JPH10138863A - エアバッグ用ガス発生器 - Google Patents
エアバッグ用ガス発生器Info
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- JPH10138863A JPH10138863A JP9244047A JP24404797A JPH10138863A JP H10138863 A JPH10138863 A JP H10138863A JP 9244047 A JP9244047 A JP 9244047A JP 24404797 A JP24404797 A JP 24404797A JP H10138863 A JPH10138863 A JP H10138863A
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- Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)
Abstract
しながらも、冷却・フィルタ部材の装填量の減少を可能
とするガス発生器を提供する。 【解決手段】 上蓋1aと、外周円筒壁部1bと、ガス
放出口8,8’を有する上容器1と、外周円筒壁部の下
端と接合される下蓋2aと、フランジ筒部2bと、エア
バッグの開口端部19aが取り付けられるサイドフラン
ジ2cと、を有する下容器2と、上容器と下容器とが接
合されて形成されるハウジング3と、ハウジング内の中
央部に配置された点火器4と、ガス発生剤6,11及び
冷却・フィルタ部材7と、を有するエアバッグ用ガス発
生器であって、上容器1に形成されたガス放出口の一部
又は全部の中心線8aが、サイドフランジの上端面2d
より下蓋側に位置する様に設定されてなるエアバッグ用
ガス発生器。
Description
等による衝撃から自動車の運転者及び乗員の安全を確保
するためのエアバッグ安全装置に用いられるガス発生器
であって、特にバッグの損傷防止効果に優れ、且つ小型
化及び低コスト化を同時に実現できるガス発生器に関す
るものである。
下,単に「ガス発生器」という)としては、例えば実開
平6−39631号公報に開示のものが知られている。
即ち、図7に示す様に、ガス発生器210は、内側円筒
壁214と外側円筒壁213と内外円筒壁214,21
3間及び内側円筒壁214内に延在する上蓋240とを
有する上容器211と、内側円筒壁243と外側円筒壁
242と少なくとも内外円筒壁243,242間に延在
する下蓋244とを有する下容器212とを、内側円筒
壁214,243の先端同士及び外側円筒壁213,2
42の先端同士の2ケ所246,247を突き合わせて
摩擦溶接することにより、そのハウジング構造が形成さ
れている。そして、内側円筒壁214,243と外側円
筒壁213,242との間に両端に蓋240,244を
有する環状空間249を区画し、内側円筒壁214,2
43内に少なくとも一端に蓋240を有する中央空間2
50を区画し、環状空間249には、ガス発生剤23
6、冷却部材237A,237B及びフィルター部材2
38を収納し、前記中央空間250に、点火手段235
を収納したものである。
器210が作動すると、先ず点火手段235の着火ピン
260が雷管233を打撃し、その衝撃で雷管233が
爆発して伝火剤234に点火する。伝火剤234で発生
した高温の火炎は、ガス孔220C,214Bを経て、
環状空間249内に噴出し、この火炎によりガス発生剤
236が着火され、窒素ガスを主成分とする高温高圧の
エアバッグ展開ガスを発生させる。高温高圧のガスは、
孔252Aを経て冷却部材237A,237Bを経て冷
却され、フィルタ238でガス中の固形分が濾過され、
ガス放出孔213Aからエアバッグ内に放出され、エア
バッグを展開させる様になっている。
構造ハウジング(先端同士の突き合わせ摩擦溶接箇所が
