JPH10142714A - 投射型表示装置 - Google Patents

投射型表示装置

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JPH10142714A
JPH10142714A JP8312978A JP31297896A JPH10142714A JP H10142714 A JPH10142714 A JP H10142714A JP 8312978 A JP8312978 A JP 8312978A JP 31297896 A JP31297896 A JP 31297896A JP H10142714 A JPH10142714 A JP H10142714A
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義朗 及川
Kazufumi Ishibashi
和史 石橋
Masaaki Kusano
正明 草野
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
Motoi Ueda
基 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体浸漬型の偏光ビームスプリッターを使用
せず、透光性材料ブロックにおける種々の熱応力、外部
応力の影響に対して光学的に安定な性能を確保でき画質
の劣化の少ない投射型表示装置を提供する。 【解決手段】 ライトバルブ13R,13G,13B
は、偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bから
出射されたR光、G光、B光の偏光光をそれぞれ変調す
る。各色の偏光光は、偏光ビームスプリッタ14R,1
4G,14Bによりそれぞれ検光される。偏光ビームス
プリッタ14R,14G,14Bの各々は、光弾性定数
の絶対値が最小値となる波長がB光領域に存在する透光
性材料からなる部材を用いて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空間光変調素子
(ライトバルブ)を使用した投射型表示装置に関し、特
に応力の影響に対して光学的に安定な性能を確保し、投
射像の画質劣化を効果的に抑える構造を備えた投射型表
示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、投射型表示装置用に用いられ
る空間光変調素子(ライトバルブ)としては、偏光を利
用して空間的に変調する位相差変調型(偏光変調型)の
空間光変調素子が知られている。そして、この位相差変
調型の空間光変調素子として、例えば液晶を用いて構成
されたもの(位相差変調型液晶ライトバルブ)が実用化
されている。
【0003】このような位相差変調型の空間光変調素子
を用いた従来の投射型表示装置では、偏光子及び検光子
となる偏光ビームスプリッタが用いられる。従来の投射
型表示装置においては、偏光ビームスプリッタに入射さ
れた光(照明用の光源から直接入射された光又は入射前
に色分解された光等)がこの偏光ビームスプリッタによ
り透過するP偏光成分と当該偏光ビームスプリッタにて
反射されるS偏光成分の光に分離される。通常、反射分
離されたS偏光成分が空間光変調素子に対して照射され
る。そして、この空間光変調素子の液晶層によって変調
され、かつ当該素子の反射層によって反射された光は、
再び偏光ビームスプリッタに戻る。この際、当該空間光
変調素子からの反射光は上述の偏光ビームスプリッタに
よって検光される。前述の偏光ビームスプリッタはS偏
光光は反射されるために空間光変調素子によって変調さ
れてP偏光光となった光のみ当該偏光ビームスプリッタ
を透過することとなり、検光が達成される。この透過し
たP偏光光(すなわち、検光光)が投射光学系を介して
投射画像としてスクリーン上に投射される。
【0004】このような投射型表示装置としては、例え
ば、ヒューズエアクラフト社の米国特許第4,687,
301号公報に開示されている装置が知られている。こ
の従来の投射型表示装置では、偏光ビームスプリッタと
して、屈折率が調整された液体中に偏光ビームスプリッ
タ用のコーティングが施された透光性材料板を浸漬させ
た構成の液体浸漬型の偏光ビームスプリッタが用いられ
ている。なお、上記液体の屈折率は、所定の液温におい
て浸漬された透光性材料板の屈折率と同一になるように
調整されている。このように液体中に浸漬する理由は、
空気中では、コーティングの界面が空気対透光性材料と
なり、屈折率が異なるために偏光ビームスプリッタとし
て機能しないためである。そして、この従来の投射型表
示装置では、当該偏光ビームスプリッタの近傍には前記
位相差変調型の空間光変調素子が配置されている。偏光
ビームスプリッタに入射した光は当該偏光ビームスプリ
ッタによってP偏光成分光とS偏光成分光とに偏光分離
され、このうちのS偏光成分光が前記空間光変調素子に
照射される。照射されたS偏光性分光は前述のとおり液
晶層によって変調され、かつ反射層によって反射出射さ
れる。この変調光光は、偏光ビームスプリッタに再度入
射されて検光される。この検光光は、投射光学系によっ
て投射画像としてスクリーン上に投射される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記液
体浸漬型偏光ビームスプリッタを採用した投射型表示装
置には以下のような課題がある。
【0006】第1に、上記液体浸漬型偏光ビームスプリ
ッタでは、透光性材料板が浸漬される液体の屈折率の変
化は、該液温の変化に依存する。すなわち、ある液温で
屈折率が調整されている液体でも、該液体自体の温度変
化によって、該液体の屈折率と該透光性材料板の屈折率
との間に差を生じる。これにより、当該偏光ビームスプ
リッタ全体の性能が変化する。例えば、あるサンプル
(上記液体浸漬型偏光ビームスプリッタ用の液体)の場
合、1℃の温度上昇につき、屈折率は0.000349
程度変化するが、この変化率は一般の透光性材料板の基
板材料のそれより2桁大きい。通常、投射型表示装置の
使用環境(例えば温度)は約20℃〜60℃程度変化す
る可能性があり、この屈折率の差は無視できないものと
なる。また、分散も変化するため、投射画像において色
ズレや色ムラの原因となる。
【0007】第2に、上記液体浸漬型偏光ビームスプリ
ッタでは、液温が該液体全体にわたって均一でない場
合、上述した液体の屈折率の温度特性により、該液体の
屈折率の均一性が損なわれ、該液体中に屈折率分布が生
じてしまう。現実的な投射型表示装置においては、液温
が該液体全体に渡って均一に変化することはなく(液体
全体の屈折率は均一にはならない)、したがって、投射
画像の均一性が損なわれる大きな原因となる。
【0008】第3に、液体浸漬型偏光ビームスプリッタ
では、上記液体の不均一な温度変化に伴い、上述した該
液体の屈折率とともに該液体の密度の均一性も損なわ
れ、結果的に該液体中に対流が生じる。この対流は、上
述した液体中の不均一な屈折率の分布の時間変動をもた
らすので、該対流の発生は投射型表示装置における画質
の不均一性が時間とともに変動する原因となる。
【0009】第4に、上記液体浸漬型偏光ビームスプリ
ッタでは、液温変化に伴い上記液体自身の体積も変化す
る。上述のサンプルの場合、1℃の液温変化に対し、そ
の体積は1cc当たり0.00073cc変化する。投
射型表示装置の使用環境(例えば温度)としては40℃
程度の温度差であるが、それの輸送や倉庫での保管を考
慮した場合、−10℃〜80℃ほどの温度範囲を考慮す
る必要がある。該液体の体積変化自体は投射画像への影
響は小さいが、当該装置の構造上、液体の体積変化を吸
収するためのなんらかの機構を設ける必要がなる。
【0010】第5に、上記液体浸漬型偏光ビームスプリ
ッタの液体中にゴミがある場合、該液体浸漬型偏光ビー
ムスプリッタを採用した投射型表示装置では、該液体中
のゴミが焦点位置の近辺でなくても、該液体中のゴミが
数十〜数百倍に拡大された投射画像中に写ってしまう。
このような状況を考慮すると、決して該液体中にはゴミ
があってはならない。したがって、上記液体浸漬型偏光
ビームスプリッタの組立にはクリーンルームが必要とな
る上、該液体のゴミや異物を除去する作業が必要とな
る。
【0011】第6に、上記液体浸漬型偏光ビームスプリ
ッタでは、その液体中に気泡があると、該気泡が投射さ
れた画像に現れてしまうので、これもあらかじめ取り除
いておく必要がある。
【0012】第7に、上記液体浸漬型偏光ビームスプリ
ッタでは、構造上、液体を使用するために、該液体を収
容するケースにOリングを設けるなど、液漏れ防止の対
策を施す必要がある。
【0013】以上のように、液体浸漬型偏光ビームスプ
リッタは、その構造的特徴等から課題も多く、これを採
用した投射型表示装置は、必然的に製作に非常に手間が
かかり、コストアップにつながっている。特に、該液体
の液温変化による、屈折率等の特性変化に関しては、本
質的に避け難い問題である。
【0014】一方、透光性材料ブロックにより構成され
た従来の偏光ビームスプリッタでは、種々の原因で生じ
るガラスの光学的異方性が複屈折を誘発し、該偏光ビー
ムスプリッタの偏光特性を乱して不均一にしまい、投射
画像の画質劣化を十分に抑制することができず、均一で
色ムラのない投射像を得ることができない。ここで、種
々の原因とは、主に、透光性材料の加工工程(切断、他
の材料との接合、表面への成膜)や、透光性材料を光学
系に組み込む操作(治具での保持、接着など)の際い生
じる外部応力や、透光性材料内部の発熱(光エネルギー
の吸収など)あるいは外部の発熱(周辺機器の発熱な
ど)などにより生じる熱応力、さらに発熱の際に、透光
性材料と熱膨張率の異なる材料を接触接合した場合に生
じる応力などである。このように、これら種々の熱応力
や外部応力が生じる時期は、透光性材料ブロックの作
製、偏光ビームスプリッタ加工から、投射型表示装置使
用中に至っており、全てを排除することは非常に難し
い。
【0015】本発明は以上の課題を解決すべくなされた
ものであり、透光性材料ブロックで構成された偏光ビー
ムスプリッタを採用することにより、上述した液体浸漬
型偏光ビームスプリッタの採用に伴う種々の課題を除去
するとともに、しかも、該透光性材料ブロックにおける
種々の熱応力、外部応力の影響に対して光学的に安定な
性能を確保でき画質の劣化の少ない投射型表示装置を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による投射型表示装置は、入射
されたR光に基づく第1の偏光光を出射する第1の偏光
ビームスプリッタと、入射されたG光に基づく第2の偏
光光を出射する第2の偏光ビームスプリッタと、入射さ
れたB光に基づく第3の偏光光を出射する第3の偏光ビ
ームスプリッタと、前記第1、第2及び第3の偏光光を
それぞれ変調する第1、第2及び第3のライトバルブ
と、を備え、前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプ
