JPH10141419A - 緩衝器 - Google Patents

緩衝器

Info

Publication number
JPH10141419A
JPH10141419A JP32108296A JP32108296A JPH10141419A JP H10141419 A JPH10141419 A JP H10141419A JP 32108296 A JP32108296 A JP 32108296A JP 32108296 A JP32108296 A JP 32108296A JP H10141419 A JPH10141419 A JP H10141419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damping force
cylinder
shock absorber
solenoid valve
electrorheological fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32108296A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasumaru Kubo
久保康丸
Kazuo Kawai
河合一男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP32108296A priority Critical patent/JPH10141419A/ja
Publication of JPH10141419A publication Critical patent/JPH10141419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ9と電極円筒6との間の制御用間隙
12に印加する電界を変え、ピストン13の移動の際に
制御用間隙12を通流する電気粘性流体の見かけ上の粘
度を変えることにより減衰力を可変する緩衝器におい
て、制御用間隙に電圧を印加する電源として高電圧のも
のを用いなくとも、一般的な緩衝器と同程度の、大きな
減衰力が得られるようにすること。 【解決手段】 電気粘性流体の流路、例えばリザーバ1
7からシリンダ下室16への連通路21の途中に、消勢
された時に流路抵抗を大にする、つまり電気粘性流体を
通流させにくくする電磁弁22(流路抵抗変更手段)を
設ける。電磁弁22を付勢した時は連通路21の流路抵
抗は増大されないから、従来の電気粘性流体利用の緩衝
器と同様の減衰力を発生する。しかし、電磁弁22消勢
した時は流路抵抗が大にされ、大きな減衰力を発生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動流体として電
気粘性流体を利用している緩衝器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車に利用される緩衝器には、作動流
体として電気粘性流体を利用したものがある。電気粘性
流体は、それに印加される電界が変えられると見かけ上
の粘度が変化する流体である。印加電界を増大させる
と、粘度は変化しないが電気粘性流体中の分散粒子間の
つながりが強固となり、降伏応力が増大する。そのた
め、見かけ上、電気粘性流体の粘度が増加したようにな
る(なお、電気粘性流体に関する文献としては、特開平
5−179270号公報がある)。
【0003】緩衝器は、他から受けた衝撃力を減衰させ
る減衰力を発生するためのものであるから、種々の機器
において、衝撃を緩和したい箇所に用いられる。自動車
のサスペンションに利用される緩衝器は、乗り心地を良
くするため、衝撃の激しい路面を走行する時には大なる
減衰力を発生し、衝撃の少ない路面を走行する時には小
さな減衰力を発生するようにされているのが望ましい。
即ち、走行する路面の状況に応じて減衰力が調節できる
ものが望ましい。作動流体として電気粘性流体を用いた
緩衝器では、路面状況に応じて印加電界を変えることに
より、減衰力を調節することが出来るので、自動車のサ
スペンションには好適な緩衝器である。
【0004】図5は、そのような従来の緩衝器を示す図
である。まず、構成について説明する。図5において、
1は緩衝器、2はピストンロッド、3はシール材、4A