3か所ある構造のハウジング)の欠点を解消し、摩擦溶
接部位を2か所にして、環状空間249にガス発生剤2
36,冷却部材237A,237B,フィルタ部材23
8をまとめて収納する構成にしているため、内部空間の
利用効率が上がり、ガス発生器の小型化を可能とし得る
点で有効と言える。
生器においても、ガス発生剤の種類や燃焼条件によって
は、ガス放出孔213Aを通過するガスの温度がかなり
高く、しかもスラグがかなりの割合で残存する場合もあ
り得る事が分かってきた。この様なガスがエアバッグ内
に放出されると、高温のスラグによりエアバッグが溶損
する等の、エアバッグに損傷を与える虞れがあるため、
安全性に対する信頼度を高めるためにも、その改善が要
望されている。この改善策として先ず考えられる事は、
冷却部材及びフィルタ部材の装填量を増やす事である
が、この方策ではガス発生器が大型化し、又、コスト高
となるため採用は困難である。そこで、ガス発生器が大
型化せず、しかもコスト高とならずに、出来れば、より
小型化,低コスト化となる方向で、高温の残存スラグを
含むガスを、何等かの手段でエアバッグに悪影響を及ぼ
さない性状にまで変えられる様な技術の開発が要望され
ている。
開平2−164640号公報に開示されているものがあ
る。この方式は、「ガス発生器に設けられた取付部材及
びその周辺の詳細を示す断面図」である図6に示す様
に、ガス発生器のハウジング107eに形成されたガス
放出口107aの対向位置に、フランジ107cに連続
する縦壁部107bを設け、ガス放出口107aから噴
出する高温ガスを、先ず前記縦壁部107dに衝突させ
る事によって、高温ガスが直接エアバッグ108に噴射
するのを防止する様にしたものである。ところが、この
構造では、エアバッグモジュールの組立時に、ガス発生
器107、特にその縦壁部107dをエアバッグ108
内に予め挿入しておくこと自体が極めて煩雑な作業であ
る上、8ケ所の取付孔112でのボルト及びナットの締
結作業も縦壁部107bの存在により、非常に困難なも
のとなり、生産性の低下からエアバッグモジュールのコ
ストアップをもたらす問題点があった。
ガス発生器のハウジング構造の面から鋭意検討を続けた
結果、本発明を完成したものであって、本発明の目的と
するところは、ガス放出口からの高温の残留スラグを有
するガスの噴出を許容しながらも、エアバッグには実質
的な損傷を及ぼす事がなく、しかも、その不十分な処理
状態でのガスの噴出を許容する事により、冷却部材やフ
ィルタ部材の装填量の減少を可能とし、より小型化され
且つ低コストのガス発生器を提供する事を第一の目的と
し、更に、エアバッグモジュールの組立作業性の良好な
ハウジング構造を提供する事を第二の目的とするもので
ある。
め、本発明は、上蓋(1a)と、該上蓋(1a)の外周
縁部から垂下する外周円筒壁部(1b)と、該円筒壁部
(1b)に配設される複数のガス放出口(8,8’)
と、を有する上容器(1)と、該上容器(1)の前記外
周円筒壁部(1b)の下端と接合される下蓋(2a)
と、該下蓋(2a)から前記接合された上容器(1)の
外周円筒壁部(1b)を周りから囲む様に立ち上がるフ
ランジ筒部(2b)と、該フランジ筒部(2b)に続い
て水平に折れてその上面にエアバッグの開口端部(19
a)が取り付けられるサイドフランジ(2c)と、を有
する下容器(2)と、前記上容器(1)と前記下容器
(2)とが接合されて形成されるハウジング(3)と、
該ハウジング(3)内の中央部に配置された点火器
(4)と、その周囲に配置されたガス発生剤(6,1
1)及び冷却・フィルタ部材(7)と、を有するエアバ
ッグ用ガス発生器であって、前記上容器(1)に形成さ
れたガス放出口(8,8’)の一部又は半数以上或いは
全部の中心線(8a)が、前記サイドフランジ(2c)
の上端面(2d)より下蓋(2a)側に位置する様に設
定されてなる事を特徴とするものである。
