JPH09127461A - 投射型表示装置及びこれに用いることができる光学素子 - Google Patents

投射型表示装置及びこれに用いることができる光学素子

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JPH09127461A
JPH09127461A JP7306828A JP30682895A JPH09127461A JP H09127461 A JPH09127461 A JP H09127461A JP 7306828 A JP7306828 A JP 7306828A JP 30682895 A JP30682895 A JP 30682895A JP H09127461 A JPH09127461 A JP H09127461A
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JP
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polarization beam
light
film
layer
refractive index
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JP7306828A
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English (en)
Inventor
Hideaki Shimomura
英明 下村
Kiyoshi Numazaki
潔 沼崎
Yoshiro Oikawa
義朗 及川
Naotaka Shimamura
尚孝 島村
Mikio Okamoto
幹夫 岡本
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の構成の簡素化及び小型化を図ることが
できる投射型表示装置を提供する。 【解決手段】 偏光ビームスプリッター13R,13
G,13Bは、光源からの光を色分解すると同時に、各
空間光変調素子12R,12G,12Bに照射される色
光の偏光の純度を上げるプリ偏光ビームスプリッターと
して機能する。主偏光ビームスプリッター11R,11
G,11Bは、色光R,G,Bによる入射光をそれぞれ
偏光して空間光変調素子12R,12G,12Bにそれ
ぞれ照射させるとともに、空間光変調素子12R,12
G,12Bからの反射光をそれぞれ検光する。投射レン
ズ18R,18G,18Bは、主偏光ビームスプリッタ
ー11R,11G,11Bによりそれぞれ検光された光
をそれぞれスクリーンに投射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空間光変調素子を
利用した投射型表示装置及びこれに用いることができる
光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】投射型表示装置用に用いられる空間光変
調素子としては、偏光を利用して光を空間的に変調する
位相差変調型(偏光変調型)の空間光変調素子がある。
そして、位相差変調型の空間光変調素子として、例えば
液晶を用いて構成されたもの(位相差変調型液晶ライト
バルブ)が実用化されている。
【0003】このような位相差変調型の空間光変調素子
を用いた投射型表示装置では、偏光子及び検光子となる
主偏光ビームスプリッターが用いられる。以下の説明で
は、該主偏光ビームスプリッターは、S偏光成分を反射
させるとともにP偏光成分を透過させる特性を有するも
のとする。前記投射型表示装置では、まず、光源からの
光が、複数のダイクロイックミラー等で構成された色分
解手段により、3原色である赤、緑、青の色光に分解さ
れ、各色光が対応する主偏光ビームスプリッターに入射
される。そして、各主偏光ビームスプリッターに入射し
た色光が当該偏光ビームスプリッターによりP偏光とS
偏光の光に分離され、通常はS偏光の光が当該色光に対
応する空間光変調素子に対して照射され、当該空間光変
調素子の液晶層により変調された当該空間光変調素子か
らの反射光は再び当該主偏光ビームスプリッターに戻
る。この際、この反射光は当該空間光変調素子により検
光される。前記主偏光ビームスプリッターではS偏光成
分は反射されるので、前記空間光変調素子により変調さ
れてP偏光となった光のみが前記偏光ビームスプリッタ
ーを透過する。この透過した各色光(すなわち、検光さ
れた光)が画像として投射光学系により投射される。な
お、この際、各色光を色合成手段で予め合成した後に1
本の投射レンズ等からなる投射光学系により投射する場
合と、各色光を予め合成することなく3本の投射レンズ
等からなる投射光学系でそれぞれスクリーン上に投射す
る場合(この場合、スクリーン上で各色光が合成され
る。)とがある。
【0004】ところで、通常、単一の偏光ビームスプリ
ッターでは消光比(反射するS偏光成分の強度と反射す
るP偏光成分の強度の比)が例えば10対1程度しかな
いため、得られる画像のコントラスト比が大きく取れな
い。そこで、前記空間光変調素子を照射する光(読み出
し光)の偏光の純度を上げるために、前記主偏光ビーム
スプリッターの前に(すなわち、前記主偏光ビームスプ
リッターに対して前記入射光の入射側に)補助偏光ビー
ムスプリッター(プリ偏光ビームスプリッター)を挿入
する方法が、提案されている。これにより、前記読み出
し光の消光比は100対1程度に向上し、得られる画像
のコントラストが向上する。
【0005】以上の説明から明らかなように、位相差変
調型の空間光変調素子を用いた投射型表示装置において
は、偏光ビームスプリッターが投射画像の画質に果たす
役割はたいへん大きい。
【0006】従来、画像のコントラストを向上させるべ
く前述したプリ偏光ビームスプリッターを採用する場
合、前記プリ偏光ビームスプリッターとして、前記色分
解手段と別個の光学部品である偏光ビームスプリッター
を用いていた。このため、装置の構成が複雑化及び大型
化せざるを得なかった。
【0007】なお、前述したような投射型表示装置に使
用される偏光ビームスプリッターとしては、従来、例え
ばヒューズエアクラフト社の米国特許第4,687,3
01号公報に開示されているように、屈折率調整を施し
た液体中に偏光ビームスプリッター用のコーティングを
施した透光性材料板を浸漬させた構成の液体浸漬型の偏
光ビームスプリッターが多く提案されてきた。前記液体
の屈折率は、前記透光性材料の屈折率と同一になるよう
に調整されている。このように液体中に浸漬する理由
は、空気中では、コーティングの界面が空気対透光性材
料となり、屈折率が異なるために偏光ビームスプリッタ
ーとして機能しないためである。
【0008】ここで、従来の液体浸漬型の偏光ビームス
プリッター1を採用した投射型表示装置の一例の主要部
を示す模式図を、図15に示す。この偏光ビームスプリ
ッター1は、屈折率調整を施した液体2中に偏光ビーム
スプリッター用のコーティングを施した透光性材料板3
を浸漬させた構成となっている。偏光ビームスプリッタ
ー1の付近に位相差変調型の空間光変調素子4が配置さ
れている。偏光ビームスプリッター1に入射した光は、
偏光ビームスプリッター1によりP偏光とS偏光の光に
分離され、S偏光の光が空間光変調素子4に対して照射
され、空間光変調素子1の液晶層等により変調された空
間光変調素子4からの反射光は偏光ビームスプリッター
1に戻る。この際、この反射光は空間光変調素子4によ
り検光される。この検光された光が画像として図示しな
い投射光学系により投射される。
【0009】また、透光性材料ブロックによる偏光ビー
ムスプリッターも考案されている。
【0010】しかしながら、前記液体浸漬型の偏光ビー
ムスプリッターを採用した投射型表示装置の場合、以下
に説明するように、いくつかの問題点がある。
【0011】第一に、温度による液体の屈折率変化であ
る。ある温度で屈折率調整した液体でも、温度変化によ
って、液体の屈折率は、偏光ビームスプリッターの基板
の透光性材料の屈折率と差が生じ、性能が変化する。例
えば、ある液体の場合、1℃の温度上昇につき、屈折率
は0.000349程度変化するが、この変化率は一般
の基板の透光性材料のそれより2桁大きい。投射型表示
装置の使用環境は一般的に約20℃〜60℃程度変化す
る可能性があり、この屈折率の差は無視できないものと
なる。また、分散も変化するため、投射画像において色
ズレや色ムラの原因となる。
【0012】第二に、液体の温度変化が均一でない場
合、上記第一に述べた液体の屈折率の温度特性により、
液体の屈折率の均質性が損なわれ、分布が生じてしま
う。現実的な投射型表示装置において液体全体が均一な
温度変化を示すことはなく、画像の均質性が損なわれる
大きな原因となっている。
【0013】第三に、不均質な温度変化に伴い、上記第
二に述べた屈折率の均質性と同時に密度の均質性も損な
われ、液体であるがために対流が生じる。この対流によ
って、上記第二に述べた不均質な屈折率の分布は時間と
共に変動し、画質の不均質性も時間と共に変動する原因
となっている。
【0014】第四に、やはり液体であるがために、温度
による体積変化が生じる。前述した液体の場合、1℃の
温度変化に対し、体積は1cc当たり0.00073c
c変化する。使用環境としては40℃程度の温度差であ
るが、輸送や倉庫での保管を考慮した場合、−10℃〜
80℃ほどの温度範囲を考慮する必要がある。体積変化
自体は画像への影響は小さいが、液体の体積変化を吸収
するためのなんらかの機構を設ける必要が生じる。
【0015】第五に、液体中にゴミがあると、焦点位置
の近辺でなくても数十〜数百倍に投射された画像中に写
ってしまうため、決して液体中にはゴミがあってはなら
ない。このため、組立にはクリーンルームが必要な上、
液体のゴミや異物を除去する作業が必要である。
【0016】第六に、液体中に気泡があるとやはり画像
に表れてしまうので、これもあらかじめ取り除いておく
必要がある。
【0017】第七に、液体を使用するために、液体を収
容するケースにOリングを設けるなど、液漏れ防止の対
策を施す必要がある。
【0018】このように、液体浸漬型の偏光ビームスプ
リッターは、基本的には優れた性能を持つにもかかわら
ず、課題も多く、これを用いた投射型表示装置では、製
作に非常に手間がかかり、コストアップにつながってい
る。殊に温度変化による特性変化に関しては、本質的に
避け難い問題である。なお、液体浸漬型の偏光ビームス
プリッターでは、屈折率の関係で、設置角度を光軸に対
して45゜にすることができないため、装置として大き
く重いものとなってしまう。
【0019】また、従来考案された透光性材料ブロック
による前記偏光ビームスプリッターでは、種々の原因で
生じるガラスの光学的異方性が複屈折を誘発し、光の偏
光特性を乱してしまう障害があり、投影画像劣化の原因
となっている。ここで、種々の原因とは、主に、透光性
材料の加工工程(切断、他の材料との接合、表面への成
膜)や、透光性材料を光学系に組み込む操作(治具での
保持、接着など)の際い生じる外部応力や、透光性材料
内部の発熱(光エネルギーの吸収など)あるいは外部の
発熱(周辺機器の発熱など)などにより生じる熱応力、
さらに発熱の際に、透光性材料と熱膨張率の異なる材料
を接触接合した場合に生じる応力などである。このよう
に、これら種々の熱応力や外部応力が生じる時期は、透
光性材料ブロックの作製、偏光ビームスプリッター加工
から、投射型表示装置使用中に至っており、全てを排除
することは非常に難しく、そのような偏光ビームスプリ
ッターは実用化には至っていない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
鑑みてなされたもので、第一に、装置の構成の簡素化及
び小型化を図ることができる投射型表示装置を提供する
ことを目的とする。
【0021】また、本発明は、第二に、液体を使用する
ことなく、前記液体浸漬型の偏光ビームスプリッターを
使用したことに伴う問題点を除去することができ、しか
も、透光性材料ブロックにおける種々の熱応力、外部応
力の影響に対して光学的に安定な性能を確保でき画質の
劣化の少ない投射型表示装置を提供することを目的とす
る。
【0022】さらに、本発明は、第三に、このような投
射型表示装置に用いることができる光学素子を提供する
ことを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による投射型表示装置は、光源
と、前記光源からの光を3原色の色光に分解する色分解
手段と、前記3原色の色光にそれぞれ対応する3つの空
間光変調素子と、前記3原色の色光にそれぞれ対応する
3つの主偏光ビームスプリッターであって、各々が、前
記色分解手段からの対応する色光を偏光して当該色光に
対応する前記空間光変調素子に照射させるとともに、当
該空間光変調素子からの変調された反射光を検光する3
つの主偏光ビームスプリッターと、前記各主偏光ビーム
スプリッターの前記色光の入射側に配置され、前記各空
間光変調素子に照射される色光の偏光の純度を上げる補
助偏光分離手段と、前記複数の主偏光ビームスプリッタ
ーにより検光された光を投射する投射光学系と、を備え
たものである。そして、前記色分解手段の少なくとも一
部及び前記補助偏光分離手段の少なくとも一部が、ダイ
クロイック特性及び偏光分離特性を兼ね備えた光学素子
で兼用される。
【0024】本発明の第2の態様による光学素子は、透
明材料からなる第1の基体と、透明材料からなる第2の
基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に挟持
された透明誘電体多層膜とを備え、前記透明誘導体多層
膜は高屈折率膜と低屈折率膜との交互層からなり、前記
第1の基体又は前記第2の基体を介して前記透明誘電体
多層膜に入射する光の所望の入射角θ0に対して、前記
高屈折率膜の屈折率をnH、前記低屈折率膜の屈折率を
L、前記第1及び第2の基体の屈折率をn0として、以
下の2つの条件式(数5及び数6)を満たすものであ
る。
【0025】
【数5】{nL 4(nH 2−n0 2・sin2θ0)}/{n
H 4(nL 2−n0 2・sin2θ0)}>1.44
【0026】
【数6】(nH 2−n0 2・sin2θ0)/(nL 2−n0 2・sin
2θ0)>4.0
