JPH10141517A - 流量制御弁 - Google Patents

流量制御弁

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JPH10141517A
JPH10141517A JP29667496A JP29667496A JPH10141517A JP H10141517 A JPH10141517 A JP H10141517A JP 29667496 A JP29667496 A JP 29667496A JP 29667496 A JP29667496 A JP 29667496A JP H10141517 A JPH10141517 A JP H10141517A
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JP
Japan
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pressure
control valve
flow control
valve
passage
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Application number
JP29667496A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Hayakawa
早川  秀幸
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下流側の流体圧力が低い場合であっても弁体
に吸引作用が働いていわゆる絞り状態を維持する流量制
御弁を提供すること。 【解決手段】 流量制御弁10は、電磁力によってボール
状弁体30がシート面22aに密着していた遮断状態におい
て電磁力が消失すると、第1、第2バネ26、27のバネ力
などによってボール状弁体30は上昇しようとする。この
時、第1オリフィス22からボール状弁体30の下面を流れ
るブレーキ液は流速が速いため、ボール状弁体30の下面
の一部が低圧になり、ボール状弁体30にはシート面22a
に向かう吸引作用が働き、ボール状弁体30とシート面22
aとは微小間隔をもって対向している状態となり、AB
S時に増圧する場合その増圧量が大きくならず良好な制
御が可能となる。また、下流側通路13の油圧が著しく低
い場合でも、第2オリフィス17が存在するため上記の吸
引作用が働き、いわゆる絞り状態を維持しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体が上流側通路
から弁室を経て下流側通路に至るように形成された流路
と、該弁室内にて前記上流側通路の開口部を開放又は閉
鎖する弁体とを備えた流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円板弁については、円板弁に作用
する流体の力を計算し、円板弁に流体的な吸引作用が働
くようにして円板弁が微小に開いたいわゆる絞り状態で
釣り合うことが知られている(例えば日本機械学会論文
集第29巻第207号1766〜1777頁など)。こ
の流体的な吸引作用は、ベルヌイの定理により、弁の弁
座部の流速が速い部分の圧力が弁の上面の部分の圧力よ
り下がり、弁の上下面の差圧ができることによって発生
するものである。
【0003】このような流体の吸引作用を積極的に利用
した流量制御弁として、図15に示すようなボール状弁
体130と円錐テーパ状のシート面122aを有するシ
ートバルブ120とを備えたものが知られている。この
流量制御弁では、例えばアンチロックブレーキシステム
(以下「ABS」という)において、ホイールシリンダ
(以下「W/C」という)の油圧を保持する場合には、
コイル136に電流を流す。すると、電磁力によってボ
ール状弁体130がプランジャ132とシャフト131
と共にバネ力と油圧に打ち勝って下方に移動し、シート
面122aを閉鎖し、上流側のマスタシリンダ(以下
「M/C」という)と下流側のW/Cとの間の油路を遮
断する。
【0004】この状態から、W/C油圧を増圧する場合
には、コイル136に流していた電流を数msだけ切
る。すると、電磁力が消失し、バネ力及び油圧によって
ボール状弁体130はシャフト131とプランジャ13
2と共に上昇する。このとき、シート面122aとボー
