JPH10145196A - 電圧比較器 - Google Patents

電圧比較器

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JPH10145196A
JPH10145196A JP30438996A JP30438996A JPH10145196A JP H10145196 A JPH10145196 A JP H10145196A JP 30438996 A JP30438996 A JP 30438996A JP 30438996 A JP30438996 A JP 30438996A JP H10145196 A JPH10145196 A JP H10145196A
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voltage
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comparison
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JP30438996A
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Inventor
Yoichi Okamoto
陽一 岡本
Kenji Murata
健治 村田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電圧比較動作開始時及び参照電圧選択開始時
における参照電圧の定常値からの変動による電圧利得の
低減及び誤比較が発生する。 【解決手段】 参照電圧入力端子に参照電圧を蓄積する
容量C3がスイッチSW5を介して接続されている。ス
イッチSW5は比較動作開始以前にON状態に遷移して
参照電圧を容量C3に蓄積する。比較動作に遷移すると
参照電圧を蓄積した容量C3は擬似電圧源として作用し
て参照電圧の変動を抑制する。容量C3が参照電圧の変
動電圧を吸収するとスイッチSW5はOFF状態に遷移
し、比較動作終了後に再びON状態に遷移して変動電圧
を充放電して再び参照電圧を蓄積する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はA/D変換器等に用
いられる電圧比較器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの産業分野において信号処理
のディジタル化が進み、アナログ値をディジタル値に変
換するA/D変換器がディジタル信号処理のキーデバイ
スとなっている。しかも、最近特にディジタル信号処理
の高速化が急速に進む一方で、低消費電力化への要求も
厳しくなっており、A/D変換器においても更なる高速
化と低消費電力化が要求されている。
【0003】電圧比較器はA/D変換器の主要な構成要
素であり、この電圧比較器の性能がA/D変換器の動作
速度、精度、消費電力などほとんどすべての性能を決定
していると言っても過言ではない。電圧比較器のアーキ
テクチャとしてはチョッパ型電圧比較器、差動増幅器を
入力段とする電圧比較器等がある。これらの電圧比較器
は、CMOSトランジスタの超LSIプロセス技術で実
現されるモノシリックA/D変換器に頻繁に応用され
る。いずれにしても、比較対象となるアナログ入力電圧
と参照電圧とを入力として、その差電圧を電圧のままあ
るいは電流に変換して増幅する機能を有し、最終的には
論理レベルと判断できるレベルまで増幅を行う。ここで
は従来の電圧比較器として、その代表的なアーキテクチ
ャとして知られ、比較的低消費電力で高速度で動作可能
なインバータチョッパ型電圧比較器を例に説明する。
【0004】以下、従来のインバータチョッパ型電圧比
較器の構成及びその動作について述べる。図6にインバ
ータチョッパ型電圧比較器の基本構成を示す。SW1〜
4はスイッチであり、PMOS単体のトランスファーゲ
ート、NMOS単体のトランスファーゲート、CMOS
のトランスファーゲートから選択して適用される。これ
らのトランスファーゲートでは、MOSトランジスタの
ゲートに印加するクロック信号(以下スイッチ制御信号
と呼ぶことにする)によって、ドレインとソース間の導
通状態と非導通状態を制御している。
【0005】アナログ入力電圧Vinと参照電圧Vrefと
の電圧差を増幅する増幅器4において、スイッチSW1
の一方の端子はアナログ入力電圧Vinを入力する入力端
子101に接続され、他方の端子は容量C1の一端10
3に接続されている。スイッチSW2の一方の端子は参
照電圧Vrefを入力する入力端子102に接続され、他
方の端子はスイッチSW1と同じく容量C1の一端10
3に接続されている。容量C1のSW1、2が接続され
ていないもう一方の端子はインバータ1の入力端子10
4に接続されている。SW3の一方の端子は入力端子1
04に接続され、他方の端子はインバータ1の出力端子
105に接続されている。容量C2の一方の端子は出力
端子105に接続され、他方の端子はインバータ2の入
力端子106に接続されている。スイッチSW4の一方
の端子は入力端子106に接続され、他方の端子はイン
バータ2の出力端子107に接続されている。インバー
タ3の入力端子は出力端子107に接続されている。イ
ンバータ3の出力端子108は電圧比較器の出力端子と
なる。以上がインバータチョッパ型電圧比較器の基本構
成である。
【0006】次に動作について説明する。図7(a)
は、スイッチSW1〜4のON状態とOFF状態を示す
タイミング図である。このタイミング図でハイレベルの
ときスイッチはON状態を、ローレベルのときスイッチ
はOFF状態をそれぞれ示している。
【0007】「サンプル期間」では、スイッチSW1、
3、4がON状態で、スイッチSW2はOFF状態であ
り、アナログ入力電圧VinがスイッチSW1を介して容
量C1に入力されて、容量C1の一方の端子103はア
ナログ入力電圧Vinとなる。インバータ1の入力端子1
04のノード電圧V3と出力端子105のノード電圧V
4は、スイッチSW3がON状態であるため、入力端子
104と出力端子105が短絡されて、インバータのオ
ートゼロ電圧Va(図8のインバータの静特性に示され
ているA点)となる。同じようにスイッチSW4もON
状態であるため、インバータ2の入力端子106のノー
ド電圧V5と出力端子107のノード電圧V6はオート
ゼロ電圧Vaとなる。
【0008】「ホールド期間」では、スイッチSW1、
3、4がOFF状態となり、スイッチSW1〜4のすべ
てがOFF状態となり、「サンプル期間」終了時の状態
を保持する。容量C1の端子間電圧は、保持されたアナ
ログ入力電圧Vinとオートゼロ電圧Vaとの電圧差とな
る。容量C1に保持された電荷は、平行平板型コンデン
サの蓄積電荷と端子間電圧との関係を用いると、(数
1)で表すことができる。
【0009】
【数1】
【0010】次に、「比較期間」でスイッチSW2がO