【0027】本発明の第3の態様による光学素子は、前
記第2の態様による光学素子において、前記透明誘電体
多層膜は、入射光の赤色、緑色及び青色の波長領域に渡
るS偏光成分を実質的に反射させ、入射光の青色の波長
領域のP偏光成分を実質的に反射させ、入射光の赤色及
び緑色の波長領域に渡るP偏光成分を実質的に透過させ
る特性を有するものである。
【0028】本発明の第4の態様による光学素子は、前
記第2の態様による光学素子において、前記透明誘電体
多層膜は、入射光の赤色、緑色及び青色の波長領域に渡
るS偏光成分を実質的に反射させ、入射光の赤色の波長
領域のP偏光成分を実質的に反射させ、入射光の緑色及
び青色の波長領域に渡るP偏光成分を実質的に透過させ
る特性を有するものである。
【0029】本発明の第5の態様による光学素子は、前
記第2又は第3の態様による光学素子において、前記透
明誘電体多層膜は前記高屈折率膜と前記低屈折率膜との
交互21層からなり、前記第1又は第2の基体側から数
えて偶数層は前記高屈折率膜であるとともに奇数層は前
記低屈折率膜であり、前記第1又は第2の基体側から数
えて第1層及び第21層の光学的膜厚が設計基準波長の
1/8であり、他の層の光学的膜厚が前記設計基準波長
の1/4であるものである。
【0030】本発明の第6の態様による光学素子は、前
記第2又は第4の態様による光学素子において、前記透
明誘電体多層膜は、前記透明誘電体多層膜は前記高屈折
率膜と前記低屈折率膜との交互37層からなり、前記第
1又は第2の基体側から数えて偶数層は前記高屈折率膜
であるとともに奇数層は前記低屈折率膜であり、前記第
1又は第2の基体側から数えて第1層及び第17層の光
学的膜厚が設計基準波長の1/16、第2層乃至第16
層及び第18層の光学的膜厚が前記設計基準波長の1/
8、第19層乃至第36層の光学的膜厚が前記設計基準
波長の1/4、第37層の光学的膜厚が前記設計基準波
長の3/8であるものである。
【0031】本発明の第7の態様による光学素子は、前
記第2又は前記第4の態様による光学素子において、前
記透明誘電体多層膜は、前記透明誘電体多層膜は前記高
屈折率膜と前記低屈折率膜との交互38層からなり、前
記第1又は第2の基体側から数えて奇数層は前記高屈折
率膜であるとともに偶数層は前記低屈折率膜であり、前
記第1又は第2の基体側から数えて第1層及び第19層
並びに第21層乃至第35層及び第37層の光学的膜厚
が設計基準波長の1/8、第2層乃至第18層の光学的
膜厚が前記設計基準波長の1/4、第20層及び第36
層の光学的膜厚が前記設計基準波長の1/16、第38
層の光学的膜厚が前記設計基準波長の3/8であるもの
である。
【0032】本発明の第8の態様による光学素子は、前
記第2乃至第7の態様による光学素子において、前記第
1及び第2の基体が、当該光学素子に入射する入射光の
波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm
2/N以下の透光性材料からなるものである。
【0033】本発明の第9の態様による光学素子は、互
いに直交する第1及び第2の平面を有する透明材料から
なる第1の基体と、互いに直交する第3及び第4の平面
を有する透明材料からなる第2の基体と、互いに直交す
る第5及び第6の平面を有する透明材料からなる第3の
基体と、互いに直交する第7及び第8の平面を有する透
明材料からなる第4の基体と、前記第2の平面と前記第
3の平面との間に挟持された第1の透明誘電体多層膜
と、前記第4の平面と前記第5の平面との間に挟持され
た第2の透明誘電体多層膜と、前記第6の平面と前記第
7の平面との間に挟持された第3の透明誘電体多層膜
と、前記第8の平面と前記第1の平面との間に挟持され
た第4の透明誘電体多層膜と、を備えたものである。そ
して、前記第1乃至第4の透明誘電体多層膜の各々は高
屈折率膜と低屈折率膜との交互層からなり、前記第1乃
至第4の透明誘電体多層膜の各々に関して、前記第1乃
至第4の基体のうちの当該透明誘電体多層膜の一方の側
の基体又は他方の側の基体を介して当該透明誘電体多層
膜に入射する光の所望の入射角θ0に対して、当該透明
誘電体多層膜の前記高屈折率膜の屈折率をnH、当該透
明誘電体多層膜の前記低屈折率膜の屈折率をnL、前記
両側の基体の屈折率をn0として、以下の2つの条件式
(数7及び数8)を満たす。また、前記第1及び第3の
透明誘電体多層膜は、入射光の赤色、緑色及び青色の波
長領域に渡るS偏光成分を実質的に反射させ、入射光の
青色の波長領域のP偏光成分を実質的に反射させ、入射
光の赤色及び緑色の波長領域に渡るP偏光成分を実質的
に透過させる特性を有する。さらに、前記第2及び第4
の透明誘電体多層膜は、入射光の赤色、緑色及び青色の
波長領域に渡るS偏光成分を実質的に反射させ、入射光
の赤色の波長領域のP偏光成分を実質的に反射させ、入
射光の緑色及び青色の波長領域に渡るP偏光成分を実質
的に透過させる特性を有する。
【0034】
【数7】{nL 4(nH 2−n0 2・sin2θ0)}/{n
H 4(nL 2−n0 2・sin2θ0)}>1.44
【0035】
【数8】(nH 2−n0 2・sin2θ0)/(nL 2−n0 2・sin
2θ0)>4.0
【0036】本発明の第10の態様による光学素子は、
前記第9の態様による光学素子において、前記第1及び
第3の透明誘電体多層膜の各々は、前記高屈折率膜と前
記低屈折率膜との交互21層からなり、前記第1乃至第
4の基体のうちの当該透明誘電体多層膜の一方の側の基
体側から数えて偶数層は前記高屈折率膜であるとともに
奇数層は前記低屈折率膜であり、前記第1乃至第4の基
体のうちの当該透明誘電体多層膜の一方の側の基体側か
ら数えて第1層及び第21層の光学的膜厚が設計基準波
長の1/8であり、他の層の光学的膜厚が前記設計基準
波長の1/4であるものである。
【0037】本発明の第11の態様による光学素子は、
前記第9又は第10の態様による光学素子において、前
記第2及び第4の透明誘電体多層膜の各々は、前記高屈
折率膜と前記低屈折率膜との交互37層からなり、前記
第1乃至第4の基体のうちの当該誘電体多層膜の一方の
側の基体側から数えて偶数層は前記高屈折率膜であると
ともに奇数層は前記低屈折率膜であり、前記第1乃至第
4の基体のうちの当該透明誘電体多層膜の一方の側の基
体側から数えて第1層及び第17層の光学的膜厚が設計
基準波長の1/16、第2層乃至第16層及び第18層
の光学的膜厚が前記設計基準波長の1/8、第19層乃
至第36層の光学的膜厚が前記設計基準波長の1/4、
第37層の光学的膜厚が前記設計基準波長の3/8であ
るものである。
【0038】本発明の第12の態様による光学素子は、
前記第9又は第10の態様による光学素子において、前
記第2及び第4の透明誘電体多層膜の各々は、前記高屈
折率膜と前記低屈折率膜との交互38層からなり、前記
第1乃至第4の基体のうちの当該誘電体多層膜の一方の
側の基体側から数えて奇数層は前記高屈折率膜であると
ともに偶数層は前記低屈折率膜であり、前記第1乃至第
4の基体のうちの当該透明誘電体多層膜の一方の側の基
体側から数えて第1層及び第19層並びに第21層乃至
第35層及び第37層の光学的膜厚が設計基準波長の1
/8、第2層乃至第18層の光学的膜厚が前記設計基準
波長の1/4、第20層及び第36層の光学的膜厚が前
記設計基準波長の1/16、第38層の光学的膜厚が前
記設計基準波長の3/8であるものである。
【0039】本発明の第13の態様による光学素子は、
前記第9乃至第12のいずれかの態様による光学素子に
おいて、前記第1乃至第4の基体が、当該光学素子に入
射する入射光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.
5×10-8cm2/N以下の透光性材料からなるもので
ある。
【0040】本発明の第14の態様による投射型表示装
置は、前記第1の態様による投射型表示装置において、
ダイクロイック特性及び偏光分離特性を兼ね備えた前記
光学素子は、ダイクロイック特性を有する偏光ビームス
プリッターであるものである。
【0041】本発明の第15の態様による投射型表示装
置は、前記第14の態様による投射型表示装置におい
て、ダイクロイック特性を有する前記偏光ビームスプリ
ッターは、請求項2乃至8のいずれかに記載の光学素子
であるものである。
【0042】本発明の第16の態様による投射型表示装
置は、前記第1の態様による投射型表示装置において、
ダイクロイック特性及び偏光分離特性を兼ね備えた前記
光学素子は、偏光分離特性を有するクロスダイクロイッ
クプリズムであるものである。
【0043】本発明の第17の態様による投射型表示装
置は、前記第16の態様による投射型表示装置におい
て、偏光分離特性を有する前記クロスダイクロイックプ
リズムは、請求項9乃至13のいずれかに記載の光学素
子であるものである。
【0044】ところで、本発明者らは、液体浸漬型の偏
光ビームスプリッター及び従来考案された透光性材料ブ
ロックによる前記偏光ビームスプリッターに関連する前
記課題を解決するための方法に関して鋭意検討した結
果、偏光ビームスプリッターあるいは偏光特性を高精度
に保存するべき材料に用いる透光性材料に光弾性定数が
小さな透光性材料を用いることが最も有効であることを
見出した。
【0045】すなわち、本発明の第18の態様による投
射型表示装置は、前記第1及び第14乃至第17のいず
れかの態様による投射型表示装置において、前記3つの
主偏光ビームスプリッターの各々は、当該主偏光ビーム
スプリッターに入射する入射光の波長に関する光弾性定
数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材
料からなる基体を用いて構成されたものである。
【0046】本発明の第19の態様による投射型表示装
置は、前記第1及び第14乃至第18のいずれかの態様
による投射型表示装置において、ダイクロイック特性及
び偏光分離特性を兼ね備えた前記光学素子は、当該光学
素子から出射して対応する前記主偏光ビームスプリッタ
ーへ入射する入射光の波長に関する光弾性定数の絶対値
が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料からなる
基体を用いて構成されたものである。
【0047】本発明の第20の態様による投射型表示装
置は、前記第1及び第14乃至第19のいずれかの態様
による投射型表示装置において、前記3つの主偏光ビー
ムスプリッターに対して前記投射光学系の側にそれぞれ
配置された3つの補助偏光ビームスプリッターであっ
て、各々が、対応する前記主偏光ビームスプリッターに
より検光された後に前記投射光学系により投射される光
の偏光の純度を上げる3つの補助偏光ビームスプリッタ
ー(ポスト偏光ビームスプリッター)を更に備えたもの
である。
【0048】本発明の第21の態様による投射型表示装
置は、前記第20の態様による投射型表示装置におい
て、前記3つの補助偏光ビームスプリッターは、当該補
助偏光ビームスプリッターに入射する入射光の波長に関
する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以
下の透光性材料からなる基体を用いて構成されたもので
ある。
【0049】なお、前記主偏光ビームスプリッター、前
記光学素子及び前記補助偏光ビームスプリッターは、当
該ビームスプリッター等に入射する入射光の波長に関す
る光弾性定数の絶対値が0.5×10-8cm2/N以下
の透光性材料からなる基体を用いて構成されることが一
層好ましく、当該ビームスプリッター等に入射する入射
光の波長に関する光弾性定数の絶対値が実質的に零の範
囲(例えば、0.1×10-8cm2/N以下)の透光性
材料からなる基体を用いて構成されることが更に一層好
ましい。
【0050】前記第1及び第14乃至第21の態様によ
る投射型表示装置によれば、各主偏光ビームスプリッタ
ーの前記色光の入射側に配置され各空間光変調素子に照
射される色光の偏光の純度を上げる補助偏光分離手段が
採用されているので、空間光変調素子に照射される色光
の偏光の純度が上がり、したがって、得られる画像のコ
ントラストが向上する。そして、前記第1及び第14乃
至第21の態様による投射型表示装置によれば、色分解
手段の少なくとも一部及び前記補助偏光分離手段の少な
くとも一部が、ダイクロイック特性及び偏光分離特性を
兼ね備えた光学素子で兼用されているので、両者の少な
くとも一部が一体化されることとなり、プリ偏光ビーム
スプリッターとして色分離手段と完全に別個の光学部品
である偏光ビームスプリッターを用いていた前述した従
来の投射型表示装置に比べて、装置の構成の簡素化及び
小型化を図ることができる。
【0051】ダイクロイック特性及び偏光分離特性を兼
ね備えた前記光学素子としては、例えば、前記第14又
は第16の態様のように、ダイクロイック特性を有する
偏光ビームスプリッターや、偏光分離特性を有するクロ
スダイクロイックプリズムなどを用いることができる。
このダイクロイック特性を有する偏光ビームスプリッタ
ーの例として、前記第15の態様のように、前記第2乃
至第8の態様による光学素子を挙げることができる。ま
た、偏光分離特性を有するクロスダイクロイックプリズ
ムとして、前記第17の態様のように、前記第9乃至第
13の態様による光学素子を挙げることができる。な
お、前記第2乃至第13の態様による光学素子の用途
は、投射型表示装置に限定されるものではなく、他の種
々の用途に用いることができる。
【0052】ここで、前記第2乃至第13の態様による
光学素子における2つの条件式の根拠について、説明す
る。
【0053】一般に、高屈折率膜と低屈折率膜との交互
層からなる透明誘電体多層膜に斜めに光が入射した場
合、その偏光方向により見かけ上の屈折率が異なる。低
屈折率膜及び高屈折率膜のS偏光及びP偏光に対する見
かけ上の屈折率は、以下のようになる。
【0054】
【数9】nLS=nL・cosθL
【0055】
【数10】nLP=nL/cosθL
【0056】
【数11】nHS=nH・cosθH
【0057】
【数12】nHP=nH/cosθH
【0058】ただし、これらの式において、nLSはS偏
光に対する低屈折率膜の見かけ上の屈折率、nLPはP偏
光に対する低屈折率膜の見かけ上の屈折率、nHSはS偏
光に対する高屈折率膜の見かけ上の屈折率、nHPはP偏
