JP3343072B2 - 熱処理歪の少ない中炭素鋼 - Google Patents

熱処理歪の少ない中炭素鋼

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JP3343072B2
JP3343072B2 JP06010298A JP6010298A JP3343072B2 JP 3343072 B2 JP3343072 B2 JP 3343072B2 JP 06010298 A JP06010298 A JP 06010298A JP 6010298 A JP6010298 A JP 6010298A JP 3343072 B2 JP3343072 B2 JP 3343072B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や産業機械
等で用いられるシャフト、ピン、ラックや歯車等に使用
される部品の素材として有用な中炭素鋼に関し、殊に圧
延時、圧延直接冷却時、焼ならし処理時、焼入れ処理
時、更には高周波焼入れ時に生じる歪(以下、「熱処理
歪」と呼ぶ)を極力低減した中炭素鋼に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上記各種用途に使用される部品は、例え
ば下記(1) 〜(4) の様な工程で製造されている。 (1) 圧延放冷→(矯正)→切断→機械加工→(高周波焼
入れ) (2) 圧延放冷→(矯正)→切断→(焼なまし)→冷間鍛
造→機械加工→(高周波焼入れ) (3) 圧延放冷→(矯正)→切断→熱間鍛造→機械加工→
(高周波焼入れ) (4) 圧延直焼き→(矯正)→切断→機械加工→(高周波
焼入れ)
【0003】これら加工工程の中で、圧延放冷(圧延直
焼き)時等の加熱冷却時に表層部と内部の温度ムラによ
り熱応力が発生し、更に相変態に伴う体積変化により変
態応力が発生して熱処理歪が不可避的に発生する。この
熱処理歪は、例えば圧延材で曲がりを生じたり、焼入れ
処理時に生じた熱処理歪により付与された残留応力が機
械加工時に解放され、その結果、部品での曲がりの原因
となる。これらの熱処理歪に対しては、従来では曲がり
を修正する(例えば、冷間曲がり矯正など)という対策
が採用されてきた。
【0004】しかしながら、圧延材や高周波焼入れ後の
部品形状修正には、多大の費用と労力を要するという問
題がある。こうしたことから、熱処理歪の発生が極めて
少なく、形状の修正を行わずに使用できる特性を具備す
る中炭素鋼の開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題に着目してなされたものであり、その目的は、熱処理
歪の発生が極めて少なく、形状の修正を行わずに使用で
きる特性を具備する中炭素鋼を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の中炭素鋼とは、C:0.3%超〜0.
6%未満を含むと共に、線状または棒状圧延材の横断面
における等軸晶域の占める割合が面積率で平均30%以
下であり、且つ前記等軸晶域の中心位置の圧延材中心か
らのズレをA(mm)としたとき、このAと圧延材直径
D(mm)との比(A/D)が平均で0.05以下であ
る点に要旨を有するものである。
【0007】本発明の中炭素鋼における具体的な化学成
分組成は、C:0.3%超〜0.6%未満、Si:3.
0%以下(0%を含まない)、Mn:3.0%以下(0
%を含まない)、Al:0.01〜0.06%、N:
0.002〜0.03%を夫々含有するものが挙げられ
る。
【0008】上記化学成分組成を有する中炭素鋼におい
ては、必要に応じて更に他の成分として、下記(a),
(b)等を含有させることも有効であり、含有させる成
分に応じてその特性が改善される。 (a)Cr:5.0%以下(0%を含まない)、Cu:
1.0%以下(0%を含まない)およびB:0.01%
以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種
以上 (b)Ni:5.0%以下(0%を含まない)、Mo:
2.0%以下(0%を含まない)およびMg:0.01
%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1
種以上 また、P:0.03%以下(0%を含む)およびO:
0.002%以下(0%を含む)に夫々抑制することも
