JPH10139721A - メタクリル酸の精製法 - Google Patents

メタクリル酸の精製法

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JPH10139721A
JPH10139721A JP30990096A JP30990096A JPH10139721A JP H10139721 A JPH10139721 A JP H10139721A JP 30990096 A JP30990096 A JP 30990096A JP 30990096 A JP30990096 A JP 30990096A JP H10139721 A JPH10139721 A JP H10139721A
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JP
Japan
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methacrylic acid
water
normal hexane
distillation column
mixture
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JP30990096A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kai
碩明 甲斐
Yoshihiko Ninagawa
義彦 蜷川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アセトンシアンヒドリンまたはメタクリ
ロニトリルと硫酸から得られたメタクリルアミド硫酸塩
を加水分解してメタクリル酸を得る方法において、生成
したメタクリル酸を水との混合物として取り出した後、
ノルマルヘキサンを加えて2層に分離し、次いでその上
層部を蒸留塔に導き、塔頂部から得られる留出物に水を
添加し、蒸留塔下部からメタクリル酸を取り出すことを
特徴とするメタクリル酸の精製法。 【効果】 回収率の低下無しに従来方法に比べて約5分
の1のエネルギー使用量ですむ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメタクリル酸を改良
された蒸留方法によって精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、メタクリルアミドを加水分解
して製造たメタクリル酸は、生成したメタクリル酸を水
とともに回収し、蒸留することによって精製していた。
(特開昭49−135917号公報、特開平1−311
042号公報参照)。しかしながら、このような従来方
法には次のような問題点を含んでおり、その改善法が望
まれていた。 1)加水分解反応によって得られるメタクリル酸には、
多量の水が含まれておりこれを蒸留分離するには多大な
熱エネルギーが必要である。 2)加水分解反応によって得られるメタクリル酸はアセ
トン、酢酸、イソ酪酸等の不純物を含んでいるため、そ
れら不純物の中で特にメタクリル酸に近い沸点を持つ不
純物を分離するのは煩雑で、且つメタクリル酸の損失を
防ぎながらの精製は困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の問題点を解決し、従来法に比べエネルギー使用量を
低減でき、且つ回収率も改善されたメタクリル酸の精製
法を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、メ
タクリル酸を精製する際のエネルギー使用量の低減、製
品回収率の改善について鋭意検討を行った結果、メタク
リルアミド硫酸を加水分解してメタクリル酸を生成し水
と共に取り出して蒸留するに際して、多量の水を含むた
めに多大な加熱エネルギーと冷却エネルギーを必要とし
ていたのに対し、予めノルマルヘキサンと混合してメタ
クリル酸の少ない水層とメタクリル酸を多量に含むノル
マルヘキサン層に分離したのち、蒸留塔に導くことで水
を蒸発させるための熱エネルギーを大幅に削減し、さら
に塔頂部に滞留する不純物を除去するために留出物に水
を添加することで含まれる低沸点不純物を溶出させて精
製することができることを見出した。
【0005】そして予め分離しておいた水層を蒸留塔塔
頂部に加えることで分離した際の水層に含まれるメタク
リル酸をノルマルヘキサン層に溶解させて蒸留塔に還流
させることで、ほぼ完全に回収することができることを
見出し、これらの知見に基づき本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、アセトンシアンヒドリ
ンまたはメタクリロニトリルと硫酸から得られたメタク
リルアミド硫酸塩を加水分解してメタクリル酸を得る方
法において、生成したメタクリル酸を水との混合物とし