光に対する高屈折率膜の見かけ上の屈折率、nLは低屈
折率膜の実際の屈折率、nHは高屈折率膜の実際の屈折
率、θLは低屈折率膜の膜中の光の進行方向、θHは高屈
折率膜の膜中の光の進行方向を示す。
【0059】また、光の入射に対する透明体の屈折率及
び入射角とこれらの関係は、スネルの法則により以下の
ようになる。
【0060】
【数13】n0・sinθ0=nL・sinθL=nH・sinθH
【0061】ただし、この式において、n0は入射透明
体の実際の屈折率、θ0は入射透明体からの透明誘電体
多層膜への入射角を示す。
【0062】さらに、透明誘電体多層膜において低屈折
率膜及び高屈折率膜の交互層では、その見かけ上の屈折
率の比が大きいほど広い波長帯域において高反射率特性
を得ることができることは、よく知られている。このこ
とから、本件発明者の研究により、P偏光に対するダイ
クロイック特性とS偏光に対する広い波長帯域での高反
射率特性を同時に得て、ダイクロイック特性及び偏光分
離特性を兼ね備えるためには、以下のような条件が必要
になることが判明した。
【0063】
【数14】(nLP/nHP)>1.2
【0064】
【数15】(nLS/nHS)>2.0
【0065】数14に数10、数12及び数13を代入
することにより下記の数16が得られ、数15に数9、
数11及び数13を代入することにより下記の数17が
得られる。
【0066】
【数16】{nL 4(nH 2−n0 2・sin2θ0)}/{nH 4
(nL 2−n0 2・sin2θ0)}>1.44
【0067】
【数17】(nH 2−n0 2・sin2θ0)/(nL 2−n0 2・s
in2θ0)>4.0
【0068】したがって、前記透明誘電体多層膜に入射
する光の所望の入射角θ0に対して、前記高屈折率膜の
屈折率nH、前記低屈折率膜の屈折率nL、前記第1及び
第2の基体の屈折率n0が、数16及び数17の2つの
条件式を満たした場合に、ダイクロイック特性及び偏光
分離特性を兼ね備えた光学素子の実現可能となるのであ
る。
【0069】なお、より理想的には、下記の2つの条件
式を満たすことが好ましい。
【0070】
【数18】{nL 4(nH 2−n0 2・sin2θ0)}/{nH 4
(nL 2−n0 2・sin2θ0)}>1.6
【0071】
【数19】(nH 2−n0 2・sin2θ0)/(nL 2−n0 2・s
in2θ0)>10.0
【0072】ところで、前記第18乃至第21の態様に
よる投射型表示装置によれば、主偏光ビームスプリッタ
ーとして、当該偏光ビームスプリッターに入射する入射
光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8
cm2/N以下の透光性材料からなる基体を用いて構成
された偏光ビームスプリッターが用いられており、前記
従来の液体浸漬型の偏光ビームスプリッターを用いてい
ない。したがって、前記第18乃至第21の態様によれ
ば、先に述べたような対流やゴミや気泡などの、前記従
来の液体浸漬型の偏光ビームスプリッターを採用するこ
とに伴う種々の問題点を除去することができ、製造が容
易になる等の利点が得られる。
【0073】ところで、一般に、等方等質な透光性材料
に力を加えて応力を生じさせると、この透光性材料に光
学的な異方性が生じ、複屈折性を持つようになる。これ
は、光弾性効果と呼ばれている。応力が生じたときの透
光性材料の屈折率はいわゆる屈折率楕円体で表すことが
でき、このとき、屈折率楕円体の主屈折率軸は主応力に
一致する。一般に、主屈折率をn1,n2,n3、主応力
をσ1,σ2,σ3(それぞれ添字が共通なものは同一方
向にある)とすると、これらの間には次式のような関係
が成立する。
【0074】
【数20】n1=n0+C1σ1+C2(σ2+σ3
【0075】
【数21】n2=n0+C1σ2+C2(σ3+σ1
【0076】
【数22】n3=n0+C1σ3+C2(σ1+σ2) ここに、C1及びC2は光の波長および透光性材料の物質
に固有の定数である。
【0077】このような透光性材料に光を入射すると、
その方向がσ3と同一方向になるように座標をとれば、
入射光はそれぞれσ1,σ3方向の、すなわち互いに振動
面が直交する2つの直線偏光に分かれる。透光性材料か
ら出射するときには、各主応力方向の屈折率(n1
2)が異なるため、これら2つの直線偏光間には次式
で表されるような光路差(位相差)ΔRが生じる。
【0078】
【数23】 ΔR=(2π/λ)(n2−n1)・l =(2π/λ)(C1−C2)(σ2−σ1)・l =(2π/λ)・C・(σ2−σ1)・l ここに、λは光の波長、lは透光性材料の光透過厚であ
る。C=(C1−C2)は光弾性定数と呼ばれ、応力によ
って生じる複屈折の大きさを示す係数である。
【0079】従来考案された透光性材料ブロックによる
前記偏光ビームスプリッターでは、例えばBK7(ドイ
ツ ショット社の記号)のように、耐久性に富み、安価
なガラスが用いられていた。しかし、これらのガラス選
定に当たって、光弾性定数は全く配慮されておらず、そ
の値は比較的大きなもの(BK7の光弾性定数は波長λ
=633nmにおいて2.78×10-8cm2/N)で
あり、熱応力や力学的外部応力により誘起される光学的
異方性、およびこれに基づく光路差ΔRが無視できない
値になっている。すなわち、これらのガラスを用いた偏
光ビームスプリッターを投射型表示装置に採用すると、
投射画面の劣化は著しいものとなる。
【0080】これに対し、前記第18乃至第21の態様
によれば、主偏光ビームスプリッターとして、当該偏光
ビームスプリッターに入射する入射光の波長に関する光
弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透
光性材料からなる基体を用いて構成された偏光ビームス
プリッターが採用されているので、種々の熱応力、外部
応力の影響に対して光学的に安定な性能を確保でき画質
の劣化が十分に少なくなる。
【0081】また、前記第19の態様のように、ダイク
ロイック特性及び偏光分離特性を兼ね備えた前記光学素
子として、当該光学素子から出射して対応する主偏光ビ
ームスプリッターへ入射する入射光の波長に関する光弾
性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透光
性材料からなる基体を用いて構成されたものを用いる
と、プリ偏光ビームスプリッターとして機能する当該光
学素子に関しても、種々の熱応力、外部応力の影響に対
して従来に比べて十分に光学的に安定な性能を確保で
き、画質の劣化が一層少なくなるので、好ましい。もっ
とも、当該光学素子のプリ偏光ビームスプリッターとし
ての機能は、主偏光ビームスプリッターの偏光子として
の機能を補助するのみであるので、前記光学素子とし
て、偏光子及び検光子の両方として使用される主偏光ビ
ームスプリッターに比べて画像に対する影響が小さいこ
とから、BK7等を基体の材料として用いて構成された
ものを採用してもよい。
【0082】また、前記第20の態様のように、ポスト
偏光ビームスプリッターを採用すると、消光比が一層向
上するので、得られる画像のコントラストが一層向上す
るので、好ましい。
【0083】この場合、前記第21の態様のように、ポ
スト偏光ビームスプリッターとして、当該ビームスプリ
ッターに入射する入射光の波長に関する光弾性定数の絶
対値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料から
なる基体を用いて構成された偏光ビームスプリッターを
用いると、ポスト偏光ビームスプリッターに関しても、
種々の熱応力、外部応力の影響に対して従来に比べて十
分に光学的に安定な性能を確保でき、画質の劣化が一層
少なくなるので、好ましい。もっとも、ポスト偏光ビー
ムスプリッターは、主偏光ビームスプリッターの検光子
としての機能を補助するのみであるので、偏光子及び検
光子の両方として使用される主偏光ビームスプリッター
に比べて画像に対する影響が小さいことから、BK7等
を基体の材料として用いて構成された偏光ビームスプリ
ッターをプリ偏光ビームスプリッターやポスト偏光ビー
ムスプリッターとして採用してもよい。
【0084】
【発明の実施の形態】以下、本発明の種々の実施の形態
による投射型表示装置について、図面を参照して説明す
る。
【0085】(実施の形態1)まず、本発明の第1の実
施の形態による投射型表示装置について、図1を参照し
て説明する。
【0086】図1は本発明の第1の実施の形態による投
射型表示装置の概略構成を示す図であり、図1(a)は
該投射型表示装置を示す正面図、図1(b)は図1
(a)中のI−I矢視図である。
【0087】第1の実施の形態による投射型表示装置
は、光源(図示せず)と、該光源からの光を赤(R)、
緑(G)及び青(B)の3原色の色光に分解する色分解
手段として機能すると同時に、各主偏光ビームスプリッ
ター11R,11G,11Bの各色光R,G,Bの入射
側に配置され各空間光変調素子12R,12G,12B
に照射される色光の偏光の純度を上げる補助偏光分離手
段として機能する、ダイクロイック特性を有しない通常
の偏光ビームスプリッター13R及びダイクロイック特
性を有する偏光ビームスプリッター13G,13Bと、
色光R,G,Bにそれぞれ対応する位相差変調型液晶ラ
イトバルブ等の3つの空間光変調素子12R,12G,
12B(空間光変調素子12R,12Gは図中には表れ
ていないが、空間光変調素子12Bと同様に、図1
(a)において主偏光ビームスプリッター11R,11
Gに対する図1(a)の紙面の奥側にある。)と、色光
R,G,Bによる入射光をそれぞれ偏光して空間光変調
素子12R,12G,12Bにそれぞれ照射させるとと
もに、空間光変調素子12R,12G,12Bからの反
射光をそれぞれ検光する主偏光ビームスプリッター11
R,11G,11Bと、偏光ビームスプリッター13
R,13G,13Bと主偏光ビームスプリッター11
R,11G,11Bとの間にそれぞれ設けられ入射光の
偏光方向を90゜回転させる1/2波長板14R,14
G,14Bと、各色光R,G,Bに関する光学距離を一
致させるために偏光ビームスプリッター13Gと主偏光
ビームスプリッター11Gとの間及び偏光ビームスプリ
ッター13Gと主偏光ビームスプリッター11Bとの間
に配置されたガラスブロック15,16,17と、主偏
光ビームスプリッター11R,11G,11Bによりそ
れぞれ検光された光をそれぞれスクリーン(図示せず)
等に投射する3本の投射レンズ18R,18G,18B
と、を備えている。
【0088】前記空間光変調素子12R,12G,12
Bは、いわゆる電気書き込み型の空間光変調素子でもよ
いし、光書き込み型の空間光変調素子等でもよい。空間
光変調素子12R,12G,12Bが光書き込み型の場
合には、書き込み光源となるCRT等が用いられる。
【0089】本実施の形態では、各偏光ビームスプリッ
ター11R,11G,11B,13Rは、ダイクロイッ
ク特性を有しない通常の偏光ビームスプリッターであ
り、S偏光成分を反射させるとともにP偏光成分を透過
させる特性を有する。
【0090】また、ダイクロイック特性を有する偏光ビ
ームスプリッター13Bは、青色の色光BのS偏光成分
を反射し、色光R,GのS偏光成分及び色光R,G,B
のP偏光成分を透過させる特性を有する。ダイクロイッ
ク特性を有する偏光ビームスプリッター13Gは、色光
G,BのS偏光成分を反射し(偏光ビームスプリッター
13Gには偏光ビームスプリッター13Bを透過した光
が入射するので、結局、緑色の色光GのS偏光成分のみ
を反射する)、色光RのS偏光成分及び色光R,G,B
のP偏光成分を透過させる特性を有する。なお、前記偏
光ビームスプリッター13Rは、前述したように、ダイ
クロイック特性を有していないが、S偏光成分を反射さ
せるとともにP偏光成分を透過させる特性を有し、偏光
ビームスプリッター13Rには偏光ビームスプリッター
13Gを透過した光が入射するので、結局、偏光ビーム
スプリッター13Rは、色光RのS偏光成分のみを反射
させることになる。なお、偏光ビームスプリッター13
Rとして、ダイクロイック特性を有する偏光ビームスプ
リッターを用いてもよい。また、偏光ビームスプリッタ
ー13B,13Gの特性は前述したような特性に限定さ
れず、例えば、偏光ビームスプリッター13Gは、色光
GのS偏光成分を反射し、色光R,BのS偏光成分及び
色光R,G,BのP偏光を透過させる特性を有していて
もよい。
【0091】なお、本実施の形態では、偏光ビームスプ
リッター13B,13Gがそれぞれダイクロイック特性
及び偏光分離特性を兼ね備えた光学素子となっている。
【0092】前述したような特性を有する偏光ビームス
プリッター13B,13Gは、例えば、透光性材料から
なる基体としての2つのプリズムと、その間に形成した
光学薄膜が複数積層された光学薄膜層(透明誘電体多層
膜)とから構成することができ、該光学薄膜層を適宜設
計することにより前述したような特性を得ることができ
る。例えば、前記偏光ビームスプリッター13B,13
Gとして、特開昭63−116105号公報に開示され
たような「偏光ビームスプリッター兼2波長分離フィル
ター」を採用することができる。すなわち、前記偏光ビ
ームスプリッター13B,13Gとして、透光性材料か
らなる基体としての2つのプリズムと、高屈折率の誘電
体物質層と低屈折率の誘電体物質層の交互35層膜より
成り、プリズムから数えて奇数層は高屈折率の誘電体物
質層で、偶数層は低屈折率の誘電体物質層であり、高屈
折率の誘電体物質層である第1層、第3層、第5層、第
7層、第29層、第31層、第33層、第35層の光学
的膜厚が設計基準波長λ0の1/4からずらしてあり、
前記以外の各層の光学的膜厚をλ0/4とし、第1層と
第35層の光学的膜厚を約0.58λ0/4、第3層と
第33層の光学的膜厚を約0.79λ0/4、第5層と
第31層の光学的膜厚を約1.10λ0/4、第7層と
第29層の光学的膜厚を約0.90λ0/4とした「偏
光ビームスプリッター兼2波長分離フィルター」を採用
することができる。なお、特開昭63−116105号
公報は、前記「偏光ビームスプリッター兼2波長分離フ
ィルター」を光ディスク装置において用いることを開示
するにすぎず、投射型表示装置において用いることは何
ら開示も示唆もしていない。