は上部ハウジング、4Bは中部ハウジング、4Cは下部
ハウジング、4C−1は取付部、5Aは上部ホルダー
部、5Bは下部ホルダー部、6は電極円筒、7は連通
孔、8は電極端子部、9はシリンダ、10は電極端子
部、11はシリンダ上室、12は制御用間隙、13はピ
ストン、14は連通路、15はチェックバルブ、16は
シリンダ下室、17はリザーバ、17−1は気体室、1
8はシール材、19は連通孔、20はチェックバルブ、
21は連通路である。
【0005】ハウジングは導電性の材料で作られ、上部
ハウジング4Aと中部ハウジング4Bと下部ハウジング
4Cとで構成され、シリンダ9の下部は下部ハウジング
4Cに支持され、上部は上部ハウジング4Aに支持され
ている。シリンダ9の外側には、制御用間隙12を隔て
て電極円筒6が配設されている。電極円筒6は、上部ホ
ルダー部5A,下部ホルダー部5Bにより、シリンダ9
に支持されている。電極円筒6の外周面と各ハウジング
との間の隙間は、作動流体である電気粘性流体を蓄えて
おくリザーバ17として利用される。リザーバ17の下
部には電気粘性流体が溜まっているが、その液面より上
は空気等の気体が溜まっている。そこを気体室17−1
と呼ぶことにする。
【0006】シリンダ9内には、ピストンロッド2に連
結されたピストン13が挿入されている。ピストン13
の側面にはシール材18が配設されており、ピストン1
3より上側の室であるシリンダ上室11と、下側の室で
あるシリンダ下室16とを液密に分けている。ピストン
13の部分のうち、シリンダ下室16を臨む部分には、
チェックバルブ15が設けられ、ピストン13内には、
該チェックバルブ15からシリンダ上室11に通ずる連
通路14が設けられている。チェックバルブ15は、シ
リンダ下室16から連通路14への方向(矢印Cの方
向)のみ通流させるバルブである。
【0007】下部ハウジング4Cの部分のうち、シリン
ダ下室16を臨む部分にはチェックバルブ20が設けら
れ、下部ハウジング4C内には、該チェックバルブ20
からリザーバ17に通ずる連通路21が設けられてい
る。チェックバルブ20は、連通路21からシリンダ下
室16への方向(矢印Dの方向)のみ通流させるバルブ
である。また、シリンダ9の上部側壁には、シリンダ上
室11から制御用間隙12へ通ずる連通孔7が設けら
れ、電極円筒6の下部側壁には、制御用間隙12からリ
ザーバ17へ通ずる連通孔19が設けられている。
【0008】作動流体としての電気粘性流体は、シリン
ダ下室16,連通路14,シリンダ上室11,制御用間
隙12,連通路21に満たされると共に、リザーバ17
の一部に満たされる。電源からの電線(図示せず)は、
電極端子部8と電極端子部10とに接続される。どちら
の端子部を正極あるいは負極としても構わないが、一般
的には電極端子部10が正極,電極端子部8が負極とさ
れる。電極端子部10は、ハウジングに開けられた穴に
絶縁材を介して取り付けられ、その接触子10−1にて
電極円筒6に導電的に接触している。電極端子部8は、
ハウジングを通じてシリンダ9に導電接続されている。
従って、電極端子部8と電極端子部10に電圧が印加さ
れると、電極円筒6とシリンダ9との間、つまり制御用
間隙12の厚み方向に電圧が印加されることになる。制
御用間隙12を挟んで印加される電圧が大であればある
ほど、その間にある電気粘性流体の見かけ上の粘度は大
にされる。
【0009】従って、電極端子部8と電極端子部10と
の間に大きな電圧が印加出来れば出来るほど、緩衝器で
発生し得る減衰力の可変幅は大となる。しかし、この電
圧は、リザーバ17を形成する両側壁(電極円筒6とハ
ウジング4A,4B,4C)間にも等しく印加される。
【0010】なお、自動車のサスペンション用緩衝器と
して利用可能な減衰力を発生させるには、制御用間隙1
2において、200mm程度の電極長さにわたり、数K
V/mm程度の電界がかけられるようにする必要がある
ことが知られている。電極の長さは緩衝器のサイズから
決まるが、緩衝器のサイズは、自動車における設置スペ
ースから制約を受ける。また、使用電源は高電圧のもの
ほど高電界を発生し得るが、自動車に搭載される電源の
電圧は、それほど高電圧ではない。このようなことか
ら、前記の電界を得るには、制御用間隙12の厚み(つ
