JPH10140236A - 制振合金の製造方法 - Google Patents

制振合金の製造方法

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JPH10140236A
JPH10140236A JP31125196A JP31125196A JPH10140236A JP H10140236 A JPH10140236 A JP H10140236A JP 31125196 A JP31125196 A JP 31125196A JP 31125196 A JP31125196 A JP 31125196A JP H10140236 A JPH10140236 A JP H10140236A
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Tatsuyuki Suyama
竜之 壽山
Yukio Tomita
幸男 冨田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制振性および強度・靭性・表面硬さが同時に
優れた構造材料用制振合金の製造方法。 【解決手段】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
0.01〜3.5%、Mn:2.5%以下、P:0.0
10%以下、S:0.005%以下、Cr:3.5%以
下、Al:0.002〜3.5%、必要に応じCu、N
i、Mo、V、Ti、B、N、Ca、REMを適切な範
囲に添加し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼
成分を有する鋳片を加熱温度1000〜1200℃、9
50℃以下の圧下率30〜70%、圧延仕上温度が60
0〜850℃で熱間圧延後600〜950℃の焼戻しま
たは焼きなましを行い、必要に応じて浸炭や窒化によっ
て表面硬化することを特徴とする高くバラツキの少ない
制振性能(η≧0.025±0.010)と高強度(4
50MPa)、高靭性(0℃の吸収エネルギー≧100
J)、表面硬度(≧Hv700)を有する制振合金の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、船舶、橋梁、産業
機械、建築用構造材料として高い制振性を有する高強度
な制振合金の製造方法に係わるものである。 【0002】 【従来の技術】最近、船舶、橋梁、産業機械、建築物は
その材料には、構造材料の基本特性である強度、靭性に
加え高い制振性が同時に要求される傾向にある。すなわ
ち、例えば、橋梁上の高速鉄道走行時や大規模土木、建
築作業時の騒音、振動を構造材料そのものの制振効果で
抑え、かつ、構造部材として十分な靭性を有するという
課題を解決しようとするものである。 【0003】樹脂サンドイッチ型制振鋼板に代わる制振
性を目的とした部材に供される従来の鉄系材料は、振動
による交番応力作用下での磁壁移動の非可逆運動による
ヒステリシスに起因した高い制振特性を得るため、フェ
ライトフォーマーを添加して組織をフェライト単相化す
ることをねらい、Al及びSiを添加した材料と、Cr
を積極的に添加した材料との2種類に分けられる。前者
の例としては、特開平4−99148号公報に記載され
るようにAlを最高7.05%及びSiを最高4.5%
まで添加した強磁性型制振合金があり、後者の例として
は、特開昭52−73118号公報に記載されるように
Crを8〜30%添加した強磁性制振合金などがある。
さらに、特開平6−220583及び特開平5−302
148号公報で、Mnが0.1または0.2%以下で、
Crを1〜5%を添加した強磁性制振合金がある。ま
た、発明者らは、特願平6−258982でMnが0.
2〜2.5%、Crを1〜5%を添加した強磁性制振合
金を提案した。特開平7−278657号公報では、高
靭性を有する制振合金およびその製造方法を示した。 【0004】また、田中良平、「制振材料その機能と応
用」(広済堂1992年3月発行p192〜197)に
強磁性型合金として、外部応力が磁区壁の移動を引き起
こし、それによるヒステリシス損で振動エネルギーが吸
収されることが記述されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の合金のうち特開平4−99148号公報記載の合金は
Al及びSi添加量の上限規制が不適当であるため、粗
大なAl系及びSi系介在物の生成をまねき、これが破
壊の発生点として作用するため靭性が低下する。 【0006】また、特開昭6−258982号公報は圧
延条件を規定していないために制振性のバラツキが大き
く0.020±0.015であった。制振材料の文献で
は、制振合金の機構を書いたもので、その向上策や具体
的な成分系・製造方法あるいは制振性に加えて靭性を同
時に満足する方法に関する記述はない。 【0007】本発明はバラツキの少ない優れた制振性お
よび、強度・靭性・表面硬さの機械特性を同時に満足す
る制振合金の製造方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】 (1)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01
%以上、3.5%以下 Mn:2.5%以下 P:0.010%以下、S:0.005%以下、Cr:
3.5%以下、Al:0.002%以上、3.5%以下 N:0.006%以下を含有し、残部Fe及び不可避的
不純物からなる鋼を、加熱温度が1000〜1200
℃、950℃以下の圧下率が30〜70%、圧延仕上温
度が600〜850℃で熱間圧延後、600℃〜950
℃で焼戻しまたは焼きなまし熱処理し、高強度・高靭性
であることを特徴とする制振合金の製造方法。 【0009】(2)(1)記載の合金と同一組成を有す
る鋼に、さらに、重量%で、Cu:0.05〜2.5
%、Ni:0.05〜2.5%、Mo:0.05〜4.