て取り出した後、ノルマルヘキサンを加えて2層に分離
し、次いでその上層部を蒸留塔に導き、塔頂部から得ら
れる留出物に水を添加し、蒸留塔下部からメタクリル酸
を取り出すことを特徴とするメタクリル酸の精製法を提
供するものである。
【0007】本発明においてメタクリル酸の加水分解反
応は単一反応槽、多段反応槽いずれでも使用可能であ
り、反応槽からの回収方法は、水蒸気蒸留あるいは外部
加熱による蒸留いずれでも良い。反応はバッチ式、連続
式いずれでも良い。またこれらの組み合わせは任意に選
択できる。
【0008】本発明では、原料メタクリルアミド硫酸塩
は加熱装置および/あるいは水蒸気蒸留装置を備えた加
水分解反応槽に導かれる。同時に、反応に必要な水は反
応速度を確保するために、必要当量以上の量を加える。
ついで、反応に必要な温度および時間を費やしたのち、
加熱によって生成したメタクリル酸を過剰に加えた水と
ともに反応槽から取り出す。加熱方法としては、外部加
熱および水蒸気蒸留のいずれでも可能だが、その両方を
用いるとより効果的で有る。
【0009】反応槽は、間歇式では1基で十分だが、連
続式では回収率を良くするために2槽以上を用いるのが
望ましい。こうして得られたメタクリル酸濃度は普通5
0%くらいであり残りの大部分は水である。つぎに、こ
のメタクリル酸にノルマルヘキサンを加える。加えるノ
ルマルヘキサンは、初めは未使用品を用いるが以降は蒸
留塔塔頂から留出してくるノルマルヘキサンを使用する
ことで無駄が防げる。
【0010】ノルマルヘキサンを加えたのち、常法に従
って2層に分離された上層すなわち実質的にメタクリル
酸の全量を含むノルマルヘキサン層には、もはや水は痕
跡程度にしか含まれない。一方、ほぼ全量の水を含む下
層には、わずかながらメタクリル酸が含まれる。加える
ノルマルヘキサンの量は、メタクリル酸と水とノルマル
ヘキサンからなる相互溶解度線図を作成しておき、蒸留
塔の能力や必要な回収率によって適宜決定する。
【0011】こうして得られたノルマルヘキサン層を、
蒸留塔に導く。蒸留塔では沸点が高いメタクリル酸およ
び微量の不純物が塔底部にたまり抜き出され、必要なら
次の精製装置に導かれる。一方、沸点の低いノルマルヘ
キサンや微量の水およびアセトンなどの不純物は塔頂に
濃縮される。塔頂成分は冷却によって液化してノルマル
ヘキサン層と水層に分かれる。
【0012】液化した塔頂留出物に含まれるアセトンな
どの反応生成不純物は、大部分がノルマルヘキサン層に
溶解しており次第に高濃度になっていく。そこで、留出
物に水を加えることでノルマルヘキサン層に溶解してい
る不純物を水に溶出させる。不純物を溶出した水は通常
の方法、例えばそのまま活性汚泥法あるいは濃縮して焼
却等の方法で処理する。
【0013】また、反応生成物を2層分離した下層すな
わち大部分の水と、わずかなメタクリル酸を含む層を前
記留出物に水として加える場合は、蒸留塔塔頂出口に加
えることで蒸気が凝縮の際に、加えた水と良く混合され
て2層分離を効果的に行なう。この水を加える際に、蒸
気や凝縮液と良く混合させるためにスプレーなどの常法
を用いることは有効である。
【0014】こうして凝縮した留出混合物は2層に分離
するので適切な分離器を備える。分離した上層、すなわ
ちノルマルヘキサン層には塔頂出口において加えられた
水に含まれていたわずかなメタクリル酸の大部分が含ま
れる。一方、下層すなわち水層にはアセトンなどの不純
物が溶出する。メタクリル酸を含んだノルマルヘキサン
層は、一部は還流液として蒸留塔に返されて含まれるメ
タクリル酸は塔底部に回収される。また残りは、反応生
成液の分離のために再使用される。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、実施例及び比較例によって
本発明を更に詳細に説明する。
【0016】
【実施例】
実施例1 アセトンシアンヒドリン85kgに重合防止剤としてフ
ェノチアジン0.85kgを加え、次いで98%硫酸1
50kgを混合し、反応熱を除去するために80℃に冷
却し、ついで150℃に加熱してメタクリルアミド硫酸
塩を得る。次に、外部加熱用ジャケットを備えた1リッ
トルのガラス製反応器に水54kgとともにメタクリル
アミド硫酸塩を投入した。反応器内部温度を120℃に
なるようにジャケットに用いた熱源温度で調整しつつ、
60分反応を続けた。
【0017】次いで、140℃に加熱した水蒸気72k
gを2時間で注入した。この間、反応器内部温度を13
0℃に保った。反応器を出た蒸気は、冷却装置で液化
し、容器に集めた。容器の中の成分は、重量169kg
で、メタクリル酸85kg、水83kg、アセトン等不
純物1kgであった。その後、ノルマルヘキサン169
kgを加え、攪拌したのち静置して2層に分離した。上
層は、243kgでメタクリル酸濃度は31%であっ