ル状弁体130の下面との隙間を流れるブレーキ液は流
速が速いため、ボール状弁体130の下面のシート面1
22aとの隙間が小さくなっている部分は低圧領域とな
り、これによりボール状弁体130にはシート面122
aに向かう吸引作用が働く。このため、ボール状弁体1
30はシート面122aを微小に開いたいわゆる絞り状
態を維持する。
【0005】この結果、この流量制御弁を数msだけ開
けて増圧する場合にその増圧量が大きくならず、良好な
ABS制御が可能となる。また、流路面積が小さな状態
で作動するため、流量変動が小さくなり、油撃による油
圧脈動も小さくすることができ、油圧脈動によって発生
するABS作動音を低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、下流側
であるW/C油圧が低い場合、弁室125内の圧力つま
りボール状弁体130の周りの圧力の低下が大きくな
り、この結果上述の吸引作用が働かず、ボール状弁体1
30はシート面122aから離間してしまい、流量制御
弁を数msだけ開けて増圧する場合の増圧量が増大する
ことがあった。このような不具合を解消すべく、従来は
このような場合には数msの増圧時間を短縮することに
より増圧量を調整していた。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、下流側の流体圧力が低い場合であっても弁体に吸引
作用が働いていわゆる絞り状態を維持する流量制御弁を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明は、流体が上流側通路から弁室
を経て下流側通路に至るように形成された流路と、該弁
室内にて前記上流側通路の開口部を開放又は閉鎖する弁
体とを備え、前記上流側通路の開口部から流出する流体
の流れによって弁体下面の一部が低圧になり、弁体上下
面の圧力差により前記上流側通路の開口部に向かう吸引
力が前記弁体に作用し、該弁体が前記開口部を微小に開
いたいわゆる絞り状態で維持可能な流量制御弁におい
て、前記流路のうち前記弁室から前記下流側通路に至る
途中又は前記下流側通路内には流体抵抗部が設けられ、
前記下流側通路の圧力が低くなったとしても、前記流体
抵抗部の作用によって前記弁室は所定圧以上になり前記
絞り状態を維持可能であることを特徴とする。
【0009】本発明の流量制御弁は、ベルヌイの定理に
より、弁体の下方領域即ち流速が速い部分の圧力が弁体
の上面の部分の圧力より下がり、弁体の上下面の差圧が
できることによって吸引作用が働くことを積極的に利用
したものである。ところで、下流側通路の圧力が著しく
低くなると、もし弁室の下流に流体抵抗部が存在しなけ
れば、弁体周りの圧力即ち弁室の圧力は下流側通路の圧
力と同様低くなってしまい、上記の吸引作用は働かなく
なり、第1オリフィスの出口圧だけが作用し、弁体は開
口部を全開又はそれに近い状態にする。
【0010】しかし、本発明では、弁室と下流側通路の
間又は下流側通路内に流体抵抗部が存在するため、下流
側通路の圧力が著しく低くなったとしても弁室の圧力は
それに伴って低くなることはなく、従ってこの場合でも
上記の吸引作用が働き、いわゆる絞り状態を維持しう
る。
【0011】このように、本発明によれば、下流側の流
体圧力が低い場合であっても弁体に吸引作用が働いてい
わゆる絞り状態を維持することができ、従って下流側の
流体圧力の制御を容易に行うことができるという効果が
得られる。本発明の流量制御弁について、例えば、図1
4(a)に模式図を示すように、上流側通路の流体圧力
をP1、上流側通路の直径をd1、弁体の下方領域の流
体圧力をP2、弁体と開口部との隙間をd2、弁室の流
体圧力をP3、流体抵抗部の直径をd3、下流側通路の
流体圧力をP4とした場合、図14(b)に示すよう
に、管路系の各部の流路抵抗を等価オリフィスで代用
し、直列オリフィス系として計算すると、直列オリフィ
ス系の関係式は以下のようになる。
【0012】
【数1】
【0013】上記関係式より、弁室の流体圧力P3は、
P1、P4、d1〜d3が決まれば決まる。一方、流体
抵抗部の直径d3は、P1、P3、P4、d1、d2が
決まれば決まる。また、本発明では、下流側通路の圧力
が低くなったとしても、流体抵抗部の作用によって弁室
は所定圧以上になり絞り状態を維持するが、このときの
所定圧(つまり上記P3)は、例えば、図6に示すよう