N状態になると、参照電圧Vrefが容量C1に入力され
る。このとき、インバータ1の入力端子104のノード
電圧V3はある電圧値Vbとなり、この電圧と参照電圧
Vrefとの電圧差が容量C1の端子間に印加される。ス
イッチSW3はOFF状態であり、インバータ1の入力
端子104はMOSトランジスタのゲートであるため入
力インピーダンスは非常に高く電流の流入出が無視でき
るとすると、前記インバータ1の入力端子104の電荷
は保持される結果、(数2)が成り立つ。(数2)に
(数1)を代入して、Q1を消去し、Vbについて解く
と、(数3)が導かれる。
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】(数3)より、インバータ1の入力端子1
04はVaよりもVref−Vin(参照電圧と保持されたア
ナログ入力電圧の差分)の電圧差だけ変動することがわ
かる。したがって、インバータ1の出力電圧変動分△V
ofは(数4)で表される(図9参照)。インバータ2も
同様の動作で入力電圧を増幅する。インバータ2のVa
からの入力電圧変化量はインバータ1の出力電圧変動分
△Vofとなるので、インバータ2の出力電圧変動分△V
osは、(数5)で表される。
【0014】
【数4】
【0015】
【数5】
【0016】(数5)によれば、△VosはVref−Vin
に比例しており、比例係数はGf・Gsとなっていること
から、参照電圧Vrefとサンプルされたアナログ入力電
圧Vinとの差電圧がGf・Gs倍されて出力されているこ
とがわかる。インバータ3は、△Vosに増幅された入力
電圧変化量を論理レベルと判断できる電圧値までさらに
増幅し、電圧比較結果として出力端子108より出力電
圧Voutを出力する。以上のようにして電圧比較動作が
行われる。
【0017】なお、上記の「ホールド期間」は「サンプ
ル期間」から「比較期間」への遷移の緩衝期間の役割を
果たすもので、スイッチSW1、3、4のON状態から
OFF状態への遷移をSW2のOFF状態からON状態
への遷移よりも先に完了させ、サンプル動作と比較動作
がオーバーラップして誤動作することを防止するために
設定される。したがって、この期間を明示的に設定しな
いことが多いが、直並列型A/D変換器に応用する場合
には、下位列の電圧比較器に対して上位列の比較結果が
決定するまでの「待機期間」として明示的に設定され
る。
【0018】以上、インバータチョッパ型電圧比較器に
ついて説明したが、差動チョッパ型電圧比較器について
も上記と同様の原理で動作する。いずれにしても電圧比
較器はアナログ入力電圧と参照電圧の差電圧を論理電圧
レベルまで増幅することにより、アナログ入力電圧と参
照電圧との比較動作を行うものである。
【0019】次にA/D変換器の代表的なアーキテクチ
ャの1つで、電圧比較器列を上位列と下位列に分けて、
上位列で変換領域すべてに渡る粗い精度での比較を行
い、その比較結果に基づいて下位列へアナログ入力電圧
近傍の参照電圧を選択供給して、細かい精度で比較を行
うことで、電圧比較器の総数を減じ、消費電力を低減す
ることが可能な直並列型A/D変換器に頻繁に応用され
る、複数の参照電圧から1つの参照電圧を選択して、ア
ナログ入力電圧との電圧比較を行う従来の参照電圧選択
回路を有する電圧比較器について、先と同様にインバー
タチョッパ型を例に説明する。
【0020】以下、従来の参照電圧選択回路を有するイ
ンバータチョッパ型電圧比較器の構成及びその動作につ
いて述べる。なお、上記従来のインバータチョッパ型電
圧比較器と同じ構成の部分には同一の参照符号が付与し
てあり、その説明を省略する。
【0021】図10に従来の参照電圧選択回路を有する
のインバータチョッパ型電圧比較器の基本構成を示す。
図10に示した従来のインバータチョッパ型電圧比較器
の構成において、スイッチSW2の一端と参照電圧選択
回路5の出力端子209が接続されている。この従来例
では参照電圧選択回路5は8個のスイッチSS1〜8で
構成されている。これは直並列型A/D変換器におい
て、上位電圧比較器列が3ビット(23=8)である場
合に相当する。実際の直並列A/D変換器では8〜10
ビット精度のものが大半で、上位電圧比較器列も4〜5
ビットになり、参照電圧選択回路5を構成するスイッチ
数も少なくとも16〜32個にはなる。スイッチSS1
〜8の一端はそれぞれ異なる参照電圧Vref1〜Vref8を
入力する入力端子201〜208に接続され、他端は互
いに1つに接続されて参照電圧選択回路5の出力端子2
09に接続される。
【0022】スイッチSS1〜8は、スイッチSW1〜
4と同様にPMOS、NMOS、CMOSいずれかのト
ランスファーゲートより選択して適用され、クロック信
号によりドレインとソース間の導通状態と非導通状態を
制御される。このスイッチSS1〜8は、参照電圧選択
回路5に入力される参照電圧選択信号6によりいずれか
1つのスイッチのみがON状態になり、その他はOFF
状態となるよう制御される。
【0023】次に動作について説明するが、上記従来の
インバータチョッパ型電圧比較器と同じ構成の部分の動
作は上記と同じであるためその説明を省略する。ここで
は、参照電圧選択回路5と従来のインバータチョッパ型
電圧比較器の動作の関係を説明する。図11(a)にス
イッチSW1〜4及びスイッチSS1〜8のON状態と
OFF状態を示すタイミング図を示す。本タイミング図
における「ホールド期間」と「参照電圧選択期間」は上
記従来のインバータチョッパ型電圧比較器における「ホ
ールド期間」に一致する。
【0024】本タイミング図における「ホールド期間」
は、例えば、本電圧比較器を用いた直並列型A/D変換
器において、上位電圧比較器列が比較動作を行い、参照
電圧選択回路5を制御する参照電圧選択信号6を生成す
る期間に相当する。
【0025】参照電圧選択回路5は「サンプル期間」及
び「ホールド期間」の間、スイッチSS1〜8の内、1
つをON状態にその他をOFF状態に保持している。
【0026】次に「参照電圧選択期間」の開始時に参照
電圧選択信号6が入力されて、それに基づきスイッチS
S1〜8はそれぞれON/OFF状態を切り替える。本
期間に選択された参照電圧を定常値に収束させて、次の
比較動作に備える。
【0027】「比較期間」には従来のチョッパ型電圧比
較器が選択された参照電圧を参照してアナログ入力電圧
との比較動作を行う。
【0028】以上、インバータチョッパ型について説明
したが、差動チョッパ型やその他の差動型等についても
参照電圧選択回路5との動作関係は同様である。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】図7(b)に上記従来
のインバータチョッパ型電圧比較器のノード電圧V1〜
4の電圧応答波形の一例を示す。同図(a)に示す最初
の「サンプル期間」でサンプルしたアナログ入力電圧V
sと参照電圧Vrefとの電圧差がΔV=Vref−Vs(<
0)であるとすると、「比較期間」開始後、インバータ