まり、電極間距離)を、約1mm程度にする必要があ
る。
【0011】次に動作を説明する。 (1)ピストン13が下降する場合(圧縮時)の動作 ピストン13が下降しようとすると、シリンダ下室16
側からチェックバルブ15に加わる圧力が増加するの
で、シリンダ下室16の電気粘性流体は、チェックバル
ブ15と連通路14を通って、シリンダ上室11に流れ
る。一方、チェックバルブ20もシリンダ下室16側か
ら圧力を受けるが、チェックバルブ20は、シリンダ下
室16から連通路21の方向への流れは阻止するから、
電気粘性流体は連通路21へは流れ込まない。
【0012】下降して来るピストンロッド2の体積増加
分だけ電気粘性流体は押しのけられ、連通孔7を通って
制御用間隙12に入り、そこを通流して連通孔19より
リザーバ17へ流れ込む。その場合、制御用間隙12に
印加されている電界が大であれば、電気粘性流体の見か
け上の粘度も大となり、制御用間隙12をなかなか通流
しない。これは、ピストン13の下降に対して大きな抵
抗力となって作用する。つまり、大きな減衰力となって
作用する。逆に印加電界が小であれば、見かけ上の粘度
は小となり、電気粘性流体は制御用間隙12を容易に通
流することが出来、減衰力は小となる。
【0013】(2)ピストン13が上昇する場合(伸長
時)の動作 ピストン13が上昇しようとすると、シリンダ上室11
の体積が小とされるから、その中の電気粘性流体は、連
通孔7を通って制御用間隙12に入り、そこを通流して
連通孔19よりリザーバ17に流れこむ。チェックバル
ブ15の部分では、電気粘性流体が連通路14からシリ
ンダ下室16に向かって流れ出ようとするが、この方向
はチェックバルブ15の阻止方向なので流れ出ることは
ない。
【0014】一方、シリンダ下室16の体積は増加され
るから、チェックバルブ20には矢印Dの方向に圧力が
かかる。チェックバルブ20はこの方向には流し得るか
ら、体積の増加分を埋めるべく、リザーバ17の電気粘
性流体は、連通路21およびチェックバルブ20を通っ
てシリンダ下室16に流れこむ。この場合も、ピストン
13を動かす力に対する減衰力は、制御用間隙12に印
加する電界を変えることによって調節することが出来
る。
【0015】図6は、電気粘性流体を利用した緩衝器の
減衰力特性を示す図である。横軸はピストン速度であ
り、正方向をピストン伸び側,負方向をピストン縮み側
としている。縦軸は発生される減衰力であり、曲線a1
は、制御用間隙12に電界をかけない場合の特性を表
し、曲線a2 は、許容される最大の電界を印加した場合
の特性を表している。これらの曲線間の縦軸方向の長さ
(図中の矢印Kで表す長さ)は、減衰力の可変範囲を示
している。印加電界を変えることにより、この範囲で減
衰力を任意に変えることが出来る。
【0016】なお、このような緩衝器に関する従来の文
献としては、例えば、特開平6−101737号公報,特開平
6−174001号公報,特開平6−241264号公報,特開平6
−241265号公報等がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)しかしながら、前記した従来の電気粘性流体
利用の緩衝器では、大きな減衰力を得ようとすると高電
圧の電源を必要とし、コストが高くなってしまうという
問題点があった。
【0018】(問題点の説明)電気粘性流体利用の緩衝
器は、印加する電界を変えれば直ちにしかも連続的に減
衰力を変えることが出来るので、ロータリバルブで流路
の絞りを段階的に可変したりする緩衝器(例、特開平4
−258541号公報参照)に比べ、応答性良く、しかも所望
の大きさの減衰力を発生させることが出来るという優れ
た点を有している。しかしながら、電気粘性流体を利用
しない「一般的な緩衝器」に比べ、得られる減衰力が小
さかった。
【0019】図7は、従来の一般的な緩衝器および従来
の電気粘性流体利用の緩衝器の減衰力特性を併せて示し
た図である。符号は図6のものに対応し、曲線cは一般
的な緩衝器(これを「緩衝器C」とする)の減衰力特性
を示す曲線である。曲線b1,b2 は、電気粘性流体利
用の別の緩衝器(これを「緩衝器B」とする)の減衰力
特性の下限および上限を示す曲線である。なお、上限,
下限が曲線a1 ,a2であり、伸び側の減衰力と縮み側