に流体抵抗部を有さない流量制御弁において下流側通路
の圧力を徐々に小さくしていったとき、絞り効果が消失
し、流量が増大してその下流側通路の増圧量が急激に増
加する時点の下流側通路の圧力となるように設定しても
よい。このようにしてP3を設定し、流体抵抗部の直径
d3を上記関係式により算出し、これに基づいて流量制
御弁を設計すれば、本発明の作用効果を良好に奏するこ
とができる。
【0014】また、本発明の流体抵抗部としては、流体
の流れの抵抗となるものであれば特に限定しないが、例
えばオリフィスであることが簡易な構成で本発明の効果
を十分に得られる点で好ましい。更に、本発明におい
て、弁室と下流側通路とを連通する連通孔を例えば弁室
の側壁に設けて、弁室から下流側通路に向かって穴あき
加工が施された小孔(流路抵抗部)を有する流路制限部
材でもってこの連通孔を塞ぐようにして設けてもよい。
この場合、小孔は弁室から下流側通路に向かって穴あき
加工(プレスによる打ち抜き加工等)されているため、
小孔の弁室側の開口周辺はアール状となる。また、下流
側通路側の開口周辺は半径外方向に広がるバリが出た形
状となる。このため、弁室から下流側通路へと流れる流
体は、この小孔を通過する際に流量特性が安定し、大量
生産したとしても各製品の流路抵抗が安定するという効
果がある。
【0015】更にまた、本発明の流路は、上流側通路か
ら弁室を経て流体抵抗部を通過し、弁室を取り囲む間隙
部を介して下流側通路へと至るように形成されていても
よく、等価オリフィス径が同じなら、流体抵抗部は弁室
から間隙部に向かって少なくとも相対向する2カ所に設
けられていてもよい。一般に、流量制御弁は下流側通路
が上になるように配置されるが、少なくとも相対向する
2カ所に流体抵抗部が設けてあるため、流体内に空気が
混入したとしても、その空気はいずれかの流体抵抗部を
介して下流側通路へスムーズに排出される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、
下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の
技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはい
うまでもない。 [第1実施例]図1は本実施例の流量制御弁の概略構成
を表す断面図である。
【0017】流量制御弁10のハウジング11には、下
面から内部に連通する上流側通路12と、側面から内部
に連通する下流側通路13が設けられている。ハウジン
グ11の内部には、ガイド14が圧入されており、この
ガイド14の上部外周と下部外周はOリング15、16
によりハウジング11の内部側壁と油密にシールされて
いる。
【0018】ガイド14の内部は上下方向に貫通されて
おり、この内部の下方にシートバルブ20、上方にボー
ル状弁体30が一体固着されたシャフト31及びプラン
ジャ32が配置されている。シートバルブ20は、上流
側通路12からボール状弁体30の配置されている弁室
25まで連通する連通路21を備え、この連通路21の
うち弁室25側には第1オリフィス22(直径d1)が
形成されている。この第1オリフィス22の開口部分は
弁室25に向かって広がるテーパ状のシート面22aが
形成されている。このため、ボール状弁体30が第1オ
リフィス22を閉塞する際、このシート面22aにしっ
かりと密着でき、閉塞時のシール性が優れている。
【0019】弁室25には、バネ力の比較的大きな第1
バネ26とバネ力の比較的小さな第2バネ27が配置さ
れている。第1バネ26はストッパ28を弁室25の内
部上面に当接するように付勢している。また、第2バネ
27はボール状弁体30に当接され、シャフト31及び
プランジャ32と共にボール状弁体30がシート面22
aから上方に離間するように付勢している。
【0020】ガイド14の外周とハウジング11の内部
との間には、間隙部18が設けられている。また、ガイ
ド14のうち弁室25の側壁に当たる部分には、弁室2
5と間隙部18とを連通する第2オリフィス17(直径
d3、本発明の流体抵抗部に相当)が形成されている。
このため、弁室25から第2オリフィス17を通過して
きた流体は、間隙部18を通って下流側通路13へ流出
する。
【0021】ハウジング11の上方にはヨーク35が設
けられ、このヨーク35の内側にはコイル36が設置さ
