを設計し、そこから先を継続して解析
する事ができる。このようにして決定されるDNA断片
の配列を互いに重なるように、かつ、コード領域の全長
をカバーするようにつなぎ合わせることにより、151
個のアミノ酸からなるChM−II前駆体タンパク質を
コードするDNAが得られる。前述したように、本発明
のDNAを利用してChM−IIタンパク質を発現させ
る場合には、この前駆体タンパク質を発現させてもよ
く、133アミノ酸からなる成熟タンパク質を直接発現
させてもよい。
【0032】さらに、本発明によるDNA断片は配列表
の配列番号2に示すアミノ酸配列をコードするものに限
らず、軟骨細胞を増殖させる活性および軟骨細胞の分化
機能を促進する活性、さらに破骨細胞の増殖を促進する
活性を持つ限りは、そのアミノ酸配列を改変したものも
含まれる。そのような改変されたDNAは、例えば部位
特異的変異法によって、特定の部位のアミノ酸が欠失、
置換若しくは付加されるように本発明のDNAの塩基配
列を改変することによって得られる。
【0033】また、本発明のDNA又はこれを有する細
胞に変異処理を行い、これらのDNA若しくは細胞又は
自然突然変異株若しくは変種から、例えば配列表の配列
番号1に記載の塩基配列のうち、少なくとも塩基番号1
87〜585からなる塩基配列を有するDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを選択
することによっても、改変されたDNAを得ることがで
きる。ここでいう「ストリンジェントな条件」とは、い
わゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハ
イブリッドが形成されない条件をいう。この条件を明確
に数値化することは困難であるが、一例を示せば、相同
性が高い核酸同士、例えば70%以上の相同性を有する
DNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低い
核酸同士がハイブリダイズしない条件が挙げられる。
【0034】上記のようにして得られる、特定の部位又
は未知の部位が変異した改変DNA断片を、適当な細胞
で発現させ、その発現産物について、軟骨細胞を増殖さ
せる活性、軟骨細胞の分化機能を促進する活性、及び破
骨細胞の増殖を促進する活性を調べ、これらの活性を有
するタンパク質をコードするDNAを選択することによ
り、目的のDNAを取得することができる。
【0035】上記のようにして得られる、ChM−II
蛋白の一部または全部をコードするDNA断片は、その
両端あるいはどちらかの末端を改変し、またはそのま
ま、公知の発現ベクターにそれ自体公知の方法でプロモ
ーターの下流に挿入され、次いで上記のDNAが挿入さ
れた発現ベクターは、大腸菌、酵母、動物細胞宿主等、
公知の宿主細胞中にそれ自体公知の方法により導入され
る。
【0036】本発明のChM−IIタンパク質の産生方
法につき詳細に説明すると、発現ベクターとしては上記
のようにして得られたChM−IIタンパク質をコード
するDNAを転写できる位置にプロモーターを含有して
いるものが使用される。
【0037】ChM−IIの工業生産のためには、安定
した宿主−ベクター系を構築すること、さらに生物学的
に活性の有するChM−IIを発現しうる系を用いる必
要がある。ChM−IIは多くのシステインを含み、そ
のリフォールディングが生理活性の獲得に重要である。
一般的にはリフォールディングを考慮した場合、宿主と
しては動物細胞を用いることが多い。しかし、天然のC
hM−IIは糖蛋白質ではないこと、また生産量の優位
性から、生理活性を確保できるのであれば大腸菌での生
産も可能である。大腸菌での生産については、後述の実
施例で具体的に説明する。
【0038】動物細胞としては、例えばCHO細胞、C
OS細胞、マウスL細胞、マウスC127細胞、マウス
FM3A細胞等が挙げられる。またこれらの細胞を宿主
とするとする場合は、前駆体タンパク質の形でChM−
II遺伝子を導入することにより、成熟型になったCh
M−IIが分泌生産されるという利点が期待される。
【0039】これらの細胞を宿主とした発現用プラスミ
ドは、プロモーターとしてはSV40プロモーターまた
はメタロチオネイン遺伝子のプロモーターが好ましい。
この下流にシグナル配列を含むChM−II遺伝子を
5’側から挿入する。またChM−IIの生産量を上げ
るためChM−II遺伝子を5’側から2〜3個つなげ
たものを挿入してもよいし、各ChM−II遺伝子の
5’側にSV40などのプロモーターを挿入したものを
2〜3個つなげてもよい。このChM−II遺伝子の下
流にはポリアデニル化部位が含まれる。例えばSV40
DNA、β−グロビン遺伝子またはメタロチオネイン遺
伝子由来のものが上げられる。
【0040】この発現ベクターには動物細胞、例えばC
HO細胞に形質転換した際の選択マーカーを有している
場合とそうでない場合の両者があげられる。選択マーカ
ーとしては、メトトレキセート耐性を与えるDHFR遺
伝子、3’−デオキシストレプタミン抗生物質G−41
8などが挙げられ、各耐性遺伝子の5’側には例えばS
V40由来のプロモーターが挿入されており、各耐性遺
伝子の3’側には、ポリアデニル化部位が含まれる。C
hM−IIの発現ベクターにこれらの耐性遺伝子を挿入
する場合、ChM−II遺伝子のポリアデニル化部位下
流に挿入すればよい。かかる発現ベクターは、形質転換
体の選択マーカーがなくてもよい。この場合、ChM−
IIの発現ベクターと共に形質転換体の選択のマーカー
を有するベクター、例えばpSV2neo、pSV2g
pt、pMTVdhfrなどを二重形質転換してやれば
よい。
【0041】この二重形質転換法によってChM−II
発現ベクターで形質転換した動物細胞を選択するために
は、上記した選択マーカーの発現による表現形質によ
り、ChM−II形質転換細胞を選択することが可能で
ある。さらにChM−IIの発現量の上昇を目的とし
て、二重形質転換法にてChM−IIの発現が確認され
た細胞に対し、選択マーカーを変更し二重形質転換を繰
り返してもよい。発現ベクターに使用されるプラスミド
ベクターの具体例としては、SV40初期プロモータ
ー、ウサギのβ−グロビン遺伝子に由来するスプライス
配列DNA、ウサギのβ−グロビン遺伝子からのポリア
デニ化部位、SV40初期領域からのポリアデニル化部
位、並びにpBR322由来の複製開始点およびアンピ
シリン耐性遺伝子を含有するpKCR(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, Vol.78, 1528(1981))などが挙げられ
る。
【0042】発現ベクターの動物細胞への移入はリン酸
カルシウムによるトランスフェクション法が一般的であ
