JPH10139580A - 一方向凝固材の製造方法および一方向凝固装置 - Google Patents

一方向凝固材の製造方法および一方向凝固装置

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JPH10139580A
JPH10139580A JP31712896A JP31712896A JPH10139580A JP H10139580 A JPH10139580 A JP H10139580A JP 31712896 A JP31712896 A JP 31712896A JP 31712896 A JP31712896 A JP 31712896A JP H10139580 A JPH10139580 A JP H10139580A
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JP
Japan
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mold
cooling
raw material
gas
moving
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JP31712896A
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English (en)
Inventor
Noriaki Yamada
典章 山田
Riyuuji Saikudou
龍司 細工藤
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方向凝固材の製造に際し、側面からの
核形成を抑えて良質の凝固材を製造する。 【解決手段】 鋳型1の移動側端部面に、複数の放熱フ
ィン5a、5b、5cを並列させ、放熱フィン5a、5
b、5cが鋳型端部面の中心から周縁に掛けて冷却効率
が減少するように形状または配置を調整する。 【効果】 鋳型1の移動側端部で冷却速度が均等に
なり、側面からの核形成がなく、一方向に一様に凝固し
た凝固材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Siインゴット等
の製造に適用される一方向凝固材の製造方法および一方
向凝固装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Siインゴットの製造方法とし
て、鋳型内で溶融した原料Siを、炉外に引き出しなが
ら冷却して凝固させる一方向凝固法が知られている。こ
の方法では、鋳型を炉の熱源から遠ざけることにより鋳
型底部の原料を冷却開始端として徐々に上方に向けて凝
固させるものであり、上記鋳型の移動に加えて鋳型底部
を冷却媒体で強制冷却する場合もある。上記方法に用い
られる従来の一方向凝固装置を図5、6の概略端面図を
用いて具体的に説明する。鋳型40は内面を耐熱材41
aで被覆した炉41内に配置されており、鋳型40の外
周側であって炉41の内面部付近に熱源42…42が配
置されている。なお、鋳型40は筒状の保温壁43上に
載置されており、該保温壁43は、炉41の下方開口部
から下方に突出して鋳型40を載置したままで上下移動
可能としてある。また、保温壁43内には、同じく上下
移動可能としたチルプレート44が配置されており、該
チルプレート44の内部には、冷却水を通過させる冷却
水通路44aが形成されている。上記装置に基づく凝固
方法を説明すると、炉41内に配置した鋳型40内に原
料10としてSiを収容し、熱源42…42を作動させ
て鋳型40内の原料10を溶解させる。なお、この際に
は、チルプレート44は下方位置に待機させておき、鋳
型40とは接触していない状態にしておく。そして熱源
42…42による加熱によって原料10が溶融すると、
チルプレート44を上昇させて鋳型40の底面に接触さ
せ、次いで、保温壁43とチルプレート44とを同時に
下降させて、鋳型40を炉41の熱源42から徐々に遠
ざける。この際に、チルプレート44の冷却水通路44
aには、冷却水を流し、冷却効率を上げる。上記により
鋳型40内の原料10は、底部から徐々に上方に向けて