【0093】本実施の形態では、図示しない光源からの
光が、偏光ビームスプリッター13Bに入射する。この
入射光のうちの青色の色光BのS偏光成分のみが偏光ビ
ームスプリッター13Bで反射されて主偏光ビームスプ
リッター11Bへ向かい、前記入射光の色光R,GのS
偏光成分及び色光R,G,BのP偏光成分が偏光ビーム
スプリッター13Bを透過して偏光ビームスプリッター
13Gに入射する。偏光ビームスプリッター13Gに入
射した偏光ビームスプリッター13Bの透過光のうちの
緑色の色光GのS偏光成分のみが偏光ビームスプリッタ
ー13Gで反射されて主偏光ビームスプリッター11G
へ向かい、偏光ビームスプリッター13Bの透過光のう
ちの色光RのS偏光成分及び色光R,G,BのP偏光成
分が偏光ビームスプリッター13Gを透過して偏光ビー
ムスプリッター13Rに入射する。偏光ビームスプリッ
ター13Rに入射した偏光ビームスプリッター13Gの
透過光のうちの赤色の色光RのS偏光成分のみが偏光ビ
ームスプリッター13Rで反射されて主偏光ビームスプ
リッター11Rへ向かい、偏光ビームスプリッター13
Gの透過光のうちの色光R,G,BのP偏光成分は偏光
ビームスプリッター13Rを透過する。
【0094】このようにして、偏光ビームスプリッター
13R,13G,13Bにより、光源からの光が各色光
R,G,Bに分解されると同時に各色光R,G,BのS
偏光成分のみが偏光分離されてそれぞれ主偏光ビームス
プリッター11R,11G,11Bへ向かう。すなわ
ち、偏光ビームスプリッター13R,13G,13B
は、色分解手段としての機能及びプリ偏光ビームスプリ
ッターとしての機能を同時に行う。
【0095】偏光ビームスプリッター13Bから主偏光
ビームスプリッター11Bへ向かう色光BのS偏光は、
主偏光ビームスプリッター11Bが偏光ビームスプリッ
ター13Bに対して90゜の角度で配置されているの
で、主偏光ビームスプリッター11Bに対しては色光B
のP偏光であるが、1/2波長板14Bを通過して主偏
光ビームスプリッター11Bに対して色光BのS偏光と
なり、これが更にガラスブロック16,17を介して主
偏光ビームスプリッター11Bに入射する。そして、主
偏光ビームスプリッター11Bは、色光BのS偏光の光
を反射して空間光変調素子12Bを照射する。空間光変
調素子12Bで変調された反射光は、主偏光ビームスプ
リッター11Bにより検光され、前記反射光のうちP偏
光の光が主偏光ビームスプリッター13Bを透過して投
射レンズ18Bによりスクリーン(図示せず)上に投射
される。
【0096】以上、偏光ビームスプリッター13Bから
主偏光ビームスプリッター11Bへ向かう色光BのS偏
光について説明したが、偏光ビームスプリッター13
R,13Gから主偏光ビームスプリッター11R,11
Gへ向かう色光R,GのS偏光についても同様である。
ただし、偏光ビームスプリッター13Bから主偏光ビー
ムスプリッター11Bへ向かう色光BのS偏光がガラス
ブロック16,17を通過するのに対し、偏光ビームス
プリッター13Gから主偏光ビームスプリッター11G
へ向かう色光GのS偏光はガラスブロック15を通過
し、偏光ビームスプリッター13Rから主偏光ビームス
プリッター11Rへ向かう色光RのS偏光はガラスブロ
ックを通過しない。これにより、各色光の光路長が等し
くなる。
【0097】投射レンズ18R,18G,18Bにより
投射された各色光R,G,Bはスクリーン上で色合成さ
れる。
【0098】そして、本実施の形態では、主偏光ビーム
スプリッター11R,11G,11B及び色分解兼プリ
偏光分離の偏光ビームスプリッター13R,13G,1
3Bは、当該偏光ビームスプリッターに入射する入射光
の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8
2/N以下の透光性材料からなる基体を用いて構成さ
れている。
【0099】例えば、主偏光ビームスプリッター11
R,11G,11B及び偏光ビームスプリッター13R
は、このような透光性材料からなるプリズムや板を基体
として用い、これに所要のコーティング(誘電体層、す
なわち、光学薄膜)を施すなどの通常の偏光ビームスプ
リッターの設計・製造手法に従って製造することができ
る。また、偏光ビームスプリッター13G,13Bは、
例えば、プリズムとして前述したような透光性材料を用
い、前述した「偏光ビームスプリッター兼2波長分離フ
ィルター」の設計・製造方法に従って製造することがで
きる。
【0100】前述したような透光性材料の一例として、
光弾性定数の絶対値が非常に小さい値を示す光学ガラス
を、酸化物換算の重量%で下記の組成のごとく挙げるこ
とができる。
【0101】記 SiO2 17.0〜27.0% Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0% PbO 73.0〜75.0% As23+Sb23 0 〜 3.0% この例において各成分の組成範囲をこのように定めた理
由は、次の通りである。
【0102】PbO(酸化鉛)は、PbOを含有する組
成系のガラスにおいては、光弾性定数Cの値がPbOの
含有量に大きく依存し、具体的には、PbOの含有量が
増加するに従って光弾性定数Cの値が減少し、ある一定
量において零になって以降は負の値をとることを利用
し、光弾性定数Cの値を零付近に制御するために用いら
れたものである。PbOの含有量により光弾性定数Cの
値が変化するのは、鉛イオンの配位状態がその含有量の
増加とともに変化するためと考えられる。PbOの含有
量を例えば73〜75重量%の範囲内にすることによ
り、波長500〜650nmの光に対する光弾性定数C
の値を零付近にすることができる。
【0103】SiO2は、本例の光学ガラスにおけるガ
ラス組成物であり17重量%以上含有することが好まし
いが、PbOの含有量を73〜75重量%としたことに
伴って27重量%に制限される。
【0104】Li2O+Na2O+K2Oといったアルカ
リ金属成分は、ガラスの熔解温度及びガラス転移温度を
下げ、ガラスの失透に対する安定性を高める効果がある
ため、0.5重量%以上含有することが好ましいが、5
重量%を越えると化学的耐久性がかなり損なわれるので
好ましくない。
【0105】As23+Sb23は、必要に応じて添加
することができるが、3重量%を越えるとガラスの耐失
透性、分光透過性等が損なわれるので、好ましくない。
【0106】このような光学ガラスは、各成分の原料と
してそれぞれの元素に対応する酸化物、炭酸塩、硝酸塩
などを使用し、それらを所望の割合に秤量し混合して調
合原料として、これを1,000〜1,300゜Cに加
熱して熔解し、清澄、攪拌を行って均質化した後、予め
予熱された金型に鋳込み徐冷することにより容易に製造
することができる。
【0107】ここで、前述した光学ガラスの具体例及び
その測定結果について、表1及び表2並びに図14を参
照して、説明する。
【0108】各成分の原料としてそれぞれの元素に対応
する酸化物、炭酸塩、硝酸塩などを用意し、これらを高
度に精製した後、表1及び表2に記載の割合となるよう
に秤量し、混合して調合原料とし、これを1,000〜
1,300゜Cに加熱して熔解し、清澄、攪拌を行って
均質化した後、予め予熱された金型に鋳込み徐冷するこ
とにより光学ガラスを製造した。
【0109】表1及び表2中の数値は、酸化物換算の重
量%による成分割合を示し、合計で100%になる。
【0110】このようにして得られたガラスについて、
波長λ=633nmの光に対する光弾性定数及び線膨張
係数を測定した。光弾性定数Cは、既知の波長λの光、
既知のサイズの試料を用い、上述の式においてσ1=σ3
=0となる既知の一軸性応力σ2を試料に加えた状態で
光路差ΔRを測定することにより算出した。測定結果を
表1及び表2に示す。また、酸化鉛(PbO)の含有量
を横軸に、光弾性定数を縦軸にとったグラフを図14に
示す。酸化鉛の含有量が増加するにつれて光弾性定数は
ほぼ直線的に減少し、ある点で零の値をとり、以降は負
の値をとることが理解できる。
【0111】なお、比較例として、従来多用されていた
前記BK7について、その成分割合、波長λ=633n
mの光に対する光弾性定数及び線膨張係数の測定結果を
表2に示す。番号1〜7の光学ガラスの光弾性定数がB
K7のそれに比較してはるかに小さく、特に、番号4〜
6の光学ガラスについては光弾性定数が実質的に零であ
るとみなせる範囲の値であることが理解できる。また、
番号1〜7の光学ガラスの線膨張係数はBK7のそれと
ほぼ同レベルであることから、BK7の代わりに番号1
〜7の光学ガラスを用いた場合でも、治具や他の光学部
品に熱膨張率の差に基づく影響を及ぼすことはない。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】前述した光学ガラスは、光弾性定数が零付
近となるので、主偏光ビームスプリッター11R,11
G,11B及び偏光ビームスプリッター13R,13
G,13Bの材料として理想的なものであるが、BK7
の光弾性定数2.78×10-8cm2/Nに比べて十分
に小さい、絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透
光性材料を用いれば、従来に比べて十分に光学的に安定
な性能を確保でき投射画像の画質の劣化が十分に少なく
なる。例えば、前述したような光学ガラスの組成におい
て、酸化鉛の含有量の範囲が64〜81重量%程度であ
れば、光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N
以下となり、主偏光ビームスプリッター11R,11
G,11B及び偏光ビームスプリッター13R,13
G,13Bの材料として用いることができる。もっと
も、光弾性定数の絶対値が0.5×10-8cm2/N以
下の透光性材料を用いることが好ましく、特に、光弾性
定数の絶対値が0.1×10-8cm2/N以下の透光性
材料を用いることが一層好ましい。
【0115】なお、光弾性定数は光の波長に依存するの
で、入射光の波長、すなわち、本実施の形態では対応す
るR,G,Bのいずれかの波長に従って、必要に応じて
前記透光性材料の組成等が変更され、当該偏光ビームス
プリッターの入射光の波長に対する光弾性定数の絶対値
が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料が用いら
れる。
【0116】なお、BK7の屈折率が1.5前後である
のに対し、前述したような組成の光学ガラスの屈折率は
1.8以上となるので、前述したような光学ガラスを用
いれば光軸に対して45゜の角度で設置することができ
る偏光ビームスプリッターを構成することができ、この
ような偏光ビームスプリッターを主偏光ビームスプリッ
ター11R,11G,11B及び偏光ビームスプリッタ
ー13R,13G,13Bとして採用することにより、
装置の小型化を図ることができる。なお、BK7を用い
て偏光ビームスプリッターを構成した場合には、屈折率
の関係でその偏光ビームスプリッターの設置角度を45
゜にできないため、装置として大きく重いものとなって
しまう。
【0117】以上説明した本実施の形態による投射型表
示装置によれば、偏光ビームスプリッター13R,13
G,13Bが、主偏光ビームスプリッター11R,11
G,11Bの色光R,G,Bの入射側に配置され空間光
変調素子12R,12G,12Bに照射される色光R,
G,Bの偏光の純度を上げる補助偏光分離手段として作
用するので、空間光変調素子12R,12G,12Bに
照射される色光R,G,Bの偏光の純度が上がり、した
がって、得られる画像のコントラストが向上する。そし
て、本実施の形態では、偏光ビームスプリッター13
R,13G,13Bが、色分解手段及び前記補助偏光分
離手段として兼用されているので、プリ偏光ビームスプ
リッターとして色分離手段と完全に別個の光学部品であ
る偏光ビームスプリッターを用いていた前述した従来の
投射型表示装置に比べて、装置の構成の簡素化及び小型
化を図ることができる。
【0118】また、本実施の形態による投射型表示装置
によれば、当該主偏光ビームスプリッター12R,12
G,12Bに入射する入射光の波長に関する光弾性定数
の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料
からなる基体を用いて構成された主偏光ビームスプリッ
ター12R,12G,12Bが用いられており、前述し
た従来の液体浸漬型の偏光ビームスプリッターを用いて
いない。したがって、本発明によれば、先に述べたよう
な対流やゴミや気泡などの、前記従来の液体浸漬型の偏
光ビームスプリッターを採用することに伴う種々の問題
点を除去することができ、製造が容易になる等の利点が
得られる。
【0119】そして、本実施の形態によれば、当該主偏
光ビームスプリッター11R,11G,11Bに入射す
る入射光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×
10-8cm2/N以下の透光性材料からなる基体を用い
て構成された主偏光ビームスプリッター11R,11
G,11Bが採用されているので、種々の熱応力、外部
応力の影響に対して光学的に安定な性能を確保でき画質
の劣化が十分に少なくなる。
【0120】さらに、本実施の形態では、偏光ビームス
プリッター13R,13G,13Bが、当該ビームスプ
リッターに入射する入射光の波長に関する光弾性定数の
絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料か
らなる基体を用いて構成されているので、プリ偏光ビー
ムスプリッターとして作用する偏光ビームスプリッター
13R,13G,13Bに関しても、種々の熱応力、外
部応力の影響に対して従来に比べて十分に光学的に安定
な性能を確保でき、画質の劣化が一層少なくなる。もっ
とも、偏光ビームスプリッター13R,13G,13B
のプリ偏光ビームスプリッターとしての機能は、主偏光
ビームスプリッター11R,11G,11Bの偏光子と
しての機能を補助するのみであるので、偏光子及び検光
子の両方として使用される主偏光ビームスプリッター1
1R,11G,11Bに比べて画像に対する影響が小さ
いことから、BK7等を基体の材料として用いて構成さ