る。形質転換された動物細胞の培養は、常法により浮遊
培養または付着培養で行うことができる。培地として
は、MEM、RPMI1640などを用い、5〜10%
血清存在下もしくは適当量のインシュリン、デキサメサ
ゾン、トランスフェリンの存在下、もしくは無血清下に
て培養する。ChM−IIを発現している動物細胞はそ
の培養上清中にChM−IIを分泌するものと考えら
れ、かかる組換え体の培養上清を用いChM−IIの分
離精製を行うことが可能である。生産されたChM−I
Iを含む培養上清は各種クロマトグラフィー例えば、ヘ
パリンセファロースもしくはブルーセファロース等を用
いたクロマトグラフィーにより精製可能である。
【0043】また大腸菌、枯草菌等の微生物を宿主とす
るときには、発現ベクターはプロモーター、リボゾーム
結合(SD)配列、ChM−IIタンパク質遺伝子、転
写終結配列、およびプロモーターを制御する遺伝子より
成ることが好ましい。
【0044】プロモーターとしては、大腸菌、ファージ
等由来のもの、例えばトリプトファン合成酵素(tr
p)、ラクトースオペロン(lac)、ラムダファージ
PL、PR 、T5 ファージの初期遺伝子のプロモー
ターであるP25、P26プロモーター等が挙げられ
る。また、これらのプロモーターは、例えばpacプロ
モーター[Agric. Biol. Chem., Vol.52, 983-988(198
8)]のように独自に改変、設計された配列でも良い。
【0045】リボゾーム結合配列としては、大腸菌、フ
ァージ等由来のものでも良いが、DNA合成により作成
した16SリボソームRNAの3’末端領域に相補的な
配列を4塩基以上連続してもつコンセンサス配列を持っ
たものでも良い。転写終結配列は必ずしも必要ではない
が、ρ非依存性のもの、例えばリボプロテインターミネ
ーター、trpオペロンターミネーター等を有している
方が好ましい。
【0046】更にこれらの発現に必要な因子の発現プラ
スミド上での配列順序は、5’上流から、プロモータ
ー、SD配列、ChM−IIタンパク質遺伝子、転写終
結因子の順に並ぶ事が望ましい。また発現ベクター上の
SD配列とChM−IIタンパク質遺伝子とのユニット
を複数個同方向に挿入することにより、ベクター上の転
写単位のコピー数を増加させる方法(特開平1−957
98号公報)を用いることもできる。
【0047】組換え蛋白の大腸菌からの回収、精製を容
易にするために種々のアフィニティーカラムを利用する
こともできる。例えばヒスチジンが6個以上並んだアミ
ノ酸配列、いわゆるヒスチジンタグを有する蛋白質がキ
レートカラムに結合する性質を利用し、プロモーターの
下流にこのヒスチジンが6個以上並んだアミノ酸配列を
置き、その下流にChM−IIをつなぐことにより蛋白
の発現後キレートカラムにより容易に精製が可能とな
る。さらにヒスチジン配列とChM−IIの配列の間
に、例えばTEVプロテアーゼや第10因子により特異
的に切断される配列を組み込むことによりキレートカラ
ム精製後に蛋白質を天然型と同じ配列に戻し回収するこ
とができる。プロテアーゼによる切断後はHPLC等に
より分離、精製することができる。
【0048】発現ベクターとして使用できるものとして
は、pUAI2(特開平1−95798号公報)や市販
のpKK233−2(Pharmacia社)等がある。また、
融合蛋白として発現させる発現ベクターpGEXシリー
ズ(Pharmacia社)、ヒスチジン配列を利用した精製が
可能なベクターとしてはpPROEX−Iが同様にして
使用できる。宿主の形質転換法としては、常法に従い行
うことができる。
【0049】形質転換体の培養は、公知の常法に従って
行うことができる。培養温度としては、28℃〜42℃
が適当である。ラクトースオペロン(lac)のプロモ
ーターを利用する場合は、菌体培養液の600nmの波
長における吸光度がおよそ0.5になったところで、終
濃度が1mM程度になるようにIPTGを加え発現誘導
を行うことが必要である。
【0050】昆虫細胞としては、例えばInvitrogen社の
バキュロウイルス発現マニュアルであるマックスバック
(MAXBACTM; BACULOVIRUS EXPRESSION SYSTEM MANUAL
VERSION 1.4)に従い、このキットを使用する。この
時、発現量を上げるためにポリヘドリンのプロモーター
から開始コドンまでの距離を変えることが好ましい。
【0051】上記形質転換体を培養して得られるChM
−IIタンパク質は、公知の方法で宿主から単離・精製
される。
【0052】大腸菌等の微生物、昆虫細胞、および動物
細胞で発現させて得られる該組換えポリペプチドは、例
えばChM−IIの一部配列を含む合成ペプチドに対す
るウサギ抗血清との免疫学的反応性によりChM−II
であることが確認される。かかる方法としては、常法で
あるウェスタンブロッティング法が利用できる。
【0053】本発明のChM−IIは、医薬組成物とし
て、具体的には、軟骨細胞の増殖、軟骨細胞の分化機能
の促進、さらに破骨細胞の増殖の促進等の作用により、
骨折、各種軟骨疾患の予防または治療薬として有効であ
る。
【0054】ChM−IIの生理活性は例えば次のよう
にして測定される。軟骨細胞増殖活性の評価のための細
胞取得、培養、および評価方法は鈴木らの方法[Method
s inEnzymology, Vol.146, 313-320(1987)]に従って行
う。すなわちウサギより成長肋軟骨を分離し、初代軟骨
細胞を96穴プレートを用いて培養する。細胞がコンフ
ルエントに達した後、約0.6から約200ng/ml
のChM−IIおよび0.4ng/mlの繊維芽細胞増
殖因子を加え、[3H]チミジンの取り込みを測定す
る。0.4ng/mlの繊維芽細胞増殖因子のみ添加時
に比べChM−IIを同時に加えた時の方が多量の放射
性チミジンの取り込みがみられ、これはChM−IIが
強力な軟骨細胞の増殖促進効果を有することを示してい
る。
【0055】破骨細胞の増殖促進は破骨細胞の象牙質へ
の浸潤孔を指標に測定することができる。
【0056】本発明においては、軟骨細胞を増殖させる
活性および軟骨細胞の分化機能を促進する活性さらに破
骨細胞の増殖を促進する活性を生体に適用させるには、
上記で得られたChM−IIタンパク質の他に形質転換
体の培養液、分離形質転換体、形質転換体処理物、固定
化形質転換体、粗酵素液、酵素処理物等が用いられる。
【0057】このChM−IIは特開平5−25539
8号公報にも記載されているように1ng〜100μg
程度を骨折部位、軟骨疾患部位に、例えば外科手術用生
体接着剤等の生体適合性担体に混合、含浸、塗布するこ
とによって投与する、または局所的に注入する、または
静脈中、皮下等へ投与することにより、骨折、各種軟骨
疾患の治療薬として用いることができる。生体適合性担