凝固し、一方向に凝固したSiインゴットが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の凝固装
置では原料の温度や凝固速度の制御は鋳型の引下げ速度
によって縦方向にしか調節出来ないため、完全に側面か
らの核発生を抑制することが出来ず、一方向凝固のイン
ゴットの品質が低下するという問題がある。また、凝固
時に、必要以上に昇温している溶湯の表面部温度を下げ
て凝固速度を適切に制御するために高温の原料に向けて
不活性ガス等を吹き付ける方法もあるが、原料表面部の
温度が下がりすぎる場合があり、原料温度の制御が難し
いという問題がある。本発明は、上記事情を背景として
なされたものであり、鋳型の移動側端部での熱交換効率
を調整することにより原料の温度や凝固速度の制御を適
切に行って品質の優れた一方向凝固材を得ることができ
る一方向凝固材の製造方法および一方向凝固装置を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のうち第1の発明の一方向凝固材の製造方法は、
原料を収容した鋳型と熱源とを互いに遠ざけるように一
方または両方を特定方向に移動させるとともに前記鋳型
の移動側端部を冷却媒体で冷却して鋳型内の溶解した原
料を一方向に凝固させる一方向凝固材の製造方法におい
て、前記鋳型の移動側端部を中心から周縁に掛けて冷却
効率が減少するように冷却媒体で冷却することを特徴と
する。
【0005】第2の発明の一方向凝固材の製造方法は、
原料を収容した鋳型と熱源とを互いに遠ざけるように一
方または両方を特定方向に移動させるとともに前記鋳型
の移動側端部を冷却媒体で冷却して鋳型内の溶解した原
料を一方向に凝固させる一方向凝固材の製造方法におい
て、前記冷却媒体としてガスを使用し、鋳型を冷却した
後のガスを鋳型内の原料に吹き付けることを特徴とす
る。
【0006】第3の発明の一方向凝固材の製造方法は、
原料を収容した鋳型と熱源とを互いに遠ざけるように一
方または両方を特定方向に移動させて溶解した原料を一
方向に凝固させる一方向凝固材の製造方法において、前
記鋳型の移動側端部に近接して補助熱源を配置して、原
料の冷却に補助熱源による加熱を加えて鋳型内原料の冷
却を制御することを特徴とする。
【0007】第4の発明の一方向凝固装置は、鋳型の移
動側端部面に、複数の放熱フィンが並列されており、該
放熱フィンは、鋳型端部面の中心から周縁に掛けて冷却
効率が減少するように形状または配置が調整されている
ことを特徴とする。
【0008】第5の発明の一方向凝固装置は、鋳型の移
動側端部に冷却ガス導入部と冷却ガス排出部とを有する
冷却室が設けられており、前記冷却ガス排出部にガス通
路が連結されているとともに、該ガス通路に鋳型内原料
にガスを吹き付けるガス放出部が連結されていることを
特徴とする。
【0009】本発明は、Siインゴットのように高品質
が要求される半導体材料(Si等)の製造に適している
が、これに限定されるものではなく、各種材料を用いて
一方向凝固材を高品質かつ歩留まりよく製造するものと
して利用できる。また、上記インゴットの製造に際し使
用される鋳型や加熱源の構造、種別等も特に限定される
ものではなく、鋳型や加熱源の移動装置もその構造が特
に限定されるものではない。これらの具体例を示すと、
加熱源としては、ヒータや高周波誘導加熱コイルを挙げ
ることができる。これらの加熱源においては、出力、す
なわち電圧や電流量の調整によって加熱温度の加減を容
易に行うことができ、移動も容易である。また、鋳型と
しては、耐熱性に優れたセラミックスを使用することが
でき、いわゆる坩堝と称されるものも鋳型に含まれる。
【0010】なお、一方向凝固に際しては加熱源と鋳型
とを互いに遠ざけるが、これらのいずれを移動させても
よく、また両方を移動させてもよい。移動方向として
は、一般には鋳型を下降(または熱源を上昇)させる
が、これに限定されるものではなく、例えば、水平方向
に移動させることも許容される。上記の鋳型や熱源を移
動させる移動装置としては、モータやシリンダを用いた
装置が例示される。移動装置は、単に定速での移動と停
止を選択できるものであってもよく、また速度を可変と
したものであってもよい。さらに、移動装置は、移動、
