JPH10140360A - プラズマ処理方法及びその装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びその装置

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JPH10140360A
JPH10140360A JP29841696A JP29841696A JPH10140360A JP H10140360 A JPH10140360 A JP H10140360A JP 29841696 A JP29841696 A JP 29841696A JP 29841696 A JP29841696 A JP 29841696A JP H10140360 A JPH10140360 A JP H10140360A
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plasma
electrode
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plasma processing
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JP29841696A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Anami
秀利 阿南
Shinji Sasaki
新治 佐々木
Toru Otsubo
徹 大坪
Hiroshi Inaba
宏 稲葉
Yuichi Kokado
雄一 小角
Hiroyuki Kataoka
宏之 片岡
Yoshinori Honda
好範 本田
Shigehiko Fujimaki
成彦 藤巻
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の表面へバイアススパッタ或いはCVDに
よる薄膜形成、エッチング加工及び加熱等のプラズマ処
理を行う場合に、特に基板が導電体でない場合にも外部
から直接バイアス電圧を印加しなくとも、基板にバイア
ス電位を発生させ、イオン入射を利用したプラズマ処理
を行う方法とその装置を提供する。 【解決手段】真空装置内に載置された基板と対向して電
極を設け、電極と基板の電極側表面とを非接触とし、か
つプラズマが発生しない間隔以下にし、基板とプラズマ
を発生させる高周波回路とを電気的に絶縁された状態で
あるようにする。基板表面に電極を接触させることな
く、基板の表面に電界を発生させ、イオン入射を起こす
ことが可能であり、従来のように基板への電極の接触点
で電流が集中し、膜の蒸発とそれにともなう異常放電
や、バイアス印加不良が発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば被処理基板
へのバイアススパッタ或いはCVDによる薄膜形成、エ
ッチング加工及び加熱等のプラズマ処理を行う方法とそ
の装置に係わり、特に基板が導電体でない場合、或いは
基板に導電体を接触させることによる電気的な制御を行
わない場合にも、好適な基板へのプラズマ処理を行う方
法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクに代表される基板へのバイ
アススパッタによる薄膜形成を行うには、例えば特開平
3−283111号公報に記載されているように、対向
した二つのターゲット電極の中間に、表面をそれぞれの
ターゲット電極に向けて導電体基板を載置し、それぞれ
のターゲット電極に負電位を印加してターゲット電極上
にプラズマを発生させ、プラズマ中のイオンによりター
ゲット表面をスパッタし、飛散したターゲット材料から
成る粒子を基板表面に付着させる方法が知られている。
また、このとき基板保持機構に交流または負の直流電位
を印加することで、基板縁部に接触する導電体の保持爪
を介し、基板に交流または負の直流電位を印加する方法
が知られている。
【0003】また、例えば特開平4−79025号公報
に記載されているように、基板が絶縁体である場合に
は、基板表面にあらかじめ導電性膜を形成することで、
基板表面と導電性の保持爪との間に電気的接触を得る方
式も知られている。この保持爪を介して基板表面に与え
るバイアス電位により、プラズマ中のイオンは基板表面
にも衝突し、そのエネルギを成膜されている表面分子に
与え、形成する膜の結晶性を高め、磁気特性向上に効果
があることも知られている。
【0004】さらに例えば特開平5−140752号公
報に記載されている様に、従来、プラズマCVDによる
基板両面への炭素膜形成法は、前記二つの従来例と同様
に基板保持機構に基板を載置し、基板保持用爪との接触
により基板と電気的導通を得ている。この基板保持機構
を接地し、基板を挟んで対向する二つの電極を真空容器
に配置し、真空容器内を高真空に排気した後、成膜原料
ガスとしてメタン等の処理ガスを所定の圧力導入する。
前記二つの電極それぞれに高周波電源を接続し、接地電
位との間に高周波電力を印加する。各電極と基板との間
