JPH10137753A - セレンの分離又は除去方法 - Google Patents

セレンの分離又は除去方法

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JPH10137753A
JPH10137753A JP8302721A JP30272196A JPH10137753A JP H10137753 A JPH10137753 A JP H10137753A JP 8302721 A JP8302721 A JP 8302721A JP 30272196 A JP30272196 A JP 30272196A JP H10137753 A JPH10137753 A JP H10137753A
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JP
Japan
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selenium
resin
reducing substance
solution
ion exchange
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JP8302721A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Yano
勝彦 矢野
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高濃度の共存塩が含有されている排水中のセレ
ンを、簡便で、安価に除去する方法を提供する。 【解決手段】セレン化合物又はその塩類を含有する溶液
を、還元性物質を担持したイオン交換樹脂又はキレート
樹脂に接触させて、セレンを吸着させることを特徴とす
るセレンの分離又は除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡便で安価な水中
のセレン化合物の分離又は除去方法に関するものであ
り、化学工業、冶金工業、電気・電子作業等の環境保全
分野に属する用水、排水処理に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】セレンは有害であるため、その排水基準
及び環境基準は、各0.1ppm及び0.01ppmと
厳しく定められている。これらの基準を達成するため
に、産業界では、省資源、省エネルギー的でかつ効率的
なセレン分離システムの出現が待望されている。水中の
セレン化合物は、主に4価のセレンである亜セレン酸と
6価のセレンであるセレン酸の形で存在している。一般
にセレンを含む液の排水処理では、多量の共存塩の存在
下、微量のセレン化合物を除去することが求められる
が、そのような状況でのセレン除去は困難を伴う。
【0003】そのセレンを除去することの困難性は、セ
レンの化学構造に由来する。一般に微量の重金属イオン
の除去には種々のキレート樹脂が用いられる。しかし、
キレート樹脂は、鉄、銅などのカチオン性の重金属イオ
ンを選択的に除去するために用いられ、セレンのような
酸素が結合したアニオンとして存在する金属を除去する
には適さない。これは、セレン酸、亜セレン酸が酸素が
結合した構造をもつため、セレン原子が他の配位子と直
接相互作用しにくくなっているためである。
【0004】従来、排水中セレンの除去方法としては、
いくつかの方法が知られている。例えば、セレンを吸着
する樹脂として、エポラスK―6(ミヨシ油脂製)等の
アニオン交換樹脂が知られているが、これらはセレンを
アニオン交換により捕捉、吸着するため、セレン濃度が
希薄で高濃度の共存塩が存在する産業排水からのセレン
除去には効果を発揮しない。また、アニオン交換樹脂に
ビスムチオールIIやアゾチオフィリンジスルホン酸など
を担持した樹脂が4価セレン(亜セレン酸)を吸着する
ことが報告されているが、これらの薬品は高価なため排
水処理への工業的利用には不適当である。また、特開平
8−132074号及び同8−224585号各公報に
記載のように、化学的還元又は電気的還元によりセレン
をメタル化して除去する方法は、還元したメタルを回収
する工程が必要なため、プロセス的に煩雑になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みて為されたものであり、その目的は、排水中のセレ
ンを、高濃度の共存塩の存在下、簡便で、安価に除去す
る方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の条件で
セレン化合物又はその塩類を含有する溶液を処理するこ
とにより上記目的が達成されることを見出して完成され