体への混合、含浸、塗布、または注入用製剤等の調製は
それ自体既知の通常用いられる方法で行うことができ
る。
【0058】
【実施例】以下の実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。
【0059】<1>ChM−II cDNAの部分断片
のクローニング (1)ウシ胎仔四肢骨端軟骨由来cDNAライブラリー
の調製
【0060】PCR反応の鋳型に用いるcDNAを合成
するために、ウシ胎仔四肢骨端軟骨RNAを調製した。
RNAの調製は、Chirgwinらの方法を若干変更して行っ
た。すなわち、ウシ胎仔四肢骨端軟骨100gを液体窒
素中で粉砕し、グアニジンイソチオシアネート溶液[6
M グアニジンイソチオシアネート(和光純薬)、5m
M クエン酸ナトリウム(和光純薬)、0.1M 2−
メルカプトエタノール、0.5%ザルコシン酸ナトリウ
ム(和光純薬)、 pH7.0]中でホモジナイズし
た。ホモジネート2.5mlあたり1gの塩化セシウム
(和光純薬)を加え、溶解した。あらかじめ、ホモジネ
ート25mlに対して15mlの塩化セシウム溶液
(5.7M塩化セシウム、0.1M EDTA)を遠沈
管に用意した。これに、ホモジネートを積層した。これ
を55,000×gで遠心分離してトータルRNAを沈
澱として回収した。
【0061】回収したトータルRNAを滅菌脱塩水に溶
解し、フェノール/クロロホルム抽出を行った。すなわ
ち、トータルRNA溶液と等容量のフェノール(和光純
薬)/クロロホルム(和光純薬)/イソアミルアルコー
ル(和光純薬)混液(24対25対1、体積比)を混和
し、15,000×g、10分間の遠心分離を行い、上
清の水層を回収した。回収した水層と1/10容量の3
M酢酸ナトリウム(和光純薬)溶液を混和後、2倍容量
のエタノールを添加して15,000×g、10分間の
遠心分離を行い、エタノール沈澱によるトータルRNA
の回収を行った。回収したトータルRNAを乾燥させた
後、10mlの滅菌脱塩水に溶解した。
【0062】poly(A)+RNAの精製は、以下の
ように行った。すなわち、10mgのトータルRNAを
終濃度が1mM EDTA、20mM トリス塩酸(pH
7.5)になるように調製し、70℃、5分間の熱処理
後、氷上で急冷した。これに、5M NaCl溶液を、
終濃度が0.5Mになるように加えて、Oligo(d
T)セルロースカラム(type7、1×1cm、Phar
macia社)に展開し、1mM EDTAおよび0.5M
NaClを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)でカラムを洗浄後、滅菌脱塩水にて結合分画を溶出
して約100μgのpoly(A)+RNAを得た。
【0063】cDNAの合成は、poly(A)+RN
A 10μgを鋳型に用いた。反応は、cDNA synthe
sis module(Amersham社)に添付された逆転写酵素、リ
ボヌクリアーゼH、大腸菌DNAポリメラーゼにて、説
明書に記載の方法で、二本鎖cDNAを合成した。次
に、同じくcDNA synthesis module(Amersham社)
に添付されたT4DNAポリメラーゼにてcDNA末端
の平滑化を行った。反応後、フェノール/クロロホルム
抽出を行い、上清の水層を回収した。回収した水層と等
容量の5M酢酸アンモニウム溶液を添加後、2倍容量の
エタノールを混和した。次に、15,000×g、10
分間の遠心分離を行い、エタノール沈澱によるcDNA
の回収を行った。回収したcDNAを乾燥した後、20
μlの滅菌脱塩水に溶解した。
【0064】次に、10μlのcDNA(約2μg)を
分取して、その末端にEcoRIアダプター(宝酒造)
を付加した。すなわち、20μlのT4 DNAリガー
ゼ反応液「66mM トリス塩酸緩衝液(pH7.
6)、6.6mM MgCl2(和光純薬)、10mM
ジチオスレイトール(DTT、和光純薬)、66μM
アデノシン5’−三リン酸(ATP、SIGMA社)」
中に350単位のT4 DNAリガーゼ(宝酒造)を加
え、16℃、2時間インキュベーションして、200p
molのEcoRIアダプターをcDNAの末端に結合
した。
【0065】反応物を常法に従いSephacrylS
−200カラム(1×4cm)に展開し、1mM ED
TAと0.5mM NaClを含む10mM トリス塩酸
緩衝液(pH7.5)にて、末端にEcoRIアダプタ
ーを付加したcDNAを溶出した。溶出したcDNAを
エタノール沈澱で回収し、沈澱を乾燥後、2μlの滅菌
脱塩水に溶解した。次に、あらかじめ制限酵素EcoR
I(宝酒造)で消化後、末端を脱リン酸化したλgt1
0ファージDNA(Clontech社) 1μgと、Eco
Iアダプターを付加したcDNA 400ngを、5μ
lのT4DNAリガーゼ反応液中で、16℃、18時間
インキュベーションしてT4 DNAリガーゼにて結合
した。さらに、cDNAと結合したλgt10ファージ
DNAをGigapack II Gold(Stratagene
社)を用いてファージ粒子へパッケージングした。
【0066】得られたファージ粒子を常法に従い大腸菌
C600hflA株に感染、増幅を行い、ファージ粒子
を回収した。一連の操作により、100ngのcDNA
あたり約200万のファージクローンを得た。回収さ
れたファージ懸濁液の一部(100万クローン相当)
に、SDS(ナカライテスク)、EDTAがそれぞれ終
濃度1%、10mMになるように添加し、フェノール/
クロロホルム抽出、エタノール沈澱を行い、DNAを精
製した。
【0067】(2)ChM−IIタンパク質をコードす
るcDNAのPCR法によるクローニング 上記のようにして得られたcDNAを鋳型に用い、Ch
M−IIタンパク質をコードするcDNAを、PCR法
により増幅した。ファージ粒子から回収したDNA 5
ngを鋳型に反応液 {50mM KCl(和光純薬)、
10mM トリス塩酸緩衝液(pH8.3)、1.5m
M MgCl 2、0.1%(W/V)ゼラチン(Difc
o社)、0.2mM 4dNTP(東洋紡績)}中で、
0.5μlのTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造)に
てcDNAの増幅反応を行った。その際、プライマーと
しては、特開平5−255398号公報に記載のChM
−IIタンパク質のアミノ酸配列から推測し設計したプ
ライマー、5’−CCITGGGCIATIATITG
(C/T)GC−3’(配列表の配列番号:4、20ヌ
クレオチド、Iはイノシン)および5’−(A/G)T
C(A/G)CA(A/G)TT(C/T)TCIAT(A
/G)TGIAT(A/G)TG−3’(配列表の配列
番号:5、24ヌクレオチド)を、それぞれ終濃度0.