の減衰力とが、ほぼ同程度となっている電気粘性流体利
用の緩衝器を、「緩衝器A」とする。
【0020】曲線cから分かるように、緩衝器Cは、ピ
ストンの縮み側に比べ、伸び側において大きな減衰力を
発生する特性となるよう、設計されている(車両の乗り
心地を良くするには、緩衝器の特性は、そのような特性
が良いとされている)。電気粘性流体利用の緩衝器Aで
も、伸び側の減衰力を、緩衝器Cと同程度の大きさにし
たいところであるが、それには高電圧の電源を必要と
し、コストが高くなってしまう。そこで、使用する電源
は同じままで、他の機械的な構造諸元を調整して、緩衝
器Cの特性に近づけようとすることも行われている。そ
のようにしたものが、緩衝器Bである。しかし、構造諸
元の調整で伸び側の減衰力を大にするのには限界があ
り、曲線cの大きさの減衰力特性を得ることは出来てい
ない。本発明は、以上のような問題点を解決することを
課題とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、ピストンが挿入されたシリンダと、該
シリンダに外挿され、絶縁材製のホルダー部により該シ
リンダと制御用間隙を隔てて支持されている電極円筒
と、該電極円筒とハウジングとの間の隙間を利用して形
成されたリザーバと、ピストンの動きに従い前記シリン
ダ,前記制御用間隙,前記リザーバを通流する電気粘性
流体と、前記シリンダと前記電極円筒との間に電圧を印
加し、前記制御用間隙を通流する電気粘性流体の見かけ
上の粘度を調節して減衰力を可変する緩衝器において、
前記電気粘性流体の流路の途中に、流路抵抗を大に変更
する流路抵抗変更手段を接続することとした。
【0022】なお、流路抵抗変更手段を接続する流路と
して、リザーバからハウジング内を通過してシリンダ下
室に至る流路を選定することが出来る。
【0023】(解決する作用の概要)電気粘性流体利用
の緩衝器において、電気粘性流体の流路の途中に流路抵
抗を大に変更し得る流路抵抗変更手段を接続したので、
減衰力は、その流路抵抗変更手段による流路抵抗と、電
気粘性流体の見かけ上の粘度(言い換えれば、印加電
界)とにより決められるようになった。そのため、高電
圧の電源を用意しなくとも、大きな減衰力を発生させる
ことが可能となった。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明にかかわる緩衝器の
第1の実施形態を示す図である。符号は図5のものに対
応し、22は電磁弁である。図5と同じ符号の部分は、
同様のものであるので、それらの説明は省略する。構成
上、図5の従来例と相違する点は、リザーバ17とチェ
ックバルブ20とを連絡する連通路21の途中に、流路
抵抗変更手段としての電磁弁22を設けたという点であ
る。
【0025】図2は、電磁弁22の1例を示す図であ
る。図2において、23は電磁弁コイル、24は通流
路、25は絞り流路、26は復帰バネである。図2
(イ)は、弁の位置がオンとオフの2種だけであり、オ
ンした時の開度は調整できないところの「オンオフ電磁
弁」を示し、図2(ロ)は、オンした時の弁の開度が調
整可能であるところの「比例電磁弁」である。
【0026】いずれの電磁弁でも、電磁弁コイル23に
電流が流されると(オン時)、電磁弁22は付勢され、
通流路24が流体通路(図2では図示せず。図1の場
合、連通路21がそれに当たる。)につながれ、流体は
良好に通流する。一方、電磁弁コイル23への電流が遮
断されると(オフ時)、復帰バネ26の力により絞り流
路25が流体通路につながれ、流体は流路抵抗大の絞り
を通して通流する。比例電磁弁の場合、オンした時の弁
の開度(通流路24の通流開口面積)が、複数段階に変
えられるようになっている。
【0027】図1の電磁弁22としてオンオフ電磁弁を
使用した場合、電磁弁22がオンされていると、連通路
21の流路抵抗は、図5の従来例における連通路21の
流路抵抗と変わりない。しかし、電磁弁22がオフされ
ると、電気粘性流体を通流させにくくなり、連通路21
の流路抵抗は大となる。
【0028】図1に戻るが、電磁弁22を付勢する電源
としては、電極端子部8,10に電圧を印加している電
源を用いることも出来るし、別の電源を用いることも出
来る。図3は、同じ電源を用いた場合の回路図を示して