有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、Cを0.3%超〜
0.6%未満程度含む中炭素鋼の熱処理歪に及ぼす鋳造
組織について様々な角度から検討を重ねた。その結果、
鋳造時に生成する鋳造組織と熱処理歪の間には相関があ
るとの知見が得られた。そして線上または棒状圧延材に
おける横断面の組織は上記鋳造組織を反映したものであ
り、この圧延材の横断面における等軸晶域の占める割合
を所定の範囲となる様に調整すれば、熱処理歪の発生を
極力抑制できることを見出し、本発明を完成した。ここ
で上記等軸晶域とは、等軸晶域と柱状晶が混在している
領域(分岐柱状晶域)を含む趣旨である。
【0010】図1は、線状または棒状圧延材における横
断面の等軸晶域の面積率(以下、単に「等軸晶域面積
率」と呼ぶことがある)と軸の曲がり(熱処理歪)との
関係を示すグラフである。この結果から明らかな様に、
等軸晶域面積率が小さくなるほど熱処理歪が少なくなっ
ていることが分かる。特に、等軸晶域面積率が30%を
超えると歪発生量が極端に悪くなっており、熱処理歪を
極力低減するには等軸晶域面積率を30%以下に抑える
必要があることがわかる。上記の様に等軸晶域面積率を
30%以下に抑えることによって、熱処理歪を極力低減
することができる理由は、次の様に考えることができ
る。尚上記等軸晶域面積率は、平均で30%以下であれ
ば本発明の目的が達成されるが、この面積率は軸方向全
長に亘って30%以下であることが好ましい。
【0011】図2は鋳造組織を模式的に示した説明図で
あるが、鋳造初期には柱状晶1が生成し、鋳造後期には
等軸晶2が生成することが知られている。そして、柱状
晶域に対して等軸晶域ではCやCr等の焼入向上元素の
含有量が多く、その分ミクロ的には上記焼入性向上元素
の成分偏析の程度が大きくなっている。このため、等軸
晶域では焼入性が部分的に大きく異なっており、この焼
入性のバラツキが表面焼入れ時に熱処理歪が発生する原
因となっているものと考えられる。従って、ミクロ的な
偏析のバラツキの大きい等軸晶域を減少させれば、ミク
ロ的な偏析のバラツキの小さい柱状晶域を増大させるこ
とになり、これによって熱処理歪量が非常に小さく制限
できるものと考えられる。
【0012】等軸晶域を面積率で平均30%以下に制御
するに当たっては、比較的大きな速度で冷却を施しなが
ら連続鋳造を行うことが望ましく、具体的には、鋳造開
始から約800℃までを4℃/min以上の速度で冷却
することが好ましい。また連続鋳造の際に、電磁撹拌を
行うと等軸晶域が大きくなり易いので、電磁撹拌は極力
制限することが推奨される。
【0013】ところで凝固最終段階で凝固する等軸晶域
は、先に凝固する柱状晶域に比べてCやCr等の焼入性
向上元素のミクロ的な偏析が大きい。従って、等軸晶域
では焼入性のバラツキが大きく、このバラツキが熱処理
歪の原因となっている。この焼入性のバラツキの大きい
等軸晶域が、中心よりもずれた位置に存在した場合、片
側で等軸晶領域が大きくなり、圧延後に片側に偏った歪
が発生してしまう。これに対して、等軸晶の中心が圧延
材の中心付近に存在する場合は、全周方向に対して均一
に変形するため、全周に均一に変形が発生する。こうし
たことから、前記図2に示す様に、線状または棒状圧延
材の横断面における等軸晶域の中心位置の圧延材中心か
らのズレ(距離)をA(mm)としたとき、このAと圧
延材直径D(mm)との比(A/D)を平均で0.05
以下とすることが、熱処理歪を更に低減させる上で必要
である。
【0014】尚上記比(A/D)は、軸方向における平
均で0.05以下であれば、その効果が発揮されるが、
この比の値は軸方向全長に亘って0.05以下であるこ
とが好ましい。また上記比(A/D)を0.05以下に
制御するに当たっては、連続鋳造を行う際の冷却を、鋳
片周囲でできるだけ均一になる様にすることが好まし
く、例えば後記実施例に示す様に鋳片側面の片側冷却を
実施すれば、上記比(A/D)の値が大きくなる。
【0015】次に、本発明の中炭素鋼の具体的な化学成
分組成の限定理由は、下記の通りである。
【0016】C:0.3%超〜0.6%未満 Cは高周波焼入れ時の表面、および芯部硬さを確保する
のに有用な元素である。C含有量が0.3%以下ではこ
の様な効果が期待できず、0.6%以上含有させると偏
析が大きくなり、熱処理歪が大きくなる。尚C含有量の
好ましい下限は0.35%であり、より好ましくは0.