リッタが、前記第1、第2及び第3のライトバルブによ
ってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光する投射型
表示装置において、前記第1、第2及び第3の偏光ビー
ムスプリッタの各々は、光弾性定数の絶対値が最小値と
なる波長がB光領域に存在する透光性材料からなる部材
を用いて構成されたものである。
【0017】本発明の第2の態様による投射型表示装置
は、入射されたR光に基づく第1の偏光光を出射する第
1の偏光ビームスプリッタと、入射されたG光に基づく
第2の偏光光を出射する第2の偏光ビームスプリッタ
と、入射されたB光に基づく第3の偏光光を出射する第
3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2及び第3
の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第3のライ
トバルブと、を備え、前記第1、第2及び第3の偏光ビ
ームスプリッタが、前記第1、第2及び第3のライトバ
ルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光す
る投射型表示装置において、前記第1、第2及び第3の
偏光ビームスプリッタの各々は、R光領域における各波
長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第1
の値、G光領域における各波長に対する光弾性定数の絶
対値の平均的な値である第2の値、及び、B光領域にお
ける各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値で
ある第3の値のうち、前記第2の値又は前記第3の値が
他の値に比べて最も小さい透光性材料からなる部材を用
いて構成されたものである。
【0018】なお、前記第1及び第2の態様において
は、前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタに
それぞれ入射されるR光、G光、B光は既に偏光された
ものでもよいし未だ偏光されていないものでもよい。前
記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタに偏光光
が入射される場合には、前記第1、第2及び第3の偏光
ビームスプリッタは、前記第1、第2及び第3のライト
バルブに入射させる光を偏光させる偏光光学系としては
実質的に作用せずに、前記第1、第2及び第3のライト
バルブからの変調光を検光する検光光学系としてのみ作
用することになる。一方、前記第1、第2及び第3の偏
光ビームスプリッタに偏光されていない光が入射される
場合には、前記偏光光学系及び前記検光光学系として作
用することになる。
【0019】また、前記第1及び第2の態様による投射
型表示装置は、各色光R,G,Bを予め色合成して1本
の投射レンズで画像を投射する1投射レンズタイプの投
射型表示装置であってもよいし、各色光R,G,Bを予
め色合成することなく3本の投射レンズでそれぞれスク
リーン上に投射してスクリーン上で色合成を行う3投射
レンズタイプの投射型表示装置であってもよい。
【0020】本発明の第3の態様による投射型表示装置
は、光源からの光をR光、G光、B光に色分解する色分
解光学系と、前記色分解光学系によって分解された各色
光をそれぞれ2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及
び第3の偏光分離光学系と、前記第1、第2及び第3の
偏光分離光学系によってそれぞれ偏光分離された各色光
の一方の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第3
のライトバルブと、前記第1、第2及び第3のライトバ
ルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光す
る第1、第2及び第3の検光光学系と、前記第1、第2
及び第3の検光光学系によってそれぞれ検光された各光
を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系によっ
て色合成された光を投射する投射光学系と、を備え、前
記第1の偏光分離光学系及び前記第1の検光光学系が同
一の第1の偏光ビームスプリッタで共用され、前記第2
の偏光分離光学系及び前記第2の検光光学系が同一の第
2の偏光ビームスプリッタで共用され、前記第3の偏光
分離光学系及び前記第3の検光光学系が同一の第3の偏
光ビームスプリッタで共用され、前記第1、第2及び第
3の偏光ビームスプリッタの各々は、光弾性定数の絶対
値が最小値となる波長がB光領域に存在する透光性材料
からなる部材を用いて構成されたものである。
【0021】本発明の第4の態様による投射型表示装置
は、光源からの光をR光、G光、B光に色分解する色分
解光学系と、前記色分解光学系によって分解された各色
光をそれぞれ2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及
び第3の偏光分離光学系と、前記第1、第2及び第3の
偏光分離光学系によってそれぞれ偏光分離された各色光
の一方の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第3
のライトバルブと、前記第1、第2及び第3のライトバ
ルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光す
る第1、第2及び第3の検光光学系と、前記第1、第2
及び第3の検光光学系によってそれぞれ検光された各光
を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系によっ
て色合成された光を投射する投射光学系と、を備え、前
記第1の偏光分離光学系及び前記第1の検光光学系が同
一の第1の偏光ビームスプリッタで共用され、前記第2
の偏光分離光学系及び前記第2の検光光学系が同一の第
2の偏光ビームスプリッタで共用され、前記第3の偏光
分離光学系及び前記第3の検光光学系が同一の第3の偏
光ビームスプリッタで共用され、前記第1、第2及び第
3の偏光ビームスプリッタの各々は、R光領域における
各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である
第1の値、G光領域における各波長に対する光弾性定数
の絶対値の平均的な値である第2の値、及び、B光領域
における各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な
値である第3の値のうち、前記第2の値又は前記第3の
値が他の値に比べて最も小さい透光性材料からなる部材
を用いて構成されたものである。
【0022】本発明の第5の態様による投射型表示装置
は、光源からの光をR光、G光、B光に色分解する色分
解光学系と、前記色分解光学系によって分解された各色
光をそれぞれ2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及
び第3の偏光分離光学系と、前記第1、第2及び第3の
偏光分離光学系によってそれぞれ偏光分離された各色光
の一方の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第3
のライトバルブと、前記第1、第2及び第3のライトバ
ルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光す
る第1、第2及び第3の検光光学系と、前記第1、第2
及び第3の検光光学系によってそれぞれ検光された各光
を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系によっ
て色合成された光を投射する投射光学系と、を備え、前
記第1、第2及び第3の偏光分離光学系はそれぞれ第
1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、前
記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
は、光弾性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域
に存在する透光性材料からなる部材を用いて構成された
ものである。
【0023】本発明の第6の態様による投射型表示装置
は、光源からの光をR光、G光、B光に色分解する色分
解光学系と、前記色分解光学系によって分解された各色
光をそれぞれ2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及
び第3の偏光分離光学系と、前記第1、第2及び第3の
偏光分離光学系によってそれぞれ偏光分離された各色光
の一方の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第3
のライトバルブと、前記第1、第2及び第3のライトバ
ルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光す
る第1、第2及び第3の検光光学系と、前記第1、第2
及び第3の検光光学系によってそれぞれ検光された各光
を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系によっ
て色合成された光を投射する投射光学系と、を備え、前
記第1、第2及び第3の偏光分離光学系はそれぞれ第
1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、前
記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
は、R光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
値の平均的な値である第1の値、G光領域における各波
長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2
の値、及び、B光領域における各波長に対する光弾性定
数の絶対値の平均的な値である第3の値のうち、前記第
2の値又は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透
光性材料からなる部材を用いて構成されたものである。
【0024】本発明の第7の態様による投射型表示装置
は、光源からの光をR光、G光、B光に色分解する色分
解光学系と、前記色分解光学系によって分解された各色
光をそれぞれ2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及
び第3の偏光分離光学系と、前記第1、第2及び第3の
偏光分離光学系によってそれぞれ偏光分離された各色光
の一方の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第3
のライトバルブと、前記第1、第2及び第3のライトバ
ルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光す
る第1、第2及び第3の検光光学系と、前記第1、第2
及び第3の検光光学系によってそれぞれ検光された各光
を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系によっ
て色合成された光を投射する投射光学系と、を備え、前
記第1、第2及び第3の検光光学系はそれぞれ第1、第
2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、前記第
1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々は、光
弾性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域に存在
する透光性材料からなる部材を用いて構成されたもので
ある。
【0025】本発明の第8の態様による投射型表示装置
は、光源からの光をR光、G光、B光に色分解する色分
解光学系と、前記色分解光学系によって分解された各色
光をそれぞれ2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及
び第3の偏光分離光学系と、前記第1、第2及び第3の
偏光分離光学系によってそれぞれ偏光分離された各色光
の一方の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第3
のライトバルブと、前記第1、第2及び第3のライトバ
ルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞれ検光す
る第1、第2及び第3の検光光学系と、前記第1、第2
及び第3の検光光学系によってそれぞれ検光された各光
を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系によっ
て色合成された光を投射する投射光学系と、を備え、前
記第1、第2及び第3の検光光学系はそれぞれ第1、第
2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、前記第
1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々は、R
光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対値の平
均的な値である第1の値、G光領域における各波長に対
する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2の値、
及び、B光領域における各波長に対する光弾性定数の絶
対値の平均的な値である第3の値のうち、前記第2の値
又は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透光性材
料からなる部材を用いて構成されたものである。
【0026】本発明の第9の態様による投射型表示装置
は、光源からの光を第1の偏光光と第2の偏光光とに偏
光分離する偏光分離光学系と、前記第1の偏光光をR
光、G光、B光に色分解する色分解光学系と、前記色分
解光学系によって色分解された各色光をそれぞれ変調す
る第1、第2及び第3のライトバルブと、前記第1、第
2及び第3のライトバルブによってそれぞれ変調された
各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第3の検光光学
系と、前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそ
れぞれ検光された各光を色合成する色合成光学系と、前
記色合成光学系によって色合成された光を投射する投射
光学系と、を備え、前記偏光分離光学系は偏光ビームス
プリッタからなり、前記偏光ビームスプリッタは、光弾
性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域に存在す
る透光性材料からなる部材を用いて構成されたものであ
る。
【0027】本発明の第10の態様による投射型表示装
置は、光源からの光を第1の偏光光と第2の偏光光とに
偏光分離する偏光分離光学系と、前記第1の偏光光をR
光、G光、B光に色分解する色分解光学系と、前記色分
解光学系によって色分解された各色光をそれぞれ変調す
る第1、第2及び第3のライトバルブと、前記第1、第
2及び第3のライトバルブによってそれぞれ変調された
各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第3の検光光学
系と、前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそ
れぞれ検光された各光を色合成する色合成光学系と、前
記色合成光学系によって色合成された光を投射する投射
光学系と、を備え、前記偏光分離光学系は偏光ビームス
プリッタからなり、前記偏光ビームスプリッタは、R光
領域における各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均
的な値である第1の値、G光領域における各波長に対す
る光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2の値、及
び、B光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
値の平均的な値である第3の値のうち、前記第2の値又
は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透光性材料
からなる部材を用いて構成されたものである。
【0028】本発明の第11の態様による投射型表示装
置は、光源からの光を第1の偏光光と第2の偏光光とに
偏光分離する偏光分離光学系と、前記第1の偏光光をR
光、G光、B光に色分解する色分解光学系と、前記色分
解光学系によって色分解された各色光をそれぞれ変調す
る第1、第2及び第3のライトバルブと、前記第1、第
2及び第3のライトバルブによってそれぞれ変調された
各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第3の検光光学
系と、前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそ
れぞれ検光された各光を色合成する色合成光学系と、前
記色合成光学系によって色合成された光を投射する投射
光学系と、を備え、前記第1、第2及び第3の検光光学
系はそれぞれ第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッ
タからなり、前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプ
リッタの各々は、光弾性定数の絶対値が最小値となる波
長がB光領域に存在する透光性材料からなる部材を用い
て構成されたものである。
【0029】本発明の第12の態様による投射型表示装
置は、光源からの光を第1の偏光光と第2の偏光光とに
偏光分離する偏光分離光学系と、前記第1の偏光光をR
光、G光、B光に色分解する色分解光学系と、前記色分
解光学系によって色分解された各色光をそれぞれ変調す
る第1、第2及び第3のライトバルブと、前記第1、第
2及び第3のライトバルブによってそれぞれ変調された
各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第3の検光光学
系と、前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそ
れぞれ検光された各光を色合成する色合成光学系と、前
記色合成光学系によって色合成された光を投射する投射
光学系と、を備え、前記第1、第2及び第3の検光光学
系はそれぞれ第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッ
タからなり、前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプ
リッタの各々は、R光領域における各波長に対する光弾
性定数の絶対値の平均的な値である第1の値、G光領域
における各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な
値である第2の値、及び、B光領域における各波長に対
する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第3の値の
うち、前記第2の値又は前記第3の値が他の値に比べて
最も小さい透光性材料からなる部材を用いて構成された
ものである。
【0030】なお、前記第1乃至第12の態様におい
て、前記透光性材料は、R光に対する光弾性定数が+
1.5×10-8cm2/N以下の材料であることが好ま
しい。
【0031】本発明者らの研究の結果、ガラス等の透光
性材料の光弾性定数は波長の関数として右上がり(波長
が大きくなるほど光弾性定数も大きくなる)でかつ上に
凸の形状となる特性を有することが判明した。そして、
当該透光性材料の組成を変えることにより、このような
形状の特性を維持したまま光弾性定数の絶対値が最小値
となる波長を変えることができることが判明した。さら
に、透光性材料の光弾性定数の絶対値が小さいほど種々
の熱応力、外部応力の影響に対して複屈折の発生が少な
くなって光学的に安定な性能を確保でき、光弾性定数の
絶対値の小さい透光性材料を用いて構成した偏光ビーム
スプリッタを投射型表示装置において使用すれば投射像
の画質の劣化を抑えることができるが、当該画質の劣化
を抑制する上で、短波長の光に対する光弾性定数の絶対
値ほど小さくすることが好ましいのに対し長波長の光に
対する光弾性定数の絶対値はさほど小さくする必要がな
いことが判明した。これは、透光性材料が光を吸収して
発熱し、当該透光性材料が自身の線熱膨張係数によって
膨張して内部応力を発生させてしまうが、その吸収が短
波長の光ほど大きく長波長の光ほど小さいので、光吸収
による内部応力の発生が短波長の光ほど大きく長波長の
光ほど小さいからである。
【0032】本発明は、このような本発明者らによる新
たな知見に基づいてなされたものである。
【0033】前述した本発明の第1乃至第12の態様に
よれば、透光性材料からなる部材を用いて構成された偏
光ビームスプリッタが用いられており、前記従来の液体
浸漬型の偏光ビームスプリッターを用いていない。した
がって、前記第1乃至第12の態様によれば、先に述べ
たような対流やゴミや気泡などの、前記従来の液体浸漬
型の偏光ビームスプリッターを採用することに伴う種々
の問題点を除去することができ、製造が容易になる等の
利点が得られる。
【0034】また、前記第1、第3、第5、第7、第9
及び第11の態様によれば、R光、G光、B光の各色光
用の偏光ビームスプリッタの各々は、光弾性定数の絶対
値が最小値となる波長、すなわち、当該光弾性定数が実
質的にゼロとなる波長がB光領域に存在する透光性材料