には印加された高周波電位によりプラズマが発生し、高
周波電源からは順次、→電極→プラズマ→基板→基板保
持機構→アース→高周波電源という経路の高周波電流が
流れ、基板とプラズマ間に電位差が発生する。この時、
イオン化した処理ガスが、基板表面に発生する電界によ
り加速され、基板表面に衝突することによって、基板表
面に高強度の炭素膜を形成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの例で
は第一に基板がガラス等の絶縁材料である場合、基板保
持機構と基板間に電流が流れないので基板表面とプラズ
マ間には電位差が発生せず、従って成膜面に対するイオ
ン衝撃による膜質向上効果または成膜効果は期待できな
い。成膜する材料が金属等の導電性膜である場合、成膜
処理を行うことで基板表面は導電性になるが、基板保持
機構と基板との接触点の周りは陰になるため、接触点の
周囲には導電性膜が成膜されない。このため、基板保持
機構と基板は電気的接触ができず、基板表面にバイアス
電位を発生させることはできない。
【0006】また、第二に特開平4−79025号公報
に記載されているように、絶縁体基板表面にあらかじめ
導電性膜を形成する方法では成膜行程が複雑になるだけ
ではなく、保持爪と基板との間の接触はごく微少な面積
であり、そこに集中する電流により導電性膜が急激に加
熱され、しばしば蒸発し、電気的な接触不良を起こした
り、基板を損傷するという問題があった。
【0007】従って、本発明の目的は、これら従来の問
題点を解決することにあり、基板保持機構を介して外部
から被処理基板へ直接的にバイアス電位を与えなくと
も、実質的に被処理基板にバイアス電位を与えたのと等
価の効果が得られ、バイアススパッタ或いはCVDによ
る薄膜形成、エッチング加工及び加熱等のプラズマ処理
を行える方法、及びそれを実現する処理装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第一の課題を解決するた
めには、電極と基板の電極側表面との間隔(以下、基板
の電極と反対側の面を基板のA面、基板の電極側面をB
面と表記する。基板のA面がプラズマ処理される面であ
る)をプラズマが発生しない間隔に保つことで達成でき
る。プラズマとみなせる最小の距離は一般にデバイ長と
呼ばれ次式で表される。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、λdはデバイ長、ε0は真空中の
誘電率、kはボルツマン定数、Neは電子密度、qは電
子の電荷、Teは電子温度である。この距離以下であれ
ばプラズマは発生しない。ただし、被処理基板を搬送す
るときの位置ずれなどにより電極と被処理基板B面の最
小間隔は0.1mmが限界である。
【0011】真空容器内のアノード電極とカソード電極
間で高周波電力を印加し、プラズマを発生させると、高
周波電流はアノード電極からプラズマを通りカソード電
極に流れる。カソード電極と被処理基板のB面を0.1mm
からプラズマ状態によって定まるデバイ長の間に保ち、
この間でプラズマを発生させないと、アノード電極から
カソード電極へ流れる高周波電流は、アノード電極→プ
ラズマ→被処理基板→カソード電極という経路をたど
る。このように高周波電流が被処理基板を通して流れる
ようになるので、プラズマと被処理基板間に電位差が発
生する。基板のA面では、プラズマと基板表面間に発生
した電界により加速されたイオンが入射するようにな
り、基板表面にエネルギを与えることができる。
【0012】これにより、外部から直接的にバイアス電
圧を与えなくても、実質的にバイアス電位を与えたのと
等価の効果が得られ、絶縁体基板であってもイオン入射
を利用したプラズマ処理を行うことができる。また、基
板と電極を非接触にすることにより、電極から基板表面
に異物が付着したり、基板表面に傷をつけたりすること
なくプラズマ処理ができ、片面ずつ処理することで基板
の両面をプラズマ処理することも可能である。この時、
基板は基板保持機構と電気的に絶縁された状態にある
か、また基板保持機構が基板以外の部位と電気的に絶縁
されているか、または基板保持機構がプラズマを発生さ
せるための高周波回路と電気的に絶縁されているように
すればよい。
【0013】第二の課題は、上記構成で基板と基板保持
機構を同電位とし、基板と基板保持機構の間で電流が流
れないようにすることで解決できる。基板と基板保持機
構を同電位にするには、基板保持機構の基準電位、例え
ばアースに対する静電容量を調整することで達成でき
る。
【0014】なお、本発明のプラズマ処理方法は、スパ
ッタリングやCVDによる成膜方法、プラズマエッチン
グ方法、プラズマアッシング方法など、いずれも周知の
プラズマ処理方法一般に適用可能である。
【0015】このように本発明によれば基板と電極とを
接触させることなく基板に電界を発生させ、イオン入射
を起こすことが可能であり、従来のように基板表面が絶
縁体であっても、その表面へイオン入射を行うことが可