れたものを偏光ビームスプリッター13R,13G,1
3Bとして採用してもよい。
【0121】なお、本実施の形態では、3投射レンズタ
イプとして構成されているので、各投射レンズ18R,
18G,18B毎の調整が必要となるが、投射レンズ1
8R,18G,18Bのバックフォーカス(レンズ後端
から像面までの距離)が短くできるため、これらの投射
レンズ18R,18G,18Bとして、設計が容易でコ
ンパクトかつ安価な投射レンズを使うことができる。従
って、本実施の形態によれば、装置全体も、各色光R,
G,Bを予め色合成手段で合成して1本の投射レンズで
画像を投射する1投射レンズタイプの投射型表示装置に
比べてコンパクトで低価格となる。もっとも、本発明
は、本実施の形態のような各色光R,G,Bを予め色合
成することなく3本の投射レンズでそれぞれスクリーン
上に投射してスクリーン上で色合成を行う3投射レンズ
タイプの投射型表示装置のみならず、各色光R,G,B
を予め色合成手段で合成して1本の投射レンズで画像を
投射する1投射レンズタイプの投射型表示装置にも適用
することができる。この場合には、投射レンズバックフ
ォーカス(レンズ後端から像面までの距離)が比較的長
くなるため、投射レンズは若干高価なものとなるが、各
色光R,G,Bの画像が予め色合成されるので、使い勝
手が向上する。
【0122】(実施の形態2)次に、本発明の第2の実
施の形態による投射型表示装置について、図2を参照し
て説明する。
【0123】図2は本発明の第2の実施の形態による投
射型表示装置の概略構成を示す図であり、図2(a)は
該投射型表示装置を示す正面図、図2(b)は図2
(a)中のII−II矢視図である。
【0124】第2の実施の形態による投射型表示装置
は、前記第1の実施の形態による投射型表示装置と基本
的には同様に構成されている。したがって、図2におい
て、前記図1に示した構成要素と同一又は対応する構成
要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0125】第2の実施の形態が第1の実施の形態と異
なる所は、第2の実施の形態では、第1の実施の形態の
構成に対して、主偏光ビームスプリッター11R,11
G,11Bにより検光された後に投射レンズ18R,1
8G,18Bにより投射される色光R,G,Bの偏光の
純度を上げるポスト偏光ビームスプリッター19R,1
9G,19Bが追加されている点のみである。ポスト偏
光ビームスプリッター19R,19G,19Bは、主偏
光ビームスプリッター11R,11G,11Bに対して
投射レンズ18R,18G,18Bの側にそれぞれ配置
されている。
【0126】そして、本実施の形態では、ポスト偏光ビ
ームスプリッター19R,19G,19Bも、主偏光ビ
ームスプリッター11R,11G,11Bと同様に、当
該偏光ビームスプリッターに入射する入射光の波長に関
する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以
下の透光性材料からなる基体を用いて構成されている。
【0127】本実施の形態では、ポスト偏光ビームスプ
リッター19R,19G,19Bが追加されているの
で、これによって主偏光ビームスプリッター11R,1
1G,11Bから漏れてきたS偏光の光がカットされ、
主偏光ビームスプリッター11R,11G,11Bによ
り検光された後に投射レンズ18R,18G,18Bに
より投射される色光R,G,Bの偏光(P偏光)の純度
が高まり、得られる画像のコントラストが一層向上す
る。
【0128】さらに、本実施の形態では、ポスト偏光ビ
ームスプリッター19R,19G,19Bが、当該ビー
ムスプリッターに入射する入射光の波長に関する光弾性
定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性
材料からなる基体を用いて構成されているので、ポスト
偏光ビームスプリッター19R,19G,19Bに関し
ても、種々の熱応力、外部応力の影響に対して従来に比
べて十分に光学的に安定な性能を確保でき、画質の劣化
が一層少なくなる。もっとも、ポスト偏光ビームスプリ
ッター19R,19G,19Bは、検光子としての機能
を補助するのみであるので、偏光子及び検光子の両方と
して使用される主偏光ビームスプリッター11R,11
G,11Bに比べて画像に対する影響が小さいことか
ら、BK7等を基体の材料として用いて構成された偏光
ビームスプリッターをポスト偏光ビームスプリッター1
9R,19G,19Bとして採用してもよい。
【0129】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施の形態による投射型表示装置について、図3を参照し
て説明する。
【0130】図3は本発明の第3の実施の形態による投
射型表示装置の概略構成を示す図であり、図3(a)は
該投射型表示装置を示す正面図、図3(b)は図3
(a)中のIII−III矢視図である。
【0131】第3の実施の形態による投射型表示装置
は、光源(図示せず)と、該光源からの光を赤(R)、
緑(G)及び青(B)の3原色の色光に分解する色分解
手段として機能すると同時に、各主偏光ビームスプリッ
ター31R,31G,31Bの各色光R,G,Bの入射
側に配置され各空間光変調素子32R,32G,32B
に照射される色光の偏光の純度を上げる補助偏光分離手
段として機能する、ダイクロイック特性を有する偏光ビ
ームスプリッター33R,33Bと、色光R,G,Bに
それぞれ対応する位相差変調型液晶ライトバルブ等の3
つの空間光変調素子32R,32G,32B(空間光変
調素子32R,32Gは図中には表れていないが、空間
光変調素子32Bと同様に、図3(a)において主偏光
ビームスプリッター31R,31Gに対する図3(a)
の紙面の奥側にある。)と、色光R,G,Bによる入射
光をそれぞれ偏光して空間光変調素子32R,32G,
32Bにそれぞれ照射させるとともに、空間光変調素子
32R,32G,32Bからの反射光をそれぞれ検光す
る主偏光ビームスプリッター31R,31G,31B
と、偏光ビームスプリッター33Rを透過した光を反射
させて主偏光ビームスプリッター31Gに入射させる反
射用プリズム(このプリズムは偏光分離特性及びダイク
ロイック特性を有していない通常のプリズムである)3
3Gと、青色光B用として前記色分解手段の一部及び前
記補助偏光分離手段の一部としての機能を担うダイクロ
イック特性を有しない通常の偏光ビームスプリッター3
6であって、偏光ビームスプリッター33Bと主偏光ビ
ームスプリッター31Bとの間に配置された偏光ビーム
スプリッター36と、各色光R,G,Bに関する光学距
離を一致させるために偏光ビームスプリッター33Rと
主偏光ビームスプリッター31Rとの間及び偏光ビーム
スプリッター36と主偏光ビームスプリッター31Bと
の間にそれぞれ配置されたガラスブロック35,37
と、主偏光ビームスプリッター31R,31G,31B
によりそれぞれ検光された光をそれぞれスクリーン(図
示せず)等に投射する3本の投射レンズ18R,18
G,18Bと、を備えている。
【0132】前記空間光変調素子32R,32G,32
Bは、いわゆる電気書き込み型の空間光変調素子でもよ
いし、光書き込み型の空間光変調素子等でもよい。空間
光変調素子32R,32G,32Bが光書き込み型の場
合には、書き込み光源となるCRT等が用いられる。
【0133】本実施の形態では、各偏光ビームスプリッ
ター31R,31G,31B,36は、ダイクロイック
特性を有しない通常の偏光ビームスプリッターであり、
S偏光成分を反射させるとともにP偏光成分を透過させ
る特性を有する。
【0134】また、ダイクロイック特性を有する偏光ビ
ームスプリッター33Bは、青色の色光BのP偏光成分
及び全ての色光R,G,BのS偏光成分を反射し、色光
R,GのP偏光成分を透過させる特性を有する。ダイク
ロイック特性を有する偏光ビームスプリッター33R
は、赤色の色光RのP偏光成分及び全ての色光R,G,
BのS偏光成分を反射し(偏光ビームスプリッター33
Rには偏光ビームスプリッター33Bを透過した光が入
射するので、結局、赤色の色光RのP偏光成分のみを反
射する)、色光G,BのP偏光成分を透過させる(偏光
ビームスプリッター33Rには偏光ビームスプリッター
33Bを透過した光が入射するので、結局、緑色の色光
GのP偏光成分のみを透過させる)特性を有する。な
お、前記偏光ビームスプリッター36は、前述したよう
に、ダイクロイック特性を有していないが、S偏光成分
を反射させるとともにP偏光成分を透過させる特性を有
し、偏光ビームスプリッター36には偏光ビームスプリ
ッター33Bを透過した光が入射するので、結局、偏光
ビームスプリッター36は、色光BのP偏光成分のみを
透過させることになる。なお、偏光ビームスプリッター
33Rの代わりに、偏光分離特性を有しないダイクロイ
ックプリズムであって、色光Rを反射するとともに色光
Gを透過させるダイクロイック特性を有するダイクロイ
ックプリズムを用いてもよい。また、偏光ビームスプリ
ッター36の代わりに、ダイクロイック特性を有する偏
光ビームスプリッターであって、偏光ビームスプリッタ
ー33Rと同一の特性を有する偏光ビームスプリッター
を用いてもよい。
【0135】なお、本実施の形態では、偏光ビームスプ
リッター33B,33Gがそれぞれダイクロイック特性
及び偏光分離特性を兼ね備えた光学素子となっている。
【0136】ここで、ダイクロイック特性を有する前記
偏光ビームスプリッター33Bの一例を図4に示す。図
4は、偏光ビームスプリッター33Bを模式的に示す構
成図である。
【0137】本例では、偏光ビームスプリッター33B
は、図4に示すように、透光性材料からなる第1及び第
2の基体としての直角二等辺三角柱のプリズム41,4
2と、該プリズム41,42間に挟持された透明誘電体
多層膜43とを備えている。
【0138】本例では、前記プリズム41,42は、そ
の屈折率n0が1.83の透明材料を用いて構成されて
いる。
【0139】また、透明誘電体多層膜43は、高屈折率
膜としてのTiO2(その屈折率nHは2.35)からな
る膜(層)と低屈折率膜としてのMgF2(その屈折率
Lは1.38)からなる膜(層)との交互21層から
なる。プリズム41側から数えて奇数層はMgF2膜と
され、偶数層はTiO2膜とされている。プリズム41
側から数えて第1層及び第21層の光学的膜厚が設計基
準波長λ0(本例では430nm)の1/8であり、第
2層乃至第20層の光学的膜厚が前記設計基準波長λ0
の1/4である。
【0140】なお、前記透明誘電体多層膜43はプリズ
ム41の斜面に蒸着等により付着されており、プリズム
42の斜面が屈折率n=1.50の接着剤層44を介し
て透明誘電体多層膜43に接着されている。偏光ビーム
スプリッター33Bの光学特性は、透明誘電体多層膜4
3の各層に入射する入射光の入射角に依存して定まり、
スネルの法則からこれらの入射角は接着剤層44の有無
により全く変化しないので、接着剤層44の存在は偏光
ビームスプリッター33Bの光学特性に何ら影響を与え
るものではない。
【0141】なお、本例においては、プリズム41,4
2から透明誘電体多層膜43に入射する入射角θ0が4
5゜である場合、θ0=45゜、n0=1.83、nH
2.35、nL=1.38を前述した数16及び数17
にそれぞれ代入すると、数16の左辺の値は1.99と
なり、数17の左辺の値は16.73となり、数16の
条件及び数17の条件を満たしている。
【0142】偏光ビームスプリッター33Bが前述した
図4に示す構成を有する場合における、偏光ビームスプ
リッター33Bの分光透過率特性を図5に示す。図5の
縦軸はプリズム41,42から透明誘電体多層膜43へ
の光の入射角θ0が45゜である場合における透過率を
示し、図5の横軸は入射光の波長を示す。また、図5中
の実線はP偏光成分の透過率を示し、図5中の破線はS
偏光成分の透過率を示す。図5から、図4に示す構成を
有する偏光ビームスプリッター33Bは、P偏光成分に
対しては、青色の波長領域の光を反射するとともに赤色
及び緑色の波長領域に渡る光を透過させるダイクロイッ
ク特性を有し、S偏光成分に対しては、可視域全域にお
いて高反射特性を有していることがわかる。このよう
に、図4に示す構成を有する偏光ビームスプリッター3
3Bは、ダイクロイック特性及び偏光分離特性を兼ね備
えた光学素子となっている。
【0143】次に、ダイクロイック特性を有する前記偏
光ビームスプリッター33Rの一例を図6に示す。図6
は、偏光ビームスプリッター33Rを模式的に示す構成
図である。
【0144】本例では、偏光ビームスプリッター33R
は、図6に示すように、透光性材料からなる第1及び第
2の基体としての直角二等辺三角柱のプリズム51,5
2と、該プリズム51,52間に挟持された透明誘電体
多層膜53とを備えている。
【0145】本例では、前記プリズム51,52は、そ
の屈折率n0が1.83の透明材料を用いて構成されて
いる。
【0146】また、透明誘電体多層膜53は、高屈折率
膜としてのTiO2(その屈折率nHは2.35)からな
る膜(層)と低屈折率膜としてのMgF2(その屈折率
Lは1.38)からなる膜(層)との交互37層から
なる。プリズム51側から数えて奇数層はMgF2膜と
され、偶数層はTiO2膜とされている。プリズム51
側から数えて第1層及び第17層の光学的膜厚が設計基
準波長λ0(本例では780nm)の1/16、第2層
乃至第16層及び第18層の光学的膜厚が前記設計基準
波長λ0の1/8、第19層乃至第36層の光学的膜厚
が前記設計基準波長λ0の1/4、第37層の光学的膜
厚が前記設計基準波長λ0の3/8である。
【0147】なお、前記透明誘電体多層膜53はプリズ
ム51の斜面に蒸着等により付着されており、プリズム
52の斜面が屈折率n=1.50の接着剤層54を介し
て透明誘電体多層膜53に接着されている。偏光ビーム
スプリッター33Rの光学特性は、透明誘電体多層膜5
3の各層に入射する入射光の入射角に依存して定まり、
スネルの法則からこれらの入射角は接着剤層54の有無
により全く変化しないので、接着剤層54の存在は偏光
ビームスプリッター33Bの光学特性に何ら影響を与え
るものではない。
【0148】なお、本例においては、プリズム51,5
2から透明誘電体多層膜53に入射する入射角θ0が4