からなる部材を用いて構成されている。したがって、前
述したように透光性材料は光弾性定数が波長の関数とし
て右上がりでかつ上に凸の形状となる特性を有している
ので、R光及びG光に関してはB光に比べると光弾性定
数が比較的大きくなるものの、いずれの色光に対しても
光弾性定数を十分に小さくすることができる。そして、
前述したように短波長の光ほどその吸収が大きいことか
らB光に対しては光吸収が最も多く光吸収による内部応
力の発生量が最も大きいが、B光領域において光弾性定
数が最小値となるので、B光に対する光吸収による複屈
折の発生を十分に抑えることができる。一方、R光及び
G光に対しては、そもそも光吸収が少ないので、B光の
場合と比べて光弾性定数が大きくても光吸収による複屈
折の発生を十分に抑えることができる。
【0035】このため、前記第1、第3、第5、第7、
第9及び第11の態様によれば、各色光用の偏光ビーム
スプリッタとして同じ透光性材料を用いたものを使用し
つつ、種々の熱応力、外部応力の影響に対して複屈折の
発生を軽減して光学的に安定な性能を確保でき、画質の
劣化を抑えることができる。さらに、このように、各色
光用の偏光ビームスプリッタとして同じ透光性材料を用
いたものを使用することができるので、各色光用の偏光
ビームスプリッタとして互いに異なる透光性材料を用い
たものを使用する場合に比べて、コストダウンを図るこ
とができる。
【0036】また、前記第2、第4、第6、第8、第1
0及び第12の態様によれば、R光、G光、B光の各色
光用の偏光ビームスプリッタの各々は、R光領域におけ
る各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値であ
る第1の値、G光領域における各波長に対する光弾性定
数の絶対値の平均的な値である第2の値、及び、B光領
域における各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的
な値である第3の値のうち、前記第2の値又は前記第3
の値が他の値に比べて最も小さい透光性材料からなる部
材を用いて構成されている。この場合、前記第3の値が
他の値に比べて最も小さい透光性材料を用いると、結
局、光吸収が最も多く光吸収による内部応力の発生量が
最も大きいB光に対して平均的な光弾性定数の絶対値を
最も小さくすることになるので、前述した第1、第3、
第5、第7、第9及び第11の態様と同様に、B光に対
する光吸収による複屈折の発生を十分に抑えることがで
き、また、R光及びG光に対しては、そもそも光吸収が
少ないので、B光の場合と比べて平均的な光弾性定数が
大きくても光吸収による複屈折の発生を十分に抑えるこ
とができる。一方、前記第2の値が他の値に比べて最も
小さい透光性材料を用いると、結局、G光に対して平均
的な光弾性定数の絶対値を最も小さくすることになる。
この場合、前述したように透光性材料は光弾性定数が波
長の関数として右上がりの形状となる特性を有している
ので、B光に対する光弾性定数は比較的大きくなるもの
の当該B光に対する光弾性定数はかなり小さく抑えるこ
とができる。また、R光に対しては、そもそも光吸収が
少ないので、平均的な光弾性定数が大きくても光吸収に
よる複屈折の発生を十分に抑えることができる。したが
って、前記第2の値が他の値に比べて最も小さい透光性
材料を用いた場合であっても、入射光量の比較的少ない
投射型表示装置であれば、各色光に対して、光吸収によ
る複屈折の発生を十分に抑えることができる。なお、前
記第1の値が他の値に比べて最も小さい透光性材料を用
いると、B光に対する光弾性定数がかなり大きくなって
しまい、B光に対する光弾性定数を小さく抑えることが
できなくなってしまう。
【0037】したがって、前記第2、第4、第6、第
8、第10及び第12の態様によっても、各色光用の偏
光ビームスプリッタとして同じ透光性材料を用いたもの
を使用しつつ、種々の熱応力、外部応力の影響に対して
複屈折の発生を軽減して光学的に安定な性能を確保で
き、画質の劣化を抑えることができる。また、このよう
に、各色光用の偏光ビームスプリッタとして同じ透光性
材料を用いたものを使用することができるので、各色光
用の偏光ビームスプリッタとして互いに異なる透光性材
料を用いたものを使用する場合に比べて、コストダウン
を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の種々の実施例によ
る投射型表示装置について、図面を参照して説明する。
【0039】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態による投射型表示装置について、図1乃至
図3を参照して説明する。
【0040】図1は、本実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。説明の便宜上、図に
示すように互いに直交するX軸、Y軸、Z軸をそれぞれ
定義する(後述する図4乃至図8についても同様)。
【0041】本実施の形態による投射型表示装置では、
図面には示していないが、前記光源は、ランプと、該ラ
ンプの背部に配置された楕円鏡等の凹面鏡とから構成さ
れている。前記光源から出射された光源光は、図示しな
い赤外線カットフィルタ及び紫外線カットフィルタを経
由し、更に図示しない整形光学系によって略平行光束に
変換されてX方向に進行し、色分解光学系としてのクロ
スダイクロイックミラー11に入射される。クロスダイ
クロイックミラー11は、B光反射の特性を有するダイ
クロイックミラー11BとR光反射の特性を有するダイ
クロイックミラー11Rとを互いに直交するようにX型
に配置した構成を有している。クロスダイクロイックミ
ラー11に入射された光は、ダイクロイックミラー11
Bにて反射されて−Y方向に進行するB光(青色光)
と、ダイクロイックミラー11Rにて反射されてY方向
に進行するR光(赤色光)と、ダイクロイックミラー1
1B,11Rを透過してそのままX方向に進行するG光
(緑色光)とに色分解される。色分解された各色光は、
折り曲げミラー12R,12G,12Bによってそれぞ
れ光軸を−Z方向に変え、各々が各色光用の偏光分離光
学系及び検光光学系を兼用する第1、第2及び第3の偏
光ビームスプリッタ14R,14G,14Bにそれぞれ
入射される。偏光ビームスプリッタ14R,14G,1
4Bは、透光性材料としてのガラス組成部材にて形成さ
れた2つの直角プリズムを誘電体多層膜等からなる偏光
分離膜を挟み込んで貼り合わせた構造を有している。い
ずれの偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bの
偏光分離膜も同じ方向を向いており、前記色分解された
R光、G光、B光とも各偏光ビームスプリッタ14R,
14G,14Bに−Z方向にそれぞれ入射され、各色光
は前記偏光分離膜を透過して−Y方向に廃棄されるP偏
光光と反射してX方向に出射されるS偏光とにそれぞれ
偏光分離される。すなわち、偏光ビームスプリッタ14
Rは入射したR光に基づく第1の偏光光(S偏光光)を
X方向に出射し、偏光ビームスプリッタ14Gは入射し
たG光に基づく第2の偏光光(S偏光光)をX方向に出
射し、偏光ビームスプリッタ14Bは入射したB光に基
づく第3の偏光光(S偏光光)をX方向に出射する。
【0042】各色光用偏光ビームスプリッタ14R,1
4G,14BのS偏光光の出射面近傍には、空間光変調
素子としてライトバルブ13R,13G,13Bがそれ
ぞれ配置されており、各色光用偏光ビームスプリッタ1
4R,14G,14Bからそれぞれ出射された各色光の
S偏光光がライトバルブ13R,13G,13Bにそれ
ぞれ入射される。本実施の形態では、ライトバルブ13
R,13G,13Bとして、位相差変調型の空間光変調
素子である光書き込み式の反射型液晶ライトバルブが用
いられている。
【0043】ここで、光書き込み式の反射型液晶ライト
バルブの構造及び機能について説明する。図面には示し
ていないが、このライトバルブは、例えば、入射光側か
ら順に配置された、透明ガラス基板、ITO透明電極
膜、液晶配向層、TN液晶層、液晶配向層、誘電体反射
ミラー層、遮光層、水素化非晶質シリコン層等からなる
光導電体層、ITO透明電極層及び透明ガラス基板から
構成されている。すなわち、入射光と反対側から書き込
み光信号が入射すると、当該箇所の前記光導電体層はそ
のインピーダンスを減らすこととなり、前記両ITO電
極間に常時交流を印加させて当該素子を作動させること
から、印加電圧が前記液晶間に印加され、液晶分子が電
界方向に配列することによって液晶層自体が1/4波長
板としての機能を有することとなる。一方、書き込み光
信号がない場合は、当該箇所の前記光導電体層が高イン
ピーダンスを有するために両ITO電極間に印加された
電圧は有効に液晶に印加されないこととなり、液晶層中
の液晶分子は配列せず、液晶配向層に倣って配向し、ね
じれ構造を構成する。以上の機能を有するために、書き
込み光信号が入射された箇所においては、入射した直線
偏光光(読み出し光)は液晶層を通過して円偏光となっ
てミラー層により反射され、再度液晶層を通過して入射
時と偏光方向が90度変換されて出射される。つまり、
入射光(読み出し光)がS偏光光である場合、P偏光光
として出射される。書き込み光信号が入射されない箇所
では、入射偏光光は液晶分子のねじれに倣って旋光し、
反射層にて反射されて、再度ねじれに倣って旋光されて
出射するので、入射光と同じ偏光で出射する。つまり、
入射光(読み出し光)がS偏光光である場合、S偏光光
として出射される。
【0044】以上が光書き込み式の反射型ライトバルブ
の構造及び機能である。なお、本発明で用いることがで
きるライトバルブは、このような光書き込み式の反射型
ライトバルブに限定されるものではなく、例えば電気書
き込み式の反射型ライトバルブを使用することができる
ことは言うまでもない。この場合には、光書き込み光学
系が不要となり、装置の小型化に寄与することができ
る。
【0045】各空間光変調素子13R,13G,13B
に入射された各色光のS偏光光は、ライトバルブ13
R,13G,13Bによって書き込み光信号に従って変
調され、当該各色光の変調光は、それぞれ−X方向に出
射され、再度偏光ビームスプリッタ14R,14G,1
4Bにそれぞれ入射される。前述した光書き込み式反射
型ライトバルブの原理からわかるように、前記各色の変
調光には、書き込み光信号により選択された箇所のP偏
光光(信号成分)と選択されない箇所のS偏光光とが混
在している。ライトバルブ13R,13G,13Bから
偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bに入射し
た各色の変調光のうち、P偏光光(信号成分)のみが偏
光ビームスプリッタ14R,14G,14Bの偏光分離
膜をそれぞれ透過して偏光ビームスプリッタ14R,1
4G,14Bからそれぞれ−X方向に出射され、S偏光
光は当該偏光分離膜にてそれぞれ−Z方向に反射されて