能である。この手段をバイアススパッタ成膜法に用いれ
ば、イオン衝撃により膜中の結晶性が向上し、磁性膜の
保持力向上が図れる。またCVD法に用いれば、絶縁体
基板の表面に所望する膜を成膜することができる。更に
エッチング法に用いることで絶縁体基板の表面をエッチ
ング処理することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に本発明の第1の実施例であ
る磁気記録装置用磁気ディスクのカーボン保護膜形成用
CVD電極について示す。真空容器1には排気装置2、
及び処理ガス供給装置3を接続している。成膜対象とな
る基板4は絶縁板5により周囲と電気的に絶縁した基板
保持具6により保持する。
【0017】プラズマ18から基板保持具6に流れる電
流により基板保持具6の電位が決まることを利用して、
プラズマ18が発生したときに基板4と基板保持具6が
同電位になるように絶縁板5の静電容量を定めている。
これを行わず、基板4と基板保持具6との間に電位差が
発生すると基板4と基板保持具6が接触している部分に
電流が集中し、その部分で急激に基板4が加熱され、基
板4を損傷する場合がある。
【0018】基板保持具6には基板4に対向して設けた
電極7の面の平行な軸に対して、基板4を回転させるた
めの回転装置8を接続している。回転装置8には基板4
を真空容器1内に搬送するための搬送装置9を接続して
いる。予備室10には予備室用排気装置11を接続して
いる。シール板12は基板4を真空容器1に搬送したと
きに予備室10から真空容器1を密閉するためのもので
ある。電極7はアースに接続しており、また電極7の位
置を制御するための電極駆動装置13を接続している。
【0019】高周波電源14は整合器15を介して絶縁
材16で電気的に絶縁されたアノード電極17に接続し
ており、アース電位との間に高周波電位を印加し、プラ
ズマ18を発生させる。
【0020】次に第1の実施例による成膜方法を説明す
る。図示していない基板搬入器より予備室10へ基板4
を搬入した後、予備室用排気装置11により予備室10
を1Pa以下の高真空に排気する。真空容器1はその前に
排気装置2により1Pa以下の高真空に排気しておく。排
気が終わったら搬送装置9により基板4を真空容器1内
に地面に対して垂直に搬送して載置してから、電極7と
基板4のB面との間隔を電極駆動装置13により0.1mm
からプラズマ状態によって定まるデバイ長の間に調整す
る。本発明で使用するプラズマは電子温度Neが10の8
乗から10の11乗立方センチメートル、電子温度Teが100
00Kから100000K程度の範囲内にあるため、これを(式
1)に代入するとデバイ長λdは0.022mmから2.2mm程度
となる。本実施例では最小値を余裕をみて0.7mmとし、
0.7mmから2.2mmの間に調整できるようにしている。間隔
の調整を行っている間に真空容器1を排気装置2により
0.01Pa以下の高真空に排気する。この後、処理ガス
供給装置3により、例えばメタンを該真空容器1内で1
〜30Paになるように供給する。
【0021】高周波電源14より整合器15を介してア
ノード電極17に所定の電力を供給し、処理ガスを電離
させてプラズマ18を発生させる。高周波電流はアノー
ド電極17からプラズマ18を通り、電極7に流れる
が、電極7と基板4の電極7のB面との間ではプラズマ
が発生しないので、電極7の基板4に覆われている部分
では、基板4を介して高周波電流が電極7に流れる。こ
れにより基板4とプラズマ18間で電位差が発生し、基
板4のA面にはイオンが入射する。この時、基板4のA
面に入射するイオンは基板4とプラズマ18間の電界に
より加速され、該基板4表面に衝突してメタン分子を分
解して、その結晶構造が非結晶であるC膜を堆積する。
所望の膜厚を堆積したらいったん処理ガスと電力の供給
を止めて電極7を移動させた後、回転装置8により基板
4を電極7面に対して180度回転させる。この後、電
極駆動装置13により電極7の位置を調整し、再び処理
ガス及び電力を供給してプラズマ18を発生させ、前記
と同じように膜を堆積させることで基板4の両面に成膜
を行うことが可能である。
【0022】成膜結果の一例を図2に示す。(a)は電
極と基板B面間隔に対する成膜速度を示すグラフであ
り、これから間隔が狭いほど成膜速度が向上している。
これは、間隔が狭いほど電極と基板B面間の静電容量が
大きくなってインピーダンスが下り、ここで消費される
電力が小さくなり、その分成膜に費やされる電力が増加
するためである。従って、電極と基板B面間の間隔が狭
いほど生産性は向上する。(b)は間隔が0.7mmのとき
の膜厚分布を示している。これから均一性は±7%以下で
あり、均一性よく成膜されていることが実証できた。
【0023】このように本発明によれば、基板に電極を
接触させることなく基板へ電界を発生させ、イオン入射
を起こすことが可能であり、従来のように基板と電極と
の接触点で電流が集中することによる膜の蒸発とそれに
ともなう異常放電や、成膜不良が発生しない。また従来