5゜である場合、θ0=45゜、n0=1.83、nH
2.35、nL=1.38を前述した数16及び数17
にそれぞれ代入すると、数16の左辺の値は1.99と
なり、数17の左辺の値は16.73となり、数16の
条件及び数17の条件を満たしている。
【0149】偏光ビームスプリッター33Rが前述した
図6に示す構成を有する場合における、偏光ビームスプ
リッター33Rの分光透過率特性を図7に示す。図7の
縦軸はプリズム51,52から透明誘電体多層膜53へ
の光の入射角θ0が45゜である場合における透過率を
示し、図7の横軸は入射光の波長を示す。また、図7中
の実線はP偏光成分の透過率を示し、図7中の破線はS
偏光成分の透過率を示す。図7から、図6に示す構成を
有する偏光ビームスプリッター33Rは、P偏光成分に
対しては、赤色の波長領域の光を反射するとともに青色
及び緑色の波長領域に渡る光を透過させるダイクロイッ
ク特性を有し、S偏光成分に対しては、可視域全域にお
いて高反射特性を有していることがわかる。このよう
に、図6に示す構成を有する偏光ビームスプリッター3
3Rは、ダイクロイック特性及び偏光分離特性を兼ね備
えた光学素子となっている。
【0150】次に、ダイクロイック特性を有する前記偏
光ビームスプリッター33Rの他の例を図8に示す。図
8は、偏光ビームスプリッター33Rを模式的に示す構
成図である。
【0151】本例では、偏光ビームスプリッター33R
は、図8に示すように、透光性材料からなる第1及び第
2の基体としての直角二等辺三角柱のプリズム51,5
2と、該プリズム61,62間に挟持された透明誘電体
多層膜63とを備えている。
【0152】本例では、前記プリズム61,62は、そ
の屈折率n0が1.83の透明材料を用いて構成されて
いる。
【0153】また、透明誘電体多層膜63は、高屈折率
膜としてのTiO2(その屈折率nHは2.35)からな
る膜(層)と低屈折率膜としてのMgF2(その屈折率
Lは1.38)からなる膜(層)との交互38層から
なる。プリズム61側から数えて奇数層はTiO2膜と
され、偶数層はMgF2膜とされている。プリズム61
側から数えて第1層及び第19層並びに第21層乃至第
35層及び第37層の光学的膜厚が設計基準波長λ
0(本例では780nm)の1/8、第2層乃至第18
層の光学的膜厚が前記設計基準波長λ0の1/4、第2
0層及び第36層の光学的膜厚が前記設計基準波長λ0
の1/16、第38層の光学的膜厚が前記設計基準波長
λ0の3/8である。
【0154】なお、前記透明誘電体多層膜63はプリズ
ム61の斜面に蒸着等により付着されており、プリズム
62の斜面が屈折率n=1.50の接着剤層64を介し
て透明誘電体多層膜63に接着されている。偏光ビーム
スプリッター33Rの光学特性は、透明誘電体多層膜6
3の各層に入射する入射光の入射角に依存して定まり、
スネルの法則からこれらの入射角は接着剤層64の有無
により全く変化しないので、接着剤層64の存在は偏光
ビームスプリッター33Bの光学特性に何ら影響を与え
るものではない。
【0155】なお、本例においては、プリズム61,6
2から透明誘電体多層膜63に入射する入射角θ0が4
5゜である場合、θ0=45゜、n0=1.83、nH
2.35、nL=1.38を前述した数16及び数17
にそれぞれ代入すると、数16の左辺の値は1.99と
なり、数17の左辺の値は16.73となり、数16の
条件及び数17の条件を満たしている。
【0156】偏光ビームスプリッター33Rが前述した
図8に示す構成を有する場合においても、前述した図6
に示す構成を有する場合に得られる分光透過率特性と同
様の分光透過率特性が得られる。このように、図8に示
す構成を有する偏光ビームスプリッター33Rは、ダイ
クロイック特性及び偏光分離特性を兼ね備えた光学素子
となっている。
【0157】再び図3を参照して、本実施の形態による
投射型表示装置の動作について説明する。
【0158】本実施の形態では、図示しない光源からの
光が、偏光ビームスプリッター33Bに入射する。この
入射光のうちの青色の色光BのP偏光成分及び全ての色
光R,G,BのS偏光成分が偏光ビームスプリッター3
3Bで反射されて偏光ビームスプリッター36に入射す
る。この入射光のうちの青色の色光BのP偏光成分のみ
が偏光ビームスプリッター36を透過してガラスブロッ
ク37を介して主偏光ビームスプリッター31Bに入射
する。一方、偏光ビームスプリッター33Bに入射した
入射光のうちの色光R,GのP偏光成分が偏光ビームス
プリッター33Bを透過して偏光ビームスプリッター3
3Rに入射する。偏光ビームスプリッター33Rに入射
した偏光ビームスプリッター33Bの透過光のうちの赤
色の色光RのP偏光成分のみが偏光ビームスプリッター
33Rで反射されてガラスブロック35を介して主偏光
ビームスプリッター31Rに入射し、偏光ビームスプリ
ッター33Bの透過光のうちの色光GのS偏光成分のみ
が偏光ビームスプリッター33Rを透過して反射用プリ
ズム33Gを介して主偏光ビームスプリッター311G
に入射する。
【0159】このようにして、偏光ビームスプリッター
33R,33G,36により、光源からの光が各色光
R,G,Bに分解されると同時に各色光R,G,BのP
偏光成分のみが偏光分離されてそれぞれ主偏光ビームス
プリッター31R,31G,31Bに入射される。すな
わち、偏光ビームスプリッター33R,33G,36
は、色分解手段としての機能及びプリ偏光ビームスプリ
ッターとしての機能を同時に行う。
【0160】主偏光ビームスプリッター31Bに入射す
る色光BのP偏光は、主偏光ビームスプリッター31B
が偏光ビームスプリッター33B,36に対して90゜
の角度で配置されているので、主偏光ビームスプリッタ
ー11Bに対しては色光BのS偏光として、主偏光ビー
ムスプリッター31Bに入射する。そして、主偏光ビー
ムスプリッター31Bは、色光BのS偏光の光を反射し
て空間光変調素子32Bを照射する。空間光変調素子3
2Bで変調された反射光は、主偏光ビームスプリッター
31Bにより検光され、前記反射光のうちP偏光の光が
主偏光ビームスプリッター33Bを透過して投射レンズ
38Bによりスクリーン(図示せず)上に投射される。
【0161】以上、偏光ビームスプリッター33Bを経
て主偏光ビームスプリッター31Bに入射する色光Bの
P偏光について説明したが、偏光ビームスプリッター3
3Rを経て主偏光ビームスプリッター32Rに入射する
色光RのP偏光及び反射用プリズム33Gを経て主偏光
ビームスプリッター32Gに入射する色光GのP偏光に
ついても同様である。
【0162】投射レンズ38R,38G,38Bにより
投射された各色光R,G,Bはスクリーン上で色合成さ
れる。
【0163】そして、本実施の形態においても、主偏光
ビームスプリッター31R,31G,31B及び色分解
兼プリ偏光分離の偏光ビームスプリッター33R,33
B,36は、当該偏光ビームスプリッターに入射する入
射光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×10
-8cm2/N以下の透光性材料からなる基体を用いて構
成されている。
【0164】例えば、主偏光ビームスプリッター11
R,11G,11B及び偏光ビームスプリッター36
は、このような透光性材料からなるプリズムや板を基体
として用い、これに所要のコーティング(誘電体層、す
なわち、光学薄膜)を施すなどの通常の偏光ビームスプ
リッターの設計・製造手法に従って製造することができ
る。また、偏光ビームスプリッター33B,33Rは、
例えば、図4、図6及び図8中のプリズム41,42,
51,52,61,62を、第1の実施の形態において
説明したような透光性材料で構成すればよい。
【0165】本実施の形態においても、前記第1の実施
の形態と同様の利点が得られることは、明らかである。
なお、偏光ビームスプリッター33R,33B.36の
プリ偏光ビームスプリッターとしての機能は、主偏光ビ
ームスプリッター31R,31G,31Bの偏光子とし
ての機能を補助するのみであるので、偏光子及び検光子
の両方として使用される主偏光ビームスプリッター31
R,31G,31Bに比べて画像に対する影響が小さい
ことから、BK7等を基体の材料として用いて構成され
たものを偏光ビームスプリッター33R,33B,36
として採用してもよい。
【0166】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施の形態による投射型表示装置について、図9を参照し
て説明する。
【0167】図9は本発明の第4の実施の形態による投
射型表示装置の概略構成を示す図であり、図9(a)は
該投射型表示装置を示す正面図、図9(b)は図9
(a)中のIX−IX矢視図である。
【0168】第4の実施の形態による投射型表示装置
は、前記第3の実施の形態による投射型表示装置と基本
的には同様に構成されている。したがって、図9におい
て、前記図3に示した構成要素と同一又は対応する構成
要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0169】第4の実施の形態が第3の実施の形態と異
なる所は、第4の実施の形態では、第3の実施の形態の
構成に対して、主偏光ビームスプリッター31R,31
G,31Bにより検光された後に投射レンズ38R,3
8G,38Bにより投射される色光R,G,Bの偏光の
純度を上げるポスト偏光ビームスプリッター39R,3
9G,39Bが追加されている点のみである。ポスト偏
光ビームスプリッター39R,39G,39Bは、主偏
光ビームスプリッター31R,31G,31Bに対して
投射レンズ38R,38G,38Bの側にそれぞれ配置
されている。
【0170】そして、本実施の形態では、ポスト偏光ビ
ームスプリッター39R,39G,39Bも、主偏光ビ
ームスプリッター31R,31G,31Bと同様に、当
該偏光ビームスプリッターに入射する入射光の波長に関
する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以
下の透光性材料からなる基体を用いて構成されている。
【0171】本実施の形態では、ポスト偏光ビームスプ
リッター39R,39G,39Bが追加されているの
で、これによって主偏光ビームスプリッター31R,3
1G,31Bから漏れてきたS偏光の光がカットされ、
主偏光ビームスプリッター31R,31G,31Bによ
り検光された後に投射レンズ38R,38G,38Bに
より投射される色光R,G,Bの偏光(P偏光)の純度
が高まり、得られる画像のコントラストが一層向上す
る。
【0172】さらに、本実施の形態では、ポスト偏光ビ
ームスプリッター39R,39G,39Bが、当該ビー
ムスプリッターに入射する入射光の波長に関する光弾性
定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性
材料からなる基体を用いて構成されているので、ポスト
偏光ビームスプリッター39R,39G,39Bに関し
ても、種々の熱応力、外部応力の影響に対して従来に比
べて十分に光学的に安定な性能を確保でき、画質の劣化
が一層少なくなる。もっとも、ポスト偏光ビームスプリ
ッター39R,39G,39Bは、検光子としての機能
を補助するのみであるので、偏光子及び検光子の両方と
して使用される主偏光ビームスプリッター31R,31
G,31Bに比べて画像に対する影響が小さいことか
ら、BK7等を基体の材料として用いて構成された偏光
ビームスプリッターをポスト偏光ビームスプリッター3
9R,39G,39Bとして採用してもよい。
【0173】(実施の形態5)次に、本発明の第5の実
施の形態による投射型表示装置について、図10を参照
して説明する。
【0174】図10は本発明の第5の実施の形態による
投射型表示装置の概略構成を示す図であり、図10
(a)は該投射型表示装置を示す正面図、図10(b)
は図10(a)中のX−X矢視図である。
【0175】第5の実施の形態による投射型表示装置
は、前記第3の実施の形態による投射型表示装置と基本
的には同様に構成されている。したがって、図10にお
いて、前記図3に示した構成要素と同一又は対応する構
成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0176】第5の実施の形態では、前記第3の実施の
形態において、青色光B用の構成部分と赤色光R用の構
成部分とを入れ換えたものであり、両者は実質的に等価
である。
【0177】(実施の形態6)次に、本発明の第6の実
施の形態による投射型表示装置について、図11を参照
して説明する。
【0178】図11は本発明の第6の実施の形態による
投射型表示装置の概略構成を示す図であり、図11
(a)は該投射型表示装置を示す正面図、図11(b)
は図11(a)中のXI−XI矢視図である。
【0179】第6の実施の形態による投射型表示装置
は、前記第4の実施の形態による投射型表示装置と基本
的には同様に構成されている。したがって、図11にお
いて、前記図9に示した構成要素と同一又は対応する構
成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0180】第6の実施の形態では、前記第4の実施の
形態において、青色光B用の構成部分と赤色光R用の構
成部分とを入れ換えたものであり、両者は実質的に等価
である。
【0181】(実施の形態7)次に、本発明の第7の実
施の形態による投射型表示装置について、図12を参照
して説明する。
【0182】図12は本発明の第7の実施の形態による
投射型表示装置の概略構成を示す図であり、図12
(a)は該投射型表示装置を示す正面図、図12(b)
は図12(a)中のXII−XII矢視図である。
【0183】第7の実施の形態による投射型表示装置
は、光源(図示せず)と、該光源からの光を赤(R)、
緑(G)及び青(B)の3原色の色光に分解する色分解
手段として機能すると同時に、各主偏光ビームスプリッ
ター21R,21G,21Bの各色光R,G,Bの入射
側に配置され各空間光変調素子22R,22G,22B
に照射される色光の偏光の純度を上げる補助偏光分離手
段として機能する、偏光分離特性を有するクロスダイク
ロイックプリズム20と、色光R,G,Bにそれぞれ対
応する位相差変調型液晶ライトバルブ等の3つの空間光