れている。このコイル36は図示しない外部装置により
通電・非通電を制御できるように電気的に接続されてい
る。また、コイル36の内側には非磁性体のスリーブ3
7が配設され、コイル36の下側には磁性体であるコア
ステータ38が配設されている。
【0022】スリーブ37の内部には、非磁性体のシャ
フト31が可動鉄心であるプランジャ32に当接されて
いる。シャフト31は、プランジャ32に当接してガイ
ド14の上部内側に沿って上下に摺動可能となってい
る。シャフト31の外周には半径外方向に突出した凸部
33が設けられ、この凸部33は、弁室25内に配設さ
れたストッパ28と係合可能な位置に配置されている。
このため、シャフト31に当接したプランジャ32の頂
部がスリーブ37の上面に当接した位置からシャフト3
1を下方向に摺動すると、その途中でシャフト31の凸
部33がストッパ28と係合し、その後ストッパ28は
凸部33と共に下方向に移動可能なように構成されてい
る。
【0023】次にこの流量制御弁10の作動につき、A
BS用の油圧回路の増圧制御弁にこの流量制御弁10を
用いたときを例にあげて説明する。図2はABS用の油
圧回路図であり、この油圧回路は、M/Cから増圧制御
弁である流量制御弁10を介してW/Cに至る第1油路
と、第1油路のうちM/Cと流量制御弁10との間から
W/Cと流量制御弁10との間に至る第2油路とを備え
ている。第2油路にはW/C側からM/C側に向かって
減圧制御弁2とポンプ6が設けられ、両者の間にはリザ
ーバ4が配置されている。流量制御弁10のうち上流側
通路12はM/C油圧がかかる通路であり、下流側通路
13はW/C油圧がかかる通路である。
【0024】ノーマルブレーキ時では、図2に示すよう
に、流量制御弁10は連通位置(非通電状態)、減圧制
御弁2は遮断位置(非通電状態)にある。このときの流
量制御弁10は、コイル36に電流が流れていないため
電磁力が発生せず、図1に示すように、弁室25内の油
圧がボール状弁体30等に及ぼす力と第2バネ27のバ
ネ力により、ボール状弁体30はシャフト31とプラン
ジャ32と共に上方に付勢され、プランジャ32の頂部
がスリーブ37の上面に当接する位置で停止している。
このため、ボール状弁体30はシートバルブ20のシー
ト面22aから完全に離間し、上流側通路12と下流側
通路13とを全開状態で連通している。
【0025】一般に、ABS制御は、例えばドライバの
急激なブレーキ操作によって各車輪のスリップが発生す
ると車両をコントロールできなくなるおそれがあるた
め、このような現象を防止すべく、運転者がブレーキ操
作を行って車両を制動しようとしている場合に、各車輪
のスリップ状態を適正にするために行われるものであ
る。
【0026】図2に基づいてABS制御を説明すると、
図示しない電子制御装置が車輪がロック傾向にあると判
断すると、流量制御弁10を遮断位置(通電状態)にす
ると共に、減圧制御弁2を連通位置(通電状態)にし
て、W/C油圧を減圧し、車輪のロックを防止する。こ
のときW/Cから減圧された油量は減圧制御弁2を介し
てリザーバ4に排出され、ポンプ6によりM/C側へ環
流される。
【0027】このときの流量制御弁10は、コイル36
に電流が流れるため、図3に示すように、プランジャ3
2がガイド14に接近するような電磁力が働き、弁室2
5内の油圧がボール状弁体31等に及ぼす力と第1バネ
26、第2バネ27のバネ力との和に打ち勝って下方に
動き、ボール状弁体30がシートバルブ20のシート面
22aに密着して上流側通路12と下流側通路13とを
遮断するのである。
【0028】その後、図示しない電子制御装置が車輪の
ロック傾向が解消したと判断すると、流量制御弁10を
連通位置(非通電状態)にすると共に、減圧制御弁2を
遮断位置(非通電状態)にして、W/C油圧を増圧させ
る。この場合、W/C油圧を急激に増加させると車輪が
ロック傾向となるため、流量制御弁10と減圧制御弁2
を共に遮断させてW/C油圧を保持する状態をつくる。
そして、このような制御により、W/C油圧を徐々に増
加させ、車輪のロックを防止しつつ車両の安定性を確保
する。
【0029】このときの流量制御弁10は、コイル36
に流れていた電流が数ms(例えば6ms)だけ切断さ
れて電磁力が消失するため、図4に示すように、第1、
第2バネ26、27のバネ力及び弁室25の油圧がボー