いる。図3において、符号は図1のものに対応し、30
は直流電源、31は電圧制御部、32はコントローラ、
33はスイッチ制御部である。直流電源30は、スイッ
チ制御部33を経て電磁弁22に接続されると共に、電
圧制御部31を経て電極端子部10,8に接続される。
制御用間隙12への印加電圧の可変は、コントローラ3
2により電圧制御部31を制御することにより行われ
る。同様に、スイッチ制御部33の制御も、コントロー
ラ32によって行われる。コントローラ32は、それら
の制御を、図示しない各種センサ(例、車速センサ,操
舵角計,ブレーキスイッチ,アクセル開度センサ等)か
らの検出信号により車両の運転状況を判断し、それに基
づいて行う。
【0029】次に、本発明における動作を、詳細に説明
する。図4は、本発明の前記実施形態にかかわる緩衝器
の減衰力特性を示す図であり、横軸,縦軸,符号は、図
7のものに対応している。そして、曲線d1 ,d2 は、
減衰力の下限,上限を示す曲線であり、制御用間隙へ印
加する電圧を変えることにより、それらの間の減衰力を
得ることが出来る。何故このような減衰力特性となるか
は、以下に動作説明をしながら説明する。なお、図1の
緩衝器1は、構造諸元の調整によりピストン伸び側の減
衰力をある程度増大させた図7の緩衝器B(減衰力の下
限が曲線b1 ,上限が曲線b2 の緩衝器)に対して、電
磁弁22を取り付けたものとする。電磁弁22として
は、説明の都合上、オンオフ電磁弁を用いたとする。
【0030】緩衝器の動作を、電磁弁22がオンしてい
る場合と、オフしている場合とに分けて説明する。 (1)電磁弁22をオンしている場合の動作 コントローラ32により図3のスイッチ制御部33がオ
ンされると、電磁弁22がオンとなり、連通路21は電
気粘性流体をよく通流させる状態となる。制御用間隙1
2を通流する電気粘性流体の見かけ上の粘度は、印加さ
れる電圧(電界)に応じて変化され、それに対応した減
衰力を発生する。従って、この場合の緩衝器1は、ピス
トン13が伸び側に動く場合も縮み側に動く場合も、前
記した従来の緩衝器Bと同様の動作をし、減衰力特性も
同じになる。即ち、減衰力特性は、図4の曲線b1 ,曲
線b2 の間で可変される特性となる。
【0031】(2)電磁弁22をオフしている場合の動
作 コントローラ32によりスイッチ制御部33がオフされ
ると、電磁弁22がオフとなり、連通路21は電気粘性
流体を通流させにくい状態となる。つまり、連通路21
の流路抵抗は大なる値に変更される。一方、制御用間隙
12を通流する電気粘性流体の見かけ上の粘度は、印加
される電圧(電界)に応じて変化され、それに対応した
減衰力を発生することに変わりはない。
【0032】(2−1)ピストン13が伸び側に動く場
合 これは図1ではピストン13が上昇させられる場合であ
るが、ピストン13の上昇によりシリンダ下室16が拡
大され、チェックバルブ20は開くから、連通路21を
通してリザーバ17より電気粘性流体を引き入れようと
する。従って、連通路21の流路抵抗が減衰力に影響を
及ぼす。その流路抵抗が大となっているから、それによ
り大きな減衰力を受ける。それに加えて、制御用間隙1
2での流路抵抗による減衰力も、相変わらず受けてい
る。従って、この場合の減衰力特性は、伸び側において
は緩衝器Bより傾きが大であるところの、図4の曲線d
1 (電圧無印加時),曲線d2 (最大電圧印加時)の間
で可変される特性となる。
【0033】(2−2)ピストン13が縮み側に動く場
合 これは図1でピストン13が下降させられる場合である
が、この場合には連通路21の流路抵抗は減衰力の大き
さに影響を及ぼさないから、電磁弁22がオフしていて
も、減衰力は、電磁弁22がオンしている時と同じであ
る。即ち、縮み側の減衰力特性は、図4の曲線d1 (=
1 ),曲線d2 (=b2 )の間で可変される特性とな
る。
【0034】曲線cは従来の一般的な緩衝器Cの減衰力
特性であるが、電磁弁22による流路抵抗を適宜設定す
ることにより、曲線cを曲線d1 と曲線d2 とで囲まれ
る可変範囲に入るようにすることが出来る。そうするこ
とにより、本発明の緩衝器で、緩衝器Cで得られたよう
な減衰力特性を得ることが出来る。
【0035】また、図4の特性曲線b1 ,b2 の組とd