から放出された高温のスラグを含有したガスは、下容器
のフランジ筒部に衝突する事により含有スラグを該フラ
ンジ筒部に付着させ且つ冷却されて、清浄なガスとなっ
て上方のエアバッグ内に流入する様になるので、エアバ
ッグが高温の残留スラグによって損傷を受ける事が防止
される。
合金とし、且つ両容器を摩擦圧接法によって接合する事
により、ガス発生器の軽量化と共に摩擦圧接による接合
作業の容易性による組立コストの低減並びに接合強度の
向上によるガス発生器の安全性向上を図る事も可能であ
る。
合金又はステンレスとなし、且つ両容器を融接して接合
する事も可能である。これは、上容器と下容器との接合
部は一ケ所のみとなる1室構造の本発明のガス発生器に
おいては、アルミ合金製或いはステンレス製の上下容器
を、汎用の融接機器を使用して溶接しても十分な接合強
度を確保する事ができる事による。これにより、既存の
溶接機器がそのまま使用でき、設備コストの低減のみな
らず、容易な接合作業でハウジングの接合を行う事が可
能となる。
イドフランジの上端面より下蓋側に位置し、且つ前記点
火器(4)の外周側をリング状の仕切板(10)によっ
て上下部に分割し、上部にはガス発生剤(11)が、下
部には冷却・フィルタ部材(7)が、夫々配置される様
になす事もできる。これにより、ガス発生剤の形状がペ
レット形状のみならず、ディスク形状のものに対しても
本発明の適用を可能としている。
成するアルミ合金よりも高融点を有する金属製のリング
部材(20)を設置する事も可能であり、これにより、
フランジ筒部の内壁面の溶融防止と共に溶融アルミの飛
散を防止してガス発生器の安全性を更に向上させる事が
可能となる。
プレス成形品(21)となす事も可能であり、これによ
り、フランジ筒部に衝突した高温ガスによる上下容器の
圧接バリの溶融飛散を防止して、ガス発生器の安全性を
一層向上させる事が可能となる。
面を参照しつつ説明する。図1〜図5は、1室構造の本
発明に係るガス発生器の一実施形態を示す概略説明図で
ある。先ず、図1において、ガス発生器のハウジング3
は、上容器1が下容器2に接合され、内部に単一空間S
を有する1室型の構造とされている。上容器1は、上蓋
1aと該上蓋1aの外周縁部から垂下する外周円筒壁部
1bとから構成されるアルミ合金製の成形体であり、外
周円筒壁部1bの下側周囲には、複数のガス放出口8が
形成されている。又、該外周円筒壁部1bの内壁面に
は、ガス放出口8を覆う金属箔9が貼着され、後述する
ガス発生剤6を外気から遮断すると共にガス発生剤の燃
焼時の圧力調整を行う様にされている。一方、下容器2
は、下蓋2aと、該下蓋2aから前記外周円筒壁部1b
の外径側を上方向に立ち上がるフランジ筒部2bと、更
にそれに続いて水平に折れるサイドフランジ2cとから
構成されるアルミ合金製の成形体である。サイドフラン
ジ2cには、図示されていないエアバッグモジュールの
リテーナ17に取付けるための締結用孔18が周方向に
複数穿設されている。
1bの下端周面が、下蓋2aの内底面周縁部に摩擦圧接
されて形成されている。ハウジング3内の下蓋2aの中
央部には、点火器4がOリング等のシール部材5を介し
て装着固定され、その周囲には、ガス発生剤6が装填さ
れ、更にその周囲には、冷却・フィルタ部材7が装入さ
れている。
1bの内壁面との間には、若干の空間12が形成される
様に構成することが好ましい。これは、冷却・フィルタ
部材7を通過すたガスを一旦均圧化する事により、ガス
放出口8に向かって冷却・フィルタ部材7を局部的にガ
スが流通するのを防止し、冷却・フィルタ部材7のガス
有効通過率を出来るだけ高めるためである。
は、サイドフランジ2cの端面(図では上面)2dより
全て下蓋2a側に位置する様に設定されている。これに
より、後述する様に、ガス放出口8から放出される高温
ガス中に残留するスラグの除去とガスの冷却とを行う様
にしている。