ル状弁体30等に及ぼす力によって、ボール状弁体30
はシャフト31やプランジャ32と共に上昇しようとす
る。このとき、シートバルブ20の第1オリフィス22
からボール状弁体30の下面を流れるブレーキ液は流速
が速いため、ボール状弁体30の下面のシート面22a
近傍のドーナツ状部分は低圧領域となり、これによりボ
ール状弁体30にはシート面22aに向かう吸引作用が
働く。しかし、シャフト31の凸部33がストッパ28
と係合すると第1バネ26の上向きの付勢力によっても
はやシャフト31がそれ以上下がらないように阻止され
る。このため、ボール状弁体30とシート面22aとは
所定の微小間隔をもって対向している状態となる。この
結果、流量制御弁10を数msだけ開けて増圧する場合
にその増圧量が大きくならず、良好なABS制御が可能
となる。
【0030】また、下流側通路13の油圧即ちW/C油
圧が低い場合(例えば0MPa以下)でも、弁室25と
下流側通路13の間には第2オリフィス17が存在する
ため、弁室25の圧力はW/C油圧に伴って低くなるこ
とはなく、従ってこの場合でも上記の吸引作用が働き、
いわゆる絞り状態を維持しうる。
【0031】ここで、第1オリフィス22の径d1、ボ
ール状弁体30とシート面22aとの微小間隔を等価オ
リフィスとしたときの径d2、第2オリフィス17の径
d3、上流側通路12の圧力即ちM/C油圧P1、第1
オリフィス22の出口圧力P2、弁室25の圧力P3、
下流側通路13の圧力即ちW/C油圧P4の関係は、
[課題を解決するための手段及び発明の効果]の欄で既
述した関係式の通りである。
【0032】例えば、P1が15MPa、P4が0MP
aの系において、d1がφ0.7mm、d2がφ0.4
mm相当の時、P3が2.5MPaとなるように設定す
るには、上記関係式からd3はφ0.6mmとなる。従
って、例えば第2オリフィス17のような流路抵抗が存
在しない流量制御弁においてP3<2.5MPaのとき
に上記吸引作用が働かなくなり下流側の増圧量が急激に
増加するのであれば、φ0.6mmの第2オリフィス1
7を設けることにより、たとえW/C油圧が0MPaに
なったとしてもそのときの弁室25の圧力P3は2.5
MPaであるため、十分に上記吸引作用が働き、いわゆ
る絞り状態を維持しうるのである。尚、このときのd3
とP3との関係を表すグラフを図5に示した。このグラ
フから、d3がφ0.6mm以下であれば弁室の圧力P
3は2.5MPa以上となるため絞り状態を維持しうる
ことがわかる。
【0033】かかる本実施例の効果を裏付けるべく、M
/C油圧を15MPaに設定し、等価オリフィス径d2
を0.4mmとし、φ0.6mmのオリフィスをM/C
側に設けた流量制御弁と、W/C側に設けた流量制御弁
(本実施例相当品)の各々につき、W/C油圧を変化し
つつ6ms間増圧した場合の増圧量を測定した。その測
定結果を図6に示す。但し、この測定は、実際のW/C
の代わりに、W/C油圧の値に無関係に一定の剛性(消
費液量特性)を有する固定キャリパ(金属容器内に所定
のブレーキ液を満たしたもの)を使用した。
【0034】この図6から明らかなように、本実施例の
ようにW/C側にオリフィスを設置した場合(図中●)
には、この流量制御弁を数ms開けて増圧する場合に、
W/C油圧が0Paの場合でも増圧量が増大することが
ない。このため、ABS制御を絶えず良好な制御性でも
って行うことができる。また、M/C側にオリフィスを
設置した場合(図中○)には、W/C圧力が所定値
(C)未満になると増圧量が増大する傾向にあったた
め、従来では流量制御弁を開ける時間を短縮することに
より補正していたが、本実施例ではそのような増圧時間
の調整は不要であるという長所もある。更に、W/C圧
力が0MPaになったとしても、流量変動が小さいた
め、油撃による油圧脈動も小さく、油圧脈動によって発
生するABS作動音が更に低減される。
【0035】[第2実施例]図7は本実施例の流量制御
弁の概略構成を表す断面図である。尚、第2実施例の構
成は、第1実施例と略同様であるため、同じ構成要素に
ついては同じ符号を付してその説明を省略し、以下には
相違点のみについて説明する。
【0036】流量制御弁60の弁室25には、第1実施
例の第1バネ26と第2バネ27の中間程度のバネ力を
有するバネ76が配置されている。このバネ76はボー
ル状弁体80に当接され、ボール状弁体80をシャフト