変調素子22R,22G,22B(空間光変調素子22
R,22Bは図中には表れていないが、空間光変調素子
22Gと同様に、図12(a)において主偏光ビームス
プリッター21R,21Bに対する図12(a)の紙面
の奥側にある。)と、色光R,G,Bによる入射光をそ
れぞれ偏光して空間光変調素子22R,22G,22B
にそれぞれ照射させるとともに、空間光変調素子22
R,22G,22Bからの反射光をそれぞれ検光する主
偏光ビームスプリッター21R,21G,21Bと、主
偏光ビームスプリッター21R,21G,21Bにより
それぞれ検光された光をそれぞれスクリーン(図示せ
ず)等に投射する3本の投射レンズ23R,23G,2
3Bと、を備えている。
【0184】本実施の形態では、各主偏光ビームスプリ
ッター21R,21G,21Bは、ダイクロイック特性
を有しない通常の偏光ビームスプリッターであり、S偏
光成分を反射させるとともにP偏光成分を透過させる特
性を有する。
【0185】また、本実施の形態では、偏光分離特性を
有するクロスダイクロイックプリズム20は、透光性材
料からなる基体としての断面形状が二等辺三角形の(す
なわち、二等辺三角柱の)4つのプリズム20A,20
B,20C,20Dと、プリズム20A,20B間(具
体的には、プリズム20Aにおける互いに直交する2つ
の面のうちの一方とプリズム20Bにおける互いに直交
する2つの面のうちの一方との間)に挟持された透明誘
電体多層膜20aと、プリズム20B,20C間(具体
的には、プリズム20Bにおける互いに直交する2つの
面のうちの他方とプリズム20Cにおける互いに直交す
る2つの面のうちの一方との間)に挟持された透明誘電
体多層膜20bと、プリズム20C,20D間(具体的
には、プリズム20Cにおける互いに直交する2つの面
のうちの他方とプリズム20Dにおける互いに直交する
2つの面のうちの一方との間)に挟持された透明誘電体
多層膜20cと、プリズム20D,20A間(具体的に
は、プリズム20Dにおける互いに直交する2つの面の
うちの他方とプリズム20Aにおける互いに直交する2
つの面のうちの他方との間)に挟持された透明誘電体多
層膜20dと、から構成されている。そして、透明誘電
体多層膜20a,20cの部分は、色光R,G,BのS
偏光成分及び色光BのP偏光成分を反射し、色光R,G
のP偏光成分を透過させる特性を有する。また、透明誘
電体多層膜20b,20dの部分は、色光R,G,Bの
S偏光成分及び色光RのP偏光成分を反射し、色光G,
BのP偏光成分を透過させる特性を有する。
【0186】なお、本実施の形態では、クロスダイクロ
イックプリズム20がダイクロイック特性及び偏光分離
特性を兼ねた光学素子となっている。
【0187】例えば、前記透明誘電体多層膜20a,2
0cを前記図4中の透明誘電体多層膜43と同一構成と
し、前記透明誘電体多層膜20b,20dを前記図6中
の透明誘電体多層膜53又は前記図8中の透明誘電体多
層膜63と同一構成とし、プリズム20A,20B,2
0C,20Dを屈折率が1.83の透明材料を用いて構
成しておけばよい。
【0188】本実施の形態では、図示しない光源からの
光が、プリズム20Aの側からクロスダイクロイックプ
リズム20に入射する。この入射光のうちの色光R,
G,BのS偏光成分は、透明誘電体多層膜20a,20
dの部分で反射されて前記光源の方へ戻り、前記入射光
のうちの色光RのP偏光成分が透明誘電体多層膜20
b,20dの部分で反射されて主偏光ビームスプリッタ
ー21Rに入射し、前記入射光のうちの色光GのP偏光
成分が透明誘電体多層膜20a,20b,20c,20
dの部分を透過して主偏光ビームスプリッター21Gに
入射し、前記入射光のうちの色光BのP偏光成分が透明
誘電体多層膜20a,20cの部分で反射されて主偏光
ビームスプリッター21Bに入射する。
【0189】このようにして、偏光分離特性を有するク
ロスダイクロイックプリズム20により、光源からの光
が各色光R,G,Bに分解されると同時に各色光R,
G,BのP偏光成分のみが偏光分離されてそれぞれ主偏
光ビームスプリッター21R,21G,21Bに入射す
る。すなわち、偏光分離特性を有するクロスダイクロイ
ックプリズム20は、色分解手段としての機能及びプリ
偏光ビームスプリッターとしての機能を同時に行う。
【0190】クロスダイクロイックプリズム20から主
偏光ビームスプリッター21Gに入射した色光BのP偏
光は、主偏光ビームスプリッター21Gがクロスダイク
ロイックプリズム20に対して90゜の角度で配置され
ているので、主偏光ビームスプリッター21Gに対して
は色光BのS偏光となる。したがって、主偏光ビームス
プリッター21Gは、色光BのS偏光を反射して空間光
変調素子22Gを照射する。空間光変調素子22Gで変
調された反射光は、主偏光ビームスプリッター21Gに
より検光され、前記反射光のうちP偏光の光が主偏光ビ
ームスプリッター21Gを透過して投射レンズ23Gに
よりスクリーン(図示せず)上に投射される。
【0191】以上、クロスダイクロイックプリズム20
から主偏光ビームスプリッター21Gに入射する色光G
のP偏光について説明したが、クロスダイクロイックプ
リズム20から主偏光ビームスプリッター21R,21
Bにそれぞれ入射する色光R,BのS偏光についても同
様である。
【0192】投射レンズ23R,23G,23Bにより
投射された各色光R,G,Bはスクリーン上で色合成さ
れる。
【0193】そして、本実施の形態においても、前述し
た第1の実施の形態と同様に、主偏光ビームスプリッタ
ー21R,21G,21B及びクロスダイクロイックプ
リズム20は、当該偏光ビームスプリッターに入射する
入射光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×1
-8cm2/N以下の透光性材料からなる基体を用いて
構成されている。すなわち、クロスダイクロイックプリ
ズム20に関して説明すると、前記プリズム20A〜2
0Dがこのような透光性材料で構成されている。
【0194】本実施の形態においても、前述した第1の
実施の形態と同様の利点が得られる。
【0195】(実施の形態8)次に、本発明の第8の実
施の形態による投射型表示装置について、図13を参照
して説明する。
【0196】図13は本発明の第8の実施の形態による
投射型表示装置の概略構成を示す図であり、図13
(a)は該投射型表示装置を示す正面図、図13(b)
は図13(a)中のXIII−XIII矢視図である。
【0197】第8の実施の形態による投射型表示装置
は、前記第7の実施の形態による投射型表示装置と基本
的には同様に構成されている。したがって、図13にお
いて、前記図12に示した構成要素と同一又は対応する
構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0198】第8の実施の形態が第7の実施の形態と異
なる所は、第8の実施の形態では、第7の実施の形態の
構成に対して、主偏光ビームスプリッター21R,21
G,21Bにより検光された後に投射レンズ23R,2
3G,23Bにより投射される色光R,G,Bの偏光の
純度を上げるポスト偏光ビームスプリッター24R,2
4G,24Bが追加されている点のみである。ポスト偏
光ビームスプリッター24R,24G,24Bは、主偏
光ビームスプリッター21R,21G,21Bに対して
投射レンズ23R,23G,23Bの側にそれぞれ配置
されている。
【0199】そして、本実施の形態では、ポスト偏光ビ
ームスプリッター24R,24G,24Bも、主偏光ビ
ームスプリッター21R,21G,21Bと同様に、当
該偏光ビームスプリッターに入射する入射光の波長に関
する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以
下の透光性材料からなる基体を用いて構成されている。
【0200】本実施の形態によれば、前述した第2の実
施の形態と同様の利点が得られる。
【0201】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。例えば、ダイクロイック特性及び偏光分離特
性を兼ね備えた光学素子は、前記偏光ビームスプリッタ
ー13G,13B,33R,33Bや前記クロスダイク
ロイックプリズム20に限定されるものではない。
【0202】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、色
分解手段の少なくとも一部及び前記補助偏光分離手段の
少なくとも一部が、ダイクロイック特性及び偏光分離特
性を兼ね備えた光学素子で兼用されているので、両者の
少なくとも一部が一体化されることとなり、プリ偏光ビ
ームスプリッターとして色分離手段と完全に別個の光学
部品である偏光ビームスプリッターを用いていた前述し
た従来の投射型表示装置に比べて、装置の構成の簡素化
及び小型化を図ることができる。
【0203】また、本発明によれば、光弾性定数の絶対
値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料からな
る基体を用いることによって、液体を使用することな
く、前記液体浸漬型の偏光ビームスプリッターを使用し
たことに伴う問題点を除去することができ、製造が容易
になる等の利点が得られ、しかも、種々の熱応力、外部
応力の影響に対して光学的に安定な性能を確保でき画質
の劣化の少ない投射型表示装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による投射型表示装
置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を示
す正面図、その(b)は(a)中のI−I矢視図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施の形態による投射型表示装
置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を示
す正面図、その(b)は(a)中のII−II矢視図で
ある。
【図3】本発明の第3の実施の形態による投射型表示装
置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を示
す正面図、その(b)は(a)中のIII−III矢視
図である。
【図4】ダイクロイック特性を有する偏光ビームスプリ
ッターの一例を模式的に示す構成図である。
【図5】図4に示す偏光ビームスプリッターの分光透過
率特性を示す図である。
【図6】ダイクロイック特性を有する偏光ビームスプリ
ッターの他の例を模式的に示す構成図である。
【図7】図6に示す偏光ビームスプリッターの分光透過
率特性を示す図である。
【図8】ダイクロイック特性を有する偏光ビームスプリ
ッターの更に他の例を模式的に示す構成図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態による投射型表示装
置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を示
す正面図、その(b)は(a)中のIX−IX矢視図で
ある。
【図10】本発明の第5の実施の形態による投射型表示
装置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を
示す正面図、その(b)は(a)中のX−X矢視図であ
る。
【図11】本発明の第6の実施の形態による投射型表示
装置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を
示す正面図、その(b)は(a)中のXI−XI矢視図
である。
【図12】本発明の第7の実施の形態による投射型表示
装置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を
示す正面図、その(b)は(a)中のXII−XII矢
視図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態による投射型表示
装置を示す図であり、その(a)は該投射型表示装置を
示す正面図、その(b)は(a)中のXIII−XII
I矢視図である。
【図14】酸化鉛の含有量と光弾性定数との関係を示す
図である。
【図15】従来の投射型表示装置の主要部を示す模式図
である。
【符号の説明】
11R,11G,11B 主偏光ビームスプリッター 12R,12G,12B,22R,22G,22B 空
間光変調素子 13R ダイクロイック特性を有しない偏光ビームスプ
リッター 13G,13B ダイクロイック特性を有する偏光ビー
ムスプリッター 14R,14G,14B 1/2波長板 15,16,17 ガラスブロック 18R,18G,18B,23R,23G,23B 投
射レンズ 19R,19G,19B ポスト偏光ビームスプリッタ
ー 20 偏光分離特性を有するクロスダイクロイックプリ
ズム 20A,20B,20C,20D プリズム 20a,20b,20c,20d 透明誘電体多層膜 21R,21G,21B 主偏光ビームスプリッター 24R,24G,24B ポスト偏光ビームスプリッタ
ー 31R,31G,31B 主偏光ビームスプリッター 32R,32G,32B 空間光変調素子 33R,33B ダイクロイック特性を有する偏光ビー
ムスプリッター 33G 反射用プリズム 35,37 ガラスブロック 36 ダイクロイック特性を有しない偏光ビームスプリ
ッター 38R,38G,38B 投射レンズ 39R,39G,39B ポスト偏光ビームスプリッタ
ー 41,42,51,52,61,62 プリズム 43,53,63 透明誘電体多層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 5/74 H04N 5/74 A 9/31 9/31 C (72)発明者 島村 尚孝 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン本社内 (72)発明者 岡本 幹夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン本社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 前記光源からの光を3原色の色光に分解する色分解手段