1の出力電圧変動分ΔVofはインバータの電圧利得:G
f倍されて最終的に定常値ΔVof=Gf・ΔV(>0)に
収束する。ΔVofが所定の「比較期間」内に定常値に収
束するためには、インバータ1が出力端子105に接続
される負荷容量(この場合容量C2とその寄生容量)を
ドライブする十分な能力があることが必要であるが、そ
れにも況して「サンプル期間」および「ホールド期間」
から「比較期間」に遷移した後、容量C1の一端103
のノード電圧V2をアナログ入力電圧値Vinから参照電
圧値Vrefに速やかに切り替えることが必須条件であ
る。この切り替え、すなわち参照電圧の定常値Vrefへ
の収束が遅けれ、インバータの負荷ドライブ能力がいく
ら大きくともその出力は定常値ΔVof=Gf・ΔVには
決して収束しないのは明白である。容量C1自体やその
一端103の寄生容量が小さいか、あるいは参照電圧の
供給源の能力が十分大きければ、後者の条件はほぼ達成
される。しかし、実際には、容量C1はノイズ耐性を維
持するためにある程度の容量値を確保する必要がある。
また、半導体集積回路として実現される参照電圧の供給
源についても消費電力や回路規模等の問題によりその能
力に制限を受ける。電圧比較器を複数個並べて使用する
従来のA/D変換器では、アナログ入力電圧の変換領域
の上限と下限となる2つの基準電圧源に同じ抵抗値を持
つ基準抵抗で構成される基準抵抗列の両端を接続し、前
記基準抵抗間の分割電位を参照電圧として用いることが
ほとんどであり、その電圧源としての能力は基準抵抗列
の抵抗値で決まる。このため、実際の容量C1の一端1
03のノード電圧V2は「比較期間」開始後、直ちにサ
ンプルしたアナログ入力電圧Vsから参照電圧Vrefに
切り替わらずに、ある時間応答をもって参照電圧Vref
に収束していく。比較動作の高速化のためにデバイスパ
ラメータなど他の条件を変えずに「比較期間」のみを短
くしていくと、図7(b)に示すように前述の「比較期
間」開始後から始まる容量C1の一端103のノード電
圧V2の参照電圧Vrefへの収束時間の「比較期間」に
占める割合が高くなっていき、ついには収束が十分でな
くなる状況が発生してくる。この場合、インバータの出
力応答が静特性的であったとしても、図7(b)に示す
ようにインバータ1の出力端子105のノード電圧V4
の出力電圧変動分ΔVofは入力端子104のノード電圧
V3の入力電圧変動がΔVより小さいためにΔVof<G
f・ΔVとなって十分な電圧利得を得ることができなく
なる。このため電圧比較器自体の出力電圧Voutも小さ
くなってしまい、論理レベルと判断できない電圧レベル
(不定レベル)となるアナログ入力電圧範囲が拡大し、
電圧比較器の特性が劣化するという問題点を有してい
た。
【0030】また、こうした電圧比較器で構成されるA
/D変換器を高速動作させると、変換方式に依らず電圧
比較器列からの比較結果をビット・データに変換する論
理回路への入力振幅が論理レベルより小さくなることが
多くなり、A/D変換器の特性が劣化するという問題点
を有していた。
【0031】電圧比較器の動作速度を落とさずにこうし
た問題を回避するには、従来の構成では、各部の動作電
流を増やすしかなく、消費電力の増大というもう1つの
問題が発生する。
【0032】図11(b)に上記従来の参照電圧選択回
路を有するインバータチョッパ型電圧比較器のノード電
圧V2、3、4、7、8の電圧応答波形の一例を示す。
まず[サンプル期間]にアナログ入力電圧Vsをサンプル
したとする。[ホールド期間]には前の「サンプル期間」
終了時の状態を保持する。この期間は先に述べたよう
に、直並列型A/D変換器において、上位電圧比較器列
が比較動作を行い、参照電圧選択信号6を生成するため
に設定される。[参照電圧選択期間]に参照電圧選択回路
5はそれぞれ参照電圧列選択信号6に基づき参照電圧を
切り替える。この例では、参照電圧はVref1からVref8
に切り替わるとする(Vref1>Vref8)。参照電圧選択
回路5の出力端子209には参照電圧選択回路5を構成
する複数のスイッチSS1〜8が接続されいる。このた
めスイッチの寄生容量及びスイッチ間の配線容量が付加
される。前述のように参照電圧の供給源は理想電圧源で
はなく、特にA/D変換器に応用される場合は、基準抵
抗間の分割電位で実現されることがほとんどなので、参
照電圧はVref1からVref8にすぐには切り替わらずに、
ある時間応答をもって定常値に収束していく。比較動作
の高速化のためにデバイスパラメータなど他の条件を変
えずに「参照電圧選択期間」のみを短くしていくと、つ
いには収束が十分でなくなる状況が発生してくる。図1
1(b)に示すように「参照電圧列選択期間」が十分で
ない場合、本来サンプルしたアナログ入力電圧Vs>参
照電圧Vref8であるのが、[比較期間]開始時には、参照
電圧が十分に収束していないために大小関係が逆転し、
インバータ1は本来とは逆極性の電圧を出力する期間が
発生する(ノード電圧V4参照)。この場合、インバー
タ2、3も本来とは逆方向に動作するため、電圧比較器
の出力電圧Voutが逆極性になる、すなわち電圧比較器
が誤比較するという問題点を有していた。
【0033】また、このような構成の電圧比較器を下位
電圧比較器として応用した直並列型A/D変換器の変換
特性も劣化することになる。直並列型A/D変換器で
は、上位比較結果により下位参照電圧を選択する期間す
なわち上記の「参照電圧選択期間」に相当する期間が必
要である。このため、並列型A/D変換器のように電圧
比較器の比較動作を高速化するだけでは、変換速度を高
速化するのは困難であり、上記期間を短縮することが高
速化にとって重要である。しかし、誤比較等の問題を回
避するには、[参照電圧選択期間]を十分に確保するか、
あるいは[比較期間]を長くするかのいずれか一方、ある
いはその両方を満足する必要がある。いずれにしても従
来の構成では、各部の動作電流を増やさずに、すなわち
消費電力を増やさずに高速化を図ることは困難であると
いう問題点を有していた。
【0034】本発明は上記の問題点を解決するもので、
電圧比較器が比較動作を開始したとき、あるいは複数の
参照電圧を切り替える参照電圧選択回路を有する電圧比
較器が参照電圧を切り替えたときに起こる参照電圧の変
動に起因して発生する電圧利得の低下あるいは誤動作等
を解消し、併せて低消費電力化を可能とした電圧比較器
を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の電圧比較器は、増幅器の比
較参照電圧入力端に、前記比較参照電圧を保持して「比
較期間」開始時の前記比較参照電圧の変動を緩和する容
量素子をスイッチ手段を介して接続した構成を有し、前
記スイッチ手段は、前記「比較期間」開始以前に前記容
量素子の一端が前記比較参照電圧の定常値に等しくなる
ように、OFF状態からON状態に遷移して前記比較参
照電圧を蓄積し、前記「比較期間」開始後、所定の期間
ON状態を保持した後OFF状態に遷移するよう制御さ