40%とするのが良い。またC含有量の好ましい上限
は、0.55%である。
【0017】Si:3.0%以下(0%を含まない) Siは脱酸の他に焼入性および焼戻し軟化抵抗性を向上
させる元素であるが、3.0%を超えて含有してもそれ
以上の効果は少なく、かえって圧延材の強度を上げ、冷
間鍛造性や被削性低下させる。よって、Si含有量は
3.0%以下とする必要があり、好ましくは2.0%以
下、更に好ましくは1.5%以下とするのが良い。
【0018】Mn:3.0%以下(0%を含まない) Mnは脱酸・脱硫元素であり、また焼入性を向上させ表
面、および芯部硬さを高めるのに有用な元素であるが、
3.0%を超えて含有させてもそれ以上の効果は発揮さ
れず、かえって熱処理歪が大きくなることに加え、被削
性や冷圧性を低下させる。よって、Mn含有量は3.0
%以下とする必要があり、好ましくは2.0%以下、更
に好ましくは1.5%以下とするのが良い。
【0019】Al:0.01〜0.06% Alは、焼入れ加熱時におけるオーステナイト結晶粒の
成長を抑えることにより熱処理歪を抑制するのに有用な
元素である。こうした効果を発揮させる為には、0.0
1%以上含有させる必要がある。しかしながら、0.0
6%を超えて含有させてもこの効果は飽和する。尚Al
含有量の好ましい上限は、0.04%である。
【0020】N:0.002〜0.03% Nは、Alと結合してAlNを生成しオーステナイト結
晶粒の成長を抑制する元素である。この効果を発揮させ
る為には、0.002%以上含有させる必要がある。し
かしながら、0.03%を超えて過剰に含有させると、
鍛造時や熱間加工時に割れを起こし易くなる。尚N含有
量の好ましい上限は、0.02%である。
【0021】本発明の中炭素鋼の具体的な化学成分組成
における基本成分は以上の通りであり、残部がFeおよ
び不可避不純物であるが、必要に応じて (a)Cr:5.0%以下(0%を含まない)、Cu:
1.0%以下(0%を含まない)およびB:0.01%
以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種
以上 (b)Ni:5.0%以下(0%を含まない)、Mo:
2.0%以下(0%を含まない)およびMg:0.01
%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1
種以上 等を含有させることが有効である。これらの成分を含有
させるときの限定理由は下記の通りである。
【0022】Cr:5.0%以下(0%を含まない)、
Cu:1.0%以下(0%を含まない)およびB:0.
01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択され
る1種以上 Cr,CuおよびBは、鋼材の焼入性を向上または確保
させる点からして同効元素であるが、これらの元素の個
別の作用効果は次の通りである。まずCrは焼入性を向
上させ表面、および芯部硬さを高めるのに有用な元素で
あるが、Cr含有量が5.0%を超えると偏析が大きく
なり、巨大なCr炭化物が生成して疲労強度を低下させ
るばかりでなく、熱処理歪が大きくなる。また被削性や
冷圧性を低下させる。よって、Cr含有量は5.0%以
下とする必要があり、好ましく3.0%以下、更に好ま
しくは2.0%以下とするのが良い。
【0023】Cuは焼入性を確保すると共に、靱性の向
上に有効に作用する元素であり、且つ耐食性の向上にも
有効に作用する。しかしながら、過剰に含有させると熱
間割れを生じ易くなって熱間加工性を阻害するので1.
0%以下とする必要があり、好ましくは0.60%以
下、更に好ましくは0.30%以下とするのが良い。
【0024】Bは少量添加で焼入性を高めると共に、粒
界強度を向上させるのに有用な元素である。しかしなが
ら、0.01%を超えるとその効果は飽和に達成するた
め、上限を0.01%とする。
【0025】Ni:5.0%以下(0%を含まない)、
Mo:2.0%以下(0%を含まない)およびMg:
0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択
される1種以上 Ni,MoおよびMgは、鋼材の疲労強度を向上させる
点からして同効元素であるが、これらの元素の個別の作
用効果は次の通りである。まずNiは疲労強度や靱性を
向上させるのに有用な元素であるが、Ni含有量が5.
0%超えると冷間加工性、被削性を低下させることに加
え、焼入れ後に残留オーステナイトが多量に発生し、寸
法安定性が劣化するばかりでなく、熱処理歪が大きくな
る。よって、Ni含有量は5.0%以下とする必要があ
り、好ましくは3.0%以下、更に好ましくは1.5%
以下とするのがよい。
【0026】Moは疲労強度や靱性を向上させるのに有
用な元素であるが、Mo含有量が2.0%を超えると冷
間加工性、被削性を低下させることに加え、焼入れ後に
残留オーステナイトが多量に発生し、寸法安定性が劣化
するばかりでなく、熱処理歪が大きくなる。よって、N
i含有量は2.0%以下とする必要があり、好ましくは
1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下とするのが
良い。
【0027】Mgは介在物粒子径がAl23 より小さ
い酸化物系介在物を形成する。介在物を小さくすること
により疲労強度を向上させるのに有用な元素であるが、
0.01%を超えるとその効果は飽和に達するため、上
限を0.01%とする。尚Mgを含有させるときの好ま
しい上限は、0.008%であり、より好ましくは0.