停止の選別、移動速度の大小だけでなく、反転動作でき
るものであってもよい。上記移動の結果、移動方向にお
ける鋳型の端部は、最も早く熱源から遠い位置へと移動
するので、例えば鋳型を下降させる場合にはその底部が
溶湯の凝固開始点となる。また、鋳型を水平に移動させ
て熱源から遠ざけるような場合には、水平端が凝固開始
点となる。
【0011】さらに、本発明では、鋳型と熱源とを遠ざ
けて鋳型内原料を冷却するとともに鋳型の移動側端部を
冷却媒体によって強制的に冷却することができる。冷却
媒体としては、空気等の冷却用ガスや、水等の冷却用液
を使用することができる。この冷却媒体による冷却は、
原料の凝固に際し、常時行うこともできるが、断続的に
行ったり、所望時にのみ行うことも可能であり、冷却用
媒体の流量を適宜変更する等の制御を行うことも可能で
ある。なお、鋳型を移動させつつ冷却する際、例えば鋳
型を下降させる際に、原料の横方向における冷却速度が
必ずしも一様になるわけではなく、外部環境に近い周縁
部程冷却されやすい。このため、本願の第1の発明のよ
うに、鋳型の移動側端部を中心から周縁に掛けて冷却効
率が減少するように冷却媒体で冷却するのが望ましい。
これにより冷却速度の遅い鋳型の中心部では効率の高い
冷却が行われ、冷却速度の速い鋳型周縁部ほど効率が低
い冷却が行われるので、中心から周縁にかけて一様な冷
却速度で原料を冷却、凝固させることができ、側面から
の核発生を防止して良質のインゴットを得ることができ
る。
【0012】上記のように鋳型の移動側端部で冷却効率
に差を設ける方法としては、第4の発明のように、鋳型
移動側端部面に放熱フィンを設け、この放熱フィンの形
状や配置を工夫する方法が挙げられる。これにより鋳型
端部面の中心から周縁に掛けて冷却効率を減少させるこ
とができる。例えば、放熱フィンの表面積を大きくすれ
ば冷却効率が上がり、表面積を小さくすれば冷却効率が
下がるため、中心部に表面積の大きな放熱フィンを配置
し、中心から離れる程、表面積が小さい放熱フィンを配
置すればよい。また、冷却効率は、放熱フィンの配置間
隔によっても異なるため、中心部では配置間隔を小さく
し、周縁に掛けて配置間隔を大きくするようにしてもよ
く、また、放熱フィンの形状や配置によって冷却媒体の
流速を変化させることによって熱効率に差を設けること
も可能であり、上記形状と配置の調整を組み合わせるこ
とも可能である。なお、冷却効率に差を設ける場合に、
鋳型の移動側端部の中心から周縁に掛けて連続的に差を
設ける他に、段階的に差を設けることもでき、また部分
的に差を設けたものであってもよい。
【0013】また、本発明のうち第2の発明では、冷却
用のガスで鋳型を冷却した後にこのガスを原料の表面に
吹き付けているが、この場合のガスとしては、得られる
インゴットの品質を損なわないように不活性ガス等の雰
囲気ガスを使用するのが望ましい。また、上記ガスは、
鋳型の冷却後に全てを原料に吹き付ける必要はなく、そ
の一部を連続して、また、必要に応じて原料に吹き付け
てもよい。上記ガスは、鋳型を冷却することによって原
料や鋳型からの熱エネルギを得ているので、そのまま鋳
型内の原料に吹き付けることができるが、ガスの温度を
適温に調整すべく、鋳型冷却後のガスに対し適度な冷却
や加熱を行うことも可能である。
【0014】上記のように、鋳型を冷却した後のガスを
原料の表面に吹き付ければ、原料の熱エネルギを有効に
回収して、この熱によりガス吹き付けの際に原料を過冷
却するのを防止できる。また、冷却後のガスを加熱した
り、冷却したりして温度調整後に原料に吹き付ける場合
であっても、ガスを適温付近にまで昇温させるために原
料の熱が有効に利用されているので、エネルギ効率が向
上するという点で効果が認められる。また鋳型内の原料
表面に直接清浄なガスを送ることができる点で、従来行
われている加熱炉内全体にガスを導入する方法のみで、
加熱炉内雰囲気として不活性ガスを満たす方法よりも、
断熱材やヒータあるいは炉内で発生した気体や粉塵で鋳
型内の原料が汚染されることを防止できる効果も認めら
れる。上記方法の実現に際しては、鋳型の移動側端部に
冷却ガス導入部と冷却ガス排出部とを有する冷却室を設
け、冷却ガス排出部にガス通路を連結し、ガス通路に鋳
型内原料にガスを吹き付けるガス放出部を連結する構成