れる。
【0036】前記ON状態から前記OFF状態に遷移さ
せるタイミングを容量素子の一端の電位の前記比較参照
電圧の定常値からの変動幅が最大付近とすることが望ま
しい。
【0037】本発明の請求項3記載の電圧比較器は、参
照電圧選択回路の複数の参照電圧それぞれの入力端に、
対応する前記参照電圧を保持してその変動を緩和する第
1の個別容量素子を第1の個別スイッチ手段を介して接
続した構成を有し、前記第1の個別スイッチ手段のそれ
ぞれは、「参照電圧選択期間」以前に、対応する前記第
1の個別容量素子の一端の電位が対応する前記参照電圧
の定常値に等しくなるようにOFF状態からON状態に
遷移して、対応する前記参照電圧を蓄積し、前記「参照
電圧選択期間」開始後、所定の期間ON状態を保持した
後OFF状態に遷移するよう制御される。
【0038】前記ON状態から前記OFF状態に遷移さ
せるタイミングを比較参照電圧に対応する前記第1の個
別容量素子の一端の電位の前記比較参照電圧の定常値か
らの変動幅が最大付近とすることが望ましい。
【0039】本発明の請求項5記載の電圧比較器は、前
記参照電圧選択回路の複数の参照電圧それぞれの入力端
に、対応する前記参照電圧を保持してその変動を緩和す
る第2の個別容量素子を第2の個別スイッチ手段を介し
て接続した構成を有し、前記第2の個別スイッチ手段の
それぞれは、[参照電圧選択期間]以前に、対応する前記
第2の個別容量素子の一端の電位が対応する前記参照電
圧の定常値と等しくなるようにOFF状態からON状態
に遷移した後再びOFF状態に遷移して対応する前記参
照電圧を保持し、[比較期間]以前にON状態に遷移し、
所定の期間導通状態を保持した後に非導通状態に遷移す
るよう制御される。
【0040】前記ON状態から前記OFF状態に遷移さ
せるタイミングを比較参照電圧に対応する前記個別容量
素子の一端の電位の前記比較参照電圧の定常値からの変
動幅が最大付近とすることが望ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下、本発明の電圧比較器の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施
例の説明において、従来の技術の説明と重複する部分に
つては適宜その説明を省略する。
【0042】図1は、本発明の請求項1,2に係わる第1
の実施例におけるインバータチョッパ型電圧比較器の構
成を示したものである。従来のインバータチョッパ型電
圧比較器の構成を示す図6と同一部分には同一の参照符
号が付与してあり、その説明は省略する。本実施例にお
けるインバータチョッパ型電圧比較器では、スイッチS
W5の一端が、参照電圧Vrefの入力端子102に接続
され、他端が容量C3の一端に接続されている。容量C
3の他端は定電位(アナロググランド電位)に接続され
ている。
【0043】なお、スイッチSW1〜5は従来のインバ
ータチョッパ型電圧比較器のSW1〜4と同様にPMO
S、NMOS、CMOSいずれかのトランスファーゲー
トより選択して適用され、クロック信号によりドレイン
とソース間の導通状態と非導通状態を制御される。
【0044】次に、本実施例のインバータチョッパ型電
圧比較器の動作について説明する。図2(a)は、スイ
ッチSW1〜5のON状態とOFF状態を示すタイミン
グ図である。このタイミング図でハイレベルのときはス
イッチはON状態を、ローレベルのときはスイッチはO
FF状態をそれぞれ示している。また、図2(b)は、
スイッチSW1〜5が図2(a)のタイミングで制御さ
れたときのノード電圧V1〜4の電圧応答波形の一例を
示したものである。但し、従来のインバータチョッパ型
電圧比較器と同一構成の部分のデバイスパラメータ、ア
ナログ入力電圧の入力条件及び参照電圧値は従来例と同
じとする。
【0045】本実施例のインバータチョッパ型電圧比較
器において、SW1〜4のON/OFFタイミングは、
従来のインバータチョッパ型電圧比較器におけるSW1
〜4のON/OFFタイミングと同一であり、その動作
及び作用も同様であるので説明を省略する。ここでは、
スイッチSW5とスイッチSW1〜4の動作の関係につ
いて説明する。なお、従来のインバータチョッパ型電圧
比較器のスイッチSW1〜4の動作及び作用を説明する
ための[サンプル期間]、[ホールド期間]及び[比較
期間]各期間に加えて、スイッチSW5とスイッチSW
1〜4の共動による作用を説明するために、本実施例の
1動作サイクルを新たに[プリセット期間]、[充放電
期間]及び[待機期間]の3つの期間に分ける。
【0046】以下、各期間について動作を説明すると共
に、ノード電圧V1〜4の電圧応答についても適宜説明
する。
【0047】[プリセット期間]は、本実施例では[サ
ンプル期間]の開始から[ホールド期間]の終了に同期
して設定されている。スイッチSW5は本期間の開始時
にOFF状態からON状態に遷移して、容量C3の一端
と参照電圧Vrefの入力端子102との間を導通状態に
する。したがって、前記容量C3の一端の電位は参照電
圧値Vrefに充放電されていき、[プリセット期間]の
終了時までに容量C3は参照電圧Vrefを蓄積する。本
期間において、スイッチSW1はまずON状態にあって
アナログ入力電圧Vinを容量C1にサンプルし、OFF
状態になってサンプルしたアナログ入力電圧Vsを保持
する。このときスイッチSW2はOFF状態にあるの
で、容量C3への参照電圧蓄積動作が、アナログ入力電
圧のサンプル動作及びホールド動作に影響を及ぼすこと
はない。したがって、ノード電圧V1〜4の電圧応答波
形は先に図6(b)に示した従来のインバータチョッパ
型電圧比較器の応答と同一である。
【0048】[充放電期間]は、スイッチSW2がOF
F状態からON状態に遷移するときに、すなわち[比較
期間]の開始に同期して開始される。その他のスイッチ
SW1、3、4、5はそれぞれ前の期間の状態を保持し
ている。すなわちスイッチSW1、3、4はOFF状
態、スイッチSW5はON状態である。[比較期間]
([充放電期間])開始時にスイッチSW2がON状態
になると参照電圧Vrefと容量C1の一端103が導通
状態になり、容量C1の一端103のノード電圧V2は
アナログ入力電圧値Vinから参照電圧値Vrefへ充放電
されていく。ところで、先に従来例で述べた様に参照電
圧の供給源は半導体集積回路として実現される場合がほ
とんどであり、その電荷供給能力は理想電源にはほど遠
い。したがって、容量C1への参照電圧Vrefへの充放
電には時間を要する。ところが本実施例においては、先
の[プリセット期間]に容量C3に参照電圧Vrefが蓄
積されている。したがって、スイッチSW2がON状態
に遷移した瞬間、スイッチSW2の両端に付く容量間で
電荷の急速な移動が起こる。容量C1の一端103のノ
ード電圧V2は、入力端子102から容量C3の一端に
かけて付加する総容量値Ca(≒C3の容量値)と参照
電圧値Vrefと、容量C1の一端103の総容量値Cb
