JPH10141770A - 温水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ばらつきの少ない混合湯を生成して、供給す
ることができる温水器を提供する。 【解決手段】 タンク１が、沸かした湯を蓄える。電動
混合弁２が、水とタンク１からの湯とを、あらかじめ設
定された割合で混合して混合湯を生成し、生成した混合
湯を排出する。同時に、電動混合弁２が、混合湯の温度
を検出し、検出した結果に基づいて、湯と水とを混合す
る割合を調整する。これにより、電動混合弁２が、混合
湯の温度を一定に保つ。制御装置４は、水とタンク１か
らの湯とを混合する割合を、電動混合弁２にあらかじめ
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、加熱した湯を供
給する温水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】温水器は、加熱した湯を蓄えているの
で、開かれた蛇口から、たくさんの湯を供給する。この
ために、少量の湯を使用するキッチンなどのほかに、大
量に湯を使用する浴室にも、温水器からの湯が供給され
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、温水器から
の湯を使用する場合、使用者が、温水器からの、高温の
湯と、低温の水道水とを混合し、湯と水道水との混合湯
を使用する。このとき、使用者自身が蛇口の開閉を調整
して、湯を混合湯にする。

【０００４】このために、使用者が混合湯を使用するご
とに、混合湯の温度が異なるという問題が発生する。ま
た、使用者が混合湯の温度を調整している間に、混合湯
が無駄になってしまうなどの問題も発生する。

【０００５】この発明の目的は、このような欠点を除
き、ばらつきの少ない混合湯を生成して、供給すること
ができる温水器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】その目的を達成するた
め、請求項１の発明は、沸かした湯を蓄えるタンクと、
水とタンクからの湯とを、あらかじめ設定された割合で
混合して混合湯を生成し、生成した混合湯を排出すると
共に、この混合湯の温度を検出し、検出した結果に基づ
いて、湯と水とを混合する割合を調整して、混合湯の温
度を一定に保つ混合部と、水とタンクからの湯とを混合
する割合を、混合部にあらかじめ設定する制御部とを備
える。

【０００７】請求項２の発明では、請求項１記載の温水
器において、混合部は、水の流れを制御する弁と、タン
クからの湯の流れを制御する弁とを備え、混合湯の温度
変化で熱膨張する熱膨張体の体積変化を、２つの弁の移
動に変換して、湯と水とを混合する割合を調整する混合
弁であることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を、
図面を用いて説明する。

【０００９】［実施の形態１］図１は、この発明の実施
の形態１を示す構成図である。図１の温水器は、タンク
１、電動混合弁２、温度切換スイッチ３、制御装置４お
よび流路５Ａ〜５Ｃを備える。

【００１０】タンク１は、加熱された高温の湯を蓄え
る。タンク１内に蓄えられる、高温の湯は、タンク１の
外部に備えられたヒータ（図示を省略）で加熱される場
合や、タンク１の内部に備えられたヒータ（図示を省
略）で加熱される場合がある。また、これらのヒータ
は、電気やガス等により湯を加熱する。

【００１１】流路５Ａは、タンク１の上部から電動混合
弁２へ湯を供給するための配管であり、流路５Ｂは、タ
ンク１の下部および電動混合弁２へ、低温の水つまり水
道水を供給するための配管である。また、流路５Ｃは、
電動混合弁２からの混合湯を、住宅内に設置された蛇口
（図示を省略）へ送るための配管である。

【００１２】電動混合弁２は、制御装置４の制御によ
り、流路５Ａからの湯と流路５Ｂからの水道水とを混合
するための弁である。電動混合弁２は、図２に示すよう
に、本体２１、弁２２Ａ、２２Ｂ、支持部２３、検出部
２４、調整部２５および駆動部２６を備える。

【００１３】本体２１は、Ｔ字型の流路である。本体２
１には、流入口２１Ａ、２１Ｂ、流出口２１Ｃが設けら
れている。流入口２１Ａには、流路５Ａが接続され、タ
ンク１からの湯が流れ込む。また、流入口２１Ｂには、
流路５Ｂが接続され、水道水が流れ込む。さらに、流出
口２１Ｃには、流路５Ｃが接続され、混合湯が流れ出
る。