81及びプランジャ32と共にシート面22aから上方
に離間するように付勢している。但し、ボール状弁体8
0はシャフト81の下端に設けられたテーパ面に接触し
ているだけで、両者は固定されてはいない。
【0037】次にこの流量制御弁60の作動につき、第
1実施例と同様に、ABS用の油圧回路の増圧制御弁と
して用いたときを例にあげて説明する。ノーマルブレー
キ時では、第1実施例と同様、図2に示すように、流量
制御弁60は連通位置(非通電状態)、減圧制御弁2は
遮断位置(非通電状態)である。このときの流量制御弁
60は、コイル36に電流が流れていないため電磁力が
発生せず、図7に示すように、弁室25内の油圧がボー
ル状弁体80等に及ぼす力とバネ76のバネ力により、
ボール状弁体80はシャフト81とプランジャ32と共
に上方に付勢され、プランジャ32の頂部がスリーブ3
7の上面に当接する位置で停止している。ボール状弁体
80はシートバルブ20のシート面22aから完全に離
間しているため、上流側通路12と下流側通路13とを
全開状態で連通している。
【0038】そして、図示しない電子制御装置が車輪が
ロック傾向にあると判断すると、流量制御弁60を遮断
位置(通電状態)にすると共に、減圧制御弁2を連通位
置(通電状態)にして、W/C油圧を減圧し、車輪のロ
ックを防止する。このときの流量制御弁60は、コイル
36に電流が流されるため、図8に示すように、プラン
ジャ32がガイド14に接近するような電磁力が働き、
弁室25内の油圧がボール状弁体80等に及ぼす力とバ
ネ76のバネ力との和に打ち勝って下方に動き、ボール
状弁体80がシートバルブ20のシート面22aに密着
して上流側通路12と下流側通路13とを遮断するので
ある。
【0039】その後、図示しない電子制御装置が車輪の
ロック傾向が解消したと判断すると、流量制御弁60を
連通位置(非通電状態)にすると共に、減圧制御弁2を
遮断位置(非通電状態)にして、W/C油圧を増圧させ
る。この場合、W/C油圧を急激に増加させると車輪が
ロック傾向となるため、流量制御弁60と減圧制御弁2
を共に遮断させてW/C油圧を保持する状態をつくる。
そして、このような制御により、W/C油圧を徐々に増
加させ、車輪のロックを防止しつつ車両の安定性を確保
する。
【0040】このときの流量制御弁60は、コイル36
に流れていた電流が数ms(例えば6ms)だけ切断さ
れて電磁力が消失するため、図9に示すように、バネ7
6のバネ力及び弁室25の油圧がボール状弁体80等に
及ぼす力によって、ボール状弁体80はシャフト81や
プランジャ32と共に上昇しようとする。このとき、第
1実施例と同様、ボール状弁体80にはシート面22a
に向かう吸引作用が働く。ここではボール状弁体80は
シャフト81に固着していないため、吸引作用はボール
状弁体80のみに働き、シャフト81及びプランジャ3
2からの力は受けない。また、第1実施例と異なりスト
ッパ等が存在しないため、ボール状弁体80とシート面
22aとの微小隙間は一定せず、M/C油圧やW/C油
圧等によってバネ76と釣り合う位置が変化する。しか
し、絞り状態を維持する点では第1実施例と同じである
ため、流量制御弁10を数msだけ開けて増圧する場合
にその増圧量が大きくならず、良好なABS制御が可能
となる。
【0041】また、下流側通路13の油圧即ちW/C油
圧が著しく低下したとしても、弁室25と下流側通路1
3の間には第2オリフィス17が存在するため、弁室2
5の圧力はW/C油圧に伴って低くなることはなく、従
ってこの場合でも上記の吸引作用が働き、いわゆる絞り
状態を維持しうる。
【0042】第2実施例の第2オリフィス17の径d3
は、[課題を解決するための手段及び発明の効果]の欄
で既述した関係式により設定できる。この場合、ボール
状弁体80とシート面22aとの微小間隔を等価オリフ
ィスとしたときの径d2を予め経験的に求めた値に定め
ておけばよい。以上の第2実施例によれば、第1実施例
と同様の効果が得られる。
【0043】尚、上記各実施例につき、図10に示すよ
うに、ガイド14のうち弁室25の側壁に該当する箇所
に弁室25と下流側通路13とを連通する連通孔78を
設け、底面に小孔79aが設けられたSUS製のカップ
79(本発明の流路制限部材に相当)をこの連通孔78
に圧入し、弁室25と下流側通路13とを連通する小孔
79aを上記第2オリフィス17の代わりに用いてもよ
い。