を採ることができる。この構成によれば、鋳型を冷却し
たガスを容易に鋳型への吹き付けに利用することがで
き、装置も簡易に構成することができる。
【0015】また、鋳型の移動側端部付近に補助熱源を
設けることにより、鋳型端部での冷却速度を適切に制御
することができる。この補助熱源は、鋳型の移動側端部
全体を加熱できるものの他、移動側端部を部分的、例え
ばゾーン毎に加熱できるものであってもよい。鋳型の移
動側端部をゾーン毎に加熱する場合には、ゾーンに対応
して複数の補助ヒータを設けることができる。上記補助
熱源により移動側端部での場所による冷却速度の差をな
くしたり、冷却途中の冷却速度を適宜所望の速度に調整
することができる。補助熱源は一般に熱源として使用さ
れるヒータや高周波誘導加熱コイルなどを使用すること
ができるが、原料を溶解する様な高温にすることは必要
とされず、予備加熱的に使用するものであればよい。ま
た、鋳型の移動側端部を冷却媒体で冷却して冷却媒体に
よる冷却と上記補助熱源による加熱とを組み合わせるこ
ともでき、両者の作動を適切に制御することによって鋳
型の移動側端部での冷却速度が常に最適になるようにす
ることができる。なお、上記各発明は、それぞれ単独で
説明したが、第1〜第3の発明を、(1)第1発明と第3
発明の組み合わせ、(2)第1発明と第2発明の組み合わ
せ、(3)第2発明と第3発明の組み合わせ、(4)第1発
明、第2発明、第3発明の組み合わせのように複数組み
合わせてもよい。また、第4、第5の発明を組み合わせ
ることも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下に本発明の一実施形態を図1に基づ
き説明する。有底筒形状からなる鋳型1は、昇降可能な
鋳型台2上に載置されており、鋳型1の周囲には熱源と
して環状にヒータ3が配置されている。なお、上記鋳型
台2は、小径筒状のロッド筒部2aと、大径筒状で鋳型
よりやや小径の載置筒部2bとで構成されており、該載
置筒部2bと上記鋳型1の移動側端部である底部との間
で冷却室4が構成されている。上記鋳型1の底部下面に
は、中央に凹部1aが形成されているとともに冷却室4
に露出するように環状の放熱フィン5a〜5cが同心状
に形成されており、互いの間隔は放熱フィン5a、5b
間よりも放熱フィン5b、5c間の方が広くなってい
る。すなわち、上記放熱フィンは、外周側ほど設置間隔
が広くなっており、中心側から周縁側にかけて放熱フィ
ンによる冷却性能が小さくなっている。また、鋳型台2
内には、上記放熱フィン5a〜5cと互い違いに環状片
6a〜6cが位置する通気路壁板6が鋳型台2の側壁及
び底部と隙間を有するようにして放熱フィン5a〜5c
と向かい合わせに配置されている。また、該通気路壁板
6の中央にはガス導入部である通気孔7aが形成されて
おり、該通気孔7aと連通するようにして通路板6の下
方に通気管7bが連結されている。該通気管7bは下方
に伸長し、鋳型台2のロッド筒部2a内面と隙間を有す
るようにして該ロッド筒部2a内を通り、図示しない送
風装置に連結されている。また、前記鋳型1の底部の中
央部には熱電対8a、周縁部に熱電対8b、鋳型1の側
壁に熱電対8cが埋設され、さらに鋳型1の上方に熱電
対8dが臨ませてあり、これら熱電対によって原料の温
度を観察(間接的観察)し、所望により熱源の温度や鋳
型の移動速度、冷却ガスによる冷却を調整する。
【0017】次に、上記装置による凝固材の製造方法を
説明する。先ず、原料10として純Siを用意し、必要
量を鋳型1内に収容する。次いで、ヒータ3に所定の電
力を供給し、所定温度にまで昇温させて原料10を溶解
させる。次いで、鋳型台2を下降させるとともに、送風
装置から冷却媒体としてガスを通気管7bに送出する。
ガスは、通気管7bから通気口7aを通って冷却室4
に達し、鋳型1底面の凹部1aに当たった後、放熱フィ
ン5a〜5cと環状片6a〜6bとの間の隙間によって
形成される、蛇行した通気路を通り、最終には、通気路
壁板6と載置筒部2bとの隙間である側方隙間と底部隙
間を通り、さらに通気管7bの外面とロッド筒部2a内
面との隙間を通って、所定箇所へと移動する。上記した
鋳型1の下降とガスによる冷却により、鋳型1内で溶解