必要であった導電性膜の事前成膜が不要であり、基板表
面が絶縁体であっても、その表面へC膜の成膜が可能で
ある。
【0024】第1の実施例は、処理ガスをAr等の不活
性ガスまたは処理対象基板表面組成に対して腐食性を持
つガスに変えることで基板両面へのプラズマエッチング
処理、またはプラズマアッシング処理を行うことができ
る。
【0025】図3に本発明の第2の実施例である磁気記
録装置用磁気ディスクのカーボン保護膜形成用CVD電
極について示す。実施例1と同じ番号を付したものは、
それと同等の機能を有している。
【0026】回転装置8には基板支え爪20を接続して
いる。基板支え爪20は図4に示すような形状をしてお
り、基板4の外周部を挟み、基板4を支える。真空容器
1と予備室10は、ゲートバルブ30で互いに区切られ
ている。基板保持具6は電極7の中央部に配置してい
る。
【0027】次に第2の実施例による成膜方法を説明す
る。図示していない基板搬入器より予備室10に基板4
を搬入した後、予備室用排気装置11により予備室10
を1Pa以下の高真空に排気する。真空容器1はその前に
排気装置2により1Pa以下の高真空に排気しておく。排
気が終わったらゲートバルブ30を開いて、搬送装置9
により基板4を真空容器1内に搬送した後、電極7を電
極駆動装置13により上昇させて、基板4の中央部の穴
に基板保持具6を挿入させる。その後、基板4から基板
支え爪20を外して、基板保持具6に基板4が載置され
たら、電極7を元の位置に移動させる。基板支え爪20
は予備室10に戻し、ゲートバルブ30を閉じる。
【0028】電極7と基板4のB面との間隔は、基板保
持具6のtで示した厚みの部分であらかじめ調整してお
く。第1の実施例と同じ理由によりこの間隔は0.7mmか
ら2.2mmの間で調整できるようにしている。真空容器1
内の圧力が、0.01Pa以下の高真空に排気されたら、
処理ガス供給装置3により、例えばメタンを該真空容器
1内で1〜30Paになるように供給する。
【0029】高周波電源14より整合器15を介してア
ノード電極17に所定の電力を供給し、処理ガスを電離
してプラズマ18を発生させる。高周波電流はアノード
電極17からプラズマ18を通り、電極7に流れるが、
電極7と基板4のB面との間ではプラズマが発生しない
ので、電極7の基板4に覆われている部分では、基板4
を介して高周波電流が電極7に流れる。
【0030】これにより基板4とプラズマ18間で電位
差が発生し、基板4のA面にはイオンが入射する。この
時、基板4のA面に入射するイオンは基板4とプラズマ
18間の電界により加速され、該基板4表面に衝突して
メタン分子を分解して、その結晶構造が非結晶であるC
膜を堆積する。所望の膜厚を堆積したら処理ガスと電力
の供給を止め、電極を上昇させた後にゲートバルブ30
を開き、基板支え爪20を真空容器1内に搬送して、基
板4を支える。その後電極7を下降させ、回転装置8に
より基板4を電極7面に対して180度回転させる。
【0031】回転させた後は、前記と同じように基板4
を載置して膜の堆積を行うことで、基板4の両面に成膜
を行うことが可能である。
【0032】図5に本発明による磁気記録装置用磁気デ
ィスクのカーボン保護膜形成用CVD電極の第3の実施
例を示す。
【0033】実施例1と同じ番号、または同じ番号でア
ポストロフィを付したものは、それと同等の機能を有し
ている。真空容器1、1’は電極7、7’の電極面がそ
れぞれ逆向きになるように配置している。搬送装置9、
9’は装置間搬送装置100に搭載されている。搬送通
路101には搬送通路用排気装置102を接続してい
る。
【0034】次に第3の実施例による成膜方法を説明す
る。搬送通路用排気装置102により1Pa以下の高真空
に排気された搬送通路101を通って、図示されていな
い基板搬入口から装置間搬送装置100により搬送され
てきた基板4を、搬送装置9により真空容器1内に載置
する。基板4を載置した際に、真空容器1と搬送通路1
01はシール板12により互いに区切られる。
【0035】基板4を載置した後、電極7と基板4のB
面との間隔を電極駆動装置13により、第1の実施例と
同じ理由によって、0.7mmから2.2mmの間となるように調
整する。この調整を行っている間に真空容器1を排気装
置2により0.01Pa以下の高真空に排気する。この
後、処理ガス供給装置3により、例えばメタンを該真空
容器1内で1〜30Paになるように供給する。
【0036】高周波電源14より整合器15を介してア
ノード電極17に所定の電力を供給し、処理ガスを電離
してプラズマ18を発生させる。高周波電流はアノード
電極17からプラズマ18を通り電極7に流れるが、電
極7と基板4のB面との間ではプラズマが発生しないの
で、電極7の基板4に覆われている部分では、基板4を
介して高周波電流が電極7に流れる。これにより基板4
とプラズマ18間で電位差が発生し、基板4の電A面に
はイオンが入射する。
【0037】この時、基板4のA面に入射するイオンは