する。車両が重大な衝突事故に遭遇すると、その衝突信
号を受けて点火器4に通電点火され、続いてガス発生剤
6を着火し、ガス発生剤の燃焼が開始される。ガス発生
剤6の燃焼により発生したガスによってハイジング3内
の内圧が所定の圧力に達すると、ガス放出口8の内面に
貼着されている金属箔9が破裂して、多量のスラグを含
む高温高圧のガスが、冷却・フィルタ部材7を通過し
て、外部に放出される。ここで、前記スラグを含む高温
高圧のガスは、前記冷却・フィルタ部材7を通過する間
に冷却され、同時に含有スラグの相当量が除去されてガ
ス放出口8から放出される。しかし、ガス放出口8を通
過した時点のガスは、依然として高温で且つかなりのス
ラグが残存している状態にある。つまり、この状態のガ
スがエアバッグ19内に直接放出されたならば、残留す
る高温スラグによって、エアバッグ19を損傷するおそ
れがある。
ガス放出口8の中心線8aの位置がサイドフランジ2c
の端面(図では上面)2dより全て下蓋2a側に位置す
る様に設定されている。これにより、ハウジング内で発
生したガスは、その全量がガス放出口8から噴出した
後、一旦フランジ筒部2bの内壁面に衝突し、その後、
方向を変えて上昇し、サイドフランジの端面を過ぎてバ
ッグ内に放出される様になる。この間に、冷却・フィル
タ部材7で除去されず、ガス中に残存するスラグは、前
記フランジ筒部2bとの衝突時に、その大部分がいわゆ
る慣性捕捉によって除去されると共に、フランジ筒部2
bとの熱交換によりガスの温度は下げられる。この結
果、適温となり且つ残留スラグも殆ど除去された清浄な
ガスがエアバッグ19内に放出されることになり、従来
問題とされていた高温の残留スラグによるエアバッグの
溶損等の問題は解消される事になる。
出口8の中心線8aが、サイドフランジ部2cよりも余
り下側に位置し過ぎない様にすべきである。好ましくは
本例の様にガス放出口8の上縁がサイドフランジ2cの
端面2dに略一致するか、僅かに下側に位置する様に構
成するのがよい。即ち、中心線8aが下側に位置し過ぎ
ると、換言すると、ガス放出口8が下側に位置し過ぎる
場合には、フランジ筒部2bに衝突した後、上向きに方
向を変えて上昇するガスの上昇流が強くなり、高温ガス
が集中的に吹き付けられるエアバッグ19の中央付近を
円環状に損傷し易くなるという問題を生じ易くなると共
に、上容器1と下容器2との摩擦圧接に発生するバリを
溶融して飛散させ、エアバッグ19を損傷する新たな問
題を引き起こす可能性が生じるからである。
縁がサイドフランジ2cの端面2dに略一致するか、僅
かに下側に位置する様に構成すれば、ガス放出口8から
噴出してフランジ筒部2bに衝突したガスは、反転して
垂直上向方向のガス流に規制される前にサイドフランジ
2cの端面2dを過ぎるため、相当量のガスがエアバッ
グ19内に放射状に噴出する事になる。このため、エア
バッグ19に損傷を与える虞れがなくなるだけでなく、
バッグ19を円滑に膨張できる事にもなる。
1bに配設した本発明の他の方式について説明する。図
2はその例を示すもので、ガス放出口は外周円筒壁部1
bの上下に分散して配設されている。この場合には、図
1のガス発生器の場合に比べて、エアバッグ19に対す
る噴出ガスが有する上向きの展開エネルギーは多少低下
するが、上側のガス放出口8’から噴出するガスのエア
バッグ19に対する横又は斜め向きの展開エネルギーが
新たに付加されるため、トータルとしての展開エネルギ
ーは略同一となる上、展開エネルギーの作用する方向が
エアバッグ19に対して、よりスムースに展開し易い方
向となる効果がある。
散して配設したハウジング構造のガス発生器では、下側
のガス放出口8についてだけ、その中心線がサイドフラ
ンジ2cの上端面2dより下側に位置する様に設定すれ
ばよい。この場合、下側のガス放出口8から噴出するガ
ス量は減少するので、フランジ筒部2bに作用する熱負