している原料10は、鋳型1の下部に接した下端より徐
々に上方に向けて凝固を開始し、最終的に一方向に凝固
した凝固材が得られる。
【0018】なお、上記実施形態では、放熱フィン5a
〜5bの表面積と配置間隔とによってガスによる冷却が
中央ほど冷却効率が高く、外周に行くに従い冷却効率が
低くなるので、冷却しにくい中央部の冷却がより促進さ
れ、冷却が早い外周側の冷却の促進が抑えられ、全体と
して横方向において均等な凝固速度が得られる。これに
より鋳型側面での核発生が防止され、上方向に沿って一
様に凝固した良質の凝固材が得られる。
【0019】(実施形態2)この実施形態は、上記実施
形態と異なり鋳型冷却後のガスを溶湯表面に吹き付ける
ものである。以下に、その構造を図3に基づき説明する
が、上記実施形態と同様の構造については、同一の符号
を付して説明を省略または簡略化する。上記実施形態で
示した通気管7bとロッド筒部2aとの隙間は、ロッド
筒部2a上端部で封止されており、載置筒部2bの底部
にガス排出部として排気口20が設けられている。該排
気口20には、ガス通路としてガス管21が連結されて
いる。ガス管21は炉外を通り(図中一部省略)、鋳型
1の上方に至るように配管されており、ガス管21の先
端にはガス放出部としてガス吹き付け装置22が取り付
けられている。この実施形態では、上記実施形態と同様
にして鋳型1を冷却したガスを排気口20から取り出
し、ガス管21を通してガス吹き付け装置22から高温
の原料10に向けてガスを吹き付ける。このガスは、鋳
型1を加熱した際に適度に昇温しており、これを原料1
0に吹き付けることにより原料10を過度に冷却するこ
とが避けられ、また、エネルギを効率的に利用すること
とともに加熱炉内で発生した粉塵の堆積、混入による鋳
型内の原料の汚染を防止することができる。なお、上記
実施形態では、鋳型を冷却した全てのガスを常時原料1
0に吹き付けるものとしたが、バルブ等により一部を所
望の時にだけ原料に吹き付けるように構成することも可
能である。
【0020】(実施形態3)実施形態3は、図4に示す
ように鋳型の底部に近接して補助熱源として補助ヒータ
30a、30bを配置したものであり、実施形態1と同
様の構成については、説明を省略または簡略化する。こ
の実施形態では、鋳型1を下降させる際に、適宜、補助
ヒータ30a、30bを作動させて鋳型1の移動側端部
における冷却速度を調整することができる。また、この
実施形態の補助ヒータは、ゾーン毎に複数個のヒータで
構成されており、それぞれ独立して作動可能としてある
ので、鋳型底部を部分的に、例えばゾーン毎に加熱する
ことができる。なお、ゾーン毎に加熱すれば、ゾーン毎
に冷却の制御が可能になり、鋳型の直径方向に温度差を
つけて、異方向の結晶成長を抑制し、側面からの核発生
を防止することができる。なお、この実施形態では、冷
却媒体による強制冷却は行わないものとしたが、冷却媒
体による冷却と補助熱源による加熱とを組み合わせて冷
却速度を最適に保つことも可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の一方向凝固
材の製造方法によれば、原料を収容した鋳型と熱源とを
互いに遠ざけるように一方または両方を特定方向に移動
させるとともに前記鋳型の移動側端部を冷却媒体で冷却
して鋳型内の溶解した原料を一方向に凝固させる一方向
凝固材の製造方法において、前記鋳型の移動側端部を中
心から周縁に掛けて冷却効率が減少するように冷却媒体
で冷却するので、移動側端部において均等な冷却速度が
得られ、側方からの核形成が抑制されて一つの方向に沿
って凝固した良質な凝固材が得られる。
【0022】また、前記冷却媒体としてガスを使用し
て、鋳型を冷却した後のガスを鋳型内の原料に吹き付け
れば、原料の過冷却が防止されるとともにエネルギを有
効に利用することができる。また、鋳型の移動側端部に
近接して補助熱源を配置して原料の冷却に補助熱源によ
る加熱を加えて鋳型内原料の冷却を制御するものとすれ
ば、冷却速度を適宜調整して的確な凝固を行わせること
ができる。また、補助熱源を複数ゾーン毎に設ければ、
局部的な温度や冷却速度の変化を調整しやすく、鋳型の
移動側端部での場所による冷却速度のばらつきをなくし