廃棄される。すなわち、ライトバルブ13R,13G,
13Bにより変調された各色の変調光は、偏光ビームス
プリッタ14R,14G,14Bによってそれぞれ検光
され、各色の変調光のうちのP偏光光のみが偏光ビーム
スプリッタ14R,14G,14Bから各色の検光光と
してそれぞれ−X方向に出射されることになる。
【0046】R光の検光光及びB光の検光光は、折り曲
げミラー16R,16Bによってそれぞれ光軸を−Y方
向及びY方向に変え、色合成光学系を構成するクロスダ
イクロイックプリズム17にそれぞれ入射される。G光
の検光光は、そのまま−X方向にクロスダイクロイック
プリズム17に入射される。クロスダイクロイックプリ
ズム17は、直角二等辺三角柱の光学透明プリズム4個
を互いに直角部を合わせて、当該合わせ面にはR光反射
ダイクロイック膜17R又はB光反射ダイクロイック膜
17Bを挟みこんで貼り合わせ、当該R光反射ダイクロ
イック膜17RとB光反射ダイクロイック膜17Bが互
いにX型に配置された構造を有する。
【0047】当該クロスダイクロイックプリズム17に
−X方向に入射したG光の検光光はダイクロイック膜1
7R,17Bを透過してそのまま−X方向に出射され、
クロスダイクロイックプリズム17に−Y方向に入射さ
れたR光の検光光はR光反射ダイクロイック膜17Rに
よって反射されて同じく−X方向に出射され、クロスダ
イクロイックプリズム17にY方向に入射されたB光の
検光光はB光反射ダイクロイック膜17Bによって反射
されて同じく−X方向に出射される。
【0048】前記各色の検光光は、このようにしてクロ
スダイクロイックプリズム17により色合成されて−X
方向に出射され、投射光学系としての投射レンズ18に
よってスクリーン(図示せず)上にフルカラーの投射像
として投射される。
【0049】そして、本実施の形態では、前記偏光ビー
ムスプリッタ14R,14G,14Bの各々は、光弾性
定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域に存在する
透光性材料からなる部材(前述した直角プリズムに相
当)を用いて構成されている。前記偏光ビームスプリッ
タ14R,14G,14Bの各々は、R光領域における
各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である
第1の値、G光領域における各波長に対する光弾性定数
の絶対値の平均的な値である第2の値、及び、B光領域
における各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な
値である第3の値のうち、前記第2の値又は前記第3の
値が他の値に比べて最も小さい透光性材料からなる部材
(前述した直角プリズムに相当)を用いて構成されても
よい。
【0050】以下に、この透光性材料について説明す
る。
【0051】一般に、ガラスのような等方等質な透光性
材料に力を加えて応力を生じさせると、この透光性材料
に光学的な異方性が生じ、ある種の結晶体と同じように
複屈折性を持つようになる。このような現象は、光弾性
効果と呼ばれている。応力が生じたときの透光性材料の
屈折率は屈折率楕円体で表すことができ、この屈折率楕
円体の主屈折率軸は主応力軸に一致する。一般に、主屈
折率をn1,n2,n3、主応力をσ1,σ2,σ3(それぞ
れ添字が共通なものは同一方向にある)とすると、これ
らの間には次式のような関係が成立する。
【0052】
【数1】 n1=n0+C1σ1+C2(σ2+σ3) ・・・(1)
【0053】
【数2】 n2=n0+C1σ2+C2(σ3+σ1) ・・・(2)
【0054】
【数3】 n3=n0+C1σ3+C2(σ1+σ2) ・・・(3)
【0055】ここで、C1,C2は光の波長及び透光性材
料の物質に固有の定数である。なお、n0は無応力の時
の屈折率である。
【0056】このような透光性材料に光を入射させた場
合、その方向がσ3と同一な方向となるように座標をと
れば、入射光はそれぞれσ1,σ2方向の、すなわち互い
に振動面が直交する2つの直線偏光成分に分かれる。当
該透光性材料から光が出射する際には、各主応力方向の
屈折率(n1,n2)が異なるため、これら2つの直線偏
光成分の間には次式で表されるような光路差(位相差)
Δφが生じる。
【0057】
【数4】 Δφ=(2π/λ)×(n1−n2)×l =(2π/λ)×(C1−C2)×(σ2−σ1)×l =(2π/λ)×C×(σ2−σ1)×l ・・・(4)
【0058】ここで、λは光の波長、lは透光性材料の
光透過厚である。C=(C1−C2)は光弾性定数と呼ば
れ、応力によって生じる複屈折の大きさを示す係数(単
位応力当たりの複屈折量)である。
【0059】本発明者らは、偏光ビームスプリッタ用の
透光性材料として種々の組成のガラスを作製し、直線偏
光の種々の波長の単色光を用いて、当該試料にσ2=σ3
=0となる方向に既知の応力をかけた状態で当該試料の
複屈折を測定し、上述の数1〜数4から当該試料の光弾
性定数Cを算出した。作製したガラスの組成の範囲は、
酸化物換算の重量%で以下に示すようにした。
【0060】 SiO2 17.0〜29.0% LiO2+Na2O+K2O 0.5〜 5.0% PbO 70.0〜75.0% As23+Sb23 0 〜 3.0%
【0061】各成分の組成範囲をこのように設定した理
由は、次の通りである。
【0062】上記組成成分のうちのPbO(酸化鉛)
は、PbOを含有する組成系のガラスにおいては、光弾
性定数Cの値がPbOの含有量に大きく依存することを
利用し、光弾性定数Cの値制御するために用いられたも
のである。PbOの含有量により光弾性定数Cの値が変
化するのは、鉛イオンの配位状態がその含有量の増加と
ともに変化するためと考えられる。
【0063】SiO2は、このガラスの光学用ガラス形
成酸化物であり、17重量%以上含有されることが望ま
しい。ただし、当該SiO2の含有量は上記PbOの含
有量を上記重量%としたことにより29重量%がその上
限となる。
【0064】LiO2+Na2O+K2Oといったアルカ
リ金属成分は、ガラスの熔解温度及びガラス転移温度を
下げ、ガラスの失透に対する安定性を高める効果を有す
るため、0.5重量%以上含有されることが望ましい。
ただし、その含有量が5重量%を越えると当該ガラスの
化学的耐久性が損なわれることとなるために好ましくな
い。
【0065】脱泡剤として使用すべきAs23、Sb2
3あるいは(As23+Sb23)は必要に応じて、
ガラス原料中に混入させることが可能であるが、その含
有量が3重量%を越えると当該ガラスの耐失透性、分光
透過性が損なわれるので好ましくない。
【0066】前述したようにして行った測定結果の一部
を表1に示す。表1には、各ガラス試料No.1〜N
o.8の組成と、当該ガラス試料の光弾性定数Cの絶対
値が最小になる(すなわち、実質的にゼロになる)波長
とを示している。
【0067】
【表1】
【0068】なお、ここで製造したガラスは、表1に示
す各成分に対応する原料として酸化物、フッ化物、水酸
化物、炭酸塩、硝酸塩などを用意し、それらを所定の割
合に秤量、混合して調合原料とし、900℃〜1300
℃に加熱して電気炉中で熔解、清澄、撹拌を行って均質
化した後に、予熱された金型に鋳込み徐冷することによ
って製造したものである。そして、光弾性定数Cの測定
サンプルとしてのガラス試料No.1〜No.8はこの
ようにして製造した各組成のガラスを研削、研磨して作
製したものである。
【0069】表1に示す測定結果、すなわち、光弾性定
数Cの絶対値が最小になる光の波長の測定結果から、上
述の組成範囲のガラスでは、当該ガラスの組成中のPb
O含有量と光弾性定数の絶対値が最小となる波長との間
に図2に示す相関関係があることが判明した。ただし、
図2中の曲線は、PbOの含有量を71重量%〜75重
量%の間で、3次多項式にフィッティングしたものであ
る。これにより、図2中の範囲の組成では、PbO含有
量を制御することにより、光弾性定数Cの絶対値が最小
値となる光の波長を制御することができることが判明し
た。図2から、例えば、B光波長領域380nm〜50
0nmにおいて光弾性定数Cの絶対値を最小値とするに
は、PbO含有量を71.0重量%〜73.7重量%に
すればよいことがわかる。
【0070】一方、本発明者らは、3種類の偏光ビーム
スプリッタを用意し、当該偏光ビームスプリッタの評価
結果から、偏光ビームスプリッタにおいて用いる透光性
材料部材は入射光の波長に対して光弾性定数の絶対値が
1.5×10-8cm2/N以下であることが好ましいと
の結論を得た。すなわち、前記3種類の偏光ビームスプ
リッタとしては、(1)前述した組成範囲内の組成を有
し前述した工程により製造したガラスであって、所定波
長の緑色単色光に対する光弾性定数の絶対値が0.01
×10-8cm2/N以下であるガラスからなる部材を用
いて構成されたもの、(2)前記緑色単色光に対する光
弾性定数の絶対値が1.33×10-8cm2/Nのガラ
スからなる部材を用いて構成されたもの、(3)前記緑
色単色光に対する光弾性定数の絶対値が2.0×10-8
cm2/Nのガラスからなる部材を用いて構成されたも
の、を用意した。そして、各偏光ビームスプリッタにS
偏光の緑色光を入射させ、当該偏光ビームスプリッタに
て反射して出射した光をミラーにて反射させて再度当該
偏光ビームスプリッタに入射させ、前記ミラーにて反射
されて当該偏光ビームスプリッタを透過した光をスクリ
ーン上に投射させ、スクリーン上の照度ムラを評価し
た。その結果、前記(1)の偏光ビームスプリッタの場
合には照度ムラの発生は非常に少なく、前記(2)の偏
光ビームスプリッタの場合には照度ムラは観察できるも
のの実際の使用に耐える程度であり、前記(3)の偏光
ビームスプリッタの場合には顕著な照度ムラが観察され
た。この評価結果から、投射型表示装置に採用する偏光
ビームスプリッタとして、入射光に対する光弾性定数の
絶対値が1.5以下(すなわち、光弾性定数が−1.5
×10-8cm2/N以上で+1.5×10-8cm2/N以
下)の透光性材料からなる部材を用いれば、従来の透光
性材料部材(例えば、その光弾性定数が2.78×10
-8cm2/NのBK7)に比べて十分に光学的に安定な
性能を確保でき、かつ投射画像の画質劣化が十分に抑制
される投射型表示装置が得られることがわかる。
【0071】図3には、前述した測定の結果得られた、
表1中の試料No.1〜No.7の光弾性定数Cの波長
依存性を示す曲線が示されている。これらの曲線は、各
試料について得られた測定点を3次多項式にフィッティ
ングしたものである。
【0072】図3から、以下のことが判明した。すなわ
ち、光弾性定数は、波長を関数として、右上がりで上に
凸の形状の特性を有しており、長波長にいくほど光弾性
定数の大きくなる率は小さくなることである。
【0073】図3からわかるように、試料No.2〜N
o.5のようにB光波長域において光弾性定数の絶対値
が最小になるようにガラスを構成すれば、前記の特性か
らB光波長域(380nm〜500nm)は勿論のこ