荷も抑制できる効果がある。尚、ガス放出口8の分散配
置により、外周円筒壁部1bの上側のガス放出口8’か
らもスラグ含有高温ガスが噴出するが、分散配置により
噴出の勢いも分散されるため、バッグへの熱的影響を十
分許容範囲内に抑える事が可能となる。ガス放出口の上
下の分散配置は、ガス発生剤の種類或いは燃焼条件等を
考慮して適宜決定すればよいが、下側のガス放出口8か
ら噴出するガス量が、全体の50%以上となる様に構成
するのが好ましい。
他の例について説明する。図1に示したハウジング3の
変形例として、同図(b)の様にサイドフランジ2cの
内径側縁部に突起13を取り付けたものがある。この場
合には、サイドフランジ2cにナット15付リテーナリ
ング14及びボルト16でエアバッグ19を固定する様
にしており、エアバッグ19の基部19aを、前記突起
13によって熱風から保護する様にしている。
(a)に示す様に、フランジ筒部2bの内側に、上下容
器1,2を構成するアルミ合金よりも耐熱性の高いステ
ンレス(SUS)製リング部材20を配置し、ガス放出
口8を通過した高温噴出ガス流が、フランジ筒部2bの
内表面を直接衝突しない様にする構成も有効である。ガ
ス発生剤の種類や燃焼条件等によっては、高温噴出ガス
流がフランジ筒部2bに直接衝突する事により、アルミ
合金製のフランジ筒部2bが溶融し、粒子の比較的大き
な溶融金属粒子がガス流に混じって飛散し、エアバッグ
19を損傷する事態の発生も予想される。特に、含窒素
有機化合物を燃料とする非アジ化系燃料を用いるガス発
生剤の場合には、燃焼温度がアジ化系化合物を燃料とす
る従来のガス発生剤に比べて、この傾向は顕著である。
従って、リング部材20の配置により、上記構造のアル
ミ合金製ハウジングを用いても、係る事態の発生を未然
に回避し、同時にエアバッグ19の損傷防止効果を高め
る事が可能となる。
3(b)に示す様に、L字状の断面を有するプレス成形
品からなるSUS製のリング部材21を採用し、該リン
グ部材の立壁21aは、フランジ筒部2bの内面に沿わ
せると共に、その底部21bの内径側先端部は、上下容
器1,2の摩擦圧接の際に発生する圧接バリ1dを覆う
様に当接配置する構成も有効である。上述の図3(a)
に示した様に、フランジ筒部2bの内面に、SUS製の
リング部材20を配置しておけば、該フランジ筒部2b
は十分に保護される訳であるが、リング部材20に衝突
した後の反転ガス流の乱れや勢いの程度によっては、前
記圧接バリ1dが溶融して吹き飛ばされ、比較的大きな
金属粒子(圧接バリ1dのかけら及びその溶融物)が噴
出ガス流に混じって飛散し、エアバッグ19を損傷する
虞れも予想される。しかしながら上記の如く、反転ガス
流が圧接バリ1dに当たらない様に遮断する構成となす
事により、係る事態の発生を未然に回避し、エアバッグ
19の損傷防止効果をより万全なものとなす事が可能と
なる。この場合も、特に非アジ化系のガス発生剤を用い
る場合に有効である。
すものであり、上容器1及び下容器2が共にSUS製で
あり、且つ上容器1の外周円筒壁部1bの下端で外側に
折れて形成されたフランジ部1cが、下容器2の下蓋2
aの内底面縁部に融接接合されている点に特徴があり、
これ以外の基本的構成は図1例と同様である。尚、図4
においては、上記融接は下蓋2aの下方から行われてい
るが、融接の具体的な手段としては、レーザ溶接,電子
ビーム溶接等を始め、通常の各種の溶接法が採用可能で
ある。従って、図4のガス発生器では、図1に示したガ
ス発生器で得られるエアバッグの損傷防止効果の他に
も、既設の汎用溶接機を使用しながら、アルミ合金製に
比べて溶接作業がし易く、十分な接合強度が得られる利
点がある。又、1室構造であるため、重量の増加はそれ
ほど問題とならず、更に上容器1及び下容器2のプレス
成形を夫々1工程で行えるという利点がある。
すものであり、図1から図4に示す実施形態の内、点火