1 ,d2 の組とから分かるように、電磁弁22のオン,
オフにより、緩衝器の減衰力可変領域として2種類の領
域(曲線b1 ,b2 の領域は、言わば「減衰力ソフト領
域」、曲線d1 ,d2 の領域は、言わば「減衰力ハード
領域」)を得ることが出来る。従って、これらを車両の
運転状況によって使い分けることが出来る。例えば、通
常は減衰力ソフト領域で運転していて、車両に慣性力が
働くような状況になると、減衰力ハード領域に切り換え
るというように使い分けることが出来る。なお、その切
り換えは、運転手が手動で行ってもよいし、運転状況に
応じてコントローラが自動的に行うようにすることも出
来る。
【0036】上例では、電磁弁22としてオンオフ電磁
弁を用いた場合を例にとって説明したが、もし、比例電
磁弁を用いたとすれば、電磁弁の開度を変えることによ
り、通流の程度(言い換えるなら、流路抵抗)が変えら
れるから、図4の伸び側に示されている曲線d1 ,d2
の傾きを変えることが出来る。その他の動作は、オンオ
フ電磁弁と同じである。
【0037】図1の実施形態では、ピストン13が伸び
側(上昇側)に動く際の流路抵抗が大となるような位置
(連通路21の途中)に、流路抵抗変更手段(電磁弁2
2)を設けたが、縮み側(下降側)に動く際の流路抵抗
が大になるような位置に設けても、あるいは両方の側に
設けても、大きな減衰力を得ることが出来る。しかし、
両方の側に設けると電磁弁の個数が複数となるので、コ
ストもかかるし構造も複雑となる。そこで、ピストン1
3の両方の動き(伸び側の動き,縮み側の動き)に対す
る流路抵抗の変更を、共通の1個の電磁弁で行うように
することも出来る。それを次に示す。
【0038】(第2の実施形態)図8は、本発明にかか
わる緩衝器の第2の実施形態を示す図である。符号は図
1のものに対応している。構成上、図1のものと相違す
る点は、連通路21に電磁弁22を設けることは止め、
制御用間隙12からリザーバ17への連通孔19を1個
だけとし、そこに電磁弁22を設けた点である。電磁弁
22をその位置に設けるために、下部ホルダー部5Bの
長さを連通孔19の位置を越える長さとし、下部ホルダ
ー部5Bを支持体として、電磁弁22を電極円筒6に接
触しないように設ける。下部ホルダー部5Bは絶縁体で
あるので、電磁弁22と電極円筒6との間は絶縁されて
いる。
【0039】ピストン13がいずれの方向に動く時で
も、制御用間隙12にある電気粘性流体は、連通孔19
を通ってリザーバ17へ流出しようとするから、いずれ
の場合も電磁弁22を通らなければならず、その流路抵
抗の影響を受けることになる。なお、前記第1,第2の
実施形態では、流路抵抗変更手段として電磁弁を用いた
が、同様の機能を発揮する他の手段を用いることも可能
である。
【0040】(電源故障時の減衰力確保対策)第1の実
施形態では、電磁弁22を付勢する電源は、制御用間隙
12に電圧を印加する電源と同じ電源を用いてもよい
し、別電源を用いてもよいとしたが、もし、図3で示し
たように同じ電源を用いると、以下に説明するように、
制御用間隙12の電源故障時に、減衰力を確保し、減衰
力の急減を防止することが出来る。但し、流路抵抗手段
としては、消勢されると流路抵抗を大にする手段を用い
るものとする。例えば、電磁弁22を用いた場合、消勢
されるとオフとなる、いわゆるノーマルクローズ式(常
閉式)の電磁弁を用いる。
【0041】図3の電気回路図において、直流電源30
が故障すると、制御用間隙12間には電圧が印加されな
くなり、そこにある電気粘性流体の見かけ上の粘度は最
小になる。一方、電磁弁22にも電圧が印加されなくな
り、それが取り付けられている連通路21の流路抵抗は
大となる。従って、ピストン13が伸びようとする時
に、大きな減衰力を確保することが出来る。
【0042】このように、電源故障時でも、連通路21
に常閉式の電磁弁22を接続しておくことにより、ピス
トン13の伸び側においては、或る程度の減衰力を確保
することが出来る。車両に使用される緩衝器では、伸び
側あるいは縮み側のいずれか一方で、或る程度の大きさ
の減衰力が確保されれば、乗り心地の点では必ずしも良
くなくとも、車両を安全な状態に保つことは出来るか
ら、緩衝器をフェールセーフの構造とすることが出来
る。従って、電源故障時に所要の減衰力を発生するため