と、G光波長領域(500nm〜600nm)、R光波
長領域(600nm〜700nm)においても、前記光
弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N以下に抑
えることができるばかりでなく、前述のように光吸収量
は短波長側で大きく長波長側で小さいことにより、この
光吸収によって発生する熱の影響による複屈折の発生
は、B光波長域において光弾性定数の絶対値が最小にす
るように作製されているために、B光吸収により発生す
る熱による複屈折の発生は極力少なくすることができ
る。さらに、G光波長領域及びR光波長領域においては
もともと光吸収による熱発生は少ない上に、G光波長領
域及びR光波長領域においても光弾性定数の絶対値が
1.5×10-8cm2/N以下であるために十分に複屈
折の発生を抑えることができる。
【0074】また、図3からわかるように、B光波長域
において光弾性定数の絶対値が最小になる試料No.2
〜No.5ほどではないが、試料No.1及び試料N
o.6の場合であっても、B光波長域、G光波長域及び
R光波長域のいずれにおいても光弾性定数の絶対値を
1.5×10-8cm2/N以下である上に、B光波長域
における光弾性定数の絶対値はさほど大きくなく、B光
吸収により発生する熱による複屈折の発生は十分に少な
くすることができる。一方、試料No.7の場合には、
B光波長域、G光波長域及びR光波長域のいずれにおい
ても光弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N以
下であるものの、B光波長域における光弾性定数の絶対
値はかなり大きくなってしまい、B光吸収により発生す
る熱による複屈折の発生がかなり大きくなり、本発明で
は許容できない。試料No.1〜No.4の場合には、
R光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対値の
平均的な値である第1の値(波長の関数である光弾性定
数の絶対値を600nmから700nmまで定積分した
積分値(図3において、光弾性定数がゼロの水平ライン
と、波長が600nmの垂直ラインと、波長が700n
mの垂直ラインと、光弾性定数を示す曲線とにより囲ま
れた部分の面積に相当)を、その波長幅100nmで除
算した値。)、及び、G光領域における各波長に対する
光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2の値(波長
の関数である光弾性定数の絶対値を500nmから60
0nmまで定積分した積分値(図3において、光弾性定
数がゼロの水平ラインと、波長が500nmの垂直ライ
ンと、波長が600nmの垂直ラインと、光弾性定数を
示す曲線とにより囲まれた部分の面積に相当)を、その
波長幅100nmで除算した値。)、及び、B光領域に
おける各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値
である第3の値(図3において、光弾性定数がゼロの水
平ラインと、波長が380nmの垂直ラインと、波長が
500nmの垂直ラインと、光弾性定数を示す曲線とに
より囲まれた部分の面積に相当)を、その波長幅120
nmで除算した値。)のうち、B光波長域に関する前記
第3の値が最も小さくなっている。試料No.5,N
o.6の場合には、前記第1、第2及び第3の値のう
ち、G光波長域に関する前記第2の値が最も小さくなっ
ている。試料No.7の場合には、前記第1、第2及び
第3の値のうち、R光波長域に関する前記第1の値が最
も小さくなっている。したがって、前記第1、第2及び
第3の値のうち、G光波長域に関する前記第2の値又は
B光波長域に関する前記第3の値が他の値に比べて最も
小さい透光性材料部材を用いることができることがわか
る。この場合、R光波長域の光弾性定数が+1.5×1
-8cm2/N以下であれば、図3に示す特性が右上が
りであるので、B光波長域の光弾性定数の値が十分に小
さくなる。
【0075】以上の説明からわかるように、前記試料N
o.1〜No.6が、本実施の形態において偏光ビーム
スプリッタ14R,14G,14Bを構成する透光性材
料部材として用いることができる透光性材料の例であ
り、前記試料No.7が比較例である。
【0076】なお、図2からわかるように、B光波長域
において光弾性定数の絶対値が最小になるようにするた
めには、前述した組成範囲においてPbOの含有量を7
1重量%〜73.7重量%にすればよく、そのような組
成範囲の透光性材料は、本実施の形態において偏光ビー
ムスプリッタ14R,14G,14Bを構成する透光性
材料部材として用いることができる透光性材料の例であ
る。
【0077】本実施の形態によれば、偏光ビームスプリ
ッタ14R,14G,14Bとして、透光性材料からな
る部材を用いて構成された偏光ビームスプリッタが用い
られており、前記従来の液体浸漬型の偏光ビームスプリ
ッターを用いていない。したがって、本実施の形態によ
れば、先に述べたような対流やゴミや気泡などの、前記
従来の液体浸漬型の偏光ビームスプリッターを採用する
ことに伴う種々の問題点を除去することができ、製造が
容易になる等の利点が得られる。
【0078】また、本実施の形態によれば、偏光ビーム
スプリッタ14R,14G,14Bとして、前述した透
光性材料からなる部材を用いて構成された偏光ビームス
プリッタが用いられているので、偏光ビームスプリッタ
14R,14G,14Bとして同じ透光性材料を用いた
ものを使用しつつ、特に光吸収による熱応力を考慮した
上で、種々の熱応力、外部応力の影響に対して複屈折の
発生を軽減して光学的に安定な性能を確保でき、色ムラ
等の画質の劣化を抑えることができる。さらにこのよう
に、偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bとし
て同じ透光性材料を用いたものを使用することができる
ので、コストダウンを図ることができる。
【0079】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態による投射型表示装置について、図4を参
照して説明する。
【0080】図4は、本実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。図4において、図1
中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0081】本実施の形態による投射型表示装置が前述
した図1に示す第1の実施の形態による投射型表示装置
と異なる所は、折り曲げミラー12R,12G,12B
と偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bとの間
にそれぞれ偏光ビームスプリッタ15R,15G,15
Bが追加された点のみである。前記第1の実施の形態で
は、偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bが、
色分解された各色光を偏光分離する偏光分離光学系及び
ライトバルブ13R,13G,13Bによって変調され
た各光をそれぞれ検光する検光光学系を兼ねていたのに
対し、本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ14
R,14G,14Bが検光光学系のみを構成し、偏光ビ
ームスプリッタ15R,15G,15Bが偏光分離光学
系を構成している。すなわち、本実施の形態では、クロ
スダイクロイックミラー11にて色分解された各色光
は、折り曲げミラー12R,12G,12Bを経て偏光
ビームスプリッタ15R,15G,15Bに入射し、各
色光の一方の偏光光のみが偏光ビームスプリッタ15
R,15G,15BをZ方向に透過して偏光ビームスプ
リッタ14R,14G,14BにS偏光光として入射
し、この各色のS偏光光が各ライトバルブ13R,13
G,13Bに入射され、以後は前記第1の実施の形態と
同様である。
【0082】本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ
14R,14G,14B,15R,15G,15Bの各
々が、前記第1の実施の形態における偏光ビームスプリ
ッタ14R,14G,14Bで用いられている透光性材
料(以下、説明の便宜上、「第1の実施の形態材料」と
いう。)からなる部材を用いて構成されている。したが
って、本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態
と同様の利点が得られる。
【0083】なお、本実施の形態のように、偏光ビーム
スプリッタ14R,14G,14B,15R,15G,
15Bのいずれもが第1の実施の形態材料からなる部材
を用いて構成されていると、画質の劣化を防止する程度
が高く好ましいが、本発明では、偏光ビームスプリッタ
14R,14G,14Bのみを第1の実施の形態材料か
らなる部材を用いて構成して偏光ビームスプリッタ15
R,15G,15Bを通常の透光性材料部材を用いて構
成してもよし、逆に、偏光ビームスプリッタ15R,1
5G,15Bのみを第1の実施の形態材料からなる部材
を用いて構成して偏光ビームスプリッタ14R,14
G,14Bを通常の透光性材料からなる部材を用いて構
成してもよい。
【0084】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態による投射型表示装置について、図5を参
照して説明する。
【0085】図5は、本実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。図5において、図1
中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0086】本実施の形態による投射型表示装置が前述
した図1に示す第1の実施の形態による投射型表示装置
と異なる所は、色分解光学系としてのクロスダイクロイ
ックミラー11の前に、光源からの光を色分解前に2つ
の偏光光に偏光分離する偏光分離光学系として、偏光ビ
ームスプリッタ20を配置した点のみである。前記第1
の実施の形態では、偏光ビームスプリッタ14R,14
G,14Bが偏光分離光学系及び検光光学系を兼ねてい
たのに対し、本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ
14R,14G,14Bは偏光分離光学系を兼ねていな
い。本実施の形態では、光源からの光が偏光ビームスプ
リッタ20にて2つの偏光光に偏光分離され、そのうち
の一方の偏光光がクロスダイクロイックミラー11にて
各色光に色分解され、色分解された各色光の当該偏光光
(偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bに対す
るS偏光光)が偏光ビームスプリッタ14R,14G,
14Bに入射し、この各色のS偏光光が各ライトバルブ
13R,13G,13Bに入射され、以後は前記第1の
実施の形態と同様である。