2mMになるように添加して、全量で100μlの反応
液量とした。
【0068】合成DNAプライマーは、ABI394
DNA合成機(Applied Biosystems
社)を用いて合成した。増幅反応は、94℃、10分間
のインキュベーションの後、94℃、1分間(変性ステ
ップ)、50℃、1.5分間(アニーリングステッ
プ)、72℃、3分間(伸長ステップ)のインキュベー
ションを30サイクル繰り返すことにより行った。最後
に72℃、7分間のインキュベーションを行い、反応を
終了した。反応後、反応液の1/10を5% ポリアク
リルアミドゲルにて電気泳動し、ゲルを臭化エチジウム
(Sigma社)で染色し、紫外線光(UV)下で解析し
た。
【0069】また、上記反応液のうち0.5μlを鋳型
として用いて、2回目の増幅反応を行った。2回目の増
幅反応は、1回目の増幅反応に準じて行った。プライマ
ーとしては、一回目の増幅反応の際に用いたプライマー
より内側に位置するプライマー、5’−TG(C/T)
GA(C/T)GGICA(C/T)GGITG(C/
T)G−3’(配列表の配列番号:6、19ヌクレオチ
ド)および5’−(C/T)TGIATICCIGG(A
/G)TAIAC(C/T)TT−3’(配列表の配列
番号:7、21ヌクレオチド)を用いた。反応は、94
℃、10分間のインキュベーションの後、94℃、1分
間、48℃、1.5分間、72℃、3分間のインキュベ
ーションを30サイクル繰り返すことにより行った。最
後に72℃、7分間のインキュベーションを行い、反応
を終了した。
【0070】反応後、反応液の1/10を5% ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(PAGE)にて解析した。
ゲルを臭化エチジウムで染色し、約200 bp付近の
ゲル断片をUV下で回収した。回収したゲルは、緩衝液
(0.25M酢酸アンモニウム、0.1% SDS、1
mM EDTA)中でホモジナイズした。ホモジネート
を37℃で2時間振蕩し、フェノール/クロロホルム抽
出を行い上清の水層を回収した。回収した水層に、等容
量の5M酢酸アンモニウムを添加した後、2倍容量のエ
タノールを添加し、10,000×g、10分間の遠心
分離を行いcDNAを回収した。
【0071】次に、cDNAを乾燥した後、16μlの
滅菌脱塩水に溶解し、T4DNAポリメラーゼ緩衝液
[33mM トリス酢酸緩衝液(pH7.9)、66m
M 酢酸カリウム(和光純薬)、10mM 酢酸マグネシ
ウム(和光純薬)、0.5mM DTT、1mM 4dN
TP]中で6単位のT4 DNAポリメラーゼと、37
℃、30分間反応させた。T4DNAポリメラーゼによ
り末端を平滑化したcDNAをフェノール/クロロホル
ム抽出、エタノール沈澱を行い精製した。 精製したc
DNAを乾燥後、20μlの滅菌脱塩水に溶解した。次
に、5μlのcDNA溶液と、あらかじめ制限酵素Sm
I(宝酒造)で消化後、脱リン酸化し、精製したプラ
スミドベクターpUC18(宝酒造)100ngを、1
0μlの反応液中でT4 DNAリガーゼにて16℃、
12時間反応させることにより、プラスミドベクターp
UC18のクローニング部位(SmaI部位)に挿入し
て結合した。
【0072】この反応液 3μlを用いて、大腸菌JM
109株のコンピテントセル(COMPETENT HIGH、東洋紡
績)を形質転換し、直径9 cmのシャーレ中の寒天培
地に菌液を塗布し、培養した。この際、寒天培地として
は、アンピシリン(Amp、和光純薬)を終濃度50μ
g/ml、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−
β−D−ガラクトピラノシド(X−Gal、Sigma社)
を終濃度0.004%、イソプロピル−β−D−チオガ
ラクトピラノシド(IPTG、Sigma社)を終濃度1m
Mの濃度で含有した1.5% LB寒天培地 [1.5%
寒天(和光純薬)、1% バクトトリプトン(Difco
社)、0.5% 酵母抽出物(Difco社)、0.5% N
aCl](以下、X−Gal−IPTG−LB−Amp
寒天培地という)を用いた。培養は37℃で18時間行
った。培養後、X−Gal−IPTG−LB−Amp寒
天培地上に出現した耐性菌で、かつX−Galにより発
色していない菌のコロニーを100個選択し、各々5m
lの、50μg/mlのAmpを含むLB培地(1%
バクトトリプトン、0.5% 酵母抽出物、0.5% N
aCl)中で37℃、12時間、振盪培養した。
【0073】次に、常法に従い、菌体からプラスミドD
NAを調製した。すなわち、菌体を10,000×g、
10分間の遠心分離により培養液から回収した。回収し
た菌体を、培地の1/25容量の、1mg/mlのリゾ
チーム(生化学工業)を含む溶液I [50mM D
(+)−グルコース(和光純薬)、25mM トリス塩
酸緩衝液(pH8.0)、10mM EDTA]に懸濁
した。菌体懸濁液を氷上に10分間静置後、溶液Iの2
倍容量の溶液II(1% SDS、0.2 N NaO
H)を添加し、穏やかに混和後、氷上にさらに10分間
静置した。次に、溶液Iの1.5倍容量の溶液III
(60mlの5M酢酸カリウムに11.5mlの酢酸と
28.5mlの滅菌脱塩水を混和した溶液)を添加し、
氷上に15分間静置した。静置後、10,000×g、
10分間の遠心分離により上清を回収し、上清の2/3
容量のイソプロパノールを混和して、氷上にさらに10
分間静置した。静置後、10,000×g、10分間の
遠心分離を行い、核酸を回収した。核酸を乾燥後、培地
の1/25容量の、0.1 mg/mlのリボヌクレア
ーゼA(Sigma社)を含むTE緩衝液 [10mMトリス
(pH7.5)、1mM EDTA]に溶解し、37
℃、30分間インキュベーションした。
【0074】インキュベーション後、等容量のポリエチ
レングリコール(PEG)溶液 [20% PEG 60
00(和光純薬)、1.5M NaCl]を混和し、ド
ライアイス上で30分間静置した。次に、15,000
×g 、15分間遠心分離を行い、プラスミドDNAを
回収した。回収したプラスミドDNAを70% エタノ
ールで2回洗浄し、乾燥後、培地の1/50容量のTE
緩衝液に溶解し、フェノール/クロロホルム抽出、エタ
ノール沈澱を行い、プラスミドDNAを精製した。精製
したプラスミドDNA 0.5μgを制限酵素Eco
Iで消化し、1% アガロース(岩井化学)ゲル電気泳
動で解析した。その結果、約300 bpのcDNA断
片を有する組換え体pCHM−2−1を得た。
【0075】(3)塩基配列の決定 組換え体pCHM−2−1を40mlのLB培地に播種
し、37℃で15時間培養して調製した菌体培地から、
常法に従いプラスミドDNAを調製した。調製したプラ
スミドDNAを用いて、ABI373A シークエンサ
ー(Applied Biosystems社)にてSanger法による塩基配
列の決定を行った。なお、以下に行う塩基配列の決定は
全て本法を用いて行った。
【0076】決定した塩基配列をもとに推定したアミノ
酸配列は、精製ChM−IIタンパク質のアミノ酸配列
(特開平5-255398の配列番号14参照)の一部と一致し
た。
【0077】(4)完全長ChM−IIcDNAの取得
−下流配列の取得(3’−RACE法) 上記でpCHM−2−1のcDNA断片からプローブを
調製し、PCR法でcDNAを増幅する際に鋳型として
用いたウシ胎仔軟骨cDNAライブラリーをスクリーニ
ングしたが、完全長cDNAを取得することはできなか
った。そこで、完全長cDNAを取得する目的で以下の
Rapid Amplification of cDNA Ends(RACE)法によ
るcDNAの増幅を行った。
【0078】RNAの調製は以下のように行った。ま
ず、推定4週齢(体長4cm)のウシ胎仔全組織約20
0 gを液体窒素中で粉砕し、200mlのRNAzo
l溶液(Tel−Test社)中でホモジナイズした。
次に、ホモジネートの1/10容量のクロロホルムを混
和し、10,000×gで10分間遠心分離し、水層を
回収した。水層と等容量のイソプロパノールを混和し、
10,000×gで10分間遠心分離を行い、トータル