の専用の流路を作る必要もなくなる。なお、この電源故
障時の減衰力確保対策は、第2の実施形態についても同
様に講じられるものであることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の緩衝器によれ
ば、次のような効果を奏する。 (請求項1の効果) 電気粘性流体に電圧を印加するための電源を、コスト
の高い高電圧の電源としなくとも、従来の一般的な緩衝
器と同程度の大きさの減衰力を得ることが出来るように
なった。 流路抵抗変更手段を非作動時に流路抵抗が大となる種
類のものを用い、該流路抵抗変更手段を作動させる電源
を、電気粘性流体に電圧を印加するための電源と共用す
ると、電源故障時に緩衝器の減衰力が急減するのを防止
出来る。これにより、電源故障時の減衰力急減を防止す
るために、緩衝器内に専用の流路を設ける必要もなくな
る。
【0044】(請求項2の効果)請求項1の効果におけ
るの効果の他、次のような効果を奏する。 電気粘性流体に電圧を印加するための電源を、コスト
の高い高電圧の電源としなくとも、緩衝器のピストンが
伸びる側に動こうとする際の減衰力を、従来の一般的な
緩衝器と同程度の大きさの減衰力とすることが出来るよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかわる緩衝器の実施形態を示す図
【図2】 電磁弁の1例を示す図
【図3】 電磁弁と制御用間隙への電源供給回路を示す
【図4】 本発明の緩衝器の減衰力特性を示す図
【図5】 従来の緩衝器を示す図
【図6】 従来の緩衝器の減衰力特性を示す図
【図7】 従来の一般的な緩衝器および従来の電気粘性
流体利用の緩衝器の減衰力特性を示す図
【図8】 本発明にかかわる緩衝器の第2の実施形態を
示す図
【符号の説明】
1…緩衝器、2…ピストンロッド、3…シール材、4A
…上部ハウジング、4B…中部ハウジング、4C…下部
ハウジング、4C−1…取付部、5A…上部ホルダー
部、5B…下部ホルダー部、6…電極円筒、7…連通
孔、8…電極端子部、9…シリンダ、10…電極端子
部、11…シリンダ上室、12…制御用間隙、13…ピ
ストン、14…連通路、15…チェックバルブ、16…
シリンダ下室、17…リザーバ、18…シール材、19
…連通孔、20…チェックバルブ、21…連通路、22
…電磁弁、23…電磁弁コイル、24…通流路、25…
絞り流路、26…復帰バネ、30…直流電源、31…電
圧制御部、32…コントローラ、33…制御部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンが挿入されたシリンダと、該シ
    リンダに外挿され、絶縁材製のホルダー部により該シリ
    ンダと制御用間隙を隔てて支持されている電極円筒と、
    該電極円筒とハウジングとの間の隙間を利用して形成さ
    れたリザーバと、ピストンの動きに従い前記シリンダ,
    前記制御用間隙,前記リザーバを通流する電気粘性流体
    と、前記シリンダと前記電極円筒との間に電圧を印加
    し、前記制御用間隙を通流する電気粘性流体の見かけ上
    の粘度を調節して減衰力を可変する緩衝器において、前
    記電気粘性流体の流路の途中に、流路抵抗を大に変更し
    得る流路抵抗変更手段を接続したことを特徴とする緩衝
    器。
  2. 【請求項2】 流路抵抗変更手段を接続する流路とし
    て、リザーバからハウジング内を通過してシリンダ下室
    に至る流路を選定したことを特徴とする請求項1記載の
    緩衝器。
JP32108296A 1996-11-15 1996-11-15 緩衝器 Pending JPH10141419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32108296A JPH10141419A (ja) 1996-11-15 1996-11-15 緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32108296A JPH10141419A (ja) 1996-11-15 1996-11-15 緩衝器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10141419A true JPH10141419A (ja) 1998-05-29