【0044】ところで、ガイド14に直接第2オリフィ
ス17を設ける場合には、ガイド14が略円筒状である
ため、外から内にかけてドリルで穴を開けることにな
る。すると、第2オリフィス17の弁室25側の開口周
辺にバリが出やすくなり、大量生産したときに製品毎に
この第2オリフィス17のバリの出方が異なって各製品
の流体抵抗(弁室から下流側通路へ流れるときの流体抵
抗)が変わってしまい、製品間の性能がばらつくおそれ
がある。このため、例えば電解処理を施すことによりこ
のバリを削除することが考えられる。
【0045】この点につき、上記のように小孔79a付
きのカップ79を用いた場合には、この小孔79aを形
成する際に、弁室25側から下流側通路13側に向かっ
て穴あき加工しておけば、小孔79aの弁室25側の開
口周辺はアール状となる。このため、弁室25から下流
側通路13へと流れる流体は、この小孔79aを通過す
る際にオリフィスの流量係数が安定し、大量生産したと
しても各製品の流路抵抗が安定し、製品間の性能がばら
つかない。
【0046】同様の効果は、図11に示すように、前記
小孔79aと同様の穴あき加工を施した小孔89aを有
する平板(円板)89をかしめにより連通孔78に固定
した場合でも得られる。この場合、平板89はカップ7
9に比べて薄いため、ガイド14の体格ひいては流量制
御弁の体格を小さくすることもできる。また、かしめに
より固定しているため、圧入する場合に比べて連通孔7
8の寸法精度はラフでよい。
【0047】また、例えば上記第2実施例につき、図1
2に示すように、ガイド14に上記と同様の連通孔78
を設け、このガイド14の外周に、弁室25と下流側通
路13とを連通するように設けられた小孔90aを有す
る略円筒状の筒部材90(流路制限部材)を嵌入し、弁
室25と下流側通路13とを連通する小孔90aを上記
第2オリフィス17の代わりに用いてもよい。図10の
場合には、小孔付のカップ79をガイド14に組み付け
る際にカップ79とガイド14の穴とを位置決めする必
要があるが、図12の場合には、筒部材90をガイド1
4に組み付ける際に両者を位置決めする必要がなく組付
が容易になるという効果が得られる。
【0048】更に、例えば上記第2実施例につき、図1
3に示すように、ガイド14に一対のオリフィス17、
17を相対向して設けてもよい。一般に、図1のように
流量制御弁を油圧回路に取り付ける際、第2オリフィス
17が上を向くように配置する。これは、この流量制御
弁の組み立て時において、ハウジング11にガイド14
を圧入するとき、ガイド14にオリフィス17が1つし
か設けていない場合には流体中の空気がスムーズに抜け
出るようにすべくそのオリフィス17を上向きになるよ
うに配置する必要があったからである。しかし、図13
ではガイド14に一対のオリフィス17、17が互いに
対向する位置に設けられているため、そのような位置関
係を考慮しなくても、いずれか一方は必ず水平より上向
きになるので空気がスムーズに抜け出る。尚、同様の構
成を第1実施例に採用してもよい。
【0049】更にまた、上記各実施例では、ボール状弁
体を例に挙げて説明したが、図14に示すような平板状
の弁体であってもよいし、シャフトの先端を略半球状に
加工した弁体であってもよい。この場合、弁体の上面は
シャフト上端面となり、ここに弁室内の圧力が作用する
ことになる。
【0050】そして、上記各実施例では、弁室25内の
背圧を発生させる効果が高いという理由で流量制御弁1
0、60内に本発明の流体抵抗部である第2オリフィス
17を設けたが、流量制御弁10の外部にこれを設けて
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の流量制御弁の概略構成を表すと
共に連通位置(非通電状態)を表す断面図である。
【図2】 ABS用の油圧回路図である。
【図3】 第1実施例の流量制御弁の遮断位置(通電状
態)を表す断面図である。
【図4】 第1実施例の流量制御弁の絞り状態を表す断
面図である。
【図5】 W/C側のオリフィス径と弁室圧力との関係
を表すグラフである。
【図6】 W/C圧力と増圧量との関係を表すグラフで
ある。
【図7】 第2実施例の流量制御弁の概略構成を表すと
共に連通位置(非通電状態)を表す断面図である。
【図8】 第2実施例の流量制御弁の遮断位置(通電状
態)を表す断面図である。