RNAを回収した。回収したトータルRNAを乾燥させ
た後、10mlの滅菌脱塩水に溶解した。約200 g
の組織から約200 mgのトータルRNAを抽出し
た。次に、常法に従いRNAの精製を行い、10 mg
のトータルRNAから約100μgのpoly(A)+
RNAを得た。
【0079】得られたmRNAを鋳型に、MarathonTM c
DNA Amplification kit(Clontech社)を用いて、RA
CE法によるcDNAの増幅を行った。以下の反応にお
いて、合成DNAプライマーは、MarathonTM cDNA Ampl
ification kitに添付されたプライマー以外は、ABI
394 DNA合成機を用いて合成した。反応は、Marat
honTM cDNA Amplification kitに添付された緩衝液およ
びdNTPを用いて行った。
【0080】まず、cDNAの合成を行った。精製した
poly(A)+RNA 1μgとcDNA合成プライマ
ー、5’−TTCTAGAATTCAGCGGCCGC
TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT
TTTTT(G/A/C)(G/A/C/T)−3’(配
列表の配列番号:8、52ヌクレオチド)を逆転写酵素
にて37℃で処理し、第1鎖cDNAを合成した。第2
鎖伸長反応、末端の平滑化を行い、cDNAの両端へア
ダプタープライマー、[5’−CTAATACGACT
CACTATAGGGCTCGAGCGGCCGCCC
GGGCAGGT−3’(配列表の配列番号:9、44
ヌクレオチド)と5’−PO4ACCTGCCC−N
2−3’(配列表の配列番号:10、8ヌクレオチ
ド)]の結合を行った。最終反応の反応液10μlを希
釈し50μlとして、以後の増幅反応に1μlを用い
た。
【0081】増幅反応は、ChM−II cDNAの配
列の一部と相補的なプライマー、5’−TGTGGCC
AGTACACGGC−3’(配列表の配列番号:1
1、17ヌクレオチド)および3’末端に付加したアダ
プタープライマーと相補的なプライマー、5’−CCA
TCCTAATACGACTCACTATAGGGC−
3’(配列表の配列番号:12、27ヌクレオチド)を
用い、Taq DNAポリメラーゼにて行った。反応液
は、全量で50μlとした。反応は、94℃、1分間の
インキュベーションの後、94℃、30秒間、60℃、
30秒間、68℃、5分間のインキュベーションを30
サイクル行い、最後に72℃、7分間のインキュベーシ
ョンを行って反応を終了した。反応液の1/10を5%
PAGEにて解析した。また、上記反応液のうち5μ
lを50倍希釈し、その5μlを用いて2回目の増幅反
応を行った。
【0082】2回目の増幅反応は、1回目の増幅反応に
準じて行った。希釈反応液5μlを鋳型に、1回目の増
幅反応に用いたプライマーより内側に位置するプライマ
ー、5’−AGTCTACCCCGGCATCCA−
3’(配列表の配列番号:13、18ヌクレオチド)お
よび5’−ACTCACTATAGGGCTCGAGC
GGC−3’(配列表の配列番号:14、23ヌクレオ
チド)を用いて、TaqDNAポリメラーゼにて増幅反
応を行った。反応液は、全量で50μlとした。反応
は、94℃、1分間のインキュベーションの後、94
℃、30秒間、60℃、30秒間、68℃、5分間のイ
ンキュベーションを30サイクル行い、最後に72℃、
7分間のインキュベーションを行い反応を終了した。反
応終了後、反応液の1/10を5% PAGEにて解析
した。
【0083】次に、約200bp付近に位置するゲル断
片から、増幅したcDNA断片を回収、精製し、T4
DNAリガーゼにてプラスミドベクターpCRII(In
vitrogen社)のクローニング部位に挿入して、大腸菌J
M109株を形質転換した。X−Gal−IPTG−L
B−Amp寒天培地上に出現した耐性菌で、かつX−G
alにより発色していない3つの形質転換体について、
常法に従いプラスミドDNAを調製し、解析を行った。
さらに、調製したプラスミドDNAを用いて、cDNA
の塩基配列を決定した。その結果、約200bpの3’
非翻訳領域の塩基配列を有するcDNA断片を持つ組換
え体pCHM−2−3を得た。
【0084】(5)完全長ChM−II cDNAの取
得−上流配列の取得(5’−RACE法) 5’−RACE法の反応は、3’−RACE法に準じて
行った。合成DNAプライマーは、MarathonTM cDNA Am
plification kitに添付されたプライマー以外はABI
394 DNA合成機を用いて合成した。反応は、Marat
honTM cDNA Amplification kitに添付された緩衝液およ
びdNTPを用いた。鋳型としては、3’−RACE法
の反応と同じく、両端にアダプタープライマーを付加し
たcDNAを用いた。1回目の増幅反応は、3’−RA
CE法で決定したChM−IIcDNAの3’非翻訳領
域の配列を基に設計したプライマー、5’−AGATC
GGCTTGTICCTCCAT−3’(配列表の配列
番号:15、20ヌクレオチド)および3’末端に付加
したアダプタープライマーと相補的な、3’−RACE
法の反応の際にも用いたプライマー、5’−CCATC
CTAATACGACTCACTATAGGGC−3’
(配列表の配列番号:12、27ヌクレオチド)を用い
た。反応液は全量を50μlとして、Taq DNAポ
リメラーゼにて増幅反応を行った。反応は、94℃、1
分間のインキュベーションの後、94℃、30秒間、6
0℃、30秒間、68℃、5分間のインキュベーション
を30サイクル行い、最後に72℃、7分間のインキュ
ベーションを行って反応を終了した。反応後、反応液の
1/10を5% PAGEにて解析した。また、上記反
応液のうち 5μlを50倍希釈し、その5μlを鋳型
として用いて、2回目の増幅反応を行った。
【0085】2回目の増幅反応は、1回目の増幅反応に
準じて行った。プライマーとしては、1回目の増幅反応
に用いたプライマーより内側に位置するプライマー、
5’−AGAAGATGGCTGTCITTTTAGA
−3’(配列表の配列番号:16、22ヌクレオチド)
および5’−ACTCACTATAGGGCTCGAG
CGGC−3’(配列表の配列番号:17、23ヌクレ
オチド)を用いて行った。反応は、94℃、1分間のイ
ンキュベーションの後、94℃、30秒間、60℃、3
0秒間、68℃、5分間のインキュベーションを30サ
イクル行い、最後に72℃、7分間のインキュベーショ
ンを行って反応を終了した。反応後、反応液の1/10
を5%PAGEにて解析した。次に、約500bp付近
に位置するゲル断片から、増幅したcDNAを回収、精
製し、プラスミドベクターpCRIIのクローニング部
位に挿入して、大腸菌JM109株を形質転換した。X
−Gal−IPTG−LB−Amp寒天培地上に出現し
た耐性菌で、かつX−Galにより発色していない3つ
の形質転換体について、常法に従い、プラスミドDNA
を調製した。次に、調製したプラスミドDNAを用い
て、解析を行い、さらに、塩基配列の決定を行った。そ
の結果、約500bpのChM−II全コーディング領
域と5’非翻訳領域の配列を有するcDNA断片を持つ
組換え体pCHM−2−5を得た。
【0086】pCHM−2−5の塩基配列を決定した結
果、翻訳開始コドンATG(Met)の存在を確認する
とともに、ATG(Met)の下流にChM−II配列
を確認した。pCHM−2−1、pCHM−2−3、p
CHM−2−5の配列から、配列表の配列番号1に記載
の塩基配列の解明に成功し、本発明のChM−II遺伝
子の取得に至った。その結果、シグナルペプチドを含む
ChM−IIの全アミノ酸配列は、配列表の配列番号2
に示される配列であることが確認された。
【0087】<2>組換えChM−IIの製造 次に、ChM−II cDNAを大腸菌で発現させるこ
とにより組換えChM−IIの取得を試み、さらに、組
換えChM−IIの生物活性を検定した。
【0088】(1)ChM−II cDNAの改変 発現プラスミドベクターpPROEX−1(Gibco
BRL社)のプロモーターの下流にChM−II c