5%、Nb:0.005〜0.2%、V:0.005〜
0.2%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.00
03〜0.005%、を1種または2種以上含み、残部
Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、加熱温度が10
00〜1200℃、950℃以下の圧下率が30〜70
%、圧延仕上温度が600〜850℃で熱間圧延後、6
00℃〜950℃で焼戻しまたは焼きなまし熱処理し、
高強度・高靭性であることを特徴とする制振合金の製造
方法。 【0010】(3)(2)記載の合金と同一組成を有す
る鋼に、さらに、重量1%で、Ca:0.001〜0.
05%、REM:0.001〜0.1%を1種または2
種含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、加
熱温度が1000〜1200℃、950℃以下の圧下率
が30〜70%、圧延仕上温度が600〜850℃で熱
間圧延後、600℃〜950℃で焼戻しまたは焼きなま
し熱処理し、高強度・高筋性でらることを特徴とする制
振合金の裂造方法。 【0011】(4)(1)〜(3)のいずれかに記載し
た合金と同一組成を有する鋼を、加熱温度が1000〜
1200℃、950℃以下の圧下率が30〜70%、圧
延仕上温度が600〜850℃で熱間圧延後、木炭、一
酸化炭素、青化カリなどの侵炭剤中において850〜9
00℃で6〜12時間加熱、急冷し、ざらに、750〜
800℃に加熱、急冷して織密な侵炭層を形成した後
に、600〜950℃で焼戻しまたは焼きなまし熱処理
し、鋼材表面の硬度をHv700以上に表面硬化させる
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の制
振合金の製造方法。 【0012】(5)(1)〜(3)のいずれかに記載し
た合金と同一組成を有する鋼を、加熱温度が1000〜
1200℃、950℃以下の圧下率が30〜70%、圧
延仕上温度が600〜850℃で熱間圧延後、アンモニ
アガスなどの窒化剤中において500〜600℃で10
〜1000時間加熱して概密な窒化層を形成した後に、
600〜950℃で焼戻しまたは焼きなまし熱処理し、
鋼材表面の硬度をHv700以上に表面硬化をさせるこ
とを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の制振
合金の製造方法。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明は上記事情に鑑みなされた
もので、振動による交番応力作用化での磁壁移動非可逆
運動によるヒステリシスに起因した高い制振特性を得る
ために、磁壁移動に有害な各種元素や介在物、析出物の
成性を招き、磁壁移動を妨げ、制振性を大きく損なう元
素を極力低下した純鉄系成分を基本としている。 【0014】さらに、従来は結晶粒界が磁壁移動を阻害
するため、もっぱら粗粒化することで制振性を向上させ
ていたが、発明者らは種々検討した結果、粗粒化による
制振性向上の方法に替わる方法として、(200)回折
強度を高くすることで、大幅に制振性が向上することを
発見した。(200)回折強度を高くすることで、鋼板
表面に平行な方向の〈100〉方位がに強化される。つ
まり、磁化容易方向が鋼板表面に平行な方向に強化され
る。磁化容易方向を強化することで制振性が向上するこ
とは新たな発見である。 【0015】この(200)回折強度比を2.5以上に
することで制振性が向上することを見出した。(20
0)回折強度比が2.5以上にすると、制振性の指標で
ある損失係数は0.015上確保できて良く、制振性能
の観点のみから見ると、(200)回折強度比は高い程
よく、その結果として0.015〜0.05の損失係数
を確保するのが好ましい。靭性等の他の鋼材特性との兼
ね合いから実用上(200)回折強度比は2.5から1
2.0の範囲が好ましい。ここで、(200)回折強度
比は、X線回折により板厚方向の4分の1厚み位置にお
ける(200)回折強度を測定し、特定の方位を強化や
制御していないランダムサンプル材の(200)回折強
度に対する比を求めた。今回検討した結果では、(20
0)回折強度比は最大でも15程度であった。 【0016】この(200)回折強度比を高くするため
には、低温圧延を行うことが必要で、検討の結果、95
