JPH10137969A - レーザ加工機の加工テーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ加工機の加工テーブルにおいて、密に
配設されたフリーベアリングや、ワークＷの上下動機構
等が不必要で、レーザ加工に起因する損傷等の怖れのな
い、保守フリーの加工テーブルを提供する。 【解決手段】 このためこの種の加工テーブルを、その
ｘ，ｙ方向各端縁部にそれぞれワーク突当て８を備えた
固定テーブル１上を、ワークＷ載置用のスキッド３を有
する可動テーブル２を、小数のフリーベアリング４を介
してｘ，ｙ平面内に移動し得るよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、レーザ加工機の
加工テーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばＹＡＧレーザビームを集光
することにより得られる高エネルギーを被加工材料（ワ
ーク）に集中して、溶断，溶接，穿孔等の加工を行うレ
ーザ加工機において、加工テーブルに板金ワークを載置
するとき、このワークを位置決め用の突当て部材に当接
させるため、あるいはまた、任意の位置にワークを移動
させるために、加工テーブル上には、ボール形式のいわ
ゆるフリーベアリング（通称“フリーベア”）が多数配
設されている（公知のため、図示は省略する）。

【０００３】これらのフリーベアリングは、これらを使
用しないときには、下向きに回転したり、あるいは、ワ
ーク支持用のスキッド部材に対して下方向に移動して収
納されている。

【０００４】ワークを、各フリーベアリング上に載置し
て移動するときには、フリーベアリングを上向きに回転
したり、上方に移動することにより、フリーベアリング
を前記スキッド部材より数mm程度高い位置にすることに
より、ワークをスキッドより持ち上げて、各フリーベア
リングのボールにより移動し得るよう構成されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来機構にあっては、つぎのような諸問題点があ
った； １）任意サイズの各ワークを、加工テーブル上の任意の
位置に移動するためには、自明のこと乍ら、多数のフリ
ーベアリンクを加工テーブルの全域に亘って、適当な密
度で配設する必要がある。

【０００６】２）この配設密度が粗すぎる（ピッチが大
きすぎる）と、小寸法サイズのワークが、フリーベアリ
ングから外れてしまう。

【０００７】３）これら複数のフリーベアリングを収納
し、ワークを載置するための上下装置／機構が必要であ
る。

【０００８】４）これらのフリーベアリングを使用中の
状態で本機のレーザビーム加工を行うと、フリーベアリ
ングを損傷する可能性があるため、その位置を検出し
て、加工側とインタロックをとるシステムが必要であ
る。

【０００９】５）また、各フリーベアリングは、レーザ
ビーム加工位置範囲内にあるため、スパッタ，ワークの
切断落下材料，レーザビーム等により損傷を受ける可能
性があり、フリーベアリングの回転機能を損う怖れがあ
る、など。

【００１０】本発明は、以上のような局面にかんがみて
なされたもので、上記のような諸問題点を解消すること
ができ、多数のフリーベアリングや、その上下機構等を
使用することなく、加工テーブル上のワークの突当てや
位置決め等を行うことのできるレーザ加工機の加工テー
ブルの提供を目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、レーザ加工テーブルが、固定テーブルと可動テー
ブルとより成り、前記可動テーブルは、前記固定テーブ
ル上を平面移動可能に構成すると共に、前記固定テーブ
ルのそれぞれ左右方向及び前後方向各端縁部には、被加
工材料位置設定用各突当て部材を備えたことを特徴とす
るレーザ加工機の加工テーブルを提供することにより、
前記目的を達成しようとするものである。

【００１２】

【作用】以上のような本発明構成により、多数のフリー
ベアリングや、ワークの上下移動機構等が不要となり、
保守フリーのレーザビーム加工テーブルが得られる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
一実施例に基づき、図面を用いて詳細に説明する。

【００１４】

【実施例】図１に、本発明に係る一実施例のレーザ加工
機の加工テーブル構成を説明する概要平面図及び側面図
を示す。

【００１５】（構成）本実施例の加工テーブルは、固定
テーブル１及び可動テーブル２とより構成されている。
可動テーブル２は、ワーク素材Ｗをその上に載置支持す
るための複数のスキッド部材３がその上表面にそれぞれ
交換可能に密に配設されている。この可動テーブル２
は、その下面を、固定テーブル１上に取付けられた４隅
の複数のフリーベアリング４上に、支持されていて、そ
の水平面内に自由に移動することができるよう構成され
ている。

【００１６】一方、固定テーブル１のそれぞれｘ方向
（左右方向）及びｙ方向（前後方向）端縁部には、各ガ
イド部材５，６が固設され、それぞれのガイド部材５，
６の長さ方向に沿って摺動移動可能の固定式クランク７
上には、ワーク位置決め当接用の単数または複数の突当
て８が取付けられて、ワークＷの当接により、その所定
のｘ，ｙ方向の加工位置を設定し得るよう構成されてい
る。

【００１７】（動作）加工すべきワーク素材Ｗは、ま
ず、可動テーブル２上に、スキッド３の配設されている
範囲よりも、少し外方へ突出するよう載置する。ただ
し、この場合にはワークＷの正確な位置決めは必要でな
い。

【００１８】次に、この状態で、可動テーブル２を、図
示矢印ａ方向に移動してワークＷのｘ方向突出部をｘ方
向の突当て８に当接させ、次いで、同様にワークＷをｙ
方向に移動させて複数のｙ方向の突当て８に当接させる
ことにより、それぞれ所定のｘ，ｙ位置にワークＷが設
定される。

【００１９】然る後に、可動テーブル２を、固定テーブ
ル１に対して、不図示のクランパ等の固定装置によりそ
の位置に固定する。

【００２０】所定のワーク加工位置を必要としない位置
にワークＷを置く場合も、各突当て８への当接を除く同
様な操作で行えばよい。

【００２１】（作用）以上のように、本発明実施例にお
いては、前述従来例のように、テーブルに対してワーク
Ｗを持ち上げる必要がないため、ワークＷがスキッドに
引掛かることがなく、ワークＷを持ち上げて移動するた
めの従来の多数のフリーベアリングが不必要となるた
め、既述のような各問題点が解消される。

【００２２】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、レーザ加工機の加工テーブルを固定／可動式各テー
ブルで構成し、ワークを可動テーブル上に適当位置に載
置して固定テーブル上を移動させることにより、ワーク
の加工位置を設定するよう構成したため、従来技術のよ
うに、ワークを持ち上げたりする機構や、多数のフリー
ベアリングが不要となり、またワーク加工に関連してフ
リーベアリングが損傷したりする可能性がなくなるた
め、保守フリーのレーザビーム加工を確保することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例加工テーブルの概要構成平面図及び側
面図

【符号の説明】

１ 固定テーブル ２ 可動テーブル ３ スキッド ４ フリーベアリング ５，６ ガイド ７ クランプ ８ 突当て Ｗ ワーク（材料）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レーザ加工テーブルが、固定テーブルと
   可動テーブルとより成り、前記可動テーブルは、前記固
   定テーブル上を平面移動可能に構成すると共に、前記固
   定テーブルのそれぞれ左右方向及び前後方向各端縁部に
   は、被加工材料位置設定用各突当て部材を備えたことを
   特徴とするレーザ加工機の加工テーブル。