【0087】本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ
14R,14G,14B,20の各々が、第1の実施の
形態材料からなる部材を用いて構成されている。したが
って、本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態
と同様の利点が得られる。
【0088】なお、本実施の形態のように、偏光ビーム
スプリッタ14R,14G,14B,20のいずれもが
第1の実施の形態材料からなる部材を用いて構成されて
いると、画質の劣化を防止する程度が高く好ましいが、
本発明では、偏光ビームスプリッタ14R,14G,1
4Bのみを第1の実施の形態材料からなる部材を用いて
構成して偏光ビームスプリッタ20を通常の透光性材料
部材を用いて構成してもよいし、逆に、偏光ビームスプ
リッタ20のみを第1の実施の形態材料からなる部材を
用いて構成して偏光ビームスプリッタ14R,14G,
14Bを通常の透光性材料部材を用いて構成してもよ
い。
【0089】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態による投射型表示装置について、図6を参
照して説明する。
【0090】図6は、本実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。図6において、図1
中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0091】本実施の形態による投射型表示装置が前述
した図1に示す第1の実施の形態による投射型表示装置
と異なる所は、色分解光学系としてのクロスダイクロイ
ックミラー11の前に、光源からの光を色分解前に2つ
の偏光光に偏光分離する偏光分離光学系として、特開平
5−157915号に開示されたような蛇腹状の偏光装
置21を配置した点のみである。前記第1の実施の形態
では、偏光ビームスプリッタ14R,14G,14Bが
偏光分離光学系及び検光光学系を兼ねていたのに対し、
本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ14R,14
G,14Bは偏光分離光学系を兼ねていない。本実施の
形態では、光源からの光が偏光装置21にて2つの偏光
光に偏光分離され、そのうちの一方の偏光光がクロスダ
イクロイックミラー11にて各色光に色分解され、色分
解された各色光の当該偏光光(偏光ビームスプリッタ1
4R,14G,14Bに対するS偏光光)が偏光ビーム
スプリッタ14R,14G,14Bに入射し、この各色
のS偏光光が各ライトバルブ13R,13G,13Bに
入射され、以後は前記第1の実施の形態と同様である。
【0092】本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ
14R,14G,14Bの各々が、第1の実施の形態材
料からなる部材を用いて構成されている。したがって、
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様
の利点が得られる。
【0093】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0094】例えば、前述した各実施の形態による投射
型表示装置は、各色光R,G,Bを予め色合成して1本
の投射レンズで画像を投射する1投射レンズタイプの投
射型表示装置の例であっが、本発明は、各色光R,G,
Bを予め色合成することなく3本の投射レンズでそれぞ
れスクリーン上に投射してスクリーン上で色合成を行う
3投射レンズタイプの投射型表示装置に適用することも
できる。
【0095】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、液
体を使用することなく、前記液体浸漬型の偏光ビームス
プリッターを使用したことに伴う問題点を除去すること
ができ、製造が容易になる等の利点が得られ、しかも、
種々の熱応力、外部応力の影響に対して光学的に安定な
性能を確保でき画質の劣化の少ない投射型表示装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】偏光ビームスプリッタに使用するガラス組成の
PbOの含有量と当該ガラスの光弾性定数の絶対値を最
小にする波長との関係を示す図である。
【図3】ガラス試料の光弾性定数の波長依存性を示す図
である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態による投射型表示装
置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 クロスダイクロイックミラー(色分解光学系) 12R,12B,12G 折り曲げミラー 13R,13G,13B 偏光ビームスプリッタ 14R,14G,14B ライトバルブ 15R,15G,15B 偏光ビームスプリッタ 16R,16B 折り曲げミラー 17 クロスダイクロイックプリズム(色合成光学系) 18 投射レンズ 20 偏光ビームスプリッタ 21 偏光装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 徹夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン本社内 (72)発明者 上田 基 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン本社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射されたR光に基づく第1の偏光光を
    出射する第1の偏光ビームスプリッタと、入射されたG
    光に基づく第2の偏光光を出射する第2の偏光ビームス
    プリッタと、入射されたB光に基づく第3の偏光光を出
    射する第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2
    及び第3の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第
    3のライトバルブと、を備え、前記第1、第2及び第3
    の偏光ビームスプリッタが、前記第1、第2及び第3の
    ライトバルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞ
    れ検光する投射型表示装置において、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、光弾性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域
    に存在する透光性材料からなる部材を用いて構成された
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  2. 【請求項2】 入射されたR光に基づく第1の偏光光を
    出射する第1の偏光ビームスプリッタと、入射されたG
    光に基づく第2の偏光光を出射する第2の偏光ビームス
    プリッタと、入射されたB光に基づく第3の偏光光を出
    射する第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2
    及び第3の偏光光をそれぞれ変調する第1、第2及び第
    3のライトバルブと、を備え、前記第1、第2及び第3
    の偏光ビームスプリッタが、前記第1、第2及び第3の
    ライトバルブによってそれぞれ変調された各光をそれぞ
    れ検光する投射型表示装置において、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、R光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
    値の平均的な値である第1の値、G光領域における各波
    長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2
    の値、及び、B光領域における各波長に対する光弾性定
    数の絶対値の平均的な値である第3の値のうち、前記第
    2の値又は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透
    光性材料からなる部材を用いて構成されたことを特徴と
    する投射型表示装置。
  3. 【請求項3】 光源からの光をR光、G光、B光に色分
    解する色分解光学系と、 前記色分解光学系によって分解された各色光をそれぞれ
    2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及び第3の偏光
    分離光学系と、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系によってそれ
    ぞれ偏光分離された各色光の一方の偏光光をそれぞれ変
    調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1の偏光分離光学系及び前記第1の検光光学系が
    同一の第1の偏光ビームスプリッタで共用され、 前記第2の偏光分離光学系及び前記第2の検光光学系が
    同一の第2の偏光ビームスプリッタで共用され、 前記第3の偏光分離光学系及び前記第3の検光光学系が
    同一の第3の偏光ビームスプリッタで共用され、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、光弾性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域
    に存在する透光性材料からなる部材を用いて構成された
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  4. 【請求項4】 光源からの光をR光、G光、B光に色分
    解する色分解光学系と、 前記色分解光学系によって分解された各色光をそれぞれ
    2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及び第3の偏光
    分離光学系と、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系によってそれ
    ぞれ偏光分離された各色光の一方の偏光光をそれぞれ変
    調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1の偏光分離光学系及び前記第1の検光光学系が
    同一の第1の偏光ビームスプリッタで共用され、 前記第2の偏光分離光学系及び前記第2の検光光学系が
    同一の第2の偏光ビームスプリッタで共用され、 前記第3の偏光分離光学系及び前記第3の検光光学系が