0℃以下の圧下率を30%以上にすることで達成でき
る。このため、圧延仕上温度は950℃以下となる。 【0017】さらに、制振性、靭性を損なわずに強度を
大幅に上昇させることのできる元素としてMnを見出し
た。Mnを0.2%以上添加することで、制振性と強度
の両立、あるいは、制振性、強度と靭性全て向上させる
ことが可能である。 【0018】次に靭性向上のためには、結晶粒径を10
0μ以下にすることが必要である。上記の(200)回
折強度比を2.5以上にする製造方法のうち圧延仕上温
度が600℃未満では、結晶粒径が100μを越えるこ
とがあるため、圧延仕上温度は600℃以上とする。 【0019】熱間圧延後、(200)回折強度比を高く
し、圧延によって鋼板中に導入された歪を減少するため
に、焼戻しまたは焼きなまし熱処理が必要であるが、高
温で熱処理すると(200)回折強度比が低くなるた
め、上限温度は950℃である。 【0020】このように、細粒組織でも集合組織を導入
することで制振性が向上するが、さらに一層の制振性向
上の検討を行った。その結果、フェライトフォーマーで
あるSi、Al、Crを添加することで熱間圧延後の歪
取り熱処理の過程で若干の粗粒化が達成され、制振性が
さらに向上することを見出した。Si、Al、Crの添
加で強度も上昇する。 【0021】次に本発明の限定理由を説明する。 【0022】Cは、固溶状態でも炭化物として析出して
も、磁壁移動の障害として作用して制振性を低下させる
ため低いほど好ましく、上限を0.02%とする。 【0023】Siは、脱酸剤として重要であるため、
0.01%以上添加する必要があるが、靭性を低下させ
るため、上限を0.50%未満とする。ただ、強度上昇
のためには必要で、また、フェライトフォーマーであ
り、添加することで熱間圧延後の歪取り熱処理の過程で
若干の粗粒化が達成され、制振性がさらに向上させるた
め、0.50%以上添加するが、3.5%を越えて添加
しても、制振性はむしろ低下し、コストアップとなるた
め、上限を3.5%とする。 【0024】Mnは、固溶体強化元素であり、制振性及
び靭性向上に効果がなく、添加することでコストアップ
となるため、0.2%未満が好ましい。ただ、強度上昇
のためには、必要な元素であり、この目的のため0.2
%以上添加するが、2.5%を越えて添加すると制振性
の低下が起こる。このため、Mnの量を上限を2.5%
とする。 【0025】P、Sは、鋼中において非金属介在物を形
成し、かつ、偏析することにより磁壁の移動を妨げる害
を及ぼし制振性を低下させるので少ない程良い。このた
め、Pは0.010%以下、Sは0.005%以下とす
る。 【0026】Alは、SiやMnと同様に脱酸剤として
重要であるほか、制振性強度を向上させる重要な元素で
ある。最低0.002%を確保する必要があるが、過剰
添加によりAl23などの介在物のほか、Nと化合して
AlNなどの析出物を生成し、靭性の低下を招くため、
上限を0.060%に制限するのが好ましい。ただ、強
度上昇のためには必要で、また、フェライトフォーマ−
であり、添加することで熱間圧延後の歪取り熱処理の過
程で、若干の粗粒化が達成され、制振性をさらに向上さ
せるため、0.060%以上添加するが、3.5%を越
えて添加しても、制振性はむしろ低下し、コストアップ
となるため、上限を3.5%とする。 【0027】Crは、添加することにより、結晶粒を粗
大化する元素であり、制振制を若干向上させるが、同時
に靭性の低下を招き、また高価な元素であるため極力添
加量を低減することが好ましいため、上限を0.5%未
満に制限することが好ましい。ただ、強度上昇のために
は、必要で、また、フェライトフォーマーであり、添加
することで熱間圧延後の歪取り熱処理の過程で若干の粗
粒化が達成され、制振制をさらに向上させるため、0.
50%以上添加するが、3.5%を越えて添加しても、
制振制はむしろ低下し、コストアップとなるため、上限
を3.5%とする。 【0028】Nは、固溶状態でも窒化物として析出して
磁壁移動の障害として作用して制振制を低下させるため
低いほど好ましく、上限を0.006%とする。 【0029】さらに、必要に応じて添加されるCu、N
i、Mo、V、Ti、Bは強度上昇に有効な元素であ
り、その効果が不足しない範囲の量を下限とし、また、
制振性及び靭性が低下しない範囲の量を上限とした。従
ってCu:0.05〜2.5%、Ni:0.05〜2.