とサンプルされたアナログ入力電圧値Vsで決まる(数
6)で示される中間電位Vmにほぼ瞬間的に遷移する。
【0049】
【数6】
【0050】このとき同時に参照電圧の供給源も電荷を
充放電するが、前述のスイッチSW2の両端間の電荷の
移動の方が支配的である。ここで、容量C3の容量値を
大きな値に設定して容量C1の一端103に付く容量C
bを相対的に小さくしてやれば、容量C1の一端103
のノード電圧V2はより参照電圧値Vrefに近づくこと
は(数6)より容易に想像できる。実際には、容量C3
の容量値は[プリセット期間]内に参照電圧Vrefを蓄積
できる最大値に設定すれば効果は最大になる。
【0051】次の[待機期間]開始時にスイッチSW5は
ON状態からOFF状態に遷移して、容量C3は参照電
圧と非導通状態になる。したがって、参照電圧の電圧源
は入力端子102から容量C1の一端103に付く容量
のみを充放電して、参照電圧値Vrefに収束させればよ
い。このように、先の[充放電期間]において容量C1の
一端103のノード電圧V2が中間電位Vmに遷移した
後、スイッチSW5をOFF状態に遷移させて、以降
「比較期間」終了まで容量C3をドライブしないことで
参照電圧の電圧源の負荷容量を従来例と同程度に戻せる
ので、容量C1の一端103のノード電圧V2を全体と
して従来より高速に参照電圧値Vrefに収束させること
ができる。したがって、インバータの出力電圧Voutは
従来よりも高速に静特性点に向かって収束し、電圧比較
器としてもより高速な電圧比較動作が可能となる。
【0052】ここで、仮にスイッチSW5を容量C1の
一端103のノード電圧V2が中間電位Vmに遷移した
後もON状態にしておくと、容量C3の保持する参照電
圧Vrefとの差電圧を[比較期間]中に充放電することに
なり、容量C1の一端の103のノード電圧V2の参照
電圧Vrefへの収束が遅くなり、したがって、インバー
タの出力電圧変動分ΔVofが小さくなる場合がある。そ
こで、[充放電期間]終了時に容量C3に保持さた参照電
圧Vrefとの差電圧は「待機期間」の間(「比較期間」
が終了するまで)保持して、次のサイクルの[プリセッ
ト期間]の間に充放電させる。従来のインバータチョッ
パ型電圧比較器では[サンプル期間]〜「ホールド期間」
中は参照電圧を必要としないが、参照電圧の供給源は動
作し続けるので無駄に電力を消費していた。これに対し
て本実施例におけるインバーチョッパ型電圧比較器で
は、[サンプル期間]〜「ホールド期間」中に容量C3に
参照電圧を蓄積しておいて、[比較期間]に容量C3を擬
似参照電圧源(いわゆるシンク)として利用することに
より、参照電圧の供給源の電圧比較器1動作サイクルの
負荷を平均化している(一般に電圧源の負荷は比較動作
時に大きくなる)。したがって、本実施例のインバータ
チョッパ型電圧比較器では参照電圧の供給源の能力を小
さくでき、消費電力を低減できる。
【0053】以上のように本実施例におけるインバータ
チョッパ型電圧比較器によれば、図6に示した従来のイ
ンバータチョッパ型電圧比較器の構成に容量C3をスイ
ッチSW5を介して参照電圧Vrefに接続する構成にし
て、比較動作以前に容量C3に参照電圧Vrefを蓄積し
て、比較動作時に擬似参照電源として使用することで、
参照電圧の供給源の見かけ上の負荷を低減することによ
り、参照電圧の定常値からの変動を小さくして、電圧比
較器の利得低減とそれに起因する誤比較のない、高速な
電圧比較器を実現できる。また、比較動作時に容量C3
が吸収した参照電圧の変動を比較動作終了後に充放電さ
せることで、負荷の平均化を図り、参照電圧の供給源の
能力を小さくして消費電力の低減を実現できる。
【0054】なお、本実施例では、インバータチョッパ
型の電圧比較器について説明したが、差動チョッパ型や
アナログ入力端子と参照電圧端子がイコライズされる方
式の電圧比較器など、比較動作開始時に参照電圧が変動
する電圧比較器に対して同様の効果が選られることは言
うまでもない。
【0055】(実施の形態2)図3は、本発明の請求項
3,4に係わる第2の実施例における参照電圧選択回路
を有するインバータチョッパ型電圧比較器の構成を示し
たものである。従来の参照電圧選択回路を有するインバ
ータチョッパ型電圧比較器の構成を示す図10と同一部
分には同一の参照符号が付与してあり、その説明は省略
する。本実施例における参照電圧選択回路を有するイン
バータチョッパ型電圧比較器では、スイッチST1〜8
それぞれの一端が、スイッチSS1〜8のそれぞれに対
応する参照電圧Vref1〜8の入力端子201〜208に
接続され、他端それぞれが容量CT1〜8の一端に接続
されている。容量CT1〜8の他端は定電位(アナログ
グランド電位)に接続されている。
【0056】なお、スイッチST1〜8は従来の参照電
圧選択回路を有するインバータチョッパ型電圧比較器の
スイッチSW1〜4、SS1〜8と同様にPMOS、N
MOS、CMOSいずれかのトランスファーゲートより
選択して適用され、クロック信号によりドレインとソー
ス間の導通状態と非導通状態を制御される。
【0057】次に、本実施例の参照電圧選択回路を有す
るインバータチョッパ型電圧比較器の動作について説明
する。図4(a)は、スイッチSW1〜4、ST1〜8
のON状態とOFF状態を示すタイミング図である。こ
のタイミング図でハイレベルのときはスイッチはON状
態を、ローレベルのときはスイッチはOFF状態をそれ
ぞれ示している。また、図4(b)は、スイッチSW1
〜4が図4(a)のタイミングで制御されたときのノー
ド電圧V2、3、4、7、8の電圧応答波形の一例を示
したものである。但し、従来の参照電圧選択回路を有す
るインバータチョッパ型電圧比較器と同一構成の部分の
デバイスパラメータ、アナログ入力電圧の入力条件及び
参照電圧値は従来例と同じとする。
【0058】本実施例の参照電圧選択回路を有するイン
バータチョッパ型電圧比較器において、スイッチSW1
〜4、SS1〜8のON/OFFタイミングは、従来の
参照電圧選択回路を有するインバータチョッパ型電圧比
較器と同一であり、その動作及び作用も同様であるので
説明を省略する。ここでは、スイッチST1〜8とスイ
ッチSW1〜4、SS1〜8の動作の関係について説明
する。なお、従来の参照電圧選択回路を有するインバー
タチョッパ型電圧比較器のスイッチSW1〜4、SS1
〜8の動作及び作用を説明するための[サンプル期
間]、[ホールド期間]及び[比較期間]各期間に加え
て、スイッチST1〜8とスイッチSW1〜4、SS1
〜8の共動による作用を説明するために、本実施例にお
ける1動作サイクルを新たに[プリセット期間]、[充
放電期間]及び[待機期間]の3つの期間に分ける。
【0059】[プリセット期間]は、本実施例では[サ
ンプル期間]の開始から[ホールド期間]終了に同期し
て設定されている。スイッチST1〜8は本期間の開始
時にOFF状態からON状態に遷移して、対応する容量
CT1〜8の一端と参照電圧Vref1〜8との間を導通状