た。下層は、95kgでメタクリル酸濃度は10%であ
った。次に、上層液を理論段6段相当の蒸留塔の中間部
に毎時30kgで送入した。塔頂部出口に精製水毎時4
2kgをスプレーを用いて吹き込み、冷却器で液化した
あと分離槽に受けた。
【0018】分離槽の上層液はほぼ100%ノルマルヘ
キサンで、下層液は少量のアセトンを含む水であった。
上層液は、毎時21kgを還流として塔頂部に返し、残
りは毎時21kgを抜き出した。塔底部から抜き出した
メタクリル酸を主成分とする製品は毎時9kgであり、
アセトン等の低沸点不純物は含まれていなかった。ま
た、塔下部の加熱熱源に用いた熱量は、計算値で毎時4
224Kcalであった。同じく塔上部の凝縮器に用い
た冷却熱量は毎時3864Kcalであった。
【0019】実施例2 実施例1と同じ方法で蒸留を行いながら、蒸留塔塔頂部
出口に添加する水として実施例1で反応生成物にノルマ
ルヘキサンを加えて分離した水層の水を用いた。その他
の条件は実施例1と同じにした。塔頂部凝縮液を分離し
た上層液は、毎時44kgでメタクリル酸は6%であっ
た。これをそれぞれ毎時22kgで還流として塔頂に返
しながら一方で系外に抜き出した。一方、下層液は毎時
40kgでメタクリル酸は4%であった。蒸留塔底部か
らの抜き出し製品は毎時11.5kgであった。また、
塔下部加熱熱源量および凝縮器冷却熱量は、実施例1と
ほぼ同じ熱量であった。
【0020】比較例 実施例1と同じ方法で反応を行い、留出させた水を含む
メタクリル酸を、同じく実施例1と同じ蒸留塔に毎時1
8kgで送入した。塔頂還流ラインからノルマルヘキサ
ンを毎時171kg塔内に送り込んだ。塔頂凝縮器で液
化したあと分離器で2層に分けた。上層は、171kg
で微量であるがアセトンを含むノルマルヘキサンであっ
た。下層は、9kgで水であった。この上層と下層の割
合はノルマルヘキサンと水との共沸混合物組成を示して
いた。また、塔下部からは、毎時9kgの粗メタクリル
酸を得た。塔下部の加熱用熱源に用いた熱量は、計算値
で毎時21、430Kcalであり、実施例1および2
の約5倍であった。同じく、凝縮に用いた冷却熱量は1
7、800Kcalで実施例1および2の約4.6倍で
あった。
【0021】
【発明の効果】本発明に示す蒸留方法によれば、通常方
法に比べて熱エネルギー使用量は約5分の1ですみ、実
質的な回収率の低下も見られないという効果が得られ
る。また、留出液に水を加えることで、不純物を溶出さ
せて不純物を除去できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 加水分解反応器 2 ノルマルヘキサン添加攪拌槽3は分離器 4 蒸留塔 5 蒸留塔に付属する凝縮器 6 蒸留塔に付属する分離器 7 蒸留塔に付属する加熱器 8 メタクリルアミド硫酸塩および加水分解用水の入り
口 9 水蒸気蒸留用スチーム入り口 10 留出蒸気出口 11 留出蒸気凝縮器 12 ノルマルヘキサン注入口 13 蒸留塔塔頂出口注入水入り口 14 留出水層出口 15 留出ノルマルヘキサン出口 16 製品メタクリル酸取り出し口 17 分離器水層出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトンシアンヒドリンまたはメタクリ
    ロニトリルと硫酸から得られたメタクリルアミド硫酸塩
    を加水分解してメタクリル酸を得る方法において、生成
    したメタクリル酸を水との混合物として取り出した後、
    ノルマルヘキサンを加えて2層に分離し、次いでその上
    層部を蒸留塔に導き、塔頂部から得られる留出物に水を
    添加し、蒸留塔下部からメタクリル酸を取り出すことを
    特徴とするメタクリル酸の精製法。
  2. 【請求項2】 塔頂部から得られる留出物に添加する水
    が生成したメタクリル酸を水との混合物として取り出し
    た後にノルマルヘキサンを加えて2層に分離した際の下
    層部である請求項1記載のメタクリル酸の精製法。
  3. 【請求項3】 留出物に水を添加する位置が蒸留塔に付
    属する凝縮器入り口である請求項1又は2記載のメタク
    リル酸の精製法。
JP30990096A 1996-11-07 1996-11-07 メタクリル酸の精製法 Pending JPH10139721A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1297454C (zh) * 2001-11-07 2007-01-31 三菱化学株式会社 贮存易于聚合的化合物的储罐及贮存的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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