003%以下とするのが良い。
【0028】また本発明の中炭素鋼においては、P:
0.03%以下(0%を含む)およびO:0.002%
以下(0%を含む)に夫々抑制することも有効である。
【0029】P:0.03%以下(0%を含む) Pは靱性を低下させる元素であるから、含有量は極力少
なくする必要があり、こうした観点から、その含有量は
0.03%以下に抑制する必要があり、好ましくは0.
02%以下、より好ましくは0.01%以下に抑制する
のが良い。
【0030】O:0.002%以下(0%を含む) OはAlと結合して疲労強度に悪影響を及ぼすAl2
3 を生成し、また冷間加工性や熱間加工性を低下させる
ため、極力低くする必要がある。こうした観点から、そ
の含有量は0.002%以下に抑制する必要があり、好
ましくは0.0015%以下、より好ましくは0.00
10%以下に抑制するのが良い。
【0031】本発明の中炭素鋼には、上記化学成分の他
に、下記の成分を含有させることも有効である。これら
の元素を添加するときの限定理由は下記の通りである。
【0032】V:2.0%以下(0%を含まない)、N
b:0.1%(0%を含まない)およびTi:0.1%
以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種
以上 V,NbおよびTiは、鋼中のC,Nと結合して炭窒化
物を生成し、結晶粒を微細化して疲労強度を向上させ、
靱性を増大させるのに有効な元素である。また析出強化
によって硬さを高めるのに有効な元素である。V含有量
が2.0%、Nb含有量が0.1%、Ti含有量が0.
1%を夫々超えて含有させてもこれらの効果は増大しな
い。よって、V含有量は2.0%以下、Nb含有量は
0.1%以下、Ti含有量は0.1%以下とすることが
好ましい。
【0033】S:0.3%以下(0%を含まない)、C
a:0.01%以下(0%を含まない)、Pb:0.1
%以下(0%を含まない)、Te:0.1%以下(0%
を含まない)およびZr:0.3%以下(0%を含まな
い)よりなる群から選択される1種以上 これらの元素は、いずれも被削性向上元素である。Sは
MnSを生成し、被削性の向上に寄与する元素である
が、0.3%を超えて含有させても横目の衝撃特性が低
下するため0.3%以下とする必要があり、好ましくは
0.2%以下、さらに冷間鍛造性を向上させるには0.
01%以下とするのが良い。
【0034】CaはMnSと硫化物系介在物を生成し、
介在物を球状化して異方性を改善して靱性および曲げ疲
労強度を劣化させずに被削性を向上させることができ
る。しかしながら、0.01%を超えて含有させてもこ
の効果が飽和に達するため上限を0.01%とする。
【0035】Pbも被削性向上元素であるが、0.1%
を超えて含有させると疲労強度が大幅に低下するため上
限を0.1%とする。
【0036】TeはMn−Teを形成してMnSの周辺
に共存し、熱間圧延時にMnSの変形を抑制してMnS
の球状化に寄与することによって、横目の靱性および曲
げ疲労強度を劣化させずに被削性を向上させる。しかし
ながら、0.1%を超えると非金属介在物の増大により
疲労強度を劣化させるので上限を0.1%とする。
【0037】Zrは熱間圧延時にMnSの変形を抑制し
てMnSの球状化に寄与することによって、異方性を改
善し、靱性および曲げ疲労強度を劣化させずに被削性を
向上させる。しかしながら、0.3%を超えるとZrO
2 等の非金属介在物が多く生成し、疲労強度を劣化させ
るので上限を0.3%とした。
【0038】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0039】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。下記表1に示
すNo.1〜5の化学成分の鋼材を溶製し、鋳造時の等
軸晶の割合を変化させるために、鋳造開始から800℃
までを冷却速度(a)10℃/min、(b)7℃/m
in、(c)2℃/min、(f)3℃/minで鋳造
を行った。さらに等軸晶域中心部の圧延材中心からのズ
レ(距離)の影響を調べるため、(d)鋳造開始から8
00℃までを冷却速度2℃/minで、かつ鋳片側面の
片方のみを水冷するか、(e)鋳造開始から800℃ま
でを10℃/minで、かつ鋳片側面の片方のみを水冷
することにより、等軸晶域の中心をずらして鋳造を行っ
た。その後φ50mmの丸棒に圧延した。
【0040】また表1に示すNo.6〜14の化学成分
を有する鋼材を溶製し、鋳造開始から800℃までを冷
却速度10℃/minで鋳造を行った。その後φ50m
mの丸棒に圧延した。
【0041】
【表1】
【0042】その後、各圧延材の横断面にてマクロ試験
を行い、圧延材横断面中の等軸晶域の占める割合を面積
率で示した。等軸晶域の測定は、JIS G 0553
に規定された鋼のマクロ組織試験方法に準じて、約20
%HCl液中で約30〜40秒間腐食し、等軸晶と柱状