DNAを挿入するため、プライマー、5’−GGCGC
TCGAATTCAAATTGAAGGTGGACCT
TGGGCT−3’(配列表の配列番号:18、36ヌ
クレオチド)および5’−CCTGGATCCTATA
GGTAGACAGTA−3’(配列表の配列番号:1
9、24ヌクレオチド)の2つのプライマーを用い、P
CR法にて塩基配列の改変を行った。ChM−II c
DNAのコーディング領域の全長を有するプラスミド、
pCHM−2−5 DNAを鋳型に、Taq DNAポリ
メラーゼにて増幅反応を行った。反応は、94℃、10
分間のインキュベーションの後、94℃、1分間、55
℃、1.5分間、72℃、2分間のインキュベーション
を30サイクルと72℃、7分間のインキュベーション
を行い反応を終了した。
【0089】次に、改変したcDNAを常法に従い、プ
ラスミドベクターpCRIIのクローニング部位に挿入
した。これをpCRII−CHM−IIと命名した。挿
入したcDNAの塩基配列を決定し、塩基の置換による
コードされるアミノ酸の変異がないことを確認した後、
制限酵素EcoRIとBamHI(宝酒造)でpCRI
I−CHM−II DNAを消化して1% アガロースゲ
ルで電気泳動を行い、改変したcDNAをアガロースゲ
ルから回収した。次に、回収したcDNAを、あらかじ
め制限酵素EcoRIとBamHIにて消化した発現プ
ラスミドベクターpPROEX−1のクローニング部位
に挿入し、大腸菌JM109株を形質転換した。この時
用いたプライマー11には、血液凝固系プロテアーゼ第
10因子の切断配列が含まれるよう設計した。また、p
PROEX−1のEcoRIとBamHIの間に挿入し
たChM−II cDNAは、発現プロモーターの下流
に存在するプラスミドベクター自身の翻訳開始コドンA
TG(Met)を利用して翻訳されるように設計した。
発現プラスミドベクターpPROEX−1は、翻訳開始
コドンの3塩基下流にヒスチジンタグを有しているた
め、発現後にヒスチジンタグを利用して発現蛋白質を精
製しうることが期待される。このようにして、ChM−
II cDNAを発現するプラスミドベクターpPRO
EX−CHM−IIを構築した。このようにして構築し
た発現ベクターにより、配列表の配列番号3に記載の組
換え蛋白質が発現されることが期待された。
【0090】(2)組換えChM−IIの精製 達するまで37℃で培養した。次に、終濃度1mMにな
るようにIPTGを添加し発現を誘導した。IPTGを
添加した後、培養を4時間継続した。発現を誘導した7
50mlの菌体を、10,000×g、10分間の遠心
分離により集菌し、20mlの結合緩衝液 [5mM イ
ミダゾール(和光純薬)、0.5M NaCl、20m
M トリス塩酸緩衝液(pH7.9)]に懸濁した。ソ
ニケーションによる菌体破砕、10,000×g、15
分間の遠心分離、20mlの結合緩衝液への再懸濁を3
回繰り返し、3回目の遠心分離後の沈澱を35mlの6
Mグアニジン塩酸を含む結合緩衝液に溶解し、このうち
20mlをヒスチジン結合カラム(1×2cm、Novage
n社)に展開した。
【0091】素通り画分、15mlの6Mグアニジン塩
酸を含む結合緩衝液による洗浄画分、6mlの6Mグア
ニジン塩酸を含む希釈洗浄緩衝液 [20mM イミダゾ
ール、0.5M NaCl、20mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.9)]による洗浄画分を回収した。次に、イ
ミダゾール濃度のステップワイズ法で溶出を行いイミダ
ゾール濃度60mM、0.1 M、1Mで溶出した画分
をそれぞれ2ml、1ml、2mlを回収した。最後
に、イミダゾール濃度1Mの溶出を再び行い、溶出画分
を2ml回収した。
【0092】(3)第10因子によるChM−IIから
のヒスチジンタグの切断 ヒスチジン結合カラムクロマトグラフィーで精製した各
標品をPD−10カラムに展開して脱塩を行った。脱塩
後、各標品より10μlを採取し、15%SDS−PA
GEにて解析し、組換えChM−IIの溶出を確認し
た。一方、1Mイミダゾール濃度で溶出した画分につい
ては、脱塩を行った後に、蛋白質の定量を行い、総蛋白
質量10μgあたり 12μgの第10因子(DENNZYME
ApS社)と反応液[0.1M NaCl、20mM トリ
ス塩酸緩衝液(pH8.0)] 100μl中で37
℃、2時間反応し、ヒスチジンタグを切断した。反応液
から10μlを分取し、15% SDS−PAGEで解
析した。泳動後、ゲルをCoomassie Brilliant Blue R
(CBB、Sigma社)で染色し、ChM−IIタンパク質
のバンドを確認した。
【0093】(4)組換えChM−IIの生物活性 まず、幼若なニュージーランドウサギ(300−600
g、 日本チャールズリバー社)の肋軟骨・骨移行部よ
り成長板軟骨を採取し、メスで細切した。次に、この組
織を0.1%エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(E
DTA和光純薬)を含むカルシウムイオンやマグネシウ
ムイオンを含まない平衡塩緩衝液(CMF)中、37℃
で20分間インキュベーションした。その後、組織の1
0倍容量の0.2%トリプシン(Difco Laboratolies
社)を含むCMF中で1時間処理した。CMFで組織を
洗浄した後、10倍容量の0.2%コラゲナーゼ(Sigm
a社)を含むCMF中で37℃、2時間30分間、撹拌
して組織を分散した。分離した細胞を120μm孔径の
ナイロンフィルター(NBC工業)でふるいにかけ、分
離された細胞を遠心分離により回収した。回収した細胞
を10%ウシ胎仔血清(FBS、GIBCO社)を含む
Eagle最少基本培地(MEM)で3回洗浄後、1型
コラーゲン溶液(50μg/ml、pH3.0;高研)
にてコートした直径6mmの96穴マルチウェルプレー
ト(Nunc社)に10000細胞/mlとなるよう播種し
て、10%FBS、32U/mlのペニシリン (明治製
菓)、40μg/mlのストレプトマイシン(Sigma社)
を含む、F−12培地とDulbecco改変Eagl
e培地(DMEM)の1:1混合培地中で(FAD培
地、Flow Laboratories社)37℃、5% 炭酸ガス濃度
を含む気相下にて培養した。培地交換は1日おきに行
い、ウェルあたり100μlの培地を用いた。
【0094】培養軟骨細胞のDNA合成は細胞の酸不溶
画分への[3H]チミジン(Amersham社)の取り込みを
指標として測定した。すなわち、上記細胞が96穴培養
プレート中でコンフルエントに達した後、細胞を0.3
%FBSを含むFAD培地に交換し、37℃で24時間
培養した。次に、測定する試料(上記(3)項で得られ
た組換えChM−II)と0.3%FBSを含むFAD
培地に交換しさらに22時間培養した。この場合FGF
−2を0.4ng/mlの濃度で添加、非添加の両方を
検討した。さらに10μlの[3H]チミジン(130μ
Ci/ml)を加え、4時間培養した後、細胞を氷冷し
たPBS(20mMリン酸緩衝液(pH7.0)、0.
15M NaCl)で3回洗浄した後、5% トリクロ
ロ酢酸(TCA和光純薬)で2回、エタノール/エーテ
ル(3/1、V/V)で2回洗浄して遊離の放射活性を
除去した。さらに細胞層を0.1N水酸化ナトリウムに
溶解して回収し、これを6N塩酸で中和した後、DNA
に取り込まれた放射活性を液体シンチレーションカウン
ター(LKB-Wallac 1215 CompuGamma、LKB-Wallac社)で
測定した。その結果、組換えChM−IIが軟骨細胞を
増殖させる活性を有することが示された。
【0095】
【発明の効果】本発明のChM−II遺伝子は新規な遺
伝子であり、それを用いることにより組換えChM−I
Iを安定に供給することができる。ChM−IIは、軟
骨細胞を増殖させる活性、分化機能を促進する活性を有
することから、医薬品としての利用が期待される。