5%、Mo:0.05〜4.5%、Nb:0.005〜
0.2%、V:0.005〜0.2%、Ti:0.00
5〜0.1%、B:0.0003〜0.005%、の範
囲とした。 【0030】さらに、必要に応じて添加されるCa、R
EMは靭性向上に有効な元素であり、その効果が不足し
ない範囲の量を下限とし、また靭性がむしろ低下し、剥
離性が低下しない範囲の量を上限とした。従って、C
a:0.001〜0.05%、REM:0.001〜
0.1%の範囲とした。 【0031】製造条件については、加熱温度は加熱オー
ステナイト粒を微細にし、(200)解説強度比を高く
するため、1200℃以下にとし、さらに、加熱時の鋼
板内温度偏差をなくすため、1000℃以上とする。 【0032】圧延条件に関しては、(200)回折強度
比を高くするため950℃以下で30%以上の圧延が必
要であるが、圧下率が70%を越えると、圧延機に対す
る負担が大きくなり、また、圧延時間が長くなりコスト
アップ要因となるため、上限を70%とする。 【0033】圧延仕上温度は、950℃以下で30%以
上の圧延を行うため、850℃以下となるが、600℃
未満ではフェライト域圧延となり結晶粒径が100μ超
となることがあり、靭性が低下するため、下限を600
℃とする。 【0034】室温まで冷却した後、(200)回折強度
比をさらに向上させ、圧延によって鋼板中に導入された
歪を減少するために、焼戻しまたは焼きなまし熱処理が
必要であり、600℃以上の熱処理を行うが、(20
0)回折強度比は高温で熱処理すると弱くなるため、上
限温度は950℃とする。 【0035】さらに、表面だけに高い硬度が要求される
機械部材やベアリングのような分野においては表面を硬
化させることが必要となるが、本発明による制振材料は
常識的な表面硬化層厚さにおいては、その制振特性はほ
とんど影響を受けないことを実験により確かめた。表面
硬化は浸炭や窒化により鋼材表面の硬度をHv700以
上に表面硬化させるが、それぞれの望ましい方法を以下
に説明する。 【0036】浸炭は、圧延後に、木炭、一酸化炭素、青
化カリなどの浸炭剤中において浸炭に必要な温度である
850℃以上900℃以下で6時間以上12時間以下加
熱、急冷する。不必要な粒成長を避けるために、加熱温
度の上限は900℃とした。また、時間は表面硬化に充
分でかつ制振性などの他の特性を劣化させない範囲とし
た。この後、さらに、侵炭層の硬化を目的として750
℃以上800℃以下に加熱、急冷する。侵炭層の硬化に
は750℃からの急冷が最低必要で、不必要な粒成長を
避けるために上限を800℃とした。 【0037】窒化は圧延後に、アンモニアガスなどの窒
化剤中において、窒化に最低必要な温度である500℃
以上600℃以下で10〜100時間加熱する。不必要
な粒成長を避けるために、加熱温度の上限は600℃と
した。また、時間は表面硬化に十分でかつ制振性などを
他の特性を劣化させない範囲とした。 【0038】浸炭は上記のように750℃以上の熱処理
を2回行うため鋼材の成分によっては制振性などの特性
劣化の可能性があり、表面硬化の方法としては、窒化の
方が望ましい場合が多い。なお、浸炭及び窒化処理は、
上記焼戻しまたは焼きなまし処理の前に行い、最後に必
ず、600℃以上950℃以下で焼戻しまたは焼きなま
し熱処理を行う。 【0039】以上のように成分系と製造方法を十分に検
討、規定した結果、0.025±0.010という高く
バラツキの非常に少ない制振性と強度・靭性・表面硬さ
を同時に満足する鋼材を供することが可能となった。 【0040】本発明は主として、鋼板、熱延鋼板につい
てであるが、形鋼、線・棒鋼、鋼管等としても製造可能
である。 【0041】 【実施例1】まず表1に示す成分範囲の供試合金を作成
し、表2に示す製造条件で作成した。板厚は、A1〜A
10は20mm、A11〜A16が3mm、A17〜A
20が50mm、B1〜B8が32mm、B9〜B17
が10mmである。 【0042】表2に示す鋼のうちA1〜A20は本発明
鋼であり、鋼B1〜B17は比較例である。これらの鋼
について、表2に示す製造条件で製造したものの各種特
性を合せて表に示す。制振性は、元厚×40mm幅×4
00mm長さの板状試験兵を加工し、機械インピータン
ス法による制振性測定を行った。(なお、板厚6mm以
上の各鋼板は熱間圧延後室温まで冷却した後熱処理し
た。板厚がそれ以下のものは熱間圧延後、巻取り、その
後熱処理した。) 例A1〜A20の本発明例は、本発明の成分範囲の合金
で、本発明の製造方法範囲の製造で、(200)回折強
度比が2.5以上で、高強度(≧450MPa)で高い
制振性(≧0.025)、高靭性(≧100J)を示