晶に分離し、等軸晶域の面積率を測定し、さらに等軸晶
の中心と横断面の中心とのズレ(距離)を測定した。こ
のとき等軸晶と柱状晶が混在している領域(分岐柱状晶
域)はすべて等軸晶域に分類した。その測定結果を、下
記表2,3に示す。
【0043】上記圧延材は、熱処理歪として1m当たり
の曲がりを測定した。その結果を、表2に併記した。表
2,3に示した等軸晶域面積率および比(A/D)の値
は、軸方向に5箇所の部分を測定したときの平均値であ
る。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】これらの結果から、次の様に考察できる。
No.1〜5(a),(b)、No.6〜12は等軸晶
の面積率が30%以下である本発明鋼であり、等軸晶の
面積率が30%を超える比較鋼No.1〜5(c),比
較鋼No.1〜5(f)や、等軸晶域の中心の圧延材中
心からのズレが0.05を超える比較鋼No.1〜5
(e)等と比較して、軸の曲がりが小さいことが分か
る。
【0047】これに対しNo.1〜5(d)は等軸晶の
面積率が30%を超えるだけでなく、等軸晶中心のズレ
も大きく、比較鋼No.1〜5(c)よりもさらに軸の
曲がりが大きかった。
【0048】尚No.13,14はAl,Cr等の含有
量が多過ぎるか、少な過ぎる場合の例であるが、No.
13はCrの含有量が多いため焼入性が高く、No.1
〜5(a),(b)、6〜12の本発明鋼に比較すると
軸の曲がりが大きくなっている。またNo.14はAl
の含有量が少なく、圧延時にオーステナイト結晶粒が粗
大となり、歪が大きくなっている。
【0049】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、線
状または棒状圧延材における横断面の組織の等軸晶域を
適切にの規定することによって、熱処理歪を極力低減し
た中炭素鋼が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】線状または棒状圧延材における横断面の等軸晶
域面積率と軸の曲がり(熱処理歪)との関係を示すグラ
フである。
【図2】鋳造組織を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
1 柱状晶 2 等軸晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 崇 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神 戸製鋼所 神戸製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭62−28056(JP,A) 特開 平2−147148(JP,A) 特開 平10−180307(JP,A) 特公 平5−55215(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/06 C22C 38/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.3%超〜0.6%未満(質量%
    の意味、以下同じ)を含むと共に、線状または棒状圧延
    材の横断面における等軸晶域の占める割合が面積率で平
    均30%以下であり、且つ前記等軸晶域の中心位置の圧
    延材中心からのズレをA(mm)としたとき、このAと
    圧延材直径D(mm)との比(A/D)が平均で0.0
    5以下であることを特徴とする熱処理歪の少ない中炭素
    鋼。
  2. 【請求項2】 Si:3.0%以下(0%を含まな
    い)、Mn:3.0%以下(0%を含まない)、Al:
    0.01〜0.06%、N:0.002〜0.03%を
    夫々含有するものである請求項1に記載の中炭素鋼。
  3. 【請求項3】 更に他の成分として、Cr:5.0%以
    下(0%を含まない)、Cu:1.0%以下(0%を含
    まない)およびB:0.1%以下(0%を含まない)よ
    りなる群から選択される1種以上を含有するものである
    請求項2に記載の中炭素鋼。
  4. 【請求項4】 更に他の成分として、Ni:5.0%以
    下(0%を含まない)、Mo:2.0%以下(0%を含
    まない)およびMg:0.01%以下(0%を含まな
    い)よりなる群から選択される1種以上を含有するもの
    である請求項2または3に記載の中炭素鋼。
  5. 【請求項5】 P:0.03%以下(0%を含む)およ
    びO:0.002%以下(0%を含む)に夫々抑制した
    ものである請求項2〜4のいずれかに記載の中炭素鋼。
JP06010298A 1998-03-11 1998-03-11 熱処理歪の少ない中炭素鋼 Expired - Lifetime JP3343072B2 (ja)

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