器4の外周側に収納されるガス発生剤6と冷却・フィル
タ部材7を、リング状の仕切板10によって上下に配置
した点に特徴があり、前記仕切板10の上側にはディス
ク状のガス発生剤11を、下側には冷却・フィルタ部材
7を配置したものである。これ以外の基本的構成は図1
〜図4のものと基本的に同様であるので詳細説明は省略
する。これにより、本発明を、ペレット状のガス発生剤
6のみならず、ディスク状のガス発生剤11にも適用可
能となり、汎用性を高める効果がある。
器においても、ガス発生器のモジュールへの取付作業が
簡単に行えるハウジング構造を有している。即ち、ガス
発生器の組立時には、例えば図1(b)において、リテ
ーナ17に下容器2のサイドフランジ2cを係止させた
後、予めエアバッグ19内にナット15付きのリテーナ
リング14を挿入して開口側端部19aにセットしたも
のをサイドフランジ2cの上面に合わせ置き、リテーナ
17の下側から各ボルト16を夫々対応するナット15
に取り付けて締結すればよい。
め挿入しておくのは、ナット15付きのリテーナリング
14だけであるため、挿入そのものが簡単な上、このリ
テーナリング14とサイドフランジ2c間にバッグ下側
開口端部19aを挟持した状態でのボルト16,ナット
15による締結も簡単に行う事ができる。従って、本発
明のガス発生器によれば、エアバッグを含むモジュール
の組立作業が簡単になり、効率良く行う事が可能とな
る。この結果、エアバッグモジュールの生産性が高ま
り、エアバッグモジュールのコスト低減を可能とする。
上容器の外周円筒壁部1bに形成された複数のガス放出
口8,8’の内、一部或いは全部の中心線が、下容器2
の外周端から立ち上がったフランジ筒部2bのサイドフ
ランジ2cの上端面より下蓋側に位置する様に構成して
いるので、これにより、ガス放出口から噴出するスラグ
を含む高温ガスは、先ず、フランジ筒部2bの内壁面に
衝突するので、衝突時にガス中に残存するスラグの大部
分が所謂慣性捕捉によって除去されると共に、冷却され
る事になる。この結果、比較的降温され、スラグも殆ど
除去された清浄なガスとなってエアバッグ内に放出され
る事になるので、エアバッグが、残留する高温スラグに
よって溶損等の損傷を受ける事が回避される事になる。
分散して配設したハウジング構造のガス発生器では、下
側のガス放出口から噴出するガス量を低減できるので、
フランジ筒部に作用する熱負荷も軽減されるので、燃焼
温度が高い含窒素有機化合物を燃料とする非アジ化系ガ
ス発生剤の適用も世付医となる。尚、ガス放出口の分散
配置により、外周円筒壁部の上側のガス放出口からもス
ラグ含有高温ガスが噴出されるが、分散配置によりガス
の噴出の勢いも分散されるため、エアバッグへの熱的影
響を十分許容範囲内に抑える事が可能となる。加えて本
形態のガス発生器であれば、バッグの上向きの展開エネ
ルギーが多少低下しても、エアバッグの横又は斜め向き
の展開エネルギーの付加により、トータルとしての展開
エネルギーは十分得られる上、展開エネルギーの作用す
る方向がエアバッグに対して、よりスムースに展開し易
い方向となる効果が得られる。
し、且つ両容器を摩擦圧接法によって接合する事によ
り、1室構造のハウジング構成と相まって、ガス発生器
の一層の軽量化を図る事が可能となるのみならず、摩擦
圧接による接合作業の容易性による組立コストの低減化
及び接合強度の強さから、ガス発生器の安全性が一層向
上する事が期待される。
ステンレス製となし、且つ両容器を溶接等の融接法によ
り接合する事により、両容器の接合部は一ケ所となる本
発明の1室構造のガス発生器にあっては、アルミ合金製
の上容器及び下容器を汎用の溶接機器を使用して接合し
ても十分な接合強度が得易くなる。一方、上容器及び下
容器をステンレス製とした場合は、溶接作業及びその接
合強度の面で、より高い強度が得られる事になり、同時