態にする。したがって、容量CT1〜8の前記一端の電
位は対応する参照電圧値に充放電されていき、[プリセ
ット期間]の終了時までに容量CT1〜8は対応する参
照電圧をサンプルする。本期間において、スイッチSW
1はまずON状態にあってアナログ入力電圧Vinを容量
C1にサンプルした後、OFF状態になってサンプルし
たアナログ入力電圧Vsを保持する。このときスイッチ
SW2はOFF状態にあるので、容量CT1〜8への参
照電圧サンプル動作が、アナログ入力電圧のサンプル動
作及びホールド動作に影響を及ぼすことはない。したが
って、各ノード電圧の電圧応答波形は先に図10(b)
に示した従来の参照電圧選択回路を有するインバータチ
ョッパ型電圧比較器の応答と同一である。
【0060】[充放電期間]は、参照電圧選択信号6に
より参照電圧選択回路5がスイッチSS1〜8がOFF
状態からON状態に遷移するときに、すなわち[参照電
圧選択期間]の開始に同期して開始される。その他のス
イッチSW1〜4、ST1〜8はそれぞれ前の期間の状
態を保持している。すなわちスイッチSW1〜4はOF
F状態、スイッチST1〜8はON状態である。[参照
電圧選択期間]([充放電期間])開始時にスイッチS
S1〜8のON/OFF状態が切り替わる。本実施例で
は従来例と同様にVref1からVref8に切り替わるとする
(Vref1>Vref8)。すなわちスイッチST1がON状
態からOFF状態に、スイッチST8がOFF状態から
ON状態に遷移して、スイッチST2〜7はOFF状態
のままである。参照電圧Vref8と参照電圧選択回路5の
出力端子209が導通状態になり、出力端子209に寄
生するスイッチST1〜8の寄生容量及び配線容量等は
参照電圧Vref1からVref8へ放電されていく。ところ
で、先に述べた様に参照電圧の供給源は半導体集積回路
として実現される場合がほとんどであり、その電荷供給
能力は理想電源にはほど遠い。したがって、前記寄生容
量への参照電圧Vref8への放電には時間を要する。とこ
ろが本実施例においては、先の[プリセット期間]に容
量CT1〜8に対応する参照電圧Vref1〜8が蓄積され
ている。したがって、スイッチSS8がON状態に遷移
した瞬間、スイッチSS8の両端に付く容量間で電荷の
急速な移動が起こり、参照電圧選択回路5の出力端子2
09のノード電圧V7は、参照電圧Vrefの入力端子2
08から容量CT8の一端までに付く総容量値Cc(≒
容量CT8の容量値)と参照電圧値Vref8と、参照電圧
選択回路5の出力端子29の容量値Cdと参照電圧Vre
f1で決まる(数7)で示される中間電位Vnにほぼ瞬間
的に遷移する。
【0061】
【数7】
【0062】このとき同時に参照電圧Vref8を供給する
電圧源も電荷を充放電するが、前述のスイッチSS8の
両端に付く容量間の電荷の移動の方が支配的である。こ
こで、容量値Ccすなわち容量CT8の容量値を大きい
値に設定して、参照電圧選択回路5の出力端子209の
寄生容量の容量値Cdを相対的に小さくしてやれば、参
照電圧選択回路5の出力端子209のノード電圧V7は
より参照電圧値Vref8に近づくことは(数7)より容易
に想像できる。実際には、容量CT1〜8の容量値は
[プリセット期間]内に参照電圧Vref1〜8を蓄積できる
最大値に設定すれば効果は最大になる。
【0063】次の[待機期間]には、その開始時にスイッ
チST1〜8はON状態からOFF状態に遷移して、容
量CT1〜8は参照電圧と非導通状態になる。したがっ
て、参照電圧を供給している電圧源は参照電圧選択回路
5の出力端子209の寄生容量のみを充電して、参照電
圧値Vref8に収束させればよい。このように、先の[充
放電期間]において出力端子209のノード電圧V7が
中間電位Vnに遷移した後、スイッチSS1〜8をOF
F状態に遷移させて、以降「比較期間」の間は容量CT
8をドライブしないことで、参照電圧Vref8の供給源の
負荷を従来例の場合と同程度に戻すことができるので
を、出力端子209を全体として従来より高速に参照電
圧値Vref8に収束させることができる。したがって、従
来例の図10(b)に示すようなサンプルしたアナログ
入力電圧と参照電圧の大小関係が本来とは逆転するよう
な現象を防ぐことができ、誤比較や電圧利得の低下のな
い電圧比較動作が可能となる。
【0064】ここで、仮にスイッチST1〜8を出力端
子209のノード電圧V7が中間電位Vnに遷移した後
もON状態にしておくと、容量CT8の保持する参照電
圧Vref8との差電圧を出力端子209に付く寄生容量と
一緒に放電することになり、参照電圧Vref8への収束が
遅くなり、したがって、インバータの出力電圧値Vout
が小さくなる場合がある。そこで、「充放電期間」に容
量CT8に保持さた参照電圧Vref8との差電圧は「待機
期間」の間(「比較期間」終了まで)保持されて、次の
サイクルの[プリセット期間]の間に充放電させる。従来
の参照電圧選択回路を有するインバータチョッパ型電圧
比較器では[サンプル期間]〜「ホールド期間」中は参照
電圧を必要としないが、参照電圧の供給源は動作し続け
るので無駄に電力を消費していた。これに対して本実施
例における参照電圧選択回路を有するインバータチョッ
パ型電圧比較器では、[サンプル期間]〜「ホールド期
間」中に容量CT1〜8に対応する参照電圧Vref1〜8
を蓄積しておいて、[参照電圧選択期間]に容量CT1〜
8を擬似参照電圧源(いわゆるシンク)として利用する
ことにより、参照電圧の供給源の電圧比較器1動作サイ
クルの負荷を平均化している。したがって、本実施例の
参照電圧選択回路を有するインバータチョッパ型電圧比
較器では参照電圧の供給源の能力を小さくでき、消費電
力を低減できる。
【0065】以上のように本実施例における参照電圧選
択回路を有するインバータチョッパ型電圧比較器によれ
ば、図10に示した従来の参照電圧選択回路を有するイ
ンバータチョッパ型電圧比較器の構成に容量CT1〜8
をスイッチST1〜8を介して参照電圧Vref1〜8に接
続する構成にして、参照電圧選択動作以前に容量CT1
〜8に参照電圧Vref1〜8を蓄積して、参照電圧選択動
作時に擬似参照電源として使用することで、選択された
参照電圧の供給源の見かけ上の負荷を低減することによ
り、参照電圧の定常値からの変動を小さくして、誤比較
や利得低減のない高速な電圧比較器を実現できる。ま
た、参照電圧選択動作時に容量CT1〜8のうち選択さ
れた参照電圧に対応する容量が吸収した参照電圧の変動
を比較動作終了後に充放電させることで、負荷の平均化
を図り、参照電圧の供給源の能力を小さくして消費電力
の低減を実現できる。
【0066】なお、本実施例では、インバータチョッパ
型の参照電圧選択回路を有する電圧比較器について説明
したが、差動チョッパ型やアナログ入力端子と参照電圧
端子がイコライズされる方式の電圧比較器など、参照電
圧選択時に選択された参照電圧が変動する電圧比較器に
対して同様の効果が選られることは言うまでもない。ま