す。 【0043】比較例B1〜B8は本発明の成分範囲外の
合金で、(200)回折強度比が低く、制振性能と靭性
が低い。比較例B9〜B17は、本発明の製造方法外の
製造条件で、(200)回折強度比が低く、制振性能と
靭性が低い。B15は強度も低い。 【0044】 【実施例2】表2に示した鋼のうちA7、A9、B7、
B9に侵責炭処理を、A10、A13、Bl0、B13
に窒化処理を施して表面を硬化し、制振性と機械特性を
測定した。侵炭は木炭中で850℃5時間加熱の後、肌
焼を行い表面を硬化させた。窒化はアンモニア中で50
0℃30時間加熱処理を行った。表面硬さはビツカース
硬度計により測定した.表3に示すようにほかの特性に
ほとんど影響を与えずに、表面硬度のみを700Hv以
上に向上ざせることができた。 【0045】 【表1】【0046】 【表2】【0047】 【表3】 【0048】 【発明の効果】本発明により、制振性能だけでなく機械
的特性(高強度・高靭性・表面硬さ)が同時に要求ざれ
る船舶、橋梁、産業機械、建設用構造材料の供給が可能
となり、工業界に与える効果は植めて大きい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上、3.5%以下 Mn:2.5%以下 P:0.010%以下、S:0.005%以下、Cr:
    3.5%以下、Al:0.002%以上、3.5%以下 N:0.006%以下を含有し、残部Fe及び不可避的
    不純物からなる鋼を、加熱温度が1000〜1200
    ℃、950℃以下の圧下率が30〜70%、圧延仕上温
    度が600〜850℃で熱間圧延後、600〜950℃
    で焼戻しまたは焼きなまし熱処理し、高強度・高靭性で
    あることを特徴とする制振合金の製造方法。 【請求項2】 請求項1記載の合金と同一組成を有する
    鋼に、さらに、重量%で、Cu:0.05〜2.5% Ni:0.05〜2.5%、Mo:0.05〜4.5
    %、Nb:0.005〜0.2%、V:0.005〜
    0.2%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.00
    03〜0.005%、を1種または2種以上合み、残部
    Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、加熱温度が10
    00〜1200℃、950℃以下の圧下率が30〜70
    %、圧延仕上温度が600〜850℃で熱間圧延後、6
    00〜950℃で焼戻しまたは焼きなまし熱処理し、高
    強度・高靭性であることを特徴とする制振合金の製造方
    法。 【請求項3】 講求項2記載の合金と同一組成を有する
    鋼に、さらに、重量%で、Ca:0.001〜0.05
    %、REM:0.001〜0.1%を1種または2種以
    上含み、、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、
    加熱温度が1000〜1200℃、950℃以下の圧下
    率が30〜70%、圧延仕上温度が600〜850℃で
    熱間圧延後、600〜950℃で焼戻しまたは焼きなま
    し熱処理し、高強度・高靭性であることを特徴とする制
    振合金の製造方法。 【講求項4】 加熱温度が1000〜1200℃、95
    0℃以下の圧下率が30〜70%、圧延仕上温度が60
    0〜850℃で熱間圧延後、侵炭剤中において850〜
    900℃で6〜12時間加熱、急冷し、さらに、750
    〜800℃に加熱、急冷して緻密な侵炭層を形成した後
    に、600〜950℃で焼戻しまたは焼きなまし熱処理
    し、鋼材表面の硬度をHv700以上に表面硬化をさせ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制
    振合金の製造方法。 【請求項5】 加熱温度が1000〜1200℃、95
    0℃以下の圧下率が30〜70%、圧延仕上げ温度が6
    00〜850℃で熱間圧延後、アンモニアガスなどの窒
    化剤中において500〜600℃で10〜100時間加
    熱して窒化層を形成した後に、600〜950℃で焼戻
    しまたは焼きなまし熱処理し、鋼材表面の硬度をHv7
    00以上に表面硬化をさせることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の制振合金の製造方法。
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