【0096】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:715 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源 生物名:ウシ(Bos taurus) 直接の起源 クローン名:pCHM-2-1、pCHM-2-3、pCHM-2-5 配列の特徴 特徴を表す記号:mat_peptide 存在位置:187..585 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:133..585 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を表す記号:sig_peptide 存在位置:133..186 特徴を決定した方法:E 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 AAGATATGAG AGATGCAGAA TTCTAAGGTT AAATAGCTAG ATAATACTAA TTCAGACTGG 60 AATATTCTTC ACAGAGTGTG TGGGGGCAAG CCTAAGGGTC AAGGAAGAAG CATTCTAGAG 120 AGACAAAGAC AA ATG TTT TCC ACA GGA ACC CTC CTT CTG GCT GCT CTG 168 Met Phe Ser Thr Gly Thr Leu Leu Leu Ala Ala Leu -18 -15 -10 ATT TCA CCT GCA CTG GCT GGA CCA TGG GCT ATT ATA TGT GCT GGC AAG 216 Ile Ser Pro Ala Leu Ala Gly Pro Trp Ala Ile Ile Cys Ala Gly Lys -5 1 5 10 TCT TCC AAT GAG ATC AGG ACA TGT GAT GGC CAT GGC TGT GGC CAG TAC 264 Ser Ser Asn Glu Ile Arg Thr Cys Asp Gly His Gly Cys Gly Gln Tyr 15 20 25 ACG GCT CAG AGA AAT CAG AAG CTT CAC CAG GGT GTA GAT GTC TTG TGC 312 Thr Ala Gln Arg Asn Gln Lys Leu His Gln Gly Val Asp Val Leu Cys 30 35 40 TCA GAT GGC TCT ACT GTT TAC GCA CCT TTC ACC GGA AAG ATC ATG GGC 360 Ser Asp Gly Ser Thr Val Tyr Ala Pro Phe Thr Gly Lys Ile Met Gly 45 50 55 CAG GAG AAA CCT TAT AAA AAC AAA AAT GCC ATC AAT AAT GGT GTT CGG 408 Gln Glu Lys Pro Tyr Lys Asn Lys Asn Ala Ile Asn Asn Gly Val Arg 60 65 70 ATC TCT GGA GGA GGT TTC TGC ATT AAA ATG TTC TAC ATC AAG CCA ATT 456 Ile Ser Gly Gly Gly Phe Cys Ile Lys Met Phe Tyr Ile Lys Pro Ile 75 80 85 90 AAA TAT AAA GGT TCT ATC AAG AAG GGA GAA AAA CTG GGC ACT CTG CTG 504 Lys Tyr Lys Gly Ser Ile Lys Lys Gly Glu Lys Leu Gly Thr Leu Leu 95 100 105 CCC TTG CAA AAA GTT TAC CCT GGA ATA CAA TCC CAC ATA CAT ATT GAA 552 Pro Leu Gln Lys Val Tyr Pro Gly Ile Gln Ser His Ile His Ile Glu 110 115 120 AAC TGT GAC TTG AGT GAT CCT ACT GTC TAC CTA TAGATGGAGG ACAAGCCGAT 605 Asn Cys Asp Leu Ser Asp Pro Thr Val Tyr Leu 125 130 CTTCTAAAAA GNCAGCCATC TTCTTCAAAC CTAGGCACCT ATCCTGCTTT TCACAAATTT 665 GAGCTCAAAT AGAAACATGA TGAATGAAAG AGAGTAAAAA AAAAAAAAAA 715
【0097】配列番号:2 配列の長さ:151 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Phe Ser Thr Gly Thr Leu Leu Leu Ala Ala Leu Ile Ser Pro Ala -18 -15 -10 -5 Leu Ala Gly Pro Trp Ala Ile Ile Cys Ala Gly Lys Ser Ser Asn Glu 1 5 10 Ile Arg Thr Cys Asp Gly His Gly Cys Gly Gln Tyr Thr Ala Gln Arg 15 20 25 30 Asn Gln Lys Leu His Gln Gly Val Asp Val Leu Cys Ser Asp Gly Ser 35 40 45 Thr Val Tyr Ala Pro Phe Thr Gly Lys Ile Met Gly Gln Glu Lys Pro 50 55 60 Tyr Lys Asn Lys Asn Ala Ile Asn Asn Gly Val Arg Ile Ser Gly Gly 65 70 75 Gly Phe Cys Ile Lys Met Phe Tyr Ile Lys Pro Ile Lys Tyr Lys Gly 80 85 90 Ser Ile Lys Lys Gly Glu Lys Leu Gly Thr Leu Leu Pro Leu Gln Lys 95 100 105 110 Val Tyr Pro Gly Ile Gln Ser His Ile His Ile Glu Asn Cys Asp Leu 115 120 125 Ser Asp Pro Thr Val Tyr Leu 130
【0098】配列番号:3 配列の長さ:165 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Gly His His His His His His Asp Tyr Asp Ile Pro Thr Thr Glu 1 5 10 15 Asn Leu Tyr Phe Gln Gly Ala His Met Gly Ile Gln Ile Glu Gly Arg 20 25 30 Gly Pro Trp Ala Ile Ile Cys Ala Gly Lys Ser Ser Asn Glu Ile Arg 35 40 45 Thr Cys Asp Gly His Gly Cys Gly Gln Tyr Thr Ala Gln Arg Asn Gln 50 55 60 Lys Leu His Gln Gly Val Asp Val Leu Cys Ser Asp Gly Ser Thr Val 65 70 75 80 Tyr Ala Pro Phe Thr Gly Lys Ile Met Gly Gln Glu Lys Pro Tyr Lys 85 90 95 Asn Lys Asn Ala Ile Asn Asn Gly Val Arg Ile Ser Gly Gly Gly Phe 100 105 110 Cys Ile Lys Met Phe Tyr Ile Lys Pro Ile Lys Tyr Lys Gly Ser Ile 115 120 125 Lys Lys Gly Glu Lys Leu Gly Thr Leu Leu Pro Leu Gln Lys Val Tyr 130 135 140 Pro Gly Ile Gln Ser His Ile His Ile Glu Asn Cys Asp Leu Ser Asp 145 150 155 160 Pro Thr Val Tyr Leu 165