基板4とプラズマ18間の電界により加速され、該基板
4表面に衝突してメタン分子を分解して、その結晶構造
が非結晶であるC膜を堆積する。
【0038】所望の膜厚を堆積したら電力の供給と処理
ガスの供給を止め、搬送装置9により基板4を降下さ
せ、装置間搬送装置100で真空容器1’の方へ搬送す
る。真空容器1には図示していない基板搬入口から新し
い基板が搬送される。その後、前記方法と同じようにし
て真空容器1、1’で基板に成膜を行う。
【0039】成膜を行った後、真空容器1に載置された
基板4は真空容器1’に真空容器1’に載置された基板
4’は、図示していない基板搬出口にそれぞれ搬送され
る。
【0040】真空容器1と1’では、基板の成膜される
面が異なるので、真空容器1と1’で成膜を行うことに
より、基板を回転させることなく基板の両面に成膜を行
うことが可能である。
【0041】図6に本発明による磁気記録装置用磁気デ
ィスクのカーボン保護膜形成用CVD電極の第4の実施
例を示す。
【0042】第1の実施例に対して、第2のガス供給装
置200からガス供給管201を通して、電極7の中心
からガスを噴出できる点が異なる。
【0043】プラズマから発生したラジカルが電極と基
板のB面との間に侵入し、基板4のB面に付着すると膜
が形成されるか、またはエッチングされる。基板のB面
ではプラズマが発生しないのでイオンの入射がなく、膜
が形成される場合は基板のA面とは膜質が異なる。従っ
て、基板の両面に処理を行う場合、膜剥離、膜質の低下
の原因となる。また、成膜もしくはエッチングの均一性
低下の原因となる。基板のB面がエッチングされた場合
でも同様の問題が発生する。
【0044】第4の実施例の特徴は電極7と基板4のB
面との間にガスを噴出させ、プラズマ18から電極7と
基板4のB面との間にラジカルが侵入することを防ぎ、
基板4のB面に膜が形成されることを防止できることで
ある。
【0045】噴出させるガスとしては、イオン化ポテン
シャルが処理ガスよりも高く、基板表面を処理するのに
必要なラジカルを発生させないものを用いることが必要
である。
【0046】処理ガスよりも噴出させるガスのイオン化
ポテンシャルが低いと、電極と基板のB面との間でプラ
ズマが発生しやすくなり、プロセス条件のマージンが狭
くなる。
【0047】また、電極と基板のB面との間ではプラズ
マが発生しないまでも、ガス粒子同士の衝突等により噴
出されたガスが励起される。これによって噴出したガス
からラジカルが発生すると、プラズマからのラジカル防
止効果が相殺される。図7は処理ガスとしてCH4を使用
し、噴出させるガスとしてCH4またはHeを用いた場合
に、基板のB面に堆積したC膜の膜厚を示したグラフで
ある。Y軸はB面に堆積した膜厚、X軸は噴出させるガ
スの圧力を表している。B面の膜厚はA面の膜厚に対す
る割合で示しており、CH4(処理に必要な原子を含む)
の場合、基板のB面に堆積するC膜の低減効果はない
が、Heを用いた場合は、圧力を高くするほど低減効果が
現れている。
【0048】図8に本発明による磁気記録装置用磁気デ
ィスクのカーボン保護膜形成用CVD電極の第5の実施
例を示す。
【0049】第1の実施例に対して、リングカバー30
0を電極7に取り付け、電極7面に凹部を設け、その中
に基板4を載置するようにしたものである。第5の実施
例の特徴は、ラジカルが侵入する方向を制限できること
である。例えば、Aから矢印の方向へ飛来してくるラジ
カルはリングカバー300ではじかれるため、電極7と
基板4のB面との間に侵入できない。このため、基板4
の電B面に膜が形成されることを防止できる。
【0050】図9にリングカバーを設置した場合としな
い場合に、基板のB面に堆積する膜の膜厚を示したグラ
フである。Y軸はB面に堆積した膜厚、X軸は電極と基
板B面との間隔を表している。B面の膜厚はA面の膜厚
に対する割合で示している。CH4ガスにより処理を行っ
た例であるが、リングカバーを設置した場合、基板B面
のC膜堆積が低減しており、ラジカルの侵入防止に効果
があることが実証できた。また、図10に示すようにリ
ングカバーを設置したことによる膜厚分布に対する影響
は見られない。
【0051】図11に本発明による磁気記録装置用磁気
ディスクのカーボン保護膜形成用CVD電極の第6の実
施例を示す。
【0052】第1の実施例に対し、電極7の表面の一部
を絶縁体で構成された絶縁カバー400で覆い、電極7
の面積を基板4の面積以下とし、電極7の面がすべてプ
ラズマ18に直接晒されない点が異なる。第6の実施例
の特徴は電極7の面積を小さくし、高周波電流を集束さ
せたことにより、成膜速度を向上できることと、絶縁カ
バー400にはほとんど高周波電流が流れないため、絶
縁カバー400上には膜が形成されにくく、真空容器1
内の異物発生を低減でき、真空容器1内のクリーニング
間隔を伸長できることである。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、基板をプラズマ処理す
る場合に、基板表面に電極を接触させることなく、基板