    と、 前記3原色の色光にそれぞれ対応する3つの空間光変調
    素子と、 前記3原色の色光にそれぞれ対応する3つの主偏光ビー
    ムスプリッターであって、各々が、前記色分解手段から
    の対応する色光を偏光して当該色光に対応する前記空間
    光変調素子に照射させるとともに、当該空間光変調素子
    からの変調された反射光を検光する3つの主偏光ビーム
    スプリッターと、 前記各主偏光ビームスプリッターの前記色光の入射側に
    配置され、前記各空間光変調素子に照射される色光の偏
    光の純度を上げる補助偏光分離手段と、 前記複数の主偏光ビームスプリッターにより検光された
    光を投射する投射光学系と、 を備え、 前記色分解手段の少なくとも一部及び前記補助偏光分離
    手段の少なくとも一部が、ダイクロイック特性及び偏光
    分離特性を兼ね備えた光学素子で兼用されたことを特徴
    とする投射型表示装置。
  2. 【請求項2】 透明材料からなる第1の基体と、透明材
    料からなる第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の
    基体との間に挟持された透明誘電体多層膜とを備え、前
    記透明誘導体多層膜は高屈折率膜と低屈折率膜との交互
    層からなり、前記第1の基体又は前記第2の基体を介し
    て前記透明誘電体多層膜に入射する光の所望の入射角θ
    0に対して、前記高屈折率膜の屈折率をnH、前記低屈折
    率膜の屈折率をnL、前記第1及び第2の基体の屈折率
    をn0として、以下の2つの条件式を満たすことを特徴
    とする光学素子。 【数1】{nL 4(nH 2−n0 2・sin2θ0)}/{n
    H 4(nL 2−n0 2・sin2θ0)}>1.44 【数2】(nH 2−n0 2・sin2θ0)/(nL 2−n0 2・sin
    2θ0)>4.0
  3. 【請求項3】 前記透明誘電体多層膜は、入射光の赤
    色、緑色及び青色の波長領域に渡るS偏光成分を実質的
    に反射させ、入射光の青色の波長領域のP偏光成分を実
    質的に反射させ、入射光の赤色及び緑色の波長領域に渡
    るP偏光成分を実質的に透過させる特性を有することを
    特徴とする請求項2記載の光学素子。
  4. 【請求項4】 前記透明誘電体多層膜は、入射光の赤
    色、緑色及び青色の波長領域に渡るS偏光成分を実質的
    に反射させ、入射光の赤色の波長領域のP偏光成分を実
    質的に反射させ、入射光の緑色及び青色の波長領域に渡
    るP偏光成分を実質的に透過させる特性を有することを
    特徴とする請求項2記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 前記透明誘電体多層膜は前記高屈折率膜
    と前記低屈折率膜との交互21層からなり、前記第1又
    は第2の基体側から数えて偶数層は前記高屈折率膜であ
    るとともに奇数層は前記低屈折率膜であり、前記第1又
    は第2の基体側から数えて第1層及び第21層の光学的
    膜厚が設計基準波長の1/8であり、他の層の光学的膜
    厚が前記設計基準波長の1/4であることを特徴とする
    請求項2又は3記載の光学素子。
  6. 【請求項6】 前記透明誘電体多層膜は、前記透明誘電
    体多層膜は前記高屈折率膜と前記低屈折率膜との交互3
    7層からなり、前記第1又は第2の基体側から数えて偶
    数層は前記高屈折率膜であるとともに奇数層は前記低屈
    折率膜であり、前記第1又は第2の基体側から数えて第
    1層及び第17層の光学的膜厚が設計基準波長の1/1
    6、第2層乃至第16層及び第18層の光学的膜厚が前
    記設計基準波長の1/8、第19層乃至第36層の光学
    的膜厚が前記設計基準波長の1/4、第37層の光学的
    膜厚が前記設計基準波長の3/8であることを特徴とす
    る請求項2又は4記載の光学素子。
  7. 【請求項7】 前記透明誘電体多層膜は、前記透明誘電
    体多層膜は前記高屈折率膜と前記低屈折率膜との交互3
    8層からなり、前記第1又は第2の基体側から数えて奇
    数層は前記高屈折率膜であるとともに偶数層は前記低屈
    折率膜であり、前記第1又は第2の基体側から数えて第
    1層及び第19層並びに第21層乃至第35層及び第3
    7層の光学的膜厚が設計基準波長の1/8、第2層乃至
    第18層の光学的膜厚が前記設計基準波長の1/4、第
    20層及び第36層の光学的膜厚が前記設計基準波長の
    1/16、第38層の光学的膜厚が前記設計基準波長の
    3/8であることを特徴とする請求項2又は4記載の光
    学素子。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の基体が、当該光学素
    子に入射する入射光の波長に関する光弾性定数の絶対値
    が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料からなる
    ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の光
    学素子。
  9. 【請求項9】 互いに直交する第1及び第2の平面を有
    する透明材料からなる第1の基体と、互いに直交する第
    3及び第4の平面を有する透明材料からなる第2の基体
    と、互いに直交する第5及び第6の平面を有する透明材
    料からなる第3の基体と、互いに直交する第7及び第8
    の平面を有する透明材料からなる第4の基体と、前記第
    2の平面と前記第3の平面との間に挟持された第1の透
    明誘電体多層膜と、前記第4の平面と前記第5の平面と
    の間に挟持された第2の透明誘電体多層膜と、前記第6
    の平面と前記第7の平面との間に挟持された第3の透明
    誘電体多層膜と、前記第8の平面と前記第1の平面との
    間に挟持された第4の透明誘電体多層膜と、を備え、 前記第1乃至第4の透明誘電体多層膜の各々は高屈折率
    膜と低屈折率膜との交互層からなり、前記第1乃至第4
    の透明誘電体多層膜の各々に関して、前記第1乃至第4
    の基体のうちの当該透明誘電体多層膜の一方の側の基体
    又は他方の側の基体を介して当該透明誘電体多層膜に入
    射する光の所望の入射角θ0に対して、当該透明誘電体
    多層膜の前記高屈折率膜の屈折率をnH、当該透明誘電
    体多層膜の前記低屈折率膜の屈折率をnL、前記両側の
    基体の屈折率をn0として、以下の2つの条件式を満た
    し、 前記第1及び第3の透明誘電体多層膜は、入射光の赤
    色、緑色及び青色の波長領域に渡るS偏光成分を実質的
    に反射させ、入射光の青色の波長領域のP偏光成分を実
    質的に反射させ、入射光の赤色及び緑色の波長領域に渡
    るP偏光成分を実質的に透過させる特性を有し、 前記第2及び第4の透明誘電体多層膜は、入射光の赤
    色、緑色及び青色の波長領域に渡るS偏光成分を実質的
    に反射させ、入射光の赤色の波長領域のP偏光成分を実
    質的に反射させ、入射光の緑色及び青色の波長領域に渡
    るP偏光成分を実質的に透過させる特性を有することを
    特徴とする光学素子。 【数3】{nL 4(nH 2−n0 2・sin2θ0)}/{n
    H 4(nL 2−n0 2・sin2θ0)}>1.44 【数4】(nH 2−n0 2・sin2θ0)/(nL 2−n0 2・sin
    2θ0)>4.0
  10. 【請求項10】 前記第1及び第3の透明誘電体多層膜
    の各々は、前記高屈折率膜と前記低屈折率膜との交互2
    1層からなり、前記第1乃至第4の基体のうちの当該透
    明誘電体多層膜の一方の側の基体側から数えて偶数層は
    前記高屈折率膜であるとともに奇数層は前記低屈折率膜
    であり、前記第1乃至第4の基体のうちの当該透明誘電
    体多層膜の一方の側の基体側から数えて第1層及び第2
    1層の光学的膜厚が設計基準波長の1/8であり、他の
    層の光学的膜厚が前記設計基準波長の1/4であること
    を特徴とする請求項9記載の光学素子。
  11. 【請求項11】 前記第2及び第4の透明誘電体多層膜
    の各々は、前記高屈折率膜と前記低屈折率膜との交互3
    7層からなり、前記第1乃至第4の基体のうちの当該誘
    電体多層膜の一方の側の基体側から数えて偶数層は前記
    高屈折率膜であるとともに奇数層は前記低屈折率膜であ
    り、前記第1乃至第4の基体のうちの当該透明誘電体多
    層膜の一方の側の基体側から数えて第1層及び第17層
    の光学的膜厚が設計基準波長の1/16、第2層乃至第
    16層及び第18層の光学的膜厚が前記設計基準波長の
    1/8、第19層乃至第36層の光学的膜厚が前記設計
    基準波長の1/4、第37層の光学的膜厚が前記設計基
    準波長の3/8であることを特徴とする請求項9又は1
    0記載の光学素子。
  12. 【請求項12】 前記第2及び第4の透明誘電体多層膜
    の各々は、前記高屈折率膜と前記低屈折率膜との交互3
    8層からなり、前記第1乃至第4の基体のうちの当該誘
    電体多層膜の一方の側の基体側から数えて奇数層は前記
    高屈折率膜であるとともに偶数層は前記低屈折率膜であ
    り、前記第1乃至第4の基体のうちの当該透明誘電体多
    層膜の一方の側の基体側から数えて第1層及び第19層
    並びに第21層乃至第35層及び第37層の光学的膜厚
    が設計基準波長の1/8、第2層乃至第18層の光学的
    膜厚が前記設計基準波長の1/4、第20層及び第36
    層の光学的膜厚が前記設計基準波長の1/16、第38
    層の光学的膜厚が前記設計基準波長の3/8であること
    を特徴とする請求項9又は10記載の光学素子。
  13. 【請求項13】 前記第1乃至第4の基体が、当該光学
    素子に入射する入射光の波長に関する光弾性定数の絶対
    値が1.5×10-8cm2/N以下の透光性材料からな
    ることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載
    の光学素子。
  14. 【請求項14】 ダイクロイック特性及び偏光分離特性
    を兼ね備えた前記光学素子は、ダイクロイック特性を有
    する偏光ビームスプリッターであることを特徴とする請
    求項1記載の投射型表示装置。
  15. 【請求項15】 ダイクロイック特性を有する前記偏光
    ビームスプリッターは、請求項2乃至8のいずれかに記
    載の光学素子であることを特徴とする請求項14記載の
    投射型表示装置。
  16. 【請求項16】 ダイクロイック特性及び偏光分離特性
    を兼ね備えた前記光学素子は、偏光分離特性を有するク
    ロスダイクロイックプリズムであることを特徴とする請
    求項1記載の投射型表示装置。
  17. 【請求項17】 偏光分離特性を有する前記クロスダイ
    クロイックプリズムは、請求項9乃至13のいずれかに
    記載の光学素子であることを特徴とする請求項16記載
    の投射型表示装置。
  18. 【請求項18】 前記3つの主偏光ビームスプリッター
    の各々は、当該主偏光ビームスプリッターに入射する入
    射光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×10
    -8cm2/N以下の透光性材料からなる基体を用いて構
    成されたことを特徴とする請求項1及び14乃至17の
    いずれかに記載の投射型表示装置。
  19. 【請求項19】 ダイクロイック特性及び偏光分離特性
    を兼ね備えた前記光学素子は、当該光学素子から出射し
    て対応する前記主偏光ビームスプリッターへ入射する入
    射光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×10
    -8cm2/N以下の透光性材料からなる基体を用いて構
    成されたことを特徴とする請求項1及び14乃至18の
    いずれかに記載の投射型表示装置。
  20. 【請求項20】 前記3つの主偏光ビームスプリッター
    に対して前記投射光学系の側にそれぞれ配置された3つ
    の補助偏光ビームスプリッターであって、各々が、対応
    する前記主偏光ビームスプリッターにより検光された後
    に前記投射光学系により投射される光の偏光の純度を上
    げる3つの補助偏光ビームスプリッターを更に備えたこ
    とを特徴とする請求項1及び14乃至19のいずれかに
    記載の投射型表示装置。
  21. 【請求項21】 前記3つの補助偏光ビームスプリッタ
    ーは、当該補助偏光ビームスプリッターに入射する入射
    光の波長に関する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8
    cm2/N以下の透光性材料からなる基体を用いて構成
    されたことを特徴とする請求項20記載の投射型表示装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002357708A (ja) * 1999-05-14 2002-12-13 Colorlink Inc カラー画像システム及び方法
JP2004302343A (ja) * 2003-04-01 2004-10-28 Victor Co Of Japan Ltd 投射表示装置
JP2006023776A (ja) * 2005-09-05 2006-01-26 Hitachi Ltd 投写型映像表示装置
WO2023103492A1 (zh) * 2021-12-09 2023-06-15 华为技术有限公司 一种图像生成装置、显示设备和交通工具

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