    同一の第3の偏光ビームスプリッタで共用され、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、R光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
    値の平均的な値である第1の値、G光領域における各波
    長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2
    の値、及び、B光領域における各波長に対する光弾性定
    数の絶対値の平均的な値である第3の値のうち、前記第
    2の値又は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透
    光性材料からなる部材を用いて構成されたことを特徴と
    する投射型表示装置。
  5. 【請求項5】 光源からの光をR光、G光、B光に色分
    解する色分解光学系と、 前記色分解光学系によって分解された各色光をそれぞれ
    2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及び第3の偏光
    分離光学系と、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系によってそれ
    ぞれ偏光分離された各色光の一方の偏光光をそれぞれ変
    調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系はそれぞれ第
    1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、光弾性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域
    に存在する透光性材料からなる部材を用いて構成された
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  6. 【請求項6】 光源からの光をR光、G光、B光に色分
    解する色分解光学系と、 前記色分解光学系によって分解された各色光をそれぞれ
    2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及び第3の偏光
    分離光学系と、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系によってそれ
    ぞれ偏光分離された各色光の一方の偏光光をそれぞれ変
    調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系はそれぞれ第
    1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、R光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
    値の平均的な値である第1の値、G光領域における各波
    長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2
    の値、及び、B光領域における各波長に対する光弾性定
    数の絶対値の平均的な値である第3の値のうち、前記第
    2の値又は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透
    光性材料からなる部材を用いて構成されたことを特徴と
    する投射型表示装置。
  7. 【請求項7】 光源からの光をR光、G光、B光に色分
    解する色分解光学系と、 前記色分解光学系によって分解された各色光をそれぞれ
    2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及び第3の偏光
    分離光学系と、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系によってそれ
    ぞれ偏光分離された各色光の一方の偏光光をそれぞれ変
    調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1、第2及び第3の検光光学系はそれぞれ第1、
    第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、光弾性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域
    に存在する透光性材料からなる部材を用いて構成された
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  8. 【請求項8】 光源からの光をR光、G光、B光に色分
    解する色分解光学系と、 前記色分解光学系によって分解された各色光をそれぞれ
    2つの偏光光に偏光分離する第1、第2及び第3の偏光
    分離光学系と、 前記第1、第2及び第3の偏光分離光学系によってそれ
    ぞれ偏光分離された各色光の一方の偏光光をそれぞれ変
    調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1、第2及び第3の検光光学系はそれぞれ第1、
    第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、R光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
    値の平均的な値である第1の値、G光領域における各波
    長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2
    の値、及び、B光領域における各波長に対する光弾性定
    数の絶対値の平均的な値である第3の値のうち、前記第
    2の値又は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透
    光性材料からなる部材を用いて構成されたことを特徴と
    する投射型表示装置。
  9. 【請求項9】 光源からの光を第1の偏光光と第2の偏
    光光とに偏光分離する偏光分離光学系と、 前記第1の偏光光をR光、G光、B光に色分解する色分
    解光学系と、 前記色分解光学系によって色分解された各色光をそれぞ
    れ変調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記偏光分離光学系は偏光ビームスプリッタからなり、 前記偏光ビームスプリッタは、光弾性定数の絶対値が最
    小値となる波長がB光領域に存在する透光性材料からな
    る部材を用いて構成されたことを特徴とする投射型表示
    装置。
  10. 【請求項10】 光源からの光を第1の偏光光と第2の
    偏光光とに偏光分離する偏光分離光学系と、 前記第1の偏光光をR光、G光、B光に色分解する色分
    解光学系と、 前記色分解光学系によって色分解された各色光をそれぞ
    れ変調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記偏光分離光学系は偏光ビームスプリッタからなり、 前記偏光ビームスプリッタは、R光領域における各波長
    に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第1の
    値、G光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
    値の平均的な値である第2の値、及び、B光領域におけ
    る各波長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値であ
    る第3の値のうち、前記第2の値又は前記第3の値が他
    の値に比べて最も小さい透光性材料からなる部材を用い
    て構成されたことを特徴とする投射型表示装置。
  11. 【請求項11】 光源からの光を第1の偏光光と第2の
    偏光光とに偏光分離する偏光分離光学系と、 前記第1の偏光光をR光、G光、B光に色分解する色分
    解光学系と、 前記色分解光学系によって色分解された各色光をそれぞ
    れ変調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1、第2及び第3の検光光学系はそれぞれ第1、
    第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、光弾性定数の絶対値が最小値となる波長がB光領域
    に存在する透光性材料からなる部材を用いて構成された
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  12. 【請求項12】 光源からの光を第1の偏光光と第2の
    偏光光とに偏光分離する偏光分離光学系と、 前記第1の偏光光をR光、G光、B光に色分解する色分
    解光学系と、 前記色分解光学系によって色分解された各色光をそれぞ
    れ変調する第1、第2及び第3のライトバルブと、 前記第1、第2及び第3のライトバルブによってそれぞ
    れ変調された各光をそれぞれ検光する第1、第2及び第
    3の検光光学系と、 前記第1、第2及び第3の検光光学系によってそれぞれ
    検光された各光を色合成する色合成光学系と、 前記色合成光学系によって色合成された光を投射する投
    射光学系と、 を備え、 前記第1、第2及び第3の検光光学系はそれぞれ第1、
    第2及び第3の偏光ビームスプリッタからなり、 前記第1、第2及び第3の偏光ビームスプリッタの各々
    は、R光領域における各波長に対する光弾性定数の絶対
    値の平均的な値である第1の値、G光領域における各波
    長に対する光弾性定数の絶対値の平均的な値である第2
    の値、及び、B光領域における各波長に対する光弾性定
    数の絶対値の平均的な値である第3の値のうち、前記第
    2の値又は前記第3の値が他の値に比べて最も小さい透
    光性材料からなる部材を用いて構成されたことを特徴と
    する投射型表示装置。
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JP2003241146A (ja) * 2002-02-19 2003-08-27 Hitachi Ltd 投影装置及びそれを用いた投写型画像表示装置
JP2004212652A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Toshiba Corp 投射型表示装置
JP2007212774A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Canon Inc 色分解光学系および画像投射装置

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