【0099】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 CCNTGGGCNA TNATNTGYGC 20
【0100】配列番号:5 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 RTCRCARTTY TCIATRTGIA TRTG 24
【0101】配列番号:6 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 TGYGAYGGNC AYGGNTGYG 19
【0102】配列番号:7 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 YTGNATNCCN GGRTANACYT T 21
【0103】配列番号:8 配列の長さ:52 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:NはG、A、CまたはTを表す。 配列 TTCTAGAATT CAGCGGCCGC TTTTTTTTTT TTTTTTTTTT TTTTTTTTTT VN 52
【0104】配列番号:9 配列の長さ:44 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTAATACGAC TCACTATAGG GCTCGAGCGG CCGCCCGGGC AGGT 44
【0105】配列番号:10 配列の長さ:8 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACCTGCCC 8
【0106】配列番号:11 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TGTGGCCAGT ACACGGC 17
【0107】配列番号:12 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCATCCTAAT ACGACTCACT ATAGGGC 27
【0108】配列番号:13 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGTCTACCCC GGCATCCA 18
【0109】配列番号:14 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACTCACTATA GGGCTCGAGC GGC 23
【0110】配列番号:15 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 AGATCGGCTT GTNCCTCCAT 20
【0111】配列番号:16 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 AGAAGATGGC TGTCNTTTTA GA 22
【0112】配列番号:17 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACTCACTATA GGGCTCGAGC GGC 23
【0113】配列番号:18 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGCGCTCGAA TTCAAATTGA AGGTGGACCT TGGGCT 36
【0114】配列番号:19 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCTGGATCCT ATAGGTAGA CAGTA 24
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 近藤 淳 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有することを特徴
    とするコンドロモジュリン−IIタンパク質をコードす
    るDNA。 (1)1種のポリペプチドから構成される水溶性タンパ
    ク質であってSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
    による分子量が約16KDである。 (2)破骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
    おいて増殖させる活性を有する。 (3)軟骨細胞に対し分化機能を促進させる活性を有す
    る。 (4)軟骨細胞を単独または他の細胞増殖因子共存下に
    おいて増殖させる活性を有する。
  2. 【請求項2】 前記コンドロモジュリン−IIタンパク
    質が、下記(A)又は(B)に示すタンパク質であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のDNA。 (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のう
    ち、少なくともアミノ酸番号1〜133からなるアミノ
    酸配列を有するタンパク質。 (B)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列のうち、
    少なくともアミノ酸番号1〜133からなるアミノ酸配
    列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若
    しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、前記
    (1)〜(4)に記載の性質を有するタンパク質。
  3. 【請求項3】 下記(a)又は(b)に示すDNAであ
    る請求項2記載のDNA。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号187〜585からなる塩基配列を有
    するDNA。 (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号187〜585からなる塩基配列を有
    するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
    ズするDNA。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のD
    NAを含有する組換えベクター。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のD
    NAを含み、かつ、コンドロモジュリン−IIタンパク
    質の一部又は全部を発現し得る形質転換体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体を培地で培養
    し、その培養物からコンドロモジュリン−IIタンパク
    質の一部または全部を採取することを特徴とする、コン
    ドロモジュリン−IIタンパク質の一部または全部を製
    造する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のDNAによりコードされ
    るコンドロモジュリン−IIタンパク質の一部または全
    部を有効成分とする医薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000037093A1 (fr) * 1998-12-22 2000-06-29 Japan As Represented By Secretary Of National Institute Of Infectious Diseases Inhibiteur de resorption osseuse
US6723696B1 (en) 1998-12-22 2004-04-20 Japan As Represented By Secretary Of National Institute Of Infectious Diseases Bone resorption inhibitors

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