た、本実施例では参照電圧選択回路を構成するスイッチ
数を8個として説明したが、スイッチ数は任意である。
【0067】(実施の形態3)図5は、本発明の請求項
5,6に係わる第3の実施例における参照電圧選択回路
を有するインバータチョッパ型電圧比較器の構成を示し
たものである。本実施例における参照電圧選択回路を有
するインバータチョッパ型電圧比較器では、第2の実施
例の回路構成に加えてスイッチSA1〜8及びスイッチ
SB1〜8それぞれの一端が、前記スイッチSA1〜
8、SB1〜8に対応する参照電圧Vref1〜8の入力端
子201〜208に並列接続され、他端それぞれが容量
CU1〜8の一端に並列接続されている。容量CU1〜
8の他端は定電位(アナロググランド電位)に接続され
ている。その他の構成は第2の実施例の回路構成と同一
であり、その説明を省略する。
【0068】なお、スイッチSA1〜8、SB1〜8は
第2の実施例の各スイッチと同様にPMOS、NMO
S、CMOSいずれかのトランスファーゲートより選択
して適用され、クロック信号によりドレインとソース間
の導通状態と非導通状態を制御される。
【0069】次に、本実施例の参照電圧選択回路を有す
るインバータチョッパ型電圧比較器の動作について説明
する。図4(b)は、第2の実施例の回路に新たに付加
したスイッチSA1〜8、SB1〜8のON状態とOF
F状態を示すタイミング図である。このタイミング図で
ハイレベルのときはスイッチはON状態を、ローレベル
のときはスイッチはOFF状態をそれぞれ示している。
【0070】本実施例の参照電圧選択回路を有するイン
バータチョッパ型電圧比較器において、スイッチSW1
〜4、SS1〜8、ST1〜8のON/OFFタイミン
グは、第2の実施例の参照電圧選択回路を有するインバ
ータチョッパ型電圧比較器と同一であり、その動作及び
作用も同様であるので説明を省略する。ここでは、スイ
ッチSA1〜8、SB1〜8とスイッチSW1〜4、S
S1〜8、ST1〜8の動作の関係について説明する。
なお、スイッチSA1〜8、SB1〜8とスイッチSW
1〜4、SS1〜8、ST1〜8の共動による作用を説
明するために、第2の実施例に加えて、1動作サイクル
を新たに[プリセット期間2]、[待機期間2A][充放
電期間2]及び[待機期間2]の4つの期間に分ける。
【0071】[プリセット期間2]は、本実施例では
[プリセット期間]に同期して設定されている。スイッ
チSA1〜8は本期間の開始時にOFF状態からON状
態に遷移して、対応する容量CU1〜8の一端と参照電
圧Vref1〜8の入力端子201〜208との間を導通状
態にする。したがって、容量CU1〜8の前記一端の電
位は対応する参照電圧値に充放電されていき、[プリセ
ット期間2]の終了時までに容量CU1〜8は対応する
参照電圧を蓄積する。このときスイッチSB1〜8はO
FF状態のままである。本期間におけるその他のスイッ
チの動作及びその作用、効果は第2の実施例と同様であ
る。
【0072】[保持期間2A]は、第2の実施例におけ
る[参照電圧選択期間]に同期して設定されている。本期
間への遷移時にスイッチSA1〜8はON状態からOF
F状態に遷移し、このときスイッチSB1〜8はOFF
状態を保持するので、本期間の間容量CU1〜8は対応
する参照電圧Vref1〜8を保持する。本期間におけるそ
の他のスイッチの動作及びその作用、効果は第2の実施
例と同様である。
【0073】[充放電期間2]は、第2の実施例における
[比較期間]に同期して開始される。本期間への遷移時に
スイッチSB1〜8はOFF状態からON状態に遷移
し、スイッチSA1〜8はOFF状態を保持する。比較
動作開始時にスイッチSW2はON状態に遷移して、参
照電圧選択回路5により選択された参照電圧Vref8を参
照する。このとき従来のインバータチョッパ型電圧比較
器の問題点と同様に参照電圧の変動が発生する。これに
対して第1の実施例のようにSW5と容量C3とで参照
電圧の変動を抑制できることを説明した。本実施例にお
いても比較動作開始時に前記スイッチSB1〜8をON
状態に遷移させて、対応する容量CU1〜8うち選択さ
れた参照電圧に対応する容量の蓄積する参照電圧によ
り、参照電圧の定常値からの変動を抑制することができ
る。
【0074】[待機期間2]は、第1の実施例における
[待機期間]に相当する。本期間への遷移時にスイッチS
B1〜8はOFF状態に遷移して、第1の実施例と同様
に前記選択された参照電圧の定常値からの変動分の差電
圧を保持する。このときスイッチSA1〜8はOFF状
態を保持する。したがって、第1の実施例と同様に容量
CU1〜8を対応する参照電圧Vref1〜8より切り離す
ことにより、第1の実施例で説明した様に選択された参
照電圧の定常値への収束を高速化できる。また、次の
[プリセット期間2]に前期間に保持した選択された参照
電圧の変動電圧を充放電することにより、参照電圧の供
給源の能力を小さくできる。
【0075】以上のように本実施例における参照電圧選
択回路を有するインバータチョッパ型電圧比較器によれ
ば、第2の実施例の参照電圧選択回路を有するインバー
タチョッパ型電圧比較器の構成に容量CU1〜8をスイ
ッチSA1〜8、SB1〜8を介して参照電圧Vref1〜
8の入力端子201〜208に接続する構成にして、比
較動作以前に容量CU1〜8に参照電圧Vref1〜8を蓄
積して、比較動作時に擬似参照電源として使用すること
で、選択された参照電圧の供給源の見かけ上の負荷を低
減することにより、参照電圧の定常値からの変動を小さ
くして、第2の実施例に比べて更に利得低減の小さい高
速な電圧比較器を実現できる。また、比較動作時に容量
CU1〜8のうち選択された参照電圧に対応する容量が
吸収した参照電圧の変動を比較動作終了後に充放電させ
ることで、第2の実施例に比べて高速な比較動作を図り
つつ、負荷の平均化を図り、従来に比べて参照電圧の供
給源の能力を小さくして消費電力の低減を実現できる。
【0076】なお、本実施例では、インバータチョッパ
型の参照電圧選択回路を有する電圧比較器について説明
したが、差動チョッパ型やアナログ入力端子と参照電圧
端子がイコライズされる方式の電圧比較器など、参照電
圧選択時に選択された参照電圧が変動する電圧比較器に
対して同様の効果が選られることは言うまでもない。ま
た、本実施例では、参照電圧選択回路を構成するスイッ
チ数を8個として説明したが、スイッチ数は任意であ
る。また、本実施例では、各参照電圧と対応する容量C
U1〜8の間をそれぞれ2つのスイッチSA1〜8、S
B1〜8で並列接続しそれぞれ別のクロック信号で制御
することにより、1動作サイクルに2回の導通/非導通
状態を実現しているが、1つのスイッチを1動作サイク
ルに2回の導通/非導通状態が切り替えられるようなク
ロックで制御する等、別の方法を用いてもよいことは言
うまでもない。
【0077】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の電圧比較器の構