【図9】 第2実施例の流量制御弁の絞り状態を表す断
面図である。
【図10】 第1及び第2実施例の変形例を表す要部断
面図である。
【図11】 第1及び第2実施例の変形例を表す要部断
面図である。
【図12】 第2実施例の変形例を表す要部断面図であ
る。
【図13】 第2実施例の変形例を表す要部断面図であ
る。
【図14】 本発明の構成を模式的に例示した説明図で
ある。
【図15】 従来の流量制御弁の断面図である。
【符号の説明】
2・・・減圧制御弁、4・・・リザーバ、6・・・ポン
プ、10・・・流量制御弁、12・・・上流側通路、1
3・・・下流側通路、14・・・ガイド、17・・・第
2オリフィス、18・・・間隙部、20・・・シートバ
ルブ、21・・・連通路、22・・・第1オリフィス、
22a・・・シート面、25・・・弁室、26・・・第
1バネ、27・・・第2バネ、28・・・ストッパ、3
0・・・ボール状弁体、31・・・シャフト、32・・
・プランジャ、33・・・凸部、35・・・ヨーク、3
6・・・コイル、37・・・スリーブ、38・・・コア
ステータ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が上流側通路から弁室を経て下流側
    通路に至るように形成された流路と、 該弁室内にて前記上流側通路の開口部を開放又は閉鎖す
    る弁体とを備え、 前記上流側通路の開口部から流出する流体の流れによっ
    て前記上流側通路の開口部に向かう吸引力が前記弁体に
    作用し、該弁体が前記開口部を微小に開いたいわゆる絞
    り状態で維持可能な流量制御弁において、 前記流路のうち前記弁室から前記下流側通路に至る途中
    又は前記下流側通路内には流体抵抗部が設けられ、前記
    下流側通路の圧力が低くなったとしても、前記流体抵抗
    部の作用によって前記弁室は所定圧以上になり前記絞り
    状態を維持可能であることを特徴とする流量制御弁。
  2. 【請求項2】 前記所定圧は、前記流体抵抗部を設けな
    い流量制御弁において下流側通路の圧力を徐々に小さく
    していったとき、絞り効果が消失しその下流側通路の流
    量が増大して増圧量が急激に増加する時点の下流側通路
    の圧力に設定されていることを特徴とする請求項1記載
    の流量制御弁。
  3. 【請求項3】 前記流体抵抗部は、オリフィスであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の流量制御弁。
  4. 【請求項4】 前記弁室と前記下流側通路とを連通する
    連通孔と、 前記連通孔を塞ぐように設けられ、前記弁室から前記下
    流側通路に向かって穴あき加工が施された前記流路抵抗
    部としての小孔を有する流路制限部材とを備えたことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流量制御
    弁。
  5. 【請求項5】 前記流路は、前記上流側通路から前記弁
    室を経て前記流体抵抗部を通過し、前記弁室を取り囲む
    間隙部を介して下流側通路へと至るように形成され、 前記流体抵抗部は、前記弁室から前記間隙部に向かって
    少なくとも相対向する2カ所に設けられていることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流量制御弁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6332655B1 (en) 1998-11-30 2001-12-25 Denso Corporation Electromagnetic valve for a hydraulic brake
CN104964083A (zh) * 2015-06-29 2015-10-07 贵州新安航空机械有限责任公司 一种增大电磁力的电磁阀结构

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US6332655B1 (en) 1998-11-30 2001-12-25 Denso Corporation Electromagnetic valve for a hydraulic brake
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