【００１４】弁２２Ａ、２２Ｂは、支持部２３に取り付
けられている。弁２２Ａが流入口２１Ａを開閉し、弁２
２Ｂが流入口２１Ｂを開閉する。このとき、弁２２Ａ、
２２Ｂは、支持部２３により、矢印Ａ方向およびその逆
方向、つまり、上下方向に移動される。また、弁２２Ａ
が流入口２１Ａを開くとき、弁２２Ｂが流入口２１Ｂを
閉じるように、弁２２Ａ、２２Ｂが移動する。これは、
弁２２Ａ、２２Ｂが矢印Ａ方向に対して横方向に取り付
けられ、流入口２１Ａが、流路５Ａに対して下方に空け
られ、流入口２１Ｂが流路５Ｂに対して上方に空けられ
ているためである。

【００１５】支持部２３は、弁２２Ａ、２２Ｂを保持す
るための、Ｔ字型の支持具２３Ａと、支持具２３Ａを上
方向に押し上げるバネ２３Ｂとを備える。支持部２３の
先端には、検出部２４が取り付けられている。

【００１６】検出部２４は、エレメント２４Ａとピスト
ン２４Ｂとを備える。棒状のピストン２４Ｂの一端部分
が、エレメント２４Ａ内に位置し、他端が、流出口２１
Ｃの上側付近で調整部２５と接触している。エレメント
２４Ａは、流出口２１Ｃと向かい合うように、本体２１
内に配置されている。エレメント２４Ａは、熱膨張体と
してワックスを内部に備える。そして、エレメント２４
Ａの周囲温度が上昇すると、ワックスが膨張し、エレメ
ント２４Ａ内のピストン２４Ｂを、上方向に押し上げ
る。また逆に、周囲の温度が下がると、ワックスがピス
トン２４Ｂを内部に引き込む。つまり、エレメント２４
Ａの周囲温度に応じて、ピストン２４Ｂが上下移動す
る。

【００１７】調整部２５は、本体２１内を動く円板を具
備する支持具２５Ａと、支持具２５Ａの円板を下方に押
し下げるバネ２５Ｂとを備える。支持具２５Ａは、駆動
部２６により上下方向に移動されて、固定される。

【００１８】駆動部２６は、内部にモータ２６Ａを備
え、このモータ２６Ａの回転で、調整部２５の支持具２
５Ａを上下に移動する。支持具２５Ａの移動は、制御装
置４の制御に従って行われる。

【００１９】このような電動混合弁２は、次のようにし
て、湯に水道水を混合させる。図３に示すように、流入
口２１Ａからの湯と流入口２１Ｂからの水道水とが混合
されて、混合湯が生成される。混合湯は、エレメント２
４Ａの周囲を流れて、流出口２１Ｃを通り、流路５Ｃに
流れ込む。

【００２０】このとき、エレメント２４Ａのワックスが
混合湯の温度で変化し、ピストン２４Ｂが伸縮する。支
持具２５Ａが駆動部２６で固定されているので、ピスト
ン２４Ｂの伸縮により、支持具２３Ａが上下に移動し、
弁２２Ａ、２２Ｂが上下に移動し、混合湯の温度を調整
する。

【００２１】例えば、混合湯の温度が上昇すると、エレ
メント２４Ａのワックスが膨張して、ピストン２４Ｂが
伸びる。これにより、弁２２Ａが下側に移動し、本体２
１に流れ込む湯の量が減少する。同時に、弁２２Ｂが下
側に移動し、本体２１に流れ込む水道水の量が増える。
これにより、混合湯の温度が低下する。

【００２２】このように、湯と水道水との、混合の割合
が変化し、混合湯の温度を一定に保つことができる。ま
た、混合湯の温度は、支持具２５Ａの停止位置であらか
じめ設定される。

【００２３】このようにして、電動混合弁２は、一定温
度の混合湯を流路５Ｃに流す。

【００２４】温度切換スイッチ３には、混合湯の温度が
設定される。実施の形態１では、温度切換スイッチ３
は、混合湯の温度に応じた設定電圧を制御装置４に送
る。このために、温度切換スイッチ３は、ポテンショメ
ータのような、回転式の切換器（図示を省略）を備え
る。そして、設定電圧がこの切換器の回転位置で異な
る。つまり、切換器の回転位置が混合湯の温度にそれぞ
れ対応している。

【００２５】制御装置４は、駆動部２６を制御する。こ
のとき、制御装置４は、温度切換スイッチ３からの設定
電圧に応じて、駆動部２６のモータ２６Ａを回転させ
る。これにより、制御装置４は、混合湯の温度をあらか
じめ設定する。

【００２６】実施の形態１では、図４に示すように、タ
ンク１、電動混合弁２および制御装置４が、脚部５２で
支持される箱体５１に収納されている。また、温度切換
スイッチ３が、箱体５１の外側の側壁に設置されてい
る。