たものである。すなわち本発明は、「セレン化合物又は
その塩類を含有する溶液を、還元性物質を担持したイオ
ン交換樹脂又はキレート樹脂に接触させて、セレンを吸
着させることを特徴とするセレンの分離又は除去方
法」、である。
【0007】セレン化合物又はその塩類を含む液を、還
元性物質と直接接触させた場合セレンは還元できるが、
還元されたセレンを濾過等により除去することが必要に
なる。還元されたセレンは微細な粒子として存在するた
め、濾過による除去は困難である。ここで、還元性物質
を担持したイオン交換樹脂又はキレート樹脂を用いれ
ば、還元されたセレン化合物が樹脂に近接するため、セ
レンが樹脂内に析出、吸着される。よって、還元された
セレンを濾過等により除去する必要がない。また、還元
性物質をイオン交換樹脂又はキレート樹脂上に担持すれ
ば、還元性物質がイオン交換樹脂又はキレート樹脂上に
濃縮され、還元性物質濃度が高くなり反応が進み易くな
る。
【0008】また、還元性物質を担持させたイオン交換
樹脂又はキレート樹脂に用いずに、系内に還元性物質と
イオン交換樹脂又はキレート樹脂を単に混在させただけ
の状態で、セレン化合物又はその塩類を含む溶液をこれ
らと接触させた場合は、還元されたセレンが樹脂内に十
分拡散しないためセレンが樹脂内に十分吸着されず、一
部が樹脂外に存在する。このため、セレンの除去工程が
煩雑になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明において、セレン化合物又はその塩類を含有
する溶液としては、セレン酸、亜セレン酸又はそれらの
塩類の溶液が挙げられる。このとき、該溶液としてはセ
レン化合物又はその塩類と高濃度の他の塩類(アルカリ
金属イオン、アルカリ土類金属イオン、塩素イオン、硫
酸イオン等)を含有し、セレン化合物又はその塩類の濃
度が希薄である水溶液であってもよい。本発明の分離又
は除去方法によれば、上記のいずれの溶液の場合でも処
理後の溶液にはセレンが極微量しか残存しない程度にセ
レンを分離・除去できる。
【0010】本発明において、イオン交換樹脂又はキレ
ート樹脂としては、「機能性高分子シリーズ キレート
樹脂・イオン交換樹脂 講談社サイエンティフィク社
(1986年8月1日発行)」や「ダイヤイオンマニュ
アル 三菱化学社」等に記載されている様な、既に公知
のものが特に制限なく用いられ、ゲル型のものでも多孔
性のものでも使用できる。
【0011】また、還元性物質としては、上記イオン交
換樹脂又はキレート樹脂に担持でき、還元性が損なわれ
ないものであれば、どんな還元性物質でも使用できる。
具体的にはヒドラジン、ヒドロキシルアミン、銅(I)
イオン、鉄(II)イオン、スズ(II)イオン、水素化ホ
ウ素化合物、亜硫酸イオン、次亜硫酸イオン、次亜リン
酸イオン等が挙げられる。好ましくはヒドラジン又はヒ
ドロキシルアミンが用いられる。特に好ましくはヒドラ
ジンが用いられる。また、還元性物質は1種類を単独で
用いても、複数の還元性物質を共存させてもよい。
【0012】還元性物質のイオン交換樹脂又はキレート
樹脂への担持は、イオン交換樹脂又はキレート樹脂と、
還元性物質を適量溶解させた水溶液を接触させればよ
い。たとえば、還元性物質としてヒドラジン又はヒドロ
キシルアミンを用い、また担体としてカチオン交換樹脂
を用いる場合は、H形に調整したカチオン交換樹脂に、
ヒドラジン又はヒドロキシルアミン溶液を接触させれば
よい。
【0013】上記の還元性物質を担持したイオン交換担
体又はキレート樹脂をセレン化合物又はその塩類を含有
する溶液に接触させればセレン化合物又はその塩類は、
担持した還元性物質の作用により0価の金属セレンにま
で還元される。還元性物質は樹脂に担持されており、還
元されたセレンが樹脂に近接しているため、セレンは樹
脂内に析出、吸着される。この様にして、セレン化合物
又はその塩類を含有する溶液を還元性物質を担持したイ
オン交換樹脂又はキレート樹脂に通液するだけで溶液中
のセレン化合物を分離、除去できる。セレン化合物とし
ては、4価セレンが特に除去される。ここで、温度は、
70℃以上であることが好ましく、それ以下の温度では
反応が遅く、効率が劣る傾向にある。この温度は高いほ
ど除去効率が高くなり、実用上80℃から95℃が最も
好ましい。また、セレンの還元反応に消費された還元性
物質は、その時点で活性を失うが、還元性物質溶液を適
宜、母体樹脂に接触させ担持させることができる。この
ため、何度でも繰り返し使用できる。
【0014】イオン交換樹脂又はキレート樹脂に担持す
る還元性物質は、従来セレンの捕捉剤として知られてい
るビスムチオールIIやアゾチオフィリンジスルホン酸に
比べ、安価であり廃水処理への利用に適当である。ま
た、本発明においては共存塩の存在下においても、還元