に、1室構造であるため、重量の増加はそれほど問題と
ならず、更に、接合前における上容器及び下容器を成形
するためのプレス作業は1工程で済むという利点があ
る。
切板を配置して外周空間を上下に分割し、上側にはガス
発生剤を配置し、冷却・フィルタ部材は、下側に配置す
る様にすれば、ガス発生剤をペレット状のみならず、デ
ィスク状のガス発生剤に対しても本発明が適用可能とな
り、本発明の汎用性を高める事が可能となる。
りも高融点の金属製のリング部材20を配置する事によ
り、ガス発生剤の種類や燃焼条件等によっては、高温の
噴出ガス流によるフランジ筒部の溶融が防止され、引い
ては、ガス流への溶融金属粒子の同伴が防止され、エア
バッグの損傷防止効果を高める事が可能となる。
ス成形品とする事により、高温の噴出ガス流による圧接
バリの溶融飛散が防止される。その結果、エアバッグの
高温スラグによる損傷防止のみならず、圧接バリから派
生する比較的大きな金属粒子(圧接バリのかけら)や溶
融金属(圧接バリの溶融物)によるエアバッグの損傷が
防止される事になる。
れも高温のスラグを含有したガスの噴出を許容する構成
であるため、非アジ化系ガス発生剤を使用する場合にお
いても、従来のアジ化系ガス発生剤を用いる場合に比べ
てて冷却・フィルタ部材の装填量を増加する必要は全く
なく、むしろガス発生剤や燃焼条件等によっては、その
装填量を積極的に減少する事も可能となるため、ガス発
生器の一層の小型化,低コスト化を進める事が可能とな
る。
モジュールの組立時に、エアバッグの開口部からエアバ
ッグ内に予め挿入しておくのは、薄板円環状のリテーナ
リングだけであるため、挿入そのものが簡単な上、この
リテーナリングとサイドフランジ間に、エアバッグ下側
開口端部を挟持した状態で、ボルト,ナットによる締結
も簡単に行う事ができる事になる。換言すれば、本発明
のガス発生器は、エアバッグを含むエアバッグモジュー
ルの組立作業を容易となし、エアバッグモジュールの生
産性が向上し、組立コストを低減させる事が可能とな
る。
面模式図であり、(a)は縦断面図、(b)は要部拡大
図である。
もので、ガス放出口を上下に分散配置したハウジング構
造を有する例を示す断面模式図である。
要部断面拡大模式図であり、(a)はリング部材を取り
付けた例を、(b)は断面L字状のリング部材を取り付
けた例を示している。
る。
る。
テーナとエアバッグの取付部の一例を示す要部断面図で
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 上蓋(1a)と、該上蓋(1a)の外周
縁部から垂下する外周円筒壁部(1b)と、該円筒壁部
(1b)に配設される複数のガス放出口(8,8’)
と、を有する上容器(1)と、 該上容器(1)の前記外周円筒壁部(1b)の下端と接
合される下蓋(2a)と、該下蓋(2a)から前記接合
された上容器(1)の外周円筒壁部(1b)を周りから
囲む様に立ち上がるフランジ筒部(2b)と、該フラン
ジ筒部(2b)に続いて水平に折れてその上面にエアバ
ッグの開口端部(19a)が取り付けられるサイドフラ
ンジ(2c)と、を有する下容器(2)と、 前記上容器(1)と前記下容器(2)とが接合されて形
成されるハウジング(3)と、 該ハウジング(3)内の中央部に配置された点火器
(4)と、その周囲に配置されたガス発生剤(6,1
1)及び冷却・フィルタ部材(7)と、 を有するエアバッグ用ガス発生器であって、 前記上容器(1)に形成されたガス放出口(8,8’)
の一部又は全部の中心線(8a)が、前記サイドフラン
ジ(2c)の上端面(2d)より下蓋(2a)側に位置
する様に設定されてなる事を特徴とするエアバッグ用ガ
ス発生器。 - 【請求項2】 前記上容器(1)の前記外周円筒壁部
(1b)の周方向に均一に前記ガス放出口(8)が形成
されており、その全ての中心線(8a)が、前記下容器
(2)のサイドフランジ(2c)の上端面(2d)より