【００２７】次に、実施の形態１の動作について説明す
る。

【００２８】利用者は、箱体５１の側壁に設置されてい
る温度切換スイッチ３を操作して、流路５Ｃから流れ出
す混合湯の温度を設定する。制御装置４は、温度切換ス
イッチ３からの設定電圧に応じて、駆動部２６のモータ
２６Ａを回転させる。これにより、駆動部２６が調整部
２５を上下に移動して固定する。

【００２９】このような状態のとき、利用者が流路５Ｃ
に接続されている蛇口を開くと、電動混合弁２の流出口
２１Ｃから混合湯が流路５Ｃに流れる。このとき、混合
湯がエレメント２４Ａの周囲を流れる。混合湯の温度が
変化すると、エレメント２４Ａのワックスが混合湯の温
度で変化し、ピストン２４Ｂが伸縮する。支持具２５Ａ
が駆動部２６で固定されているので、弁２２Ａ、２２Ｂ
がピストン２４Ｂの伸縮で上下に移動する。これによ
り、湯と水道水との、混合の割合が変化し、混合湯の温
度を一定に保つことができる。

【００３０】このようにして、実施の形態１により、温
度切換スイッチ３に設定された値に、混合湯の温度を保
つことができる。

【００３１】また、実施の形態１により、温度切換スイ
ッチ３が箱体５１の外側の側壁に設置されているので、
ほかのスイッチと間違えて、温度切換スイッチ３を操作
することを防ぐことができる。

【００３２】［実施の形態２］実施の形態２では、実施
の形態１の温度切換スイッチ３を、図５に示すように、
箱体５１の内側に設置している。さらに、図６に示すよ
うに、温度切換スイッチ３の切換器３１が、切込み部分
３１Ａを備える。そして、温度切換スイッチ３は、切込
み部分３１Ａの回転により、異なる設定電圧を制御装置
４に送る。

【００３３】また、切換器３１の切換器３１の部分に、
案内部６０を備える。案内部６０は、箱体５１の側壁を
貫通した状態で設けられている。さらに、切換器３１の
切込み部分３１Ａと向かい合うように、貫通孔６１が案
内部６０に設けられている。

【００３４】この実施の形態２により、利用者は、ドラ
イバＡのような特殊工具の先端を、案内部６０の貫通孔
６１に挿入し、温度切換スイッチ３の切込み部分３１Ａ
を回転する。これにより、利用者は、混合油の温度を、
希望する値に設定する。この後、利用者は、実施の形態
１と同じように、混合湯を利用する。

【００３５】実施の形態２により、混合湯の温度を設定
するために、特殊工具を必要とするので、例えば、子供
などが温度切換スイッチ３の切換器３１を簡単に回転す
ることができない。この結果、混合湯の温度を設定値に
保つことが可能になる。

【００３６】

【発明の効果】以上、説明したように、この発明によ
り、混合部が、混合湯を生成した後、混合湯の温度を検
出して、湯と水との混合の割合を調整するので、あらか
じめ設定された温度の混合湯を排出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態１を示す構成図である。

【図２】電動混合弁の一例を示す断面図である。

【図３】電動混合弁の動作を説明するための断面図であ
る。

【図４】温水器の収納の様子示す外観図である。

【図５】実施の形態２による温度切換スイッチの配置を
示す断面図である。

【図６】実施の形態２に温度切換スイッチの外観を示す
正面図である。

【符号の説明】

１ タンク ２ 電動混合弁 ３ 温度切換スイッチ ４ 制御装置 ５Ａ〜５Ｃ 流路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 沸かした湯を蓄えるタンクと、水とタン
   クからの湯とを、あらかじめ設定された割合で混合して
   混合湯を生成し、生成した混合湯を排出すると共に、こ
   の混合湯の温度を検出し、検出した結果に基づいて、湯
   と水とを混合する割合を調整して、混合湯の温度を一定
   に保つ混合部と、 水とタンクからの湯とを混合する割合を、混合部にあら
   かじめ設定する制御部とを備える温水器。
2. 【請求項２】 請求項１記載の温水器において、 混合部は、水の流れを制御する弁と、タンクからの湯の
   流れを制御する弁とを備え、混合湯の温度変化で熱膨張
   する熱膨張体の体積変化を、２つの弁の移動に変換し
   て、湯と水とを混合する割合を調整する混合弁であるこ
   とを特徴とする温水器。