の表面に電界を発生させ、イオン入射を起こすことが可
能であり、従来のように基板への電極の接触点で電流が
集中し、膜の蒸発とそれにともなう異常放電や、バイア
ス印加不良が発生しない。また、従来必要であった導電
性膜の事前成膜が不要であり、特に絶縁体基板及び表面
が絶縁体で覆われた基板であってもその表面へイオン入
射を行うことが可能である。またCVD法を用いれば絶
縁体基板表裏面に所望する膜を成膜することができる。
更にエッチング法に用いることで絶縁体基板の表裏面を
エッチング処理することができる。また、基板と基板保
持機構を同電位にすることで、基板への損傷をなくすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置の基本構成を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置による成膜速度と膜厚分布の
一例を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置の基本構成を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施例で使用する基板支え爪の
形状を示す正面図である。
【図5】本発明の第3の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置の基本構成を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の第4の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置の基本構成を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の第4の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置による基板B面に対する膜堆
積の低減効果を示すグラフである。
【図8】本発明の第5の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置の基本構成を示す断面図であ
る。
【図9】本発明の第5の実施例である磁気ディスク基板
用プラズマCVD成膜装置による基板B面に対する膜堆
積の低減効果を示すグラフである。
【図10】本発明の第5の実施例である磁気ディスク基
板用プラズマCVD成膜装置による成膜分布の結果を示
すグラフである。
【図11】本発明の第6の実施例である磁気ディスク基
板用プラズマCVD成膜装置の基本構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1‥‥真空容器 2‥‥排気装置 3‥‥処理ガス
供給装置 4‥‥基板 6‥‥基板保持具 7‥‥電極 8‥‥回転装置
9‥‥搬送装置 13‥‥ 電極駆動装置 14‥‥高周波電源
17‥‥アノード電極 18‥‥プラズマ 100‥‥装置間搬送装置 2
00‥‥ガス供給装置 201‥‥ガス供給管 300 リングカバー 4
00‥‥絶縁カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 宏 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 小角 雄一 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会社 日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 片岡 宏之 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会社 日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 本田 好範 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会社 日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 藤巻 成彦 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内にプラズマを発生させて被処理
    基板をプラズマ処理する方法であって、前記真空容器内
    で前記被処理基板を該被処理基板の前記プラズマ処理さ
    れる側と反対の側の面と該反対側の面と対向する電極と
    の間隔をプラズマの状態によって定まるデバイ長より小
    さい間隔に維持して前記被処理基板を前記電極と非接触
    の状態で保持し、前記真空容器内で前記被処理基板の前
    記プラズマ処理される側にプラズマを発生させ、該発生
    させたプラズマにより前記被処理基板を処理することを
    特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】前記被処理基板と前記電極との間隔を、