下蓋(2a)側に位置するものである請求項1に記載の
エアバッグ用ガス発生器。 - 【請求項3】 前記上容器(1)の前記外周円筒壁部
(1b)の周方向の上下に、均一に2列のガス放出口
(8,8’)が形成されており、下側のガス放出口
(8)の全ての中心線(8a)が、前記下容器(2)の
サイドフランジ(2c)の上端面(2d)より下蓋(2
a)側に位置するものである請求項1に記載のエアバッ
グ用ガス発生器。 - 【請求項4】 前記ガス放出口(8)の全部の中心線
(8a)が前記サイドフランジ(2c)の上端面(2
d)より下蓋側に位置し、且つ前記点火器(4)の外周
側をリング状の仕切板(10)によって上下部に分割
し、上部にはガス発生剤(11)が、下部には冷却・フ
ィルタ部材(7)が、夫々配置されてなるものである請
求項2に記載のエアバッグ用ガス発生器。 - 【請求項5】 前記上容器(1)及び下容器(2)がア
ルミ合金製であり、且つ前記接合手段が摩擦圧接法によ
るものである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
エアバッグ用ガス発生器。 - 【請求項6】 前記上容器(1)及び下容器(2)がア
ルミ合金製又はステンレス製であり、且つ前記接合手段
が融接法によるものである請求項1乃至請求項4のいず
れかに記載のエアバッグ用ガス発生器。 - 【請求項7】 前記フランジ筒部(2b)の内面に、前
記上容器(1)及び下容器(2)を構成するアルミ合金
よりも高融点の金属製のリング部材(20)を設置して
なる請求項5記載のエアバッグ用ガス発生器。 - 【請求項8】 前記リング部材がL字状の断面を有する
プレス成形品(21)からなるものである請求項7記載
のエアバッグ用ガス発生器。
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JP26543296 | 1996-09-12 | ||
JP24404797A JP3553769B2 (ja) | 1996-09-12 | 1997-09-09 | エアバッグ用ガス発生器 |
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JPH10138863A true JPH10138863A (ja) | 1998-05-26 |
JP3553769B2 JP3553769B2 (ja) | 2004-08-11 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015170537A1 (ja) * | 2014-05-09 | 2015-11-12 | 株式会社ダイセル | ガス発生器とその組み立て方法 |
CN110382309A (zh) * | 2017-02-02 | 2019-10-25 | Trw汽车股份有限公司 | 气体发生器支架和气囊模块 |
-
1997
- 1997-09-09 JP JP24404797A patent/JP3553769B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10086790B2 (en) | 2014-05-09 | 2018-10-02 | Daicel Corporation | Gas generator and assembling method therefor |
CN110382309A (zh) * | 2017-02-02 | 2019-10-25 | Trw汽车股份有限公司 | 气体发生器支架和气囊模块 |
CN110382309B (zh) * | 2017-02-02 | 2022-05-10 | Trw汽车股份有限公司 | 气体发生器支架和气囊模块 |
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