成によって、比較動作開始時に参照電圧が変動した場合
でも、比較動作以前に容量に参照電圧を蓄積しておき、
比較動作開始時に擬似電圧源として作用させることで、
参照電圧の変動を抑制し、定常値への収束を高速化させ
ると共に、前記容量が比較動作時に吸収した参照電圧の
定常値からの変動電圧を比較動作後に充放電して、参照
電圧の供給源の負荷を平均化することで、電圧利得の低
減のない低消費電力の電圧比較器を実現できるものであ
る。
【0078】本発明の請求項2記載の電圧比較器の構成
によって、参照電圧選択動作時に参照電圧の切り替わり
によって選択された参照電圧が変動した場合でも、参照
電圧選択動作以前に各容量に対応する参照電圧を蓄積し
ておき、参照電圧選択動作開始時に擬似電圧源として作
用させることで、選択された参照電圧の変動を抑制し、
定常値への収束を高速化させると共に、前記選択された
参照電圧に対応する容量が参照電圧選択動作時に吸収し
た前記選択された参照電圧の定常値からの変動電圧を比
較動作後に充放電して、各参照電圧の供給源の負荷を平
均化することで、誤比較や電圧利得の低減のない低消費
電力の電圧比較器を実現できるものである。
【0079】本発明の請求項3記載の電圧比較器の構成
によって、参照電圧選択動作時及び比較動作時に参照電
圧が変動した場合でも、それぞれに対応した参照電圧を
蓄積する容量により、前記参照電圧の変動を抑制するこ
とができる電圧比較器を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるインバータチョ
ッパ型電圧比較器の構成を示す回路図
【図2】図1の電圧比較器の動作タイミングと電圧応答
を説明するための図
【図3】本発明の第2の実施例における参照電圧選択回
路を有するインバータチョッパ型電圧比較器の構成を示
す回路図
【図4】図3と図5の電圧比較器の動作タイミングと電
圧応答を説明するための図
【図5】本発明の第3の実施例における参照電圧選択回
路を有するインバータチョッパ型電圧比較器の構成を示
す回路図
【図6】従来のインバータチョッパ型電圧比較器の構成
を示す回路図
【図7】図6の電圧比較器の動作タイミングと電圧応答
を説明するための図
【図8】図6中のインバータの静特性上のVa点を説明
するための図
【図9】図6中のインバータの電圧利得を説明するため
の図
【図10】従来の参照電圧選択回路を有するインバータ
チョッパ型電圧比較器の構成を示す回路図
【図11】図10の電圧比較器の動作タイミングと電圧
応答を説明するための図
【符号の説明】
1〜3 インバータ 4 増幅器 5 参照電圧選択回路 6 参照電圧選択信号 SW1〜5 スイッチ SS1〜8 スイッチ ST1〜8 スイッチ SA1〜8 スイッチ SB1〜8 スイッチ C1〜3 容量 CT1〜8 容量 CU1〜8 容量

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ入力電圧と比較参照電圧との電
    圧差を増幅する増幅器と、 前記比較参照電圧にその一端が接続されたスイッチ手段
    と、 前記スイッチ手段の他端にその一端が接続され、他端が
    定電位に接続された容量素子とを備え、 前記スイッチ手段は、前記増幅器が前記比較参照電圧を
    参照して前記アナログ入力電圧との電圧差の増幅動作に
    遷移する以前に、前記容量素子の一端の電位が前記比較
    参照電圧の定常値と等しくなるように導通状態に遷移
    し、前記増幅器が増幅動作に遷移した後、所定の期間導
    通状態を保持した後に非導通状態に遷移するよう制御さ
    れることを特徴とする電圧比較器。
  2. 【請求項2】 前記スイッチ手段の導通状態から非導通
    状態に遷移するタイミングを、前記容量素子の一端の電
    位の前記比較参照電圧の定常値からの変動幅が最大付近
    とすることを請求項1記載の特徴とする電圧比較器。
  3. 【請求項3】 アナログ入力電圧と比較参照電圧との電
    圧差を増幅する増幅器と、 複数の参照電圧から前記比較参照電圧を選択する参照電
    圧選択回路と、 前記参照電圧選択回路へ入力される前記複数の参照電圧
    それぞれに一端を接続される個別スイッチ手段と、 前記個別スイッチ手段それぞれの他端にその一端が接続
    され、他端が定電位に接続された個別容量素子とを備
    え、 前記個別スイッチ手段のそれぞれは、前記参照電圧選択
    回路が前記比較参照電圧を選択する以前に、対応する前
    記個別容量素子の一端の電位が対応する前記参照電圧の
    定常値と等しくなるように導通状態に遷移し、所定の期
    間導通状態を保持した後に非導通状態に遷移することを
    特徴とする電圧比較器。
  4. 【請求項4】 前記個別スイッチ手段のそれぞれの導通
    状態から非導通状態に遷移するタイミングを、前記比較
    参照電圧に対応する前記個別容量素子の一端の電位の前
    記比較参照電圧の定常値からの変動幅が最大付近とする
    ことを請求項3記載の特徴とする電圧比較器。
  5. 【請求項5】 前記参照電圧選択回路へ入力される前記
    複数の参照電圧それぞれに一端を接続される第2の個別
    スイッチ手段と、前記第2の個別スイッチ手段それぞれ
    の他端にその一端が接続され、他端が定電位に接続され
    た第2の個別容量素子とを備え、 前記第2の個別スイッチ手段のそれぞれは、前記参照電
    圧選択回路が前記比較参照電圧を選択する以前に、対応
    する前記第2の個別容量素子の一端の電位が対応する前
    記参照電圧の定常値と等しくなるように導通状態に遷移
    した後再び非導通状態に遷移して、対応する参照電圧を
    保持し、前記増幅器が増幅動作に遷移するときに導通状
    態に遷移し、所定の期間導通状態を保持した後に非導通
    状態に遷移することを特徴とする請求項3または請求項
    4記載の電圧比較器。
  6. 【請求項6】 前記第2の個別スイッチ手段のそれぞれ
    の導通状態から非導通状態に遷移するタイミングを、前
    記比較参照電圧に対応する前記個別容量素子の一端の電
    位の前記比較参照電圧の定常値からの変動幅が最大付近
    とすることを請求項5記載の特徴とする電圧比較器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6583745B2 (en) 2000-07-24 2003-06-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha A/D converter
WO2021106544A1 (ja) * 2019-11-28 2021-06-03 ローム株式会社 コンパレータ回路およびadコンバータ

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