    0.1mmより大きい間隔で保持して、被処理基板をプ
    ラズマ処理することを特徴とする請求項1記載のプラズ
    マ処理方法。
  3. 【請求項3】前記被処理基板を、片面ずつ順次プラズマ
    処理することにより、両面をプラズマ処理することを特
    徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】前記被処理基板を、前記電極との間隔を保
    った状態で回転させながらプラズマ処理することを特徴
    とする請求項1乃至3の何れかに記載のプラズマ処理方
    法。
  5. 【請求項5】真空容器と、該真空容器の内部を排気して
    所定の圧力に維持する排気手段と、前記真空容器の内部
    に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記真空容器の
    内部に設けられた平板面を有する電極手段と、前記真空
    処理室の内部で被処理基板を前記電極手段の平板面に対
    してプラズマの状態によって定まるデバイ長より小さい
    間隔をあけて前記被処理基板を前記電極手段に対して非
    接触の状態で保持する基板保持手段と、高周波電力によ
    り前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生
    手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】真空容器と、該真空容器の内部を排気して
    所定の圧力に維持する排気手段と、前記真空容器の内部
    に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記真空容器の
    内部に設けられた平板面を有する電極手段と、前記真空
    処理室の内部で被処理基板を前記電極手段の平板面に対
    してプラズマの状態によって定まるデバイ長より小さい
    間隔をあけて前記被処理基板を前記電極手段に対して非
    接触の状態で保持する基板保持手段と、高周波電力によ
    り前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ発生
    手段とを備えたプラズマ処理室手段を2つ以上備え、該
    2つ以上のプラズマ処理室手段の間を接続する真空に排
    気された搬送通路手段と、該搬送通路手段の真空に排気
    された内部を通して前記被処理基板を前記2つ以上のプ
    ラズマ処理室手段の間で搬送する搬送手段とを備えたこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記基板保持手段が、前記電極手段に対し
    て非接触の状態を維持しながら前記被処理基板を回転さ
    せる基板回転駆動部を更に備えたことを特徴とする請求
    項5又は6の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】前記基板保持手段が、前記被処理基板を前
    記電極手段に対して0.1mmより大きい間隔で保持す
    ることを特徴とする請求項5又は6の何れかに記載のプ
    ラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記電極手段被が、該電極手段被の前記処
    理基板に対向する面と前記被処理基板との間に、ガスを
    供給するガス供給部を備えたことを特徴とする請求項5
    又は6の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】前記電極手段被の前記処理基板に対向す
    る面と前記被処理基板との間に供給するガスが、プラズ
    マ処理に必要とする原子または分子を含まず、また、前
    記供給するガスのイオン化ポテンシャルが前記処理ガス
    のイオン化ポテンシャルよりも大きいことを特徴とする
    請求項9記載のプラズマ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102142349A (zh) * 2006-06-08 2011-08-03 朗姆研究公司 用于在等离子处理室内防止等离子不受限制事件的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102142349A (zh) * 2006-06-08 2011-08-03 朗姆研究公司 用于在等离子处理室内防止等离子不受限制事件的方法
US9928995B2 (en) 2006-06-08 2018-03-27 Lam Research Corporation Methods for preventing plasma un-confinement events in a plasma processing chamber

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