て均等な凝固速度を得ることができる。また移動側端部
方向での温度制御により、より良質の凝固材を得ること
も可能になる。
【0023】さらに、本発明の一方向凝固装置によれ
ば、鋳型の移動側端部面に、複数の放熱フィンを並列さ
せ、該放熱フィンを鋳型端部面の中心から周縁に掛けて
冷却効率が減少するように形状または配置を調整すれ
ば、装置の構造によって鋳型の移動側端部での冷却速度
を均等にすることができ、特別な操作や使用方法を必要
としないで良質の凝固材を製造することが可能になる。
また、鋳型の局部的な温度や冷却速度の変化の調整が容
易である。
【0024】また、鋳型の移動側端部に冷却ガス導入部
と冷却ガス排出部とを有する冷却室を設け、前記冷却ガ
ス排出部にガス通路を連結し、ガス通路に鋳型内原料に
ガスを吹き付けるガス放出部を連結すれば、簡易な構造
によって高温の原料を効率的に冷却することができ、ま
た原料の過冷却も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の装置を示す正面端面図
である。
【図2】 同じく鋳型移動端部付近の拡大端面図であ
る。
【図3】 本発明の他の一実施形態の装置を示す正面端
面図である。
【図4】 さらに他の一実施形態の装置を示す正面端面
図である。
【図5】 従来の一方向凝固装置を示す正面端面図であ
る。
【図6】 同じく凝固途中の一方向凝固装置を示す正面
端面図である。
【符号の説明】
1 鋳型 3 ヒータ 4 冷却室 5a、5b、5c 放熱フィン 6a、6b、6c 環状片 7a 通気孔 7b 通気管 10 原料 20 排気口 21 ガス管 22 ガス吹き付け装置 30a、30b 補助ヒータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を収容した鋳型と熱源とを互いに遠
    ざけるように一方または両方を特定方向に移動させると
    ともに前記鋳型の移動側端部を冷却媒体で冷却して鋳型
    内の溶解した原料を一方向に凝固させる一方向凝固材の
    製造方法において、前記鋳型の移動側端部を中心から周
    縁に掛けて冷却効率が減少するように冷却媒体で冷却す
    ることを特徴とする一方向凝固材の製造方法
  2. 【請求項2】 原料を収容した鋳型と熱源とを互いに遠
    ざけるように一方または両方を特定方向に移動させると
    ともに前記鋳型の移動側端部を冷却媒体で冷却して鋳型
    内の溶解した原料を一方向に凝固させる一方向凝固材の
    製造方法において、前記冷却媒体としてガスを使用し、
    鋳型を冷却した後のガスを鋳型内の原料に吹き付けるこ
    とを特徴とする一方向凝固材の製造方法
  3. 【請求項3】 原料を収容した鋳型と熱源とを互いに遠
    ざけるように一方または両方を特定方向に移動させて溶
    解した原料を一方向に凝固させる一方向凝固材の製造方
    法において、前記鋳型の移動側端部に近接して補助熱源
    を配置して、原料の冷却に補助熱源による加熱を加えて
    鋳型内原料の冷却を制御することを特徴とする一方向凝
    固材の製造方法
  4. 【請求項4】 鋳型(1)の移動側端部面に、複数の放
    熱フィン(5a、5b、5c)が並列されており、該放
    熱フィン(5a、5b、5c)は、鋳型端部面の中心か
    ら周縁に掛けて冷却効率が減少するように形状または配
    置が調整されていることを特徴とする一方向凝固装置
  5. 【請求項5】 鋳型(1)の移動側端部に冷却ガス導入
    部(7a)と冷却ガス排出部(20)とを有する冷却室
    (4)が設けられており、前記冷却ガス排出部(20)
    にガス通路(21)が連結されているとともに、該ガス
    通路(21)に鋳型内原料(10)にガスを吹き付ける
    ガス放出部(22)が連結されていることを特徴とする
    一方向凝固装置
JP31712896A 1996-11-13 1996-11-13 一方向凝固材の製造方法および一方向凝固装置 Pending JPH10139580A (ja)

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