Family

ID=18128616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32108296A Pending JPH10141419A (ja) 1996-11-15 1996-11-15 緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10141419A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103322113A (zh) * 2013-05-31 2013-09-25 重庆大学 基于磁流变材料的可控力矩装置
JP2017015244A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置
JP2019015375A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103322113A (zh) * 2013-05-31 2013-09-25 重庆大学 基于磁流变材料的可控力矩装置
JP2017015244A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置
JP2019015375A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2977643B1 (en) Shock absorber
US4949989A (en) Automotive suspension system with variable suspension characteristics and variable damping force shock absorber therefor
EP0257932B1 (en) Tunable electrorheological fluid mount
US5009402A (en) Vehicle engine and suspension vibration control arrangement
KR102623846B1 (ko) 차량용 댐퍼 제어장치
US11104198B2 (en) Suspension control apparatus
JPH10141419A (ja) 緩衝器
JP4096153B2 (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JPH1122775A (ja) バネ定数可変バネ装置および車両懸架装置
KR100204904B1 (ko) 자동차용 자력식 충격흡수기
JPH10141418A (ja) 緩衝器
JPH10110769A (ja) 緩衝器
JP2003278819A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JP3339234B2 (ja) 緩衝器
JP2004316900A (ja) 減衰力調整式緩衝器
JP3525740B2 (ja) ショックアブソーバ
JP3158321B2 (ja) 緩衝器
JPH10196706A (ja) 緩衝器
JPH05106677A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
KR20050070578A (ko) 유체 봉입형 서스펜션 부시
JPH035693Y2 (ja)
JPS647045Y2 (ja)
JPH1141805A (ja) 電気粘性流体利用緩衝器電源装置
JPH0495628A (ja) 減衰力可変式振動減衰装置
KR940009287B1 (ko) 차량의 능동제어식 현가장치용 유압장치를 위한 직동식 전자비례감압밸브

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050607

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051018

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02