反応は進行し、セレンは吸着除去できる。
【0015】本発明の分離又は除去方法は、従来公知の
イオン交換樹脂又はキレート樹脂による溶液中のイオン
の吸着分離法と同様に、バッチ法又はカラム法により行
うことができる。上記の方法と同様にして、本発明の分
離又は除去方法は、化学工業、冶金工業、電気、電子産
業等におけるセレンを含有する産業排水の処理に有効に
利用することができる。
【0016】
【実施例】
[実施例1]H形にコンディショニングしたダイヤイオ
ンSK102の10ml(方法は「ダイヤイオンマニュ
アル」(三菱化学)参照)にヒドラジン水和物0.15
gを含むヒドラジン水溶液100mlを加え、三角フラ
スコ中、25℃で2時間振盪した。吸着前後のヒドラジ
ン量を酸滴定した結果、ヒドラジンの担持量は、0.3
0mモルであった。この樹脂を濾過し、10倍量の水で
洗浄した後、さらに樹脂を濾過し、ヒドラジン担持樹脂
を得た。この樹脂をジムロートコンデンサーをつけた2
00ml四つ口フラスコに入れ、さらに亜セレン酸10
ppm溶液100mlを加え、攪拌下反応温度80℃で
2時間保持した。液を冷却後、溶液中のセレン量をIC
P発光分析装置にて分析した。
【0017】[比較例1]実施例1におけるヒドラジン
担持樹脂のかわりに、H形ダイヤイオンSK102を用
いた以外は、実施例1と同様の方法を行った。
【0018】[比較例2]実施例1におけるヒドラジン
担持樹脂のかわりに、H形ダイヤイオンSK102を用
い、反応温度を25℃とした以外は、実施例1と同様の
方法を行った。上記実施例1及び比較例1及び同2の結
果を合わせて表1に示す。ヒドラジンを担持した樹脂で
は溶液中のセレン濃度が減少しており、亜セレン酸が還
元され樹脂に吸着されていると考えられる。
【0019】
【表1】
【0020】[実施例2]実施例1における10ppm
亜セレン酸溶液100mlの代わりに、硫酸ナトリウム
を0.1重量% 含む10ppm亜セレン酸溶液100m
lを加えた以外は、実施例1と同様の方法を行った。
【0021】[実施例3]実施例1における10ppm
亜セレン酸溶液100mlの代わりに、硫酸ナトリウム
を1重量% 含む10ppm亜セレン酸溶液100mlを
加えた以外は、実施例1と同様の方法を行った。上記実
施例2及び同3の結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明により、排水中のセレンを、高濃
度の共存塩の存在下においても、簡便で、安価に吸着し
て分離、除去することができると言った顕著な効果が奏
される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレン化合物又はその塩類を含有する溶
    液を、還元性物質を担持したイオン交換樹脂又はキレー
    ト樹脂に接触させて、セレンを吸着させることを特徴と
    するセレンの分離又は除去方法。
  2. 【請求項2】 接触させる温度が70℃以上である請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 還元性物質が、ヒドラジン又はヒドロキ
    シルアミンである請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 セレン化合物又はその塩類が、亜セレン
    酸又はその塩類である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 セレン化合物又はその塩類を含有する溶
    液が、セレン化合物又はその塩類を含有する産業排水で
    ある請求項1に記載の方法。
JP8302721A 1996-11-14 1996-11-14 セレンの分離又は除去方法 Pending JPH10137753A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011189300A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Taiheiyo Cement Corp セレンの除去方法
JP2018192417A (ja) * 2017-05-17 2018-12-06 株式会社Kri 金属オキソアニオン複合吸着材および吸着方法

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JP2011189300A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Taiheiyo Cement Corp セレンの除去方法
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